[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用操作スイッチ及びそれを備えた遊技機を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、遊技機(以下、パチンコ機ともいう)1は、その外郭を形成する額縁状の外枠2を備えている。外枠2には、ヒンジ部を介して前面側に向かって片開き可能な内枠3が支持されている。内枠3には、同様にヒンジ部を介して前面側に向かって片開き可能な前枠4が支持されている。内枠3には、図示しないガイドレールにより前面側に遊技領域が形成された遊技盤が装着され、その遊技盤の下方に遊技領域に向けて遊技球を発射する球発射装置が設けられている。
前枠4は、遊技盤の遊技領域に対応した窓部4Aが厚み方向に貫通形成されて開口している。そして、前枠4の後面側には、窓部4Aを閉塞するように透明板4Bが着脱可能に配置されている。透明板4Bは、前枠4が内枠3に対して閉状態のときに窓部4Aを介して遊技領域を視認可能としている。また、前枠4の前面下側には、貸球や賞球等の遊技球を一時的に貯留し、その貯留した遊技球を整流して球発射装置に供給する球受皿5と、球発射装置が遊技球を発射する発射力を調節するための発射ハンドル6とが設けられている。そして、球受皿5の上面には、遊技者が操作可能なように外壁部から少なくとも一部が露出する構成で遊技機用操作スイッチ10が設けられている。
本明細書では、透明板4Bの前面と直交する方向が前後方向であり、遊技者側を前方側、遊技盤側(パチンコ機1の奥側)を後方側としている。図1の例では、図示しない遊技盤の盤面と直交する方向が前後方向となっている。また、透明板4Bに沿う態様で遊技領域が構成され、この遊技領域において遊技球が流下する方向を上下方向としている。図1の例では、鉛直方向が上下方向となっている。また、これら前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向としている。
以下、遊技機用操作スイッチ(以下、操作スイッチともいう)10について詳しく説明する。
図1で示す操作スイッチ10は、パチンコ機1において待機状態を含む遊技状態に応じて、遊技者による外部操作が可能に設けられており、図2のように、遊技者による所定の人為的操作が可能に構成された操作部材22と、この操作部材22を変位可能に保持するベース部材30と、操作部材22を所定位置に移動させ得る移動装置12(図5も参照)と、操作部材22に抵抗力を与える抵抗装置100と、電磁石130による磁界の発生を制御する制御回路140(図13参照)とを有する。
操作部材22は、図3、図4のように、円筒形状をなす本体部22Aと、この本体部22Aの上端部に一体的に連結された平面視円形形状の上面部22Bとを有し、上端部が閉塞され下端部が開放した円筒状に構成されている。操作部材22は、操作部20の一部として機能し、図1のように上面部22Bが外部に露出して配置され、この上面部22Bが遊技者に押圧操作される被押圧部として機能する。
図2、図3で示す操作部材22の上面部22Bは、例えば光を透過する光透過性材料で形成してもよく、操作部材22の内部にLEDなどの発光手段を配置した場合、この発光手段から照射される光が上面部22Bを介して外部に放出されることになる。図3のように、本体部22Aの下端部には、複数の延出部26が下方側に延出した形で形成されており、この延出部26とボタンベース24の周縁部とがねじ部材などの連結部材によって連結されるようになっている。
図3で示すボタンベース24は、操作部材22(本体部22A)の下端部に連結されることで操作部20の底部材として機能する。このボタンベース24には、厚さ方向に貫通した貫通孔部24A,24Bが形成されており、貫通孔部24A,24Bに連通するようにボタンベース24の下面には、後述する昇降ガイド軸36A,36Bに対して摺動可能に支持する支持孔部29A,29Bがそれぞれ形成された軸支持部28A,28Bが取り付けられる。支持孔部29A,29Bは、孔の向きが上下方向となっており、後述する昇降ガイド軸36A,36Bに嵌合することで、昇降ガイド軸36A,36Bに対して操作部20が上下方向に所定の姿勢を安定維持する機能を有する。また、ボタンベース24の周縁下面には側面略L字状に半径方向に延びる延出部24Cが形成されており、後述する操作部20の位置を検出する検知部として機能する。
操作部材22は、図5のように、後述するベース部材30に保持されるとともにベース部材30に対して基準位置から所定方向に所定の範囲内で相対的に変位可能に配置されている。具体的には、操作部材22とボタンベース24とが連結して構成される操作部20がベース部材30に保持されつつ上下動する構成をなす(図5〜図10参照)。なお、操作部材22の具体的な動作については後述する。
本構成では、上下方向が上記所定方向(操作部材22の移動方向)であり、操作部材22は、上下方向に所定範囲内で変位し得る構成をなす。具体的には、図5、図6で示す操作部材22の位置が基準位置の例であり、操作部材22は、図7、図8で示す操作部材22の位置(最上部まで上昇した特別位置)から、図9、図10で示す操作部材22の位置(最下部まで下降した押下位置)までの範囲内で上下に移動し得る。
ベース部材30は、図2のような構成をなし、パチンコ機1に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられる。図3、図4のように、ベース部材30は、操作部材22の本体部22Aよりも径の大きい筒状に構成され、操作部材22の周囲を囲むように操作部材22を覆うカバー部材32と、このカバー部材32の下端部に連結された板状の昇降ベース34とを有する。カバー部材32は、円筒形状をなし本体部22Aを収容する円筒状部32Aと、円筒状部32Aの下端部から径方向外側に延出した形態をなす平面視円形状のフランジ部32Bとを有する。なお、ベース部材30は、図5〜図10に示すように下方が開放したカバー体96で覆われており、カバー体96の上壁中央に開設された開口部96Aを介して操作部20を構成する操作部材22が昇降するようになっている。
昇降ベース34の上面部には、図3のように、カバー部材32のフランジ部32Bと嵌まり合う環状の溝部34Aが形成されており、昇降ベース34の上面部は、溝部34A内にフランジ部32Bが収まった状態でねじ等の連結部材によってフランジ部32Bに連結される構成をなす。また、昇降ベース34の上面部には、図3、図5のように、後述する昇降機構40の一部(回動アーム44)を回動可能に保持する保持部34Bが形成されており、この保持部34Bによって昇降ベース34と昇降機構40の一部(回動アーム44)とが連結されている。
昇降ベース34には、図6のように、昇降ベース34から上方に立ち上がるように2本の昇降ガイド軸36A,36Bが略平行に固定されており、昇降ガイド軸36A,36Bの上端部には、昇降ガイドベース38が固定されている。昇降ガイド軸36A,36Bは、操作部20のボタンベース24と摺動可能に嵌合し、操作部20を上下方向に安定した状態でガイドする機能を有する。
図5で示す移動装置12は、移動手段の一例に相当し、操作部材22を所定位置に移動させ得る装置として構成されている。移動装置12は、伝達機構14と伝達機構14に駆動力を与える駆動源としてのモータ18とを有する。
伝達機構14は、操作部材22を昇降させる昇降機構40と、複数のギアを回転させて連動させる回転連動機構50とを備える。伝達機構14は、モータ18の回転と連動させて操作部材22を変位させる機能を有するとともに、操作部材22と抵抗装置100の変位部120とを連動させる機能を有する。
図3、図5等で示す昇降ベース34の下方には第1ケース体91と第2ケース体92とで構成されるケース体90が固定されており、このケース体90の内部にギア群を備えたギア機構からなる回転連動機構50が収容されており、回転連動機構50を構成するギア群の各ギアを第1ケース体91と第2ケース体92とで回転軸線方向両側から挟み込む構成をなしている。そして、第1ケース体91の外側には、モータ18と抵抗装置100がケース体90に収容された回転連動機構50と連係するように固定されている。
回転連動機構50は、図5、11に示すように、モータ18の駆動軸18A(回転軸)に連結され所定の回転軸線X1回りに回転する第1ギア51と、第1ギア51と噛み合うと共に回転軸線X2回りに回転する第2ギア52と、第2ギア52と噛み合うと共に回転軸線X3回りに回転する第3ギア53と、第3ギア53と噛み合うと共に回転軸線X4回りに回転する第4ギア54と、第4ギア54と噛み合うと共に回転軸線X5回りに回転する第5ギア55と、第5ギア55と噛み合うと共に回転軸線X6回りに回転する第6ギア56からなるギア群を備える。回転軸線X1,X2,X3,X4,X5,X6は、平行な位置関係となっている。
図11、図12で示すモータ18は、例えばステッピングモータなどによって構成され、図13で示す制御回路140によって駆動軸18Aの変位(回転量)が制御される。モータ18の駆動軸18Aに連結された第1ギア51は、ケース体90の内部において所定の回転軸線X1を中心として回動するようにケース体90(第1ケース体91)に固定されたモータ18によって保持されている。図5のように、第2ギア52は、第1ギア51と噛み合うとともに回転軸線X1と平行な回転軸線X2を中心として回転し得るようにケース体90に回転可能に保持されている。第3ギア53は、後述する抵抗装置100における変位部120の一部(回転軸部122)に連結されており、第2ギア52と噛み合うとともに回転軸線X1と平行な回転軸線X3を中心として回転し得るようにケース体90(第1ケース体91)に固定された抵抗装置100によって保持されている。第4ギア54は、第3ギア53と噛み合うとともに回転軸線X1と平行な回転軸線X4を中心として回転し得るようにケース体90に回転可能に保持されている。第5ギア55は、第4ギア54と噛み合うとともに回転軸線X1と平行な回転軸線X5を中心として回転し得るようにケース体90に回転可能に保持されている。第6ギア56は、第5ギア55と噛み合うとともに回転軸線X1と平行な回転軸線X6を中心として回転し得るようにケース体90に回転可能に保持されている。第6ギア56はカム部62と一体的に構成され、これらによってカム部品60が構成されている。このように構成される回転連動機構50は、モータ18が回転すると第1ギア51、第2ギア52、第3ギア53、第4ギア54、第5ギア55、第6ギア56が全て連動して回転し、カム部62を回転させるように動作する。また、逆にカム部品60(カム部62)に回転力が与えられても、回転連動機構50は第1ギア51、第2ギア52、第3ギア53、第4ギア54、第5ギア55、第6ギア56が全て連動して回転するように動作する。回転連動機構50のギア群の中ではモータ18の駆動軸18Aに連結される第1ギア51が最も大径であり、第2ギア52、第3ギア53、第4ギア54、第5ギア55のギア比が第1ギア51の1/2程度となっており、カム部62と一体的に構成された第6ギア56はさらに小径となってギア比が第1ギア51の2/5程度となっている。したがって、モータ18の回動に対してカム部品60がより多く回転する構成となっている。
昇降機構40は、図5で示すように、カム部品60のカム部62と、第1昇降部材42と、第2昇降部材46と、回動アーム44とを備える。
第1昇降部材42は、図5、6のように、上述したボタンベース24の下面部にねじ等の連結部材によって固定され、ボタンベース24から下方に延びる形で配置されるとともに上下に長い長手状の形態をなす。この第1昇降部材42は、上述した操作部20と一体的に変位し、上下方向に移動するように構成されている。第1昇降部材42の下端部付近には、図3、6のように、回動アーム44が連係する水平方向に長い長孔部42Aが形成されている。また、第1昇降部材42の側部には第1昇降部材42の昇降をガイドする板状のガイド部42Bが形成されており、ガイド部42Bの下端部は後述する操作部20の押下位置を検出する検知部として機能する。
回動アーム44は、図5のように、一端部が昇降ベース34の保持部34Bに回転可能に軸支され、図6のように、他端部に形成された突起部44Aが第1昇降部材42に形成された長孔部42Aに挿入された形で係合している。また、回動アーム44の中間部には第2昇降部材46に連係する突起部44Bが形成されている。そして、回動アーム44は、図5のように、回転連動機構50のギア群の回転軸線X1〜X6と平行な回動軸線X7を中心として回動する構成をなし、回動アーム44の回動に応じて突起部44A、44Bが上下動し、この上下動と連動して第1昇降部材42及び第2昇降部材46が上下動するようになっている。
第2昇降部材46は、図3、5のように、上端部付近には、回動アーム44と連係する水平方向に長い長孔部46Aが形成されており、下端部にはカム部62の外周部と接触し得る構成をなすローラ46Bが設けられている。第2昇降部材46は、上端部の長孔部46Aに回動アーム44の突起部44Bが挿入された状態で係合し、長手方向を上下方向とした姿勢を保ちつつ上下動し得るように保持されている。
カム部62は、上述した第6ギア56と一体的に構成されており、回転軸線X6を中心とする半径方向に広がる構成をなすとともに回転軸線X6を中心として回転する構成をなす。カム部62の外周部(カム面)は、周方向において回転軸線X6からの距離が漸次連続的に変化する曲面構成をなし、第2昇降部材46のローラ46Bと摺接して操作部20を昇降させる。このとき、ローラ46Bは回転しながらカム部62の外周部(カム面)と摺接するため、抵抗が軽減される。
抵抗装置100は、抵抗手段の一例に相当し、図2のようにケース体90(第1ケース体91)に固定され、図13のような内部構成をなしている。抵抗装置100は、図13のように、収容空間部104Aがキャビティ状に形成されるハウジング104と、ハウジング104内に収容される電磁石130と、ハウジング104内に挿入されるとともに操作部材22の変位と連動して回転し、少なくとも一部が収容部110内において機能性流体102に浸漬された状態で配置される変位部120とを備える。この抵抗装置100は、電磁石130が機能性流体102に対して磁界を与えたとき、電磁石130が機能性流体102に対して磁界を与えていないときよりも、操作部材22の変位に逆らう抵抗力を増大させる機能を有する。
変位部120は、所定の回転軸線X3周りに回転する回転部として機能し、軸状に構成され所定方向に延びるように配置される回転軸部122と、この回転軸部122の外周部から外側にフランジ状に張り出す回転翼124とを備えて構成され、回転翼124の全部がハウジング104に形成された収容部110内において機能性流体102に浸漬された状態で配置されている。
ハウジング104の収容空間部104Aは、内壁面が所定の径の円筒面として構成される一対の保持空間部105A,105Bと、これら保持空間部105A,105Bの間に形成され、内壁面が保持空間部105A,105Bの径よりも大きい径の円筒面として構成された収容部110を有する。この収容部110には、変位部120の一部と機能性流体102が収容される。保持空間部105A,105Bには、変位部120の回転軸部122を回転可能に支持する軸受部106A、106Bが取り付けられている。軸受部106A、106Bは公知のベアリングとして構成される。また、保持空間部105A,105Bにおいて、収容部110との境界付近には、収容部110に収容された機能性流体102の漏れを防ぐためのシール部材108A,108Bが設けられている。シール部材108A,108Bは、封入パッキンとして構成され、回転軸部122の外周面と各保持空間部105A,105Bの内周面との間をシールする。
電磁石130は、発生部の一例に相当し、励磁状態と非励磁状態とに切り替え可能に構成され励磁状態のときに収容部110に収容された機能性流体102に及ぶ磁束を発生させる構成をなす。この電磁石130は、通電可能に構成されたコイルが、収容部110及び回転翼124を環状に囲むように配置されている。そして、例えば、励磁状態のとき(即ち、コイルの通電時)に、回転翼124の前面及び後面と交差する方向の磁束が機能性流体102に及ぶように電磁石130が配置されている。なお、図13には、磁束の方向を符号Wで概念的に示している。
機能性流体102は、公知の磁気粘性流体(MR流体)として構成され、磁界が与えられることにより粘性が変化する特性を有する。この機能性流体102は、磁場を変化させることで自由液体から半固体状態まで可逆的に瞬時に変化させることができる流体であり、例えば強磁性粒子(例えばカルボニル鉄)を油液(例えばシリコンオイル)中に分散させた構成をなしている。この機能性流体102は、磁場のない状態(電磁石130によって磁場が印加されていない場合)には、ニュートン流体として機能し、相対的に粘度が非常に低い流体となる。機能性流体102は、外部から磁場が加えられると、磁場の大きさによりせん断応力が変化するビンガム流体として機能し、磁場が印加されていない場合よりも粘度が大幅に高くなる。
図13の例では、機能性流体102内に回転翼124が浸漬され、回転翼124の前面、後面、外周面が機能性流体102に接触している。このように構成された抵抗装置100は、電磁石130の励磁状態のときに非励磁状態のときよりも機能性流体102の粘度が上昇する構成をなす。電磁石130が非励磁状態のときには、機能性流体102の粘度が相対的に低く、このときには回転翼124の回転に対する摩擦抵抗が小さいため、回転翼124は回転しやすくなる。逆に、電磁石130が励磁状態のときには、機能性流体102の粘度が相対的に高くなり、このときには回転翼124の回転に対する摩擦抵抗が大きいため、回転翼124は回転し難くなる。
制御回路140は、例えば、マイクロコンピュータなどを有する電子装置として構成されている。制御回路140には、抵抗装置100に設けられた電磁石130のコイルの通電と非通電を切り替える駆動回路や演算回路などを備える。また、制御回路140は、モータ18の回転量を制御し得るように構成されている。
ここで、操作スイッチ10の動作の例を述べる。
後述する所定の遊技条件が成立していない通常時には、制御回路140は、モータ18(図11)の駆動軸18Aを所定の回転基準位置で保つように制御し、このときには、図5、図6のように操作部材22(操作部20)の位置が基準位置(通常位置)にある。
ベース部材30のカバー部材32には、図5のように、近接センサなどによって構成される検知スイッチ71,72が操作部20の移動に沿って上下に取り付けられており、操作部20が図5、図6で示す状態になったとき、即ち、操作部材22が基準位置(通常位置)となったときに検知スイッチ71によって検知されるようになっている。具体的には、操作部材22が基準位置となったときには、図5のように延出部24Cが検知スイッチ71に近接して、検知スイッチ71が延出部24Cを検知し制御回路140に対して検知信号が出力されるようになっている。制御回路140は、このような検知信号を取得することで、操作部材22が基準位置にあることを把握することができる。
そして、所定の遊技条件が成立したときには、制御回路140は、図5においてカム部62が反時計回りに回転するようにモータ18を回転させ、カム部62が図7の回転位置になるまでモータ18の駆動軸18Aを回転させる。なお、「所定の遊技条件が成立したとき」の例としては、例えば、図示しない液晶表示部の表示画面でのリーチ演出時や大当たり時等の所定の遊技状態となったときなどが挙げられる。モータ18の回転駆動によって図5、図6の状態から図7、図8の状態へ変化させる際には、カム部62の回転(図5において反時計回りの回転)に応じてローラ46Bが摺接する第2昇降部材46が上昇し、回動アーム44を図5において反時計回りに上回動させることになる。このように回動アーム44が回動すると、回動アーム44の端部に形成された突起部44A(図6)が係合した第1昇降部材42も上昇し、これと連動して操作部20も上昇する。最終的に操作部材22が図7、図8で示す特別位置に達すると、制御回路140はモータ18の回転を停止させる。
本構成では、操作部20が図7、図8で示す状態になったとき、即ち、操作部材22が特別位置となったときに検知スイッチ72によって検知されるようになっている。具体的には、操作部材22が特別位置となったときに図7のように延出部24Cが検知スイッチ72に近接して、検知スイッチ72が延出部24Cを検知し制御回路140に対して検知信号が出力されるようになっている。制御回路140は、このような検知信号を取得することで、操作部材22が特別位置にあることを把握することができる。
そして、図7、図8のような操作部材22が特別位置の状態のときに遊技者により操作部材22が下方側に押されると、操作部20と第1昇降部材42が一体的に下降するとともに、第1昇降部材42と連係する回動アーム44が図7において時計回りに下回動し、これと連動して第2昇降部材46が下降する。すると、カム部62の外周部が第2昇降部材46によって押され、図7において時計回りに回動する。操作部材22は、図9、図10で示す押下位置まで下降することができるようになっている。
ケース体90(第2ケース体92)には、図3、図9に示すように、近接センサなどによって構成される検知スイッチ73が取り付けられており、操作部20が図9、図10で示す状態になったとき、即ち、操作部材22が押下位置となったときに検知スイッチ73によって検知されるようになっている。具体的には、操作部材22が押下位置となったときには、図9のように第1昇降部材42のガイド部42Bが検知スイッチ73に近接して、検知スイッチ73がガイド部42Bを検知し制御回路140に対して検知信号が出力されるようになっている。制御回路140は、このような検知信号を取得することで、操作部材22が押下位置にあることを把握することができる。
このような動作が、操作スイッチ10の基本動作であるが、本構成では、更に、制御回路140による抵抗装置100の制御が付加される。具体的には、制御回路140は、操作部材22が所定位置にあるときに電磁石130(発生部)に対して磁界を発生させる制御を行い、抵抗装置100において変位部120の回転に対する抵抗力(変位部120を回転させようとする力に逆らう力)を磁界が発生していないときよりも増大させる。
例えば、図7、図8で示す特別位置を「所定位置」とすることができ、この場合、操作部材22が特別位置になったとき、或いは操作部材22が特別位置になったときであって所定条件が成立しているときに、制御回路140は、電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102の粘度を増大させる。これにより、回転軸部122の回転に対する抵抗力が増大し、回転軸部122に連結された第3ギア53が回りにくくなるため、第3ギア53と連動するカム部62が回転しにくくなる。このため、遊技者は操作部材22を押したときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまり回転連動機構50を回転させるだけの抵抗に抗して押圧するときと比して、押圧時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材22が押下されにくくなった変化)を確実に感じることができる。なお、この場合、操作部材22が特別位置にないときには電磁石130を非励磁状態で維持すればよい。
また、本構成では、このような操作部材22の押下操作によって図9、図10で示す押下位置となり、検知スイッチ73から制御回路140に対して検知信号が出力された場合には、所定の演出を行うようにしてもよい。所定の演出は様々であり、例えば、遊技盤に設けられた表示装置において特別な静止画や動画を表示させるなどの演出であってもよく、遊技機に設けられた演出装置(ギミック)の可動により演出を変化させてもよく、特別なランプ表示や音声、振動などを行ってもよい。なお、この例では、検知スイッチ73が、検知手段の一例に相当し、操作部材22が所定の変位状態となったことを検知する機能を有する。また、上述した所定の演出は、制御回路140の制御によって行ってもよく、制御回路140以外の制御装置によって行ってもよい。制御回路140が上述した所定の演出を行う場合には、これが演出制御手段の一例に相当し、他の制御装置が行う場合には、これが演出制御手段の一例に相当する。なお、本実施形態では、検知スイッチ73により操作部材22が最下位置と検知してから、所定時間経過後にモータ18を駆動してカム部品60を図9で示す反時計回りに回転させ、操作部材22を基準位置に復動させるようにしている。
ここで、操作スイッチ10及びパチンコ機1の効果を例示する。
操作スイッチ10は、磁界を発生させる電磁石130(発生部)と、操作部材22の変位と連動して変位すると共に少なくとも一部が機能性流体102に浸漬された状態で配置される変位部120とを備えた抵抗装置100を有する。この抵抗装置100は、電磁石130(発生部)が機能性流体102に磁界を与えたときに、機能性流体102に磁界を与えず操作部材22の変位に逆らう抵抗力を与えていないときよりも抵抗力を増大させる構成をなす。
この構成によれば、電磁石130(発生部)が機能性流体102に磁界を与えたときに操作部材22の変位に逆らう抵抗力を相対的に大きくすることができるため、この状態で操作部材22を操作したときには相対的に大きい抵抗力に抗した操作を行うような操作感覚となる。一方、電磁石130(発生部)が機能性流体102に磁界を与えていないときには操作部材22の変位に逆らう抵抗力を相対的に小さくすることができるため、この状態で操作部材22を操作したときには相対的に小さい抵抗力に抗した操作を行うような操作感覚となる。特に、変位部120と直接接触する機能性流体102の粘性を変化させることで抵抗力を変化させることができるため、大きな抵抗力の変化を生じさせやすく、しかも、変位部120に接触する部分が機能性流体102であるため摩耗や損傷などの問題も生じにくい。このように、本構成によれば、遊技者の操作感覚をより確実に変化させうる構成をより簡易に実現することができる。
本構成の操作スイッチ10は、電磁石130(発生部)による磁界の発生を制御する制御回路140を有する。この構成によれば、遊技者の操作感覚を変化させる制御を制御回路140によって電気的に行うことができる。また、電気的な制御が可能なため、操作部材22の抵抗力をフリー状態から操作できない程度まで無段階で調整することができる。したがって、経時的に抵抗力を変化させて遊技者の興趣を高めることができ、延いては操作部材22の所定位置を保持する保持手段として、遊技者に操作部材22を無用に操作できないようにすることもできる。
本構成の操作スイッチ10は、操作部材22を所定位置(具体的には特別位置)に移動させ得る移動装置12(移動手段)を有する。そして、制御回路140は、操作部材22が所定位置にあるときに電磁石130(発生部)に対し磁界を発生させる制御を行う構成となっている。この構成によれば、所定位置にある操作部材22を操作するときに相対的に大きい抵抗力を生じさせ得る装置を実現できる。
本構成の操作スイッチ10は、操作部材22と抵抗装置100の変位部120とを連動させる伝達機構14を有する。この構成によれば、操作部材22から離れた位置に変位部120(機能性流体102に接触する部分)を設けることができるため、設計上の自由度が高まり、変位部120や機能性流体102などを操作部材22から離れた位置に配置することが望まれる構成において有利になる。
本構成の操作スイッチ10において、機能性流体102は、磁界が与えられることにより粘性が変化する磁気粘性流体となっている。そして、発生部は、励磁状態と非励磁状態とに切り替え可能に構成され励磁状態のときに収容部110に収容された磁気粘性流体に及ぶ磁束を発生させる電磁石130によって構成されている。この構成によれば、遊技者の操作感覚をより確実に変化させうる構成を、磁気粘性流体や電磁石などを用いてより簡易に実現することができる。
本発明の操作スイッチ10において、操作部材22は、所定範囲内で往復動可能となるようにベース部材30に保持されている。そして、移動装置12は、操作部材22を所定範囲の一端と他端の間の所定中間位置で保持する保持手段として機能している。この構成によれば、操作部材22が所定の変位範囲で往復動可能且つ所定の中間位置で保持可能とされた装置において、遊技者の操作感覚をより確実に変化させる構成を付加することができる。
本構成の操作スイッチ10は、操作部材22が所定の変位状態となったことを検知する検知スイッチ73(検知手段)と、検知スイッチ73(検知手段)により所定の変位状態が検知された場合に遊技機において所定の演出を行う演出制御手段とを有する。この構成によれば、操作部材22が所定の変位状態とされたときに遊技機において所定の演出を行うことができ、このような操作部材22において遊技者の操作感覚を変化させる動作を行うことで、遊技に一層の面白みをもたせることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図14〜図17に示す第2実施形態の操作スイッチ210は、コイルばねとして構成されるばね部材202を設けた点のみが第1実施形態と異なり、それ以外は、第1実施形態と同様の構成をなす。よって、第1実施形態と同様の構成をなす部分については、第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、ばね部材202を設けた点以外は、図1〜図13と同様であるため、適宜これらの図を参照する。
この操作スイッチ210は、昇降ベース34とボタンベース24の間にばね部材202が設けられ、第1実施形態と同様の所定の遊技条件が成立していない通常時には、図14、図15のように、操作部20が重力によって下方に移動しようとする力と、ばね部材202による押圧力(弾発力)とが釣り合い、操作部20が所定の高さ(操作部材22が第1実施形態と同様の基準位置(通常位置)となる高さで維持される。このとき、図14に示すように、カム部品60のカム部62と第2昇降部材46のローラ46Bとは離間しており、操作部20は基準位置(通常位置)と図17で示す押下位置とはばね部材202の弾発により復動するため、制御回路140によるモータ18の駆動動作はなされず、モータ18の駆動軸18Aは、所定の初期位置で維持される。このように、通常時にはモータ18の駆動動作が不要となるため、消費電力を低減することができる。
そして、所定の遊技条件が成立したときには、制御回路140は、図14においてカム部62が反時計回りに回転するようにモータ18を回転させ、カム部62が図16の回転位置になるまでモータ18の駆動軸18Aを回転させる。この動作は第1実施形態において特別位置に移動させる動作と同様である。操作部材22が図16で示す特別位置に達すると、制御回路140はモータ18の回転を停止させる。
そして、図16のような状態のときに操作部材22が下方側に押されると、昇降機構40が第1実施形態と同様に動作し、第1昇降部材42及び第2昇降部材46が下降するとともに、カム部62の外周部が第2昇降部材46によって押され、図16において時計回りに回動する。操作部材22は、第1実施形態と同様、図17で示す押下位置まで下降することができるようになっている。
この構成でも、制御回路140(図13)による抵抗装置100(図13)の制御が付加される。具体的には、第1実施形態と同様、図16で示す特別位置を「所定位置」とすることができ、この場合、操作部材22が特別位置になったとき、或いは操作部材22が特別位置になったときであって所定条件が成立しているときに、制御回路140は、電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102の粘度を増大させる。これにより、変位部120が回転し難くなり操作部材22が下方に移動しにくくなるため、遊技者は操作部材22を押したときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまり回転連動機構50を回転させるだけの抵抗に抗して押圧するときと比して、押圧時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材22が押下されにくくなった変化)を確実に感じることができる。また、本構成でも、このような操作部材22の押下操作によって図17で示す押下位置となり、検知スイッチ73から制御回路140に対して検知信号が出力された場合には、第1実施形態と同様の所定の演出を行うことができる。なお、本実施形態において、基準位置(通常位置)への復動は、ばね部材202の付勢により行うようにして、操作部材22を特別位置から押圧操作する際にのみ抵抗装置100を作用するようにしたが、図14に示す基準位置(通常位置)においてもカム部品60のカム部62と第2昇降部材46のローラ46Bとを摺接させて、操作部材22の押圧動作の際に抵抗力を付加するようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の操作スイッチ310は、図18のように、遊技機に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられるベース部材330と、ベース部材330に保持され、ベース部材330に対して基準位置から所定方向に所定の範囲内で相対的に変位可能に配置された操作部材322とを備える。具体的には、ベース部材330は、操作部材322を上下動可能に保持しており、更に、ベース部材330の板状部332と操作部材322の下面部322Aの間には、移動手段としてのばね部材302が介在している。操作部材322は、ばね部材302によって上方側に移動させる付勢力が付与されており、操作部材322に対して外部から押圧力が付与されていないときには、操作部材322は、図18で示す基準位置で保たれるようになっている。
操作部材322の下面部322Aから下方側に延びるように延出部324が形成され、ベース部材330の板状部332から下方に臨む延出部324の先端寄り部分の側部には、ラックギア324Aが形成されている。また、本構成では、ベース部材330の下方に固定されたケース体390に抵抗手段として第1実施形態と同様の抵抗装置100が固定されており、この抵抗装置100の回転軸部122には、ピニオンギア340が取り付けられている。そして、ラックギア324Aとピニオンギア340によってラックアンドピニオン機構(伝達機構)が構成されている。この構成では、操作部材322の上下動と連動して、ピニオンギア340及び回転軸部122が一体的に回転する。なお、ケース体390には操作部材322が所定の変位状態(押圧位置)となったことを検知する検知スイッチ371(検知手段)が設けられており、延出部324の下方側方(ラックギア324Aの反対側)に延設された検知部324Cが近接することにより作用する。
本構成でも、第1実施形態の制御回路140(図13)と同様の制御回路(図示略)が設けられ、この制御回路は、所定のタイミング(例えば、第1実施形態で説明した「所定の遊技条件が成立したとき」など)に電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102(図13)の粘度を増大させる。これにより、変位部120(回転軸部122)の回転に対する抵抗力が増大し、ラックギア324Aが上下動しにくくなるため、遊技者は操作部材322を押したときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまりばね部材302だけの付勢(抵抗)に抗して押圧するときと比して、押圧時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材322が押下されにくくなった変化)を確実に感じることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態の操作スイッチ410は、図19、図20のように、遊技機に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられるベース部材430と、ベース部材430に保持され、ベース部材430に対して基準位置から所定方向に所定の範囲内で相対的に変位可能に配置された操作部材422とを備える。具体的には、ベース部材430は、回転軸線Y1を中心として回転し得るように操作部材422を回転可能に保持しており、操作部材422の回転軸線Y1が、抵抗装置100の回転軸部122の回転軸線にもなっている。
操作部材422は、図20のように、ベース部材430から外部に露出する第1部材422Aと、この第1部材422Aの下端部に取り付けられる円板状の第2部材422Bとを有し、この第2部材422Bの下面から下方側に軸部423が延びている。ベース部材430は、複数の部品によって箱状に構成されており、内部には、上記軸部423を回転可能に支持する軸受部432と、第2部材422Bの円板状部分の下面を支持する支持板434とが設けられている。
操作部材422は、回転軸線Y1を中心として所定の変位範囲(所定の回転範囲)で双方向の回動が可能となるようにベース部材430に保持されている。更に、ベース部材430の内部には、第2部材422Bの周縁部とベース部材430の内壁部とを連結するようにばね部材451、452が設けられ、操作部材422を変位範囲(回動範囲)の一端と他端の間の所定中間位置で保持する保持手段として機能する。また、このばね部材451、452は、移動手段の一例に相当し、操作部材422を図19、図20で示す所定の基準位置に戻す方向に付勢する機能を有する。つまり、操作部材422が操作されていないときには、ばね部材451、452によって操作部材422が図19に示す基準位置(所定の回転範囲の中間位置)で保たれるようになっている。
また、本構成では、ベース部材430の底壁部430Aに第1実施形態と同様の抵抗装置100が固定されており、上述した軸部423に抵抗装置100の回転軸部122が固定されている。つまり、抵抗装置100の変位部120と操作部材422が一体的に回転するように構成されている。
本構成でも、第1実施形態の制御回路140(図13)と同様の制御回路(図示略)が設けられ、この制御回路は、所定のタイミング(例えば、第1実施形態で説明した「所定の遊技条件が成立したとき」など)に電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102(図13)の粘度を増大させる。これにより、変位部120(回転軸部122)の回転に対する抵抗力が増大し、操作部材422が回転しにくくなるため、遊技者は操作部材422を回転させるときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまりばね部材451、452だけの付勢(抵抗)に抗して回転するときと比して、回転操作時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材422が回転しにくくなった変化)を確実に感じることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
図21で示す第5実施形態の操作スイッチ510は、遊技機に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられるベース部材530と、ベース部材530に保持され、ベース部材530に対して基準位置から所定方向に所定の範囲内で相対的に変位可能に配置された操作部材522とを備える。具体的には、ベース部材530は、操作部材522を所定方向に沿って往復動し得るようにスライド可能に保持している。
操作部材522は、ベース部材530から外部に露出する長手状の第1部材522Aと、この第1部材522Aの下端部に連結された長手状の第2部材522Bとを有し、この第2部材522Bの下面部524には、ラックギア524Aが形成されている。また、本構成では、ベース部材530に第1実施形態と同様の抵抗装置100が固定されており、この抵抗装置100の回転軸部122には、ピニオンギア540が取り付けられている。そして、ラックギア524Aとピニオンギア540によってラックアンドピニオン機構(伝達機構)が構成されている。この構成では、操作部材522のスライド動作と連動して、ピニオンギア540及び回転軸部122が一体的に回転する。
操作部材522は、所定の変位範囲(所定のスライド範囲)で往復動が可能となるようにベース部材530に保持されている。更に、ベース部材530の内部には、第2部材422Bの両端部とベース部材530の内壁部とを連結するようにばね部材551、552が設けられている。このばね部材551、552は、保持手段の一例に相当し、操作部材522を変位範囲(スライド範囲)の一端と他端の間の所定中間位置で保持するように機能する。また、ばね部材551、552は、移動手段の一例に相当し、操作部材522を図21で示す所定の基準位置に戻す方向に付勢する機能を有する。このような構成であるため、操作部材522は、外部からの操作がなされていないときには、ばね部材551、552の付勢力によって図21に示す基準位置(所定のスライド範囲の中間位置)で保たれるようになっている。
本構成でも、第1実施形態の制御回路140(図13)と同様の制御回路(図示略)が設けられ、この制御回路は、所定のタイミング(例えば、第1実施形態で説明した「所定の遊技条件が成立したとき」など)に電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102(図13)の粘度を増大させる。これにより、変位部120(回転軸部122)の回転に対する抵抗力が増大するため、遊技者は操作部材522をスライドさせるときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまりばね部材551、552だけの付勢(抵抗)に抗してスライドするときと比して、スライド操作時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材522がスライドしにくくなった変化)を確実に感じることができる。
なお、ベース部材530の内部には、検知スイッチ571、572がそれぞれ設けられており、操作部材522を一方側に移動させる操作を検知スイッチ571で検知することができ、操作部材522を他方側に移動させる操作を検知スイッチ572で検知することができるようになっている。この検知スイッチ571、572は操作部材522が所定の変位状態となったことを検知する検知手段として機能し使い方は様々であり、例えば、第1の遊技状態(例えば、リーチ状態など)のときには操作部材522を検知スイッチ571側に移動させるように遊技方式を定め、第2の遊技状態(例えば、大当たり状態、確率変動状態など)のときには操作部材522を検知スイッチ572側に移動させるように遊技方式を定めるなどの例が挙げられる。また、本実施の形態では、ラックギア524Aを第2部材522Bの下面部524の左半分(図21参照)に設けて、操作部材522を特定の一方向(図21で示す検知スイッチ571で検知する右方向)に移動させるときのみ、抵抗装置100を作用可能にする構成にしており、例えば、第1の遊技状態のときに、電磁石130を励磁状態にして抵抗力を増大させ、遊技に変化を与えるようにしたが、ラックギア524Aを第2部材522Bの下面部524全体に形成し、制御回路140は、操作部材522をいずれの方向に移動(スライド)させるときでも(例えば、第1の遊技状態及び第2の遊技状態のいずれのときでも)、電磁石130を励磁状態にして抵抗力を増大させるようにしてもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。
図22で示す第6実施形態の操作スイッチ610は、遊技機に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられるベース部材630と、ベース部材630に保持され、ベース部材630に対して基準位置から所定方向に所定の範囲内で相対的に変位可能に配置された操作部材622とを備える。具体的には、ベース部材630は、操作部材622が回転軸線Z1を中心として回転し得るように回転可能に保持している。
操作部材622は、レバー状に構成され、ベース部材630から外部に露出する一端部が操作対象部分とされ、他端部がベース部材630に回転可能に取り付けられている。操作部材622は、図22において実線位置から一点鎖線の位置まで回動し得る構成となっている。そして、操作部材622を所定の回転方向(図22で示す時計回りの方向)に付勢するばね部材650が設けられており、操作部材622が操作されていないときには、ばね部材650の付勢力によって操作部材622が図22実線で示す基準位置で維持されるようになっている。
この操作部材622の端部には、回転軸線Z1を中心とした円弧状のギア624Aが形成されている。また、本構成では、ベース部材630に第1実施形態と同様の抵抗装置100が固定されており、この抵抗装置100の回転軸部122には、ギア640が取り付けられている。そして、ギア624Aとギア640が歯車伝動(伝達機構)によって連動するようになっている。この構成では、操作部材622の回動動作と連動して、ギア640及び回転軸部122が一体的に回転する。
本構成でも、第1実施形態の制御回路140(図13)と同様の制御回路(図示略)が設けられ、この制御回路は、所定のタイミング(例えば、第1実施形態で説明した「所定の遊技条件が成立したとき」など)に電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102(図13)の粘度を増大させる。これにより、変位部120(回転軸部122)の回転に対する抵抗力が増大するため、遊技者は操作部材622を回転させるときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまりギア624Aとギア640の歯車伝動(伝達機構)を回転させるだけの抵抗に抗して回動するときと比して、回動時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材622が回転しにくくなった変化)を確実に感じることができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明する。
図23〜図25に示す第7実施形態の操作スイッチ710は、第1実施形態の昇降機構40を昇降機構400に変更し、回転連動機構50を回転連動機構500に変更した点が第1実施形態と異なる主な点である。図23〜図25では、第1実施形態と同様の構成をなす部分については、第1実施形態と同一の符号を付しており、以下の説明では、これら同様の構成についての詳細な説明は省略する。
操作スイッチ710は、昇降機構400と回転連動機構500によって伝達機構714が構成されており、この伝達機構714は、操作部材22と抵抗装置100の変位部120とを連動させるように機能する。そして、伝達機構714及びモータ18によって移動手段としての移動装置712が構成され、操作部材22を所定位置に移動させ得る構成をなす。なお、本実施形態においても、図5に示す第1実施形態のように、ベース部材30のカバー部材32には、近接センサなどによって構成される検知スイッチ71,72が操作部20の移動に沿って上下に取り付けられており、ボタンベース24の周縁下面に形成された延出部24Cが、操作部20が基準位置(通常位置)及び特別位置となったときに検知スイッチ71,72によって検知される検知部として機能するようになっている。
昇降機構400は、図23に示すように、カム部品600と、第1昇降部材42と、第2昇降部材460と、回動アーム440とを備える。カム部品600は、図24(B)のように、第1実施形態と同様の構成をなすモータ18の駆動軸18Aに固定され、モータ18の駆動軸18Aと偏心した位置に第2昇降部材460と連係する操作ピン601を備えている(図23も参照)。
第1昇降部材42は、第1実施形態と同一の構成をなしており、第1実施形態と同一の構成をなす操作部20と一体的に上下動する構成をなす。第2昇降部材460は、図24(A)のように、上部前面側には、回動アーム440(突起部440B)と連係する水平方向に長い長溝部460Aが形成されており、その下方裏面側にはカム部品600の操作ピン601が挿入されてこれと連係する逆L字状の溝460Bが形成されている。
回動アーム440は、一端部(第1ギア501が形成された側の端部)が第1実施形態と同様の昇降ベース34(図3、図5参照)側に回動可能に軸支され、他端部に形成された突起部440Aが第1昇降部材42に形成された長孔部42Aに挿入されて第1昇降部材42と連係し、中間部に形成された突起部440Bが第2昇降部材460に形成された長溝部460Aに挿入されて第2昇降部材460と連係する構成をなす。
回転連動機構500は、回動アーム440の一端部に形成され回動アーム440の揺動軸周りに回転する第1ギア501と、第1ギア501と噛み合って回転する第2ギア502と、第2ギア502と噛み合うと共に抵抗装置100の回転軸部122に連結される第3ギア503とを備え、第1ギア501、第2ギア502、第3ギア503によって構成されるギア群が全て連動して回転するように動作する。
このように構成された操作スイッチ710は、図24(A)(B)で示す基準位置の状態からモータ18が駆動すると、駆動軸18Aに固定されたカム部品600が回転し、操作ピン601が第2昇降部材460のL字溝460Bの水平溝上辺を押し上げることで第2昇降部材460が図示しないガイド部材に沿って上昇し、それに伴い長溝部460Aに突起部440Bが連係している回動アーム440が揺動軸を中心に揺動上昇し、突起部440Aが連係している第1昇降部材42が上昇することで、操作部20が図25(A)(B)で示す特別位置まで上昇する。操作部20が基準位置から特別位置まで上昇するときには、回動アーム440の一端に形成された第1ギア501が回転することで、それに連動して、第2ギア502と、第3ギア503も回転するようになっており、第3ギア503に連結される抵抗装置100の回転軸部122も回転する。なお、基準位置において、第1実施形態と同様に基準位置よりも下方の押圧位置まで押圧可能となっており、押圧位置を検知する検知スイッチ(図示せず)が操作部20の押圧を検知し制御回路140に対して検知信号が出力されるようになっている。そして、操作部20の押圧が検知された後に、所定時間経過した後或いは所定のタイミングでモータ18を駆動し、操作部20を基準位置に復動させる。このように、伝達機構714はモータ18の駆動により操作部材22を所定の範囲の一端(特別位置)と他端(押圧位置)の間の移動が可能であり、その所定中間位置(基準位置)で保持するため保持手段の役割をなす。
図25で示す特別位置のときには、図25(B)で示すように、操作ピン601が駆動軸18Aの直上に位置し、遊技者が操作部20を押圧しようとしても無用に押せないロック状態となる。即ち、第2昇降部材460に対して下方への力が加わってもカム部品600が回動しないように作用するため、回動アーム44が下側に回動しないようになり、操作部20が下降しないようなロック状態となる。このようにロック状態となった後に、所定時間経過した後或いは所定のタイミングでモータ18を駆動し操作ピン601をL字溝460Bの縦溝に移動させる。この動作により上述のロック状態が解除されるため操作部20は押圧可能状態となる。このような押圧可能状態のときに抵抗装置100の電磁石130を励磁状態にすると、機能性流体102の粘度が増大し、遊技者が操作部20を押圧すると、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまり回転連動機構500を回転させるだけの抵抗に抗して押圧するときと比して、押圧時の抵抗力が増大し、通常時より抵抗(負荷)を感じることになるため、遊技の興趣を高めることができる。押圧可能状態のときに操作部20が押圧された場合には、操作部20は図24で示す基準位置よりも下方に移動し得る。
なお、操作部20が特別位置にあるときに遊技者によって押圧操作されなかった場合、つまり操作部20(延出部24C)が検知スイッチ72によって特別位置を所定時間経過したと判断された場合には、モータ18を、操作ピン601が水平溝方向(図25(B)で示す反時計回り方向)に回動するように駆動して、操作ピン601がL字溝460Bの水平溝下面を押圧することで操作部20を基準位置に向けて下動させることができるようになっている。本実施の形態では、抵抗装置100とモータ18(昇降機構400)とを直接的に連係していないため、第2実施形態と異なり通常時でも抵抗装置100を使用することができる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態について説明する。
図26に示す第8実施形態の操作スイッチ810は、コイルばねとして構成されるばね部材811,812を設けた点のみが第7実施形態と異なり、それ以外は、第7実施形態と同様の構成をなすため、第7実施形態と同様の構成をなす部分については、第7実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、第8実施形態の操作スイッチ810も、第1実施形態で説明した基本構成を採用しており、第1実施形態と同様の構成をなす部分については、第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第8実施形態の操作スイッチ810は、動作の基本的な考え方は第2実施形態と同様である。
図26で示す操作スイッチ810は、昇降ベース34とボタンベース24の間において昇降ガイド軸36A,36Bに巻装した形でばね部材811,812が設けられている。この操作スイッチ810は、第2実施形態とは異なり、図26に示す特別位置の時には、操作部20が重力によって下方に移動しようとする力と、ばね部材811,812による押圧力(弾発力)とが釣り合い、操作部20が図26で示す所定の高さ(操作部材22が第1、第7実施形態と同様の特別位置となる高さ)で維持される。また、通常時には、モータ18の駆動により、ばね部材811,812の付勢に抗して操作ピン601がL字溝460Bの水平溝下面を押圧することで基準位置に保持している。このとき、水平溝の高さ方向に余裕を持たせて(通常時から押圧位置に可動し得るストローク)ばね部材811,812の付勢に抗して押下位置へ押圧可能としている。したがって、通常時は、第2実施形態と同様、モータ18を駆動することなく操作部20を操作することができる。
また、操作部20を通常位置(基準位置)から特別位置に変位させる場合、制御回路140(図13)がモータ18を駆動し、操作ピン601をL字溝460Bの水平溝から垂直溝に移動させる(第7実施形態の図24(B)の状態)。これにより、第2昇降部材460が操作ピン601による規制から解放されることになり、ばね部材811,812の付勢により操作部20を一気に特別位置に上昇させることができる。この時操作部20及び第1昇降部材42,回動アーム440,第2昇降部材460は第7実施形態の図25(B)の状態(特別位置)になるが、カム部品600は第7実施形態の図24(B)の状態にあり、操作ピン601はL字溝460Bの垂直溝の下方に位置している。したがって、遊技者はばね部材811,812の付勢に抗して操作部20を操作することになる。なお、本実施の形態では、操作部20の基準位置及び特別位置への上昇運動をモータ18を使用することなく行うが、回動アーム440の一端に抵抗装置100の回転軸部122に連結される第3ギア503と連動する第1ギア501が設けられていることにより、この構成でも、モータ18の駆動に関係なく操作部20の昇降に伴い抵抗装置100の回転軸部122が回転することから、操作部材22が基準位置であっても、或いは操作部材22が特別位置になったときであっても、所定条件が成立しているときに、制御回路140(図13)によって電磁石130(図13)を励磁状態に制御して磁界を発生させることで操作部20に対して抵抗力を付加することができる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態について説明する。
図27乃至図32に示す第9実施形態の操作スイッチ910は、パチンコ機1等の遊技機において、遊技者による所定の人為的操作が可能に構成された操作部材922と、この操作部材922を変位可能に保持するベース部材930と、操作部材922を所定位置に移動させ得る移動手段としてのばね部材911と、操作部材922と抵抗装置100とを連動させる伝達機構950とを備えている。具体的には、操作部材922は、ばね部材911と共に操作ユニット920として組み立てられ、全方位方向に傾動可能であり、且つ内方に押圧操作可能な操作スイッチ910である。
ベース部材930は、一方が開放した筐体状に形成される第一ベース部材931と第二ベース部材932とを合体させることにより中空筐体状に形成され、操作部材922が第一ベース部材931の表面から操作可能に突出するように操作ユニット920が取り付けられる。
操作ユニット920は、第一ベース部材931に取り付けられる操作部ベース941と、ベース部材930の内側で操作部ベース941に固着される中空円筒状に形成されたケース体945とを備え、操作部ベース941とケース体945を組み付けることで外郭を形成し、内部に収納空間部が形成される。操作部ベース941は、第一ベース部材931の表面に形成された開口933を塞ぐ鍔部941a備え、中央に操作部材922のシャフト部923が挿通される貫通孔941bが開設されている。操作部材922は、操作部ベース941の貫通孔941bを介してシャフト部923の先端に操作部材922の支点となる操作支点部材924がビス等により固着され、操作部材922を可動すると操作支点部材924も一体的に可動する。また、操作支点部材924と対向する操作部ベース941の裏側には、図31に示すように、操作支点部材924が傾動する際の支点部位となる固定支点部材942が固設されている。
操作支点部材924は、図29に示すように、円錐台形の上面に形成されるすり鉢状の凹部925によって突条の支点部926が周設されている。固定支点部材942は、図30に示すように、操作支点部材924の凹部925に嵌る凸部943を備え、その基端部にフランジ944が形成されている。そして、図31に示すように固定支点部材942の凸部943が操作支点部材923の凹部925に嵌り、操作部材922をどの方向に傾動操作しても、図32に示すように、操作支点部材924の支点部926がフランジ944と凸部943により形成される曲部に位置して、操作支点部材924の支点部位となるように構成している。
ケース体945の内部には、ばね部材911と共にばね部材911の一端を収納支持する短円筒状のスライド部材951がケース体945内壁に沿って往復動するように収容され、図31に示すように、スライド部材951が操作支点部材923と面接触状態となっている。つまり、図31に示す常態では、ばね部材911の付勢によりスライド部材951が操作支点部材923を押し上げて、操作支点部材924の凹部925に固定支点部材942の凸部943が嵌り、操作部材922が所定の起立位置(基準位置)に安定保持される。
また、ケース体945の底部中央には、図30及び図31に示すように、棒状の操作クランク952の一端が挿入される挿入孔945aが形成され、ケース体945の外方から挿入された操作クランク952の一端が、ばね部材911を介してスライド部材951の受部951aに嵌合し固着される。操作クランク952は円柱棒状に形成され、周面に断面十字状になるように長さ方向に沿ったリブが形成され、略中央に後述するデバイスクランク954が連係する扁平部952bを形成すると共に、検知スイッチ973により操作部材922の可動を検知する板状の検知部952aがリブに沿って形成されている。操作クランク952は、扁平部952bと検知部952aがケース体945から突出するように取り付けられ、スライド部材951と共に一体的に可動する。
このように、操作部ベース941とケース体945を組み付けることにより、図28に示すように、操作部材922が操作可能な状態となる操作ユニット920が構築され、操作部材922を可動すると、スライド部材951がばね部材911の付勢に抗して可動するのに伴って、ケース体945から突出した操作クランク952が進退する。
また、第二ベース部材932の内部に抵抗装置100及び伝達機構950が収納される。抵抗装置100及び伝達機構950は、操作クランク952の進退を検知する検知スイッチ973と共にユニットベース960に組み付けられ、このユニットベース960を第二ベース部材932の底壁に取り付けることで、抵抗装置100と伝達機構950が第二ベース部材932の内部に収納される。
伝達機構950は、上述したスライド部材951と操作クランク952と、先端に扇状ギア953を備えるデバイスクランク954と、抵抗装置100の回転軸部122に固着されデバイスクランク954の扇状ギア953と噛合するデバイスギア955と、で構成されている。抵抗装置100は、図27に示すようにデバイスベース961を介してユニットベース960に取り付けられ、デバイスギア955の一端がデバイス軸受962に軸支されている。
また、ユニットベース960には、図27及び図28に示すようにデバイスクランク954及び検知スイッチ973がそれぞれ支持部材963及びセンサカバー964を介して取り付けられている。デバイスクランク954は、扇状ギア953がデバイスギア955と噛合するように、支持部材963に支軸965によりシーソー状に回動自在に軸支している。具体的には、扇状ギア953側が長腕となるように軸支され、この支軸965を介して扇状ギア953と対向する短腕側に形成された二股部956に操作クランプ952の扁平部952bを挟持して、二股部956の長孔に軸ピン966により可動自在に連係している。このとき、操作クランプ952の自由端は、図31に示すようにユニットベース960に開設した貫通孔960aに挿通保持される。そして、操作部材922の可動によりスライド部材951及び操作クランク952が直動するのに伴ってデバイスクランク954が支軸965を中心に回動し、扇状ギア953と噛合するデバイスギア955を回転させることにより抵抗装置100の回転軸部122が回転する。
このように構成される操作スイッチ910は、全方位方向に傾動操作可能であり、スライド部材951の直動方向への押圧も操作可能である。操作部材922が図31に示す所定の起立位置(基準位置)に保持される状態では、操作クランク952の検知部952aが検知スイッチ973に検知されないオフ状態にある。そして、例えば遊技者が図32に示すように操作部材922を傾動操作すると、操作支点部材924の支点部926が固定支点部材942と接触する部位を支点として傾動するのに伴って、操作支点部材924がスライド部材951をばね部材911の付勢に抗して押圧し、スライド部材951に固着された操作クランク952が直動する。このとき、操作クランク952の直動に伴い検知部952aが検知スイッチ973で検知され、オン状態となり操作部材922の可動を検知する。
そして、操作クランク952が直動すると、操作クランク952に連係されたデバイスクランク954が支軸965を中心に回動し、扇状ギア953と噛合するデバイスギア955を回転させることにより抵抗装置100の回転軸部122を回動させる。なお、ケース体945に形成した挿入孔945a及びユニットベース960に開設した貫通孔960aは、操作クランク952の水平断面形状と略同じ形状をしており、挿通される操作クランク952のガイドとなり、リブによって長手方向を軸とする回転が規制され、操作クランク952が確実に直動するようになっている。
本構成でも、第1実施形態の制御回路140(図13参照)と同様の制御回路(図示略)が設けられ、この制御回路は、所定のタイミング(例えば、第1実施形態で説明した「所定の遊技条件が成立したとき」など)に電磁石130(発生部)を励磁状態に制御して磁界を発生させ、機能性流体102(図13参照)の粘度を増大させる。これにより、変位部120(回転軸部122)の回転に対する抵抗力が増大するため、遊技者は操作部材922を操作するときに、電磁石130(発生部)が機能性流体102に対して磁界を与えていない状態、つまりばね部材911だけの付勢(抵抗)に抗して操作するときと比して、操作時の抵抗力が増大し、操作感覚の変化(操作部材922が傾動・押圧しにくくなった変化)を確実に感じることができる。
特に、本実施の形態では、デバイスクランク954が支軸965により軸支される軸支部と操作クランク952が二股部956に軸ピン966で連係される連係部との距離に比して、デバイスクランク954の軸支部から扇状ギア953までの距離を長く設定しているため、操作クランク952の直動距離に比してデバイスクランク954の扇状ギア953が大きく動き、抵抗装置100の回転軸部122をより多く回動させる。そのため、「所定の遊技条件が成立したとき」などには、操作部材922の操作時に抵抗装置100の抵抗をより感じることができる。
このように、本実施の形態では操作部材922を押圧または全方位方向に傾動しても、操作支点部材923に押されたスライド部材951及び操作クランク952が直線運動を行うので、検知部952aが検知スイッチ973を確実にオンオフ動作することができる。延いては伝達機構950の動作が一定になるため、抵抗装置100の負荷を確実に操作部材922に伝えることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上述した実施形態では、遊技機の例として、パチンコ機を例示したが、スロットマシンなどの公知の他の操作スイッチが設けられる遊技機に適用してもよい。
上述した実施形態では、抵抗手段の変位部を回転部として例示したが、変位部は、少なくとも一部が磁気粘性流体に浸漬されるスライド部材として構成されていてもよい。この場合、操作部材と上記スライド部材を直結させても、操作部材と上記スライド部材を連動させる伝達機構が設けられていればよい。
上述した実施形態では、制御回路140が操作スイッチの内部に設けられた例を示したが、外部に設けられていてもよい。
また、抵抗装置(抵抗手段)において、機能性流体102は、電界が与えられることにより粘性が変化する電気粘性流体(ER流体)であってもよい。図33の抵抗装置900は、電磁石130に代えて、電極902A,902Bを設け、この電極902A,902Bの電位差を制御し得るように構成した点が、上述した実施形態の抵抗装置100と異なり、それ以外は、抵抗装置100と同様である。図33の例では、収容部110における機能性流体102(電気粘性流体)の収容領域を挟むように配置された電極902A,902Bによって電極対902が構成されている。具体的には、回転翼124の外周面全体に亘り、機能性流体102に接触し得るように電極902Aが配置され、収容部110の内壁面全体に亘り、機能性流体102に接触し得るように電極902Bが配置されている。制御回路140は、例えば上述したマイクロコンピュータなどに加え、電極902A、902Bの間の電圧を制御し得る電圧制御回路を備えており、所定のタイミングで電極902A、902Bに間に所定の電圧を印加するようになっている。電極902A、902Bの電位差を大きくすることで、機能性流体102の粘度が高まり、変位部120を回転させる際の抵抗力が大きくなる。この抵抗装置900は、上述したいずれの実施形態にも適用でき、電圧を印加する所定のタイミングは、上述した実施形態のいずれのタイミングであってもよい。この構成によれば、遊技者の操作感覚をより確実に変化させうる構成を、電気粘性流体や電極対902などを用いてより簡易に実現することができる。なお、図33では、電極対の配置の一例を示したが、電気粘性流体の粘度を変化させ得る配置であればこの構成に限定されない。
実施例1、2などでは、モータ18を駆動する制御回路と、抵抗装置100を制御する制御回路とが同一であったが、別々に設けられていてもよい。