JP2005021949A - レーザ溶接モニタリング方法およびレーザ溶接モニタリング装置 - Google Patents

レーザ溶接モニタリング方法およびレーザ溶接モニタリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接状態を高い精度で検査することができる信頼性の高いレーザ溶接モニタリング方法を提供する。
【解決手段】レーザ溶接モニタリング方法は、第2溶接材料に第1溶接材料を溶接するために第1溶接材料側からレーザを照射する照射工程と、照射されたレーザの第1溶接材料の表面におけるスポットの範囲よりも狭い第1計測範囲においてレーザの反射光を計測する反射光計測工程と、スポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲においてレーザの照射に基づく熱放射光を計測する熱放射光計測工程と、計測された反射光と計測された熱放射光とに基づいて、溶接された第1溶接材料と第2溶接材料との接合強度および接合面積を推定する推定工程とを包含する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接におけるモニタリング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ溶接では、試料の材質、熱伝導等の物理的な性質および材料の構造や熱容量等の機械的な性質に基づいて、レーザの照射時間、ピークパワー、パルス波形および繰り返し回数等を変えた実験を繰り返し行い、最適的なレーザ溶接条件を決定する。そのため、レーザ溶接条件は、一定範囲の規則性はあるもの、レーザ加工の専門家が決定したあいまいさをもつことになる。このようなあいまさを管理するために、レーザ溶接における加工状態あるいは加工結果を加工毎にモニタすることは重要である。
【0003】
また、近年、レーザ溶接は、精密な大量生産ラインに適用されることも多くなってきている。レーザ溶接における溶接状態、特に溶接欠陥の検査では、オフラインにて検査員が目視で検査するか、あるいは検査機器を使用して検査することが多い。精密な大量生産ラインでは、多量な箇所を検査することが必要となり、検査にかかる負担は大きい。また、生産性の観点から検査時間は短いことが必要があり、溶接と同時に、または溶接と並行して検査(リアルタイム検査)を行えることが望ましい。しかしながら、現状の接合強度まで加工モニタにより検査することができる機器は存在していない。
【0004】
一般に、レーザ溶接における溶接状態のオンライン計測としては、溶接時に溶接部分において発生するプルーム、音、反射光、熱放射光および高速画像等を利用したものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−225666号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モニタ信号と溶接状態との間の関係は、未だ一義的に定められないため、各特性の識別および詳細な分析が難しいのが現状である。現状の加工モニタ技術は、未溶接、溶接および穴あき等の非常に顕著な加工結果の差を見つけることができるレベルにとどまっている。
【0007】
この原因の一つは、信号処理方法にある。数多くの加工結果を求め、結果を統計的に処理することが多く、その結果、モニタ結果の微弱な情報はかき消されてしまい、個々の試料の大まかな傾向がわかるレベルにとどまっている。リアルタイム検査を実用化するためには、レーザ溶接の加工結果を示すデータの信頼性を上げることが必要である。
【0008】
本発明の目的は、溶接状態を高い精度で検査することができる信頼性の高いレーザ溶接モニタリング方法およびレーザ溶接モニタリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレーザ溶接モニタリング方法は、第1溶接材料と第2溶接材料とのレーザ溶接におけるレーザ溶接モニタリング方法であって、前記第2溶接材料に前記第1溶接材料側からレーザを照射する照射工程と、前記第1溶接材料の表面にレーザーを照射する際、スポットの範囲よりも狭い第1計測範囲で前記レーザの反射光を計測する反射光計測工程と、前記スポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲で熱放射光を計測する熱放射光計測工程と、前記計測された反射光と熱放射光とに基づいて、第1溶接材料と第2溶接材料との接合強度および接合面積を推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るレーザ溶接モニタリング装置は、第1溶接材料と第2溶接材料とのレーザ溶接におけるレーザ溶接モニタリング装置であって、前記第2溶接材料に前記第1溶接材料側からレーザを照射する照射手段と、前記第1溶接材料の表面にレーザーを照射する際、スポットの範囲よりも狭い第1計測範囲で前記レーザの反射光を計測する反射光計測装置と、前記スポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲で熱放射光を計測する熱放射光計測装置と、前記計測された反射光と熱放射光とに基づいて、第1溶接材料と第2溶接材料との接合強度および接合面積を推定する推定装置とを具備することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本実施の形態に係るレーザ溶接モニタリング方法においては、計測された反射光と熱放射光とに基づいて、第1溶接材料と第2溶接材料との接合強度および接合面積を推定する。このため、未溶接、溶接、穴あき等の非常に顕著な加工結果の差を見つけるレベルに留まっている現状の加工モニタ技術を向上させ、リアルタイムで溶接部の接合強度および接合面積を求めることができる。その結果、溶接状態を検査できる信頼性の高いレーザ溶接モニタリング方法を得ることができる。
【0012】
この実施の形態では、前記熱放射光計測工程において計測される前記熱放射光の波長は、1.2マイクロメータ(μm)以上2マイクロメータ(μm)以下であることが好ましい。
【0013】
前記熱放射光計測工程は、複数の波長について前記熱放射光を計測することが好ましい。
【0014】
前記推定工程は、前記反射光の強度と前記反射光の時間との少なくとも一方と、前記熱放射光の強度と前記熱放射光の時間との少なくとも一方とに基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定することが好ましい。
【0015】
前記推定工程は、キーホールが発生したときにおける前記反射光の強度に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定することが好ましい。
【0016】
前記推定工程は、前記発生したキーホールが維持されている間における前記反射光の時間に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定することが好ましい。
【0017】
前記推定工程は、前記第2溶接材料が溶融を開始した時間を基準とした前記熱放射光の時間に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定することが好ましい。
【0018】
前記推定工程は、プルームが発生したときにおける前記反射光の強度に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定することが好ましい。
【0019】
キーホールあるいはプルームの発生した時間の加工表面の温度が、直前の加工表面の温度に対して低くない場合、キーホールあるいはプルームの発生した時間の加工表面の温度を下回るまで、基準時間を早めて使用することが好ましい。
【0020】
各時刻で異なる波長の熱放射光により求めた温度で、熱放射光の強度を割った値を熱放射光の強度として使用することが好ましい。
【0021】
溶接部の接合強度が試料溶接部以外の強度を上回った場合、反射光と熱放射光から、前記第2溶接材料の接合部の直径、半径あるいは面積を推察することより、接合状態および接合強度をモニタすることが好ましい。
【0022】
以下、本実施の形態の基本原理を説明する。
【0023】
本実施の形態において対象とする加工は、レーザ溶接による加工である。溶接は接合技術であり、接合を評価するにためは、引っ張り試験および断面形状評価等のように試料を破壊して検査することが一般的である。生産工程では、破壊試験は抜き取り検査として行うことが多い。
【0024】
しかしながら、レーザ溶接における加工品質を保証するためには、全数検査が望ましい。加工品質を保証するためには、非破壊検査を行う必要がある。非破壊検査としては、X線検査を行うことができるが、X線検査のための検査機器は高価で大掛かりな試験機であり、オフライン化される可能性があり、検査に非常に手間がかかる。
【0025】
本実施の形態は、接合強度および接合面積のような加工時にける被加工物の情報を、加工中の表面モニタに基づいて高い精度で計測することができる加工モニタ計測技術と、加工モニタ信号を処理することで精度の高い接合強度および接合面積を求める信号処理技術とによって、上記した課題を解決する。
【0026】
初めに、加工モニタ計測技術について述べる。現状の計測方法として、プラズマ光、振動、反射光および熱放射光の内、どの計測方法によって計測するかという研究は多く見けられるが、どのように計測するかの研究は未だ十分研究はなされていない。
【0027】
本実施の形態では、レーザ溶接において特徴的な加工現象をモニタすることに注目した。レーザ溶接には、大別して熱伝導型の溶接とキーホール型の溶接とが存在する。溶接結果としては、熱伝導型の溶接では表面の溶融部のサイズに対して浅い溶け込みが生じ、キーホール型の溶接では表面の溶融部のサイズに対して深い溶け込みが生じる。
【0028】
熱伝導型の溶接とキーホール型の溶接との間の大きな相違点の一つは、加工中にキーホールが発生するか否かである。加工中にキーホールが発生すると、レーザ光はキーホールに囚われ、キーホールの内部において多重反射して吸収される。このため、キーホール型の溶接ではレーザ光の反射強度は基本的には減衰する。また、キーホールが発生しない熱伝導型の溶接の場合でも、加工表面では酸化膜が形成され、反射光の強度も変化することを実験によって確認した。
【0029】
先に述べた加工に伴う顕著な反射光の変化は、加工状態を反映しており、レーザ光が照射される試料の表面上におけるレーザのスポット径のサイズよりも狭い範囲において顕著に起こる。このため、試料の表面上におけるレーザのスポット径のサイズよりも狭い計測範囲において反射光を計測する。
【0030】
レーザ溶接における、もう一つの特徴な現象は、レーザスポットの中心部から溶融が始まり、溶接が進捗するにつれて、溶融部が拡大することである。溶融している部分は数千ケルビンの高い温度に達し、溶融あるいは蒸発を起こすほど非常に高温な状態になっている。このため、溶融部からの熱放射光の強度は強い。この熱放射光の強度を計測する範囲として、発生する熱の影響によって加工周辺部に溶融部が広がるため、レーザ光が照射される試料表面上におけるレーザのスポット径のサイズよりも広い領域を計測する必要がある。
【0031】
また、熱放射光は、非接触の温度計測プローブ光として用いられ、2色温度計の原理を用いると、異なる波長の熱放射光との比をとることで、表面の温度情報のみを抜き出すことができる。
【0032】
しかし、熱放射光を計測することは、加工表面の温度と加工表面状態(試料の液体・気体・固体の相変化および溶融サイズ)とが複雑に掛け合わされたものを計測していることになるので、計測された熱放射光に基づいて得られる情報は非常に情報量が多くなり、単純に一つの物理的な性質を表してはいない。
【0033】
このことは、反射光についても同様なことが言える。たとえば、金属材料をレーザ溶接する場合の反射光の時間的変化について述べる。各時刻における反射光の強度に注目すると、キーホールが発生して溶接が完了する場合、全体的な傾向として、時間と共に反射光の強度は減少していく。特に、キーホールの発生に伴って急激な加工変化が見られる。キーホールが発生せず溶接が完了しない場合、溶融にともなって反射光の強度は減衰するが、その後再び反射光の強度は増加していくことが実験によって観測できた。試料に穴およびアンダーフィルが発生する場合は、反射光は穴をぬけるか、アンダーフィルによって乱反射されるため、正反射方向からの計測では、反射光は戻ってこないかあるいは非常に低い値をとる。反射光は、レーザ加工現象を反映した信号であることがわかるが、接合強度や接合面積とは1対1の対応にはなっていない。つまり、反射光や熱放射光単体を観測しても、モニタ信号と加工結果とを1:1に対応させることは難しい。
【0034】
次に、信号処理技術について述べる。レーザ溶接の結果に大きく影響するパラメータとして、照射時間とピークパワーとがある。同じエネルギーを試料に与えても、照射時間とピークパワーとが違うと加工結果が変わることがあり得る。つまり、モニタ信号の強度的な因子だけでなく、時間的な因子も、レーザ溶接信号処理については重要な因子である。信号処理の出力信号として、接合強度と接合面積とを扱うため、その情報を含む信号を入力信号として選択することが必要である。
【0035】
本実施の形態では、接合強度および接合面積を推測するために、表面の溶融部とキーホールのサイズとだけでなく、キーホールが維持されている時間と、溶接する試料を、レーザが入射してくる方向に関して、レーザがはじめに照射する試料を試料1、試料1と接合する試料を試料2とした場合の試料2が溶融している時間とを組み合わせて使用した。これらの値を決めるには、別のモニタ手段と、加工途中の加工状態を見るためにレーザを加工の途中で停止させた加工結果とを用いた。
【0036】
第1に、試料1の表面上における溶融部のサイズに関しては、熱放射光をモニタした。基本的には、加工が進むにつれ、温度も上昇し高温領域が広がり、熱放射光の強度が上がっていく。この場合、熱放射光を計測しても、溶融部のサイズを確認することはできない。しかし、キーホールあるいはプルームが発生すると、高速度カメラと異なる波長の熱放射光を計測することにより、温度はほぼ一定になり、溶融部のサイズが強く反映することが確認できた。キーホールやプルームが発生すると、試料の表面温度は、気化熱として奪われるため、沸点よりも多少低いが、ほぼ一定になっていると考えられる。その結果、溶融部のサイズを決定するためには、高速度カメラによってキーホールあるいはプルームの発生を確認した後、プルームが発生した時の熱放射光の強度と時間とを基準として、それに対する加工結果の強度に基づいて溶融径を求めることができた。
【0037】
第2に、キーホールのサイズに関しては、反射強度をモニタした。キーホールあるいはプルームの発生も溶接サイズと同様に高速度カメラによって確認した後、発生した時の熱放射光の強度と時間とを基準として、それに対する加工結果の強度に基づいてキーホールのサイズを決定した。
【0038】
第3に、キーホールが維持されている時間に関しては、反射の時間をモニタした。キーホールあるいはプルームの発生も溶接サイズと同様に高速度カメラによって確認した後、発生した時の熱放射光の強度と時間とを基準として、キーホールが維持されている時間を決定した。
【0039】
なお、上記の3つの因子に関しては、高速度カメラによりキーホールあるいはプルームが発生した時刻を求め、その時刻における加工表面の温度を、異なる波長の熱放射光を計測することによって求め、求めた加工表面の温度が、それ以前の温度に対して低い温度であるか否かを確認した。
【0040】
もし、低くない場合は、求めた加工表面の温度を下回るまで、基準時間を早める補正を行った。さらに、各時刻で異なる波長の熱放射光に基づいて求めた温度によって、熱放射強度を割り、表面状態を顕著に表した形にすることで、溶融部のサイズとの対応を顕在化させた。
【0041】
第4に、試料2が溶融している時間に関しては、反射の時間をモニタした。試料2が溶融している時間は、加工途中の加工状態を見るために、レーザを加工の途中で停止させた加工結果に基づいて決定した。加工結果に基づいて試料2が溶融を開始するときの強度を実験的に求め、その強度を超えている時間を試料2が溶融している時間であると決定した。
【0042】
以上の4つの因子のうち、反射光と熱放射光とに関する少なくとも1つ以上の因子に基づいて、接合強度および接合面積を推察した。しかし、モニタ信号と加工結果とは1:1に対応していないため、接合強度および接合面積を求めるには、複数の入力情報が精度の低いものであった。そのため、接合強度および接合面積を表す情報を分散的に表現することによって、全体として精度の高い表現を実現した。具体的には、ニューラルネットワークを使用した。
【0043】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置100の構成を示すブロック図である。
【0045】
実施の形態1においては、純アルミに対して基本波YAGレーザを照射してスポット溶接を行い、加工点ごとに加工表面からのレーザの反射光、および加工時に発生する熱放射光を計測し、計測データに基づいて加工モニタを行った。図1には、実施の形態1において使用した、反射光と熱放射光とを異なる計測領域において計測することができ、レーザと同軸方向から測定することができる機構を有するレーザ溶接モニタリング装置100の構成が示されている。本明細書においてスポット径のサイズとは、中心部の強度に対して1/eになった値をいう。
【0046】
被加工物1は、純アルミであり、純度97%以上で、厚み150μmであり、被加工物2は純アルミであり、純度99%以上で、厚み1mmであり、被加工物2に被加工物1を重ね合わせて使用した。試料を固定するために、被加工物2の下方に図示しないコバルト磁石を置き、厚さ2mmの磁性金属製で加工点を中心に直径3mmの穴のあいた図示しない治具を被加工物1の上に置き、被加工物1と被加工物2とを固定した。
【0047】
レーザ溶接モニタリング装置100は、レーザ光源を備えている。レーザ光源は、基本波YAGレーザ3によって構成されている。基本波YAGレーザ3のレーザ条件は、ピークパワーを2kWに固定し、照射時間を1ms、2ms、3ms、4msおよび5msと変化させた条件で行った。
【0048】
基本波YAGレーザ3から出射されたレーザ光は、直径300μmのファイバ4を通って集光レンズ5を透過し、1064nmのレーザ光を全反射する誘電帯多層膜によって構成されたダイクロイックミラー6によって全反射されて、焦点距離30mmの集光レンズ7に導かれ、200μmのスポット径で被加工物1の表面に集光されて、重ね合せスポット溶接を行う。
【0049】
加工中の反射光は、レーザ光が被加工物1の表面に対して垂直に照射されているので、照射されたレーザ光と同軸方向から戻ってくることになり、集光レンズ7、ダイクロイックミラー6を通り抜ける。そして、1064nmと500nmから680nmまでのレーザ光を反射し、1100nmから2000nmまでのレーザ光を透過するビームスプリッター8によって反射され、さらに、1064nmのレーザ光を全反射する誘電帯多層膜のダイクロイックミラー9によって反射され、集光レンズ10において像を結ばせ、像面上に直径100μmのピンホール11を置き、反射光を計測するサイズを決定する。
【0050】
ピンホール11を通過した反射光は集光レンズ12と1064nmを通過する干渉フィルター13と集光レンズ14とを通り抜けて、SIのセンサ15上に像を結ばせ、直径100μmの計測径16において、100kHzのサンプリングによって計測した。計測した信号は信号処理装置28において、1kHzのローパスフィルタによって高周波成分を取り除いた。
【0051】
熱放射光は、反射光と同様にレーザと同軸方向から戻ってくることになり、集光レンズ7、ダイクロイックミラー6およびビームスプリッター8を透過して、集光レンズ17において像を結ばせ、像面上に直径1.5mのピンホール18を置き、熱放射光を計測するサイズを決定した。ピンホール18を通過した熱放射光は集光レンズ36と、1300nmを通過する干渉フィルターと波長1064nm用のノッチフィルターとの2枚組みフィルター19を通り、集光レンズ37により、InGaAsによって構成されたセンサ20上に像を結ばせ、直径1.5mmの計測径21で、10MHzのサンプリングで計測した。計測した熱放射光を表す信号は信号処理装置28において、1kHzのローパスフィルタによって高周波成分を取り除いた。
【0052】
画像計測に関しては、18,000コマの高速画像を計測可能な高感度カメラを用いて、加工部のキーホールあるいはプルームの発生を画像計測した。照明光として、アルゴンイオンレーザ22を用いて、ファイバ23を通って集光レンズ24に導き、ハーフミラー25を通して、ダイクロイックミラー9、ビームスプリッター8、ダイクロイックミラー6を通り、集光レンズ7を通って加工点を照明した。照明された光は、集光レンズ7、ダイクロイックミラー6、ビームスプリッター8、ダイクロイックミラー9およびハーフミラー25を通って、集光レンズ26で高速度カメラ27に加工点の像を結ばせ画像計測を行った。
【0053】
各レーザ条において30サンプルレーザ溶接の結果は、1msから照射時間を長くしていくと、表面の平均溶融径は306μm、542μm、766μm、950μmおよび1034μmと増加していった。また溶接も、照射時間が1msでは未溶接であったが、他の条件では溶接することができた。
【0054】
各条件において30サンプルの加工の高速画像結果から、キーホールが形成された時点の反射光と熱放射光との強度が最大の値を1とし、基準として使用した。加工において、反射光および熱放射光の強度が1を超えた時点でキーホール溶接の開始とみなし、熱放射光の強度が10を越えた時点で被加工物2の溶融が開始されたと決定した。
【0055】
また、接合部に対してせん断方向に沿った引張り試験を行い、20ニュートン(N)以上で、溶接部を中心に母材がせん断破壊されたため、正確な溶接強度を計ることができなかった。そのため、被加工物2の表面の接合面積のサイズを測り、モニタ信号との相関関係も求めた。また、20ニュートン(N)未満では母材の破断が生じないので、接合部の引張り強度を計測することができた。
【0056】
50個の加工点に関する、キーホール発生の時間を基準とした反射光の時間、熱放射光の強度を入力信号として、引張り強度と被加工物2の表面の接合面積のサイズとを出力信号として、誤差伝播方法を用いて、入出力関係を信号処理装置28に設けられたニューラルネットワークに精度98%で学習させた。
【0057】
その結果、未溶接であるか溶接されたかを示す非常に顕著な加工結果をモニタすることができるだけでなく、±数N/mmの精度がある引張り強度と±数10μmの精度がある被加工物2の溶融径のサイズとによってレーザ溶接をモニタすることができた。
【0058】
また、キーホールが発生する時間を基準とした反射光の強度と時間、熱放射光の強度、被加工物2が溶融を開始した時間を基準とした熱放射光の時間の4つの因子うち、反射光と熱放射光に関する少なくとも1つ以上の因子を、入力信号として用い、引張り強度と被加工物2の溶融径のサイズとを出力信号として、誤差伝播方法を用いて、入出力関係を信号処理装置28のニューラルネットワークに精度98%で学習させた結果、キーホールが発生する時間を基準とした反射光の時間と熱放射光の強度とを入力信号とした場合と同等な精度で、引張り強度と被加工物2の表面の接合面積のサイズとをモニタすることができた。
【0059】
図2は実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置における反射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフであり、図3は溶融径の時間的変化を示すグラフである。
【0060】
図2を参照すると、横軸は照射されたレーザの溶接材料1の表面におけるスポットの範囲よりも狭い第1計測範囲におけるレーザの反射光の強度を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶融径が大きくなればなるほど反射光の強度は弱くなる。溶融径が約300μmであるときはレーザの反射光は約0.7であり、溶融径が約500μmに大きくなるとレーザの反射光は約0.6に減少する。溶融径がさらに約700μmに大きくなるとレーザの反射光はさらに約0.5に減少し、溶融径がさらに約1000μmに大きくなるとレーザの反射光はさらに約0.4に減少する。
【0061】
図3を参照すると、横軸は溶接材料1の表面にレーザを照射した時間を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶接材料1の表面にレーザを照射する時間が経過すればするほど、レーザが照射された溶接材料1の溶融径は大きくなる。溶接材料1の表面にレーザを照射した時間が約0.05msのときは溶接材料1の溶融径は約300μmになっている。レーザを照射した時間が約1.5msになると溶接材料1の溶融径は約500μmに増大する。レーザを照射した時間が約2.5msになると溶接材料1の溶融径はさらに約700μmに増大し、約4msになると溶接材料1の溶融径は約1000μmに増大する。
【0062】
図4はレーザ溶接モニタリング装置における熱放射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフであり、図5はレーザ溶接モニタリング装置における溶融径の時間的変化を示すグラフである。
【0063】
図4を参照すると、横軸はスポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲におけるレーザの照射に基づく熱放射光の強度を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶融径が大きくなればなるほど熱放射光の強度は大きくなる。溶融径が約300μmであるときは熱放射光の強度は約10であり、溶融径が約500μmに大きくなると熱放射光の強度は約12に増大する。溶融径がさらに約700μmに大きくなると熱放射光の強度はさらに約14に増大し、溶融径がさらに約1000μmに大きくなると熱放射光の強度はさらに約17に増大する。
【0064】
図5を参照すると、横軸は溶接材料1の表面にレーザを照射した時間を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶接材料1の表面にレーザを照射する時間が経過すればするほど、レーザが照射された溶接材料1の溶融径は大きくなる。溶接材料1の表面にレーザを照射した時間が約0.05msのときは溶接材料1の溶融径は約300μmになっている。レーザを照射した時間が約1.5msになると溶接材料1の溶融径は約500μmに増大する。レーザを照射した時間が約2.5msになると溶接材料1の溶融径はさらに約700μmに増大し、約4msになると溶接材料1の溶融径は約1000μmに増大する。
【0065】
以上のように本実施の形態によれば、溶接材料2に溶接材料1を溶接するために溶接材料1側からレーザを照射する照射工程と、照射されたレーザの溶接材料1の表面におけるスポットの範囲よりも狭い第1計測範囲においてレーザの反射光を計測する反射光計測工程と、スポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲においてレーザの照射に基づく熱放射光を計測する熱放射光計測工程と、計測された反射光と計測された熱放射光とに基づいて、溶接された溶接材料1と溶接材料2との接合強度および接合面積を推定する推定工程とを包含する。このため、未溶接、溶接、穴あき等の非常に顕著な加工結果の差を見つけるレベルに留まっている現状の加工モニタ技術を向上させ、リアルタイムで溶接部の接合強度および接合面積を求めることができる。その結果、溶接状態を検査できる信頼性の高いレーザ溶接モニタリング方法を得ることができる。
【0066】
(実施の形態2)
実施の形態2として、実施の形態1と同様に純アルミに対して基本波YAGレーザを照射してスポット溶接を行い、加工点ごとに加工表面からのレーザの反射光、および加工時に発生する複数の熱放射光を計測し、計測データに基づいて加工モニタを行った。
【0067】
図2には、実施の形態1において使用した、反射光と複数の熱放射光とを互いに異なる計測領域において計測することができ、レーザと同軸方向から測定できる機構を有するモニタリング装置100Aの構成が示されている。
【0068】
図2に示すように、実施の形態1と同様、被加工物1は、純アルミであり、純度97%以上で、厚み150μmであり、被加工物2は純アルミであり、純度99%以上で、厚み1mmであり、溶接には被加工物1と被加工物2とを2枚重ね合わせて使用した。
【0069】
試料の固定も、実施の形態1と同様な治具によって固定した。基本波YAGレーザ3のレーザ条件は、照射時間を3msに固定し、ピークパワーを1.5kW、2kW、2.5kW、3kW、3.5kWおよび4kWと変化させた条件で行った。
【0070】
基本波YAGレーザ3のレーザ光は、直径300μmのファイバ4を通って集光レンズ5に導かれ、1064nmを全反射する誘電帯多層膜のダイクロイックミラー6によって反射されて、焦点距離30mmの集光レンズ7に導かれ、200μmのスポット径で被加工物1の表面に集光され、重ね合せスポット溶接を行う。
【0071】
加工中の反射光は、レーザが被加工物1に垂直に照射されているので、正反射してレーザと同軸方向から戻ってくることになり、集光レンズ7と、ダイクロイックミラー6とを通り抜けて、1064nmと500nmから680nmまでを反射し、1100nmから2000nmまでを透過するビームスプリッター8によって反射され、さらに、1064nmを全反射する誘電帯多層膜のダイクロイックミラー9によって反射され、集光レンズ10で像を結ばせ、像面上に直径100μmのピンホール11を置き、反射光を計測するサイズを決定する。
【0072】
ピンホール11を通過した反射光は集光レンズ12と1064nmを通過する干渉フィルター13と集光レンズ14とを通り抜けて、SIのセンサ15上に像を結ばせ、直径100μmの計測径16で、100kHzのサンプリングで計測した。計測した信号は信号処理装置28において、1kHzのローパスフィルタによって高周波成分を取り除いた。
【0073】
熱放射光は、反射光と同様にレーザと同軸方向から戻ってくることになり、集光レンズ7、ダイクロイックミラー6およびビームスプリッター8を透過し、集光レンズ17で像を結ばせ、像面上に直径1.5mのピンホール18を置き、熱放射光を計測するサイズを決定した。
【0074】
ピンホール18を透過した熱放射光は集光レンズ36によって平行ビームにされ、波長1064nm用のノッチフィルター29を通過し、ハーフミラー30によって2分岐される。一方のビームは、1200nmを透過する干渉フィルター31と集光レンズ37とを通り抜けて、InGaAsのセンサ20上に像を結ばし、直径1.5mmの計測径21で、10MHzのサンプリングで計測した。他方のビームは、2000nmを通過する干渉フィルター32と集光レンズ33とを通り抜けて、InGaAsのセンサ34上に像を結ばし、直径1.5mmの計測径35で、10MHzのサンプリングで計測した。計測した信号は信号処理装置28において、1kHzのローパスフィルタによって高周波成分を取り除いた。
【0075】
画像計測に関しては、18,000コマの高速画像を計測可能な高感度カメラを用いて、加工部のキーホールあるいはプルームの発生を画像計測した。照明光として、アルゴンイオンレーザ22を用いて、ファイバ23を通って集光レンズ24に導き、ハーフミラー25によって反射され、ダイクロイックミラー9、ビームスプリッター8およびダイクロイックミラー6を経由して、集光レンズ7を通って加工点を照明した。加工点において反射された光は、集光レンズ7、ダイクロイックミラー6、ビームスプリッター8、ダイクロイックミラー9およびハーフミラー25を経由して、レンズ26を通り抜け、高速度カメラ27で加工点の像を結ばせ画像計測を行った。
【0076】
各レーザ条において30サンプルレーザ溶接において、照射時間を3msに固定し、ピークパワーを1.5kW、2kW、2.5kW、3kWおよび3.5kWと変化させた条件で行った結果、被加工物1の表面の平均溶融径は262μm、528μm、766μm、1016μmおよび1143μmであった。
【0077】
また溶接も、2kWまでは未溶接であったが、2.5kWから3.5kWまでは溶接することができた。各条件において30サンプルの加工における高速画像結果に基づいてプルームが発生した時間を求め、発生した時刻における反射光および熱放射光の強度が1を超えた時点でキーホール溶接の開始とみなし、熱放射光の強度が10を越えた時点で被加工物2の溶融の開始と決めた。
【0078】
また、接合部に対してせん断方向に沿った引張り試験を行い、20ニュートン(N)以上で、溶接部を中心に母材がせん断破壊されたため、正確な溶接強度を計ることができなかった。そのため、被加工物2の表面における接合面積のサイズを測り、モニタ信号との相関関係も求めた。また、20ニュートン(N)未満では母材の破断が生じないので、接合部の引張り強度を計測することができた。
【0079】
50個の加工点に関する、キーホール発生の時間を基準とした反射光の強度および熱放射光の強度を入力信号として、引張り強度と被加工物2の表面における接合面積のサイズとを出力信号として、誤差伝播方法を用いて、入出力関係を精度98%でニューラルネットワークで学習させた。その結果、実施の形態1と同様に、未溶接、溶接および穴あき等の非常に顕著な加工結果をモニタできるだけでなく、±数N/mmの精度がある引張り強度と±数10μmの精度がある被加工物2の溶融径のサイズとでレーザ溶接をモニタすることができた。
【0080】
また、プルームおよびキーホールが発生した時刻における加工表面の温度を、波長1100nmと2000nmとの熱放射光を計測することによって求め、求めた加工表面の温度が、それ以前の温度に対して低い温度であるか否かを確認した。求めた加工表面の温度が、それ以前の温度に対して低い温度である場合が存在したので、求めた加工表面の温度を下回るまで、基準時間を早める補正を行った。補正した基準時間の時点における反射光と熱放射光の強度が最大の値を1とし、基準として使用し、さらに、各時刻で異なる波長の熱放射光により求めた温度で、熱放射光の強度を割った値を熱放射光の強度として使用した結果、精度が数%改善し、引張り強度と被加工物2の表面における接合面積のサイズとをモニタすることができた。
【0081】
図7は実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における反射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフであり、図8は溶融径の時間的変化を示すグラフである。
【0082】
図7を参照すると、横軸は照射されたレーザの溶接材料1の表面におけるスポットの範囲よりも狭い第1計測範囲におけるレーザの反射光の強度を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶融径が大きくなればなるほど反射光の強度は弱くなる。溶融径が約300μmであるときはレーザの反射光は約0.75であり、溶融径が約500μmに大きくなるとレーザの反射光は約0.6に減少する。溶融径がさらに約750μmに大きくなるとレーザの反射光はさらに約0.5に減少し、溶融径がさらに約1000μmに大きくなるとレーザの反射光はさらに約0.4に減少する。
【0083】
図8を参照すると、横軸は溶接材料1の表面にレーザを照射した時間を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶接材料1の表面にレーザを照射する時間が経過すればするほど、レーザが照射された溶接材料1の溶融径は大きくなる。溶接材料1の表面にレーザを照射した時間が約1.8msのときは溶接材料1の溶融径は約300μmになっている。レーザを照射した時間が約2msになると溶接材料1の溶融径は約500μmに増大する。レーザを照射した時間が約2.5msになると溶接材料1の溶融径はさらに約700μmに増大し、約3msになると溶接材料1の溶融径は約1000μmに増大する。
【0084】
図9は実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における熱放射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフであり、図10は実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における溶融径の時間的変化を示すグラフである。
【0085】
図9を参照すると、横軸はスポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲におけるレーザの照射に基づく熱放射光の強度を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶融径が大きくなればなるほど熱放射光の強度は強くなる。溶融径が約300μmであるときは熱放射光の強度は約8であり、溶融径が約500μmに大きくなると熱放射光の強度は約12に増大する。溶融径がさらに約700μmに大きくなると熱放射光の強度はさらに約14に増大し、溶融径がさらに約1000μmに大きくなると熱放射光の強度はさらに約17に増大する。溶融径がさらに約1200μmに大きくなると熱放射光の強度はさらに約20に増大する。
【0086】
図10を参照すると、横軸は溶接材料1の表面にレーザを照射した時間を示しており、縦軸はレーザが照射された溶接材料1の溶融径を示している。溶接材料1の表面にレーザを照射する時間が経過すればするほど、レーザが照射された溶接材料1の溶融径は大きくなる。溶接材料1の表面にレーザを照射した時間が約1.5msのときは溶接材料1の溶融径は約300μmになっている。レーザを照射した時間が約1.9msになると溶接材料1の溶融径は約500μmに増大する。レーザを照射した時間が約2.5msになると溶接材料1の溶融径はさらに約700μmに増大し、約2.8msになると溶接材料1の溶融径は約1000μmに増大する。
【0087】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、溶接状態を高い精度で検査することができる信頼性の高いレーザ溶接モニタリング方法およびレーザ溶接モニタリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置における反射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフ
【図3】実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置における溶融径の時間的変化を示すグラフ
【図4】実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置における熱放射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフ
【図5】実施の形態1に係るレーザ溶接モニタリング装置における溶融径の時間的変化を示すグラフ
【図6】実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置の構成を示すブロック図
【図7】実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における反射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフ
【図8】実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における溶融径の時間的変化を示すグラフ
【図9】実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における熱放射光の強度と溶融径との間の関係を示すグラフ
【図10】実施の形態2に係るレーザ溶接モニタリング装置における溶融径の時間的変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 被加工物
2 被加工物
3 基本波YAGレーザ
4 ファイバ
5 集光レンズ
6 ダイクロックミラー
7 集光レンズ
8 ブームスプリッター
9 ダイクロックミラー
10 集光レンズ
11 ピンホール
12 集光レンズ
13 干渉フィルター
14 集光レンズ
15 SIのセンサ
16 計測径
17 集光レンズ
18 ピンホール
19 集光レンズ
20 2枚組みフィルター
21 集光レンズ
22 InGaAsのセンサ
23 計測径
24 集光レンズ
25 ハーフミラー
26 集光レンズ
27 高速度カメラ
28 信号処理装置
29 ノッチフィルター
30 ハーフミラー
31 干渉フィルター
32 干渉フィルター
33 集光レンズ
34 InGaAsのセンサ
35 計測径
36 集光レンズ
37 集光レンズ

Claims (12)

  1. 第1溶接材料と第2溶接材料とのレーザ溶接におけるレーザ溶接モニタリング方法であって、
    前記第2溶接材料に前記第1溶接材料側からレーザを照射する照射工程と、
    前記第1溶接材料の表面にレーザーを照射する際、おけるスポットの範囲よりも狭い第1計測範囲で前記レーザの反射光を計測する反射光計測工程と、
    前記スポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲で熱放射光を計測する熱放射光計測工程と、
    前記計測された反射光と熱放射光とに基づいて、第1溶接材料と第2溶接材料との接合強度および接合面積を推定する推定工程とを包含することを特徴とするレーザ溶接モニタリング方法。
  2. 前記熱放射光計測工程において計測される前記熱放射光の波長は、1.2マイクロメータ(μm)以上2マイクロメータ(μm)以下である、請求項1記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  3. 前記熱放射光計測工程は、複数の波長について前記熱放射光を計測する、請求項1記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  4. 前記推定工程は、前記反射光の強度と前記反射光の時間との少なくとも一方と、前記熱放射光の強度と前記熱放射光の時間との少なくとも一方とに基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定する、請求項1記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  5. 前記推定工程は、キーホールが発生したときにおける前記反射光の強度に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定する、請求項4記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  6. 前記推定工程は、前記発生したキーホールが維持されている間における前記反射光の時間に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定する、請求項5記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  7. 前記推定工程は、前記第2溶接材料が溶融を開始した時間を基準とした前記熱放射光の時間に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定する、請求項4記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  8. 前記推定工程は、プルームが発生したときにおける前記反射光の強度に基づいて前記接合強度および前記接合面積を推定する、請求項4記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  9. キーホールあるいはプルームの発生した時間の加工表面の温度が、直前の加工表面の温度に対して低くない場合、キーホールあるいはプルームの発生した時間の加工表面の温度を下回るまで、基準時間を早めて使用する、請求項1記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  10. 各時刻で異なる波長の熱放射光により求めた温度で、熱放射光の強度を割った値を熱放射光の強度として使用する、請求項1記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  11. 溶接部の接合強度が試料溶接部以外の強度を上回った場合、反射光と熱放射光から、前記第2溶接材料の接合部の直径、半径あるいは面積を推察することより、接合状態および接合強度をモニタする、請求項1記載のレーザ溶接モニタリング方法。
  12. 第1溶接材料と第2溶接材料とのレーザ溶接におけるレーザ溶接モニタリング装置であって、
    前記第2溶接材料に前記第1溶接材料側からレーザを照射する照射手段と、
    前記第1溶接材料の表面にレーザーを照射する際、おけるスポットの範囲よりも狭い第1計測範囲で前記レーザの反射光を計測する反射光計測装置と、
    前記スポットの範囲と同じ広さまたはそれよりも広い第2計測範囲で熱放射光を計測する熱放射光計測装置と、
    前記計測された反射光と熱放射光とに基づいて、第1溶接材料と第2溶接材料との接合強度および接合面積を推定する推定装置とを具備することを特徴とするレーザ溶接モニタリング装置。
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