JP6950450B2 - レーザ駆動装置、光源装置、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置及びレーザ駆動方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図24を用いて説明する。図1には、第1実施形態に係るレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するシステム制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
詳述すると、光検出器18は、受光素子及び電流電圧変換回路を含んで構成され、受光素子で受光した光を光電変換し、その電流信号を電流電圧変換回路で電圧信号に変換して出力する。
受光素子としては、例えばフォトダイオード(PD)、フォトトランジスタ等が用いられる。
なお、本明細書において、動作電流Iopの電流値は、半導体レーザに印加された駆動電流が定常状態になったときの電流値とする。また、バイアス電流は変調電流とは別に流す電流である。バイアス電流を流すことにより、レーザ発振までの時間を短縮することが可能となる。
バイアス電流の電流値は、後に述べる閾値電流Ithの大きさと等しいことが望ましいが、例えば画像形成装置のように自然放出領域での微小発光が所謂地汚れの原因になる等の影響がある場合は、閾値電流Ithの大きさに近いが微小発光の影響がない、閾値電流Ithよりも適度に小さな値とすることが望ましい。
このパルス細りは、主に発光信号に対する半導体レーザの発振遅延(レーザ発振の遅延)に起因して発生する(図12における発光信号と比較例の光出力を参照)。
発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量(発振遅延時間)は、発光信号の立ち上がりタイミング(駆動電流の供給開始タイミング)から、駆動電流がレーザ発振の閾値電流Ithに達するまでの時間とする。本明細書において、閾値電流Ithは、半導体レーザが発振しない電流領域(以下「自然放出領域」や「LED領域」とも呼ぶ)と発振する電流領域(以下「レーザ発振領域」や「LD領域」とも呼ぶ)の境界値であり、レーザ発振可能な最小の電流である。
自然放出領域(LED領域)とレーザ発振領域(LD領域)の境界の電流値は、レーザ発振時の電流−光出力特性の延長線と光出力ゼロの直線との交点を指す場合が多いため、本明細書においても閾値電流Ithをレーザ発進時の電流−光出力特性の延長線と光出力ゼロの直線との交点としている。
なお、他の定義、たとえば波長の周波数の変化によって閾値電流Ithを定義した場合であっても本願発明は適用可能である。
なお、バイアス電流の調整に代えて又は加えて変調電流を調整することにより、動作電流を調整しても良い。具体的には、動作電流の電流値を決める発光制御信号及びバイアス電流の電流値(初期設定値又は調整後の値)に基づいて変調電流を調整可能である。
すなわち、本実施形態では、光波形のパルス細りの発生を抑制することができる。
一方、比較例のように発光信号のパルス幅を拡張しない場合、発振遅延量の分だけパルス細りが発生し、光出力の時間積分値が所望の値よりも小さくなってしまう(図12参照)。
以下、発光信号に対する半導体レーザの発振遅延量の算出方法について説明を行う。なお、以下では、プリンタ、複写機等の画像形成装置のみならず、プロジェクタ、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の画像表示装置において光源として半導体レーザを用いる場合も念頭において説明を進める。
このとき、半導体レーザの微分抵抗をR_LDとして、半導体レーザに流れる電流I(t)は、次の(1)式によって求めることができる(但し、光源駆動回路に矩形の発光信号が入力されるものとする)。
I(t)=Iop(1−exp(−t/τ))・・・(1)、τ=R_LD×C
上記(1)式より、R_LDやCが大きい場合には、時定数τが大きくなることが分かる。
上記(1)式においてI(t)=Ithのとき、tは発振遅延量を表す。
また、この誤差は、低光量でより顕著となる。すなわち、光量をP、光量差をΔPとすると、誤差はΔP/Pとなり、Pが小さい場合には、誤差が大きくなる。
特にヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、プロジェクタ等の画像表示装置において光源に半導体レーザを用いる場合には、階調表現を実現するために低光量においても高精度な制御が必要となる。
すなわち、従来の発振遅延量の算出方法では、高精度な光量制御(パルス発光)を行うことに関して改善の余地があった。
t_delay=−τ×ln((Iop−Ith)/Iop))・・・(2)
図16には、半導体レーザにおける電流特性及び発振遅延特性が示されている。
発振遅延特性は、上記(1)式に従うものである。
なお、図16では上記(1)式に従って記載されているが、要は、上記(1)式、(2)式や、下記の各数式に従う発振遅延特性なら構わない。
図16では、Ithに近づくほど遅延時間が増大している。したがって、Ith付近では積分光量の確保が難しい。
なお、図16において、Ithは、半導体レーザのLD領域(レーザ発振する電流領域)とLED領域(レーザ発振しない電流領域)の境界として図示されている。
理想的には、図16の発振遅延時間と同一の時間だけ、発光信号のパルス幅を拡張することが好ましい。この場合には、発振遅延により減少した積分光量を補填できると考えられる。
なお、発光信号のパルス幅の拡張量は必ずしも発振遅延時間と厳密に一致する必要はなく、要は、近似していれば良い。発光信号のパルス幅の拡張量の分解能はエクスパンド回路221dの仕様に依存するため、その方が実情に即している。
t_delay_RC=t_delay−t_bias=τ×ln((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(3)
なお、バイアスをかけない場合は上記(3)式においてIbias=0とすれば(この場合上記(2)式と同じになる)良いので、バイアス電流の有無によらず発振遅延量は、基本的に上記(3)式で求めることができる。
すなわち、発振遅延量を(Iop−Ibias)/(Iop−Ith)の関数で高精度に求めることができる。
t_delay_career=τs×In((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(4)
また、GaN系のような微分抵抗が大きい半導体レーザでは、発振遅延量を、次の(5)式のように微分抵抗による発振遅延と半導体レーザがキャリア寿命に達するまでの時間の和(上記(3)式と(4)式の和)と考えることが望ましい。
発振遅延量=t_delay_RC+t_delay_career=(τ+τs)×ln((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(5)
発振遅延量≒τ_delay_RC=τ×ln((Iop−Ibias)/(Iop−Ith))・・・(6)
このように、上記(6)式は、実質的に上記(3)式と同一である。
図18に示されるように、半導体レーザでは、駆動電流の増加に伴い、電圧降下も増加する。半導体レーザの直流抵抗成分(I−V特性における傾き)は、駆動電流の増加に伴って減少していくが、LD領域においても約30Ω程度は残ってしまう(GaAs系は数Ωであることが多い)。
この直流抵抗成分(微分抵抗)と総寄生容量によりローパスフィルタが形成されるため、光源駆動回路に矩形の発光信号が入力されたとしても図18に示されるように、半導体レーザに印加される駆動電流の立ち上がりが鈍ってしまい、図19に示されるように半導体レーザの光量(光出力)の立ち上がりも鈍ってしまう。
図20の表には、図18における各プロットの電流値、電圧値がそれぞれI_ld[mA]、V_ld_down[V]で示され、図19における各プロットの電流値、光量値がそれぞれI_ld[mA]、P_ld[mW]で示されている。
例えば、バイアス電流がない場合(0の場合)であって、Ith=25mA、R_LD=30Ω、C=50pFの場合に、上記(2)式によりIopの電流値毎の発振遅延量t_delayが算出できる。そして、この発振遅延量の小数点第二位を四捨五入したものを発光信号のパルス幅の拡張量とする場合には、次の表1のようになる。
なお、より高精度に補正したい場合は、少数点第三位以下を四捨五入して発光信号のパルス幅の拡張量を算出しても良い。
具体的には、上記(3)式のIop、t_delay_RCにそれぞれIop_mes、t_mesを代入すると、
t_mes=τ×ln((Iop_mes−Ibias)/(Iop_mes−Ith))となり、この式から、
τ=t_mes/ln((Iop_mes−Ibias)/(Iop_mes−Ith))が得られる。
そこで、任意の動作電流Iop_xでの発振遅延量t_xを次の(7)式から求めることができる。
t_x=τ×ln((Iop_x−Ibias)/(Iop_x−Ith))
=t_mes/ln((Iop_mes−Ibias)/(Iop_mes−Ith))×ln((Iop_x−Ibias)/(Iop_x−Ith))・・・(7)
この積分光量をP_int、半導体レーザの微分量子効率をη、半導体レーザの駆動時間の初期設定値(発光信号のパルス幅の初期設定値)をT_on、発振遅延量をt_delayとすると、P_int=(T_on−t_delay)×(Iop−Ith)×η・・・(7.5式)と表現することができる。
ここで、T_on、Iop、Ith、ηは、既知もしくは取得可能であるから、積分光量P_intの取得値を用いて発振遅延量t_delayを求め、該発振遅延量t_delayに基づいて発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)を算出しても良い。
また、予め上記(7.5)式を用いて複数の積分光量と複数の補正量(拡張量)の対応関係を取得し、該対応関係をテーブルとして記憶媒体(例えばメモリ、ハードディスク等)に記憶させておき、積分光量P_intを取得したときに、その取得値に応じた補正量(拡張量)を記憶媒体から読み出すようにしても良い。
また、予め上記(7.5)式を用いて複数の動作電流と複数の積分光量と複数の補正量(拡張量)との対応関係を取得し、複数の動作電流と複数の補正量(拡張量)の対応関係をテーブルとして記憶媒体(例えばメモリ、ハードディスク等)に記憶させておき、動作電流の設定値に応じて補正量(拡張量)を記憶媒体から読み出すようにしても良い。なお、複数の動作電流と複数の積分光量は、一対一で対応すると考えられる。
また、積分光量P_intの代わりに、積分光量P_intに関係する平均光量を用いて補正量(拡張量)を取得しても良い。
ここで、P_ideal、Iop、Ith、ηは既知もしくは取得可能であるから、実際の積分光量P_delayを取得すれば、発振遅延量を次の(8)式で求めることができる。
発振遅延量=t_delay=(P_ideal−P_delay)/(Iop−Ith)×η・・・(8)
この場合、キャリア寿命tsを加味して、発振遅延量=((8)式のt_delay)+((4)式のt_delay_career)としても良い。
図24の積分回路は、例えば光検出器18と書込制御回路219との間に接続される。詳述すると、この積分回路では、オペアンプの−側の入力端は、光検出器18の出力端に接続されている。ADCの出力端は、書込制御回路219に接続されている。
この場合、光検出器18の出力信号が積分回路で積分され、その積分光量が書込制御回路219に送られる。書込制御回路219は、理想積分光量P_idealと取得した実際の積分光量P_delayとの差分を、動作電流Iopの電流値に基づいて発光信号のパルス幅の補正量(拡張量)に換算する。
なお、上記(8)式、もしくはそれに関連する数式で動作電流の複数の電流値における補正量を算出しても構わない。
近年、赤外レーザ、赤色レーザ等の長波長のレーザのみならず、青色レーザ、緑色レーザ等の短波長のレーザを用いた複写機も開発されているため、このような短波長のレーザを本発明のレーザ駆動装置やレーザ駆動方法に用いることにより、高品質な電子写真画像を形成することも可能である。
例えば、Rs_IR(赤外レーザの微分抵抗)は4Ω程度であり、Rs_B(青色レーザの微分抵抗)は30Ω程度である。
そこで、本発明のレーザ駆動装置やレーザ駆動方法を、上記画像表示装置に適用することにより、大きな効果が期待できる。
また、例えば、図25に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
なお、変調信号の生成は、取得した補正量(エクスパンド量)に応じたセレクト信号をエクスパンド回路221dに出力することにより行われる(図8〜図11参照)。
結果として、変調信号がハイレベルの間(スイッチ221gがオンの間)、ドライバ221aから、動作電流(バイアス電流に変調電流が付加された電流)を目標値(最大値)とする駆動電流がレーザチップ100の各VCSELに印加される(図7参照)。
《導入》
本発明の効果が大きく発揮される応用例の一つとして、車両に搭載されるHUD(ヘッドアップディスプレイ)が挙げられる。
(1)コンパクト性
(2)視認ストレスの低さ
「コンパクト性」に関しては、ダッシュボードに収納されているダクト・メータ・デフロスタ・車体構造などになるべく干渉しないサイズが求められている。HUD搭載のためにダクト・メータ・デフロスタ・車体構造を退避させてしまうと、エアコン性能・デフロスタ性能・車体強度性能の低下を招くためである。
「視認ストレスの低さ」に関しては、HUDの映像は常に運転者の視界周辺に情報を表示されるため、運転環境・運転者の状態によってストレスのない映像表現が求められている。上記ADAS技術の発展はHUDに投射するコンテンツ量の増加をもたらす。人間の認知処理には限界があるため、増加したセンシング情報をそのままHUDに表示すると、運転者はわずらわしさを感じてしまい、情報表示装置であるHUDが返って運転視界の阻害要因となってしまう。
以下、本発明の第2実施形態を図27〜図30を用いて説明する。図27には、第2実施形態に係る画像投影装置(画像表示装置の一例)としてのHUD(ヘッドアップディスプレイ)1の概略構成が示されている。
HUD1は、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、該移動体のフロントガラス500(フロントウインドシールド)を介して該移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば速度、走行距離等の情報)等を視認可能にする。この場合、フロントガラス500は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。以下では、HUD1がフロントガラス500を備える自動車(車両の一種)に搭載される例について説明する。
偏向器150により偏向された光束は、走査ミラー200により折り返され、スクリーン300に2次元像(中間像)を描画する。スクリーン300はレーザ光を所望の発散角で発散させる機能を有しており、マイクロレンズアレイ構造やマイクロミラーアレイ構造が好適である。
スクリーン300から射出された光束は、単一の凹面ミラー400及びフロントガラス500の作用により虚像Iが拡大表示される。単一の凹面ミラー400は、フロントガラス500の影響で中間像の水平線が上または下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように設計・配置されている。
なお、フロントガラス500と同じ機能(部分反射機能)を持つ別途の部分反射鏡(コンバイナ)を有した構成であっても、本発明を実現することができる。
HUD1では、後述するようにRGBの3つの半導体レーザを使用することから、ドライバ装置6111から半導体レーザまでの距離が長くなる場合が多い。そのため、総寄生容量もプリンタに比べて大きくなる傾向がある。さらに、上記で述べたように、GaN系の半導体レーザでは微分抵抗が大きいため時定数τが非常に大きくなる。
よって、HUD1においても、上記第1実施形態で説明したパルス細りの補正方法を適用することが非常に有効である。
図28には、HUD1の制御系のハードウェア構成がブロック図にて示されている。HUD1の制御系は、一例として、FPGA600(制御回路)、CPU602、ROM604、RAM606、I/F608、バスライン610、ドライバ装置6111、MEMSコントローラ615を備えている。
FPGA600は、ドライバ装置6111やMEMSコントローラ615により、3つのLD(レーザダイオード)111R、111B、111G、偏向器150、後述するPD(フォトダイオード)117を動作させる。CPU602は、HUD1の各機能を制御する。ROM604は、CPU602がHUD1の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラムを記憶している。RAM606はCPU602のワークエリアとして使用される。I/F608は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続されることができる。
ここで、FPGA600は、光源制御装置22と同様の構成(但し光源駆動回路221を除く)を有している。ドライバ装置6111は、光源駆動回路221に相当する。すなわち、FPGA600とドライバ装置6111により、光源制御装置22が構成されている。CPU602は、システム制御装置1060に相当する。
図29には、HUD1の制御系の機能がブロック図にて示されている。
HUD1の制御系は、車両情報入力部800、外部情報入力部802、画像生成部804、画像表示部806を備えている。車両情報入力部800には、CAN等から車両の情報(速度、走行距離等の情報)が入力される。外部情報入力部802には、外部ネットワークから車両外部の情報(GPSからのナビ情報等)が入力される。画像生成部804は、車両情報入力部800及び外部情報入力部802から入力される情報に基づいて、表示させる画像を生成する。画像表示部806は、制御部8060を備え、制御部8060によって光走査系110が制御されることにより、フロントガラス500に光を照射する。結果、観察者Aの視点から虚像Iが視認可能となる。画像生成部804及び画像表示部806は、FPGA600により実現される。
図30には、光源部130の構成例が示されている。光源部130には、単数あるいは複数の発光点を有する複数(例えば3つ)の光源111R、111B、111Gが備えられている。3つの光源111R、111B、111Gは、それぞれLD(レーザダイオード)すなわち半導体レーザの一種である端面発光レーザであり、互いに異なる波長λR、λB、λGの光束を放射する。例えばλR=640nm、λB=445nm、λG=530nmである。3つの光源111R、111B、111Gから放射された波長λR、λB、λGの光束はそれぞれカップリングレンズ112R、112B、112Gにより後続の光学系にカップリングされる。カップリングされた波長λR、λB、λGの光束は、それぞれアパーチャ113R、113B、113Gにより整形される。各アパーチャは光束の発散角等に応じて円形、楕円形、長方形、正方形等、様々な形状であることができる。整形後の波長λR、λB、λGの光束は、合成素子115により光路合成される。合成素子115はプレート状或いはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じて光束を反射/透過し、一つの光路に合成する。合成された光束の大部分は、レンズ116により偏向器150の反射面に向かって導かれる。レンズ116は偏向器150に向かって凹面を向けたメニスカスレンズである。PD(フォトダイオード)117は、各光源から射出され合成素子115を介した光束を受光して、その受光量をFPGA600に出力する。FPGA600は、PD117の出力及び発光制御信号に基づいてバイアス電流を制御する。なお、PD117に代えて、フォトトランジスタ等の他の光検出器を用いても良い。
《導入》
本発明の効果が大きく発揮される他の応用例として、スマートグラスやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の画像表示装置としての画像投影装置が挙げられる。
このような画像投影装置は液晶表示型が主に開発されてきたが、バックライトが必要であるため、ユーザは機器を装着して視界を遮り、ディスプレイに動画等のコンテンツを表示して没入感を楽しむという用途が中心であった。
レーザ走査型のスマートグラスやHMDであれば、HUDのような背景とコンテンツを重畳させて情報を認識する利用が可能であり、用途やコンテンツの幅が広がる。
画像投影装置2は、図31に示されるように、光源(例えばLD)、光検出器、光源及び光検出器を制御する制御系、メガネ型フレーム、透過反射部材等を備えている。光源、光検出器、制御系、透過反射部材は、メガネ型フレームに設けられている。制御系は、FPGAを含み、HUD1の制御系と概ね同様の構成を有している。
ここでは、光源であるLD(端面発光レーザ)の一端面から射出された光を透過反射部材に照射し、他端面から射出された光を光検出器で受光する。光検出器の出力信号である受光信号は制御系に送られ、制御系は受光信号に基づいてAPC制御等を行う。
画像投影装置2は、光源から画像情報に応じて変調された光を透過反射部材に投射することにより、例えば時刻等の情報を画像として投影する。この場合、投影された画像をユーザが視認可能となる。
すなわち、透過反射部材に投射された光の一部が目に入るため、ユーザは透過反射部材を介して画像を虚像として視認可能である。
なお、画像投影装置2において、メガネ型フレーム及び透過反射部材以外の他の構成要素をユーザが携帯する構成を採用しても良い。
また、本発明の画像表示装置は、画像投影装置2に限らず、プロンプタ等の虚像を視認させる他の画像投影装置にも応用できる。
上記第2及び第3実施形態では、本発明の画像表示装置の一例として、虚像を視認させる画像投影装置について説明したが、これに限定されず、プロジェクタ等の実像を視認させる画像投影装置にも本発明は適用可能である。プロジェクタを構成する場合には、上述したHUD1の構成を利用することが可能である。
なお、変調信号の生成は、取得した補正量(エクスパンド量)に応じたセレクト信号をエクスパンド回路に出力することにより行われる。
結果として、変調信号がハイレベルの間(スイッチがオンの間)、ドライバから、動作電流(バイアス電流に変調電流が付加された電流)を目標値(最大値)とする駆動電流が各LDに印加される。
従来、半導体レーザはMFP(MULTI FUNCTIONPERIPHERALPRODUCT PRINTER)などの画像形成装置に利用されており、近年ではRGBの3色を重ね合わせてHUD、HMD、プロジェクタ等の画像表示装置にも利用され始めている。
このような画像表示装置においては、低光量から大光量まで半導体レーザのダイナミックレンジをフルに利用することで階調を表現するため、大光量から低光量までパルス発光を高精度で行うことが求められる。
また、パルス幅は画素クロックに関係付けられていることが多いため、高フレームレートや高画質化には短パルス化が求められる。
・バイアス方式
・オーバーシュート方式
1つ目のバイアス方式は、半導体レーザの発振閾値電流をバイアス電流に設定し、該バイアス電流を常時流しておき、発光の際に入力信号に対応する電流とバイアス電流の差分を付加する方式である。
2つ目のオーバーシュート方式は、半導体レーザが点灯を開始するタイミングでオーバーシュートさせ、光出力の立ち上がり特性を向上させる方式である。
この場合、発振遅延量を正確に算出できず、その算出値と実際の発振遅延量との誤差が大きくなり、パルス細りを高精度に補正することができない。その結果、出力画像に色ずれや濃度ムラが生じてしまい、階調性が確保できなくなる。
Claims (14)
- 発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動装置であって、
前記半導体レーザを発光させる動作電流Iopを前記半導体レーザに供給するドライバ回路と、
前記発光信号のパルス幅を拡張した変調信号を出力する拡張回路と、を備え、
前記動作電流Iopは、バイアス電流Ibに変調電流が付加された電流であり、
前記拡張回路は、前記半導体レーザ及び当該レーザ駆動装置の寄生容量の和と、前記半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した前記変調信号を出力し、
前記ドライバ回路は、前記変調信号のパルス幅に応じて前記バイアス電流Ibに前記変調電流を付加することを特徴とするレーザ駆動装置。 - 前記拡張回路は、前記半導体レーザがレーザ発振する閾値電流をIthとしたとき、(Iop−Ib)と(Iop−Ith)との比に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した前記変調信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のレーザ駆動装置。
- 前記拡張回路は、前記半導体レーザのキャリア寿命に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ駆動装置。
- 前記半導体レーザは、複数あり、
前記拡張回路は、前記半導体レーザ毎に前記発光信号のパルス幅の拡張を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ駆動装置。 - 少なくとも1つの半導体レーザと、
前記半導体レーザを発光させる請求項1〜4のいずれか一項に記載のレーザ駆動装置と、を備える光源装置。 - 請求項5に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光を偏向する偏向器と、を備える光走査装置。 - 前記光源装置が画像データに基づいて発光信号を生成する請求項6に記載の光走査装置を備える画像形成装置。
- 少なくとも1つの像担持体と、
前記光走査装置の偏向器を介した光を前記像担持体へ導く走査光学系と、を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 請求項7に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置の光走査装置からの光が照射されるスクリーン部材と、を備える画像表示装置。 - 前記スクリーン部材を介した光を透過反射部材へ投射する投光部を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
- 当該画像表示装置周辺の照度を計測するセンサを更に備え、
前記画像形成装置の光源装置が前記センサの出力に応じて前記動作電流Iopを設定することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像表示装置。 - 請求項10に記載の画像表示装置と、
前記画像表示装置が搭載される物体と、を備える物体装置。 - 前記物体は、移動体であり、
前記透過反射部材は、前記移動体に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の物体装置。 - 発光信号に基づいて半導体レーザを発光させるレーザ駆動方法であって、
前記半導体レーザ及び該半導体レーザの駆動回路の寄生容量の和と、前記半導体レーザの微分抵抗との積に基づいて前記発光信号のパルス幅を拡張した変調信号を出力する工程と、
前記変調信号のパルス幅に応じてバイアス電流に変調電流を付加した動作電流を前記半導体レーザに供給する工程と、を含み、
前記動作電流は前記半導体レーザを発光させる電流であるレーザ駆動方法。
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