JP2017210376A - シリコン単結晶の製造方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】製造時の原料ロスを抑制しつつ、面内の品質ばらつきが抑制されたシリコンウェーハを得ることが可能なシリコン単結晶の製造方法。
【解決手段】シリコン単結晶の製造方法は、種子結晶SCをシリコン融液に浸漬させ、中心軸CB1と平行な方向に引き上げてシリコン単結晶を育成する工程を備え、種子結晶SCは、その<111>結晶軸CB2がその中心軸CB1に対して[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向に傾斜している。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリコン単結晶の製造方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶に関する。
従来、チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶の製造方法において、<111>結晶軸を中心軸に対して1°以上6°以下の角度で傾斜させた種子結晶をシリコン融液に浸漬させ、中心軸と平行な方向に引き上げてシリコン単結晶を育成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の方法では、シリコン単結晶を傾斜角度に対応する角度でスライスすることで、面方位が(111)面のシリコンウェーハを得ている。
特許文献1には詳細に開示されていないが、上述のようなシリコン単結晶からシリコンウェーハを得る際には、一般的に以下の処理が行われる。
シリコン単結晶は、品質上の要求や、引き上げ中の外乱により直径が変動する可能性があること等を考慮に入れて、目標のシリコンウェーハの直径(以下、「目標直径」という)よりも数%大きな直径で引き上げられる。このため、まず、シリコン単結晶の直胴部が目標直径の円柱状になるように、外周を研削する(結晶外周研削工程)。
次に、シリコン単結晶の肩部、テール部を切断して除去し、直胴部を複数の円柱状ブロックに切断する(ブロック取得工程)。
その後、目標の面方位のシリコンウェーハを得られるように、円柱状ブロックをスライスする(スライス工程)。例えば特許文献1のような面方位が(111)面のシリコンウェーハを得る場合、<111>結晶軸に対する直交面で円柱状ブロックをスライスする。
スライス工程後のシリコンウェーハは楕円形状なので、余計な部分を研削して真円に加工する(ウェーハ真円加工工程)。
特開平11−186121号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、図1(A)に示すように、直径がR1の直胴部SM2における周方向の一部に、直胴部SM2の長さ方向に延びる平坦部ST1が発生する場合がある。
このような直胴部SM2に対して、目標直径がR2となるように結晶外周研削工程を行う場合、研削による原料ロスを最小限に抑えるためには、二点鎖線で示すように、研削後の中心軸CS2が研削前の中心軸CA1に対して偏心するように外周を研削する必要がある。しかし、このような工程を経て得られたシリコンウェーハでは、当該シリコンウェーハの外縁全体において、結晶外周研削工程前の直胴部SM2の外縁までの距離がほぼ一定でないため、シリコンウェーハ面内の品質、例えば酸素濃度や抵抗率にばらつきが生じるおそれがある。
このようなシリコンウェーハ面内の品質ばらつきを抑制するためには、研削後の中心軸CS2が研削前の中心軸CA1に対して偏心しないように外周を研削することが考えられる。しかし、この場合、平坦部ST1を考慮に入れてシリコン単結晶の直径をR1よりもさらに大きくする必要があり、結晶外周研削工程における原料ロスが多くなってしまう。
本発明の目的は、製造時の原料ロスを抑制しつつ、面内の品質ばらつきが抑制されたシリコンウェーハを得ることが可能なシリコン単結晶の製造方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ね、面方位が(111)面のシリコンウェーハの製造に用いられ、<111>結晶軸を有するシリコン単結晶では、[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向側の外周面に晶癖線が発生するが、この三方向のうちいずれか一方向の位置に平坦部ST1が発生することを知見した。以下、[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向をまとめて、「晶癖線発生方向」という場合がある。この知見に基づいて、さらに鋭意研究を重ねた結果、<111>結晶軸をシリコン単結晶の中心軸に対して、晶癖線発生方向および当該晶癖線発生方向の反対方向([11−2]方向、[1−21]方向、[−211]方向)の計六方向のうち、いずれか一方向に傾斜させることで、図1(B)に示すように、晶癖線発生方向のうちいずれか一方向側に若干の変形部ST2が発生するものの、その変形量が平坦部ST1よりも小さくなることを知見した。
本発明は、上述のような知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶の製造方法であって、種子結晶をシリコン融液に浸漬させ、当該種子結晶の中心軸と平行な方向に引き上げてシリコン単結晶を育成する工程を備え、前記種子結晶は、その<111>結晶軸がその中心軸に対して[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向に傾斜していることを特徴とする。
本発明によれば、図1(B)に示すように、シリコン単結晶の直胴部SM2に発生する変形部ST2を平坦部ST1よりも小さくできる。このため、直胴部SM2の直径をR1よりも小さいR3にしても、目標直径がR2となるように結晶外周研削工程を行う場合、二点鎖線で示すように、研削後の中心軸CS2が研削前の中心軸CA1と一致するように外周を研削でき、原料ロスを抑制できる。
また、このような工程を経て得られた、例えば面方位が(111)面のシリコンウェーハでは、当該シリコンウェーハの外縁全体において、結晶外周研削工程前の直胴部SM2の外縁までの距離がほぼ一定となるため、シリコンウェーハ面内の酸素濃度や抵抗率等の品質ばらつきを抑制できる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、前記種子結晶の前記<111>結晶軸は、前記中心軸に対して前記いずれか一方向に0°よりも大きく2°以下の角度で傾斜していることが好ましい。
<111>結晶軸の中心軸に対する傾斜角度が2°を超える場合、肩部の広がりの不均一度合いが大きくなり、直胴部に有転位化が発生する確率が高くなるおそれがある。
本発明によれば、上記傾斜角度を0°よりも大きく2°以下にするため、直胴部に有転位化が発生する確率を低くでき、シリコンウェーハの歩留まり低下を抑制できる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、直胴部の直径が300mm以上の前記シリコン単結晶を育成することが好ましい。
本発明者は、上述のような平坦部ST1は直胴部の直径が300mm以上の場合に特に顕著に発生し、製造時の原料ロスと面内の品質ばらつきとが大きくなるという知見を得た。
本発明によれば、シリコン単結晶製造時の原料ロスとシリコンウェーハ面内の品質ばらつきとを、従来よりも大幅に抑制できる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、p型の前記シリコン単結晶を育成することが好ましい。
本発明のシリコンウェーハの製造方法は、上述のシリコン単結晶の製造方法で製造されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを切り出すことを特徴とする。
本発明のシリコン単結晶は、<111>結晶軸が中心軸に対して[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向に傾斜していることを特徴とする。
(A)は本発明の課題を示す説明図であり、(B)は本発明の作用を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る単結晶引き上げ装置の断面図。 前記一実施形態の種子結晶の説明図であり、(A)は<111>結晶軸の傾斜角度を示し、(B)は傾斜方向を示す。 前記一実施形態のシリコン単結晶の説明図。
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
〔単結晶引き上げ装置の構成〕
図2に示すように、単結晶引き上げ装置1は、CZ法に用いられる装置であって、引き上げ装置本体2を備えている。引き上げ装置本体2は、チャンバ21と、このチャンバ21内に配置された坩堝22と、坩堝駆動部23と、加熱部24と、断熱筒25と、引き上げ部26と、熱遮蔽体27とを備えている。
チャンバ21の上部には、Arガスなどの不活性ガスをチャンバ21内に導入するガス導入口21Aが設けられている。チャンバ21の下部には、チャンバ21内の気体を排出するガス排気口21Bが設けられている。
坩堝22は、シリコン単結晶SMの原料である多結晶のシリコンを融解し、シリコン融液Mとするものである。
坩堝駆動部23は、坩堝22を所定の速度で昇降させるとともに、坩堝22の下端に接続された支持軸23Aを中心にして回転させる。
加熱部24は、坩堝22の外側に配置されており、坩堝22を加熱してシリコンを融解する。
断熱筒25は、坩堝22および加熱部24の周囲を取り囲むように配置されている。
引き上げ部26は、引き上げ駆動部26Aと、一端が引き上げ駆動部26Aに接続された引き上げケーブル26Bとを備えている。引き上げケーブル26Bの他端には、種子結晶SCを保持する図示しないシードホルダ、または、図示しないドーピング装置が取り付けられる。ドーピング装置は、ドーパントを坩堝22内のシリコン融液Mに添加してドーパント添加融液MDを生成するためのものである。引き上げ駆動部26Aは、引き上げケーブル26Bを所定の速度で昇降および回転させる。
熱遮蔽体27は、坩堝22の上方においてシリコン単結晶SMを囲む円錐台筒状に形成され、加熱部24から上方に向かって放射される輻射熱を遮断する。
〔シリコン単結晶の製造方法〕
まず、図3(A)に示すような種子結晶SCを準備する。種子結晶SCは、<111>結晶軸CB2の中心軸CB1に対する傾斜角度θが0°を超え2°以下となるように構成されている。このように、<111>結晶軸CB2の傾斜角度θを2°以下にすることで、直胴部SM2に有転位化が発生する確率を低くできる。種子結晶SCの<111>結晶軸CB2は、図3(B)に示すような[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向に傾斜している。
一方、単結晶引き上げ装置1は、シリコン単結晶SMを製造するに際し、加熱部24により坩堝22を加熱することで、ドーパント添加融液MDを生成する。ドーパントとしては、p型のボロンを添加することが好ましい。また、ドーパントは、シリコン単結晶SMの抵抗率が1Ω・cm以上1000Ω・cm以下<<値をご教示ください>>となるように添加されることが好ましい。なお、ドーパントを添加しなくてもよい。
その後、チャンバ21内を減圧下の不活性雰囲気に維持し、引き上げケーブル26Bを下降させることで種子結晶SCをドーパント添加融液MDに接触させる。そして、引き上げケーブル26Bを適宜回転させながら引き上げるとともに、坩堝22を適宜回転させながら上昇させることで、図4に示すようなシリコン単結晶SMを引き上げる。この際、中心軸CB1が引き上げ方向と平行になるように種子結晶SCを上昇させるとともに、直胴部SM2の酸素濃度が10×1017atoms/cm以上となるように、シリコン単結晶SMを引き上げることが好ましい。また、直胴部SM2の直径が300mm以上となるように引き上げることが好ましく、ウェーハ真円加工工程後のシリコンウェーハの直径が300mm以上となるように引き上げることがより好ましい。
以上のような工程により、<111>結晶軸CA3が中心軸CA1に対して、[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向、すなわち種子結晶SCの中心軸CB1に対する<111>結晶軸CB2の傾斜方向と同じ方向に傾斜したシリコン単結晶SMを得ることができる。
また、直胴部SM2の外周面における晶癖線発生方向のうちいずれか一方向側には、図1(B)に示すような変形部ST2が発生し、残りの二方向側には、晶癖線が発生する。
〔シリコンウェーハの製造方法〕
まず、上述の製造方法で製造されたシリコン単結晶SMに対し、直胴部SM2がシリコンウェーハの目標直径の円柱状、例えば300mm以上の円柱状になるように外周を研削する(結晶外周研削工程)。このとき、図1(B)の二点鎖線で示すように、研削後の中心軸CS2が研削前の中心軸CA1と一致するように外周を研削でき、原料ロスを抑制できる。また、偏心させずに外周を研削できるため、従来使用していた研削装置を用いることができる。
次に、シリコン単結晶の肩部SM1、テール部SM3を除去して、直胴部SM2を複数の円柱状ブロックに切断し(ブロック取得工程)、この円柱状ブロックをスライスする(スライス工程)。このとき、図4に二点鎖線で示すように、<111>結晶軸CA3に対する直交面Fで円柱状ブロックをスライスすることで、楕円形状かつ面方位が(111)面のシリコンウェーハが得られる。なお、<111>結晶軸CA3に対する直交面F以外の面、例えば直胴部SM2の中心軸CA1に対する直交面で円柱状ブロックをスライスして、シリコンウェーハを得てもよい。
その後、シリコンウェーハの余計な部分を研削して真円に加工する(ウェーハ真円加工工程)。
以上のような工程により、シリコンウェーハの外縁全体において、結晶外周研削工程前の直胴部SM2の外縁までの距離がほぼ一定となるため、面内の酸素濃度や抵抗率等の品質ばらつきが抑制されたシリコンウェーハを得ることができる。
次に、本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実験1:シリコン単結晶の変形について]
〔比較例1〕
<111>結晶軸の中心軸に対する傾斜角度が0°の種子結晶を用い、その中心軸が引き上げ方向と平行になるように種子結晶を引き上げて、抵抗率が10Ω・cm以上20Ω・cm以下、酸素濃度が10×1017atoms/cm以上のシリコン単結晶を製造した。また、ドーパントとしてp型のボロンを用い、シリコン単結晶の直径を300mm以上にした。
シリコン単結晶の外周面には、晶癖線発生方向のうちいずれか一方向側に、図1(A)に示すような平坦部ST1が発生し、残りの二方向側に晶癖線が発生していた。
そして、図1(A)に示すように、シリコン単結晶の直胴部上端から300mm、600mm、900mm、1200mm、1500mmの位置における直径D1、中心軸に対する直交面の内接円の直径D2、前記直交面における平坦部ST1の長さD3、中心軸から平坦部ST1までの最短長さD4を測定した。D1の値を1としたD2、D3、D4の比率を表1に示す。
〔実施例1〕
<111>結晶軸が中心軸に対して[−1−12]方向に傾斜し、傾斜角度が2°の種子結晶を用いたこと以外は、比較例1と同様の条件でシリコン単結晶を製造した。このシリコン単結晶の外周面には、晶癖線発生方向のうちいずれか一方向側に、図1(B)に示すような変形部ST2が発生し、残りの二方向側に晶癖線が発生していた。
そして、図1(B)に示すように、比較例1と同じ位置における直径D11、中心軸に対する直交面の内接円の直径D12を測定した。D11の値を1としたD12の比率を表1に示す。
なお、この実施例1の条件では、肩部の広がりが不均一となり有転位化が発生する場合があったが、その発生確率は50%未満であり、大きな問題にはならないレベルであった。
Figure 2017210376
〔評価〕
表1に示すように、比較例1における直径D2の比率の最小値が0.968であるのに対し、実施例1における直径D12の比率の最小値が0.987であることから、実施例1は、比較例1と比べて直胴部の変形量が小さくなることが確認できた。
[実験2:結晶外周研削工程における原料ロス低減効果について]
上記実験1の結果に基づいて、結晶外周研削工程後の直径(図1(A),(B)のR2)を301mmにするために、当該研削工程前に最低限必要な直胴部の直径を試算した。この試算は、<111>結晶軸の傾斜角度が0°の場合(比較例2)、図1(A)に示すように、研削後の中心軸CA2を研削前の中心軸CA1に対して偏心させ、傾斜角度が2°(実施例2)の場合、図1(B)に示すように、研削後の中心軸CA2を研削前の中心軸CA1と一致させることを前提にして行った。
また、比較例2および実施例2において、上述の前提に基づく結晶外周研削工程を行った場合の原料ロスを試算した。具体的には、図1(A),(B)における二点鎖線よりも外側の面積(研削される領域の面積)を、実線の内側の面積(研削前の領域の面積)で除することにより原料ロスを求めた。
各試算結果を表2に示す。
Figure 2017210376
表2に示すように、実施例2は、比較例2と比べて製造時の原料ロスを抑制できることが確認できた。
[実験3:シリコンウェーハの品質ばらつき抑制効果について]
〔比較例3〕
実験2の結果に基づいて、シリコン単結晶の直径を317mmにしたこと以外は、比較例1と同様の条件でシリコン単結晶を製造した。シリコン単結晶には、比較例1と同様に、平坦部と晶癖線とが発生していた。
次に、研削後の中心軸を研削前の中心軸に対して偏心させて結晶外周研削工程を行い、直胴部の直径が301mmのシリコン単結晶を得た。その後、ブロック取得工程、スライス工程を行うことで、表3に示す位置から複数のシリコンウェーハを取得した。スライス工程では、<111>結晶軸に対する直交面でスライスすることで、面方位が(111)面の円形状のシリコンウェーハを得た。
なお、比較例3では、スライス工程で円形状のシリコンウェーハを得られることから、ウェーハ真円加工工程を行わなかった。
そして、各シリコンウェーハに対し、抵抗率の面内分布と酸素濃度の面内分布とを評価した。
抵抗率の面内分布は、ナプソン株式会社製の測定装置(型式:RT3000S/RG−120Y、測定方法:4深針法)を用いて、4つの測定点(シリコンウェーハの中心からの距離が0mm、75mm、140mm、145mmの位置)の抵抗率を測定し、以下の式(1)で得られる値E1により評価した。
E1(%)=(ρmax−ρmin)/ρmin×100 … (1)
ρmax:抵抗率の最大値
ρmin:抵抗率の最小値
また、酸素濃度の面内分布は、サーモフィッシャサイエンティフィック株式会社製の測定装置(型式:ECO−1000S、測定方法:FT−IR法)を用いて、3つの測定点(シリコンウェーハの中心からの距離が0mm、140mm、−140mm)の酸素濃度を測定し、以下の式(2)で得られる値E2により評価した。
E2(%)=(Oimax−Oimin)/Oimin×100 … (2)
Oimax:酸素濃度の最大値
Oimin:酸素濃度の最小値
式(1),(2)で得られた結果および平均値を表3に示す。
〔実施例3〕
シリコン単結晶の直径を317mmにしたこと以外は、実施例1と同様の条件でシリコン単結晶を製造した。シリコン単結晶には、実施例1と同様に、変形部と晶癖線とが発生していた。
次に、研削後の中心軸を研削前の中心軸に対して偏心させずに結晶外周研削工程を行い、直胴部の直径が301mmのシリコン単結晶を得て、ブロック取得工程、スライス工程を行うことで、表3に示す位置から複数のシリコンウェーハを取得した。スライス工程では、<111>結晶軸に対する直交面でスライスすることで、面方位が(111)面の楕円形状のシリコンウェーハを得た。その後、ウェーハ真円加工工程を行い、この工程で得られた円形状の各シリコンウェーハに対し、比較例3と同様に抵抗率および酸素濃度の面内分布を評価した。
式(1),(2)で得られた結果および平均値を表3に示す。
Figure 2017210376
〔評価〕
表3に示すように、実施例3の抵抗率および酸素濃度の面内分布は、比較例3よりも改善されることが確認できた。特に、酸素濃度が大きく改善されることが確認できた。
[まとめ]
上述のように、種子結晶の<111>結晶軸を中心軸に対して[−1−12]方向に2°傾斜させることで、傾斜させない場合と比べて、シリコン単結晶の変形量が小さくなり(実験1)、製造時の原料ロスを抑制でき(実験2)、抵抗率および酸素濃度の面内ばらつきが小さくなる(実験3)ことが確認できた。
また、種子結晶の<111>結晶軸を、晶癖線発生方向のうちの残り二方向([−12−1]方向、[2−1−1])、晶癖線発生方向の反対方向([11−2]方向、[1−21]方向、[−211]方向)のうちいずれか一方向に2°傾斜させる場合にも、晶癖線発生方向のうちいずれか一方向側に平坦部よりも小さい変形部が発生するとともに、残りの二方向側に晶癖線が発生し、上記実施例1,2,3と同様の効果を得られると推定できる。晶癖線発生方向の反対方向のうちいずれか一方向に2°傾斜させる場合にも、晶壁線方発生方向に対して他の方向よりも大きな変化を与えることになるため、上記効果を得られると推定できる。
さらに、<111>結晶軸の傾斜角度が0°を超え2°未満の場合にも、得られる効果の度合いが小さい可能性があるが上記実施例1,2,3と同様の効果を得られると推定できる。
CA1…(シリコン単結晶の)中心軸、CA3…(シリコン単結晶の)<111>結晶軸、CB1…(種子結晶の)中心軸、CB2…(種子結晶の)<111>結晶軸、SC…種子結晶、SM…シリコン単結晶、SM2…直胴部。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶の製造方法であって、
    種子結晶をシリコン融液に浸漬させ、当該種子結晶の中心軸と平行な方向に引き上げてシリコン単結晶を育成する工程を備え、
    前記種子結晶は、その<111>結晶軸がその中心軸に対して[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向に傾斜していることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
    前記種子結晶の前記<111>結晶軸は、前記中心軸に対して前記いずれか一方向に0°よりも大きく2°以下の角度で傾斜していることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
    直胴部の直径が300mm以上の前記シリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
    p型の前記シリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法で製造されたシリコン単結晶からシリコンウェーハを切り出すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  6. <111>結晶軸が中心軸に対して[−1−12]方向、[−12−1]方向、[2−1−1]方向、[11−2]方向、[1−21]方向および[−211]方向のうちいずれか一方向に傾斜していることを特徴とするシリコン単結晶。
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