JP6950450B2 - レーザ駆動装置、光源装置、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置及びレーザ駆動方法 - Google Patents

レーザ駆動装置、光源装置、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置及びレーザ駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ駆動装置、光源装置、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置及びレーザ駆動方法に係り、更に詳しくは、半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置、該レーザ駆動装置を備える光源装置、該光源装置を備える光走査装置、該光走査装置を備える画像形成装置、該画像形成装置を備える画像表示装置及び半導体レーザを発光させるレーザ駆動方法に関する。
従来、入力された発光信号(パルス信号)に基づいて半導体レーザを発光させる装置が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
しかしながら、特許文献1、2に開示されている装置では、高精度なパルス発光を行うことに関して改善の余地があった。
本発明は、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置であって、前記半導体レーザを発光させる動作電流Iopを前記半導体レーザに供給するドライバ回路と、前記発光信号のパルス幅を拡張した変調信号を出力する拡張回路と、を備え、前記動作電流Iopは、バイアス電流Ibに変調電流が付加された電流であり、前記拡張回路は、前記半導体レーザ及び当該レーザ駆動装置の寄生容量の和と、前記半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した前記変調信号を出力し、前記ドライバ回路は、前記変調信号のパルス幅に応じて前記バイアス電流Ibに前記変調電流を付加することを特徴とするレーザ駆動装置である。
本発明によれば、高精度なパルス発光を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置を示す概略図である。 図2における光源装置を説明するための図である。 図3における光源に含まれるレーザチップを説明するための図である。 レーザチップにおける複数の発光部の配列を説明するための図である。 光源制御装置の構成を説明するためのブロック図である。 図6における光源駆動回路の構成を説明するための図である。 図7におけるエクスパンド回路の構成を説明するための図である。 エクスパンド回路における各バッファ回路の出力信号を説明するためのタイミングチャートである。 セレクト信号とセレクタの出力信号との関係を説明するための図である。 エクスパンド回路におけるセレクタ及びOR回路の出力信号を説明するためのタイミングチャートである。 発振遅延量やエクスパンド量について説明するためのタイミングチャートである。 半導体レーザと容量Cでローパスフィルタが形成される構成例を示す図である。 第1実施形態の発振遅延量の算出方法と従来の発振遅延量の算出方法の違いを説明するための図(その1)である。 第1実施形態の発振遅延量の算出方法と従来の発振遅延量の算出方法の違いを説明するための図(その2)である。 第1実施形態の発振遅延量の算出方法を説明するための図(その1)である。 第1実施形態の発振遅延量の算出方法を説明するための図(その2)である。 市販の青色半導体レーザの電圧/電流特性を示す図である。 図18における青色半導体レーザの光量/電流特性を示す図である。 図18における各プロットの電流と電圧、図19における各プロットの電流と光量を示す表である。 第1実施形態の駆動電流波形及び光波形を示す図である。 変形例の発振遅延量の算出方法を説明するための図(その1)である。 変形例の発振遅延量の算出方法を説明するための図(その2)である。 変形例の発振遅延量の算出方法を実施するための回路構成を示す図である。 カラープリンタの概略構成を示す図である。 レーザ駆動処理1について説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るヘッドアップディスプレイの概略構成を説明するための図である。 第2実施形態のヘッドアップディスプレイのハードウェア構成を示すブロック図である。 第2実施形態のヘッドアップディスプレイの機能を示すブロック図である。 第2実施形態のヘッドアップディスプレイの光源部の構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの概略構成を説明するための図である。 レーザ駆動処理2について説明するためのフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図24を用いて説明する。図1には、第1実施形態に係るレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
《全体構成》
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するシステム制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、光源装置10、シリンドリカルレンズ31、ポリゴンミラー33、偏向器側走査レンズ35、像面側走査レンズ36、2つの光検知用ミラー(37a、37b)、及び2つの光検知センサ(38a、38b)などを備えている。そして、これらは、不図示の光学ハウジングの所定位置に組み付けられている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(35、36)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。また、シリンドリカルレンズ31の光軸方向を「W方向」、Z軸方向及びW方向のいずれにも直交する方向を「M方向」とする。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源装置10は、一例として図3に示されるように、光源11、カップリングレンズ13、第1開口板14、モニタ光用反射ミラー15、第2開口板16、集光レンズ17、光検出器18、及び光源制御装置22を有している。そして、光源11、光検出器18及び光源制御装置22は、同一の回路基板19上にそれぞれ実装されている。なお、光源装置10における主走査対応方向はM方向に平行な方向であり、副走査対応方向はZ軸方向に平行な方向である。
光源11は、一例として図4に示されるように、レーザチップ100を有している。
このレーザチップ100は、2次元的に配列されている32個の発光部、及び32個の発光部の周囲に設けられ、各発光部に対応した32個の電極パッドを有している。また、各電極パッドは、対応する発光部と配線部材によって電気的に接続されている。
32個の発光部は、図5に示されるように、全ての発光部をZ軸方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しく(図5では「c」)なるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
ここでは、各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、レーザチップ100は、いわゆる面発光レーザアレイチップである。
光源11は、+W方向に向けて光束が射出されるように配置されている。
図3に戻り、カップリングレンズ13は、光源11から射出された光束を略平行光とする。
第1開口板14は、開口部を有し、カップリングレンズ13を介した光束を整形する。ここでは、第1開口板14は、カップリングレンズ13を介した光束の最も光強度の大きい部分が開口部のほぼ中央を通るように配置されている。また、第1開口板14の開口部の周囲は、高い反射率を有する反射部材でできている。
そして、第1開口板14は、開口部の周囲の反射部材で反射された光束をモニタ用光束として利用するため、カップリングレンズ13の光軸に直交する仮想面に対して傾斜して配置されている。
第1開口板14の開口部を通過した光束が、光源装置10から射出される光束である。
モニタ光用反射ミラー15は、第1開口板14の反射部材で反射された光束(モニタ用光束)を光検出器18に向かう方向に反射する。
第2開口板16は、モニタ光用反射ミラー15で反射されたモニタ用光束のビーム径を規定する。第2開口板16の開口部の大きさ及び形状は、第1開口板14の開口部の大きさ及び形状に応じて決定される。
集光レンズ17は、第2開口板16の開口部を通過したモニタ用光束を集光する。
光検出器18は、モニタ用光束を受光する。この光検出器18は、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
詳述すると、光検出器18は、受光素子及び電流電圧変換回路を含んで構成され、受光素子で受光した光を光電変換し、その電流信号を電流電圧変換回路で電圧信号に変換して出力する。
受光素子としては、例えばフォトダイオード(PD)、フォトトランジスタ等が用いられる。
第1開口板14と光検出器18との間のモニタ用光束の光路上に配置される光学系は、モニタ光学系とも呼ばれている。本実施形態では、モニタ光学系は、モニタ光用反射ミラー15と第2開口板16と集光レンズ17とから構成されている。
図2に戻り、シリンドリカルレンズ31は、光源装置10の第1開口板14の開口部を通過した光束、すなわち、光源装置10から射出された光束を、ポリゴンミラー33の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
光源11とポリゴンミラー33との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ13と第1開口板14とシリンドリカルレンズ31とから構成されている。
ポリゴンミラー33は、一例として内接円の半径が25mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー33は、Z軸方向に平行な軸の周りを等速回転しながら、シリンドリカルレンズ31からの光束を偏向する。
偏向器側走査レンズ35は、ポリゴンミラー33で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ36は、偏向器側走査レンズ35を介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ36を介した光束が感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー33の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー33と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ35と像面側走査レンズ36とから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ35と像面側走査レンズ36の間の光路上、及び像面側走査レンズ36と感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
光検知センサ38aには、ポリゴンミラー33で偏向され、走査光学系を介した光束のうち1走査における書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー37aを介して入射する。また、光検知センサ38bには、ポリゴンミラー33で偏向され、走査光学系を介した光束のうち1走査における書き込み終了後の光束の一部が、光検知用ミラー37bを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
光源制御装置22は、一例として図6に示されるように、画素クロック生成回路215、画像処理回路216、書込制御回路219(制御回路)、及び光源駆動回路221などを有している。なお、図6における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、画素クロック生成回路215及び画像処理回路216の少なくとも一方は、光源制御装置22とは別に設けられても良い。
画素クロック生成回路215は、画素クロック信号を生成する。ここで生成された画素クロック信号は、書込制御回路219に供給される。
画像処理回路216は、システム制御装置1060を介して上位装置から受信した画像情報をラスター展開するとともに、所定の中間調処理などを行った後、各画素の階調を表す画像データを発光部毎に作成する。
書込制御回路219は、光検知センサ38aの出力信号に基づいて走査開始を検出すると、画素クロック信号に同期して画像処理回路216から画像データを取り込み、発光信号(パルス信号)を生成する。
また、書込制御回路219は、点灯時にレーザチップ100に供給される駆動電流の目標値(最大値)である動作電流Iop(バイアス電流と変調電流の和)の電流値に対応する発光制御信号を光源駆動回路221に出力する。
なお、本明細書において、動作電流Iopの電流値は、半導体レーザに印加された駆動電流が定常状態になったときの電流値とする。また、バイアス電流は変調電流とは別に流す電流である。バイアス電流を流すことにより、レーザ発振までの時間を短縮することが可能となる。
バイアス電流の電流値は、後に述べる閾値電流Ithの大きさと等しいことが望ましいが、例えば画像形成装置のように自然放出領域での微小発光が所謂地汚れの原因になる等の影響がある場合は、閾値電流Ithの大きさに近いが微小発光の影響がない、閾値電流Ithよりも適度に小さな値とすることが望ましい。
また、書込制御回路219は、光検出器18の出力信号に基づいて、APC(Auto Power Control)を行う。そして、その結果に基づいて、発光制御信号を調整する。
さらに、書込制御回路219は、光検知センサ38aの出力信号と光検知センサ38bの出力信号とから、各光検知センサの間を光束が走査するのに要した時間を求め、その時間に予め設定されている数のパルスが収まるように画素クロック信号を補正する。
光源駆動回路221は、書込制御回路219からの発光信号に基づいてレーザチップ100の各発光部を駆動する(発光させる)。
ここで、半導体レーザを駆動する際、入力信号(発光信号)におけるパルス幅よりも光波形におけるパルス幅が短くなる、いわゆる「パルス細り」が生じ、光出力の時間積分値(以下では「積分光量」とも呼ぶ)が目標値(半導体レーザが発光信号に忠実に発光したと仮定したときの値)よりも低くなることが懸念される。
このパルス細りは、主に発光信号に対する半導体レーザの発振遅延(レーザ発振の遅延)に起因して発生する(図12における発光信号と比較例の光出力を参照)。
発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量(発振遅延時間)は、発光信号の立ち上がりタイミング(駆動電流の供給開始タイミング)から、駆動電流がレーザ発振の閾値電流Ithに達するまでの時間とする。本明細書において、閾値電流Ithは、半導体レーザが発振しない電流領域(以下「自然放出領域」や「LED領域」とも呼ぶ)と発振する電流領域(以下「レーザ発振領域」や「LD領域」とも呼ぶ)の境界値であり、レーザ発振可能な最小の電流である。
自然放出領域(LED領域)とレーザ発振領域(LD領域)の境界の電流値は、レーザ発振時の電流−光出力特性の延長線と光出力ゼロの直線との交点を指す場合が多いため、本明細書においても閾値電流Ithをレーザ発進時の電流−光出力特性の延長線と光出力ゼロの直線との交点としている。
なお、他の定義、たとえば波長の周波数の変化によって閾値電流Ithを定義した場合であっても本願発明は適用可能である。
そこで、発明者らは、以下に詳述するように、発光信号に対する半導体レーザ(例えば面発光レーザ)の発振遅延が、光源駆動回路221の寄生容量とレーザチップ100の寄生容量の和(以下では「総寄生容量」とも呼ぶ)と、レーザチップ100の発光特性(例えば面発光レーザの微分抵抗)に起因する駆動電流の立ち上がりの鈍りにより発生することに着目することにより、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量を精度良く算出し、パルス細りを精度良く補正することに成功した。
書込制御回路219は、総寄生容量及び面発光レーザの微分抵抗に基づいて、発光信号に対する面発光レーザの発振遅延量を算出し、該発振遅延量に基づいて、パルス細りを補正するためのセレクト信号を生成する。このセレクト信号は、光源駆動回路221に出力される。発振遅延量の算出方法やセレクト信号の生成方法については、後述する。
光源駆動回路221は、一例として図7に示されるように、バイアス電流の電流源と変調電流の電流源を有するドライバ221a、エクスパンド回路221d、比較器221e、サンプルホールド回路221f、スイッチ221gなどを有している。
比較器221eは、発光制御信号と光検出器18の出力信号とを比較し、比較結果を出力する。
サンプルホールド回路221fは、比較器221eの出力信号をサンプルホールドする。このサンプルホールド回路221fの出力信号はバイアス電流の電流源に送られ、該出力信号に応じてバイアス電流の電流値が調整される。すなわち、ここでは、発光制御信号の調整に応じた動作電流の調整は、バイアス電流の調整により行われる。
なお、バイアス電流の調整に代えて又は加えて変調電流を調整することにより、動作電流を調整しても良い。具体的には、動作電流の電流値を決める発光制御信号及びバイアス電流の電流値(初期設定値又は調整後の値)に基づいて変調電流を調整可能である。
エクスパンド回路221dは、発光信号とセレクト信号とに基づいて、変調信号を生成する。このエクスパンド回路221dの出力信号によってスイッチ221gがオン/オフされる。
スイッチ221gがオフ状態のときは、バイアス電流のみがレーザチップ100に供給され、スイッチ221gがオン状態のときは、動作電流(バイアス電流+変調電流)を目標値(最大値)とする駆動電流がレーザチップ100に供給される。
エクスパンド回路221dは、一例として図8に示されるように、発光信号を遅延させる複数段(ここでは、8段)のバッファ回路(f1〜f8)、セレクト信号に応じて各バッファ回路の出力のいずれかを選択して出力するセレクタf10、発光信号とセレクタf10の出力信号の論理和を出力するOR回路f11を有している。なお、各バッファ回路における信号の遅延量は、レーザの特性やレーザが実装される回路基板の特性に応じて設定されており、大体数百ps〜数ns程度である。なお、バッファ回路の段数は、必要に応じて増減させることが可能である。
図9には、エクスパンド回路221dに入力される発光信号、及び各バッファ回路(f1〜f8)から出力される信号のタイミングチャートが示されている。
図10には、セレクタf10の動作が示されている。ここでは、セレクト信号は3つのパラレル信号から構成されている。なお、以下では、便宜上、例えば3つのパラレル信号の信号レベルがいずれも「ローレベル」のときを(000)、3つのパラレル信号の信号レベルがいずれも「ハイレベル」のときを(111)のように表現している。
そして、セレクタf10の出力信号は、セレクト信号が(000)であれば、バッファ回路f1からの信号となり、(001)であれば、バッファ回路f2からの信号となり、(010)であれば、バッファ回路f3からの信号となり、(011)であれば、バッファ回路f4からの信号となる。
また、セレクタf10の出力信号は、セレクト信号が(100)であれば、バッファ回路f5からの信号となり、(101)であれば、バッファ回路f6からの信号となり、(110)であれば、バッファ回路f7からの信号となり、(111)であれば、バッファ回路f8からの信号となる。
図11には、一例として、セレクト信号が(011)のときの、セレクタf10の出力信号、及びOR回路f11の出力信号(エクスパンド回路221dの出力信号)の出力のタイミングチャートが示されている。この場合、発光信号における立ち下がりタイミングとOR回路f11の出力信号における立ち下がりタイミングとの差が、エクスパンド量となる。
書込制御回路219は、算出した発振遅延量と各バッファ回路の信号遅延量を比較し、該発振遅延量に信号遅延量が最も近似するバッファ回路を選択するセレクト信号を生成し、該セレクト信号をセレクタf10へ出力する。セレクタf10は、入力されたセレクト信号により選択されたバッファ回路からの信号をOR回路f11へ出力する。OR回路f11は、セレクタf10の出力信号と発光信号の論理和を変調信号としてスイッチ221gへ出力する。
図12には、発光信号、エクスパンド回路221dの出力信号、スイッチ221gの状態、バイアス電流、変調電流、駆動電流、光出力、比較例の駆動電流、比較例の光出力のタイミングチャートが示されている。
図12から分かるように、エクスパンド回路221dの出力信号である変調信号がスイッチ221gに入力されることにより、駆動電流波形及び光波形のパルス幅が、発振遅延量に近似するエクスパンド量だけ拡張されるため、光出力の時間積分値が、光波形が鈍らないと仮定した所望の値(図12中に二点鎖線で表される矩形波形の場合)と略一致する。
すなわち、本実施形態では、光波形のパルス細りの発生を抑制することができる。
一方、比較例のように発光信号のパルス幅を拡張しない場合、発振遅延量の分だけパルス細りが発生し、光出力の時間積分値が所望の値よりも小さくなってしまう(図12参照)。
なお、図12において、バイアス電流が常時印加されているが、地肌汚れを極力抑制するために、発光信号が入力される直前にバイアス電流の印加を開始するようにしても良い。
《発振遅延量の算出方法》
以下、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量の算出方法について説明を行う。なお、以下では、プリンタ、複写機等の画像形成装置のみならず、プロジェクタ、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の画像表示装置において光源として半導体レーザを用いる場合も念頭において説明を進める。
図13には、例えば面発光レーザ、端面発光レーザ等の半導体レーザの微分抵抗(直流抵抗成分)と容量Cでローパスフィルタが形成された回路構成が示されている。ここで、容量Cは、例えば半導体レーザ内部の寄生容量、光源駆動回路の出力容量、回路基板の配線容量、半導体レーザを保持するパッケージ部材の入力容量等の寄生容量の総和であり、上記総寄生容量に相当する。
このとき、半導体レーザの微分抵抗をR_LDとして、半導体レーザに流れる電流I(t)は、次の(1)式によって求めることができる(但し、光源駆動回路に矩形の発光信号が入力されるものとする)。
I(t)=Iop(1−exp(−t/τ))・・・(1)、τ=R_LD×C
上記(1)式より、R_LDやCが大きい場合には、時定数τが大きくなることが分かる。
上記(1)式においてI(t)=Ithのとき、tは発振遅延量を表す。
従来の発振遅延量の算出方法、例えば特許文献1(特許第5471569号公報)に開示されている算出方法では、駆動電流の立ち上がりが線形増加であると考えて発振遅延量を算出しているが、時定数τが大きい場合には駆動電流の立ち上がりは指数関数的な挙動を示すため、発振遅延量の算出値に大きな誤差が生じてしまう(図14参照)。なお、駆動電流の立ち下がりも指数関数的な挙動を示す。
具体的には、第1実施形態の発振遅延量の算出方法において、上記(1)式において例えばR_LDを50Ω、Cを50pF、Iop=200mA、I(t)=Ith=50mAとすると、発振遅延量tは0.71nsとなる。
一方、従来の発振遅延量の算出方法において、例えば駆動電流の立ち上がりの傾きをΔI/Δt=20mA/ns、Ith=50mAとすると、発振遅延量は、Ith/(ΔI/Δt)=50mA/20mA/ns=2.5nsとなる。
そこで、第1実施形態の発光信号のパルス幅の拡張量を0.71ns、従来の発光信号のパルス幅の拡張量を2.5nsすると、従来の拡張量は第1実施形態の拡張量の約3.5倍となり、大きな誤差(ここでは1.79ns)が生じてしまう(図15参照)。この誤差は、駆動したいパルス幅(画素に相当)、すなわち発光信号のパルス幅が短ければ短いほど影響が大きくなる。
また、この誤差は、低光量でより顕著となる。すなわち、光量をP、光量差をΔPとすると、誤差はΔP/Pとなり、Pが小さい場合には、誤差が大きくなる。
特にヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、プロジェクタ等の画像表示装置において光源に半導体レーザを用いる場合には、階調表現を実現するために低光量においても高精度な制御が必要となる。
すなわち、従来の発振遅延量の算出方法では、高精度な光量制御(パルス発光)を行うことに関して改善の余地があった。
そこで、発明者らは、時定数τに影響する半導体レーザの微分抵抗や総寄生容量も考慮して発振遅延量を算出することにより、発振遅延量を精度良く算出し、高精度な光量制御を行うことを可能とした。
ここでは、上記のような、時定数τが非常に大きな場合の発振遅延量を算出する場合を例にとって説明する。上記(1)式より、バイアス電流がない場合には、駆動電流が0からIthになるまでの時間すなわち発振遅延量t_delayは、次の(2)式によって求めることができる(図16参照)。
t_delay=−τ×ln((Iop−Ith)/Iop))・・・(2)
図16には、半導体レーザにおける電流特性及び発振遅延特性が示されている。
発振遅延特性は、上記(1)式に従うものである。
なお、図16では上記(1)式に従って記載されているが、要は、上記(1)式、(2)式や、下記の各数式に従う発振遅延特性なら構わない。
図16では、Ithに近づくほど遅延時間が増大している。したがって、Ith付近では積分光量の確保が難しい。
なお、図16において、Ithは、半導体レーザのLD領域(レーザ発振する電流領域)とLED領域(レーザ発振しない電流領域)の境界として図示されている。
理想的には、図16の発振遅延時間と同一の時間だけ、発光信号のパルス幅を拡張することが好ましい。この場合には、発振遅延により減少した積分光量を補填できると考えられる。
なお、発光信号のパルス幅の拡張量は必ずしも発振遅延時間と厳密に一致する必要はなく、要は、近似していれば良い。発光信号のパルス幅の拡張量の分解能はエクスパンド回路221dの仕様に依存するため、その方が実情に即している。
一方、バイアスをかける場合を考慮すると、バイアス電流をIbias(Ibとも表記する)として、t_delayから、t_bias=−τ×ln((Iop−Ibias)/Iop)を引けば良く、発振遅延量t_delay_RCは、次の(3)式によって求めることができる(図17参照)。
t_delay_RC=t_delay−t_bias=τ×ln((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(3)
なお、バイアスをかけない場合は上記(3)式においてIbias=0とすれば(この場合上記(2)式と同じになる)良いので、バイアス電流の有無によらず発振遅延量は、基本的に上記(3)式で求めることができる。
なお、ここでは、発振遅延量は、光源駆動回路に入力される発光信号を矩形波と考えたため対数となっているが、発光信号が矩形波でない場合でも(Iop−Ibias)/(Iop−Ith)の関数であれば、例えば指数関数、n次関数、双曲線などの任意の関数であっても良い。
すなわち、発振遅延量を(Iop−Ibias)/(Iop−Ith)の関数で高精度に求めることができる。
ここで、半導体レーザのキャリア寿命τsも発振遅延の一因であると考えられる。キャリア寿命τsに起因する発振遅延量t_delay_careerは、次の(4)式のように表すことができる。
t_delay_career=τs×In((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(4)
また、GaN系のような微分抵抗が大きい半導体レーザでは、発振遅延量を、次の(5)式のように微分抵抗による発振遅延と半導体レーザがキャリア寿命に達するまでの時間の和(上記(3)式と(4)式の和)と考えることが望ましい。
発振遅延量=t_delay_RC+t_delay_career=(τ+τs)×ln((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(5)
以上のように、動作電流、バイアス電流、閾値電流を基に発振遅延量を算出することにより、GaN系のような微分抵抗が大きな半導体レーザでも発振遅延量を高精度に算出可能である。
また、半導体レーザによっては微分抵抗による発振遅延量がキャリア濃度由来の発振遅延量に比べて十分に大きい場合がある。その場合には、上記(5)式でτ_delay_RC≫τ_delay_careerと考え、発振遅延量を次の(6)式で表すことができる。
発振遅延量≒τ_delay_RC=τ×ln((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(6)
このように、上記(6)式は、実質的に上記(3)式と同一である。
図18には、市販されている出力値100mW程度のHUD用やHMD用やプロジェクタ用の青色レーザ(GaN系の半導体レーザ)のI−V特性(電流電圧特性)が示されている。
図18に示されるように、半導体レーザでは、駆動電流の増加に伴い、電圧降下も増加する。半導体レーザの直流抵抗成分(I−V特性における傾き)は、駆動電流の増加に伴って減少していくが、LD領域においても約30Ω程度は残ってしまう(GaAs系は数Ωであることが多い)。
この直流抵抗成分(微分抵抗)と総寄生容量によりローパスフィルタが形成されるため、光源駆動回路に矩形の発光信号が入力されたとしても図18に示されるように、半導体レーザに印加される駆動電流の立ち上がりが鈍ってしまい、図19に示されるように半導体レーザの光量(光出力)の立ち上がりも鈍ってしまう。
図20の表には、図18における各プロットの電流値、電圧値がそれぞれI_ld[mA]、V_ld_down[V]で示され、図19における各プロットの電流値、光量値がそれぞれI_ld[mA]、P_ld[mW]で示されている。
発振遅延量は、上記(2)式、(3)式、及び上記(2)式、(3)式に順ずる関数に従うと考えられるため、発振遅延量を算出し、該発振遅延量に基づき発光信号のパルス幅を拡張することにより、パルス細りを補正することが可能である(図21参照)。
例えば、バイアス電流がない場合(0の場合)であって、Ith=25mA、R_LD=30Ω、C=50pFの場合に、上記(2)式によりIopの電流値毎の発振遅延量t_delayが算出できる。そして、この発振遅延量の小数点第二位を四捨五入したものを発光信号のパルス幅の拡張量とする場合には、次の表1のようになる。
なお、より高精度に補正したい場合は、少数点第三位以下を四捨五入して発光信号のパルス幅の拡張量を算出しても良い。
Figure 0006950450
また、次の表2に示されるように、動作電流Iopの複数の電流値(例えば100mA、80mA、60mA、40mA)における発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)を予めメモリ、ハードディスク等の記憶媒体に保存し、上記(2)式、(3)式、(5)式及びそれに順ずる式で発振遅延量を求めることも有効である。例えば、Iop=100mAにおける補正量を1nsとし、上記(2)式、(3)式、(5)式に従う補正量、及びそれに基づく補正量としても良い。
Figure 0006950450
また、既知の電流値Iop_mes(設定値)における発振遅延量(t_mes)を求めることで、時定数を算出しなくても、任意の動作電流での発振遅延量を求めることができる。
具体的には、上記(3)式のIop、t_delay_RCにそれぞれIop_mes、t_mesを代入すると、
t_mes=τ×ln((Iop_mes−Ibias)/(Iop_mes−Ith))となり、この式から、
τ=t_mes/ln((Iop_mes−Ibias)/(Iop_mes−Ith))が得られる。
そこで、任意の動作電流Iop_xでの発振遅延量t_xを次の(7)式から求めることができる。
t_x=τ×ln((Iop_x−Ibias)/(Iop_x−Ith))
=t_mes/ln((Iop_mes−Ibias)/(Iop_mes−Ith))×ln((Iop_x−Ibias)/(Iop_x−Ith))・・・(7)
また、発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)の取得は、例えば図22〜図24に示されるように半導体レーザの光出力の時間積分値(積分光量)を取得し、該積分光量を基に行っても良い。
この積分光量をP_int、半導体レーザの微分量子効率をη、半導体レーザの駆動時間の初期設定値(発光信号のパルス幅の初期設定値)をT_on、発振遅延量をt_delayとすると、P_int=(T_on−t_delay)×(Iop−Ith)×η・・・(7.5式)と表現することができる。
ここで、T_on、Iop、Ith、ηは、既知もしくは取得可能であるから、積分光量P_intの取得値を用いて発振遅延量t_delayを求め、該発振遅延量t_delayに基づいて発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)を算出しても良い。
また、予め上記(7.5)式を用いて複数の積分光量と複数の補正量(拡張量)の対応関係を取得し、該対応関係をテーブルとして記憶媒体(例えばメモリ、ハードディスク等)に記憶させておき、積分光量P_intを取得したときに、その取得値に応じた補正量(拡張量)を記憶媒体から読み出すようにしても良い。
また、予め上記(7.5)式を用いて複数の動作電流と複数の積分光量と複数の補正量(拡張量)との対応関係を取得し、複数の動作電流と複数の補正量(拡張量)の対応関係をテーブルとして記憶媒体(例えばメモリ、ハードディスク等)に記憶させておき、動作電流の設定値に応じて補正量(拡張量)を記憶媒体から読み出すようにしても良い。なお、複数の動作電流と複数の積分光量は、一対一で対応すると考えられる。
また、積分光量P_intの代わりに、積分光量P_intに関係する平均光量を用いて補正量(拡張量)を取得しても良い。
より具体的には、半導体レーザに発振遅延が生じないと仮定したときの理想的な積分光量である理想積分光量はP_ideal=T_on×(Iop−Ith)×ηであり、半導体レーザに発振遅延が生じる実際の積分光量はP_delay=P_int=(T_on−t_delay)×(Iop−Ith)×ηであり、両者の差分はP_ideal−P_delay=t_delay×(Iop−Ith)×ηである(図23参照)。
ここで、P_ideal、Iop、Ith、ηは既知もしくは取得可能であるから、実際の積分光量P_delayを取得すれば、発振遅延量を次の(8)式で求めることができる。
発振遅延量=t_delay=(P_ideal−P_delay)/(Iop−Ith)×η・・・(8)
この場合、キャリア寿命tsを加味して、発振遅延量=((8)式のt_delay)+((4)式のt_delay_career)としても良い。
図24には、発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)の取得に用いる積分光量を得るための積分回路の構成例が示されている。図24では、抵抗RとコンデンサC´で構成される並列回路にオペアンプが並列に接続されて成る並列接続体の出力端に、ADC(アナログデジタルコンバータ)の入力端が接続されている。オペアンプの+側の入力端は接地されている。
図24の積分回路は、例えば光検出器18と書込制御回路219との間に接続される。詳述すると、この積分回路では、オペアンプの−側の入力端は、光検出器18の出力端に接続されている。ADCの出力端は、書込制御回路219に接続されている。
この場合、光検出器18の出力信号が積分回路で積分され、その積分光量が書込制御回路219に送られる。書込制御回路219は、理想積分光量P_idealと取得した実際の積分光量P_delayとの差分を、動作電流Iopの電流値に基づいて発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)に換算する。
なお、上記(8)式、もしくはそれに関連する数式で動作電流の複数の電流値における補正量を算出しても構わない。
また、上記方法を用いて動作電流の複数の電流値でt_delayを算出することにより、動作電流の電流値毎により精度の高い発振遅延量を算出することができる。
なお、上記第1実施形態では、発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、発光部の発振波長を変更しても良い。
また、上記第1実施形態では、レーザチップが32個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記光源装置10は、画像形成装置以外の用途にも用いることができる。その場合には、レーザチップ100の発光部の発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯域であっても良い。
また、レーザチップ100の発光部の発振波長や後の実施形態で説明する半導体レーザの発振波長は、赤外線の波長帯域(750nm〜)、赤色の波長帯域(620〜750nm)、橙色の波長帯域(590〜620nm)、黄色の波長帯域(570〜590nm)、緑色の波長帯域(495〜570nm)、青色の波長帯域(450〜495nm)、紫色の波長帯域(380〜450nm)、紫外線の波長帯域(〜380nm)のいずれに含まれても良い。
近年、赤外レーザ、赤色レーザ等の長波長のレーザのみならず、青色レーザ、緑色レーザ等の短波長のレーザを用いた複写機も開発されているため、このような短波長のレーザを本発明のレーザ駆動装置やレーザ駆動方法に用いることにより、高品質な電子写真画像を形成することも可能である。
一般的に、赤外レーザや赤色レーザはGaAs系であり、微分抵抗が小さい。一方、GaN系のレーザは、緑色や青色の波長の光を放射するため、ダイナミックレンジが要求されるHUD、HMD、プロジェクタ等の画像表示装置には特に備えられることが望まれる。しかし、GaN系のレーザでは、微分抵抗が大きく駆動電流の立ち上がりが鈍るという特徴をもつため、従来の算出方法では発振遅延量の算出誤差がより大きくなることが想定される。
例えば、Rs_IR(赤外レーザの微分抵抗)は4Ω程度であり、Rs_B(青色レーザの微分抵抗)は30Ω程度である。
そこで、本発明のレーザ駆動装置やレーザ駆動方法を、上記画像表示装置に適用することにより、大きな効果が期待できる。
また、上記第1実施形態では、光走査装置1010がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも用いることができる。
また、上記第1実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
[変形例:カラープリンタ]
また、例えば、図25に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図25中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って、帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光走査が行われ、各感光体ドラムに潜像が形成される。
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が順次転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、前記光源装置10と同様な光源装置を色毎に有している。従って、前記光走査装置1010と同様な効果を得ることができる。
そして、カラープリンタ2000は、前記レーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
なお、タンデム方式の多色カラープリンタでは、機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、点灯させる発光部を選択することで各色の色ずれの補正精度を高めることができる。
また、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
以下に、レーザプリンタ1000やカラープリンタ2000で実施されるレーザ駆動処理1について図26を参照して説明する。図26のフローチャートは、書込制御回路219で実行される処理アルゴリズムに基づいている。
最初のステップS1では、画像データに応じて動作電流を設定する。具体的には、画像処理回路216から取得した画像データの階調に応じて動作電流(バイアス電流+変調電流)を設定する。動作電流の設定は、発光制御信号を設定することにより行われる。
次のステップS2では、動作電流の設定値に応じた発光信号のパルス幅の補正量を取得する。具体的には、上記(2)式、(3)式、(5)式、(6)式、(8)式のいずれかにより発振遅延量を求め、該発振遅延量に基づきパルス幅の拡張量(エクスパンド量)を補正量として算出する。もしくは予め動作電流の設定値毎の発光信号のパルス幅の拡張量(補正量)をメモリ等の記憶媒体にテーブルとして記憶させておき、各VCSELの点灯時に動作電流の設定値に応じた発光信号のパルス幅の拡張量を記憶媒体から読み出すこととしても良い。
次のステップS3では、レーザチップ100の点灯時に、取得した補正量に応じて発光信号のパルス幅を拡張して変調信号を生成し、該変調信号を、変調電流の電流源とレーザチップ100との導通/非導通を切り替えるスイッチ221gに印加する(図7参照)。
なお、変調信号の生成は、取得した補正量(エクスパンド量)に応じたセレクト信号をエクスパンド回路221dに出力することにより行われる(図8〜図11参照)。
結果として、変調信号がハイレベルの間(スイッチ221gがオンの間)、ドライバ221aから、動作電流(バイアス電流に変調電流が付加された電流)を目標値(最大値)とする駆動電流がレーザチップ100の各VCSELに印加される(図7参照)。
最後のステップS4では、処理終了か否かを判断する。具体的には、ここでの判断は、全ての印刷ジョブが終了した場合に肯定され、終了していない場合に否定される。ステップS4での判断が肯定されるとフローは終了し、否定されるとステップS1に戻る。
[第2実施形態]
《導入》
本発明の効果が大きく発揮される応用例の一つとして、車両に搭載されるHUD(ヘッドアップディスプレイ)が挙げられる。
近年、ADAS(Advanced Driving Assistance System)という言葉に代表される車載センシング技術の進展に伴い、車両はさまざまな走行環境情報および車内乗員の情報を取り込むことができるようになっており、それらの情報を運転者に伝える「ADASの出口」としてもHUDが注目されている。
HUDの投射方式は、液晶及びDMDのようなイメージングデバイスで中間像を表現する「パネル方式」と、レーザダイオード(LD)から射出したレーザビームを2次元走査デバイスで走査し中間像を形成する「レーザ走査方式」がある。特に後者のレーザ走査方式は、全画面発光の部分的遮光で画像を形成するパネル方式とは違い、各画素に対して発光/非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。
市場のHUDに対する要求は、大きく下記2点に集約される。
(1)コンパクト性
(2)視認ストレスの低さ
「コンパクト性」に関しては、ダッシュボードに収納されているダクト・メータ・デフロスタ・車体構造などになるべく干渉しないサイズが求められている。HUD搭載のためにダクト・メータ・デフロスタ・車体構造を退避させてしまうと、エアコン性能・デフロスタ性能・車体強度性能の低下を招くためである。
「視認ストレスの低さ」に関しては、HUDの映像は常に運転者の視界周辺に情報を表示されるため、運転環境・運転者の状態によってストレスのない映像表現が求められている。上記ADAS技術の発展はHUDに投射するコンテンツ量の増加をもたらす。人間の認知処理には限界があるため、増加したセンシング情報をそのままHUDに表示すると、運転者はわずらわしさを感じてしまい、情報表示装置であるHUDが返って運転視界の阻害要因となってしまう。
《全体構成》
以下、本発明の第2実施形態を図27〜図30を用いて説明する。図27には、第2実施形態に係る画像投影装置(画像表示装置の一例)としてのHUD(ヘッドアップディスプレイ)1の概略構成が示されている。
HUD1は、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、該移動体のフロントガラス500(フロントウインドシールド)を介して該移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば速度、走行距離等の情報)等を視認可能にする。この場合、フロントガラス500は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。以下では、HUD1がフロントガラス500を備える自動車(車両の一種)に搭載される例について説明する。
HUD1は、一例として、光走査系110、走査ミラー200、スクリーン300、凹面ミラー400を備え、フロントガラス500に対して光を照射することにより、観察者Aの視点から虚像Iを視認可能にする。
光走査系110は、光源部130と偏向器150を有している。光源部130はR、G、B3種のレーザ光を合成し、その合成光を射出する。この合成光は、偏向器150の反射面に向かって導かれる。偏向器150は、後述するが、半導体プロセス等で作製されたMEMSミラーであり、直交する2軸周りに揺動する単一の微小なミラーを有している。なお、1軸周りに揺動/回動するミラー二つから成るミラー系であってもよい。
偏向器150により偏向された光束は、走査ミラー200により折り返され、スクリーン300に2次元像(中間像)を描画する。スクリーン300はレーザ光を所望の発散角で発散させる機能を有しており、マイクロレンズアレイ構造やマイクロミラーアレイ構造が好適である。
スクリーン300から射出された光束は、単一の凹面ミラー400及びフロントガラス500の作用により虚像Iが拡大表示される。単一の凹面ミラー400は、フロントガラス500の影響で中間像の水平線が上または下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように設計・配置されている。
なお、フロントガラス500と同じ機能(部分反射機能)を持つ別途の部分反射鏡(コンバイナ)を有した構成であっても、本発明を実現することができる。
HUD1では、後述するようにRGBの3つの半導体レーザを使用することから、ドライバ装置6111から半導体レーザまでの距離が長くなる場合が多い。そのため、総寄生容量もプリンタに比べて大きくなる傾向がある。さらに、上記で述べたように、GaN系の半導体レーザでは微分抵抗が大きいため時定数τが非常に大きくなる。
よって、HUD1においても、上記第1実施形態で説明したパルス細りの補正方法を適用することが非常に有効である。
《制御系のハードウェア構成》
図28には、HUD1の制御系のハードウェア構成がブロック図にて示されている。HUD1の制御系は、一例として、FPGA600(制御回路)、CPU602、ROM604、RAM606、I/F608、バスライン610、ドライバ装置6111、MEMSコントローラ615を備えている。
FPGA600は、ドライバ装置6111やMEMSコントローラ615により、3つのLD(レーザダイオード)111R、111B、111G、偏向器150、後述するPD(フォトダイオード)117を動作させる。CPU602は、HUD1の各機能を制御する。ROM604は、CPU602がHUD1の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラムを記憶している。RAM606はCPU602のワークエリアとして使用される。I/F608は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続されることができる。
ここで、FPGA600は、光源制御装置22と同様の構成(但し光源駆動回路221を除く)を有している。ドライバ装置6111は、光源駆動回路221に相当する。すなわち、FPGA600とドライバ装置6111により、光源制御装置22が構成されている。CPU602は、システム制御装置1060に相当する。
《制御系の機能》
図29には、HUD1の制御系の機能がブロック図にて示されている。
HUD1の制御系は、車両情報入力部800、外部情報入力部802、画像生成部804、画像表示部806を備えている。車両情報入力部800には、CAN等から車両の情報(速度、走行距離等の情報)が入力される。外部情報入力部802には、外部ネットワークから車両外部の情報(GPSからのナビ情報等)が入力される。画像生成部804は、車両情報入力部800及び外部情報入力部802から入力される情報に基づいて、表示させる画像を生成する。画像表示部806は、制御部8060を備え、制御部8060によって光走査系110が制御されることにより、フロントガラス500に光を照射する。結果、観察者Aの視点から虚像Iが視認可能となる。画像生成部804及び画像表示部806は、FPGA600により実現される。
《光源部》
図30には、光源部130の構成例が示されている。光源部130には、単数あるいは複数の発光点を有する複数(例えば3つ)の光源111R、111B、111Gが備えられている。3つの光源111R、111B、111Gは、それぞれLD(レーザダイオード)すなわち半導体レーザの一種である端面発光レーザであり、互いに異なる波長λR、λB、λGの光束を放射する。例えばλR=640nm、λB=445nm、λG=530nmである。3つの光源111R、111B、111Gから放射された波長λR、λB、λGの光束はそれぞれカップリングレンズ112R、112B、112Gにより後続の光学系にカップリングされる。カップリングされた波長λR、λB、λGの光束は、それぞれアパーチャ113R、113B、113Gにより整形される。各アパーチャは光束の発散角等に応じて円形、楕円形、長方形、正方形等、様々な形状であることができる。整形後の波長λR、λB、λGの光束は、合成素子115により光路合成される。合成素子115はプレート状或いはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じて光束を反射/透過し、一つの光路に合成する。合成された光束の大部分は、レンズ116により偏向器150の反射面に向かって導かれる。レンズ116は偏向器150に向かって凹面を向けたメニスカスレンズである。PD(フォトダイオード)117は、各光源から射出され合成素子115を介した光束を受光して、その受光量をFPGA600に出力する。FPGA600は、PD117の出力及び発光制御信号に基づいてバイアス電流を制御する。なお、PD117に代えて、フォトトランジスタ等の他の光検出器を用いても良い。
[第3実施形態]
《導入》
本発明の効果が大きく発揮される他の応用例として、スマートグラスやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の画像表示装置としての画像投影装置が挙げられる。
このような画像投影装置は液晶表示型が主に開発されてきたが、バックライトが必要であるため、ユーザは機器を装着して視界を遮り、ディスプレイに動画等のコンテンツを表示して没入感を楽しむという用途が中心であった。
レーザ走査型のスマートグラスやHMDであれば、HUDのような背景とコンテンツを重畳させて情報を認識する利用が可能であり、用途やコンテンツの幅が広がる。
以下、本発明の第3実施形態について図31を用いて説明する。図31には、第3実施形態に係る画像表示装置としての画像投影装置2(例えば人体に装着可能なスマートグラスやHMDなど)を上側から見た図が示されている。
画像投影装置2は、図31に示されるように、光源(例えばLD)、光検出器、光源及び光検出器を制御する制御系、メガネ型フレーム、透過反射部材等を備えている。光源、光検出器、制御系、透過反射部材は、メガネ型フレームに設けられている。制御系は、FPGAを含み、HUD1の制御系と概ね同様の構成を有している。
ここでは、光源であるLD(端面発光レーザ)の一端面から射出された光を透過反射部材に照射し、他端面から射出された光を光検出器で受光する。光検出器の出力信号である受光信号は制御系に送られ、制御系は受光信号に基づいてAPC制御等を行う。
画像投影装置2は、光源から画像情報に応じて変調された光を透過反射部材に投射することにより、例えば時刻等の情報を画像として投影する。この場合、投影された画像をユーザが視認可能となる。
すなわち、透過反射部材に投射された光の一部が目に入るため、ユーザは透過反射部材を介して画像を虚像として視認可能である。
なお、画像投影装置2において、メガネ型フレーム及び透過反射部材以外の他の構成要素をユーザが携帯する構成を採用しても良い。
また、本発明の画像表示装置は、画像投影装置2に限らず、プロンプタ等の虚像を視認させる他の画像投影装置にも応用できる。
[変形例:他の画像表示装置]
上記第2及び第3実施形態では、本発明の画像表示装置の一例として、虚像を視認させる画像投影装置について説明したが、これに限定されず、プロジェクタ等の実像を視認させる画像投影装置にも本発明は適用可能である。プロジェクタを構成する場合には、上述したHUD1の構成を利用することが可能である。
すなわち、本発明の画像表示装置において、画像を形成したレーザ光を投射する対象は、透過反射部材に限らず、映写幕、机、壁、床、天井等であっても良い。
以上説明した第2実施形態、第3実施形態及び変形例の画像表示装置においても、第1実施形態で説明した発光信号のパルス幅の補正方法を適用可能である。
以下に、HUD1、画像投影装置2等の画像表示装置で実施されるレーザ駆動処理2について図32を参照して説明する。図32のフローチャートは、FPGAで実行される処理アルゴリズムに基づいている。ここで、画像表示装置において、周辺の照度を計測する照度センサ700がFPGAに接続されている(図28、図31参照)。ドライバ装置6111は、光源駆動回路221(図7参照)と同様の構成を有している。
最初のステップS31では、画像表示装置周辺の照度を取得する。具体的には、照度センサの計測値を取得する。
次のステップS32では、画像データから画素毎の色情報を取得する。
次のステップS33では、取得した照度及び色情報に基づいて各LDの画素毎の動作電流(バイアス電流+変調電流)を設定する。動作電流の設定は、発光制御信号を設定することにより行われる。
次のステップS34では、各LDの画素毎の動作電流の設定値に応じた発光信号のパルス幅の補正量を取得する。具体的には、上記(2)式、(3)式、(5)式、(6)式、(8)式のいずれかにより発振遅延量を求め、該発振遅延量に基づいて発光信号のパルス幅の拡張量を補正量として算出する。もしくは予め動作電流の設定値毎の発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)をメモリ等の記憶媒体にテーブルとして記憶させておき、各LDの点灯時に動作電流の設定値に応じた発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)を記憶媒体から読み出すこととしても良い。
次のステップS35では、各LDの点灯時に、取得した補正量に応じて発光信号のパルス幅を拡張して変調信号を生成し、該変調信号を、変調電流の電流源と各LDとの導通/非導通を切り替えるスイッチに印加する。
なお、変調信号の生成は、取得した補正量(エクスパンド量)に応じたセレクト信号をエクスパンド回路に出力することにより行われる。
結果として、変調信号がハイレベルの間(スイッチがオンの間)、ドライバから、動作電流(バイアス電流に変調電流が付加された電流)を目標値(最大値)とする駆動電流が各LDに印加される。
最後のステップS36では、処理終了か否かを判断する。具体的には、ここでの判断は、画像表示装置の電源がオフになっているときに肯定され、オンのままのときに否定される。ステップS36での判断が肯定されるとフローは終了し、否定されるとステップS31に戻る。
以上説明した第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置は、第1の観点からすると、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置であって、バイアス電流Ibに変調電流が付加された動作電流Iopを半導体レーザに供給する、スイッチ及びドライバを含むドライバ回路と、半導体レーザの閾値電流をIthとしたとき、(Iop−Ib)と(Iop−Ith)の比に基づいて発光信号のパルス幅を拡張する、エクスパンド回路及び制御回路を含む拡張回路と、を備え、ドライバ回路は、拡張回路の出力信号に応じてバイアス電流Ibに変調電流を付加することを特徴とするレーザ駆動装置である。
この場合、動作電流Iopとバイアス電流Ibと閾値電流Ithの大きさによらず、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量を精度良く求めることができ、該発振遅延量に応じて発光信号のパルス幅を拡張することができる。
この結果、パルス細りを精度良く補正することができる。すなわち、高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第1の観点からのレーザ駆動装置において、拡張回路は、更に半導体レーザ及び当該レーザ駆動装置の寄生容量の和(総寄生容量)と、半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて、発光信号のパルス幅を拡張することが好ましい。
この場合、半導体レーザの微分抵抗や総寄生容量によらず、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量を精度良く求めることができ、パルス細りをより精度良く補正することができる。すなわち、より高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置は、第2の観点からすると、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置であって、バイアス電流Ibに変調電流が付加された動作電流Iopを半導体レーザに供給する、スイッチ及びドライバを含むドライバ回路と、半導体レーザ及び当該レーザ駆動装置の寄生容量の和(総寄生容量)と半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて発光信号のパルス幅を拡張する、エクスパンド回路及び制御回路を含む拡張回路と、を備え、ドライバ回路は、拡張回路の出力信号に応じてバイアス電流Ibに変調電流を付加することを特徴とするレーザ駆動装置である。
この場合、半導体レーザの微分抵抗や総寄生容量によらず発振遅延量を精度良く求めることができ、該発振遅延量に応じて発光信号のパルス幅を拡張することができる。
この結果、パルス細りを精度良く補正することができる。すなわち、高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第2の観点からのレーザ駆動装置において、拡張回路は、更に半導体レーザの閾値電流をIthとしたときに(Iop−Ib)と(Iop−Ith)の比に基づいて、発光信号のパルス幅を拡張することが好ましい。
この場合、動作電流Iopとバイアス電流Ibと閾値電流Ithの大きさによらず、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量を精度良く求めることができ、パルス細りをより精度良く補正することができる。すなわち、より高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置は、第3の観点からすると、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置であって、バイアス電流Ibに変調電流が付加された動作電流Iopを半導体レーザに供給する、スイッチ及びドライバを含むドライバ回路と、半導体レーザからの光を受光する光検出器と、該光検出器の出力信号に基づいて発光信号のパルス幅を拡張する、エクスパンド回路及び制御回路を含む拡張回路と、を備え、ドライバ回路は、拡張回路の出力信号に応じてバイアス電流Ibに変調電流を付加することを特徴とするレーザ駆動装置である。
この場合、光検出器の出力信号に基づいて、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量に応じた発光信号のパルス幅の拡張量を精度良く求めることができる。
この結果、パルス細りを精度良く補正することができる。すなわち、高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第3の観点からの光源制御装置において、拡張回路は、光検出器の出力信号を積分する積分回路を含み、該積分回路の出力値(積分光量)を用いて発光信号のパルス幅を拡張することが好ましい。
また、拡張回路は、更に半導体レーザのキャリア寿命に基づいて発光信号のパルス幅を拡張しても良い。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置は、動作電流Iopの電流値毎の、発光信号のパルス幅の拡張量(補正量)を記憶する記憶媒体(例えばROM604)を更に備えることが好ましい。
また、半導体レーザが複数ある場合に、拡張回路は、半導体レーザ毎に発光信号のパルス幅を拡張することが好ましい。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置では、半導体レーザの発振波長が緑色又は青色の波長帯域に含まれる場合、すなわち半導体レーザの微分抵抗が大きい場合でも、パルス細りを精度良く補正できる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置では、半導体レーザがGaN系である場合、すなわち半導体レーザの微分抵抗が大きい場合でも、パルス細りを精度良く補正できる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置では、半導体レーザが複数ある場合であって該複数の半導体レーザがドライバ回路に対して複数の配線により個別に接続されている場合、すなわち総寄生容量が大きい場合でも、パルス細りを精度良く補正できる。
また、Ib<Ithであることが好ましい。この場合、半導体レーザが発振していないときの発光(LED領域における発光)を抑制できるため、視認性の低下を抑制できる。
また、Ib=0であっても良い。第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置では、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量を精度良く求めることができるので、バイアス電流が0であっても、パルス細りを精度良く補正できる。
また、半導体レーザと、半導体レーザを発光させる第1〜第3実施形態、変形例の光源制御装置と、を備える光源装置によれば、発光信号と動作電流Iopで決まる積分光量の目標値に対する実際の光出力での積分光量の低下を抑制可能な光源装置を提供できる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の光源装置と、該光源装置からの光を偏向する偏向器と、を備える光走査装置によれば、高精度な光走査を行うことができる。
また、光源装置が画像データに基づいて発光信号を生成し、該発光信号が光源装置のレーザ駆動装置に入力される第1〜第3実施形態、変形例の光走査装置を備える画像形成装置によれば、画像データの画素毎に高精度なパルス発光を行うことができ、ひいては高品質な画像を形成できる。
また、少なくとも1つの像担持体と、光走査装置の偏向器を介した光を像担持体へ導く走査光学系と、を更に備える第1〜第3実施形態、変形例の画像形成装置によれば、像担持体に高精度に画像を形成できる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の画像形成装置と、該画像形成装置の光走査装置からの光が照射されるスクリーン部材(例えばスクリーン300)と、を備える画像表示装置によれば、画像データの画素毎に高精度なパルス発光を行うことができ、ひいては高品質な画像を表示できる。
また、スクリーン300を介した光をフロントガラス500(透過反射部材)へ投射する凹面ミラー400(投光部)を更に備える第1〜第3実施形態、変形例の画像表示装置によれば、高品質な画像を虚像として表示できる。
また、第1〜第3実施形態、変形例の画像表示装置と、該画像表示装置が搭載される物体と、を備える物体装置によれば、物体を使用するユーザに視認性の良い画像により情報を提供できる。
また、物体が移動体であり、透過反射部材が移動体に設けられている場合には、移動体の搭乗者に視認性の良い虚像により情報を提供できる。
また、第1〜第3実施形態、変形例のレーザ駆動方法は、第1の観点からすると、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動方法であって、半導体レーザの閾値電流をIth、バイアス電流Ibに変調電流が付加された電流を半導体レーザの動作電流Iopとしたとき、(Iop−Ib)と(Iop−Ith)の比に基づいて発光信号のパルス幅を拡張する工程と、パルス幅が拡張された発光信号に応じてバイアス電流Ibに変調電流を付加し、得られた電流を半導体レーザに供給する工程と、を含むレーザ駆動方法である。
この場合、動作電流Iopとバイアス電流Ibと閾値電流Ithの大きさによらず、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量を精度良く求めることができ、該発振遅延量に応じて発光信号のパルス幅を拡張することができる。
この結果、パルス細りを精度良く補正することができる。すなわち、高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第1〜第3実施形態、変形例のレーザ駆動方法は、第2の観点からすると、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動方法であって、半導体レーザ及び該半導体レーザの駆動回路の寄生容量の和(総寄生容量)と、半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて発光信号のパルス幅を拡張する工程と、パルス幅が拡張された発光信号に応じてバイアス電流に変調電流を付加し、得られた電流を半導体レーザに供給する工程と、を含むレーザ駆動方法である。
この場合、半導体レーザの微分抵抗や総寄生容量によらず発振遅延量を精度良く求めることができ、該発振遅延量に応じて発光信号のパルス幅を拡張することができる。
この結果、パルス細りを精度良く補正することができる。すなわち、高精度なパルス発光を行うことができる。
また、第1〜第3実施形態、変形例のレーザ駆動方法は、第3の観点からすると、発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動方法であって、半導体レーザからの光を受光する工程と、受光する工程での受光結果に基づいて発光信号のパルス幅を拡張する工程と、パルス幅が拡張された発光信号に応じてバイアス電流Ibに変調電流を付加し、得られた電流を半導体レーザに供給する工程と、を含むレーザ駆動方法である。
この場合、受光する工程での受光結果に基づいて、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量に応じた発光信号のパルス幅の拡張量を精度良く求めることができる。
この結果、パルス細りを精度良く補正することができる。すなわち、高精度なパルス発光を行うことができる。
以下に、発明者らが上記各実施形態及び変形例を発案するに至った思考プロセスについて説明する。
従来、半導体レーザはMFP(MULTI FUNCTIONPERIPHERALPRODUCT PRINTER)などの画像形成装置に利用されており、近年ではRGBの3色を重ね合わせてHUD、HMD、プロジェクタ等の画像表示装置にも利用され始めている。
このような画像表示装置においては、低光量から大光量まで半導体レーザのダイナミックレンジをフルに利用することで階調を表現するため、大光量から低光量までパルス発光を高精度で行うことが求められる。
また、パルス幅は画素クロックに関係付けられていることが多いため、高フレームレートや高画質化には短パルス化が求められる。
従来、半導体レーザの駆動方式として、次の2つの駆動方式が知られている。
・バイアス方式
・オーバーシュート方式
発振閾値電流の大きな半導体レーザを無バイアス方式で駆動する場合、入力信号に対応する駆動電流が該半導体レーザに供給されても、レーザ発振が可能な濃度のキャリアが生成されるまでにある程度の時間を要するため、発振遅延が生ずる。この場合に、該半導体レーザを高速でオンオフさせるために所望の点灯パルス幅に対応した駆動電流を該半導体レーザに供給しても、実際の点灯パルス幅が所望の点灯パルス幅よりも小さくなるおそれがある。すなわち、パルス細りが発生するおそれがある。
そこで、発振遅延を低減した高精度なパルス発光を実現すべく上記2つの駆動方式が考案された。
1つ目のバイアス方式は、半導体レーザの発振閾値電流をバイアス電流に設定し、該バイアス電流を常時流しておき、発光の際に入力信号に対応する電流とバイアス電流の差分を付加する方式である。
2つ目のオーバーシュート方式は、半導体レーザが点灯を開始するタイミングでオーバーシュートさせ、光出力の立ち上がり特性を向上させる方式である。
しかし、バイアス方式では、発光させたくないときでも、バイアス電流によって、常時、わずかに発光(通常は 200μW〜300μW)してしまう。このため、光通信では消光比が小さくなり、画像形成装置では、いわゆる地肌汚れの原因となり、視認性が低下する懸念がある。また、画像表示装置においては、ポストカードの原因となり、視認性が低下する懸念がある。なお、バイアス電流による発光量は、「オフセット発光量」とも呼ばれている。
オーバーシュート方式では、オーバーシュートの大きさによっては、半導体レーザが所定の光量(例えば、定格光量)を超えて発光する場合があり、その場合には、画像形成装置や画像表示装置において、半導体レーザの劣化により視認性が低下する懸案がある。また、レーザ光による画像を直接観察することになる画像表示装置においては、光量過多により視認性が低下する懸念もある。
そこで、視認性の低下を抑制できるパルス発光を実現すべく、半導体レーザの駆動方式として、発振遅延量に応じてパルス幅を拡張するパルス幅拡張方式(例えば特許文献1、2)が考案された。
しかしながら、特許文献1、2に開示されている従来のパルス幅拡張方式では、半導体レーザの動作電流、バイアス電流、閾値電流によっては発振遅延量を精度良く算出できないおそれがある。発振遅延量を精度良く算出できないと、発振遅延量の算出値と実際の発振遅延量との誤差が大きくなり、パルス細りを精度良く補正することができない。
また、パルス幅拡張方式は、例えば画像形成装置の光源として、GaAsプロセスで作製された赤外レーザやRレーザ(赤色レーザ)のような微分抵抗が小さな半導体レーザを使用することを前提としている。このような微分抵抗の小さな半導体レーザにおいては、発振遅延量をある程度正確に算出し該発振遅延量に応じてパルス幅を拡張することが可能であり、パルス細りをある程度は精度良く補正することが可能であるが、パルス細りを更に高精度に補正することに関して改善の余地がある。
一方、特に画像表示装置では、GaNプロセスで作製されたGレーザ(緑色レーザ)やBレーザ(青色レーザ)のような微分抵抗が大きな半導体レーザが使用される。また、画像形成装置においても、将来的にGレーザやBレーザのような微分抵抗が大きな半導体レーザの使用が拡大されることも想定される。しかし、従来のパルス幅拡張方式では、このような微分抵抗が大きな半導体レーザにおいては発振遅延量を正確に算出できず、その算出値と実際の発振遅延量との誤差が大きくなり、パルス細りを精度良く補正することができない。
また、画像表示装置の場合には、一般に1つのドライバでRGBの3つの半導体レーザ(複数の半導体レーザ)が駆動されることから駆動回路の配線長(ドライバから各半導体レーザまでの距離)が長くなり配線容量等による寄生容量が大きくなる場合がある。また、画像形成装置の場合でも、半導体レーザの仕様や半導体レーザの駆動回路の構成によっては寄生容量が大きくなる場合がある。
この場合、発振遅延量を正確に算出できず、その算出値と実際の発振遅延量との誤差が大きくなり、パルス細りを高精度に補正することができない。その結果、出力画像に色ずれや濃度ムラが生じてしまい、階調性が確保できなくなる。
すなわち、特許文献1、2に開示されているパルス幅拡張方式では、高精度なパルス発光を行うことに関して改善の余地があった。
そこで、発明者らは、高精度なパルス発光を実現すべく、上記各実施形態及び変形例を発案するに至った。
1…HUD(画像表示装置)、2…画像投影装置(画像表示装置)、10…光源装置、18…光検出器、22…光源制御装置(レーザ駆動装置)、33…ポリゴンミラー(偏向器)、35…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、36…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、4050…フロントガラス(透過反射部材)、22…光源制御装置(レーザ駆動装置)、219…書込制御回路(拡張回路の一部)、221a…ドライバ(ドライバ回路の一部)、221d…エクスパンド回路(拡張回路の一部)、221g…スイッチ(ドライバ回路の一部)、600…FPGA(拡張回路の一部)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、6111…ドライバ(ドライバ回路の一部)、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。
特許5471569号公報 特許5741557号公報

Claims (14)

  1. 発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置であって、
    前記半導体レーザを発光させる動作電流Iopを前記半導体レーザに供給するドライバ回路と、
    前記発光信号のパルス幅を拡張した変調信号を出力する拡張回路と、を備え、
    前記動作電流Iopは、バイアス電流Ibに変調電流が付加された電流であり、
    前記拡張回路は、前記半導体レーザ及び当該レーザ駆動装置の寄生容量の和と、前記半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した前記変調信号を出力し、
    前記ドライバ回路は、前記変調信号のパルス幅に応じて前記バイアス電流Ibに前記変調電流を付加することを特徴とするレーザ駆動装置。
  2. 前記拡張回路は、前記半導体レーザがレーザ発振する閾値電流をIthとしたとき、(Iop−Ib)と(Iop−Ith)との比に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した前記変調信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動装置。
  3. 前記拡張回路は、前記半導体レーザのキャリア寿命に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ駆動装置。
  4. 前記半導体レーザは、複数あり、
    前記拡張回路は、前記半導体レーザ毎に前記発光信号のパルス幅の拡張を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ駆動装置。
  5. 少なくとも1つの半導体レーザと、
    前記半導体レーザを発光させる請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ駆動装置と、を備える光源装置。
  6. 請求項5に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの光を偏向する偏向器と、を備える光走査装置。
  7. 前記光源装置が画像データに基づいて発光信号を生成する請求項6に記載の光走査装置を備える画像形成装置。
  8. 少なくとも1つの像担持体と、
    前記光走査装置の偏向器を介した光を前記像担持体へ導く走査光学系と、を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 請求項7に記載の画像形成装置と、
    前記画像形成装置の光走査装置からの光が照射されるスクリーン部材と、を備える画像表示装置。
  10. 前記スクリーン部材を介した光を透過反射部材へ投射する投光部を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
  11. 当該画像表示装置周辺の照度を計測するセンサを更に備え、
    前記画像形成装置の光源装置が前記センサの出力に応じて前記動作電流Iopを設定することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像表示装置。
  12. 請求項10に記載の画像表示装置と、
    前記画像表示装置が搭載される物体と、を備える物体装置。
  13. 前記物体は、移動体であり、
    前記透過反射部材は、前記移動体に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の物体装置。
  14. 発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動方法であって、
    前記半導体レーザ及び該半導体レーザの駆動回路の寄生容量の和と、前記半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した変調信号を出力する工程と、
    前記変調信号のパルス幅に応じてバイアス電流に変調電流を付加した動作電流を前記半導体レーザに供給する工程と、を含み、
    前記動作電流は前記半導体レーザを発光させる電流であるレーザ駆動方法。
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