JP2009274903A - シリコン単結晶及びシリコンウェーハの製造方法並びに該方法により製造されたシリコンウェーハ - Google Patents

シリコン単結晶及びシリコンウェーハの製造方法並びに該方法により製造されたシリコンウェーハ Download PDF

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Abstract

【課題】ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内における酸素濃度分布がより均一な直径が450mmのシリコンウェーハを形成し得るシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン単結晶引上げ装置10のチャンバ11内に設置された石英るつぼ12にシリコン融液13を貯留し、石英るつぼ12に貯留したシリコン融液13から棒状のシリコン単結晶15を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、シリコン単結晶15を直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるように引上げる工程と、引上げられたシリコン単結晶15の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウェーハの素材であるシリコン単結晶及びシリコンウェーハの製造方法並びに該方法により製造されたシリコンウェーハに関する。更に詳しくは、ウェーハ面内の酸素濃度分布がより均一な大口径シリコンウェーハの製造方法及び該方法により製造された直径450mmの大口径シリコンウェーハ並びに該ウェーハを製造し得るシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
シリコンウェーハの素材となるシリコン単結晶の製造方法には、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)と呼ばれる単結晶引上げ方法が広く工業的に採用されている。CZ法は、石英るつぼ内に充填した多結晶シリコン等をヒータで加熱融解した後、この融液の表面に種結晶を浸し、シリコン融液に浸した種結晶と石英るつぼを回転させつつ種結晶を上方に引上げることによって種結晶と同一の結晶方位をもつ単結晶を育成する方法である。
図1はこのCZ法により単結晶を引上げる際に用いられる引上げ装置を模式的に示した断面図であり、引上げ装置10はチャンバ11を有する。チャンバ11の中央部には有底円筒形状をした石英るつぼ12が配設され、石英るつぼ12内にはシリコン融液13が貯留される。また石英るつぼ12の外周にはこの石英るつぼ12を支持する有底円筒形状をした黒鉛サセプタ14が配設される。石英るつぼ12と黒鉛サセプタ14は支軸16を介して駆動手段17に接続され、駆動手段17を駆動させると石英るつぼ12が所定速度で回転するとともに昇降する。
また石英るつぼ12の外側は、石英るつぼ12から所定の間隔をあけてヒータ18により包囲され、このヒータ18は保温筒19により包囲される。ヒータ18により石英るつぼ12内に充填されたシリコン原料が融解されてシリコン融液13になる。
またチャンバ11の上端には円筒状のケーシング21が接続され、このケーシング21には引上げ手段22が設けられる。引上げ手段22は棒状のシリコン単結晶15を回転させながら引上げるように構成される。
更にシリコン融液13から引上げられたシリコン単結晶15へのヒータ18からの熱を遮蔽するために、シリコン単結晶15の外周面が所定の間隔をあけて熱遮蔽部材23により包囲される。チャンバ11上部にはガス供給管26が接続され、チャンバ11底部にはガス排出管27が接続される。このガス供給管26からAr等の不活性ガスが所定流量、チャンバ11内に供給され、ガス排出管27から排出される。
このように構成された引上げ装置10を用い、CZ法により単結晶を引上げる場合、まず石英るつぼ12内にシリコン原料を充填し、真空ポンプ等を駆動させてチャンバ11内を所定圧力に設定するとともに、ガス供給管26からチャンバ11内に所定流量の不活性ガスをキャリアガスとして導入する。次にヒータ18に電流を供給して石英るつぼ12を加熱し、シリコン融液13を形成する。
次に引上げ手段22先端に取り付けられた種結晶25をシリコン融液13表面に接触させた後、石英るつぼ12を所定速度で回転させながら引上げ手段22により引上げ、シリコン融液13を凝固させてシリコン単結晶15を育成させる。
このように育成されたシリコン単結晶に関する品質評価項目の一つとしてシリコン単結晶中の酸素濃度が挙げられる。シリコン単結晶中の酸素は、製品としてのシリコンウェ−ハの機械的強度を高める働きがあるのみならず、シリコンウェ−ハに入り込んできた不純物金属を捕獲する効果(Intrinsic Gettering:IG)を有する。シリコン単結晶内に所定濃度の酸素が固溶していると半導体素子の性能を向上させ得るため、シリコン単結晶酸素濃度を所望の範囲内に納めることは単結晶製造における重要な管理項目となっている。
この酸素の供給源は石英るつぼ12であり、石英るつぼ12からシリコン融液13に溶け出した酸素の一部が固液界面24を通してシリコン単結晶15中に取り込まれてゆく。しかし、シリコン単結晶15が引上げられてシリコン融液13面の高さが低くなるにつれ、シリコン融液13と石英るつぼ12との接触面積が減少し、これに伴い石英るつぼ12からシリコン融液13への酸素の溶け込み量が減少して単結晶中の酸素濃度が減少し、その結果、シリコン単結晶15の軸方向(引上げ方向)における酸素濃度が不均一になり易いという問題があった。この問題を解決するために、単結晶の引上げの際に、単結晶の回転速度をるつぼの回転速度よりも次第に速くしてゆくとともに、るつぼの回転速度を単結晶の引上げに伴って速くしてゆくといったシリコン単結晶酸素濃度の制御方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記軸方向の酸素濃度分布の均一化を図るとともに、単結晶の径方向における酸素濃度分布の均一化を図るため、予め酸素濃度の軸方向分布と操業時の制御因子との関係式、及び酸素濃度の径方向分布とるつぼ回転速度との関係式を求めておき、所望の酸素濃度の径方向分布を得るためのるつぼ回転速度に対する制限条件を算出し、操業中のるつぼ回転速度がこの制限条件を超えない範囲で、他の制御因子を制御することにより、所望の酸素濃度の径方向分布及び軸方向分布を得るシリコン単結晶酸素濃度の制御方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特公平02−44799号公報(請求項1) 特開2002−338389号公報(請求項1)
しかしながら、径方向の酸素濃度分布の制御に関しては、上記特許文献2の方法によっても、シリコン単結晶の外周付近での改善は困難であった。
即ち、図1に示すように、石英るつぼ12に充填されるシリコン融液13中の酸素は、SiOの形態でキャリアガスである不活性ガス流によってその大部分がシリコン融液から蒸発する。この結果シリコン単結晶15周囲のシリコン融液部分Aは、低酸素濃度になる。これに起因して、シリコン単結晶15の外周付近に取り込まれる酸素は他の部分に比べて著しく減少し、この外周部Bの酸素濃度が低下した状態で単結晶が育成される現象が起きる。これにより、シリコン単結晶の径方向の酸素濃度分布において、シリコン単結晶の外周部の酸素濃度が著しく低下してしまうという問題があった。
このような外周部の酸素濃度の著しい低下は、スライスしてシリコンウェーハに加工した際に、ウェーハ面内における酸素濃度分布の不均一性の最も大きな原因となる。上述したように、単結晶中の酸素は、シリコンウェ−ハを熱処理することによりゲッタリング源となり、ウェーハに入り込んだ不純物金属を捕獲するが、酸素濃度がウェーハの周縁部のみ低いと、不純物金属がウェーハの周縁部では捕獲されない問題があった。
近年、生産性の改善等の理由から、シリコンウェーハの大口径化が益々進んでいる。このような大口径のウェーハの製造工程においても、同様の径方向の酸素濃度分布の不均一性、特に、外周部に低酸素領域が発生する問題があり、これらの問題を解決する技術の発達が強く求められている。
本発明の目的は、直径450mmの大口径シリコンウェーハの素材となるシリコン単結晶の製造方法であって、ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内における酸素濃度分布がより均一なシリコンウェーハを形成し得るシリコン単結晶を製造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内の酸素濃度分布がより均一な、直径450mmの大口径シリコンウェーハを製造する方法及び該方法により製造されたシリコンウェーハを提供することにある。
請求項1に係る発明は、シリコン単結晶引上げ装置のチャンバ内に設置された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、石英るつぼに貯留したシリコン融液から棒状のシリコン単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、シリコン単結晶を直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるように引上げる工程と、引上げられたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程とを含むことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である。
請求項2に係る発明は、シリコン単結晶引上げ装置のチャンバ内に設置された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、石英るつぼに貯留したシリコン融液から棒状のシリコン単結晶を引上げ、シリコン単結晶をスライスしてシリコンウェーハを製造するシリコンウェーハの製造方法において、シリコン単結晶を直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるように引上げる工程と、引上げられたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程と、シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを面取りするとともにウェーハの直径を450mmに調整する工程とを含むことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法である。
請求項3に係る発明は、請求項2の方法により製造された450mmの直径を有するシリコンウェーハである。
請求項1に係る発明では、シリコン単結晶の直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるようにシリコン単結晶を育成して引上げる工程と、引上げられたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程により、直径450mmの大口径シリコンウェーハであって、ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内における酸素濃度分布がより均一なシリコンウェーハを形成し得るシリコン単結晶を製造できる。
請求項2に係る発明では、シリコン単結晶を直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるように引上げる工程と、引上げられたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程と、シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを面取りするとともにウェーハの直径を450mmに調整する工程とを含むことにより、ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内の酸素濃度分布がより均一な、直径450mmの大口径シリコンウェーハを製造することができる。
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のシリコン単結晶の製造方法では、特に限定されるものではないが、例えば図1に示すような、一般的なシリコン単結晶の引上げ装置10を用いたCZ法により、シリコン単結晶を育成させる。
先ず、引上げ装置10のチャンバ11内に設置された石英るつぼ12内に、原料となるシリコン原料を充填させ、ヒータ18によりこのシリコン原料を加熱、融解してシリコン融液13にする。シリコン原料としては高純度のシリコン多結晶体が挙げられる。またシリコン多結晶体とともに必要に応じてドーパント不純物を石英るつぼ12内に投入しても良い。
続いて駆動手段17により支軸16を介して石英るつぼ12を所定の速度で回転させる。そして図示しない引上げ用モータにより、引上げ手段22を繰出して種結晶25を降下させ、種結晶25の先端部をシリコン融液13に接触させる。その後種結晶25を石英るつぼ13とは逆方向に所定の回転速度で回転させながら、種結晶25を、引上げ手段22により徐々に引上げることにより、種結晶25の下方に所定長さの棒状のシリコン単結晶15を育成させる。
シリコン単結晶15の育成では、先ず、シリコン融液13に接触させた種結晶25を融解した後に引上げを開始して種絞り部を形成し、結晶径を徐々に増大させ、コーン部、肩部を形成し、定形の直胴部の引上げに移る。引上げ育成に従い減少する融液面の高さを考慮しながら、引上げ速度と融液温度を制御して結晶成長速度を最適化する。直胴部を形成した後は、結晶径を徐々に小さくし、テール部を形成する。例えば、径方向の酸素濃度が一定になるように、予め酸素濃度の軸方向分布と操業時の制御因子との関係式及び酸素濃度の径方向分布とるつぼ回転速度との関係式を求めておき、所望の酸素濃度の径方向分布を得るためのるつぼ回転速度に対する制限条件を算出し、操業中のるつぼ回転速度がこの制限条件を超えない範囲で、他の制御因子を制御して引上げる。
次に、テール部を形成した後は、ヒータ18により加熱している状態で、図示しない引上げ用モータの駆動を止めてシリコン単結晶15の引上げを停止するとともに、駆動手段17により支軸16を介して石英るつぼ12を一時的に下降させることにより、シリコン融液13とシリコン単結晶15とを切り離す。そして、ヒータ18の電力を切断して引上げ装置10内で所定の時間維持し、炉内温度を低下させることによりシリコン単結晶15を冷却し、冷却したシリコン単結晶15を引上げ装置10から取出す。このようにして、直径458mmプラスαmmの棒状のシリコン単結晶15を育成する。ただし、0≦α≦11である。αの上限値を11mmとしたのは、酸素析出による外周劣化を防止するためである。
次に、育成されたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削を行う。即ち、外径研削は育成した単結晶をトップ部とテール部を残した状態で研削機で水平に保持し、所定の切削具を単結晶の外周部に押し当て、外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削を行う。この外径研削の研削量は通常、外周部4mm以内が好ましい。それは、上記特許文献2の発明を含めたCZ法のあらゆる公知技術によっても、この低酸素濃度の領域を、シリコン単結晶の外周4mm未満に抑えることは、現在のところ困難であるからである。例えば458mmで引上げた場合において、後のウェーハ加工工程での加工代を0.5mmとするときは、この引上げた単結晶シリコンの直径が451mmまで、即ち研削量3.5mmで外径研削を行う。図2に示される例は、育成された棒状のシリコン単結晶を径方向にスライスしてサンプルウェーハを作製し、このウェーハの中心からの距離と、酸素濃度との関係を示したものである。図2に示される例では、上記CZ法により育成したシリコン単結晶は、上述した理由から、シリコン単結晶の外縁から径方向に向かって4mmの外周部に、低酸素濃度の部分が育成されている。この例では、例えば3.5mm外周研削される。
以上の工程を経ることにより、450mmの直径を有する大口径シリコンウェーハを形成し得るシリコン単結晶であって、ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内における酸素濃度分布がより均一なシリコンウェーハを形成し得るシリコン単結晶を製造することができる。
次いで、上記外径研削後、得られたシリコン単結晶を複数のブロックに切断する。このブロックに切断されたシリコン単結晶をスライスして、複数のシリコンウェーハを得る。得られたウェーハに、面取り加工を施す。面取り加工は、粗研と精研の二段研削により面取り研削を行うか、或いはエッチングにより行われる。この面取り加工ではウェーハの面取りとともに、ウェーハの直径を450mmに調整する。面取り加工後、ウェーハにラッピング及びエッチングを施して平坦化及び表面研磨等を行うことにより、直径450mmの大口径シリコンウェーハが得られる。
以上の工程を経ることにより、ウェーハ周縁部に低酸素領域のないウェーハ面内の酸素濃度分布がより均一な、直径450mmの大口径シリコンウェーハを得ることができる。
シリコン単結晶の引上げ装置の断面構成図である。 図1の引上げ装置により製造されたシリコン単結晶における径方向の酸素濃度分布を示すグラフ図である。
符号の説明
10 引上げ装置
11 チャンバ
12 石英るつぼ
13 シリコン融液
15 シリコン単結晶

Claims (3)

  1. シリコン単結晶引上げ装置のチャンバ内に設置された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、前記石英るつぼに貯留したシリコン融液から棒状のシリコン単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、
    前記シリコン単結晶を直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるように引上げる工程と、
    前記引上げられたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程と
    を含むことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. シリコン単結晶引上げ装置のチャンバ内に設置された石英るつぼにシリコン融液を貯留し、前記石英るつぼに貯留したシリコン融液から棒状のシリコン単結晶を引上げ、前記シリコン単結晶をスライスしてシリコンウェーハを製造するシリコンウェーハの製造方法において、
    前記シリコン単結晶を直径が458mmプラスαmm(但し、0≦α≦11である。)になるように引上げる工程と、
    前記引上げられたシリコン単結晶の外周をウェーハ加工工程での加工代を残した直径まで外径研削する工程と、
    前記シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを面取りするとともにウェーハの直径を450mmに調整する工程とを含む
    ことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  3. 請求項2の方法により製造された450mmの直径を有するシリコンウェーハ。
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