JP2017207678A - 光走査装置、装置、物体装置、光走査方法及び同期信号取得方法 - Google Patents

光走査装置、装置、物体装置、光走査方法及び同期信号取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 比較信号の出力タイミングのずれを抑制できる光走査装置を提供する。【解決手段】 光走査装置10は、LD(光源)と、LDからの光の光路上に配置された、光偏向器及び走査ミラーを含む光走査系と、走査範囲に受光部が主走査方向に並べて配置された光検出器1、2と、光検出器1、2の受光信号1、2(検出信号)を比較して同期信号(比較信号)を出力するコンパレータ(比較器)と、を備え、光検出器1、2の受光部が光走査されるときのLDの発光パワーPの目標値Ptが、基準時から比較信号の出力時までの時間Tが極小値TsをとるLDの発光パワーPsに基づいて設定されている。【選択図】図15

Description

本発明は、光走査装置、装置、物体装置、光走査方法及び同期信号取得方法に関する。
近年、光により走査範囲を走査する装置の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、走査範囲に主走査方向に並べて配置された、複数の光検出器の受光部を光源からの光により走査したときの各光検出器の検出信号を比較器で比較し、その比較信号を同期信号として用いる装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、比較信号の出力タイミングのずれを低減することに関して改善の余地があった。
本発明は、走査範囲を光走査する光走査装置であって、光源と、前記光源からの光の光路上に配置された光走査系と、前記走査範囲に受光部が主走査方向に並べて配置された第1及び第2の光検出器と、前記第1及び第2の光検出器の検出信号を比較して比較信号を出力する比較器と、を備え、前記第1及び第2の光検出器の受光部が光走査されるときの前記光源の発光パワーの目標値が、基準時から前記比較信号の出力時までの時間Tが極小値をとる前記光源の発光パワーPsに基づいて設定されていることを特徴とする光走査装置である。
本発明によれば、比較信号の出力タイミングのずれを低減できる。
一実施形態のHUD装置の概略構成を示す図である。 HUD装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。 HUD装置の機能ブロック図である。 HUD装置の光源装置について説明するための図である。 HUD装置の光偏向器について説明するための図である。 光偏向器のミラーと走査範囲の対応関係を示す図である。 2次元走査時の走査線軌跡の一例を示す図である。 図8(A)及び図8(B)は、マイクロレンズアレイにおいて入射光束径とレンズ径の大小関係の違いによる作用の違いについて説明するための図である。 同期検知系の概略的構成を示す図である。 同期検知系の回路図である。 光源の発光パワーが比較的小さいとき及び比較的大きいときの受光信号1、2、同期信号を示すタイミング図である。 光源の発光パワーが小、中、大のときの受光信号1、2、同期信号を示すタイミング図である。 P−T曲線、P−Tc曲線、P−Td曲線を示すグラフである。 光源の発光パワーの目標値を中心とする変化幅と出力時間Tの変化幅の関係を説明するための図である。 発光パワー目標値設定工程を説明するためのフローチャートである。 画像表示処理を説明するためのフローチャートである。 レーザプリンタを説明するための図である。 図17の光走査装置を説明するための図である。
以下に、一実施形態の画像表示装置としてのHUD装置100について図面を参照して説明する。なお、「HUD」は「ヘッドアップディスプレイ」の略称である。
図1には、本実施形態のHUD装置100の全体構成が概略的に示されている。
《HUD装置の全体構成》
ところで、ヘッドアップディスプレイの投射方式は、液晶パネル、DMDパネル(デジタルミラーデバイスパネル)、蛍光表示管(VFD)のようなイメージングデバイスで中間像を形成する「パネル方式」と、レーザ光源から射出されたレーザビームを2次元走査デバイスで走査し中間像を形成する「レーザ走査方式」がある。特に後者のレーザ走査方式は、全画面発光の部分的遮光で画像を形成するパネル方式とは違い、各画素に対して発光/非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。
そこで、HUD装置100では「レーザ走査方式」を採用している。無論、投射方式として上記「パネル方式」を用いることもできる。
HUD装置100は、一例として、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、該移動体のフロントウインドシールド50(図1参照)を介して該移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば移動体の速度、進行方向、目的地までの距離、現在地名称、移動体前方における物体の有無や位置、制限速度等の標識、渋滞情報などの情報)を視認可能にする。この場合、フロントウインドシールド50は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。以下では、HUD装置100がフロントウインドシールド50を備える、車両としての自動車に搭載される例を、主に説明する。
HUD装置100は、図1に示されるように、光源装置11、光偏向器15及び走査ミラー20を含む光走査装置10と、スクリーン30と、凹面ミラー40とを備え、フロントウインドシールド50に対して画像を形成する光(画像光)を照射することにより、視認者A(ここでは自動車の乗員である運転者)の視点位置から虚像Iを視認可能にする。つまり、視認者Aは、光走査装置10によりスクリーンに形成(描画)される画像(中間像)を、フロントウインドシールド50を介して虚像Iとして視認することができる。
HUD装置100は、一例として、自動車のダッシュボードの下方に配置されており、視認者Aの視点位置からフロントウインドシールド50までの距離は、数十cmから精々1m程度である。
ここでは、凹面ミラー40は、虚像Iの結像位置が所望の位置になるように、一定の集光パワーを有するように既存の光学設計シミュレーションソフトを用いて設計されている。
HUD装置100では、虚像Iが視認者Aの視点位置から1m以上かつ10m以下(好ましくは6m以下)の位置(奥行位置)に表示されるように、凹面ミラー40の集光パワーが設定されている。
なお、通常、フロントウインドシールドは、平面でなく、僅かに湾曲している。このため、凹面ミラー40とフロントウインドシールド50の曲面により、虚像Iの結像位置が決定される。
光源装置11では、画像データに応じて変調されたR,G,Bの3色のレーザ光が合成される。3色のレーザ光が合成された合成光は、光偏向器15の反射面に導かれる。偏向手段としての光偏向器15は、半導体製造プロセス等で作製された2軸のMEMSスキャナであり、直交する2軸周りに独立に揺動可能な単一の微小ミラーを含む。光源装置11、光偏向器15の詳細は、後述する。
光源装置11からの画像データに応じた光(合成光)は、光偏向器15で偏向され、走査ミラー20で折り返されてスクリーン30に照射される。そこで、スクリーン30が光走査され該スクリーン30上に中間像が形成される。すなわち、光偏向器15と走査ミラー20を含んで光走査系が構成される。なお、凹面ミラー40は、フロントウインドシールド50の影響で中間像の水平線が上または下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように設計、配置されることが好ましい。
スクリーン30を介した光は、凹面ミラー40でフロントウインドシールド50に向けて反射される。フロントウインドシールド50への入射光束の一部はフロントウインドシールド50を透過し、残部の少なくとも一部は視認者Aの視点位置に向けて反射される。この結果、視認者Aはフロントウインドシールド50を介して中間像の拡大された虚像Iを視認可能となる、すなわち、視認者から見て虚像Iがフロントウインドシールド50越しに拡大表示される。
なお、フロントウインドシールド50よりも視認者Aの視点位置側に透過反射部材としてコンバイナを配置し、該コンバイナに凹面ミラー40からの光を照射するようにしても、フロントウインドシールド50のみの場合と同様に虚像表示を行うことができる。
《HUD装置の制御系のハードウェア構成》
図2には、HUD装置100の制御系のハードウェア構成を示すブロック図が示されている。HUD装置100の制御系は、図2に示されるように、FPGA600、CPU602、ROM604、I/F608、バスライン610、LDドライバ6111、MEMSコントローラ615を備えている。
FPGA600は、画像データに応じてLDドライバ6111を介して後述するLDを動作させ、MEMSコントローラ615を介して光偏向器15を動作させる。CPU602は、HUD装置100の各機能を制御する。ROM604は、CPU602がHUD装置100の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラムを記憶している。RAM606は、CPU602のワークエリアとして使用される。I/F608は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続される。
《HUD装置の機能ブロック》
図3には、HUD装置の機能を示すブロック図が示されている。HUD装置は、図3に示されるように、車両情報入力部1800、外部情報入力部1802、画像データ生成部1804及び画像描画部1806を備えている。車両情報入力部1800には、CAN等から車両の情報(速度、走行距離、対象物までの距離、外界の明るさ等の情報)が入力される。外部情報入力部1802には、外部ネットワークから車両外部の情報(GPSからのナビ情報等)が入力される。画像データ生成部1804は、車両情報入力部1800及び外部情報入力部1802から入力される情報に基づいて、描画すべき画像の画像データを生成し、FPGA600に送る。画像描画部1806は、制御部8060を備え、該制御部8060は、FPGA600に画像描画を開始もしくは終了させるための制御信号を送信する。
《光源装置の構成》
図4には、光源装置11の構成が示されている。光源装置11は、図4に示されるように、単数あるいは複数の発光点を有する複数(例えば3つの)の発光素子111R、111B、111Gを含む。各発光素子は、LD(レーザダイオード)であり、互いに異なる波長λR、λG、λBの光束を放射する。例えばλR=640nm、λG=530nm、λB=445nmである。以下では、発光素子111RをLD111R、発光素子111GをLD111G、発光素子111BをLD111Bとも表記する。LD111R、111G、111Bから放射された波長λR、λG、λBの光束は、対応するカップリングレンズ112R、112G、112Bにより後続の光学系にカップリングされる。カップリングされた光束は、対応するアパーチャ部材113R、113G、113Bにより整形される。各アパーチャ部材の開口形状は、光束の発散角等に応じて円形、楕円形、長方形、正方形等、様々な形状とすることができる。その後、対応するアパーチャ部材で整形された光束は、合成素子115により光路合成される。合成素子115は、プレート状あるいはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じて光束を反射/透過し、1つの光路に合成する。合成された光束は、レンズ119により光偏向器15の反射面に導かれる。レンズ119は、光偏向器15側に凹面が向くメニスカスレンズである。
《光偏向器の構成》
図5には、光偏向器15の構成が示されている。光偏向器15は、半導体プロセスにて製造された2軸のMEMSスキャナであり、図5に示されるように、反射面を有するミラー150と、α軸方向に並ぶ複数の梁を含み、隣り合う2つの梁が折り返し部を介して蛇行するように接続された一対の蛇行部152とを有する。各蛇行部152の隣り合う2つの梁は、梁A(152a)、梁B(152b)とされ、枠部材154に支持されている。複数の梁には、複数の圧電部材156(例えばPZT)が個別に設けられている。各蛇行部の隣り合う2つの梁の圧電部材に異なる電圧を印加することで、該蛇行部の隣り合う2つの梁が異なる方向に撓み、それが蓄積されて、ミラー150がα軸周り(=垂直方向)に大きな角度で回転することになる。このような構成により、α軸を中心とした垂直方向の光走査が、低電圧で可能となる。一方、β軸を中心とした水平方向では、ミラー150に接続されたトーションバーなどを利用した共振による光走査が行われる。
HUD装置100からは、瞬間的にはレーザビーム径に相当する点像しか投射されないが、非常に高速に走査させるため、一フレーム画像内では十分に人間の目に残像が残っている。この残像現象を利用することで、運転者には、あたかも「表示エリア」に像を投射させているように知覚される。実際には、スクリーンに映った像が、凹面ミラー40とフロントウインドシールド50によって反射されて運転者に「表示エリア」において虚像として知覚される。このような仕組みであるので、像を表示させない場合は、LDの発光を停止すれば良い。つまり、「表示エリア」において虚像が表示される箇所以外の箇所の輝度を実質0にすることが可能となる。
すなわち、HUD装置100による虚像の結像位置は、該虚像を結像可能な所定の「表示エリア」内の任意の位置となる。この「表示エリア」は、HUD装置の設計時の仕様で決まる。
このように、「レーザ走査方式」を採用したことにより、表示したい部分以外では、表示の必要がないためLDを消灯したり、光量を低下させたりするなどの措置を取ることができる。
これに対して、例えば液晶パネル及びDMDパネルのようなイメージングデバイスで中間像を表現する「パネル方式」では、パネル全体を照明する必要があるため、画像信号としては非表示とするために黒表示であったとしても、液晶パネルやDMDパネルの特性上、完全には0にし難い。このため、黒部が浮き上がって見えることがあったが、レーザ走査方式ではその黒浮きを無くすことが可能となる。
ところで、光源装置11の各発光素子は、FPGA600によって発光強度や点灯タイミング、光波形が制御され、LDドライバ6111によって駆動され、光を射出する。各発光素子から射出され光路合成された光は、図6に示されるように、光偏向器15によってα軸周り、β軸周りに2次元的に偏向され、走査ミラー20(図1参照)を介して走査光としてスクリーン30に照射される。すなわち、走査光によりスクリーン30が2次元走査される。なお、図6では、走査ミラー20の図示が省略されている。
走査光は、スクリーン30の走査範囲を、2〜4万Hz程度の速い周波数で主走査方向に振動走査(往復走査)しつつ、数十Hz程度の遅い周波数で副走査方向に片道走査する。すなわち、ラスタースキャンが行われる。この際、走査位置(走査光の位置)に応じて各発光素子の発光制御を行うことで画素毎の描画、虚像の表示を行うことができる。
1画面を描画する時間、すなわち1フレーム分の走査時間(2次元走査の1周期)は、上記のように副走査周期が数十Hzであることから、数十msecとなる。例えば主走査周期20000Hz、副走査周期を50Hzとすると、1フレーム分の走査時間は20msecとなる。
スクリーン30は、図7に示されるように、画像が描画される(画像データに応じて変調された光が照射される)画像領域30a(有効走査領域)と、該画像領域を取り囲むフレーム領域30bとを含む。
ここで光偏向器15によって走査しうる全範囲を「走査範囲」と呼ぶ。ここでは、走査範囲は、スクリーン30における画像領域30aとフレーム領域30bの一部(画像領域30aの外縁近傍の部分)を併せた範囲とされている。図7には、走査範囲における走査線の軌跡がジグザグ線によって示されている。図7においては、走査線の本数を、便宜上、実際よりも少なくしている。
スクリーン30の画像領域30aは、例えばマイクロレンズアレイ等の光拡散効果を持つ透過型の素子で構成されている。画像領域は、矩形、あるいは平面である必要はなく、多角形や曲面であっても構わない。また、スクリーン30は、光拡散効果を持たない平板や曲板であっても良い。また、画像領域は、装置レイアウトによっては例えばマイクロミラーアレイ等の光拡散効果を持つ反射型の素子とすることもできる。
以下に、図8(A)及び図8(B)を参照して、スクリーン30の画像領域に用いられるマイクロレンズアレイにおける拡散と干渉性ノイズ発生について説明する。
図8(A)において、符号802はマイクロレンズアレイを示す。マイクロレンズアレイ802は、微細凸レンズ801を配列した微細凸レンズ構造を有する。符号803で示す「画素表示用ビーム」の光束径807は、微細凸レンズ801の大きさよりも小さい。すなわち、微細凸レンズ801の大きさ806は、光束径807よりも大きい。なお、説明中の形態例で、画素表示用ビーム803はレーザ光束であり、光束中心のまわりにガウス分布状の光強度分布をなす。従って、光束径807は、光強度分布における光強度が「1/e」に低下する光束半径方向距離である。
図8(A)では、光束径807は微細凸レンズ801の大きさ806に等しく描かれているが、光束径807が「微細凸レンズ801の大きさ806」に等しい必要は無い。微細凸レンズ801の大きさ806を食み出さなければよい。
図8(A)において、画素表示用ビーム803は、その全体が1個の微細凸レンズ801に入射し、発散角805をもつ拡散光束804に変換される。なお、「発散角」は、以下において「拡散角」と呼ぶこともある。
図8(A)の状態では、拡散光束804は1つで、干渉する光束が無いので、干渉性ノイズは発生しない。なお、発散角805の大きさは、微細凸レンズ801の形状により適宜設定できる。
図8(B)では、画素表示用ビーム811は、光束径が微細凸レンズの配列ピッチ812の2倍となっており、2個の微細凸レンズ813、814に跨って入射している。この場合、画素表示用ビーム811は、入射する2つの微細凸レンズ813、814により2つの発散光束815、816のように拡散される。2つの発散光束815、816は、領域817において重なり合い、この部分で互いに干渉して干渉性ノイズを発生する。
図7に戻り、走査範囲における画像領域30aの周辺領域(フレーム領域30bの一部)には、同期検知系60が設置されている。ここでは、同期検知系60は、画像領域の−X側かつ+Y側の隅部の+Y側に配置されている。以下では、スクリーン30の主走査方向をX方向とし、副走査方向をY方向として説明する。
同期検知系60は、光偏向器15の動作を検出して、走査開始タイミングや走査終了タイミングを決定するための同期信号をFPGA600に出力する。
詳述すると、同期検知系60は、図9に示されるように、主走査方向(X方向)に隣接して配置されたPD1、PD2(2つの受光部)から成るPD対61と、各PDの出力電流を処理する処理回路62と、を含む。ここでは、PD2はPD1の+X側に配置されている。ここでは、PD対61と処理回路62は、同一の基板63上に実装されている。なお、「PD」は、フォトダイオードの略称である。
PD対61上を横切る走査線は、−X側から+X側に向かう(図7参照)。すなわち、PD1、PD2の順に光走査される。
各PDは、走査光が照射されると、該走査光の強度に応じた電流を処理回路62に出力する。
処理回路62は、PD1、PD2からの電流が入力されると、各電流を処理し、同期信号を出力する。
図10には、同期検知系60の回路図が示されている。
処理回路62は、図10に示されるように、PD1のアノード(陽極)に入力端が接続された電流アンプ1、該電流アンプ1の出力端に一端が接続されたゲイン抵抗1、PD2のアノード(陽極)に入力端が接続された電流アンプ2、該電流アンプ2の出力端に一端が接続されたゲイン抵抗2、ゲイン抵抗1の一端に+側の入力端が接続され、ゲイン抵抗2の一端に−側の入力端が接続されたコンパレータ(比較器)を含む。
なお、各PDのカソード(陰極)は接地されている。各ゲイン抵抗の他端は接地されている。
2つのPD1、2が順次光走査されると、PD1、2からの電流がそれぞれ電流アンプ1、2へ入力される。PDから出力される電流は微弱でノイズなどの影響を受けやすいため、電流アンプである程度大きな電流値まで増幅されて、ゲイン抵抗1、2に入力される。
電流アンプ1、2からの出力電流は、それぞれ対応するゲイン抵抗により電圧値へ変換され、変換された電圧値はコンパレータに入力され、入力信号の比較結果が最終的に同期信号としてコンパレータから出力される。
ここで、電流アンプ1の出力端には、常時オフセット電圧がかけられ、PD1に光が入射されない初期状態においてもコンパレータの入力電圧にオフセット電圧分の差をつけることで、コンパレータの発振などを防止している。
PD1、電流アンプ1、ゲイン抵抗1を含んで光検出器1が構成されている。PD2、電流アンプ2、ゲイン抵抗2を含んで光検出器2が構成されている。すなわち、光検出器1、2の出力信号(受光信号)がコンパレータで比較される。
同期検知系60からの同期信号は、FPGA600に送られる。FPGA600は、画像データに基づいて色毎の変調信号(パルス信号)を生成し、該変調信号を同期信号のタイミングに基づく所定タイミングでLDドライバ6111に送る。LDドライバ6111は、色毎の変調信号に応じた駆動電流を該色に対応する発光素子に印加する。これにより、画像データに応じたカラー画像(中間像)がスクリーン30に描画される。
図11には、PD1、2を光走査したときの、受光信号1(PD1の出力電流に基づく電圧信号:Comp+)、受光信号2(PD2の出力電流に基づく電圧信号:Comp−)、同期信号の理想的な信号波形が示されている。図11では、走査順が領域a→領域b→領域c→領域d→領域eの順となっている。
まず、領域aでは、走査光がPD1内へ進むにつれ、PD1の出力が大きくなる(受光信号1の電位が高くなる)。
領域bでは、走査光全体がPD1内に入り、PD1の出力が一定となる。
領域cでは、走査光がPD2内へ進むにつれ、PD1の出力が低下し、PD2の出力が大きくなる(受光信号2の電位が高くなる)。
領域cで受光信号1、2が交差し、その交差タイミングでコンパレータの出力が反転する。このときのコンパレータからの立下り信号(比較信号)を同期信号として利用する。
領域dでは、走査光全体がPD2内に入り、PD2の出力が一定となる。
領域eでは、走査光がPD2外へ進むにつれ、PD2の出力が小さくなる。
PD2の出力電流に基づく電圧がオフセット電圧以下になった時点で、コンパレータの出力が反転し、初期状態へと戻る。
理想的な動作では、図11に示される発光パワーが比較的小さい場合(波形例1)と、図11に示されるLDの発光パワーが比較的大きい場合(波形例2)は、受光信号1、2の最初の交差タイミングが一致し、該交差タイミングにコンパレータから出力される比較信号を同期信号として利用するため、同期信号が出力されるタイミングは一致する。
しかし、実際には、環境温度の変化等に起因するLDの発光パワーの変化によるレーザ光の強度分布の変化(特性1)、PDの応答性(特性2)、コンパレータのオーバードライブ特性(特性3)などの影響により理想とは異なる動作となる。
まず、LDの発光パワーの変化によるレーザ光の強度分布の変化(特性1)について説明する。レーザ光の強度分布はガウシアン分布になっており、発光パワーの変化はこの強度分布の相対的な変化となる。発光パワーを増加させると、レーザ光の強度分布が一律に大きくなり(レーザ光の有効径が大きくなり)PD1とPD2が反応する面積も大きくなるため、波形が立ち上がり始めるポイントが早くなり、立ち下りきるポイントは遅くなる。
次に、PDの応答速度(特性2)について説明する。一般的にフォトダイオードは光が入射したときに電気が発生する時間に対し、光が遮断された後の電荷の放出に時間がかかるため、立ち上がりに比べ立下りの方が、傾斜が緩やかになる。
最後にPD1とPD2の出力を比較して同期信号(比較信号)を出力するコンパレータの特性(特性3)について説明する。コンパレータは、オーバードライブ特性を有し、2つの入力信号(受光信号1、2)の最初の交差後の電位差により、その交差タイミングから信号出力タイミングまでの時間(以下では「ディレイ時間Td」や「出力遅延時間Td」とも呼ぶ)が変化する。すなわち、コンパレータでは、受光信号1、2の最初の交差後の電位差が小さいとディレイ時間Tdが長くなり、大きいとディレイ時間Tdが短くなる。
図12には、上記3つの特性1〜3を加味してLDの発光パワーを変化させてPD1、2を光走査した場合の受光信号1、2、同期信号の波形例3〜5が示されている。図12においては、基準時から同期信号の立ち下がり時までの時間(以下では「出力時間」とも呼ぶ)をTとしている。ここでは、基準時は、一例として光偏向器15のミラー150を動作させる基準となる予め設定されたタイミングであるが、これに限らず、適宜変更可能である。
出力時間Tは、基準時から受光信号1、2の最初の交差タイミングまでの時間Tc(以下では「交差時間Tc」とも呼ぶ)と、ディレイ時間Tdの和である(図12参照)。
図12に示される波形例3は、コンパレータから同期信号が出力され得る最小の発光パワーPth(小)でLDを駆動したときの各波形である。
この場合、レーザ光の有効径が小さいため2つの受光信号1、2の最初の交差タイミングが遅くなり(交差時間Tcが長くなり)、かつ2つの受光信号1、2の最初の交差後の受光信号1、2の電位差が小さいためディレイ時間Tdも長くなり、同期信号が出力されるタイミングが遅くなる(出力時間Tが長くなる)。
図12に示される波形例4は、発光パワーをPthよりも大きい発光パワーPm(中)でLDを駆動したときの各波形である。
この場合、各受光信号の立ち上りタイミングが早くなり傾斜も急峻になる。これにより、受光信号1、2の最初の交差タイミングが早くなる(交差時間Tcが短くなる)。最初の交差後の受光信号1、2の電位差も大きくなるためコンパレータにおけるディレイ時間Tdも短くなり、波形例3に比べて同期信号が出力されるタイミングは早くなる(出力時間Tが短くなる)。
図12に示される波形例5は、発光パワーPmよりも大きい発光パワーPn(大)でLDを駆動したときの各波形である。
この場合、受光信号1、2の波形の立ち上り特性は上限電圧による飽和により変化が小さくなるため、受光信号1、2の最初の交差タイミングの変化はほぼなくなる(交差時間Tcの変化がほぼなくなる)。その代わりに、受光信号1、2の立下りが緩やかになるため、最初の交差後の受光信号1、2の電位差が徐々に小さくなる。このため、波形例4とは逆にコンパレータにおけるディレイ時間Tdが長くなり、波形例4に比べて同期信号が出力されるタイミングはやや遅くなる(出力時間Tがやや長くなる)。
図13には、上記3つの特性1〜3を持つ同期検知系60における発光パワーPの変化に対する出力時間Tの変化を表す関数(「P−T曲線」とも呼ぶ)が実線で示され、発光パワーPの変化に対する交差時間Tcの変化を表す関数(「P−Tc曲線」とも呼ぶ)が大破線で示され、発光パワーPの変化に対するディレイ時間Tdの変化を表す関数(「P−Td曲線」とも呼ぶ)が小破線で示されている。なお、PT曲線、P−Tc曲線、P−Td曲線は、LDやPDやコンパレータの仕様を変更しても、概ね図13に示される形状となる。
まず、P−Tc曲線について説明する。図13に示されるように、発光パワーPをPthから徐々に増加させていくと、初期は発光パワーの増加に対する受光信号1、2の電位の増加率が大きいため、交差時間Tcは急激に短くなる。その後、受光信号1、2の波形が飽和するにつれて、徐々に交差時間Tcの変化が小さくなる。
すなわち、P−Tc曲線は、発光パワーPの増加に対して単調減少する。さらに、P−Tc曲線は、発光パワーPに関する微分値の絶対値が発光パワーPの増加に対して単調減少する。すなわち、P−Tc曲線における接線の傾きは、発光パワーPが大きいほど小さくなる。
次に、P−Td曲線について説明する。図13に示されるように、発光パワーPがPth付近では、受光信号1、2の最初の交差後の電位差が小さいためTdは大きい。発光パワーPをPthから徐々に増加させていくと、発光パワーPが所定パワーPrになるまでは受光信号1、2の最初の交差後の電位差が大きくなるためTdは徐々に小さくなるが、所定パワーPrを超え、受光信号1、2の波形が飽和し始めると、受光信号1、2の最初の交差後の電位差が小さくなるためTdは徐々に増加し始める。
すなわち、P−Td曲線は、所定パワーPrで極小値Trをとる下に凸の曲線であり、発光パワーPに関する微分値の絶対値(接線の傾き)が、所定パワーPr及びPrを中心とする近傍範囲で極めて小さく、該近傍範囲よりも小さい発光パワーPでは比較的大きく、該近傍範囲よりも大きい発光パワーPでは比較的小さい。
詳述すると、発光パワーPがPrよりも小さいパワー領域において、P−Td曲線の発光パワーPに関する微分値の絶対値は、発光パワーPの増加に対して単調減少する。発光パワーPがPrよりも大きいパワー領域において、P−Td曲線の発光パワーPに関する微分値の絶対値は、発光パワーPの増加に対して単調増加する。
最後に、出力時間T(Tc+Td)について説明する。図13に示されるように、発光パワーPをPthから徐々に増加させていくと、出力時間Tは、初期ではTcとTdの両方の急な減少により急峻に短くなっていき、発光パワーPが所定パワーPsになるとき極小となり、その後、徐々に増加していく。所定パワーPsよりも小さいパワー領域では、発光パワーPの増加に対してTcとTdが共に短くなるためTの減少率が大きい。一方、所定パワーPsよりも大きいパワー領域では、発光パワーPの増加に対してTcはほぼ一定でTdのみが長くなるためTの増加率が小さい。
すなわち、P−T曲線は、所定パワーPsで極小値Tsをとる下に凸の曲線であり、発光パワーPに関する微分値の絶対値(接線の傾き)が、所定パワーPs及びPsを中心とする近傍範囲(「Ps近傍範囲」とも呼ぶ)で極めて小さく、該近傍範囲よりも小さい発光パワーPでは比較的大きく、該近傍範囲よりも大きい発光パワーPでは比較的小さい。
詳述すると、発光パワーPがPsよりも小さいパワー領域において、P−T曲線の発光パワーPに関する微分値の絶対値は、発光パワーPの増加に対して単調減少する。発光パワーPがPsよりも大きいパワー領域において、P−T曲線の発光パワーPに関する微分値の絶対値は、発光パワーPの増加に対して単調増加する。
ここで、発光パワーPがPsよりも大きいパワー領域においてP−T曲線の発光パワーPに関する微分値の絶対値は、LDの仕様規格によって定められた最大許容入力電流(最大定格電流)によって決まる最大発光パワーPmax(図14参照)で最大となる。その最大値をDmaxとする。そこで、発光パワーPがPsよりも小さいパワー領域においてP−T曲線の発光パワーPに関する微分値の絶対値がDmaxとなる発光パワーをPu(<Ps)としたときに、上記Ps近傍範囲を「Pu〜(2Ps−Pu)」と定義しても良い。そして、Ps近傍範囲内におけるPs以外の発光パワーPを「Ps近傍の発光パワーP」とも呼ぶ。
また、P−T曲線では、発光パワーPs+ξでの微分値の絶対値D+と、発光パワーPs−ξでの微分値の絶対値D−について、D+<D−の関係が成立している。
ところで、環境温度の変化等により、LDの発光パワーPは、目標値Ptからずれ、これによって出力時間Tが変動してしまう。特に、車両等の移動体に搭載されるHUD装置に用いられるLDでは、移動体の位置の変化や時間(朝、昼、夜)による環境温度の変化が大きく、発光パワーPの目標値Ptからのずれが大きくなる。このため、出力時間Tの変動も大きくなる。出力時間Tの変動は、HUD装置による画像描画に影響を及ぼすため、極力低減することが望まれる。
図14には、P−T曲線における異なるパワー領域毎の発光パワーPの変動幅と該変動幅に対する出力時間Tの変動幅の関係が示されている。
図14に示されるように、発光パワーPの目標値PtがPs近傍範囲よりも小さい発光パワーP1に設定されたとき、発光パワーPのP1を中心とした変動幅ΔPに対する出力時間Tの変動幅はΔt1である。
また、発光パワーPの目標値PtがPs近傍範囲内におけるPsよりも小さい発光パワーP2に設定されたとき、発光パワーPのP2を中心とした変動幅ΔPに対する出力時間Tの変動幅はΔt2(<Δt1)である。
また、発光パワーPの目標値PtがPs近傍範囲内におけるPsよりも大きい発光パワーP3に設定されたとき、発光パワーPのP3(但し、P3−Ps=Ps−P2)を中心とした変動幅ΔPに対する出力時間Tの変動幅はΔt3(<Δt2)である。
また、発光パワーPの目標値PtがPs近傍範囲よりも大きい発光パワーP4に設定されたとき、発光パワーPのP4を中心とした変動幅ΔPに対する出力時間Tの変動幅はΔt4である。
結果として、Δt3<Δt2<Δt4<Δt1となる。
そこで、少なくともPD対61を光走査するときに、発光パワーPの目標値PtをPs以上の値(例えばP3やP4)に設定することで、発光パワーPをPu未満(例えばP1)に設定する場合よりも、発光パワーの変動幅ΔPに対する同期信号の出力時間Tの変動幅Δtを小さくすることができる。
また、少なくともPD対61を光走査するときに、発光パワーPの目標値PtをPs近傍範囲内(例えばP2やP3)に設定することで、発光パワーPをPu未満(例えばP1)に設定する場合よりも、発光パワーの変動幅ΔPに対する同期信号の出力時間Tの変動幅Δtを小さくすることができる。
また、少なくともPD対61を光走査するときに、発光パワーPの目標値PtをPu以上の値(例えばP2やP3やP4)に設定することで、発光パワーPをPu未満(例えばP1)に設定する場合よりも、発光パワーの変動幅ΔPに対する同期信号の出力時間Tの変動幅Δtを小さくすることができる。
なお、これらの場合において、目標値Ptを大きくするほど電力消費が大きくなり、かつゴースト光(装置内で反射、散乱される不要光)の光量が増大するため、目標値PtをPsもしくはPsに極力近い値(例えばP3やP2)に設定することが望ましい。
次に、発光パワー目標値設定工程について、図15のフローチャートを参照して説明する。発光パワー目標設定工程は、HUD装置100の製造時に作業者によって行われる。
最初のステップS1では、発光パワーPの変化に対する出力時間Tの変化を表す関数(P−T曲線)を求める。具体的には、HUD装置100において、3つのLD111R、111G、111Bのうち一のLD(以下では「同期点灯LD」とも呼ぶ)の発光パワーPをPth〜Pmaxの間で変化させて発光パワー毎の出力時間Tのデータを得る。このデータがプロットされたものがP−T曲線である。
次のステップS2では、関数(P−T曲線)が極小値Tsをとる所定パワーPsを基準に発光パワーPの目標値Ptを設定する。具体的には、PtをPu以上(好ましくはPs近傍)に設定し、その設定値をRAM606に保存する。
なお、以上説明した発光パワー目標値設定工程は、例えばHUD装置100の製造時に加えてメンテナンス時に行われても良い。
次に、HUD装置100を用いる画像表示処理について、図16を参照して説明する。画像表示処理は、上記発光パワー目標値設定工程が行われ自動車に搭載されたHUD装置100の電気系統がONになったときに開始される。図16のフローチャートは、FPGA600によって実行される処理アルゴリズムに基づいている。
最初のステップS11では、目標値Ptを目標にLD(同期点灯LD)を発光させて、光検出器1、2の受光部(PD1、2)を光走査する。具体的には、PD1、2を光走査するときに、RAM606に保存された目標値Ptを読み出し、該目標値Ptに応じた変調信号を生成し、LDドライバ6111を介して同期点灯LDに駆動電流を印加し、該同期点灯LDを目標値Ptに応じた発光光量(Ptを中心にΔPの変動幅)で発光させる。
次のステップS12では、コンパレータの比較信号を同期信号として取得する。具体的には、光検出器1、2からの受光信号1、2が入力されたコンパレータからの比較信号を同期信号として取得する。
次のステップS13では、画像領域の書き出しタイミング及び各ラインの書き込み開始、終了タイミングを決定する。具体的には、同期信号のタイミング、水平同期周波数、垂直同期周波数に基づいて当該フレームの書き出しタイミング及びライン毎の書き込み開始、終了タイミングを決定する。
次のステップS14では、画像領域を光走査する。具体的には、画像データに基づいて色毎の変調信号を生成し、該変調信号を同期信号のタイミングに基づく所定タイミングでLDドライバ6111に送る。このとき、LDドライバ6111は、色毎の変調信号に応じた駆動電流を該色に対応するLDに印加する。これにより、画像データに応じた画像がスクリーン30に描画され、ひいては該画像の虚像がフロントウインドシールド50を介して視認可能となる。なお、画像領域を光走査するときのLDの発光パワーは、Ps以上、Ps未満のいずれであっても良いし、Pu以上、Pu未満のいずれであっても良い。
次のステップS15では、処理終了であるか否かを判断する。ここでの判断が肯定されるとフローは終了し、否定されるとステップS11に戻る。具体的には、ここでの判断は自動車の電気系統がOFFになったときに肯定され、ONのままのときに否定される。
以上の説明から分かるように、画像表示処理では、通常、ステップS11〜ステップS15が1フレーム毎に繰り返されることになる。
以上説明した本実施形態の光走査装置10は、走査範囲を光走査する光走査装置であって、LD(光源)と、LDからの光の光路上に配置された、光偏向器15及び走査ミラー20を含む光走査系と、走査範囲に受光部が主走査方向に並べて配置された光検出器1、2と、光検出器1、2の受光信号1、2を比較して同期信号を出力するコンパレータと、を備え、光検出器1、2の受光部(PD1、2)が光走査されるときのLDの発光パワーPの目標値Ptが、基準時から比較信号の出力時までの時間Tが極小値TsをとるLDの発光パワーPsに基づいて設定されている。
この場合、例えばPsを基準に設定された、発光パワーPの変化に対する時間Tの変化が小さいパワー領域でLDを発光させることができる。
この結果、比較信号の出力タイミングのずれを低減できる。
なお、光検出器1、2の受光部は主走査方向に隣接して配置されることが好ましいが、これに限らず、要は、受光信号1の立ち下りと受光信号2の立ち上りが交差すれば良く、光検出器1、2の受光部の間に多少隙間があっても良い。
また、目標値Ptは、Ps以上に設定されていることが好ましい。この場合、比較信号の出力タイミングのずれを安定して低減できる。また、目標値Ptは、Ps近傍に設定されていることが好ましい。この場合、比較信号の出力タイミングのずれを極力低減できる。
また、発光パワーPの変化に対する時間Tの変化を表す関数(P−T曲線)において発光パワーPがPsよりも大きいパワー領域での発光パワーPに関する微分値の絶対値の最大値をDmaxとし、関数(P−T曲線)において発光パワーPがPsよりも小さいパワー領域での発光パワーPに関する微分値の絶対値がDmaxとなる発光パワーPをPuとしたときに、目標値PtはPu〜(2Ps−Pu)の範囲内に設定されることが好ましい。この場合、比較信号の出力タイミングのずれを低減できる。
さらに、目標値PtがPuよりも小さいパワーに設定されたときの発光パワーPの変化幅ΔPに対する時間Tの変化幅をΔtaとし、目標値PtがPu〜(2Ps−Pu)の範囲内に設定されたときの発光パワーの変化幅ΔPに対する時間Tの変化幅をΔtbとしたときに、Δta>Δtbが成立することが好ましい。この場合、比較信号の出力タイミングのずれを確実に低減できる。
また、発光パワーPの変化に対する時間Tの変化を表す関数(P−T曲線)において発光パワーPがPsよりも大きいパワー領域での発光パワーPに関する微分値の絶対値の最大値をDmaxとし、関数(P−T曲線)において発光パワーPがPsよりも小さいパワー領域での発光パワーPに関する微分値の絶対値がDmaxとなる発光パワーPをPuとしたときに、目標値PtはPu以上に設定されることが好ましい。この場合、比較信号の出力タイミングのずれを低減できる。
さらに、目標値PtがPuよりも小さいパワーに設定されたときの発光パワーPの変化幅ΔPに対する時間Tの変化幅をΔtcとし、目標値PtがPu以上のパワーに設定されたときの発光パワーPの変化幅ΔPに対する時間Tの変化幅をΔtdとしたときに、Δtc>Δtdが成立することが好ましい。この場合、比較信号の出力タイミングのずれを確実に低減できる。
また、時間Tは、基準時から光検出器1、2の受光信号1、2の最初の交差時までの時間Tcと、コンパレータにおける出力遅延時間Tdの和である。
また、時間Tcは、コンパレータから比較信号が出力され得る最小のパワーPthからの発光パワーPの増加に対して単調減少する。
また、発光パワーPの変化に対する時間Tcの変化を表す関数(P−Tc曲線)は、εを正数として、発光パワーPがPs−εでの微分値の絶対値が、発光パワーがPs+εでの微分値の絶対値よりも大きい。但し、Ps+εは、LDの最大定格出力以下である。
また、時間Tdは、コンパレータから比較信号が出力され得る最小のパワーPthからの発光パワーPの増加に対してPs未満の所定パワーPrで極小値をとるように変化する。
また、発光パワーPの変化に対する時間Tdの変化を表す関数(P−Td曲線)は、δを正数として、発光パワーPがPr−δでの微分値の絶対値が、発光パワーPがPr+δでの微分値の絶対値よりも大きい。但し、Pr+δは、LDの最大定格出力以下である。
また、発光パワーPの変化に対する時間Tの変化を表す関数(P−T曲線)は、ξを正数として、発光パワーPがPs−ξでの微分値の絶対値が、発光パワーPがPs+ξでの微分値の絶対値よりも大きい。但し、Ps+ξは、LDの最大定格出力以下である。
また、HUD装置100は、光走査装置10と、光検出器1、2の受光部が光走査されるときに目標値Ptを目標としてLDを発光させるFPGA600を含む制御系と、を備えている。そして、制御系は、コンパレータからの比較信号に基づいてLDの点消灯を制御する。この場合、視認性の良い虚像を表示できる。
また、HUD装置100と、該HUD装置100が搭載される自動車(移動体)と、を備える物体装置によれば、運転者に視認性の良い情報を提供できる。
また、本実施形態の光走査方法は、光走査装置10を用いて有効走査領域とその周辺領域を走査する光走査方法であって、目標値Ptを目標としてLDを発光させ、光検出器1、2の受光部を光走査する工程と、コンパレータから出力された比較信号に基づいてLDの点消灯を制御して有効走査領域を光走査する工程と、を含む。
この場合、例えば所定パワーPsを基準に設定された、発光パワーPの変化に対する時間Tの変化が小さいパワー領域でLDを発光させることができる。
この結果、同期信号(比較信号)の出力タイミングのずれを低減できる。
また、本実施形態の同期信号取得方法は、主走査方向に並べて配置された、光検出器1、2の受光部(PD1、2)をLD(光源)からの光により走査して光検出器1、2の受光信号(検出信号)が入力されるコンパレータの比較信号を同期信号として取得する同期信号取得方法であって、LDの発光パワーの変化に対する、基準時から比較信号の出力時までの時間Tの変化を表す関数(P−T曲線)を求める工程と、光検出器1、2の受光部が光走査されるときのLDの発光パワーの目標値Ptを、上記関数において時間Tが極小値Tsをとる所定パワーPsに基づいて設定する工程と、を含む。
この場合、例えば所定パワーPsを基準に設定された、発光パワーPの変化に対する時間Tの変化が小さいパワー領域でLDを発光させることができる。
この結果、同期信号(比較信号)の出力タイミングのずれを低減できる。
《レーザプリンタ》
図17には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ500の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ500は、光走査装置900、感光体ドラム901、帯電チャージャ902、現像ローラ903、トナーカートリッジ904、クリーニングブレード905、給紙トレイ906、給紙コロ907、レジストローラ対908、転写チャージャ911、除電ユニット914、定着ローラ909、排紙ローラ912、及び排紙トレイ910などを備えている。
帯電チャージャ902、現像ローラ903、転写チャージャ911、除電ユニット914及びクリーニングブレード905は、それぞれ感光体ドラム901の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム901の回転方向に関して、帯電チャージャ902→現像ローラ903→転写チャージャ911→除電ユニット914→クリーニングブレード905の順に配置されている。
感光体ドラム901の表面には、感光層が形成されている。ここでは、感光体ドラム901は、図18における面内で時計回り(矢印方向)に回転するようになっている。
帯電チャージャ902は、感光体ドラム901の表面を均一に帯電させる。
以上のように構成されるレーザプリンタ500でも、走査範囲内における有効走査領域の周辺領域に同期検知系60が配置され(図18参照)、図15に示される発光パワー目標値設定工程と同様の発光パワー目標値設定工程が行われ、設定された発光パワーの目標値を用いて図16に示される画像表示処理と同様の画像形成処理が行われる。
光走査装置900は、帯電チャージャ902で帯電された感光体ドラム901の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光を照射する。これにより、感光体ドラム901の表面では、画像情報に対応した潜像が感光体ドラム901の表面に形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム901の回転に伴って現像ローラ903の方向に移動する。なお、この光走査装置900の構成については後述する。
トナーカートリッジ904にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ903に供給される。
現像ローラ903は、感光体ドラム901の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ904から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着された潜像は、感光体ドラム901の回転に伴って転写チャージャ911の方向に移動する。
給紙トレイ906には記録紙913が格納されている。この給紙トレイ906の近傍には給紙コロ907が配置されており、該給紙コロ907は、記録紙913を給紙トレイ906から1枚づつ取り出し、レジストローラ対908に搬送する。該レジストローラ対908は、転写チャージャ911の近傍に配置され、給紙コロ907によって取り出された記録紙913を一旦保持するとともに、該記録紙913を感光体ドラム901の回転に合わせて感光体ドラム901と転写チャージャ911との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ911には、感光体ドラム901の表面上のトナーを電気的に記録紙913に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム901の表面の潜像が記録紙913に転写される。ここで転写された記録紙913は、定着ローラ909に送られる。
この定着ローラ909では、熱と圧力とが記録紙913に加えられ、これによってトナーが記録紙913上に定着される。ここで定着された記録紙913は、排紙ローラ912を介して排紙トレイ910に送られ、排紙トレイ910上に順次スタックされる。
除電ユニット914は、感光体ドラム901の表面を除電する。
クリーニングブレード905は、感光体ドラム901の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラム901の表面は、再度帯電チャージャ902の位置に戻る。
《光走査装置》
次に、前記光走査装置900の構成及び作用について図18を用いて説明する。
この光走査装置900は、面発光レーザ(VCSEL)がアレイ状に複数配置された面発光レーザアレイを含む光源ユニット950、カップリングレンズ951、アパーチャ952、シリンドリカルレンズ953、ポリゴンミラー954、fθレンズ955、トロイダルレンズ956、2つのミラー(957、958)、同期検知系60及び上記各部を統括的に制御する不図示の主制御装置を備えている。なお、光源ユニットは、VCSELに代えて例えばLD等の他の光源を含んでも良い。
前記カップリングレンズ951は、光源ユニット950から射出された光ビームを略平行光に整形する。
前記アパーチャ952は、カップリングレンズ951を介した光ビームのビーム径を規定する。
前記シリンドリカルレンズ953は、アパーチャ952を通過した光ビームをミラー957を介してポリゴンミラー954の反射面に集光する。
前記ポリゴンミラー954は、高さの低い正六角柱状部材からなり、側面には6面の偏向面が形成されている。そして、不図示の回転機構により、図15に示される矢印の方向に一定の角速度で回転されている。したがって、光源ユニット950から射出され、シリンドリカルレンズ953によってポリゴンミラー954の偏向面に集光された光ビームは、ポリゴンミラー954の回転により一定の角速度で偏向される。
前記fθレンズ955は、ポリゴンミラー954からの光ビームの入射角に比例した像高をもち、ポリゴンミラー954により一定の角速度で偏向される光ビームの像面を、主走査方向に対して等速移動させる。
前記トロイダルレンズ956は、fθレンズ955からの光ビームをミラー958を介して、感光体ドラム901の表面上に結像する。
同期検知系60の光検出器1、2の受光部(PD1、2)は、一例としてポリゴンミラー954からfθレンズ955を介して有効走査領域の周辺領域に偏向された光の光路上に主走査方向に並べて配置されている。ここでも発光パワー目標値設定処理で設定された発光パワーの目標値Ptに基づいて面発光レーザが発光され、PD1からPD2の順に光走査される。この結果、同期信号(比較信号)の出力タイミングのずれを低減できる。
以上説明したレーザプリンタ500は、感光体ドラム901(像担持体)と、該感光体ドラム901の表面を走査する光走査装置900と、を備えているため、再現性良く画像を形成することができる。
なお、本発明の光走査装置は、感光体ドラムを複数備えるカラープリンタやカラー複写機等の画像形成装置にも適用可能である。このようなカラー対応の画像形成装置には、例えばポリゴンミラーを共用する複数の光走査装置を設けても良い。
また、上記実施形態では、図15に示される発光パワー目標値設定工程は、HUD装置100の製造時に作業者によって行われているが、これに加えて又は代えて、例えばFPGA600を含む制御系が光走査装置10を制御して定期又は不定期に行っても良い。
また、同期検知系は、PD1、2と、PD1、2からの電流をそれぞれ電圧に変換する電流電圧変換器1、2と、該電圧をそれぞれ増幅してコンパレータに出力するオペアンプ1、2とを含んで構成することもできる。
また、同期検知系は、走査範囲内の有効走査領域外(有効走査領域の周辺領域)の複数箇所に設置されても良い。同期検知系の個数を複数にすると単数の場合よりもコスト高となるが、走査タイミングを精度良く検出でき、またいずれかの光検出器に不具合が生じたときにも走査タイミングを検出できるメリットがある。また、同期検知系は、3つ以上のPDを含んでも良い。
また、同期検知系は、PDの代わりに、例えばフォトトランジスタ等の他の受光素子を含んでも良い。
また、上記実施形態のHUD装置では、光走査装置の偏向手段として光偏向器15(2軸のMEMSスキャナ)を用いているが、1軸周りに揺動可能な微小ミラーを含むMEMSスキャナを2つ組み合わせたものを用いても良い。また、単一もしくは2つのスキャナとして、MEMSスキャナに代えて、例えばガルバノスキャナを用いても良い。
また、上記実施形態では、投光部は、凹面ミラー40から構成されているが、これに限らず、例えば、凸面鏡から構成されても良い。
また、上記実施形態のHUD装置は、走査ミラー20を有しているが、有していなくても良い。すなわち、光偏向器15で偏向された光を、光路を折り返さずに、スクリーン30に直接照射もしくは凸面レンズを介して照射するようにしても良い。また、走査ミラー20として平面鏡を用いても良い。
また、上記実施形態のHUD装置では、光源としてLDを用いているが、例えばVCSEL(面発光レーザ)等の他の光源を用いても良い。
また、透過反射部材は、移動体のフロントガラスに限らず、例えばサイドガラス、リアガラス等であっても良く、要は、透過反射部材は、移動体に設けられ、移動体の搭乗者が該移動体の外部を視認するための窓部材(ウインドシールド)であることが好ましい。
また、上記実施形態では、画像表示装置(HUD)は、例えば車両、航空機、船舶等の移動体に搭載用のものとして説明したが、要は、物体に搭載されるものであれば良い。なお、「物体」は、移動体の他、恒常的に設置されるものや運搬可能なものを含む。
また、本発明の画像表示装置は、移動体に搭載されるHUD装置のみならず、利用者が画像や虚像を観察することを目的とした例えばヘッドマウントディスプレイ装置、プロンプタ装置、プロジェクタ装置等の電子機器に適用可能である。
例えば、プロジェクタ装置に適用する場合には、該プロジェクタ装置をHUD装置100と同様に構成することができる。すなわち、凹面ミラー40を介した画像光を映写幕や壁面等に投影すれば良い。なお、凹面ミラー40を設けずにスクリーン30を介した画像光を映写幕や壁面等に投影しても良い。また、凹面ミラー40の代わりに自由曲面ミラーを設けても良い。
また、上記実施形態に記載した具体的な数値、形状等は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更である。
以下に、発明者が、上記実施形態を発案するに至った思考プロセスを説明する。
従来、画像形成や画像表示に用いられる光走査装置において、各フレームや各ラインの同期を行うため、同期検知ICなどのセンサを用いて、レーザ光の通過時刻を検出し同期信号として利用している。
このような同期検知ICを用いた同期検知方式の場合、走査されるレーザ光のパワーが変動すると同期検知ICから出力される同期信号のタイミングも変化して画像の乱れが発生する。
レーザ光のパワー変動に対して、同期検出信号の時間変動量を抑える技術として、同期検知IC内部に2つのPDを配置し、その2つのPDの差分を判定する2素子同期検知ICを利用する方法が既に知られている。
また、特許文献1(特開2007−144800号公報)には、往復走査を行う走査光学系において走査方向を判定する目的で、一般的な2素子同期検知ICに比較回路を追加することで、往復走査の方向を判定し同期信号の精度を向上させる構成が開示されている。
しかし、特許文献1等の従来技術では、レーザ光のパワー変動に対する同期信号の出力タイミングの変動を抑制できないという問題があった。
そこで、発明者らは、この問題を解決すべく上記実施形態を発案した。
10…光走査装置、11…光源装置、15…光偏向器、30…スクリーン、40…凹面ミラー(投光部)、50…フロントウインドシールド(透過反射部材)、100…HUD装置(画像表示装置)、111R、111G、111B…発光素子(光源)、500…レーザプリンタ(画像形成装置)、600…FPGA(制御系の一部)、900…光走査装置。
特開2007‐144800号公報

Claims (18)

  1. 走査範囲を光走査する光走査装置であって、
    光源と、
    前記光源からの光の光路上に配置された光走査系と、
    前記走査範囲に受光部が主走査方向に並べて配置された第1及び第2の光検出器と、
    前記第1及び第2の光検出器の検出信号を比較して比較信号を出力する比較器と、を備え、
    前記第1及び第2の光検出器の受光部が光走査されるときの前記光源の発光パワーの目標値が、基準時から前記比較信号の出力時までの時間Tが極小値をとる前記光源の発光パワーPsに基づいて設定されていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記目標値は、Ps以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記目標値は、Ps近傍に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  4. 前記発光パワーの変化に対する前記時間Tの変化を表す関数において前記発光パワーがPsよりも大きいパワー領域での前記発光パワーに関する微分値の絶対値の最大値をDmaxとし、
    前記関数において前記発光パワーがPsよりも小さいパワー領域での前記発光パワーに関する微分値の絶対値がDmaxとなる発光パワーをPuとしたときに、
    前記目標値はPu〜(2Ps−Pu)の範囲内に設定されることを特徴とする請求項1又は3に記載の光走査装置。
  5. 前記目標値がPuよりも小さいパワーに設定されたときの前記発光パワーの変化幅ΔPに対する前記時間Tの変化幅をΔtaとし、
    前記目標値がPu〜(2Ps−Pu)の範囲内に設定されたときの前記発光パワーの変化幅ΔPに対する前記時間Tの変化幅をΔtbとしたときに、
    Δta>Δtbが成立することを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. 前記発光パワーの変化に対する前記時間Tの変化を表す関数において前記発光パワーがPsよりも大きいパワー領域での前記発光パワーに関する微分値の絶対値の最大値をDmaxとし、
    前記関数において前記発光パワーがPsよりも小さいパワー領域での前記発光パワーに関する微分値の絶対値がDmaxとなる発光パワーをPuとしたときに、
    前記目標値はPu以上に設定されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  7. 前記目標値がPuよりも小さいパワーに設定されたときの前記発光パワーの変化幅ΔPに対する前記時間Tの変化幅をΔtcとし、
    前記目標値がPu以上のパワーに設定されたときの前記発光パワーの変化幅ΔPに対する前記時間Tの変化幅をΔtdとしたときに、
    Δtc>Δtdが成立することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 前記時間Tは、前記基準時から前記第1及び第2の光検出器の検出信号の最初の交差時までの時間Tcと、前記比較器における出力遅延時間Tdの和であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記時間Tcは、前記比較器から比較信号が出力され得る最小のパワーからの前記発光パワーの増加に対して単調減少することを特徴とする請求項8に記載の光走査装置。
  10. 前記発光パワーの変化に対する前記時間Tcの変化を表す関数は、εを正数として、前記発光パワーがPs−εでの微分値の絶対値が、前記発光パワーがPs+εでの微分値の絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項8又は9に記載の光走査装置。
  11. 前記時間Tdは、前記比較器から比較信号が出力され得る最小のパワーからの前記発光パワーの増加に対してPs未満の所定パワーPrで極小値をとるように変化することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の光走査装置。
  12. 前記発光パワーの変化に対する前記時間Tdの変化を表す関数は、δを正数として、前記発光パワーがPr−δでの微分値の絶対値が、前記発光パワーがPr+δでの微分値の絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の光走査装置。
  13. 前記発光パワーの変化に対する前記時間Tの変化を表す関数は、ξを正数として、前記発光パワーがPs−ξでの微分値の絶対値が、前記発光パワーがPs+ξでの微分値の絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光走査装置。
  14. 請求項1〜13に記載の光走査装置と、
    前記第1及び第2の光検出器の受光部が光走査されるときに、前記目標値を目標として前記光源を発光させる制御系と、を備える装置。
  15. 前記制御系は、前記比較信号に基づいて前記光源の点消灯を制御することを特徴とする請求項14に記載の装置。
  16. 請求項14又は15に記載の装置と、
    前記装置が搭載される物体と、を備える物体装置。
  17. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光走査装置を用いて有効走査領域とその周辺領域を走査する光走査方法であって、
    前記目標値を目標として前記光源を発光させ、前記第1及び第2の光検出器の受光部を光走査する工程と、
    前記比較器から出力された比較信号に基づいて前記光源の点消灯を制御して前記有効走査領域を光走査する工程と、を含む光走査方法。
  18. 主走査方向に並べて配置された、第1及び第2の光検出器の受光部を光源からの光により走査して前記第1及び第2の光検出器の検出信号が入力される比較器の比較信号を同期信号として取得する同期信号取得方法であって、
    前記光源の発光パワーの変化に対する、基準時から前記比較信号の出力時までの時間の変化を表す関数を求める工程と、
    前記第1及び第2の光検出器の受光部が光走査されるときの前記光源の発光パワーの目標値を、前記時間が極小値をとる所定パワーに基づいて設定する工程と、を含む同期信号取得方法。
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