以下、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
以下、図1〜図33を参照して、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第1実施形態について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする。また、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、X軸に平行な方向を「X方向(第1の方法)」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y方向(第2の方向)」とも言い、Z軸に平行な方向を「Z方向(第3の方向)」とも言う。また、各方向の矢印が向いた方向を「正」、その反対方向を「負」と言う。また、本願明細書で言う「水平」とは、完全な水平に限定されず、電子部品の搬送が阻害されない限り、水平に対して若干(例えば5°未満程度)傾いた状態も含む。また、図1、図3〜図10、図18〜図21、図24〜図32中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言うことがある。
本発明の電子部品搬送装置10は、第1の方向であるX方向に移動可能な基部75と、
基部75に設けられ、電子部品を把持する第1把持部78Aと、基部75に設けられ、第1把持部78Aに対してX方向に移動可能であり、電子部品を把持する第2把持部78Bと、第1把持部78AのX方向における位置と、第2把持部78BのX方向における位置とを検出可能な位置検出部(検出部)3と、を有する。
これにより、後述するように、第1把持部78Aと第2把持部78Bとの距離を求めることができ、当該距離に応じて、第1把持部78Aと第2把持部78Bとの動作を変更することができる。よって、例えば、第1把持部78Aおよび第2把持部78Bによる電子部品に対する把持を円滑に行なうことができる。
また、本発明の電子部品検査装置1は、本発明の電子部品搬送装置10を有するものであり、さらに、第1把持部78Aで把持される電子部品と、第2把持部78Bで把持される電子部品とを検査する検査部16を有する。
これにより、検査部16にまで電子部品を搬送することができ、よって、当該電子部品に対する検査を検査部16で行なうことができる。また、検査後の電子部品を検査部16から搬送することができる。
以下、各部の構成ついて説明する。
図1、図2に示すように、電子部品搬送装置10を内蔵する電子部品検査装置1は、例えばBGA(Ball Grid Array)パッケージであるICデバイス等の電子部品を搬送し、その搬送過程で電子部品の電気的特性を検査・試験(以下単に「検査」と言う)する装置である。なお、以下では、説明の便宜上、前記電子部品としてICデバイスを用いる場合について代表して説明し、これを「ICデバイス90」とする。ICデバイス90は、本実施形態では平面視で矩形(正方形)をなすものとなっている。
また、電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)は、ICデバイス90の種類ごとに交換される「チェンジ・キット」と呼ばれるものを予め搭載して用いられる。このチェンジ・キットには、ICデバイス90が載置される載置部があり、その載置部としては、例えば、後述する温度調整部12、デバイス供給部14等がある。
また、ICデバイス90が載置される載置部としては、前記のようなチェンジ・キットとは別に、ユーザーが用意する板状のトレイ200もある。このトレイ200も電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)に搭載される。この載置部としてのトレイ200は、例えば、電子部品検査装置1(電子部品搬送装置10)に電子部品であるICデバイス90を装填する際に用いられるものである。これにより、後述するトレイ供給領域A1に、未検査状態の複数のICデバイス90をトレイ200ごと装填することができ、よって、オペレーター(ユーザー)はその装填作業を容易に行なうことができる。また、トレイ200は、検査結果によって分類されたICデバイス90を載置するときにも用いられる。
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1と、デバイス供給領域(以下単に「供給領域」と言う)A2と、検査領域A3と、デバイス回収領域(以下単に「回収領域」と言う)A4と、トレイ除去領域A5とを備え、これらの領域は、後述するように各壁部で分けられている。そして、ICデバイス90は、トレイ供給領域A1からトレイ除去領域A5まで前記各領域を矢印α90方向に順に経由し、途中の検査領域A3で検査が行われる。このように電子部品検査装置1は、各領域でICデバイス90を搬送する電子部品搬送装置10であるハンドラーと、検査領域A3内で検査を行なう検査部16と、制御部800とを備えたものとなっている。また、その他、電子部品検査装置1は、モニター300と、シグナルランプ400と、操作パネル700とを備えている。
なお、電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1、トレイ除去領域A5が配された方、すなわち、図2中の下側が正面側となり、検査領域A3が配された方、すなわち、図2中の上側が背面側として使用される。
トレイ供給領域A1は、未検査状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が供給される給材部である。トレイ供給領域A1では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
供給領域A2は、トレイ供給領域A1から搬送されたトレイ200上の複数のICデバイス90がそれぞれ検査領域A3まで搬送、供給される領域である。なお、トレイ供給領域A1と供給領域A2とを跨ぐように、トレイ200を1枚ずつ水平方向に搬送するトレイ搬送機構11A、11Bが設けられている。トレイ搬送機構11Aは、トレイ200を、当該トレイ200に載置されたICデバイス90ごとY方向の正側、すなわち、図2中の矢印α11A方向に移動させることができる移動部である。これにより、ICデバイス90を安定して供給領域A2に送り込むことができる。また、トレイ搬送機構11Bは、空のトレイ200をY方向の負側、すなわち、図2中の矢印α11B方向に移動させることができる移動部である。これにより、空のトレイ200を供給領域A2からトレイ供給領域A1に移動させることができる。
供給領域A2には、温度調整部(ソークプレート(英語表記:soak plate、中国語表記(一例):均温板))12と、デバイス搬送ヘッド13と、トレイ搬送機構15とが設けられている。
温度調整部12は、複数のICデバイス90が載置される載置部として構成され、当該載置されたICデバイス90を一括して加熱または冷却することができる「ソークプレート」と呼ばれる。このソークプレートにより、検査部16で検査される前のICデバイス90を予め加熱または冷却して、当該検査(高温検査または低温検査)に適した温度に調整することができる。図2に示す構成では、温度調整部12は、Y方向に2つ配置、固定されている。そして、トレイ搬送機構11Aによってトレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200上のICデバイス90は、いずれかの温度調整部12まで搬送される。なお、この載置部としての温度調整部12は、固定されていることにより、当該温度調整部12上でのICデバイス90に対して安定して温度調整することができる。
デバイス搬送ヘッド13は、供給領域A2内でX方向およびY方向に移動可能に支持され、さらにZ方向にも移動可能な部分を有している。これにより、デバイス搬送ヘッド13は、トレイ供給領域A1から搬入されたトレイ200と温度調整部12との間のICデバイス90の搬送と、温度調整部12と後述するデバイス供給部14との間のICデバイス90の搬送とを担うことができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド13のX方向の移動を矢印α13Xで示し、デバイス搬送ヘッド13のY方向の移動を矢印α13Yで示している。
トレイ搬送機構15は、全てのICデバイス90が除去された状態の空のトレイ200を供給領域A2内でX方向の正側、すなわち、矢印α15方向に搬送する機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、トレイ搬送機構11Bによって供給領域A2からトレイ供給領域A1に戻される。
検査領域A3は、ICデバイス90を検査する領域である。この検査領域A3には、検査部16と、デバイス搬送ヘッド17とが設けられている。また、供給領域A2と検査領域A3とを跨ぐように移動するデバイス供給部14と、検査領域A3と回収領域A4とを跨ぐように移動するデバイス回収部18も設けられている。
デバイス供給部14は、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90が載置される載置部として構成され、当該ICデバイス90を検査部16近傍まで搬送することができる「供給用シャトルプレート」または単に「供給シャトル」と呼ばれるものである。
また、この載置部としてのデバイス供給部14は、供給領域A2と検査領域A3との間をX方向、すなわち、矢印α14方向に沿って往復移動可能に支持されている。これにより、デバイス供給部14は、ICデバイス90を供給領域A2から検査領域A3の検査部16近傍まで安定して搬送することができ、また、検査領域A3でICデバイス90がデバイス搬送ヘッド17によって取り去られた後は再度供給領域A2に戻ることができる。
図2に示す構成では、デバイス供給部14は、Y方向に2つ配置されており、温度調整部12上のICデバイス90は、いずれかのデバイス供給部14まで搬送される。また、デバイス供給部14は、温度調整部12と同様に、当該デバイス供給部14に載置されたICデバイス90を加熱または冷却可能に構成されている。これにより、温度調整部12で温度調整されたICデバイス90に対して、その温度調整状態を維持して、検査領域A3の検査部16近傍まで搬送することができる。
デバイス搬送ヘッド17は、前記温度調整状態が維持されたICデバイス90が把持され、当該ICデバイス90を検査領域A3内で搬送する動作部である。このデバイス搬送ヘッド17は、検査領域A3内でY方向およびZ方向に往復移動可能に支持され、「インデックスアーム」と呼ばれる機構の一部となっている。これにより、デバイス搬送ヘッド17は、供給領域A2から搬入されたデバイス供給部14上のICデバイス90を検査部16上に搬送し、載置することができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド17のY方向の往復移動を矢印α17Yで示している。また、デバイス搬送ヘッド17は、Y方向に往復移動可能に支持されているが、これに限定されず、X方向にも往復移動可能に支持されていてもよい。
また、デバイス搬送ヘッド17は、温度調整部12と同様に、把持したICデバイス90を加熱または冷却可能に構成されている。これにより、ICデバイス90における温度調整状態を、デバイス供給部14から検査部16まで継続して維持することができる。
検査部16は、電子部品であるICデバイス90を載置して、当該ICデバイス90の電気的特性を検査する載置部として構成されている。この検査部16には、ICデバイス90の端子部と電気的に接続される複数のプローブピンが設けられている。そして、ICデバイス90の端子部とプローブピンとが電気的に接続される、すなわち、接触することにより、ICデバイス90の検査を行なうことができる。ICデバイス90の検査は、検査部16に接続されるテスターが備える検査制御部に記憶されているプログラムに基づいて行われる。なお、検査部16でも、温度調整部12と同様に、ICデバイス90を加熱または冷却して、当該ICデバイス90を検査に適した温度に調整することができる。
デバイス回収部18は、検査部16で検査が終了したICデバイス90が載置され、当該ICデバイス90を回収領域A4まで搬送することができる載置部として構成され、「回収用シャトルプレート」または単に「回収シャトル」と呼ばれる。
また、デバイス回収部18は、検査領域A3と回収領域A4との間をX方向、すなわち、矢印α18方向に沿って往復移動可能に支持されている。また、図2に示す構成では、デバイス回収部18は、デバイス供給部14と同様に、Y方向に2つ配置されており、検査部16上のICデバイス90は、いずれかのデバイス回収部18に搬送され、載置される。この搬送は、デバイス搬送ヘッド17によって行なわれる。
回収領域A4は、検査領域A3で検査され、その検査が終了した複数のICデバイス90が回収される領域である。この回収領域A4には、回収用トレイ19と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21とが設けられている。また、回収領域A4には、空のトレイ200も用意されている。
回収用トレイ19は、検査部16で検査されたICデバイス90が載置される載置部であり、回収領域A4内で移動しないよう固定されている。これにより、デバイス搬送ヘッド20等の各種可動部が比較的多く配置された回収領域A4であっても、回収用トレイ19上では、検査済みのICデバイス90が安定して載置されることとなる。なお、図2に示す構成では、回収用トレイ19は、X方向に沿って3つ配置されている。
また、空のトレイ200も、X方向に沿って3つ配置されている。この空のトレイ200も、検査部16で検査されたICデバイス90が載置される載置部となる。そして、回収領域A4に移動してきたデバイス回収部18上のICデバイス90は、回収用トレイ19および空のトレイ200のうちのいずれかに搬送され、載置される。これにより、ICデバイス90は、検査結果ごとに分類されて、回収されることとなる。
デバイス搬送ヘッド20は、回収領域A4内でX方向およびY方向に移動可能に支持され、さらにZ方向にも移動可能な部分を有している。これにより、デバイス搬送ヘッド20は、ICデバイス90をデバイス回収部18から回収用トレイ19や空のトレイ200に搬送することができる。なお、図2中では、デバイス搬送ヘッド20のX方向の移動を矢印α20Xで示し、デバイス搬送ヘッド20のY方向の移動を矢印α20Yで示している。
トレイ搬送機構21は、トレイ除去領域A5から搬入された空のトレイ200を回収領域A4内でX方向、すなわち、矢印α21方向に搬送する機構である。そして、この搬送後、空のトレイ200は、ICデバイス90が回収される位置に配されることとなる、すなわち、前記3つの空のトレイ200のうちのいずれかとなり得る。
トレイ除去領域A5は、検査済み状態の複数のICデバイス90が配列されたトレイ200が回収され、除去される除材部である。トレイ除去領域A5では、多数のトレイ200を積み重ねることができる。
また、回収領域A4とトレイ除去領域A5とを跨ぐように、トレイ200を1枚ずつY方向に搬送するトレイ搬送機構22A、22Bが設けられている。トレイ搬送機構22Aは、トレイ200をY方向、すなわち、矢印α22A方向に往復移動させることができる移動部である。これにより、検査済みのICデバイス90を回収領域A4からトレイ除去領域A5に搬送することができる。また、トレイ搬送機構22Bは、ICデバイス90を回収するための空のトレイ200をY方向の正側、すなわち、矢印α22B方向に移動させることができる。これにより、空のトレイ200をトレイ除去領域A5から回収領域A4に移動させることができる。
制御部800は、例えば、トレイ搬送機構11Aと、トレイ搬送機構11Bと、温度調整部12と、デバイス搬送ヘッド13と、デバイス供給部14と、トレイ搬送機構15と、検査部16と、デバイス搬送ヘッド17と、デバイス回収部18と、デバイス搬送ヘッド20と、トレイ搬送機構21と、トレイ搬送機構22Aと、トレイ搬送機構22Bの各部の作動を制御することができる。
オペレーターは、モニター300を介して、電子部品検査装置1の動作条件等を設定したり、確認したりすることができる。このモニター300は、例えば液晶画面で構成された表示画面301を有し、電子部品検査装置1の正面側上部に配置されている。図1に示すように、トレイ除去領域A5の図中の右側には、マウスを載置するマウス台600が設けられている。このマウスは、モニター300に表示された画面を操作する際に用いられる。
また、モニター300に対して図1の右下方には、操作パネル700が配置されている。操作パネル700は、モニター300とは別に、電子部品検査装置1に所望の動作を命令するものである。
また、シグナルランプ400は、発光する色の組み合わせにより、電子部品検査装置1の作動状態等を報知することができる。シグナルランプ400は、電子部品検査装置1の上部に配置されている。なお、電子部品検査装置1には、スピーカー500が内蔵されており、このスピーカー500によっても電子部品検査装置1の作動状態等を報知することもできる。
電子部品検査装置1は、トレイ供給領域A1と供給領域A2との間が第1隔壁231によって区切られており、供給領域A2と検査領域A3との間が第2隔壁232によって区切られており、検査領域A3と回収領域A4との間が第3隔壁233によって区切られており、回収領域A4とトレイ除去領域A5との間が第4隔壁234によって区切られている。また、供給領域A2と回収領域A4との間も、第5隔壁235によって区切られている。
電子部品検査装置1は、最外装がカバーで覆われており、当該カバーには、例えばフロントカバー241、サイドカバー242、サイドカバー243、リアカバー244、トップカバー245がある。
前述したように、供給領域A2内には、デバイス搬送ヘッド13がX方向およびY方向に移動可能に支持されている。図3に示すように、デバイス搬送ヘッド13は、基部75を有している。この基部75は、X方向(第1の方向)と、X方向(第1の方向)と直交するY方向(第2の方向)とに移動可能に支持されている。
このような基部75は、第1ベース751と、第2ベース752と、第3ベース753と、第4ベース754とを有している。第1ベース751は、XY平面に広がりを有し、Z方向に厚さを有する板状をなす部分である。第2ベース752は、第1ベース751のX方向負側の縁部から下方(Z方向負側)に延出し、YZ平面に広がりを有しX方向に厚さを有する板状をなす部分である。第3ベース753は、第1ベース751のY方向正側の縁部から下方(Z方向負側)に延出し、XZ平面に広がりを有しY方向に厚さを有する板状をなす部分である。第4ベース754は、第3ベース753のX方向負側の縁部からY方向正側に延出し、YZ平面に広がりを有しX方向に厚さを有する板状をなす部分である。
また、デバイス搬送ヘッド13は、基部75に支持された第1支持部71、第2支持部72、第3支持部73および第4支持部74を有している。これら4つの支持部は、X方向負側からX方向正側へ、第3支持部73、第2支持部72、第1支持部71、第4支持部74の順に並んで設けられている。
第1支持部71、第2支持部72、第3支持部73、第4支持部74は、それぞれ、YZ平面に広がりを有し、X方向に厚さを有する板状をなしている。このように、各支持部71〜74をYZ平面に広がりを有する板状とすることにより、第1支持部71〜第4支持部74をより狭いピッチでX方向に並設することができる。そのため、デバイス搬送ヘッド13の小型化を図ることができる。
また、これら4つの支持部のうちの第1支持部71は、第1ベース751に固定されている。第2支持部72、第3支持部73および第4支持部74は、それぞれ、リニアガイド(図示せず)を介して第1ベース751に支持されており、X方向に移動可能となっている。
そして、デバイス搬送ヘッド13は、この移動を担う移動機構76を有している。移動機構76は、二段プーリー761および二段プーリー762と、二段プーリー761、二段プーリー762の間に張架されたベルト763およびベルト764と、二段プーリー761を回転させるモーター765とを有している。これらのうち、二段プーリー761、二段プーリー762およびモーター765は、それぞれ、第1ベース751に支持されている。
二段プーリー761、二段プーリー762は、第1ベース751の上面にY方向に延在する軸回りに回転可能となっている。また、二段プーリー761、二段プーリー762は、X方向に離間して設けられている。
二段プーリー761は、外径が小さい小径プーリー761aと、小径プーリー761aのほぼ2倍の外径を有する大径プーリー761bとを有しており、これらがY方向に並んで同心的に形成されている。同様に、二段プーリー762は、外径が小さい小径プーリー762aと、小径プーリー762aのほぼ2倍の外径を有する大径プーリー762bとを有しており、これらがY方向に並んで同心的に形成されている。なお、小径プーリー761a、小径プーリー762aの外径は互いに等しく、大径プーリー761b、大径プーリー762bの外径も互いに等しい。
小径プーリー761a、小径プーリー762aの間には、ベルト763が張架されている。ベルト763は、小径プーリー761a、小径プーリー762aの間に、X方向に延在する2つの領域763a、領域763bを有している。そして、領域763aには、第2支持部72が連結部材766を介して、連結、固定され、領域763bには、第4支持部74が連結部材767を介して、連結、固定されている。二段プーリー761が一方向に回転すると、例えば領域763aではX方向負側へ向けてベルト763が進み、領域763bではX方向正側へ向けてベルト763が進むため、第2支持部72、第4支持部74が互いにX方向反対側へ、かつ、ほぼ等しい距離移動する。
一方、大径プーリー761b、大径プーリー762bの間には、ベルト764が張架されている。ベルト764は、大径プーリー761b、大径プーリー762bの間に、X方向に延在する2つの領域764a、領域764bを有している。これら2つの領域764a、領域764bのうち、二段プーリー761が回転した際に、ベルト763の領域763aと同じ方向へ進む領域764aには、第3支持部73が連結部材768を介して、連結、固定されている。これにより、第2支持部72、第3支持部73が互いにX方向の同じ側へ移動する。なお、前述したように、大径プーリー761b、762bは、小径プーリー761a、762aの2倍の外径を有しているため、第3支持部73の移動距離は、第2支持部72の移動距離のほぼ2倍となる。
このような構成によれば、モーター765によって二段プーリー761を回転させると、第2支持部72、第4支持部74が互いにX方向反対側へほぼ等しい距離移動するとともに、第3支持部73が第2支持部72と同じ方向へかつ第2支持部72の2倍移動する。従って、移動機構76によれば、第3把持部78Cの吸着ノズル733と第2把持部78Bの吸着ノズル723とのX方向の距離であるピッチ(中心間距離)PX1と、吸着ノズル723と第1把持部78Aの吸着ノズル713とX方向の距離であるピッチ(中心間距離)PX2と、吸着ノズル713と第4把持部78Dの吸着ノズル743とX方向の距離であるピッチ(中心間距離)PX3とを一括して変更することができる。
また、基部75には、電子部品であるICデバイス90を把持する第1把持部78Aが第1支持部71を介して設けられ、同様に、ICデバイス90を把持する第2把持部78Bが第2支持部72を介して設けられ、ICデバイス90を把持する第3把持部78Cが第3支持部73を介して設けられ、ICデバイス90を把持する第4把持部78Dが第4支持部74を介して設けられている。これにより、第2把持部78B〜第4把持部78Dは、それぞれ、第1把持部78Aに対してX方向に移動可能となる。
第1把持部78A〜第4把持部78Dは、支持されている箇所が異なること以外は、同じ構成であるため、第1把持部78Aの構成について代表的に説明する。
第1把持部78Aは、Z方向と平行に配置され、吸着ノズル713を下端部に支持するシャフト712と、シャフト712を介して吸着ノズル713をZ方向に移動させる駆動機構714とを有している。このような構成の第1把持部78Aは、駆動機構714の作動により、吸着ノズル713がシャフト712ごと、基部75に対してX方向およびY方向と直交するZ方向(第3の方向)に移動可能となる。これにより、吸着ノズル713を降下させ、当該吸着ノズル713によってICデバイス90を吸着することにより、ICデバイス90を把持することができる。そして、この把持されたICデバイス90は、前述したように検査部16で検査されることとなる。
駆動機構714の構成としては、シャフト712を第1支持部71に対してZ方向に往復移動させることができれば、特に限定されないが、本実施形態では、プーリー714aおよびプーリー714bと、プーリー714a、プーリー714bの間に張架されたベルト714cと、ベルト714cとシャフト712とを連結、固定する固定部714eと、プーリー714aを回転させるモーター(図示せず)とを有している。
以降、第1把持部78Aの吸着ノズル713、第2把持部78Bの吸着ノズル723、第3把持部78Cの吸着ノズル733、第4把持部78Dの吸着ノズル743のうち、X方向負側から配置されている順に、吸着ノズル733を「1番ノズル(ノズル(1))」と言い、吸着ノズル723を「2番ノズル(ノズル(2))」と言い、吸着ノズル713を「3番ノズル(ノズル(3))」と言い、吸着ノズル743を「4番ノズル(ノズル(4))」と言うことがある。
図4に示すように、デバイス搬送ヘッド13は、撮像ユニット77としてのカメラ771とミラー772とを有している。
カメラ771は、CCD(Charge-Coupled Device)カメラである。このカメラ771は、カメラレンズ773がY方向負側に臨んで、基部75の第4ベース754に固定されている。
ミラー772は、カメラ771に対してY方向負側に配置され、当該カメラ771の視野方向を下方に屈折させる鏡面774を有している。これにより、カメラ771は、デバイス搬送ヘッド13がXY平面上を移動した際、例えば供給領域A2内のトレイ200や温度調整部12等の上方に位置して、それらを撮像することができる。そして撮像された画像に基づいて、トレイ200や温度調整部12等の位置が把握され、制御部800に記憶される。なお、ミラー772は、基部75の第3ベース753または第4ベース754に固定されている。
前述したように、デバイス搬送ヘッド13では、吸着ノズル733と吸着ノズル723とのピッチPX1と、吸着ノズル723と吸着ノズル713とのピッチPX2と、吸着ノズル713と吸着ノズル743とのピッチPX3とを一括して変更することができる。これにより、ピッチPX1は、最大の大ピッチPX1maxを取り、大ピッチPX1maxよりも小さい小ピッチPX1minを取る。同様に、ピッチPX2は、最大の大ピッチPX2maxを取り、大ピッチPX2maxよりも小さい小ピッチPX2minを取る。ピッチPX3は、最大の大ピッチPX3maxを取り、大ピッチPX3maxよりも小さい小ピッチPX3minを取る。トレイ200には、複数のICデバイス90が行列状に配置される凹部201が形成されている。そして、これらの凹部201のX方向のピッチPX201に小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minをそれぞれ合わせることができる。なお、電子部品検査装置1では、(大ピッチPX1max)=(大ピッチPX2max)=(大ピッチPX3max)となっているのが好ましい。また、(小ピッチPX1min)=(小ピッチPX2min)=(小ピッチPX3min)となっているのが好ましい。
ところで、デバイス搬送ヘッド13は、例えば組み立て誤差があるため、実際の大ピッチPX1max、大ピッチPX2max、大ピッチPX3maxがそれぞれ基準値である設計値(以下この値を「第1基準値」と言う)から外れる(ズレる)場合がある。この場合、大ピッチPX1max、大ピッチPX2max、大ピッチPX3maxをそれぞれ調整する必要がある。この調整には、図5に示す位置合わせ治具8が用いられる。この位置合わせ治具8は、2つのデバイス供給部14うちの例えばY方向正側にあるデバイス供給部14上に設置して用いられる。
図5に示すように、位置合わせ治具8は、平板状をなすものである。この位置合わせ治具8は、上面81に開口して形成された8つのノズル用ガイド孔82を有している。これらのノズル用ガイド孔82は、X方向に4つ、Y方向に2つずつの行列状に配置されており、X方向の最も負側で、Y方向の最も負側にあるノズル用ガイド孔82からX方向正側に向かって順に「ノズル用ガイド孔821」、「ノズル用ガイド孔822」、「ノズル用ガイド孔823」、「ノズル用ガイド孔824」、「ノズル用ガイド孔825」、「ノズル用ガイド孔826」、「ノズル用ガイド孔827」、「ノズル用ガイド孔828」と言う。本実施形態では、例えば、ノズル用ガイド孔821、ノズル用ガイド孔822、ノズル用ガイド孔823、ノズル用ガイド孔824を用いる。ノズル用ガイド孔821とノズル用ガイド孔822とのピッチPX821は、大ピッチPX1maxの第1基準値と同等となっており、ノズル用ガイド孔822とノズル用ガイド孔823とのピッチPX822は、大ピッチPX2maxの第1基準値と同等となっており、ノズル用ガイド孔823とノズル用ガイド孔824とのピッチPX823は、大ピッチPX3maxの第1基準値と同等となっている。
位置合わせ治具8は、デバイス供給部14との位置決めが行なわれる2つの位置決め用ガイド孔83を有している。これらの位置決め用ガイド孔83は、X方向にできる限り離間して配置されている。そして、各位置決め用ガイド孔83がデバイス供給部14のガイドピン(図示せず)に挿入されることにより、位置合わせ治具8とデバイス供給部14との位置決めが行なわれる。
また、位置合わせ治具8は、デバイス供給部14との位置決め状態を維持する2つのボルト84を有している。これらのボルト84は、Y方向に離間して配置されている。そして、各ボルト84がデバイス供給部14に螺合することにより、位置合わせ治具8がデバイス供給部14から離脱するのが防止され、よって、デバイス供給部14との位置決め状態を維持することができる。
次に、位置合わせ治具8を用いて、大ピッチPX1max、大ピッチPX2max、大ピッチPX3maxをそれぞれ調整する方法について説明する。
まず、図8に示すように、デバイス搬送ヘッド13を大ピッチPX1max、大ピッチPX2max、大ピッチPX3maxにした状態で、1番ノズルである吸着ノズル733を位置合わせ治具8のノズル用ガイド孔821上に配置し、2番ノズルである吸着ノズル723をノズル用ガイド孔822上に配置し、3番ノズルである吸着ノズル713をノズル用ガイド孔823上に配置し、4番ノズルである吸着ノズル743をノズル用ガイド孔824上に配置する。
そして、図8に示す状態から吸着ノズル733、吸着ノズル723、吸着ノズル713、吸着ノズル743を下降させる。このとき、例えば図9に示す状態や、図10に示す状態になることがある。
図9に示す状態では、吸着ノズル733がノズル用ガイド孔821に挿入され、吸着ノズル723がノズル用ガイド孔822に挿入され、吸着ノズル713がノズル用ガイド孔823に挿入され、吸着ノズル743がノズル用ガイド孔824に挿入されている。このような図9に示す状態は、大ピッチPX1max、大ピッチPX2max、大ピッチPX3maxがそれぞれ第1基準値どおりとなっているとみなされ、このまま電子部品検査装置1を作動させることができる。
一方、図10に示す状態では、吸着ノズル733がノズル用ガイド孔821に挿入され、吸着ノズル723がノズル用ガイド孔822に挿入され、吸着ノズル713がノズル用ガイド孔823に挿入されているが、吸着ノズル743だけがノズル用ガイド孔824に挿入されてない。これは、大ピッチPX3maxが第1基準値(ピッチPX823)から外れている、すなわち、図10に示す状態では大ピッチPX3maxが第1基準値よりも大きくなっているからである。この場合、連結部材767(図3参照)を移動機構76のベルト763に固定しているボルト(図示せず)を緩めて、連結部材767ごと第4支持部74の位置を調整する。これにより、吸着ノズル743がノズル用ガイド孔824に挿入可能となる。そして、実際に吸着ノズル743がノズル用ガイド孔824に挿入されれば、大ピッチPX3maxが第1基準値どおりとなっているとみなされ、電子部品検査装置1を作動させることができる。また、この調整後には、再度前記ボルトを締めて、連結部材767をベルト763に固定する。
なお、位置合わせ治具8は、2つのデバイス回収部18うちの例えばY方向正側にあるデバイス回収部上に設置して用いられることもある。これは、回収領域A4のデバイス搬送ヘッド20でも、デバイス搬送ヘッド13と同様の調整が必要だからである。
また、図6に示すように、位置合わせ治具8の上面81には、4つの高さ調整用治具9を、X方向に2つ、Y方向に2つずつ配置して装着することもできる。位置合わせ治具8に装着されたこれらの高さ調整用治具9は、検査領域A3内で用いられ、当該検査領域A3のデバイス搬送ヘッド17が下降した際、その下降位置での高さを調整するのに用いられる。
各高さ調整用治具9は、ブロック状をなすものである。この高さ調整用治具9は、下方に向かって突出した2つのガイドピン(図示せず)を有している。各ガイドピンは、位置合わせ治具8の上面81に形成された高さ調整用治具用ガイド孔85に挿入される。これにより、各高さ調整用治具9は、位置合わせ治具8上で位置決めされる。
また、各高さ調整用治具9は、位置合わせ治具8との位置決め状態を維持する2つのボルト91を有している。各ボルト91は、位置合わせ治具8の上面81に形成された雌ねじ86に螺合することができる。これにより、各高さ調整用治具9が位置合わせ治具8から離脱するのが防止され、よって、位置合わせ治具8との位置決め状態を維持することができる。
デバイス搬送ヘッド13では、前記のように大ピッチPX1max、大ピッチPX2max、大ピッチPX3maxをそれぞれ第1基準値となるように調整したとしても、例えば供給領域A2内の温度変化によって、実際の小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minがそれぞれ基準値である設計値(以下この値を「第2基準値」と言う)から外れる(ズレる)場合がある。そして、第2基準値との差(第2基準値からのズレの程度)によっては、デバイス搬送ヘッド13は、トレイ200からICデバイス90を把持するのが困難となったり、把持したICデバイス90を温度調整部12に載置するのが困難となったりする現象が生じ得る。そこで、電子部品検査装置1では、実際の小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minをそれぞれ把握する必要がある。この把握には、図7に示す位置検出部(検出部)3が用いられる。
図2に示すように、位置検出部3は、供給領域A2内に配置されており、その配置箇所は、できる限り供給領域A2の中央付近が好ましい。また、位置検出部3は、回収領域A4にも配置されている。このように位置検出部(検出部)3は、供給領域A2および回収領域A4に設けられている。これは、回収領域A4のデバイス搬送ヘッド20でも、供給領域A2のデバイス搬送ヘッド13と同様の前記現象が生じ得るからであり、当該現象を回収領域A4の位置検出部3で防止することができる。ここでは、代表的に供給領域A2内の位置検出部3について説明する。なお、前述したように、電子部品検査装置1は、電子部品であるICデバイス90が検査される検査領域A3までICデバイス90が搬送される供給領域A2と、検査領域A3で検査された電子部品であるICデバイス90が回収される回収領域A4とを有している。
位置検出部3は、供給領域A2内で位置決めされるための2つの位置決め用ガイド孔48を有している。これらの位置決め用ガイド孔48は、X方向にできる限り離間して配置されている。そして、この位置決め状態で、位置検出部3は、2つのボルト35を介して固定されている。
位置検出部3は、第1把持部78Aの吸着ノズル713の位置と、第2把持部78Bの吸着ノズル723の位置と、第3把持部78Cの吸着ノズル733の位置と、第4把持部78Dの吸着ノズル743の位置とを検出するものである。図7に示すように、位置検出部3は、本体部4と、第1発光部5Aと、第1受光部5Bと、第2発光部6Aと、第2発光部6Bとを有している。
位置検出部(検出部)3は、ブロック状または板状(本実施形態では板状)をなし、平面視で矩形の部材で構成された本体部4を有している。この本体部4は、上面41の中央部に形成された凹部42と、凹部42の底部421に下面43まで貫通して形成された貫通孔(小凹部)44と、凹部42の側壁部422に開口して形成された第1発光部用挿入部45Aと、凹部42の側壁部423に第1発光部用挿入部45Aと対向して開口して形成された第1受光部用挿入部45Bと、凹部42の側壁部424に開口して形成された第2発光部用挿入部46Aと、凹部42の側壁部425に第2発光部用挿入部46Aと対向して開口して形成された第2受光部用挿入部46Bとを有している。第1発光部用挿入部45Aは、X方向に沿って貫通して形成されており、第1発光部5Aが挿入される。第1発光部5Aは、すりわり付き止めねじ31によって、第1発光部用挿入部45A内で固定されている。第1受光部用挿入部45Bは、X方向に沿って貫通して形成されており、第1受光部5Bが挿入される。第1受光部5Bは、すりわり付き止めねじ32によって、第1受光部用挿入部45B内で固定されている。第2発光部用挿入部46Aは、Y方向に沿って貫通して形成されており、第2発光部6Aが挿入される。第2発光部6Aは、すりわり付き止めねじ33によって、第2発光部用挿入部46A内で固定されている。第2受光部用挿入部46Bは、Y方向に沿って貫通して形成されており、第2受光部6Bが挿入される。第2受光部6Bは、すりわり付き止めねじ34によって、第2受光部用挿入部46B内で固定されている。
本体部4がこのような構成をなすことにより、当該本体部4となる母材を機械加工する場合、次のような効果を奏する。
母材を工作機械に一旦固定したならば、その固定状態を維持したまま、エンドミルやドリルを用いて、凹部42と、貫通孔44と、第1発光部用挿入部45Aと、第1受光部用挿入部45Bと、第2発光部用挿入部46Aと、第2受光部用挿入部46B等を加工しきることができる。これにより、加工された各部の位置関係が高精度の本体部4を得ることができる。なお、本体部4には、工作機械に固定するための雌ねじ47が形成されているのが好ましい。
第1発光部5A、第1受光部5B、第2発光部6A、第2受光部6Bは、いずれもファイバーセンサーである。第1発光部5Aは、レーザー光である光LS5を、X方向正側、すなわち、第1受光部5Bに向けて出射することができる。第1受光部5Bは、光LS5を受光することができる。第2発光部6Aは、レーザー光である光LS6を、Y方向正側、すなわち、第2受光部6Bに向けて出射することができる。第2受光部6Bは、光LS6を受光することができる。
このように位置検出部(検出部)3は、X方向(第1の方向)に光LS5を発する第1発光部5Aと、第1発光部5Aからの光LS5を受光する第1受光部5Bと、Y方向(第2の方向)に光LS6を発する第2発光部6Aと、第2発光部6Aからの光LS6を受光する第2受光部6Bとを有している。これにより、後述するように、光LS5の透過と遮断とに基づいて、第1把持部78Aの吸着ノズル713、第2把持部78Bの吸着ノズル723、第3把持部78Cの吸着ノズル733、第4把持部78Dの吸着ノズル743のX方向の位置を検出することができる。また、光LS6の透過と遮断とに基づいて、第1把持部78Aの吸着ノズル713、第2把持部78Bの吸着ノズル723、第3把持部78Cの吸着ノズル733、第4把持部78Dの吸着ノズル743のY方向の位置を検出することができる。
図7や図11に示すように、第1発光部用挿入部45A、第1受光部用挿入部45Bは、それぞれ、スリット451を有している。光LS5がスリット451を通過することにより、当該光LS5の拡散が防止され、よって、光LS5の指向性が向上する。また、第2発光部用挿入部46A、第2受光部用挿入部46Bは、それぞれ、スリット461を有している。光LS6がスリット461を通過することにより、当該光LS6の拡散が防止され、よって、光LS6の指向性が向上する。
また、位置検出部3では、貫通孔44は、平面視で底部421よりも小さい部分であり、カメラ771に撮像させるための認識マークとして機能する(図4参照)。この認識マークにより、平面視で円形をなす貫通孔44の中心O44とカメラ771の撮像中心とが一致したときのデバイス搬送ヘッド13の座標を、カメラ771の撮像中心の水平位置(XY座標)とすることができるようになる。なお、認識マークとして機能する部分としては、貫通孔(小凹部)44に代えて、底部421に突出形成され、平面視で底部421よりも小さい小凸部であってもよい。
図11に示すように、貫通孔44の中心O44は、平面視で、光LS5と光LS6とが交差する交点OLSと重なる位置に配置されている。これにより、この位置に配置された1番ノズルである吸着ノズル733の中心とカメラ771の撮像中心とのXY座標が、デバイス搬送ヘッド13の水平位置(XY座標)に基づいて求められるようになる。このことから、同じ水平位置(XY座標)に、吸着ノズル733の中心を配置する場合と、カメラ771の撮像中心を配置する場合とにおけるデバイス搬送ヘッド13のそれぞれの位置の相違が、吸着ノズル733の中心とカメラ771の撮像中心との間の水平位置の相違として求められることとなる。すなわち、デバイス搬送ヘッド13の基部75に取り付けられた吸着ノズル733の中心と、同じく基部75に取り付けられたカメラ771の撮像中心との相対位置関係がデバイス搬送ヘッド13の移動位置から求められるようになる。
本実施形態では、相対位置関係を、デバイス搬送ヘッド13の水平位置に基づく、吸着ノズル733の中心の水平位置(XY座標)と、カメラ771の撮像中心の水平位置(XY座標)との間の差として求める。そして、このように求められた相対位置関係を相対位置情報として設定することにより、ICデバイス90の中心位置にカメラ771の撮像中心を一致させたとき、相対位置情報に基づいてデバイス搬送ヘッド13を前記差の分だけ移動させることでICデバイス90の中心位置に吸着ノズル733の中心を移動させることができるようになる。このようにして、吸着ノズル733によるICデバイス90の把持が好適に実施されるようになる。
次に、位置検出部3による、第1把持部78Aの吸着ノズル713の位置と、第2把持部78Bの吸着ノズル723の位置と、第3把持部78Cの吸着ノズル733の位置と、第4把持部78Dの吸着ノズル743の位置との検出について説明する。
図11に示すように、位置検出部3は、光LS5が第1発光部5Aから出射されて、第1受光部5Bで受光されているとともに、光LS6が第2発光部6Aから出射されて、第2受光部6Bで受光されている状態(ON)となっている。すなわち、位置検出部3では、光LS5、光LS6は、いずれも透過状態となっている。
次いで、図12に示すように、デバイス搬送ヘッド13の1番ノズルである吸着ノズル733を、位置検出部3の中心O44と重なる位置に移動させる。すなわち、図18に示すように、デバイス搬送ヘッド13の1番ノズルである吸着ノズル733を、位置検出部3の上面41よりも上方であって、貫通孔44の真上に移動させる。このような位置は、カメラ771で撮像された画像に基づいて予め検出されており、制御部800に記憶されている。また、図12に示すように、光LS5、光LS6は、まだ透過状態となっている。なお、デバイス搬送ヘッド13は、1番ノズルである吸着ノズル733と2番ノズルである吸着ノズル723との間が小ピッチPX1minとなっており、2番ノズルである吸着ノズル723と3番ノズルである吸着ノズル713との間が小ピッチPX2minとなっており、3番ノズルである吸着ノズル713と4番ノズルである吸着ノズル743との間が小ピッチPX3minとなっている。
次いで、図13に示すように、吸着ノズル733をZ方向負側に移動させて、位置検出部3の凹部42に挿入する。すなわち、図19に示すように、吸着ノズル733を位置検出部3の凹部42の底部421に当接しない位置にまで、下方に向かって移動させる。これにより、位置検出部3では、第1受光部5Bでの光LS5の受光が吸着ノズル733によって遮断されるとともに、第2受光部6Bでの光LS6の受光が吸着ノズル733によって遮断された状態(OFF)となる。すなわち、光LS5、光LS6は、いずれも吸着ノズル733によって遮光状態となる。
吸着ノズル733は、位置検出に際し、このような位置(図13に示す位置)からX方向、Y方向に向かって移動を開始することとなる。これにより、吸着ノズル733がX方向、Y方向のいずれに移動しても、凹部42の側壁部422、側壁部423、側壁部424、側壁部425に衝突するのを防止することができる。なお、光LS5、光LS6がいずれも吸着ノズル733によって遮光状態となっていな場合には、遮光状態となる位置まで吸着ノズル733の位置を微調整していく。
次いで、図14に示すように、吸着ノズル733をX方向正側に徐々に移動させて、第2受光部6Bが受光状態(ON)となる位置で停止させる。そして、この位置(X座標)は、吸着ノズル733の「第1X座標(図22参照)」として制御部800に記憶される。
次いで、図15に示すように、吸着ノズル733をX方向負側に徐々に移動させて、第2受光部6Bが再度受光状態(ON)となる位置で停止させる。そして、この位置(X座標)は、吸着ノズル733の「第2X座標(図22参照)」として制御部800に記憶される。
次いで、制御部800は、前記第1X座標と前記第2X座標との間の中央の位置を、吸着ノズル733のX方向の中心位置である「中心X座標」として検出し(算出し)、記憶する(図22参照)。
次いで、吸着ノズル733を再度移動開始位置に戻して、図16に示すように、吸着ノズル733をY方向正側に徐々に移動させて、第1受光部5Bが受光状態(ON)となる位置で停止させる。そして、この位置(Y座標)は、吸着ノズル733の「第1Y座標(図23参照)」として制御部800に記憶される。
次いで、図17に示すように、吸着ノズル733をY方向負側に徐々に移動させて、第1受光部5Bが再度受光状態(ON)となる位置で停止させる。そして、この位置(Y座標)は、吸着ノズル733の「第2Y座標(図23参照)」として制御部800に記憶される。
次いで、制御部800は、前記第1Y座標と前記第2Y座標との間の中央の位置を、吸着ノズル733のY方向の中心位置である「中心Y座標(図23参照)」として検出し(算出し)、記憶する。
次いで、図20に示すように、吸着ノズル733を上昇させて、デバイス搬送ヘッド13を小ピッチPX2min分だけX方向負側に移動させる。これにより、2番ノズルである吸着ノズル723は、平面視で、位置検出部3の中心O44と重なる位置に移動することなる。すなわち、2番ノズルである吸着ノズル723は、位置検出部3の上面41よりも上方であって、貫通孔44の真上に移動することとなる。
次いで、図21に示すように、吸着ノズル723をZ方向負側に移動させて、位置検出部3の凹部42に挿入する。
以降は、吸着ノズル733の「中心X座標」および「中心Y座標」を求めるのと同様にして、吸着ノズル723の「中心X座標」および「中心Y座標」を求めていく。また、3番ノズルである吸着ノズル713の「中心X座標」および「中心Y座標」、4番ノズルである吸着ノズル743の「中心X座標」および「中心Y座標」についても同様に求めることができる。
前述したように、基部75は、X方向(第1の方向)と直交するY方向(第2の方向)に移動可能であり、X方向(第1の方向)と直交するY方向(第2の方向)にも移動可能である。この基部75には、電子部品であるICデバイス90を把持する第1把持部78Aと、第1把持部78Aに対してX方向(第1の方向)に移動可能であり、電子部品であるICデバイス90を把持する第2把持部78Bと、第1把持部78Aに対してX方向(第1の方向)に移動可能であり、電子部品であるICデバイス90を把持する第3把持部78Cと、第1把持部78Aに対してX方向(第1の方向)に移動可能であり、電子部品であるICデバイス90を把持する第4把持部78Dとが設けられている。
そして、前記のように、位置検出部3は、第1把持部78Aの吸着ノズル713のX方向(第1の方向)における位置である中心X座標と、同第1把持部78Aの吸着ノズル713のY方向(第2の方向)における位置である中心Y座標とを検出可能となっている。
同様に、位置検出部3は、第2把持部78Bの吸着ノズル723のX方向(第1の方向)における位置である中心X座標と、同第2把持部78Bの吸着ノズル723のY方向(第2の方向)における位置である中心Y座標とを検出可能となっている。
また、位置検出部(検出部)3は、第3把持部78Cの吸着ノズル733のX方向(第1の方向)における位置である中心X座標と、同第3把持部78Cの吸着ノズル733のY方向(第2の方向)における位置である中心Y座標とを検出可能となっている。
また、位置検出部(検出部)3は、第4把持部78Dの吸着ノズル743のX方向(第1の方向)における位置と、同第4把持部78Dの吸着ノズル743のY方向(第2の方向)における位置である中心Y座標とを検出可能となっている。
このような構成の位置検出部3によって検出された検出結果、すなわち、1番ノズル〜4番ノズルの各中心X座標に基づいて、制御部800は、実際の小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minをそれぞれ演算することができる。
小ピッチPX1minは、(2番ノズル(吸着ノズル723)の中心X座標)−(1番ノズル(吸着ノズル733)の中心X座標)で求められる。
小ピッチPX2minは、(3番ノズル(吸着ノズル713)の中心X座標)−(2番ノズル(吸着ノズル723)の中心X座標)で求められる。
小ピッチPX3minは、(4番ノズル(吸着ノズル743)の中心X座標)−(3番ノズル(吸着ノズル713)の中心X座標)で求められる。
なお、本実施形態では、デバイス搬送ヘッド13は、1番ノズル〜4番ノズルがX方向に配置され、当該X方向にピッチ変換が行なわれるよう構成されているが、これに限定されない。例えば、1番ノズル〜4番ノズルがY方向に配置され、当該Y方向にピッチ変換が行なわれるよう構成されていてもよい。この場合、ピッチが最大となる大ピッチよりも小さい小ピッチを求めるには、1番ノズル〜4番ノズルの各中心Y座標を用いる。
電子部品検査装置1では、前記で求められた実際の小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minと前記第2基準値との差の程度によって、1番ノズル〜4番ノズルの動作を変更する、すなわち、切り換えることができる。この動作には、第1モードと第2モードとがある。
前述したように、第1把持部78Aの吸着ノズル713と、第2把持部78Bの吸着ノズル723と、第3把持部78Cの吸着ノズル733と、第4把持部78Dの吸着ノズル743とは、基部75に対してX方向(第1の方向)およびY方向(第2の方向)と直交するZ方向(第3の方向)に移動可能である。
第1モードとは、位置検出部(検出部)3で検出された第1把持部78Aの吸着ノズル713の位置と第2把持部78Bの吸着ノズル723の位置とに基づいて得られた距離(小ピッチPX2min)と、第2把持部78Bの吸着ノズル723の位置と第3把持部78Cの吸着ノズル733の位置とに基づいて得られた距離(小ピッチPX1min)と、第1把持部78Aの吸着ノズル713の位置と第4把持部78Dの吸着ノズル743の位置とに基づいて得られた距離(小ピッチPX3min)とが、予め定められた値未満である場合には、第1把持部78Aと第2把持部78Bと第3把持部78Cと第4把持部78Dとを同時に、すなわち、一括してZ方向(第3の方向)に移動する動作である。
第2モードとは、位置検出部(検出部)3で検出された第1把持部78Aの吸着ノズル713の位置と第2把持部78Bの吸着ノズル723の位置とに基づいて得られた距離(小ピッチPX2min)と、第2把持部78Bの吸着ノズル723の位置と第3把持部78Cの吸着ノズル733の位置とに基づいて得られた距離(小ピッチPX1min)と、第1把持部78Aの吸着ノズル713の位置と第4把持部78Dの吸着ノズル743の位置とに基づいて得られた距離(小ピッチPX3min)とが、予め定められた値以上である場合には、第1把持部78Aと第2把持部78Bと第3把持部78Cと第4把持部78Dとを個別に、すなわち、時間差をもってZ方向(第3の方向)に移動する動作である。
このように、電子部品検査装置1では、1番ノズル〜4番ノズルのピッチ(距離)に応じて、当該各把持部の動作を変更することができる。これにより、後述するように、1番ノズル〜4番ノズルによるICデバイス90の把持等を円滑に行なうことができる。
以下では、一例として、第1モードをトレイ200上のICデバイス90を把持するときに適用した場合について、図24〜図26を参照して説明する。
ここでは、前提として、実際の小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minのうち、例えば小ピッチPX1minが最大であったと制御部800で判断されたとする。そして、この小ピッチPX1minと第2基準値(=PX201)との差(絶対値)が、予め設定され、制御部800に記憶されている閾値未満であったとする。このような範囲内であれば、1番ノズル〜4番ノズルによるICデバイス90の把持には、ピッチの大小は影響しないとされている。なお、「閾値」とは、1番ノズル〜4番ノズルによるICデバイス90の把持に、ピッチの大小が影響を及ぼすとみなされる値のことである。
図24に示すように、デバイス搬送ヘッド13を小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minにした状態で、1番ノズルである吸着ノズル733、2番ノズルである吸着ノズル723、3番ノズルである吸着ノズル713、4番ノズルである吸着ノズル743をそれぞれトレイ200のICデバイス90上に配置する。
次いで、図25に示すように、1番ノズルである吸着ノズル733〜4番ノズルである吸着ノズル743を同時に下降させる。これにより、1番ノズルである吸着ノズル733〜4番ノズルである吸着ノズル743は、それぞれ、ICデバイス90に当接し、この当接状態で吸引すれば、当該ICデバイス90を吸着することができる。
次いで、図26に示すように、1番ノズルである吸着ノズル733〜4番ノズルである吸着ノズル743を同時に上昇させる。これにより、1番ノズルである吸着ノズル733〜4番ノズルである吸着ノズル743は、それぞれ、ICデバイス90を把持することができる。
このような第1モードにより、できる限り迅速にICデバイス90を把持して搬送することができ、よって、電子部品検査装置1におけるスループットの向上を図ることができる。
次に、一例として、第2モードをトレイ200上のICデバイス90を把持するときに適用した場合について、図27〜図32を参照して説明する。
ここでは、前提として、実際の小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minのうち、例えば小ピッチPX1minが最大であったと制御部800で判断されたとする。そして、この小ピッチPX1minと第2基準値(=PX201)との差(絶対値)が、前記閾値以上であったとする。このような範囲内の場合、1番ノズル〜4番ノズルによるICデバイス90の把持は、ピッチの大小の影響を受けるとされている。
図27に示すように、デバイス搬送ヘッド13を小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minにした状態で、1番ノズルである吸着ノズル733をトレイ200のICデバイス90上に配置する。
次いで、図28に示すように、1番ノズルである吸着ノズル733を下降させる。これにより、1番ノズルである吸着ノズル733は、ICデバイス90に当接し、この当接状態で吸引すれば、当該ICデバイス90を吸着することができる。
次いで、図29に示すように、1番ノズルである吸着ノズル733を上昇させる。これにより、1番ノズルである吸着ノズル733は、ICデバイス90を把持することができる。
次いで、図30に示すように、デバイス搬送ヘッド13を小ピッチPX1minの分だけX方向負側に移動させる。これにより、2番ノズルである吸着ノズル723がトレイ200のICデバイス90上に配置される。
次いで、図31に示すように、2番ノズルである吸着ノズル723を下降させる。これにより、2番ノズルである吸着ノズル723は、ICデバイス90に当接し、この当接状態で吸引すれば、当該ICデバイス90を吸着することができる。
次いで、図32に示すように、2番ノズルである吸着ノズル723を上昇させる。これにより、2番ノズルである吸着ノズル723は、ICデバイス90を把持することができる。
以降は、2番ノズルである吸着ノズル723がICデバイス90を把持するまでと同様にして、3番ノズルである吸着ノズル713、4番ノズルである吸着ノズル743についてもICデバイス90を把持させることができる。
このような第2モードにより、第1ノズル〜第4ノズルで一括してICデバイス90を把持するのが困難な場合でも、ICデバイス90を1つずつ時間差をもってでも正確に把持することができる。これにより、電子部品検査装置1でのジャムやエラーが生じるのを防止することができる。
なお、第1モード、第2モードいずれも、閾値と比較するものとして、本実施形態では、小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minのうちの最大のものを用いていたが、これに限定されない。例えば、小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minのうちの最小のものを用いてもよいし、最大のものおよび最小のものの双方を用いてもよい。
次に、1番ノズル〜4番ノズルの位置を検出してから、各ノズルでICデバイス90を把持するまでの一連の動作について、図33のフローチャートに基づいて説明する。なおい、このフローチャートを実行するタイミングは、特に限定されないが、例えば、供給領域A2内の温度変化が所定値以上あったときや、一定時間ごととすることができる。
位置を検出する対象の吸着ノズルとして、1番ノズルを設定する(ステップS101)。
次いで、前述したように1番ノズルの中心X座標を検出して(ステップS102)、当該中心X座標を制御部800に記憶する(ステップS103)。
次いで、前述したように1番ノズルの中心Y座標を検出して(ステップS104)、当該中心Y座標を制御部800に記憶する(ステップS105)。
次いで、ステップS102〜ステップS105を4番ノズルに対してまで実行したか否かを判断する(ステップS106)。
ステップS106において、ステップS102〜ステップS105を4番ノズルに対してまで実行したと判断されたら、初期化する(ステップS107)。一方、ステップS106において、ステップS102〜ステップS105を4番ノズルに対してまで実行したと判断されない場合には、N(ノズル番号)を1つインクリメントする(ステップS108)。
ステップS107を実行した後、前述したように1番ノズルと2番ノズルとのX方向の距離、すなわち、小ピッチPX1minを演算する(ステップS109)。
次いで、3番ノズルと4番ノズルとのX方向の距離、すなわち、小ピッチPX3minを演算するまで実行したか否かを判断する(ステップS110)。
ステップS110において、小ピッチPX3minを演算するまで実行したと判断されたら、小ピッチPX1min、小ピッチPX2min、小ピッチPX3minのうちの最大のもの(最大距離)を検出する(ステップS111)。一方、ステップS110において、小ピッチPX3minを演算するまで実行したと判断されない場合には、N(ノズル番号)を1つインクリメントする(ステップS112)。
ステップS111を実行した後、|最大距離−基準距離(第2基準値)|を演算して、当該演算結果が閾値以上か否かを判断する(ステップS113)。
ステップS113において、演算結果が閾値以上であると判断されない場合には、第1モードを選択する(ステップS114)。一方、ステップS113において、演算結果が閾値以上であると判断された場合には、第2モードを選択する(ステップS115)。
なお、本実施形態では、フローチャートに示す一連の動作は、デバイス搬送ヘッド13が供給領域A2内のトレイ200上のICデバイス90を把持するときに適用していたが、これに限定されない。その他の適用態様として、例えば以下の態様が挙げられる。
・デバイス搬送ヘッド13が温度調整部12上にICデバイス90を開放するとき。
・デバイス搬送ヘッド13が温度調整部12上のICデバイス90を把持するとき。
・デバイス搬送ヘッド13がデバイス供給部14上にICデバイス90を開放するとき。
・デバイス搬送ヘッド20がバイス回収部18上のICデバイス90を把持するとき。
・デバイス搬送ヘッド20が回収領域A4内のトレイ200上にICデバイス90を開放するとき。
・デバイス搬送ヘッド20が回収用トレイ19上にICデバイス90を開放するとき。
<第2実施形態>
以下、図34を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ICデバイスを把持する把持部の設置数が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図34に示すように、本実施形態では、デバイス搬送ヘッド13は、第1把持部78A〜第4把持部78Dに加えて、さらに、第5把持部78Eと、第6把持部78Fと、第7把持部78Gと、第8把持部78Hとを有している。
第5把持部78Eは、基部75に設けられ、第1把持部78Aに対してY方向正側(第2の方向)に配置されている。第6把持部78Fは、基部75に設けられ、第2把持部78Bに対してY方向正側(第2の方向)に配置されている。第7把持部78Gは、基部75に設けられ、第3把持部78Cに対してY方向正側(第2の方向)に配置されている。第8把持部78Hは、基部75に設けられ、第4把持部78Dに対してY方向正側(第2の方向)に配置されている。
位置検出部(検出部)3は、第1実施形態で記載した第1把持部78A〜第4把持部78Dに対してと同様に、第5把持部78Eの吸着ノズル791のX方向(第1の方向)における位置(中心X座標)と、Y方向(第2の方向)における位置(中心Y座標)を検出可能である。
同様に、位置検出部3は、第6把持部78Fの吸着ノズル792のX方向(第1の方向)における位置(中心X座標)と、Y方向(第2の方向)における位置(中心Y座標)を検出可能である。
また、位置検出部3は、第7把持部78Gの吸着ノズル793のX方向(第1の方向)における位置(中心X座標)と、Y方向(第2の方向)における位置(中心Y座標)を検出可能である。
位置検出部3は、第8把持部78Hの吸着ノズル794のX方向(第1の方向)における位置(中心X座標)と、Y方向(第2の方向)における位置(中心Y座標)を検出可能である。
以上のような構成のデバイス搬送ヘッド13に、第1実施形態で記載したフローチャートを適用すれば、第1把持部78A〜第8把持部78Hによって、ICデバイス90に対する把持を円滑に行なうことができる。
<第3実施形態>
以下、図35〜図37を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、吸着ノズルの位置を検出する方法が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
ここでは、代表的に1番ノズルである吸着ノズル733の位置を検出する方法について説明する。
吸着ノズル733のX方向の中心位置である「中心X座標」を検出するには、まず、図35に示すように、吸着ノズル733を位置検出部3の凹部42から外れた上面41上に配置させる。このとき、吸着ノズル733は、凹部42に対してX方向負側に位置している。
そして、吸着ノズル733から気体GSを噴出しつつ、当該吸着ノズル733をX方向正側に移動させ(往路PR1)、凹部42を超えた位置(図35中の二点鎖線で示した吸着ノズル733参照)で停止させる。往路PR1では、吸着ノズル733に連通する流量計(図示せず)で検出される(測定される)気体GSの流量の変化は、図36中の実線で示すグラフGR1となる。このグラフGR1からは、吸着ノズル733が移動する過程で、凹部42の側壁部422を超えたときに、流量が増加に転じているのが分かる。この流量が増加に転じる位置を「第1X座標」として記憶する。
次いで、吸着ノズル733から気体GSを噴出しつつ、当該吸着ノズル733をX方向負側に移動させ(復路PR2)、凹部42を超えた位置で停止させる。復路PR2では、前記流量計で検出される気体GSの流量の変化は、図36中の破線で示すグラフGR2となる。このグラフGR2からは、吸着ノズル733が移動する過程で、凹部42の側壁部423を超えたときに、流量が増加に転じているのが分かる。この流量が増加に転じる位置を「第2X座標」として記憶する。
そして、前記第1X座標と前記第2X座標との間の中央の位置を、吸着ノズル733のX方向の中心位置である「中心X座標」として検出することができる。
吸着ノズル733のY方向の中心位置である「中心Y座標」を検出するには、中心X座標を検出するのと同様に、吸着ノズル733を位置検出部3の凹部42から外れた上面41上に配置させる。このとき、吸着ノズル733は、凹部42に対してY方向負側に位置している。
そして、吸着ノズル733から気体GSを噴出しつつ、当該吸着ノズル733をY方向正側に移動させ(往路)、凹部42を超えた位置で停止させる。この往路では、前記流量計で検出される気体GSの流量の変化は、図37中の実線で示すグラフGR3となる。このグラフGR3からは、吸着ノズル733が移動する過程で、凹部42の側壁部424を超えたときに、流量が増加に転じているのが分かる。この流量が増加に転じる位置を「第1Y座標」として記憶する。なお、グラフGR3からは、吸着ノズル733が凹部42の側壁部425を超えたときに、流量が減少に転じているのが分かる。
次いで、吸着ノズル733から気体GSを噴出しつつ、当該吸着ノズル733をY方向負側に移動させ(復路)、凹部42を超えた位置で停止させる。この復路では、前記流量計で検出される気体GSの流量の変化は、図37中の破線で示すグラフGR4となる。このグラフGR4からは、吸着ノズル733が移動する過程で、凹部42の側壁部425を超えたときに、流量が増加に転じているのが分かる。この流量が増加に転じる位置を「第2Y座標」として記憶する。
そして、前記第1Y座標と前記第2Y座標との間の中央の位置を、吸着ノズル733のY方向の中心位置である「中心Y座標」として検出することができる。
<第4実施形態>
以下、図38を参照して本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。なお、図38では、代表的に1つのノズルについて図示している。
本実施形態は、吸着ノズルの位置を調整する態様が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図38に示すように、本実施形態では、吸着ノズル713は、ブロック状の支持部715に支持、固定されている。
また、シャフト712の下端部には、ブロック状なし、支持部715が連結される連結部712aが設けられている。そして、本実施形態では2つのボルト712bを介して、連結部712aと支持部715とが連結されている。なお、2つのボルト712bは、シャフト712を介して互いに反対側に配置されている。
このような構成により、例えば大ピッチPX2maxを調整する場合、2つのボルト712bをそれぞれ緩めることができる。これにより、吸着ノズル713の位置を支持部715ごとX方向(またはY方向)に微調整ことができる。そして、この調整後、再度2つのボルト712bをそれぞれ締める。これにより、位置調整された吸着ノズル713がシャフト712に固定されることとなる。
以上、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の電子部品搬送装置および電子部品検査装置は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、デバイス搬送ヘッドが有し、電子部品を把持する把持部の設置数は、前記第1実施形態ではX方向に沿って4つであったが、これに限定されず、例えば、2つ、3つまたは5個以上であってもよい。また、把持部の設置数は、前記第2実施形態ではX方向に配置された各把持部にそれぞれ対応して、Y方向にも1つずつ設置されていたが、これに限定されず、Y方向に2つ以上設置されていてもよい。
また、ICデバイスは、前記各実施形態では平面視で矩形のものであったが、これに限定されず、例えば、円形や楕円形のものであってもよい。この場合、電子部品搬送装置または電子部品検査装置は、ICデバイスの水平面内での姿勢を変更する、すなわち、ICデバイスを水平面内で鉛直軸回りに回転する回転ステージを、供給領域および回収領域に有するのが好ましい。この場合も、前記フローチャートに示す一連の動作を、例えば以下の態様に適用することができる。
・供給領域内でデバイス搬送ヘッドが回転ステージ上にICデバイスを開放するとき。
・供給領域内でデバイス搬送ヘッドが回転ステージ上のICデバイスを把持するとき。
・回収領域内でデバイス搬送ヘッドが回転ステージ上にICデバイスを開放するとき。
・回収領域内でデバイス搬送ヘッドが回転ステージ上のICデバイスを把持するとき。