JP2003010989A - レーザ照射領域監視装置、レーザ照射領域監視方法、レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ照射領域監視装置、レーザ照射領域監視方法、レーザ加工装置及びレーザ加工方法

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JP2003010989A JP2001199208A JP2001199208A JP2003010989A JP 2003010989 A JP2003010989 A JP 2003010989A JP 2001199208 A JP2001199208 A JP 2001199208A JP 2001199208 A JP2001199208 A JP 2001199208A JP 2003010989 A JP2003010989 A JP 2003010989A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークのレーザ光の照射領域の酸化を監視す
ることが可能な装置を提供すること。 【解決手段】 管理部7は、第1光成分と第2光成分の
強度比データを基にしてワークWのレーザ光LBの照射
領域Rの温度を演算する温度データ演算部73と、熱輻
射される赤外線IRのうち波長の異なる二つの光成分の
強度比データに基づく温度データを予め複数記憶し、か
つ、複数の温度データの各々の強度比データを構成する
第1光成分の強度データを予め記憶している記憶部75
と、温度データを基にして記憶部75からその温度デー
タに最も近い温度データを選択し、選択された温度デー
タにおける第1光成分の強度データを抽出する抽出部7
6と、抽出された第1光成分の強度データと照射領域R
の第1光成分強度データを比較する判断部77と、を備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用い
て、例えば、金属や樹脂のワークを溶接する場合に使用
するレーザ照射領域監視装置及びレーザ照射領域監視方
法と、これらを適用したレーザ加工装置及びレーザ加工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光は指向性や微小面積への強い収
束性を有するので、レーザ光を用いてワークの溶接、穴
あけ、切断などの加工処理をすることができる。溶接を
例にすると、従来のレーザ光を用いた溶接装置として
は、例えば、特開平5−261576号公報や特開平8
−206859号公報の装置がある。これらの装置では
ワークの溶接中、加熱溶融されているレーザ光の照射領
域の温度を監視することによりワークの溶接不良を防止
している。
【0003】また、特開平9−10970号公報にもレ
ーザ光を用いた溶接装置が開示されている。この装置は
ワークの溶接領域の温度を監視するのではなく、上記熱
輻射される光のスペクトル強度をワークの固有波長の基
準強度と比較し、ワークの溶融、蒸発、励起状態を監視
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】レーザ光によりワーク
を加工する際、ワークのレーザ光の照射領域を多面的に
監視することは、ワークの加工不良をなくすために重要
なことである。しかし、上記の従来技術のみでは不十分
であり、更に多面的な監視技術が望まれていた。
【0005】本発明の目的は、ワークのレーザ光の照射
領域を監視することが可能なレーザ照射領域監視装置及
びレーザ照射領域監視方法と、この監視技術を適用した
レーザ加工装置及びレーザ加工方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ照射
領域監視装置は、ワークにレーザ光を照射することによ
りワークのレーザ光の照射領域から熱輻射される光のう
ち波長の異なる二つの光成分について、各々、強度デー
タを演算する第1演算手段と、第1演算手段により得ら
れた二つの強度データに基づいて、これらの強度比デー
タを演算する第2演算手段と、熱輻射される光のうち波
長の異なる二つの光成分の強度比データを予め複数記憶
し、かつ、これらの強度比データの各々を構成する波長
の異なる二つの光成分の強度データのうち少なくとも一
方を予め記憶した記憶手段と、記憶手段に予め記憶され
た複数の強度比データの中から、第2演算手段により得
られた強度比データと最も近い強度比データを選択し、
選択された強度比データを構成する波長の異なる二つの
光成分の強度データのうち少なくとも一方を抽出する抽
出手段と、抽出手段により得られた強度データと第1演
算手段により得られた強度データを比較することにより
照射領域の状態を判断する判断手段と、を含む。
【0007】本発明に係るレーザ照射領域監視装置は、
記憶手段に予め記憶された複数の強度比データの中か
ら、第2演算手段により得られた照射領域の強度比デー
タに最も近い強度比データを選択し、選択された強度比
データを構成する波長の異なる二つの光成分の強度デー
タのうち少なくとも一方と第1演算手段により得られた
照射領域の強度データとを比較している。ここで、本発
明者の知見では熱輻射される波長の異なる二つの光成分
の強度比データ及び二つの光成分の強度データは、照射
領域の状態と一定の関係を有している。よって、上記比
較を行うことにより照射領域の状態、例えば酸化や溶融
幅の判断が可能になる。
【0008】本発明に係るレーザ照射領域監視装置は、
ワークにレーザ光を照射することによりワークのレーザ
光の照射領域から熱輻射される光のうち波長の異なる二
つの光成分について、各々、強度データを演算する第1
演算手段と、第1演算手段により得られた二つの強度デ
ータに基づいて、これらの強度比データを演算する第2
演算手段と、第2演算手段により得られた強度比データ
に基づいて、照射領域の温度データを演算する第3演算
手段と、熱輻射される光のうち波長の異なる二つの光成
分の強度比データに基づく温度データを予め複数記憶
し、かつ、これらの温度データの各々の強度比データを
構成する波長の異なる二つの光成分の強度データのうち
少なくとも一方を予め記憶した記憶手段と、記憶手段に
予め記憶された複数の温度データの中から、第3演算手
段により得られた温度データと最も近い温度データを選
択し、選択された温度データの強度比データを構成する
波長の異なる二つの光成分の強度データのうち少なくと
も一方を抽出する抽出手段と、抽出手段により得られた
強度データと第1演算手段により得られた強度データを
比較することにより照射領域の状態を判断する判断手段
と、を含む。
【0009】本発明に係るレーザ照射領域監視装置は、
記憶手段に予め記憶された複数の温度データの中から、
第3演算手段により得られた照射領域の温度データに最
も近い温度データを選択し、選択された温度データの強
度比データを構成する波長の異なる二つの光成分の強度
データのうち少なくとも一方と第1演算手段により得ら
れた照射領域の強度データとを比較することにより照射
領域の状態、例えば酸化や溶融幅を判断している。すな
わち、本発明に係るレーザ照射領域監視装置は、強度比
データの代わりにこの強度比データに基づく温度データ
を用いることにより照射領域の状態を判断している。
【0010】本発明に係るレーザ加工装置は、上記レー
ザ照射領域監視装置を備え、レーザ光をワークに照射す
ることによりワークを加工するレーザ加工装置であっ
て、判断手段により照射領域が所定の状態でないと判断
された場合、レーザ加工装置をフィードバック制御する
制御手段を含む。本発明に係るレーザ加工装置によれ
ば、フィードバック制御によりワークの加工不良の発生
を自動的に防ぐことが可能となる。
【0011】本発明に係るレーザ照射領域監視方法は、
ワークにレーザ光を照射することによりワークのレーザ
光の照射領域から熱輻射される光のうち波長の異なる二
つの光成分について、各々、強度データを演算する第1
演算工程と、第1演算工程により得られた二つの強度デ
ータに基づいて、これらの強度比データを演算する第2
演算工程と、熱輻射される光のうち波長の異なる二つの
光成分の強度比データを予め複数記憶し、かつ、これら
の強度比データの各々を構成する波長の異なる二つの光
成分の強度データのうち少なくとも一方を予め記憶した
記憶手段から、第2演算工程により得られた強度比デー
タと最も近い強度比データを選択し、選択された強度比
データを構成する波長の異なる二つの光成分の強度デー
タのうち少なくとも一方を抽出する抽出工程と、抽出工
程により得られた強度データと第1演算工程により得ら
れた強度データを比較することにより照射領域の状態を
判断する判断工程と、を含む。
【0012】本発明に係るレーザ照射領域監視方法は、
ワークにレーザ光を照射することによりワークのレーザ
光の照射領域から熱輻射される光のうち波長の異なる二
つの光成分について、各々、強度データを演算する第1
演算工程と、第1演算工程により得られた二つの強度デ
ータに基づいてこれらの強度比データを演算する第2演
算工程と、第2演算工程により得られた強度比データに
基づいて照射領域の温度データを演算する第3演算工程
と、熱輻射される光のうち波長の異なる二つの光成分の
強度比データに基づく温度データを予め複数記憶し、か
つ、これらの温度データの各々の強度比データを構成す
る波長の異なる二つの光成分の強度データのうち少なく
とも一方を予め記憶した記憶手段から、第3演算工程に
より得られた温度データと最も近い温度データを選択
し、選択された温度データの強度比データを構成する波
長の異なる二つの光成分の強度データのうち少なくとも
一方を抽出する抽出工程と、抽出工程により得られた強
度データと第1演算工程により得られた強度データを比
較することにより照射領域の状態を判断する判断工程
と、を含む。
【0013】上記二つの本発明に係るレーザ照射領域監
視方法は、各々、上記本発明に係るレーザ照射領域監視
装置と同様の作用を有する。
【0014】本発明に係るレーザ加工方法は、上記レー
ザ照射領域監視方法を備え、レーザ光をワークに照射す
ることによりワークを加工するレーザ加工方法であっ
て、判断工程により照射領域が所定の状態でないと判断
された場合、レーザ加工方法をフィードバック制御する
制御工程を含む。本発明に係るレーザ加工方法によれ
ば、フィードバック制御によりワークの加工不良の発生
を自動的に防ぐことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態につい
て、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る
レーザ照射領域監視装置を含むレーザ加工装置1の構成
の概要を示す図である。レーザ加工装置1は、ワークW
にレーザ光LBを照射することによりワークWを加工す
る加工用レーザ3と、ワークWのレーザ光LBの照射領
域(例えば照射領域R)から熱輻射される光(例えば赤
外線IR)を検出し、波長の異なる二つの光成分の強度
を測定する波長強度測定部5と、波長強度測定部5から
送られた上記二つの光成分の強度データに基づき照射領
域の温度等の演算をする管理部(例えばパソコン)7
と、を備える。波長強度測定部5及び管理部7により、
ワークWのレーザ光LBの照射領域の状態(例えば、温
度、酸化、溶融幅)を監視するレーザ照射領域監視装置
が構成されている。加工用レーザ3としては、ワークW
の材料や用途に応じて炭酸ガスレーザ、ガラスレーザ、
YAGレーザ、アルゴンレーザ、ルビーレーザ、半導体
レーザなどが使い分けられる。加工用レーザ3はレーザ
収容部9に収容されている。
【0016】レーザ加工装置1は、さらに、加工用レー
ザ3の照射条件(例えば、パワー、焦点径)を制御する
レーザ制御部11と、ワークWのレーザ光の照射領域か
ら熱輻射される赤外線を集光する集光器13と、を備え
る。集光器13は光ファイバ15を介して波長強度測定
部5と光学的に接続されている。レーザ加工装置1は、
さらに、ワークWに窒素等のシールドガスを噴射するた
めのシールドガスノズル17と、シールドガスノズル1
7から噴射されるシールドガスを制御するガス制御部1
9と、を備える。ガス制御部19及びレーザ制御部11
は、これらを管理する管理部7と電気的に接続されてい
る。管理部7からの信号により、ガス制御部19はシー
ルドガスの流量を制御し、レーザ制御部11は加工用レ
ーザ3の照射条件を制御する。
【0017】波長強度測定部5は、集光器13により集
光された赤外線IRのうち波長の異なる二つの光成分の
強度を測定している。これら二つの光成分の一方を第1
光成分(例えば波長1.8μmの光成分)とし、他方を
第2光成分(例えば波長2.0μmの光成分)とする。
なお、これらの波長は低温用である。高温用(例えば、
測定温度800〜2000℃)では、第1光成分の波長
は例えば1.3μmであり、第2光成分の波長は例えば
1.5μmとなる。
【0018】波長強度測定部5に伝送された赤外線IR
は、コリメートレンズ51により視準され、ダイクロイ
ックミラー52を透過して、ダイクロイックミラー53
に入射する。ここで、赤外線IRは、所定の波長(例え
ば、第1光成分の波長を1.8μm、第2光成分の波長
を2.0μmとすると、波長1.9μmが所定の波長と
なる。)を境界として、波長が短い短波長側の赤外線I
Aと、波長が長い長波長側の赤外線IRBとに分光され
る。つまり、ダイクロイックミラー53は、赤外線IR
Aを透過し、赤外線IRBを反射する。なお、ダイクロイ
ックミラー53が、赤外線IRAを反射し、赤外線IRB
を透過するようにしてもよい。
【0019】赤外線IRA、IRBは、各々に対応して設
けられ、所定の波長の光成分を透過する波長選択フィル
ター54A、54Bに入射する。波長選択フィルター5
4A、54Bは、加工用レーザ3の発光波長と同じ波長
の光及び発光波長を正の整数倍した波長の光を吸収す
る。そして、波長選択フィルター54Aは光のうち第1
光成分を透過し、フィルター54Bは第2光成分を透過
する。よって、赤外線IRAのうち第1光成分は、フィ
ルター54Aを透過し、集光レンズ55Aにより集光さ
れ、赤外線検出器56Aにより検出される。一方、赤外
線IRBのうち第2光成分は、フィルター54Bを透過
し、集光レンズ55Bにより集光され、赤外線検出器5
6Bにより検出される。なお、波長選択フィルター54
A、54Bを、例えば、誘電体の多層膜ミラーとするこ
とにより、加工用レーザ3の発光波長と同じ波長の光及
び発光波長を正の整数倍した波長の光を反射させるよう
にしてもよい。
【0020】赤外線検出器56Aにより検出された第1
光成分は、ここで電気信号に変換され、アンプ57Aに
より増幅され、この電気信号は強度データ演算部58に
送られる。一方、赤外線検出器56Bにより検出された
第2光成分は、電気信号に変換され、アンプ57Bによ
り増幅され、この電気信号は強度データ演算部58に送
られる。
【0021】強度データ演算部58はサンプリングボー
ドを含み、第1光成分の電気信号と第2光成分の電気信
号とは同じタイミングでサンプリングされる。これによ
り第1光成分及び第2光成分の各々の強度データが演算
される。本実施形態は強度データとして電圧データを用
いている。これらの強度データは管理部7に伝送され、
管理部7内のA/D変換部により、各々、デジタル信号
に変換される。これらのデジタル信号を基にして管理部
7により、第1光成分と第2光成分の強度比データが演
算される。本実施形態は強度比データとして第1光成分
の電圧/第2光成分の電圧を用いている。この強度比デ
ータを基にしてワークWのレーザ光の照射領域の温度が
演算され、温度が管理部7のディスプレイ21の画面に
表示される。このように本実施形態では2色温度計によ
り温度を測定する。
【0022】なお、波長強度測定部5は、位置検出用レ
ーザ59を備える。位置検出用レーザ59から出射され
るレーザ光Lbは、ワークWの加工に用いられない。レ
ーザ光Lbは、ダイクロイックミラー52で反射され、
光ファイバー15を通り、集光器13から出射されレー
ザ光LBの照射領域を照射する。これにより加工位置の
確認をするのである。
【0023】上記のとおり、本実施形態は第1光成分と
第2光成分の強度比に基づいてワークWのレーザ光の照
射領域の温度を監視している。本実施形態は、この温度
データに基づいて照射領域の温度以外の状態も監視して
いる。ある二つの光成分の強度比データが他の二つの光
成分の強度比データと同じ程度でも、ある二つの光成分
の強度データが他の二つの光成分の強度データと異なる
ことがある。同じ強度比データでもその基礎となる強度
データが異なると、照射領域の状態(例えば、酸化や溶
融幅)に違いがあるのを本発明者は見出した。例えば、
第1光成分の強度データ0.6/第2光成分の強度デー
タ0.3の場合と、第1光成分の強度データ0.8/第
2光成分の強度データ0.4の場合、ともに強度比は2
である。しかし、同じ強度比でも強度データが異なると
照射領域の状態が異なるのである。本発明は、これを用
いることにより照射領域の状態を監視しているのであ
る。酸化の監視を例として説明する。
【0024】例えば、チタンの溶接において溶接面の酸
化防止は非常に重要である。特に、純チタンの場合、溶
接面の酸化防止だけ注意すれば良好な溶接ができる。酸
化防止は溶接中のみならず、溶接後、ビードが十分冷え
るまで酸化防止をする必要がある。一方、積極的に溶接
面を酸化させる場合もある。これは溶接面を酸化させる
ことで微粒子の発生が抑えられ、ビード形状が太く、か
つ長くなるため、溶接に好影響を与える場合があるから
である。溶接領域がどの程度酸化しているかを監視する
ことによりこの効果がどの程度得られるかを知ることが
できる。
【0025】図2は、純鉄にパルスYAGレーザ光を照射
した場合の照射領域の温度と時間との関係を示すグラフ
である。温度は上記のように第1光成分と第2光成分の
強度比に基づいて求められている。レーザ光の照射前は
表面が酸化していない純鉄を窒素雰囲気中で照射した場
合(Aで示す線)、大気中で照射した場合(Bで示す
線)のグラフが示されている。いずれも最高到達温度が
ほぼ等しいため、ほぼ同一の照射状態とみなすことがで
きる。大気中の場合(Bで示す線)、照射後の純鉄表面
は黒化しており、純鉄表面が酸化されている判断した。
窒素雰囲気中の場合(Aで示す線)、照射後の純鉄表面
には金属光沢が残っているので、純鉄表面が非酸化と判
断した。
【0026】図2に示す場合において、二つの光成分の
うち波長が短い方の光成分、つまり第1光成分の電圧と
温度の関係を図3に示す。第1光成分の電圧データは強
度データの一例である。この図はレーザの照射終了後、
つまり、温度下降時の温度と電圧の関係を示している。
同じ程度の温度において、純鉄表面が酸化された場合
(Bで示す線)における第1光成分の電圧は、純鉄表面
が非酸化の場合(Aで示す線)における第1光成分の電
圧よりも大きいことが分かる。これは純鉄表面が酸化さ
れることにより、熱輻射される光の放射率が増大するか
らである。
【0027】純鉄表面の酸化状態と非酸化状態との境界
における温度と第1光成分の電圧の関係を経験則により
求めグラフにする(例えば図3中にCで示す線)。演算
された温度における第1光成分の電圧が、Cで示す線に
おいてこの温度と最も近い温度における第1光成分の電
圧より小さい場合、純鉄表面は非酸化状態と判断でき
る。一方、大きい場合、純鉄表面は酸化状態と判断でき
る。
【0028】図4は、図3のグラフにさらにレーザ光照
射初期からレーザ光照射終了までのデータを加えたもの
である。窒素雰囲気中で照射した場合(Aで示す線)
は、Cで示す線(つまり酸化の境界線)を超えずに照射
を終了している。一方、大気中で照射した場合(Bで示
す線)は、当初、Cで示す線より小さい電圧であるが途
中からCで示す線を超えている。従って、純鉄表面が酸
化状態か否かを、レーザ光照射中にリアルタイムで判断
できる。
【0029】次に、酸化を監視するための具体的構成に
ついて説明する。図5は本実施形態の管理部7の一部の
ブロック図である。管理部7は、強度データ演算部58
から送られた第1光成分や第2光成分の強度データのア
ナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部71
と、A/D変換部71によりデジタル変換された第1光
成分の強度と第2光成分の強度により、これらの強度比
データを演算する強度比データ演算部72と、強度比デ
ータを基にして照射領域の温度を演算する温度データ演
算部73と、A/D変換部71によりデジタル変換され
た第1光成分の強度データを記憶する第1光成分強度デ
ータ記憶部74と、記憶部75と、を備える。本実施形
態において強度データは電圧データのことである。
【0030】記憶部75は、熱輻射される光のうち波長
の異なる二つの光成分の強度比データに基づく温度デー
タを予め複数記憶し、かつ、複数の温度データの各々の
強度比データを構成する第1光成分の強度データを予め
記憶している。記憶部75には、例えば、図6に示すテ
ーブルのデータが記憶されている。図6のデータは図3
のCで示される線の温度と電圧の関係のデータであり、
900〜1600℃であって、例えば、1℃毎に第1光
成分の強度が記憶されている。つまり、900℃におけ
る第1光成分の強度(電圧)、901℃における第1光
成分の強度(電圧)、・・・、1599℃における第1
光成分の強度(電圧)、1600℃における第1光成分
の強度(電圧)が記憶されている。
【0031】管理部7は、さらに、温度データ演算部7
3からの温度データを基にして記憶部75からその温度
データに最も近い温度データを選択し、選択された温度
データにおける第1光成分の強度データを抽出する抽出
部76を備える。例えば、温度データ演算部73により
照射領域の温度が1230℃と演算された場合、抽出部
76は、図6のテーブルから1230℃における第1光
成分の強度データを抽出する。なお、照射領域の温度が
例えば1230.5℃と演算された場合、図6のテーブ
ルに一致する温度がない。この場合、1230℃や12
31℃における第1光成分の強度データを抽出する。
【0032】管理部7は、さらに、上記抽出された第1
光成分の強度データが送られる判断部77を備える。判
断部77は、このデータと第1光成分強度データ記憶部
74に記憶されたデータを比較する。第1光成分強度デ
ータ記憶部74に記憶されたデータは、上記のとおり照
射領域から熱輻射された赤外線IRの第1光成分の強度
データである。よって、図3に示すように、第1光成分
強度データ記憶部74に記憶されたデータが抽出された
第1光成分の強度データより大きい場合、判断部77は
照射領域が酸化されている判断し、小さい場合、非酸化
と判断する。この判断データはディスプレイ21に送ら
れる。これにより、レーザ加工装置1の操作者はリアル
タイムで照射領域の酸化を監視することができる。な
お、温度データ演算部73で得られた温度データもディ
スプレイ21に表示される。これにより、レーザ加工装
置1の操作者はリアルタイムで照射領域の温度を監視す
ることができる。
【0033】本実施形態において、波長1.8μmを第
1光成分、波長2.0μmを第2光成分とすることによ
り、第1光成分の波長と第2光成分の波長を近接させて
いる。第1光成分の波長と第2光成分の波長が離れすぎ
ていると、これらの光成分の放射率の異なりを無視でき
なくなり、照射領域の状態を正確に監視するのが難しく
なる。よって、第1光成分の波長と第2光成分の波長は
近接しているのが好ましい。
【0034】なお、本実施形態では、二つの光成分のう
ち波長の短い側である第1光成分の強度データ同士を比
較しているが、波長の長い側である第2光成分の強度デ
ータ同士を比較してもよいし、第1光成分の強度データ
同士及び第2光成分の強度データ同士を比較してもよ
い。
【0035】次に、図1に示すレーザ加工装置1の動作
を、図1、図5及び図7を用いて金属ワークの溶接を例
として説明する。図7はレーザ加工装置1の動作のフロ
ーチャートである。
【0036】まず、加工用レーザ3から発生した1パル
ス分のレーザ光LBが溶接される領域に照射される(ス
テップS1)。これにより、ワークWのレーザ光LBの
照射領域Rが加熱溶融され、照射領域Rから赤外線IR
が発生する。次に、この赤外線IRを基にして波長強度
測定部5により、第1光成分及び第2光成分の強度デー
タを演算する(ステップS3)。そして、管理部7の強
度比データ演算部72により、第1光成分と第2光成分
の強度比データを演算する(ステップS5)。この強度
比データを基にして温度データ演算部73により、レー
ザ光LBの照射領域Rの温度データを演算する(ステッ
プS7)。
【0037】抽出部76により、ステップS7で得られ
た温度データに基づき、記憶部75からステップS7で
得られた温度データと最も近い温度における第1光成分
の強度データを抽出する(ステップS9)。そして、判
断部77により、ステップS9で得られた第1光成分の
強度データと第1光成分強度データ記憶部74に記憶さ
れた照射領域Rから熱輻射された赤外線IRの第1光成
分の強度データを比較し、照射領域Rが酸化されたか否
かを判断する(ステップS11)。照射領域Rが酸化さ
れていると判断した場合、ガス制御部19はシールドガ
スの流量の増加制御をし(ステップS13)、ステップ
S1に戻る。これにより、ワークWに吹き付けるシール
ドガスの量が増え、次のパルスにおけるレーザ光の照射
領域の酸化を防ぐことが可能となる。
【0038】ステップS11により、照射領域Rが非酸
化と判断された場合、ワークWに吹き付けるシールドガ
スの量が過剰か否かを判断する(ステップS15)。こ
の判断は管理部7内のガス量過剰判断部(図示せず)で
行われる。シールドガスの量が過剰な場合、ガス制御部
19によりシールドガスの流量の減少制御をし(ステッ
プS17)、ステップS1に戻る。これにより、次のパ
ルスのレーザ光を照射する際にシールドガスの無駄な使
用を防ぐことができる。一方、ステップS15によりシ
ールドガスの量が過剰でないと判断された場合、溶接が
終了したか否か判断される(ステップS19)。溶接が
終了していない場合、次のパルスのレーザ光を照射する
(ステップS1)。以上がレーザ加工装置1の動作であ
る。
【0039】なお、ワークWのレーザ光の照射領域を積
極的に酸化させる場合、図7のステップ11で酸化され
ていないと判断されると、ワークWに酸素を吹き付ける
処理をすればよい。
【0040】以上のように本実施形態によれば、ワーク
Wにレーザ光を照射してワークWを加工する際、レーザ
光の照射領域の酸化を、リアルタイムで監視している。
照射領域が酸化されていると判断されると、レーザ光の
次の照射領域が酸化しないようにシールドガスの流量を
増やすフィードバック制御をしている。このため、ワー
クの加工不良の発生を自動的に防止することが可能とな
る。
【0041】本実施形態には、以下に説明する第1及び
第2変形例がある。本実施形態は照射領域の温度データ
に基づいて、照射領域の酸化を判断している。第1変形
例は、照射領域の強度比データに基づいて、照射領域の
酸化を判断する。図8は第1変形例のブロック図であ
る。図8において、図5に示す符号と同一要素について
は同一符号を付すことにより、その説明を省略する。第
1変形例では、強度比データ演算部72により得られた
強度比データが抽出部76に送られる。
【0042】記憶部75は、熱輻射される光のうち波長
の異なる二つの光成分の強度比データを予め複数記憶
し、かつ、複数の強度比データの各々を構成する第1光
成分の強度データを予め記憶している。すなわち、第1
変形例では、図6に示すテーブルにおいて温度データの
代わりに複数の強度比データ及びこれらの各々の第1光
成分の強度データが記憶されている。例えば、強度比3
における第1光成分の強度データ、強度比2.9におけ
る第1光成分の強度データ、・・・、強度比0.3にお
ける第1光成分の強度データが記憶されている。
【0043】抽出部76は、強度比データ演算部72か
らの強度比データを基にして記憶部75からその強度比
データと最も近い強度比データを選択し、選択された強
度比データにおける第1光成分の強度データを抽出す
る。その後の判断部77における処理は図5の場合と同
様である。
【0044】次に第2変形例について説明する。第2変
形例では、レーザ光による溶融幅(例えば溶接幅)をリ
アルタイムで監視している。図9は、レーザ光のスキャ
ン速度と温度の関係及びレーザ光のスキャン速度と電圧
の関係を示すグラフである。温度、電圧は上記と同様で
あり、それぞれ、レーザ光の照射領域の温度、この領域
から熱輻射される赤外線の第1光成分の強度を意味す
る。スキャン速度は溶接速度を意味する。図9のグラフ
は、第1光成分と第2光成分との強度(電圧)比が0.
42で一定になるようにして、スキャン速度を変化させ
たものである。強度比が一定であるから温度が一定であ
る。また、加工用レーザ3の光源のビームプロファイル
がガウス型をしているため、スキャン速度を上げるに従
い、レーザ光のうち強度が高い中央部のみで溶接される
ようになるため、溶接幅が減少する。以上より、温度一
定条件下で第1光成分の電圧が低下すると溶接幅が減少
することが分かる。
【0045】図10は、レーザ加工による溶接幅と電圧
の関係を示すグラフである。電圧は上記と同様の意味で
ある。図10のグラフは、レーザ光により溶接される領
域、つまり照射領域の温度が一定という条件である。図
10からも、照射領域の温度一定条件下で第1光成分の
電圧が低下すると溶接幅が減少することが分かる。
【0046】よって、図5や図8に示す記憶部75に図
11に示すテーブルのデータを記憶させることにより、
レーザ光による溶接幅をリアルタイムで監視することが
できる。 図11において温度はレーザ光の照射領域の
温度である。温度毎に複数の第1光成分の強度データが
対応している。複数の第1光成分の強度データの各々に
溶接幅が対応している。図11に示すテーブルは図9や
図10に示すようなデータを多数採ることにより作成す
ることができる。
【0047】第2変形例によれば、図5の抽出部76
は、温度データ演算部73からの温度データを基にして
記憶部75からその温度データと最も近い温度データを
選択し、その温度データにおける第1光成分の強度デー
タ及び溶接幅データを抽出する。例えば、樹脂溶接の
時、温度データ演算部73により照射領域の温度が29
5℃と演算された場合、抽出部76は、図11のテーブ
ルから295℃の温度データを選択し、295℃の温度
データにおける第1光成分の強度データ及び溶接幅デー
タを抽出する。
【0048】判断部77は、上記抽出されたデータと第
1光成分強度データ記憶部74に記憶されたデータを比
較する。抽出された第1光成分の強度データの中から第
1光成分強度データ記憶部74に記憶されたデータと最
も近いものを選択する。これにより、溶接幅が特定さ
れ、溶接幅はディスプレイ21に表示される。よって、
レーザ加工装置1の操作者はリアルタイムで溶接されて
いる領域の溶接幅を監視することができる。溶接幅が大
きくなるに従い溶接強度が向上するので、溶接幅の監視
をすることにより溶接強度の監視も可能となる。
【0049】次に、第2変形例を含むレーザ加工装置1
の動作を、図1、図5及び図12を用いて樹脂ワークの
溶接を例として説明する。図12は第2変形例を含むレ
ーザ加工装置1の動作のフローチャートである。ステッ
プS1、S3、S5及びS7は図7とそれらと同様なの
で説明を省略する。
【0050】レーザ光LBの照射領域Rの温度データ演
算後、この温度が所定範囲内か否か判断する(ステップ
S21)。この判断は管理部7内の温度判断部(図示せ
ず)で行われる。所定範囲内でない場合、溶接不良の可
能性があるので、上記温度判断部からの信号に基づきレ
ーザ制御部11は加工用レーザ3のパワーを制御する
(ステップS23)。これにより照射領域R、つまり溶
接領域の温度が調節される。
【0051】ステップS21で所定範囲内と判断された
場合、抽出部76はステップS7で得られた温度データ
に基づき、ステップS7で得られた温度データと最も近
い温度における第1光成分の強度データ及び溶接幅デー
タを記憶部75から抽出する(ステップS25)。先ほ
ど説明したレーザパワー制御(ステップS23)後も、
ステップS25に移る。判断部77により、上記抽出さ
れたデータと第1光成分強度データ記憶部74に記憶さ
れたデータとを比較する。抽出された第1光成分の強度
データの中から第1光成分強度データ記憶部74に記憶
されたデータと最も近いのものを選択する。これによ
り、溶接幅が特定される。
【0052】特定された溶接幅が所定範囲内か否かを判
断する(ステップS27)。この判断は管理部7内の溶
接幅判断部(図示せず)で行われる。所定範囲内でない
場合、溶接不良の可能性があるので加工用レーザ3の焦
点位置制御の処理をし(ステップS29)、ステップS
21に戻る。一方、ステップS27により溶接幅が所定
範囲内と判断された場合、溶接が終了したか否か判断さ
れる(ステップS31)。溶接が終了していない場合、
ステップS3に戻る。以上が第2変形例を含むレーザ加
工装置1の動作である。なお、図13に示すように、溶
接幅を監視するとき、監視領域23の幅は溶融領域、つ
まり溶接領域25の幅wより大きいことが望ましい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ光が照射されて
いるワークにおけるレーザ光の照射領域の状態(例え
ば、酸化、溶融幅)を監視することができるので、ワー
クの加工不良の発生を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るレーザ照射領域監視装置を含
むレーザ加工装置の構成の概要を示す図である。
【図2】純鉄にレーザ光を照射した場合の照射領域の温
度と時間との関係を示すグラフである。
【図3】図2に示す場合における第1光成分の電圧と温
度の関係を示すグラフである。
【図4】図3のグラフにさらにレーザ光照射初期からレ
ーザ光照射終了までのデータを加えたグラフである。
【図5】本実施形態に係る管理部の一部のブロック図で
ある。
【図6】本実施形態に係る管理部の記憶部に記憶されて
いるデータのテーブルである。
【図7】本実施形態に係るレーザ加工装置の動作のフロ
ーチャートである。
【図8】本実施形態の第1変形例のブロック図である。
【図9】レーザ光のスキャン速度と温度の関係及びレー
ザ光のスキャン速度と電圧の関係を示すグラフである。
【図10】レーザ光の溶接における溶接幅と電圧の関係
を示すグラフである。
【図11】本実施形態の第2変形例に係る管理部の記憶
部に記憶されているデータのテーブルである。
【図12】本実施形態の第2変形例を含むレーザ加工装
置の動作のフローチャートである。
【図13】本実施形態の第2変形例における監視領域の
幅と溶接領域の幅の関係を示す図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ加工装置、3・・・加工用レーザ、5・
・・波長強度測定部、7・・・管理部、9・・・レーザ
収容部、11・・・レーザ制御部、13・・・集光器、
15・・・光ファイバー、17・・・シールドガスノズ
ル、19・・・ガス制御部、21・・・ディスプレイ、
23・・・監視領域、25・・・溶接領域、51・・・
コリメートレンズ、52・・・ダイクロイックミラー、
53・・・ダイクロイックミラー、54A・・・波長選
択フィルター、54B・・・波長選択フィルター、55
A・・・集光レンズ、55B・・・集光レンズ、56A
・・・赤外線検出器、56B・・・赤外線検出器、57
A・・・アンプ、57B・・・アンプ、58・・・強度
データ演算部、59・・・位置検出用半導体レーザ、7
1・・・A/D変換部、72・・・強度比データ演算
部、73・・・温度データ演算部、74・・・第1光成
分強度データ記憶部、75・・・記憶部、76・・・抽
出部、77・・・判断部、W・・・ワーク、R・・・照
射領域、LB・・・レーザ光、IR・・・赤外線、IR
A・・・赤外線、IRB・・・赤外線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークにレーザ光を照射することにより
    前記ワークのレーザ光の照射領域から熱輻射される光の
    うち波長の異なる二つの光成分について、各々、強度デ
    ータを演算する第1演算手段と、 前記第1演算手段により得られた二つの強度データに基
    づいて、これらの強度比データを演算する第2演算手段
    と、 熱輻射される光のうち波長の異なる二つの光成分の強度
    比データを予め複数記憶し、かつ、これらの強度比デー
    タの各々を構成する波長の異なる二つの光成分の強度デ
    ータのうち少なくとも一方を予め記憶した記憶手段と、 前記記憶手段に予め記憶された複数の強度比データの中
    から、前記第2演算手段により得られた強度比データと
    最も近い強度比データを選択し、選択された強度比デー
    タを構成する波長の異なる二つの光成分の強度データの
    うち少なくとも一方を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により得られた強度データと前記第1演算
    手段により得られた強度データを比較することにより前
    記照射領域の状態を判断する判断手段と、を含むレーザ
    照射領域監視装置。
  2. 【請求項2】 ワークにレーザ光を照射することにより
    前記ワークのレーザ光の照射領域から熱輻射される光の
    うち波長の異なる二つの光成分について、各々、強度デ
    ータを演算する第1演算手段と、 前記第1演算手段により得られた二つの強度データに基
    づいて、これらの強度比データを演算する第2演算手段
    と、 前記第2演算手段により得られた強度比データに基づい
    て、前記照射領域の温度データを演算する第3演算手段
    と、 熱輻射される光のうち波長の異なる二つの光成分の強度
    比データに基づく温度データを予め複数記憶し、かつ、
    これらの温度データの各々の強度比データを構成する波
    長の異なる二つの光成分の強度データのうち少なくとも
    一方を予め記憶した記憶手段と、 前記記憶手段に予め記憶された複数の温度データの中か
    ら、前記第3演算手段により得られた温度データと最も
    近い温度データを選択し、選択された温度データの強度
    比データを構成する波長の異なる二つの光成分の強度デ
    ータのうち少なくとも一方を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により得られた強度データと前記第1演算
    手段により得られた強度データを比較することにより前
    記照射領域の状態を判断する判断手段と、を含むレーザ
    照射領域監視装置。
  3. 【請求項3】 前記照射領域の状態とは酸化及び溶融幅
    のうち少なくとも一方である、請求項1又は2記載のレ
    ーザ照射領域監視装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ
    照射領域監視装置を備え、レーザ光を前記ワークに照射
    することにより前記ワークを加工するレーザ加工装置で
    あって、 前記判断手段により前記照射領域が所定の状態でないと
    判断された場合、前記レーザ加工装置をフィードバック
    制御する制御手段を含むレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 ワークにレーザ光を照射することにより
    前記ワークのレーザ光の照射領域から熱輻射される光の
    うち波長の異なる二つの光成分について、各々、強度デ
    ータを演算する第1演算工程と、 前記第1演算工程により得られた二つの強度データに基
    づいて、これらの強度比データを演算する第2演算工程
    と、 熱輻射される光のうち波長の異なる二つの光成分の強度
    比データを予め複数記憶し、かつ、これらの強度比デー
    タの各々を構成する波長の異なる二つの光成分の強度デ
    ータのうち少なくとも一方を予め記憶した記憶手段か
    ら、前記第2演算工程により得られた強度比データと最
    も近い強度比データを選択し、選択された強度比データ
    を構成する波長の異なる二つの光成分の強度データのう
    ち少なくとも一方を抽出する抽出工程と、 前記抽出工程により得られた強度データと前記第1演算
    工程により得られた強度データを比較することにより前
    記照射領域の状態を判断する判断工程と、 を含むレーザ照射領域監視方法。
  6. 【請求項6】 ワークにレーザ光を照射することにより
    前記ワークのレーザ光の照射領域から熱輻射される光の
    うち波長の異なる二つの光成分について、各々、強度デ
    ータを演算する第1演算工程と、 前記第1演算工程により得られた二つの強度データに基
    づいてこれらの強度比データを演算する第2演算工程
    と、 前記第2演算工程により得られた強度比データに基づい
    て前記照射領域の温度データを演算する第3演算工程
    と、 熱輻射される光のうち波長の異なる二つの光成分の強度
    比データに基づく温度データを予め複数記憶し、かつ、
    これらの温度データの各々の強度比データを構成する波
    長の異なる二つの光成分の強度データのうち少なくとも
    一方を予め記憶した記憶手段から、前記第3演算工程に
    より得られた温度データと最も近い温度データを選択
    し、選択された温度データの強度比データを構成する波
    長の異なる二つの光成分の強度データのうち少なくとも
    一方を抽出する抽出工程と、 前記抽出工程により得られた強度データと前記第1演算
    工程により得られた強度データを比較することにより前
    記照射領域の状態を判断する判断工程と、 を含むレーザ照射領域監視方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のレーザ照射領域監
    視方法を備え、レーザ光を前記ワークに照射することに
    より前記ワークを加工するレーザ加工方法であって、 前記判断工程により前記照射領域が所定の状態でないと
    判断された場合、前記レーザ加工方法をフィードバック
    制御する制御工程を含むレーザ加工方法。
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