JP2021144131A - 表示装置、及び移動体 - Google Patents

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心平 荻野
大輔 市井
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大輔 市井
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Abstract

【課題】発光部の面積が大きい光源を用いる場合に表示画像の輝度を確保すること。【解決手段】本発明の一態様に係る表示装置は、光を射出する光源部と、前記光源部の射出光を偏向させる偏向面を有し、前記偏向面を駆動させて前記射出光を被走査面上で走査する光偏向器と、前記光源部と前記偏向面との間に設けられ、前記射出光を前記偏向面に導光する複数の導光素子と、を備え、前記射出光は前記複数の導光素子の間で収束する。【選択図】図10

Description

本発明は、表示装置、及び移動体に関する。
車両等の移動体に搭載され、前景に画像を表示して運転者に少ない視線移動で情報を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD; Head Up Display)等の表示装置が知られている。
また表示装置における画像形成方式として、偏向面を有する光偏向器により光源部からの光を走査して形成した中間像を用いる方式が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の構成では、光源部にマルチビームモードのレーザ光を射出するレーザ等の発光部の発光面積が大きい光源を用いると、光偏向器の偏向面上に光を効率よく集光できず、表示画像の輝度を確保できない場合がある。
本発明は、発光部の面積が大きい光源を用いる場合に表示画像の輝度を確保することを課題とする。
本発明の一態様に係る表示装置は、光を射出する光源部と、前記光源部の射出光を偏向させる偏向面を有し、前記偏向面を駆動させて前記射出光を被走査面上で走査する光偏向器と、前記光源部と前記偏向面との間に設けられ、前記射出光を前記偏向面に導光する複数の導光素子と、を備え、前記射出光は前記複数の導光素子の間で収束する。
本発明によれば、発光部の面積が大きい光源を用いる場合に表示画像の輝度を確保できる。
実施形態に係るHUDの全体構成例を示す図である。 実施形態に係るHUDのハードウェア構成例の図である。 実施形態に係るHUDの機能構成例の図である。 実施形態に係るHUDの光源部の構成例の図である。 半導体レーザの発振波長例を示す図である。 実施形態に係る光偏向器の構成例の図である。 実施形態に係るスクリーンの構成例の図であり、(a)は拡大平面図、(b)は側方から見た光路図である。 第1実施形態に係る導光素子の構成例を示す図である。 第1実施形態に係る導光素子の諸元例を示す図である。 比較例に係る導光素子の構成例を示す図である。 比較例に係る導光素子の諸元例を示す図である。 第2実施形態に係る導光素子の構成例を示す図である。 第2実施形態に係る導光素子の諸元例を示す図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
[実施形態]
<ヘッドアップディスプレイ(以下、HUDという)1の全体構成例>
まず、実施形態に係るHUD1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、HUD1の全体構成の一例を説明する図である。HUD1は、一例として、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、該移動体のフロントガラス50(フロントウインドシールド)を介して該移動体の操縦に必要な速度や走行距離等のナビゲーション情報等を視認可能に表示する表示装置である。
この場合、フロントガラス50は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。以下では、HUD1がフロントガラス50を備える自動車に搭載される場合を一例として説明する。
図1に示すように、HUD1は、光照射部10と、シリンダミラー20と、スクリーン30と、凹面ミラー40とを備えている。HUD1は、フロントガラス50に対して光を照射するで、観察者Aの視点から虚像Iを視認可能に表示する。
光照射部10は光源部11を備えており、Red、Green、Blueの3色のレーザ光を合波して出力する。なお、以下の説明で、部品番号に付した添え字RはRedを表し、GはGreenを表し、BはBlueを表すものとする。3色を合波したレーザ光は、光偏向器15の反射面に向かって導かれる。
光偏向器15は、半導体プロセス等で作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)であり、直交する2軸に対して揺動(回動)駆動させる単一の微小な偏向面を備えている。なお、1軸に揺動する2つのミラーを直交して配置した対ミラーであってもよい。
光偏向器15により偏向されたレーザ光は、シリンダミラー20により折り返され、スクリーン30に2次元の中間像を描画する。スクリーン30はレーザ光を所望の発散角で発散させる機能を有しており、マイクロレンズアレイ構造が好適である。
スクリーン30で発散された発散レーザ光は、単一の凹面ミラー40で反射され、またフロントガラス50により一部が反射されて観察者Aの眼に到達し、観察者Aの視点でフロントガラス50を通した前景に重畳して虚像Iが拡大表示される。
ここで、凹面ミラー40は「投射部」の一例であり、シリンダミラー20は「直交する2方向で曲率が異なる光学面」の一例である。またスクリーン30は「被走査面」の一例であり、光偏向器15により走査されるレーザ光は、「被走査光」の一例であり、フロントガラス50は「被投射面」の一例である。
単一の凹面ミラー40は、フロントガラス50の影響で中間像の水平線が上または下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように設計・配置されている。なお、フロントガラス50と同じ機能を持つ別途の部分反射鏡(コンバイナ)を備えた構成であっても、実施形態を適用することができる。
<HUD1のハードウェア構成例>
次に、HUD1のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。図2は、HUD1のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図2に示すように、HUD1は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)600と、CPU(Central Processing Unit)602と、ROM(Read Only Memory)604と、RAM(Radom Access Memory)606と、I/F(Interface)608と、バスライン610と、LD(Laser Diode)ドライバ611と、MEMSコントローラ615とを備えている。
FPGA600は、LDドライバ611やMEMSコントローラ615により、LD111及びMEMS15を動作させる集積回路である。CPU602は、HUD1の各機能を統括的に制御するプロセッサである。ROM604は、CPU602がHUD1の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラムを記憶する不揮発性半導体メモリである。
RAM606は、CPU602のワークエリアとして使用される揮発性半導体メモリである。I/F608は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェースであり、例えば、車両のCAN(Controller Area Network)等に接続することができる。
<HUD1の機能構成例>
次に、HUD1の機能構成について、図3を参照して説明する。図3は、HUD1の機能構成の一例を説明するブロック図である。
図3に示すように、HUD1は、車両情報入力部800と、外部情報入力部802と、画像生成部804と、画像表示部806とを備えている。
これらのうち、車両情報入力部800には、CAN等から車両の速度や走行距離等の情報が入力される。外部情報入力部802には、外部ネットワークからGPS(Global Positioning System)からのナビゲーション情報等の車両外部の情報が入力される。
画像生成部804は、車両情報入力部800及び外部情報入力部802から入力される情報に基づいて、HUD1により表示するための画像を生成する。画像表示部806は、制御部8060を備え、制御部8060によって光照射部10が制御されることで、フロントガラス50に光を照射する。その結果、運転者Aの視点から、画像生成部804により生成された画像の虚像Iが視認可能になる。
<光源部11の構成例>
次に、光照射部10の備える光源部11の構成について、図4を参照して説明する。図4は、光源部11の構成の一例を説明する図である。
図4に示すように、光源部11は、発光素子111R,111B,111Gと、カップリングレンズ112R,112G,112Bと、アパーチャ113R,113G,113Bと、合波素子115とを備えている。なお、以下の説明で色の区別をしない場合には、発光素子111、カップリングレンズ112、アパーチャ113と表記する。
発光素子111R,111B,111Gのそれぞれは、単数又は複数の発光点を有する発光素子である。発光素子111R,111G,111Bは、それぞれ半導体レーザ(LD)であり、互いに異なる波長λ,λ,λのレーザ光を射出する。例えば、λ=640(nm)、λ=530(nm)、λ=445(nm)のレーザ光を射出する。
また発光素子111R,111B,111Gは、それぞれマルチビームモードのレーザ光を射出するレーザである。ここで、マルチビームモードとは、レーザ光の光束形状が複数の円や楕円に形成され、光強度のピークもランダムに分布しているモードをいう。
発光素子111R,111G,111Bから射出された波長λ,λ,λのレーザ光は、それぞれカップリングレンズ112R,112G,112Bにより、後続の光学系にカップリング(結合)される。
カップリングされたレーザ光は、波長毎に設けられたアパーチャ113R,113G,113Bにより整形される。アパーチャ113R,113G,113Bは、レーザ光の発散角等に応じて円形、楕円形、長方形、又は正方形等の様々な形状に形成することができる。
その後、合波素子115によって光路合成される。合波素子115は、プレート状又はプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じてレーザ光を反射又は透過し、1つの光路に合成する。合成されたレーザ光は、結像レンズ116を通って光偏向器15の偏向面に導かれる。ここで、カップリングレンズ112、アパーチャ113及び結像レンズ116を含む構成を導光部200と称する。この導光部200については別途詳述する。
ところで、所望の色の虚像を表示するためには、各波長λ,λ,λで合成されるレーザ束の合成比率、つまり波長に応じた射出光量のパワーバランスを適正に調整することが望ましい。
つまり、発光素子111R,111G,111Bの射出光量の比を所望の色を生成するための波長λ,λ,λに応じたパワーバランスa:b:cに設定する。しかしながら、発光素子としての半導体レーザの発振波長は、半導体レーザチップが実装されるパッケージの温度Tpに応じて変化するため、所望の色の光を生成できなくなることが懸念される。
ここで、図5も参照して半導体レーザの発振波長について説明する。図5は半導体レーザの発振波長の一例を説明する図である。図5に示すように、パッケージの温度Tpは、周辺の雰囲気温度や射出光量に応じ、半導体レーザに注入される印加電流に伴って変動する。
例えば、白を表示する場合、R,G,Bのパワーバランスは約2.5:1:0.5であり、赤の発光素子111Rの射出光量が高く、青の発光素子111Gの射出光量が低いため、表示時間が同じであっても、パッケージの温度Tpに差がでてくる。
つまり、所望の色の虚像を表示するためには、雰囲気温度や射出光量をタイムリーに監視して各半導体レーザの現在の波長を推定し、推定した波長に基づいて発光素子それぞれの射出光量のパワーバランスを適切に制御することが好ましい。このようにすることで、適切な色味の虚像を表示できる。
そこで、合波素子115で合成されたレーザ光を、分波手段の一例としての分波素子117により分波し、発光素子111R,111G,111B毎に光検出器630で光量を検出して、取得した光量情報に基づきパワーバランスが一定に保たれるように、画像生成部804によって各々の光出力が制御される。
波長推定部620は、光検出器630からの光量情報に加えて、温度センサで雰囲気温度を検出し、発光素子111R,111G,111Bのそれぞれから出射されるレーザ光の現在の波長を推定する。
このとき、発光素子111R,111G,111Bの射出光の現在の波長λは、以下の(1)式で表すことができる。
λ=λ(0)+α×{Ta−Ta(0)}+β×{P−P(0)} ・・・(1)
なお、(1)式におけるλ(0)は基準波長、αは雰囲気温度係数、Taは現在の雰囲気温度、Ta(0)は基準波長測定時の雰囲気温度、βは光量係数、Pは現在の射出光量、P(0)は基準波長測定時の射出光量である。
ここで、基準波長λ(0)、基準波長測定時の雰囲気温度Ta(0)、基準波長測定時の射出光量P(0)は、製造時に測定され、個体毎の特有値として、予め不揮発性メモリ(ROM)等に記憶される。一方、温度係数α、光量係数βは発光素子111R,111G,111Bによる個体差がほとんどないため、R,G,B毎に一定値を用いることができる。
<光偏向器15の構成例>
次に、光偏向器15の構成について、図6を参照して説明する。図6は光偏向器15の構成の一例を説明する図である。
光偏向器15は、半導体プロセスにより製造されるMEMSミラーである。図6に示すように、光偏向器15は、反射面を有する走査ミラー150と、複数の折り返し部を有して蛇行して形成された一対の蛇行状梁部152とを備えている。
蛇行状梁部152は、一つおきに梁部A(152a)と、梁部B(152b)とに分けられ、枠部材154に支持されている。蛇行状梁部152a,152bには蛇行した隣り合う梁毎に独立の圧電部材(例えばPZT)156が設けられている。
これらの圧電部材156の一つおき(A,B)に異なる電圧を印加して、蛇行状梁部152a,152bに反りを発生させることで、隣り合う梁が異なる方向に撓む。この撓みが累積されて、走査ミラー150をx軸回り(副走査方向)に大きな角度で回転させることができる。この構成により、x軸を中心とした垂直方向への光走査を低電圧で実現できる。一方、y軸を中心とした主走査方向では、走査ミラー150を支持する梁を回転軸とした一次共振により光走査が行われる。
<スクリーン30の構成例>
次に、スクリーン30の構成について、図7を参照して説明する。図7は、スクリーン30の構成の一例を説明する図であり、(a)は拡大平面図、(b)は側方から見た光路図をそれぞれ示している。
図7(a)に示すように、スクリーン30は、マイクロレンズ300がアレイ状に整列して配置された光学板301を含んで構成された透過型のスクリーンである。光学板301上をレーザ光の入射光束302が走査する際に、入射光束302はマイクロレンズ300により発散され、発散光303となる。
図7(b)の左側の図に示すように、マイクロレンズ300の構造により、入射光束302を所望の発散角304で発散させることできる。一般に、レーザ光等のコヒーレント光をスクリーン上で走査する場合、スペックルが課題となる場合がある。
図7(b)の右側の図では、レーザ光の入射光束302の直径306が、光学板301におけるマイクロレンズ300の周期305の2倍大きい場合の発散光の光路を示している。入射光束302は2つのマイクロレンズ313,314に同時入射し、それぞれ発散光束315,316を発生させる。このとき、領域317では、2つの発散光束が同時に存在するため、光の干渉を生じうる。この干渉光束が観察者の目に入ると、スペックルとして視認され、走査光により生成される虚像の視認性が低下する。
このようにマイクロレンズ300の周期305より入射光束302の直径306が大きいとスペックルが生じる場合があるため、実施形態では、マイクロレンズ300の周期305を入射光束302の直径306よりも大きくなるように設計している。これにより、マイクロレンズ300間での干渉を回避し、スペックルの発生を抑えている。
なお、図7では、凸面のマイクロレンズ300を例示したが、凹面においても同様の効果がある。また、透過型に代えて反射型のスクリーンを用いることもできる。
[第1実施形態]
<導光部200の構成例>
次に第1実施形態に係る導光部200の構成について説明する。
まず導光部200の構成に先立ち、比較例に係る導光部200Xの構成を説明する。図8は、導光部200Xの構成を説明する図であり、図9は導光部200Xの主な諸元を示す図である。
図8は、発光素子111から射出されたレーザ光がカップリングレンズ112、アパーチャ113、結像レンズ116及び走査ミラー150を介してスクリーン30に到達するまでの光路を示している。ここで、カップリングレンズ112と結像レンズ116はそれぞれ「導光素子」の一例である。
なお図8では、図を簡略化するため、カップリングレンズ112及び結像レンズ116を矢印で表している。矢印の向きはレンズのパワー(屈折力)の正負を表し、矢印が外側を向いているカップリングレンズ112は正のパワー、矢印が内側を向いている結像レンズ116は負のパワーをそれぞれ有することを示している。また発光素子111からスクリーン30までに配置された各素子を直線状に並べて示し、レーザ光が走査ミラー150を透過するように示している。なお、これらの図の簡略化と図の見方については、導光部の構成を説明する以下の図10及び図12においても同様である。
また図8、図10及び図12において、英文字で示す各パラメータはそれぞれ以下に示す内容を意味している。
H1・・・カップリングレンズ112と結像レンズ116との合成光学系の像側主点と走査ミラー150との間の光路長。
H2・・・発光素子111と走査ミラー150との間の光路長。
δLD・・発光素子における発光部の大きさ(長さ)。より詳しくは、発光部における中心光強度に対して1/(e)以上の光強度のレーザ光を射出可能な領域の大きさ。
δME・・発光素子111における発光部の両端でそれぞれ射出されたレーザ光の主光線が走査ミラー150に入射する像高差。なお、主光線とは、アパーチャ113の中心を通る光線をいう。
φR・・・走査ミラー150上でのレーザ光束径。より詳しくは、光束における中心光強度の1/(e)以上の光強度を有する領域の直径。
また図9におけるf1はカップリングレンズ112の焦点距離を表し、f2は結像レンズ116の焦点距離を表している。またt1は発光素子111とカップリングレンズ112との間隔、t2はカップリングレンズ112とアパーチャ113との間隔、t3はカップリングレンズ112とアパーチャ113との間隔、t4は結像レンズ116と走査ミラー150との間隔、t5は走査ミラー150とスクリーン30との間隔を意味する。図11及び図13においても同様である。
ここで、走査ミラー150に入射するレーザ光束径φRはアパーチャ113の直径により決定される。虚像の輝度向上やスクリーン30上のビームスポット径をより小さくするためには、走査ミラー150に入射するレーザ光束径φRがより大きいと好適である。よって、走査ミラー150の面積内にレーザ光束径φRが収まる範囲内で、アパーチャ113をできるだけ大きくすることが望ましい。
また発光素子111における発光部の両端からの主光線の走査ミラー150上での像高差δMEが大きいほど、走査ミラー150上で主光線がばらつくため、走査ミラー150上のレーザ光束径φRが大きくなる。そのため、走査ミラー150の面積内にレーザ光束径φRを収める場合、像高差δMEが大きいほど、アパーチャ113の直径を小さくしたほうがよい。アパーチャ113の直径を小さくすると、虚像の輝度低下やスクリーン30上でのビーム直径の品質低下が生じる場合がある。
導光部200Xの構成では、発光部の大きさδLDが40μmの場合、像高差δMEは303μmとなり、レーザ光束径φRが大きくなっている。これに応じて走査ミラー150の面積内にレーザ光束径φRを収めるためにアパーチャ113の直径を小さくしているため、虚像の輝度低下やスクリーン30上でのビーム直径の品質低下を生じさせる場合がある。
これに対し、図10は、本実施形態に係る導光部200の構成の一例を説明する図であり、図11は導光部200の主な諸元の一例を示す図である。
導光部200では、光源部11から射出されたレーザ光がカップリングレンズ112と結像レンズ116の間における収束位置300で収束するように構成されている。
発光部の大きさδLDが40μmの場合、像高差δMEは2μmとなり、比較例と比較して十分小さい。この構成により、発光素子111の発光部の大きさによらず、走査ミラー150の面積内にレーザ光束径φRを収めつつ、アパーチャ113の直径を大きくできる。その結果、レーザ光の光利用効率を高めることができ、虚像輝度を確保するとともに、スクリーン30上でのビーム直径の品質を確保できるようになっている。
なお、収束位置300では、収束しさえすれば良好な収束(結像)性能が得られる必要はなく、球面収差、コマ収差、像面湾曲、非点収差等が発生してもよい。
像高差δMEは、光学系の倍率関係に基づき、以下の(1)式で表される。
Figure 2021144131
虚像の輝度やスクリーン上のビームスポット径の小径化を考えると、少なくとも走査ミラー150の大きさ(長さ)の半分以下に像高差δMEを抑えたほうが好ましい。従って、以下の(2)式を満足すると好適である。
Figure 2021144131
図10では、アパーチャ113をカップリングレンズ112の直後(結像レンズ116側)に配置する例を示したが、これに限定されるものではない。発光素子111からカップリングレンズ112の間、又は結像レンズ116から走査ミラー150の間等にアパーチャ113を配置することもできる。
結像レンズ116から走査ミラー150の間ではレーザ光は平行光束に近いため、ここにアパーチャ113を配置すると、アパーチャ113の直径の加工ばらつきによる光量変化やビームスポット径の変化が小さくなり、ロバスト性が上がるため、より好適である。
またカップリングレンズ112の直後に配置すると、例えば発光素子111としてR、G、Bの3つの発光素子111R,111G,111Bを配置する場合に、アパーチャ113の直径をそれぞれの発光素子111に合わせて設計可能となって設計が容易となる。
<導光部200の作用効果>
次に、導光部200の作用効果について説明する。
車両等の前景に警報や情報重畳表示することで、運転者が少ない視線移動で警報や情報を認識させるヘッドアップディスプレイ等の表示装置の技術開発が進んでいる。特に、ADAS(Advanced Driving Assistance System)という言葉に代表される車載センシング技術の進展に伴い、車両はさまざまな走行環境情報および車内乗員の情報を取り込むことができるようになっており、それらの情報を運転者に伝える「ADASの出口」としてもヘッドアップディルプレイは注目されている。
ヘッドアップディスプレイの投射方式として、液晶やDMD(Digital Micromirror Array)のようなイメージングデバイスで中間像を表現する「パネル方式」と、レーザ等の発光素子から射出されたレーザ光を2次元走査し中間像を形成する「レーザ走査方式」が挙げられる。
従来は、ビームモードがシングルモードのレーザを光源として、レーザ走査方式のヘッドアップディスプレイを設計する技術が主流であった。しかし今後、レーザ走査の広画角化が進むと、シングルモードのビームでは描画密度が低下して、表示される虚像の輝度を確保できない場合がある。そのため、シングルモードレーザに対して発光部の面積が大きいマルチモードレーザ等のレーザ光源が要求されると考えられる。
一方、ヘッドアップディスプレイの虚像距離及び画角を満たすために必要な振れ角及び共振周波数を有する走査ミラーの大きさは、一般に1mm四方程度である。従って発光部の面積が大きい光源からの光を走査ミラー上に光束を効率的に収めることが求められている。
本実施形態では、発光素子111と走査ミラー150との間に、発光素子111の射出するレーザ光を走査ミラー150に導光するカップリングレンズ112と結像レンズ116とを設け、カップリングレンズ112と結像レンズ116の間でレーザ光が収束するように構成する。
これにより、像高差δMEを十分小さくでき、発光素子111の発光部の大きさδLDによらずに、走査ミラー150の面積内にレーザ光の光束径φRを収めつつ、アパーチャ113の直径を大きくできる。アパーチャ113の直径を大きくすることで、レーザ光の光利用効率を高め、虚像輝度を確保するとともに、スクリーン30上でのビーム直径の品質を確保できる。換言すると、マルチモードレーザ等の発光部の面積が大きい光源を用いる場合に表示画像としての虚像の輝度を確保することができる。
なお、本実施形態では、カップリングレンズ112と結像レンズ116の間でレーザ光を収束させる例を示したが、これに限定されるものではない。結像レンズ116に代えてミラーを備え、カップリングレンズ112とミラーの間でレーザ光を収束させてもよい。結像レンズ116を用いないため、結像レンズ116での屈折による色収差を防ぎ、表示される虚像の品質をより向上させることができる。なお、このミラーは平面であっても曲面であってもよい。またこの場合のカップリングレンズ112は、集光素子の一例であり、ミラーは偏向素子の一例である。
また本実施形態では、光源部11とスクリーン30との間に、シリンダミラー20を設けている。これにより、光源部11から射出されるレーザ光の光束の直径が、非点収差やマルチモードにより直交方向で異なる場合にも、レーザ光の光束の直径を補正により直交方向で合わせることが容易になる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る導光部200aについて説明する。
図12は、導光部200aの構成の一例を説明する図であり、図13は導光部200aの主な諸元の一例を示す図である。
図12に示すように、導光部200aは、走査ミラー150とスクリーン30との間に集光部250を備えている。
集光部250は、正のパワーを有し、走査ミラー150により走査されるレーザ光をスクリーン30上に集光する機能を有する。集光部250は、レンズで構成されてもよいし、ミラーで構成されてもよいし、これらを組み合わせて構成されてもよい。
ここで、図12におけるφsはスクリーン30上でのレーザスポット径を示している。また図13におけるf3は集光部250の焦点距離を表し、t6は走査ミラー150と集光部250との間隔、t7は集光部250とスクリーン30との間隔を意味する。
集光部250を備えることで、発光素子111からスクリーン30までの光学系の倍率を下げられるため、スクリーン30上のレーザスポット直径を小さくできる。これにより、スクリーン30による拡散光同士の重複領域を小さくでき、重複領域での拡散光の干渉によるスペックルノイズを低減できる。そして、スペックルノイズを抑えた視認性の良好な虚像を表示することができる。
これ以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1 HUD(表示装置の一例)
10 光照射部
11 光源部
15 光偏向器
150 走査ミラー(偏向面の一例)
30 スクリーン(被走査面の一例)
40 凹面ミラー(投射部に一例)
50 フロントガラス(被投射面の一例)
111R,111G,111B 発光素子
112R,112G,112B カップリングレンズ(導光素子の一例)
113R,113G,113B アパーチャ
115 合波素子
116 結像レンズ(導光素子の一例)
200 導光部
250 集光部
300 収束位置
δME 像高差
φR レーザ光束径
δLD 発光部の大きさ
φs スクリーン上でのレーザスポット径
特許6617945号公報

Claims (8)

  1. 光を射出する光源部と、
    前記光源部の射出光を偏向させる偏向面を有し、前記偏向面を駆動させて前記射出光を被走査面で走査する光偏向器と、
    前記光源部と前記偏向面との間に設けられ、前記射出光を前記偏向面に導光する複数の導光素子と、を備え、
    前記射出光は前記複数の導光素子の間で収束する
    表示装置。
  2. 前記複数の導光素子は、集光素子と、偏向素子と、を含み、
    前記射出光は前記集光素子と前記偏向素子の間で収束する
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 正のパワーを有し、前記光偏向器による被走査光を前記被走査面に集光する集光部を備える
    請求項1、又は2に記載の表示装置。
  4. 前記光源部と前記被走査面との間に、直交する2方向で曲率が異なる光学面を備える
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示装置。
  5. 前記光源部は、マルチビームモードのレーザ光を射出するレーザを含む
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示装置。
  6. 以下の(1)式及び(2)式を満足し、
    Figure 2021144131
    Figure 2021144131
    H1は前記複数の導光素子の合成光学系における像側主点と前記偏向面の間の光路長、H2は前記光源部と前記偏向面の間の光路長、δLDは中心光強度の1/(e)以上の光強度の前記射出光を射出可能な領域の大きさ、δMEは前記光源部における発光部の両端でそれぞれ射出されたレーザ光の主光線が前記偏向面に入射する像高差、である
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示装置。
  7. 前記光偏向器により前記被走査面に形成される画像を被投射面に投射する投射部を備える
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示装置を備える
    移動体。
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