JP6792188B2 - 光走査装置及び画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光走査装置及び画像表示装置に関する。
近年、例えば画像表示等に用いられる光走査装置の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、光を光偏向器で偏向して光走査する光走査装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、光走査を安定して行うことに関して改善の余地があった。
本発明は、有効走査領域とその周辺領域を含む走査範囲を光走査する光走査装置であって、光源を含む光源装置と、前記光源装置からの光を偏向する光偏向器と、前記光源及び前記光偏向器を制御する制御系と、を備え、前記制御系は、前記有効走査領域を光走査するときの前記光偏向器への照射光量である第1の照射光量の変化に応じて、前記周辺領域を光走査するときの前記光偏向器への照射光量である第2の照射光量を変化させ、前記周辺領域には、前記第2の照射光量を調整するための光が走査される少なくとも1つの調整用走査領域が存在し、該調整用走査領域は遮光性を有することを特徴とする光走査装置である。
本発明によれば、光走査を安定して行うことができる。
一実施形態のHUD装置の概略構成を示す図である。 HUD装置の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。 HUD装置の機能ブロック図である。 HUD装置の光源装置について説明するための図である。 HUD装置の光偏向器について説明するための図である。 光偏向器のミラーと走査範囲の対応関係を示す図である。 一実施形態における走査範囲内の各領域について説明するための図である。 実施例1における照射光量1:∫Pa(t)dt、照射光量2:∫Pb(t)dt、総照射光量:∫P(t)dtの変化を示すグラフである。 実施例2における照射光量1:∫Pa(t)dt、照射光量2:∫Pb(t)dt、総照射光量:∫P(t)dtの変化を示すグラフである。 比較例における照射光量1:∫Pa(t)dt、照射光量2:∫Pb(t)dt、総照射光量:∫P(t)dtの変化を示すグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例の総照射光量:∫P(t)dtの変化を示すグラフである。 変形例1における走査範囲内の各領域について説明するための図である。 変形例2における走査範囲内の各領域について説明するための図である。
以下に、一実施形態の画像表示装置としてのHUD装置100について図面を参照して説明する。なお、「HUD」は「ヘッドアップディスプレイ」の略称である。
図1には、本実施形態のHUD装置100の全体構成が概略的に示されている。
《HUD装置の全体構成》
ところで、ヘッドアップディスプレイの投射方式は、液晶パネル、DMDパネル(デジタルミラーデバイスパネル)、蛍光表示管(VFD)のようなイメージングデバイスで中間像を形成する「パネル方式」と、レーザ光源から射出されたレーザビームを2次元走査デバイスで走査し中間像を形成する「レーザ走査方式」がある。特に後者のレーザ走査方式は、全画面発光の部分的遮光で画像を形成するパネル方式とは違い、各画素に対して発光/非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。
そこで、HUD装置100では「レーザ走査方式」を採用している。無論、投射方式として上記「パネル方式」を用いることもできる。
HUD装置100は、一例として、車両、航空機、船舶、産業用ロボット等の移動体に搭載され、該移動体のフロントウインドシールド50(図1参照)を介して該移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば移動体の速度、進行方向、目的地までの距離、現在地名称、移動体前方における物体の有無や位置、制限速度等の標識、渋滞情報などの情報)を視認可能にする。この場合、フロントウインドシールド50は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。以下では、HUD装置100がフロントウインドシールド50を備える、車両としての自動車に搭載される例を、主に説明する。
HUD装置100は、図1に示されるように、光源装置11、光偏向器15及び走査ミラー20を含む光走査装置10と、スクリーン30と、凹面ミラー40とを備え、フロントウインドシールド50に対して画像を形成する光(画像光)を照射することにより、視認者A(ここでは自動車の乗員である運転者)の視点位置から虚像Iを視認可能にする。つまり、視認者Aは、光走査装置10によりスクリーンに形成(描画)される画像(中間像)を、フロントウインドシールド50を介して虚像Iとして視認することができる。
HUD装置100は、一例として、自動車のダッシュボードの下方に配置されており、視認者Aの視点位置からフロントウインドシールド50までの距離は、数十cmから精々1m程度である。
ここでは、凹面ミラー40は、虚像Iの結像位置が所望の位置になるように、一定の集光パワーを有するように既存の光学設計シミュレーションソフトを用いて設計されている。
HUD装置100では、虚像Iが視認者Aの視点位置から1m以上かつ10m以下(好ましくは6m以下)の位置(奥行位置)に表示されるように、凹面ミラー40の集光パワーが設定されている。
なお、通常、フロントウインドシールドは、平面でなく、僅かに湾曲している。このため、凹面ミラー40とフロントウインドシールド50の曲面により、虚像Iの結像位置が決定される。
光源装置11では、画像データに応じて変調されたR,G,Bの3色のレーザ光が合成される。3色のレーザ光が合成された合成光は、光偏向器15の反射面に導かれる。偏向手段としての光偏向器15は、半導体製造プロセス等で作製された2軸のMEMSスキャナであり、直交する2軸周りに独立に揺動可能な単一の微小ミラーを含む。光源装置11、光偏向器15の詳細は、後述する。
光源装置11からの画像データに応じた光(合成光)は、光偏向器15で偏向され、走査ミラーで折り返されてスクリーン30に照射される。そこで、スクリーン30が光走査され該スクリーン30上に中間像が形成される。なお、凹面ミラー40は、フロントウインドシールド50の影響で中間像の水平線が上または下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように設計、配置されることが好ましい。
スクリーン30を介した光は、凹面ミラー40でフロントウインドシールド50に向けて反射される。フロントウインドシールド50への入射光束の一部はフロントウインドシールド50を透過し、残部の少なくとも一部は視認者Aの視点位置に向けて反射される。この結果、視認者Aはフロントウインドシールド50を介して中間像の拡大された虚像Iを視認可能となる、すなわち、視認者から見て虚像Iがフロントウインドシールド50越しに拡大表示される。
なお、フロントウインドシールド50よりも視認者Aの視点位置側に透過反射部材としてコンバイナを配置し、該コンバイナに凹面ミラー40からの光を照射するようにしても、フロントウインドシールド50のみの場合と同様に虚像表示を行うことができる。
《HUD装置の制御系のハードウェア構成》
図2には、HUD装置100の制御系のハードウェア構成を示すブロック図が示されている。HUD装置100の制御系は、図2に示されるように、FPGA600、CPU602、ROM604、I/F608、バスライン610、LDドライバ6111、MEMSコントローラ615を備えている。
FPGA600は、画像データに応じてLDドライバ6111を介して後述するLDを動作させ、MEMSコントローラ615を介して光偏向器15を動作させる。CPU602は、HUD装置100の各機能を制御する。ROM604は、CPU602がHUD装置100の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラムを記憶している。RAM606は、CPU602のワークエリアとして使用される。I/F608は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続される。
《HUD装置の機能ブロック》
図3には、HUD装置の機能を示すブロック図が示されている。HUD装置は、図3に示されるように、車両情報入力部800、外部情報入力部802、画像データ生成部804及び画像描画部806を備えている。車両情報入力部800には、CAN等から車両の情報(速度、走行距離、対象物までの距離、外界の明るさ等の情報)が入力される。外部情報入力部802には、外部ネットワークから車両外部の情報(GPSからのナビ情報等)が入力される。画像データ生成部804は、車両情報入力部800及び外部情報入力部802から入力される情報に基づいて、描画すべき画像の画像データを生成し、FPGA600に送る。画像描画部806は、制御部8060を備え、該制御部8060は、FPGA600に画像描画を開始もしくは終了させるための制御信号を送信する。
《光源装置の構成》
図4には、光源装置11の構成が示されている。光源装置11は、図4に示されるように、単数あるいは複数の発光点を有する複数の発光素子111R、111B、111Gを含む。各発光素子は、LD(レーザダイオード)であり、互いに異なる波長λR、λG、λBの光束を放射する。例えばλR=640nm、λG=530nm、λB=445nmである。LD111R、111G、111Bから放射された波長λR、λG、λBの光束は、対応するカップリングレンズ112R、112G、112Bにより後続の光学系にカップリングされる。カップリングされた光束は、対応するアパーチャ部材113R、113G、113Bにより整形される。各アパーチャ部材の開口形状は、光束の発散角等に応じて円形、楕円形、長方形、正方形等、様々な形状とすることができる。その後、対応するアパーチャ部材で整形された光束は、合成素子115により光路合成される。合成素子115は、プレート状あるいはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じて光束を反射/透過し、1つの光路に合成する。合成された光束は、レンズ119により光偏向器15の反射面に導かれる。レンズ119は、光偏向器15側に凹面が向くメニスカスレンズである。
《光偏向器の構成》
図5には、光偏向器15の構成が示されている。光偏向器15は、半導体プロセスにて製造された2軸のMEMSスキャナであり、図5に示されるように、反射面を有するミラー150と、X軸方向に並ぶ複数の梁を含み、隣り合う2つの梁が折り返し部を介して蛇行するように接続された一対の蛇行部152とを有する。各蛇行部152の隣り合う2つの梁は、梁A(152a)、梁B(152b)とされ、枠部材154に支持されている。複数の梁には、複数の圧電部材156(例えばPZT)が個別に設けられている。各蛇行部の隣り合う2つの梁の圧電部材に異なる電圧を印加することで、該蛇行部の隣り合う2つの梁が異なる方向に撓み、それが蓄積されて、ミラー150がX軸周り(=垂直方向)に大きな角度で回転することになる。このような構成により、X軸を中心とした垂直方向の光走査が、低電圧で可能となる。一方、Y軸を中心とした水平方向では、ミラー150に接続されたトーションバーなどを利用した共振による光走査が行われる。
HUD装置100からは、瞬間的にはレーザビーム径に相当する点像しか投射されないが、非常に高速に走査させるため、一フレーム画像内では十分に人間の目に残像が残っている。この残像現象を利用することで、運転者には、あたかも「表示エリア」に像を投射させているように知覚される。実際には、スクリーンに映った像が、凹面ミラー40とフロントウインドシールド50によって反射されて運転者に「表示エリア」において虚像として知覚される。このような仕組みであるので、像を表示させない場合は、LDの発光を停止すれば良い。つまり、「表示エリア」において虚像が表示される箇所以外の箇所の輝度を実質0にすることが可能となる。
すなわち、HUD装置100による虚像の結像位置は、該虚像を結像可能な所定の「表示エリア」内の任意の位置となる。この「表示エリア」は、HUD装置の設計時の仕様で決まる。
このように、「レーザ走査方式」を採用したことにより、表示したい部分以外では、表示の必要がないためLDを消灯したり、光量を低下させたりするなどの措置を取ることができる。
これに対して、例えば液晶パネル及びDMDパネルのようなイメージングデバイスで中間像を表現する「パネル方式」では、パネル全体を照明する必要があるため、画像信号としては非表示とするために黒表示であったとしても、液晶パネルやDMDパネルの特性上、完全には0にし難いため、黒部が浮き上がって見えることがあったが、レーザ走査方式ではその黒浮きを無くすことが可能となる。
ところで、光源装置11の各発光素子は、FPGA600によって発光強度や点灯タイミング、光波形が制御され、LDドライバ6111によって駆動され、光を射出する。各発光素子から射出され光路合成された光は、図6に示されるように、光偏向器15によってX軸周り、Y軸周りに2次元的に偏向され、走査ミラー20(図1参照)を介して走査光としてスクリーン30に照射される。すなわち、走査光がスクリーン30上で2次元走査される。なお、図6では、走査ミラー20の図示が省略されている。
走査光は、走査範囲内に設置されるスクリーン30上を、2〜4万Hz程度の速い周波数で主走査方向に振動走査(往復走査)されつつ、数十Hz程度の遅い周波数で副走査方向に片道走査される。すなわち、ラスタースキャンが行われる。この際、走査位置(走査光の位置)に応じて各発光素子の発光制御を行うことで画素毎の描画、虚像の表示を行うことができる。
レーザ走査型HUDでは、背景に重畳して画像表示するため、表示画像の輝度は背景の輝度に対して適切な値にする必要がある。
そして、車載用HUDは、時間帯や天候や周辺環境(例えばトンネルへの出入り、路面状況など)のような明暗の変化がある環境での使用が想定されるため、表示画像の輝度のダイナミックレンジは広いことが求められる。また、車載用HUDでは、必要に応じて画像の表示/非表示を切り替えるなど、画面中の表示面積の移り変わりが大きい。
これらの要因から、レーザ走査型の車載用HUDにおいて、MEMSスキャナ(光偏向器)に対する照射光量の変化の幅は非常に大きなものとなる。
一方、MEMSスキャナは温度変化に対して共振周波数が変化するなど、環境の影響を受けやすくフィードバック制御が必要となる。フィードバック制御のための検出方法としては、走査ビームを検出する方式が一般的に用いられる。
ところで、MEMSスキャナに温度変化を与える外的要因として一般的なものに雰囲気温度がある。しかし、より高精度にMEMS制御を行い高画質化するためには、MEMSスキャナに対するレーザ光の照射光量変化による温度変化が無視できない。この照射光量変化の要因としては、上記のような広い表示輝度範囲や、表示面積の変化が直接関係する。しかも、輝度変化や表示面積変化は動的に起こるものであるため、環境温度変化に対して照射光量変化の方が単位時間当たりの変化率は大きい。従って、短時間でMEMS特性(ミラーの可動特性)が変化するため制御しにくく、画像サイズが変わる、位置がずれる、像がぶれるなど画像が乱れ、煩わしく感じるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、本実施形態では、スクリーン30に対する光走査に工夫を凝らしている。
詳述すると、図7に示されるように、スクリーン30は、画像が描画される(画像データに応じて変調された光が照射される)画像領域(有効走査領域)を有し、フレーム35(枠部材)に嵌め込まれ保持されている。フレーム35は、スクリーン30の周辺に、2つの照射光量調整領域1、2を有し、かつ2つの走査光検出部1、2が設けられている。以下では、スクリーン30の主走査方向をα方向とし、副走査方向をβ方向として説明する。図7には、走査範囲における走査線の軌跡がジグザグ線によって示されている。このジグザグ線のうち実線は画像領域走査時の走査線を表し、破線は非画像領域走査時の走査線を表す。なお、図7においては、走査線の本数を、便宜上、実際よりも少なくしている。
「走査範囲」は、光偏向器15によって走査しうる全範囲を示す。ここでは、走査範囲は、スクリーン30とフレーム35を併せた範囲に対応する長方形とされているが、光走査装置10の走査特性によっては台形や扇形に歪む場合もある。特に光偏向器15で偏向された光をスクリーン30に直接照射する場合は歪むことは不可避である。
スクリーン30は、例えばマイクロレンズアレイ等の光拡散効果を持つ素子を有する透過型のスクリーンである。スクリーン30の画像領域は、矩形、あるいは平面である必要はなく、多角形や曲面であっても構わない。また、スクリーン30は、光拡散効果を持たない平板や曲板であっても良い。また、スクリーン30は、装置レイアウトによっては例えばマイクロミラーアレイ等を持つ反射型のスクリーンとすることもできる。
画像領域は、中間像が描画される領域である。ここでは、画像領域は矩形とされているが、これに限らず、小型化のため、表示する図形に合わせて必要最小限にすることができる。
各走査光検出部は、光偏向器15の動作を検出するために設けられ、信号領域に光が照射されることで走査タイミング(ビームの走査位置)を検出し、環境や経時変化に伴う光偏向器15の特性変化を制御して一定の画質を保つために用いられる。走査光検出部としては、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光検出器を利用可能である。
ここでは、走査光検出部1はスクリーン30の−α側かつ+β側の隅部に設置され、走査光検出部2はスクリーン30の+α側かつ+β側の隅部に設置されている。各走査光検出部は、該走査光検出部の信号領域に走査光が入射されると信号を出力する。
各走査光検出部の出力信号は、FPGA600に送られる。FPGA600は、各走査光検出部の出力信号と画像データに基づいて色毎の変調信号(パルス信号)を生成し、LDドライバ6111に送る。LDドライバ6111は、色毎の変調信号に応じた駆動電流を該色に対応する発光素子に印加する。これにより、画像データに応じたカラー画像(中間像)がスクリーン30に描画される。
照射光量調整領域1、2は、画像の種類や画像の輝度によらずに、光偏向器15への照射光量の変化を抑制するために用いられる。各照射光量調整領域は、後述するように光が照射されるため、該光がユーザの視界に到達しないように遮光されている必要がある。さらに、各照射光量調整領域で不要な散乱光の発生を抑制するために、該照射光量調整領域を光吸収性を有する材料でコーティングすることが好ましい。
ここでは、照射光量調整領域1はスクリーン30における画像領域の−α側の所定領域であり、照射光量調整領域2はスクリーン30における画像領域の+α側の所定領域である。
以下に、画像領域、照射光量調整領域1、2を走査するときの光偏向器15への照射光量について説明する。「照射光量」は、照射対象に照射される光の強度の時間積分値を意味し、発光素子の発光強度(出力)と発光時間によって概ね決まる。照射光量は、「積分光量」とも呼ばれる。
ここで、1画面を描画する時間、すなわち1フレーム分の走査時間(2次元走査の1周期)は、上記のように副走査周期が数十Hzであることから、数十msecとなる。例えば主走査周期20000Hz、副走査周期を50Hzとすると、1フレーム分の走査時間は20msecとなる。
レーザ光照射による光偏向器の温度上昇は、光偏向器の駆動に対して比較的緩やかにおきる。そのため、μsecやnsecオーダーの時間変化は考慮する必要がない。
本実施形態では、走査範囲を光走査する時間(例えば走査範囲を少なくとも1回光走査する時間:2次元走査の1周期の整数倍)を、画像領域を光走査する第1の時間及び非画像領域を光走査する第2の時間をそれぞれが含む連続する複数の時間帯t1〜tnに分け、該複数の時間帯のうち任意の時間帯t(1≦k≦n)において光偏向器15に照射される光の強度Pa(t)の時間積分値∫Pa(t)dtである照射光量1の変化に応じて、照射光量調整領域1、2の少なくとも一方に照射される光の強度Pb(t)の時間積分値∫Pb(t)dtである照射光量2を変化させる。
ここでは、FPGA600が、LDドライバ6111を介して各発光素子の発光強度と発光時間を制御することにより、照射光量1、2を変化させる。具体的には、FPGA600は、上記変調信号を用いて各発光素子を駆動することにより照射光量1を変化させ、発光強度をパルス振幅とし発光時間をパルス幅とする照射光量調整信号(パルス信号)を用いて照射光量2を変化させる。なお、照射光量調整信号は、1パルスでも良いし、複数パルスでも良い。
時間帯tの長さは、画像領域を光走査する第1の時間及び非画像領域を光走査する第2の時間を含む任意の時間に設定することができる。具体的には、時間帯tの長さは、例えば1フレーム分の走査時間以上の時間としても良いし、1フレーム分の走査時間未満の時間としても良い。より具体的には、時間帯tの長さは、例えば1フレーム分の走査時間内において主走査方向への片道走査や往復走査を少なくとも1回行う時間であっても良いし、例えば1フレーム分の走査時間の整数倍や半整数倍の時間であっても良い。また、時間帯tの長さは、時間帯間で同一であっても良いし、異なっていても良い。
なお、走査範囲を光走査する時間は、少なくとも画像領域を走査する第1の時間及び非画像領域を光走査する第2の時間をそれぞれが含む連続する複数の時間帯を持つ任意の時間に設定することができる。いずれにしても、各時間帯の長さによって走査範囲を光走査する時間の分割数(時間帯の数n)が決まる。
《実施例1》
図8のグラフを用いて、実施例1を説明する。図8の横軸は、1フレーム分の走査時間(2次元走査の1周期)を例えば14分割して得られた連続する14個の時間帯tk(1≦k≦14)で単位が任意である。図8の縦軸は、光偏向器への照射光量で単位は任意である。すなわち、図8では、連続する2つの時間帯t、tk+1(1≦k≦13)での照射光量を表すプロットを繋いで照射光量の変化を示している。ここでは、各時間帯tは、tを除いて長さが同一であり、具体的には主走査方向に片道走査を所定回行うのに要する時間に相当する。なお、時間帯tは、走査光検出部1、2と、画像領域と、照射光量調整領域1、2の少なくとも一方とを光走査する時間、すなわち走査光検出部1、2と、画像領域と、照射光量調整領域1、2の少なくとも一方とに光を照射する時間を含む時間帯である。時間帯t〜t14は、それぞれ画像領域と、照射光量調整領域1、2の少なくとも一方とを光走査する時間、すなわち画像領域、照射光量調整領域1、2の少なくとも一方とに光を照射する時間を含む時間帯である。
図8に示される∫P(t)dtは、∫Pa(t)dt+∫Pb(t)dtを表し、各時間帯tにおける光偏向器15への照射光量の総和(以下では「総照射光量」とも呼ぶ)である。すなわち、各時間帯tにおいて、総照射光量=照射光量1+照射光量2である。図8において、照射光量1:∫Pa(t)dtは、時間帯t〜tでは徐々に上昇し、時間帯t〜tでは一定となり、時間帯t〜tでは急速に低下し、時間帯t以降では安定する。
そこで、実施例1では、照射光量2:∫Pb(t)dtを、照射光量1:∫Pa(t)dtの変化に対して、略逆位相(横軸に平行な直線に関して略線対称)の挙動になるよう制御する(変化させる)。この結果、総照射光量∫P(t)dtは、kによらず常に略一定(変動量が略0)になるため、光偏向器15は照射光量変化による特性変化をほとんど起こさない。
図8に示されるように総照射光量:∫Pb(t)dtを制御するためには、図7の照射光量調整領域1、2が走査されるときの光偏向器15への照射光量を調整すれば良い。例えば図8の時間帯tでは∫Pa(t)dtが小さいため∫Pb(t)dtを大きくし、時間帯tでは∫Pa(t)dtが大きいため∫Pb(t)dtを小さくする。
図8に示される実施例1によれば、光偏向器15における照射光量変化が略0であり特性変化がほとんど起きないので、光偏向器15の極めて安定な動作が可能である。
なお、総照射光量:∫P(t)dtが厳密に一定でなくても、つまり総照射光量:∫P(t)dtがある程度変化しても、その変化幅が光偏向器15の特性変動を抑制できる範囲内であれば、実施例1と同等の効果を得ることができる。そこで、実施例1を拡張して、総照射光量:∫P(t)dtは、概ね一定であることが好ましい。
しかしながら、総照射光量:∫P(t)dtを概ね一定にするためには、上述のように輝度のダイナミックレンジが広いため、光源(発光素子)を常に高出力で点灯する必要がある。この場合、光源の寿命に影響を及ぼすことが懸念される。また、常に高強度の光が光偏向器15に照射されるため、散乱光強度も常に高い値で出てしまい、画像のコントラストが低下し、視認性に影響を及ぼすことが懸念される。
そこで、実施例1に対して、光源の寿命や画像のコントラストに配慮しつつ光偏向器15の安定動作を可能とする構成例として図9に示される実施例2を説明する。
《実施例2》
実施例2は、総照射光量:∫P(t)dtの値を常には高くならないように抑える例である。こここでは、照射光量2:∫Pb(t)dtを低減することによって、総照射光量:∫P(t)dtが一定にはならないが、照射光量1:∫Pa(t)dtのみの変化に比べて、総照射光量:∫P(t)dtの変化幅を小さくすることができる。この場合、総照射光量:∫P(t)dtの変化幅を極力小さくすることが好ましい。
図9に示される実施例2によれば、光源の寿命低下や画像のコントラスト低下を抑制しつつ、実施例1よりは若干劣るものの光偏向器15の安定動作が可能となる。
なお、実施例2でも、総照射光量:∫P(t)dtの変化幅を光偏向器15の特性変動を抑制できる範囲内に制御することで、実施例1と同等の光偏向器15の安定動作が可能となる。
図10には比較例が示されている。比較例では、総照射光量:∫Pb(t)dtが低強度で常に略一定であり、総照射光量:∫P(t)dtは、照射光量1:∫Pa(t)dtにkによらず常にほぼ一致する。すなわち、総照射光量:∫P(t)dtの変化幅が大きい。このため、上記指摘した問題が発生する。
図11には、実施例1、実施例2、比較例の総照射光量:∫P(t)dtが示されている。比較例に対して、実施例1では光偏向器15に対する総照射光量の変化がほとんどなく、実施例2では総照射光量の変化幅が低減していることが分かる。
以上説明した本実施形態の光走査装置10は、有効走査領域(画像領域)とその周辺領域(非画像領域)を含む走査範囲を光走査する光走査装置であって、複数の光源(発光素子111R、111G、111B)を含む光源装置11と、該光源装置11からの光を偏向する光偏向器15と、複数の光源及び光偏向器15を制御するFPGA600、LDドライバ6111及びMEMSコントローラ615を含む制御系と、を備え、該制御系は、有効走査領域(画像領域)を光走査するときの光偏向器15への照射光量である第1の照射光量(照射光量1:∫Pa(t)dt)の変化に応じて、周辺領域を光走査するときの光偏向器15への照射光量である第2の照射光量(照射光量2:∫Pb(t)dt)を変化させる。
この場合、光偏向器15への照射光量をコントロールできるため、光偏向器15の温度変化量を低減することができ、光偏向器15の短時間の特性変動が小さくなる。すなわち、光偏向器15の動作が不安定になるのを抑制できる。
この結果、走査を安定して行うことができる。
また、制御系は、複数の光源の出力を調整することにより、第1及び第2の照射光量を変化させることができる。
また、制御系は、複数の光源の点灯時間(発光時間)を調整することにより、第1及び第2の照射光量を変化させることができる。
なお、光源装置11と光偏向器15との間の光の透過率を調整する透過率調整手段を用いて、第2の照射光量を変化させても良い。
また、制御系は、第1の照射光量の増加に応じて第2の照射光量を減少させ、第1の照射光量の減少に応じて第2の照射光量を増加させることが好ましい。
この場合、光偏向器15に対する照射光量の変化を抑制することができ、走査をより安定して行うことができる。
また、制御系は、第1の照射光量の変化量が大きいほど第2の照射光量の変化量を大きくすることが好ましい。
この場合、光偏向器15に対する照射光量の変化を抑制することができ、走査をより安定して行うことができる。
また、制御系は、第1の照射光量が全体として増加方向及び減少方向の一方に凸となるように変化するとき、第2の照射光量を全体として増加方向及び減少方向の他方に凸となるように変化させることが好ましい。
この場合、第1及び第2の照射光量の和(総照射光量)の変化幅を全体として小さくすることができる。
また、制御系は、第1の照射光量の変化が全体として単調増加及び単調減少の一方であるとき、第2の照射光量の変化を全体として単調増加及び単調減少の他方とすることが好ましい。
この場合、第1及び第2の照射光量の和(総照射光量)の変化幅を全体として小さくすることができる。
また、第1の照射光量の変化の軌跡と第2の照射光量の変化の軌跡は、略線対称であることが好ましい。
この場合、第1及び第2の照射光量の変化を略相殺することができ、第1及び第2の照射光量の和(総照射光量)の軌跡を概ね一定にできる。
また、第1の照射光量の変化の軌跡と第2の照射光量の変化の軌跡は、交わることが好ましいが、交わらなくても良い。交わる場合には、交わらない場合に比べて、第1及び第2の照射光量の和(総照射光量)を低く抑えることができる。なお、交わる場合の交点の数は1以上であれば良い。
また、第1及び第2の照射光量の和(総照射光量)の変化量は、第1の照射光量の変化量以下であることが好ましい。
また、第1及び第2の照射光量の和(総照射光量)の変化の軌跡の最大値と最小値の差は、第1の照射光量の変化の軌跡の最大値と最小値の差よりも小さいことが好ましい。
また、第2の照射光量を調整するための光が走査される、少なくとも1つの調整用走査領域(照射光量調整領域)が有効走査領域の周辺領域に存在することが好ましい。
また、走査範囲を光走査するときの、主走査方向の走査周期が主走査方向に略直交する副走査方向の走査周期よりも短く、少なくとも1つの調整用走査領域と有効走査領域は、少なくとも主走査方向に離間していることが好ましい。
この場合、走査範囲を小さくできるため、輝度を向上させることができる。
また、調整用走査領域は、周辺領域に複数存在する場合には、照射光量を調整する時間をより分散させることができる。
また、調整用走査領域が遮光性を有する場合には、不要な光がユーザの視界に入るのを抑制できる。
また、光走査装置10が、周辺領域に配置された複数の光検出器(走査光検出部)を更に備える場合には、走査タイミング(ビームの走査位置)を検出することができる。なお、走査範囲内の有効走査領域外に配置される光検出器の個数は、単数でも良いし、3つ以上でも良い。光検出器の個数を複数にすると単数の場合よりもコスト高となるが、走査タイミングを精度良く検出でき、またいずれかの光検出器に不具合が生じたときにも走査タイミングを検出できるメリットがある。また、走査タイミングを検出する手段として、走査光検出部を設ける代わりに、光偏向器のミラーの振れ角を検知する振れ角センサを設けても良い。
また、光検出器が調整用走査領域外に配置されている場合には、該光検出器に所望の光量の光を入射させることができる。具体的には、走査光が光検出器の信号領域に入射するときに光検出に適した所望の光量となるように各発光素子を制御し、走査光が調整用走査領域に入射するときにのみ、光偏向器15への照射光量を調整するようにしても良い。この場合、一時的に信号領域での光強度が画像領域の光強度の変化方向(増加方向又は減少方向)と同じになることが想定されるが、ごく短時間であるので、光偏向器15に対する照射光量にはほとんど影響しないと考えられる。
なお、光検出器を調整用走査領域に配置しても良いが、この場合には、光検出器に入射される光量が変化し検出精度が低下するおそれがある。
また、HUD装置100は、光走査装置10を備えているため、画質の劣化を低減できる。要するに、HUD装置100では、光偏向器15(MEMSスキャナ)に対する照射光量の変化による温度変化を低減し、MEMS特性の急峻な変化を抑制することにより、安定した画質を得ることができる。
また、HUD装置100が、光走査装置10からの光が照射される、有効走査領域を有するスクリーン30を更に備えるため、有効走査領域に中間像を安定して形成できる。
なお、スクリーンは、有効走査領域に加えて、その周囲に、調整用走査領域を有していても良いし、走査光検出部が設けられても良い。
また、有効走査領域と調整用走査領域と光検出器の少なくとも2つは、同一面内にあっても良いし、同一面内になくても良い。
また、HUD装置100は、スクリーン30を介した光をフロントウインドシールド50(透過反射部材)に投射する凹面ミラー40(投光部)を更に備えるため、スクリーン30を介した光をフロントウインドシールド50の所定領域に照射することができる。
また、HUD装置100と、該HUD装置100が搭載された移動体と、を備える移動体装置によれば、移動体の搭乗者に視認性の良い表示画像を提供できる。
なお、照射光量調整領域の数、大きさ、形状、配置は、適宜変更可能である。例えば、図12に示される変形例1では、画像領域の+β側(副走査方向の一側)に照射光量調整領域1、画像領域の−α側に照射光量調整領域2、画像領域の+α側に照射光量調整領域3を形成している。
変形例1では、上記実施形態に比べて、照射光量調整領域の数を増やした分、画像領域を主走査方向に挟む照射光量調整領域2、3の面積を小さくしている。
変形例1において、1フレーム分の走査時間を例えば14分割して得られる連続する14個の時間帯t〜t14のうち、時間帯tは、走査光検出部1、2と、照射光量調整領域1と、画像領域とを光走査する時間、すなわち走査光検出部1、2と、照射光量調整領域1と、画像領域とに光を照射する時間を含む時間帯であり、時間帯t〜t14は、それぞれ画像領域と、照射光量調整領域2、3の少なくとも一方とを光走査する時間、すなわち画像領域、照射光量調整領域2、3の少なくとも一方とに光を照射する時間を含む時間帯である。
また、図13に示される変形例2のように、画像領域の+α側に単一の照射光量調整領域を形成しても良い。ここでは、2つの走査光検出部1、2の位置も画像領域の+α側とされている。
変形例2では、上記実施形態に比べて、照射光量調整領域の数を減らした分、単一の照射光量調整領域の面積を大きくしている。
変形例2において、1フレーム分の走査時間を例えば14分割して得られる連続する14個の時間帯t〜t14のうち、時間帯tは、走査光検出部1、2と、照射光量調整領域と、画像領域とを光走査する時間、すなわち走査光検出部1、2と、照射光量調整領域と、画像領域とに光を照射する時間を含む時間帯であり、時間帯t〜t14は、それぞれ画像領域と照射光量調整領域とを光走査する時間、すなわち画像領域と照射光量調整領域とに光を照射する時間を含む時間帯である。
上記変形例1、2から分かるように、少なくとも1つの照射光量調整領域の総面積は、照射光量調整に必要最低限の面積以上であれば良い。
また、上記実施形態では、偏向手段として光偏向器15(2軸のMEMSスキャナ)を用いているが、1軸周りに揺動可能な微小ミラーを含むMEMSスキャナを2つ組み合わせたものを用いても良い。また、単一もしくは2つのスキャナとして、MEMSスキャナに代えて、例えばガルバノスキャナを用いても良い。スキャナを2つ組み合わせる場合も、上記実施形態と同様にして、各スキャナへの照射光量の変化を抑制することが好ましい。
また、上記実施形態では、投光部は、凹面ミラー40から構成されているが、これに限らず、例えば、凸面鏡から構成されても良い。
また、上記実施形態では、走査ミラー20を有しているが、有していなくても良い。すなわち、光偏向器15で偏向された光を、光路を折り返さずに、スクリーン30に直接照射もしくは凸面レンズを介して照射するようにしても良い。また、走査ミラー20として平面鏡を用いても良い。
また、上記実施形態では、光源としてLDを用いているが、例えばVCSEL(面発光レーザ)等の他のレーザ等を用いても良い。
また、透過反射部材は、移動体のフロントガラスに限らず、例えばサイドガラス、リアガラス等であっても良く、要は、透過反射部材は、移動体に設けられ、移動体の搭乗者が該移動体の外部を視認するための窓部材(ウインドシールド)であることが好ましい。
また、上記実施形態では、画像表示装置(HUD)は、例えば車両、航空機、船舶、産業用ロボット等の移動体に搭載用のものとして説明したが、要は、物体に搭載されるものであれば良い。なお、「物体」は、移動体の他、恒常的に設置されるものや運搬可能なものを含む。
また、本発明の画像表示装置は、移動体に搭載されるHUD装置のみならず、利用者が画像や虚像を観察することを目的とした例えばヘッドマウントディスプレイ装置、プロンプタ装置、プロジェクタ装置等の電子機器に適用可能である。
例えば、プロジェクタ装置に適用する場合には、該プロジェクタ装置をHUD装置100と同様に構成することができる。すなわち、凹面ミラー40を介した画像光を映写幕や壁面等に投影すれば良い。なお、凹面ミラー40を設けずにスクリーン30を介した画像光を映写幕や壁面等に投影しても良い。また、凹面ミラー40の代わりに自由曲面ミラーを設けても良い。
以上の説明から明らかなように、本発明の光走査装置、画像表示装置は、特に、明暗の変化が頻繁に急激に起こるような環境下での使用に特に有効である。
そこで、本発明の光走査装置は、例えば移動体に搭載されダイナミックレンジが要求されるレーザレーダに用いることもできる。
また、上記各実施形態に記載した具体的な数値、形状等は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更である。
以下に、発明者が、上記実施形態及び各変形例を発案するに至った思考プロセスを説明する。
従来、画像情報に基づく画像光を光走査手段により主走査方向及び副走査方向へ二次元的に走査して光発散部材上に中間像を形成し、その中間像を車両のフロントガラス等を含む光学系に向けて投光することで、ユーザの視野に重ねて画像(虚像)を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)等の画像表示装置が知られている。
HUDは車両などの移動体に搭載され運転時の視野に重ねて表示することから、運転環境に合わせた画像輝度の変化が必要となる。そのため幅広い表示輝度のダイナミックレンジに対応することが求められる。
HUDは背景に重畳して画像表示するため、表示画像の輝度は背景の輝度に対して適切な値にする必要がある。車載用HUDでは時間帯や天候、路面状況などさまざまな環境が想定されるため、表示輝度のダイナミックレンジは広いことが求められる。
HUDは必要に応じて表示/非表示を切り替えるなど、画面中の表示面積の移り変わりが大きい。これらの要因から、レーザ走査型HUDにおいて、MEMSに対する照射光量の変化の幅は非常に大きなものとなる。
一方、MEMSは温度変化に対して共振周波数が変化するなど、環境の影響を受けやすくフィードバック制御が必要となる。フィードバック制御のための検出方法としては、走査ビームを検出する方式が一般的に用いられる。
ところで、MEMSに温度変化を与える外的要因として一般的なものに雰囲気温度がある。しかし、より高精度にMEMS制御を行い高画質化するためには、レーザ光のMEMS照射量変化による温度変化が無視できない。レーザ光のMEMS照射量変化の要因としては、上記のような広い表示輝度範囲や、表示面積の変化が直接関係する。しかも、輝度変化や表示面積変化は動的に起こるものであるため、環境温度変化に対して照射量変化の方が時間当たりの変化率は大きい。従って、短時間でMEMS特性が変化するため制御しにくく、画像サイズが変わる、位置がずれる、像がブレるなど画像が乱れ、煩わしく感じるという問題がある。
11…光源装置、15…光偏向器、30…スクリーン、40…凹面ミラー(投光部)、50…フロントウインドシールド(透過反射部材)、100…HUD装置(画像表示装置)、111R、111G、111B…発光素子(光源)、600…FPGA(制御系の一部)、6111…LDドライバ(制御系の一部)、MEMSコントローラ615(制御系の一部)。
特開2015−049266号公報

Claims (14)

  1. 有効走査領域とその周辺領域を含む走査範囲を光走査する光走査装置であって、
    光源を含む光源装置と、
    前記光源装置からの光を偏向する光偏向器と、
    前記光源及び前記光偏向器を制御する制御系と、を備え、
    前記制御系は、前記有効走査領域を光走査するときの前記光偏向器への照射光量である第1の照射光量の変化に応じて、前記周辺領域を光走査するときの前記光偏向器への照射光量である第2の照射光量を変化させ
    前記周辺領域には、前記第2の照射光量を調整するための光が走査される少なくとも1つの調整用走査領域が存在し、該調整用走査領域は遮光性を有することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記制御系は、前記光源の出力を調整することにより、前記第1及び第2の照射光量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記制御系は、前記光源の点灯時間を調整することにより、前記第1及び第2の照射光量を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記制御系は、前記第1の照射光量の増加に応じて前記第2の照射光量を減少させ、前記第1の照射光量の減少に応じて前記第2の照射光量を増加させることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光走査装置。
  5. 前記制御系は、前記第1の照射光量の変化量が大きいほど前記第2の照射光量の変化量を大きくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記第1の照射光量の変化の軌跡と前記第2の照射光量の変化の軌跡は、略線対称であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記第1の照射光量と前記第2の照射光量の和の軌跡は、概ね一定であることを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
  8. 前記第1の照射光量と前記第2の照射光量の和の変化量は、前記第1の照射光量の変化量以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記第1の照射光量と前記第2の照射光量の和の変化の軌跡の最大値と最小値の差は、前記第1の照射光量の変化の軌跡の最大値と最小値の差よりも小さいことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置。
  10. 前記走査範囲を走査するときの、主走査方向の走査周期が主走査方向に略直交する副走査方向の走査周期よりも短く、
    少なくとも1つの前記調整用走査領域と前記有効走査領域は、少なくとも主走査方向に離間していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置。
  11. 前記調整用走査領域は、前記周辺領域に複数存在することを特徴とする請求項10に記載の光走査装置。
  12. 前記周辺領域に配置された少なくとも1つの光検出器を更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の光走査装置。
  13. 前記光検出器は、前記調整用走査領域に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の光走査装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光走査装置を備える画像表示装置。

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