JP2021012350A - 表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両 - Google Patents

表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2021012350A
JP2021012350A JP2019192441A JP2019192441A JP2021012350A JP 2021012350 A JP2021012350 A JP 2021012350A JP 2019192441 A JP2019192441 A JP 2019192441A JP 2019192441 A JP2019192441 A JP 2019192441A JP 2021012350 A JP2021012350 A JP 2021012350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light source
light
scanning
image
display device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019192441A
Other languages
English (en)
Inventor
陽一 市川
Yoichi Ichikawa
陽一 市川
由美子 岸
Yumiko Kishi
由美子 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to EP20184205.1A priority Critical patent/EP3764150A1/en
Publication of JP2021012350A publication Critical patent/JP2021012350A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Instrument Panels (AREA)

Abstract

【課題】均一の光で走査した際の被走査面における副走査方向(例えば二次元走査における水平走査方向)の端部又はその近傍の光量分布の均一性(均一度合い)を向上させ画質向上を図ることができる表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両を提供する。【解決手段】複数の小領域のうち、描画領域の主走査方向における中央部側に位置する小領域を第1の小領域、描画領域の主走査方向における端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、描画データにおける第1の小領域の輝度と第2の小領域の輝度とが同じである場合に、光源制御部は、二次元走査により、光源から第1の小領域へ照射される光の強度分布と光源から第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、光源を制御する。【選択図】図15

Description

本発明は、表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両に関する。
特許文献1には、スクリーン上に投影される画像の輝度むらを抑止するための制御装置が開示されている。この制御装置は、光源部と、反射部と、生成部と、調整部と、レーザ制御部とを有している。光源部は、レーザビームを照射する。反射部は、レーザビームを共振周波数に従って所定の方向に角度を変化させながら反射してスクリーン上に走査させる。生成部は、反射部によりスクリーン上で走査されるレーザビームの照射のタイミングを表す固定ピクセルクロックからなる第1のクロックを走査位置に応じた遅延時間だけ遅延させることで調整するための調整用情報を、レーザビームが走査される走査位置に基づいて生成する。調整部は、調整用情報に基づいて、第1のクロックを、遅延時間だけ遅延させた第2のクロックに調整する。レーザ制御部は、第2のクロックに同期して、レーザビームを画素として間欠的に照射させる。レーザ制御部は、第2のクロックに同期して、スクリーンに投影される画素毎に、レーザビームの光パワーの総和が同一となるように、走査位置毎に異なる光パワーと照射時間で、レーザビームを照射させる。
特開2014−095787号公報
しかしながら、特許文献1は、均一の光を走査しても、被走査面における副走査方向(例えば二次元走査における水平走査方向)の端部又はその近傍における光量分布が不均一となることについて改善の余地がある。より具体的に、特許文献1には、副走査方向の端部又はその近傍において、走査線に粗密が生じることにより、均一の光を走査しても被走査面における光量が周期的に増減することについて開示されていない。そして、被走査面において、副走査方向の一端部と他端部で交互に光走査が折り返される折り返し部分では相対的に光が密となり明るくなる一方、非折り返し部分では相対的に光が粗となり暗くなってしまうので、均一の光を走査しても被走査面における光量が周期的に増減ことにより光量分布の不均一となり、画質が低下することが懸念される。
本発明は、以上に基づいてなされたものであり、均一の光で走査した際の被走査面における副走査方向(例えば二次元走査における水平走査方向)の端部又はその近傍の光量分布の均一性(均一度合い)を向上させ画質向上を図ることができる表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両を提供することを目的とする。
本実施形態の表示装置は、光源から出射された光を、光偏向器を用いて走査することで、描画領域に描画データに基づく像を形成する表示装置であって、前記光源から出射される光の強度を制御する光源制御部と、前記光偏向器を制御する走査制御部と、を有し、前記光偏向器を用いた走査は、前記描画領域について、主走査方向と該主走査方向と直交する副走査方向とを走査する二次元走査であり、前記走査制御部は、前記光偏向器による前記二次元走査を、前記描画領域における前記主走査方向端部で折り返すことで、前記副走査方向の位置を異ならせながら前記主走査方向に複数の走査を行わせることで実施し、前記描画領域を、前記形成する像の解像度に基づき、同一形状かつ同一面積の複数の小領域に分割し、前記複数の小領域のうち、前記描画領域の前記主走査方向における中央部側に位置する小領域を第1の小領域、前記描画領域の前記主走査方向における端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、前記描画データにおける前記第1の小領域の輝度と前記第2の小領域の輝度とが同じである場合に、前記光源制御部は、前記二次元走査により、前記光源から前記第1の小領域へ照射される光の強度分布と前記光源から前記第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、前記光源を制御する、ことを特徴とする。
本実施形態の表示方法は、光源から出射された光を、光偏向器を用いて走査することで、描画領域に描画データに基づく像を形成する表示方法であって、前記光偏向器を用いた走査は、前記描画領域について、主走査方向と該主走査方向と直交する副走査方向とを走査する二次元走査であり、前記光偏向器による前記二次元走査を、前記描画領域における前記主走査方向端部で折り返すことで、前記副走査方向の位置を異ならせながら前記主走査方向に複数の走査を行わせることで実施する走査制御ステップと、前記描画領域を、前記形成する像の解像度に基づき、同一形状かつ同一面積の複数の小領域に分割し、前記複数の小領域のうち、前記描画領域の中央部側に位置する小領域を第1の小領域、前記描画領域の端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、前記描画データにおける前記第1の小領域の輝度と前記第2の小領域の輝度とが同じである場合に、前記二次元走査により、前記光源から前記第1の小領域へ照射される光の強度分布と前記光源から前記第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、前記光源を制御する光源制御ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、均一の光で走査した際の被走査面における副走査方向(例えば二次元走査における水平走査方向)の端部又はその近傍の光量分布の均一性(均一度合い)を向上させ画質向上を図ることができる表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両を提供することができる。
車両用HUD装置において、フロントガラス越しにユーザから見る自車両の前方風景に重ねて表示エリアに表示される虚像の一例を示す正面図である。 車両用HUD装置を搭載した自動車の構成を模式的に示す一部破断の模式側面図である。 車両用HUD装置の光学系の内部構成を模式的に示すブロック図である。 車両用HUD装置の制御系の内部構成を示すブロック図である。 車両用HUD装置及びその周辺装置の概略構成を示すブロック図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第1の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第2の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第3の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第4の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第5の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第6の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第7の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第8の図である。 従来のHUD装置による技術課題を示す第9の図である。 本実施形態による表示装置の構成の一例を示すブロック図である。 光源制御部による制御を受けた光量分布の一例を示す図である。 二次元走査における第1の小領域、第2の小領域の一例を示す図である。 中間像スクリーンの構成の一例を示す図である。 マイクロレンズアレイの出射側から見た中間像の一例を示す図である。 描画領域全体を均一の明るさとするために均一の走査光でマイクロレンズアレイを走査した際のマイクロレンズアレイの各マイクロレンズにおける光量と走査線軌跡との関係の一例を示す図(模式図)である。 描画領域全体を均一の明るさとするために光源からマイクロレンズアレイの各マイクロレンズに照射された光の強度分布について各マイクロレンズそれぞれの強度分布を互いに異ならせる場合の一例を示す図である。 マイクロレンズアレイの各マイクロレンズにおける光源からの光のパワーの総和を等しくさせる場合の一例を示す図(模式図)である。 マイクロレンズアレイの各マイクロレンズにおける光源からの光のパワーの総和をランダムに変化させる場合の一例を示す図(模式図)である。 複数のフレームを跨いで中間像の描画領域での光源からの光の強度分布を互いに異ならせる場合の第1の例を示す図である。 複数のフレームを跨いで中間像の描画領域での光源からの光の強度分布を互いに異ならせる場合の第2の例を示す図である。 複数のフレームを跨いで中間像の描画領域での光源からの光の強度分布を互いに異ならせる場合の第3の例を示す図である。 複数のフレームを跨いで光量制御と走査経路制御を行う場合の第1の例を示す図である。 複数のフレームを跨いで光量制御と走査経路制御を行う場合の第2の例を示す図である。 複数のフレームを跨いで光量制御と走査経路制御を行う場合の第3の例を示す図である。 複数のフレームを跨いで光量制御と走査経路制御を行う場合の第4の例を示す図である。 走査線単位での光量制御の一例を示す図である。 光源制御部が光源からの光の照射時間を変更させることにより光源からの光のパワーを変化させる場合の一例を示す図である。 光源制御部が光源からの光の強度を変更させることにより光源からの光のパワーを変化させる場合の一例を示す図である。 図15のブロック図に推定部を追加したものである。 推定部による推定手法の一例を示す図である。 投光部にルックアップテーブルを設けた表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1〜図5を参照して、表示装置を適用した車両用HUD装置の全体構成の一例について説明する。ここでは、表示装置1は、当該表示装置1による像を観察者の観察領域に投影し、車両のフロントガラス、コンバイナ又はウインドシールド越しに各種の像を虚像として観察者に表示する車両用のヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)装置に適用されている。
図1は、車両用HUD装置1において、フロントガラス302越しに運転者(ユーザ)300から見る自車両301の前方風景に重ねて表示エリアに表示される虚像の一例を示す正面図である。図2は、車両用HUD装置1を搭載した自動車の構成を模式的に示す一部破断の模式側面図である。図3は、車両用HUD装置1の光学系の内部構成を模式的に示すブロック図である。
図2に示すように、車両用HUD装置1は、例えば、移動体(走行体)である自動車(自車両301)のダッシュボード内に設置される。ダッシュボード内の車両用HUD装置1から発せられる画像光である投射光Lが光透過部材としてのフロントガラス302で反射され、視認者である運転者300に向かう。これにより、運転者300は、後述するナビゲーション画像等のHUD表示画像(像、表示像)を虚像Gとして視認することができる。なお、フロントガラス302の内壁面に光透過部材としてのコンバイナを設置し、このコンバイナによって反射する投射光Lによって運転者に虚像を視認させるように構成してもよい。なお、本明細書における「像、表示像」は、虚像に限定されず、視認対象である像が直接的に結像したものであってもよい。すなわち、本明細書における「像、表示像」は、運転者が視覚を通じて認識できるものであればよい。
フロントガラス302の車両内側上部に、車両用HUD装置1の表示情報及びその背景(フロントガラス302越しの風景)を撮影する前方撮影用カメラ110、虚像G(HUD表示画像)の周囲の環境光の明るさ及び色度を検出する環境光センサ(明るさ検出部)150が設けられる。ここでいう明るさには、輝度、照度、光度、全光束ならびにそれらの測定結果をもとに算出される値を含む。
車両用HUD装置1では、運転者300から虚像Gまでの距離が4m以上となるように、車両用HUD装置1の光学系等が構成されている。従来の一般的な車両用HUD装置は、運転者300から虚像Gまでの距離が2m程度であった。運転者300は、通常、車両前方の無限遠点から数十m先の先行車までを注視して運転している。このような遠方に焦点を合わせている運転者300が2m先の虚像Gを視認しようとする場合、焦点距離が大きく異なるので、眼球の水晶体を大きく動かす必要がある。そのため、虚像Gに焦点を合わせるまでの焦点調整時間が長くなり、虚像Gの内容を認識するまでに時間がかかるうえ、運転者300の眼球が疲労しやすいという不具合が生じる。また、虚像Gの内容を運転者が把握し辛く、虚像Gによって情報を運転者へ適切に提供する、という観点で改善の余地がある。
運転者300から虚像Gまでの距離が4m以上であれば、従来よりも、眼球の水晶体を動かす量が減り、虚像Gへの焦点調整時間を短縮して虚像Gの内容を早期に認識できるようになり、また運転者300の眼球の疲労を軽減することができる。さらには、虚像Gの内容を運転者300が把握しやすくなり、虚像Gによって情報を運転者300へ適切に提供することが容易になる。運転者300から虚像Gまでの距離が4m以上であれば、眼球をほとんど輻輳運動させることなく虚像Gに焦点を合わせることができる。したがって、運動視差を利用して距離感(知覚距離の変化)や奥行き感(知覚距離の違い)を知覚させる効果が眼球の輻輳運動によって薄まってしまうことが抑制される。よって、画像の距離感や奥行き感を利用した運転者の情報知覚効果を有効に発揮させることができる。
図3に示すように、車両用HUD装置1は、光学系230内に、赤色、緑色、青色のレーザ光をそれぞれ出射する光源としてのレーザ光源(第1、第2、第3のレーザ光源)201R、201G、201Bと、各レーザ光源に対して設けられるコリメータレンズ202、203、204と、2つのダイクロイックミラー205、206とを備える。車両用HUD装置1はさらに、光量調整部207と、光偏向器としての光走査装置208と、自由曲面ミラー209と、中間像形成部としてのマイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)210と、光反射部材としての投射ミラー211とから構成されている。光源ユニット220は、レーザ光源201R、201G、201B、コリメータレンズ202、203、204、ダイクロイックミラー205、206が、光学ハウジングによってユニット化されて構成されている。ここで、光源として、レーザ光源201R、201G、201B以外のものを用いることも可能である。また、中間像形成部として、マイクロレンズアレイ210以外の光学素子アレイを用いることも可能である。
レーザ光源201R、201G、201BとしてはLD(半導体レーザ素子)を用いる。赤色レーザ光源201Rから射出される光束の波長は例えば640nmであり、緑色レーザ光源201Gから射出される光束の波長は例えば530nmであり、青色レーザ光源201Bから射出される光束の波長は例えば445nmである。
車両用HUD装置1は、マイクロレンズアレイ210上に結像される中間像を自由曲面ミラー209を用いて自車両301のフロントガラス302に投射することで、その中間像の拡大画像を運転者300に虚像Gとして視認させる。レーザ光源201R、201G、201Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ202、203、204で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー205、206により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部207で光量が調整された後、光走査装置208のミラーによって二次元走査される。光走査装置208で二次元走査された走査光L’は、自由曲面ミラー209で反射されて歪みを補正された後、マイクロレンズアレイ210に集光され、中間像を描画する。
ここでは、中間像の画素(中間像の一点)ごとの光束を個別に発散させて出射する中間像形成部(光発散部材)として、マイクロレンズアレイ210を用いているが、他の光発散部材を用いてもよい。また、中間像G’の形成方法としては、液晶ディスプレイ(LCD)や蛍光表示管(VFD)を利用した方式でもよい。ただし、大きな虚像Gを高い輝度で表示させるには、レーザ走査方式が好ましい。
また、液晶ディスプレイ(LCD)や蛍光表示管(VFD)などを利用した方式では、虚像Gが表示される表示領域内の非画像部分にも僅かながら光が照射され、これを完全に遮断することが難しい。そのため、当該非画像部分における自車両301の前方風景の視認性が低下するというデメリットがある。これに対して、レーザ走査方式によれば、虚像Gの表示領域内の非画像部分については、レーザ光源201R、201G、201Bを消灯させることにより当該非画像部分に光が照射されるのを完全に遮断することができる。よって、当該非画像部分における自車両301の前方風景の視認性が車両用HUD装置1から照射される光によって低下する事態を回避でき、前方風景の視認性を良好に保てるというメリットがある。
更に、運転者に警告等を行うための警告画像の輝度を段階的に高めることで警告の度合いを強めるような場合、表示エリア700(図1)内に表示されている各種画像のうちの警告画像の輝度だけを段階的に高めるという表示制御が必要になる。このように表示エリア700内の一部画像について部分的に輝度を高めるような表示制御を行う場合も、レーザ走査方式が好適である。液晶ディスプレイ(LCD)や蛍光表示管(VFD)などを利用した方式では、表示エリア700における特定部分のみの輝度を変更することが困難であり、表示エリア700内に表示されている警告画像以外の画像についても輝度が高まってしまう。そのため、警告画像とそれ以外の画像との間の輝度差を広げることができず、警告画像の輝度を段階的に高めることで警告の度合いを強めるという制御は難しい。
光走査装置208は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の公知のアクチュエータ駆動システムでミラーを主走査方向及び主走査方向と直交する副走査方向に傾斜動作させ、ミラーに入射するレーザ光を二次元走査(ラスタスキャン)する。ミラーの駆動制御は、レーザ光源201R、201G、201Bの発光タイミングに同期して行われる。光走査装置208は、例えば、互いに直交する2つの軸回りをそれぞれ揺動あるいは回動する2つのミラーからなるミラー系で構成してもよい(光走査装置208はMEMSミラーに限定されない)。
図4は、車両用HUD装置1の制御系250の内部構成を示すブロック図である。車両用HUD装置1の制御系250は、FPGA251、CPU252、ROM253、RAM254、インターフェイス(以下、I/Fという)255、バスライン256、LDドライバ(光源制御部)257、MEMSコントローラ(走査制御部)258を備えている。FPGA251は、LDドライバ257により、光源ユニット220のレーザ光源201R、201G、201Bを動作制御し、MEMSコントローラ258により、光走査装置208のMEMS208を動作制御する。LDドライバ257は、レーザ光源(第1、第2、第3のレーザ光源)201R、201G、201Bを照射させるためのレーザ駆動電流(第1、第2、第3のレーザ駆動電流)を生成し、生成したレーザ駆動電流(第1、第2、第3のレーザ駆動電流)に基づいてレーザ光源(第1、第2、第3のレーザ光源)201R、201G、201Bを駆動させることができる。CPU252は、車両用HUD装置1の各機能を制御する。ROM253は、CPU252が車両用HUD装置1の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラム等の各種プログラムを記憶している。RAM254はCPU252のワークエリアとして使用される。I/F255は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自車両301のCAN(Controller Area Network)を介して、車両ナビゲーション装置400や各種センサ装置500(後述の図5を参照)に接続される。また、I/F255には、車両用HUD装置1の表示情報及びその背景(フロントガラス302越しの風景)を撮影する前方撮影用カメラ110が接続される。また、I/F255には、環境光の明るさ及び色度を検出する環境光センサ150が接続される。
図5は、車両用HUD装置1及びその周辺装置の概略構成を示すブロック図である。虚像Gによって運転者へ提供する運転者提供情報を取得する情報取得手段として、車両ナビゲーション装置400、センサ装置500などが設けられている。車両用HUD装置1は、主に、画像表示手段としての画像光投射手段を構成する光学系230と、表示制御手段としての制御系250とから構成される。
車両ナビゲーション装置400は、自動車等に搭載される公知の車両ナビゲーション装置を広く利用することができる。車両ナビゲーション装置400からは、虚像Gに表示させるルートナビゲーション画像を生成するために必要な情報が出力され、この情報は、像を形成するための情報(描画データ)として制御系250に入力される。例えば、図1に示すように、自車両301が走行している道路の車線(走行レーン)の数、次に進路変更(右折、左折、分岐等)すべき地点までの距離、次に進路変更する方向などの情報を示す画像が含まれている。これらの情報が車両ナビゲーション装置400から制御系250に入力される。これにより、制御系250の制御の下、車両用HUD装置1によって以下のように表示される。すなわち、走行レーン指示画像711、車間距離提示画像712、進路指定画像721、残り距離画像722、交差点等名称画像723などのナビゲーション画像が表示エリア700の上段表示領域Aに表示される。
また、図1に示した表示例では、表示エリア700の下段表示領域Bに、道路の固有情報(道路名、制限速度等)を示す画像が表示される。この道路の固有情報も、像を形成するための情報(描画データ)として、車両ナビゲーション装置400から制御系250に入力される。制御系250は、当該道路固有情報に対応する道路名表示画像701、制限速度表示画像702、追い越し禁止表示画像703等を、車両用HUD装置1によって表示エリア700の下段表示領域Bに表示させる。
センサ装置500は、自車両301の挙動、自車両301の状態、自車両301の周囲の状況などを示す各種情報を検出するための1又は2以上のセンサで構成されている。センサ装置500からは、虚像Gとして表示させる画像を生成するために必要なセンシング情報が出力され、このセンシング情報は、像を形成するための情報(描画データ)として制御系250に入力される。例えば、図1に示した画像例には、自車両301の車速を示す車速表示画像704(図1では「83km/h」という文字の画像)を、表示エリア700の下段表示領域Bに表示させる。そのため、自車両301のCAN情報に含まれる車速情報がセンサ装置500から制御系250に入力され、制御系250の制御の下、車両用HUD装置1によって当該車速を示す文字画像が表示エリア700の下段表示領域Bに表示される。
センサ装置500は、自車両301の車速を検出するセンサ以外にも、例えば、(1)自車両301の周囲(前方、側方、後方)に存在する他車両、歩行者、建造物(ガードレールや電柱等)との距離を検出するレーザレーダ装置や撮像装置、自車両の外部環境情報(外気温、明るさ、天候等)を検出するためのセンサ、(2)運転者300の運転動作(ブレーキ走査、アクセル開閉度等)を検出するためのセンサ、(3)自車両301の燃料タンク内の燃料残量を検出するためのセンサ、(4)エンジンやバッテリー等の各種車載機器の状態を検出するセンサなどが挙げられる。このような情報をセンサ装置500で検出して、像を形成するための情報(描画データ)として制御系250へ送ることで、それらの情報を虚像Gとして車両用HUD装置1により表示して運転者300へ提供する。
次に、車両用HUD装置1によって表示される虚像Gについて説明する。車両用HUD装置1において、虚像Gによって運転者300へ提供する運転者提供情報は、運転者300にとって有用な情報であればどのような情報であってもよい。以下では、一例として、運転者提供情報を受動情報と能動情報とに大別している。
受動情報とは、所定の情報提供条件が満たされたタイミングで運転者300によって受動的に認知される情報である。したがって、車両用HUD装置1の設定タイミングで運転者300へ提供される情報は受動情報に含まれ、また、情報が提供されるタイミングと情報の内容との間に一定の関係性をもつ情報が受動情報に含まれる。受動情報としては、例えば、運転時の安全性に関わる情報、ルートナビゲーション情報などが挙げられる。運転時の安全性に関わる情報として、自車両301と先行車両との車間距離情報(車間距離提示画像712)、運転に関わる緊急性のある情報(運転者に緊急操作を指示する緊急操作指示情報などの警告情報あるいは注意喚起情報等)などがある。また、ルートナビゲーション情報は、予め設定された目的地までの走行ルートを案内するための情報であり、公知の車両ナビゲーション装置によって運転者へ提供されるものである。ルートナビゲーション情報としては、直近の交差点で走行すべき走行レーンを指示する走行レーン指示情報(走行レーン指示画像711)や、次に直進方向から進路変更すべき交差点や分岐点での進路変更操作を指示する進路変更操作指示情報などが挙げられる。進路変更操作指示情報として、交差点等においていずれの進路をとるべきかの進路指定を行う進路指定情報(進路指定画像721)、進路変更操作を行う交差点等までの残り距離情報(残り距離画像722)、交差点等の名称情報(交差点等名称画像723)がある。
能動情報とは、運転者自らが決めるタイミングで運転者300によって能動的に認知される情報である。能動情報は、運転者300の希望するタイミングで運転者300へ提供されれば十分な情報であり、例えば、情報が提供されるタイミングと情報の内容との間の関係性が低い又は関係性が無い情報は、能動情報に含まれる。能動情報は、運転者300の希望するタイミングで運転者300が取得する情報であることから、ある程度の長い期間あるいは常時、表示され続ける。例えば、自車両301が走行している道路の固有情報、自車両301の車速情報(車速表示画像704)、現在時刻情報などが挙げられる。道路の固有情報としては、例えば、その道路名情報(道路名表示画像701)、その道路の制限速度等の規制内容情報(制限速度表示画像702、追い越し禁止表示画像703)、その他当該道路に関わる情報として運転者300にとって有用なものが挙げられる。
このようにして大別される受動情報と能動情報を、虚像Gを表示可能な表示エリア700内のそれぞれ対応する表示領域に表示させる。具体的には、表示エリア700を上下方向に2つの表示領域に区分し、そのうちの上段表示領域Aには主に受動情報に対応する受動情報画像を表示し、下段表示領域Bには主に能動情報に対応する能動情報画像を表示する。なお、能動情報画像の一部を上段表示領域Aに表示させる場合には、上段表示領域Aに表示される受動情報画像の視認性を優先するように能動情報画像を表示する。
また、表示エリア700に表示される虚像Gとして、立体視を用いて表現された立体視画像を用いている。具体的には、表示エリア700の上段表示領域Aに表示される車間距離提示画像712及び走行レーン指示画像711として、遠近法により表現される遠近法画像を用いている。
詳しくは、車間距離提示画像712を構成する5本の横線の長さを上側に向かうほど短くなるようにして、車間距離提示画像712を1つの消失点に向かうように透視図法により作図された遠近法画像としている。特に、その消失点が運転者300の注視点近傍に定まるように車間距離提示画像712が表示されることから、運転中の運転者300に車間距離提示画像712の奥行き感を知覚させやすい。更に、横線の太さを上側に向かうほど細く、また横線の輝度を上側に向かうほど低くした遠近法画像としている。これによって、運転中の運転者300には、車間距離提示画像712の奥行き感を更に知覚させやすくなる。
ところで、車両用HUD装置(表示装置)1は、今後、路面に表示がAR(Augmented Reality)重畳されたAR−HUD(Augmented Reality Head Up Display)への技術展開が期待されている。AR重畳により、運転者に対してより自然な表示をすることができ、負担なく情報を受け取ることが可能になるため、安全運転へのさらなる貢献が期待される。様々な方式のHUDの中でもレーザ素子を光源としたLD−HUDは、液晶HUDのようにバックライトによるポストカードが出ないことから、AR重畳に適したHUD方式であると期待されている。AR重畳を考えるうえで、例えば対向車の情報を提示する際は、対向車線が表示範囲に含まれることが必要になり、広角化がHUDの重要な技術課題になることが想定される。
LD−HUDの広角化を図るために、例えば、レーザ走査の走査角を大きくする方法が考えられる。しかし、レーザ走査の走査角を大きくすると、レーザの輝度が同一でも、走査端での走査速度の低下による画角中央の輝度より画角端の輝度が大きくなる現象が発生することや、走査端で走査線の粗密が生じたりすることによる端部の光量分布が不均一になる現象が発生することが懸念される。
例えば、上述した特許文献1では、均一の光を走査しても、被走査面における副走査方向(例えば二次元走査における水平走査方向)の端部又はその近傍における光量分布が不均一となることについて改善の余地がある。より具体的に、副走査方向の端部又はその近傍において、走査線に粗密が生じることにより、均一の光を走査しても被走査面における光量が周期的に増減する。そして、均一の光走査が、被走査面においては、副走査方向の一端部と他端部で交互に光走査が折り返される折り返し部分では相対的に光が密となり明るくなる一方、非折り返し部分では相対的に光が粗となり暗くなってしまう。その結果、観察者の視認性の悪化を招くことが懸念される。
加えて、本実施形態のLD−HUDのように、マイクロレンズアレイ等の中間像スクリーン上に中間像を形成する場合には、画角端部での光量の不均一性とモアレが顕著になる。とりわけ、中間像スクリーンが光偏向器の光軸に対して傾斜している場合や中間像スクリーンの形状によっては、走査線の軌跡が中間像スクリーン上で変形するので、走査端部での光量分布の不均一性による画質低下を助長してしまう。
ちなみに、上述した特許文献1は、スクリーンに直接的に画像を走査(描画)するものであり、走査スポット自体が画像ピクセルとなるレーザ走査を対象としているため、中間像スクリーンの存在、配置、形状などに起因する技術課題は存在しない。つまり、上述した中間像スクリーンの存在、配置、形状などに起因する技術課題について、特許文献1の技術は、本実施形態の技術の比較対象外である。
例えば、本実施形態のように、中間像スクリーンが光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)である場合は、光学素子アレイにより走査光量分布が量子化されることを踏まえて光量を決定する必要がある。そのため、特許文献1のように、走査スポット自体が画像ピクセルとなる通常のレーザ走査の構成で光量分布を決定するだけでは不十分である。加えて、特許文献1では、レーザ走査の広角化において副走査で走査線が疎になることによる端部画像の周期性のノイズは検討されておらず、端部でのノイズに基づく視認性への影響についても検討されていない。
本実施形態では、均一の光で走査した際の被走査面における副走査方向(例えば二次元走査における水平走査方向)の端部又はその近傍の光量分布の均一性(均一度合い)を向上させ画質向上を図るための構成を具備している。また、中間像スクリーンの影響(中間像スクリーンにより走査光量分布が量子化されること)を踏まえて光源からの光のパワーを制御することによって、画角端部での光量の不均一性を改善し、またモアレの発生を抑制するための構成を具備している。より具体的に、中間像スクリーンにおける中間像の走査位置によって光源光量を変調することにより、走査端部(画角端部)での光量の不均一性を改善し、またモアレの発生を抑制している。
図6、図7は、従来のHUD装置(本実施形態の光量制御を行っていないHUD装置)による技術課題を示す第1、第2の図である。図6における破線は光偏向器からの光線経路の例を示している。図7において、実線は走査線軌跡を示しており、破線は画像描画領域を示しており、一点鎖線は走査の振幅中心を示している。
図6に示すように、光偏向器による走査画像が被走査面である中間像スクリーンに描画されて、当該走査画像が投影光学系から投影面に投影される。ここで、中間像スクリーンは光偏向器の光軸に対して傾斜して配置されている。その他、中間像スクリーンの形状によっては、図7に示すように、走査線の軌跡が中間像スクリーン上で変形して、中間像スクリーンの走査角以外に輝度ムラが発生する要因となる。図7では、中間像スクリーンの画像描画領域(破線)における走査線軌跡(実線)の振幅が、下方から上方に向うに連れて大きくなっている。
図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14は、従来のHUD装置(本実施形態の光量制御を行っていないHUD装置)による技術課題を示す第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9の図である。
中間像スクリーンによる中間像を形成する表示装置において表示画角を拡大するため、光偏向器の走査角を大きくして、より大きく中間像スクリーン上の画像描画領域を設定することで、中間像を大きく形成することは有効な手段である。
しかし、図8に示すように、高速な主方向の走査(主走査)と、主走査に比べて低速な副走査によって、光源からの光を二次元走査することを想定すると、図9に示すように、主走査方向における画像描画領域の中央部と端部とで、同じ光量、且つ同じ点灯周期で光源を光らせると、空間的な点灯の周期の粗密が発生する。図9において、中間像スクリーン中央(一点鎖線)と中間像スクリーン端部(二点鎖線)を比較すると、前者の方が走査線の周期が粗であり、後者の方が走査線の周期が密である。そのため、図10に示すように、主走査断面における光量分布は、走査端部での光量が走査中央部での光量よりも大きくなる。
一方、副走査断面では、図11に示すように、走査中央では走査線の間隔が略均等で十分密であるため、副走査方向で光量が均一となっているのに対して、図12に示すように、走査端では走査線に粗密が生じるため、副走査方向での光量が周期的に増減して不均一になる。
このように、均一の光で走査した際において、中間像スクリーンの主走査方向の走査端部における光量の増加及び副走査方向の走査端部における光量の不均一性は、図13に示すような、中間像スクリーン上及び表示画像上でモアレ状のノイズが発生する原因となり、表示画像の品質劣化に繋がってしまう。
なお、図8に示した光偏向器の主走査速度と副走査速度は一例であり、図14に示すように異なる速度分布であることを制限しない。また、光量分布に関しても同様である。ここで、簡単のために、主方向を中間像スクリーンの水平方向、副方向を垂直方向としたが、中間像に対する走査方向に関してはあくまで一例である。例えば走査方向を90°回転するなど、主走査、副走査の中間像に対する方向についても制限しない。
図15は、本実施形態による表示装置10の構成の一例を示すブロック図である。
表示装置10は、光源20と、光偏向器30と、中間像スクリーン(中間像形成部)40と、走査制御部50と、光源制御部60とを有している。図15において、実線は制御信号を示しており、破線は画像光を示している。
光源20は、例えば、レーザ光を出射するレーザ光源から構成される。光源20は、例えば、図3におけるレーザ光源(第1、第2、第3のレーザ光源)201R、201G、201Bに相当する。
光偏向器30は、例えば、MEMSミラーから構成される。光偏向器30は、例えば、図3における光走査装置208に相当する。
中間像スクリーン40は、例えば、光偏向器30の二次元走査による中間像を形成する。中間像スクリーン40は、例えば、図3におけるマイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)210に相当する。中間像スクリーン40は、換言すると光偏向器30により二次元走査される被走査面である。
表示装置10は、光偏向器30を用いて光源20からの光を主走査方向と副走査方向に二次元走査して像を形成するものである。より具体的に、表示装置10は、光偏向器30により被走査面である中間像スクリーン40を二次元走査することにより中間像を中間像スクリーン40に形成するものである。すなわち、中間像スクリーン40(被走査面)が、画像描画領域(描画領域)である。中間像スクリーン40がマイクロレンズアレイである場合、形成された中間像は、マイクロレンズアレイを透過して、コンバイナ(フロントガラス302)へ拡大投影される。また、画像描画領域(描画領域)は、複数の光学素子を二次元に配列した光学素子アレイを有する中間像形成部であり、複数の小領域(例えば、後述する第1、第2の小領域)は、複数の光学素子である(で構成される)。
走査制御部50は、光偏向器30に、副走査方向の位置を異ならせながら主走査方向に複数の走査を行わせる。走査制御部50は、光偏向器30に、二次元走査を実行するための走査制御信号を出力する。走査制御部50は、例えば、図4におけるMEMSコントローラ258に相当する。
光源制御部60は、光偏向器30による二次元走査における描画領域、すなわち中間像スクリーン40に形成される中間像における描画領域での光源20からの光の強度分布(パワーバランス)を制御する。具体的に光源制御部60は、光源20からの光の強度と照射時間の少なくとも一方を変更させることにより光源20からの光のパワーを変化させる(所定のクロック期間に基づく発光期間で光量を変化させる)。光源制御部60は、光源20に、光量調整を実行するための光量制御信号を出力する。光源制御部60は、例えば、図4におけるLDドライバ257に相当する。本明細書では、光源制御部60が行う光源20からの光のパワーを変化させる制御について、光源制御という表現を用いて説明することもある。
より具体的に、光源制御部60は、二次元走査における描画領域(中間像における描画領域)に描画する像の解像度に基づき、同一形状かつ同一面積の複数の小領域に分割し、これら複数の小領域について、描画領域の主走査方向における中央部側に位置する小領域を第1の小領域、描画領域の主走査方向における端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、制御系250に入力された描画する像を形成するための情報(描画データ)における第1の小領域の輝度と第2の小領域の輝度とが同じ輝度である場合に、光源20から第1の小領域へ照射される光の強度分布と、光源20から第2の小領域へ照射される光の強度分布とを互いに異ならせる。上述したように、被走査面(描画領域)の主走査方向の走査端部における光量の増加及び副走査方向の走査端部における光量の不均一性は、表示画像の品質劣化に繋がってしまう。描画する像を形成するための情報(描画データ)の輝度が描画領域全体において同じ輝度である場合に、均一の光量で描画領域を走査して、被走査面(描画領域)における光量の不均一となると、例えば、中間像スクリーン40及び表示画像でモアレ状のノイズが発生する原因となる(図13)。この不具合を解消するために、被走査面(描画領域)における光量の不均一性を解消して均一性(均一度合い)が向上するように、二次元走査する際に描画領域に応じて、光源20からの光の強度分布を互いに異ならせる(増減させる)。
図16は、描画する像を形成するための情報(描画データ)の輝度が描画領域全体において同じ輝度である場合、換言すると、描画領域全体を均一の明るさとする際の光源制御部60による光源制御(光源20からの光のパワーを変化させる制御)を行った際の光量分布の一例を示す図である。図16において、実線は光源制御部60による光源制御を行った際の主走査断面での光量分布を示しており、破線は各点灯による光量分布を示しており、一点鎖線は光源制御部60による光源制御を行っていない主走査断面での光量分布(図10に対応している)を示している。図16に示すように、光源制御部60による光源制御を行うことで、主走査方向と副走査方向の走査端部における輝度増加を低減することができる。
図17A〜図17Cに二次元走査における第1の小領域、第2の小領域の一例を示した。図17A〜図17Cの第1、第2の小領域は、中間像スクリーン40(被走査面)である画像描画領域(描画領域)を形成像の解像度に基づいて分割したものであり、それぞれ、同一形状かつ同一面積を有している。第1の小領域は、描画領域の主走査方向における中央部側に位置しており、第2の小領域は、描画領域の主走査方向における端部側に位置している。また描画データにおける第1、第2の小領域の輝度が同じであることを想定している。
図18は、中間像スクリーン40の構成の一例を示す図である。図18に示すように、中間像スクリーン40は、複数のマイクロレンズ(光学素子)41を含むマイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)42から構成されている。各マイクロレンズ41は、同一形状であり同一面積である。
図19は、マイクロレンズアレイ42の出射側から見た中間像の一例を示す図である。マイクロレンズアレイ42を中間像スクリーン40とした場合、光偏向器30で二次元走査されるマイクロレンズアレイ42の入射側の光量分布は、マイクロレンズアレイ42で量子化される。
図20は、描画領域全体を均一の明るさとするために、均一の走査光でマイクロレンズアレイ42を走査した際の、マイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41における光量と走査線軌跡との関係の一例を示す図(模式図)である。図20において、左側が画像描画領域の中心部側に相当し、右側が画像描画領域の端部側に相当する。つまり、左側(画像描画領域の中心部側)の方が相対的に光量が小さく、右側(画像描画領域の端部側)の方が相対的に光量が大きい。マイクロレンズアレイ42では、光偏向器30の走査速度と走査位置に加えて、マイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41との重畳によって光量分布が決定される。
図21A、図21Bは、描画領域全体を均一の明るさとするために、光源20からマイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41に照射された光の強度分布について、各マイクロレンズ41それぞれの強度分布を互いに異ならせる場合の一例を示す図である。図21Aにおいて、破線は走査線軌跡を示しており、円形の破線で囲まれた領域は光偏向器30を介した光源20からの光のスポットを示している。図21Aに示すように、マイクロレンズAでは、光偏向器30を介した光源20からのスポットが2つであるのに対して、マイクロレンズBでは、光偏向器30を介した光源20からのスポットが3つとなっている。図21Bにおいて、一点鎖線はマイクロレンズA上の各点灯による光量分布を示しており、二点鎖線はマイクロレンズB上の各点灯による光量分布を示している。図21A、図21Bに示すように、光源制御部60は、光源20からマイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41に照射された光の強度分布について、各マイクロレンズ41それぞれの強度分布を互いに異ならせる。すなわち、マイクロレンズアレイ42による量子化後を考慮して、個々のマイクロレンズ41のピクセル上の光量分布を変化させる。
図22は、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズにおける光源からの光のパワーの総和を等しくさせる場合の一例を示す図(模式図)である。図22では、図20と同様に、左側が画像描画領域の中心部側に相当し、右側が画像描画領域の端部側に相当する。図22に示すように、描画領域全体を均一の明るさとするために、光源制御部60は、光源20からマイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41に照射される光のパワーについて、各マイクロレンズ41それぞれにおける光のパワーの総和量を、各マイクロレンズ41で等しくさせる。すなわち、光源制御部60は、二次元走査により、光源20から光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42に照射される光のパワーについて、光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42における複数の光学素子(マイクロレンズ)41の各々に照射される光のパワーの総和が、複数の光学素子(マイクロレンズ)41間で等しくなるよう、光源20を制御する。このように、マイクロレンズアレイ42による量子化後を考慮して、個々のマイクロレンズ41のピクセル強度を均一にする。これにより、中間像及び表示画像の視認性を改善することができる。
図23は、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズにおける光源からの光のパワーの総和をランダムに変化させる場合の一例を示す図(模式図)である。図23では、図20と同様に、左側が画像描画領域の中心部側に相当し、右側が画像描画領域の端部側に相当する。図23に示すように、光源制御部60は、描画領域全体を均一の明るさとするために、光源20からマイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41に照射される光のパワーについて、各マイクロレンズ41それぞれにおける光のパワーの総和量を、各マイクロレンズ41でランダムに変化させる。すなわち、光源制御部60は、二次元走査により、光源20から光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42に照射される光のパワーについて、光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42における複数の光学素子(マイクロレンズ)41の各々に照射される光のパワーの総和が、複数の光学素子(マイクロレンズ)41間でランダムに変化するよう、光源20を制御する。仮に、マイクロレンズアレイ42(マイクロレンズ41)のサイズ及び光偏向器30の走査線軌跡に応じて各マイクロレンズ41それぞれの光量を均一にするために、光源20からの光のプロファイルから変更しようとすると、装置の大型化や複雑化を招くおそれがある。そこで、図23に示すように、マイクロレンズアレイ42の各マイクロレンズ41での光量分布がランダムになるように光源制御部60を制御することで、光源20からの光のプロファイルを変更せずに、走査端部でのモアレ状ノイズの周期性を低減して、中間像及び表示画像の品質を向上させることができる。
図22、図23に示した光源制御部60の制御は一例である。光源制御部60は、描画領域全体を均一の明るさとするために、二次元走査における光源20から光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42に照射される光のパワーについて、光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42における複数の光学素子(マイクロレンズ)41の各々に照射される光のパワーの総和が、複数の光学素子(マイクロレンズ)41間で、光学素子アレイ(マイクロレンズアレイ)42の配列方向に基づいて周期性を持って変化するよう、光源20を制御する。これにより、走査端部でのモアレ状ノイズの周期性を低減して、中間像及び表示画像の品質を向上させることができる。
本実施形態の表示装置10は、光源20から出射された光を、光偏向器30を用いて走査することで描画領域に、描画データに基づく像を形成するものである。表示装置10は、光源20から出射される光の強度を制御する光源制御部60と、光偏向器30を制御する走査制御部50とを有している。光偏向器30を用いた走査は、描画領域を、主走査方向と、該主走査方向と直交する副走査方向とを走査する二次元走査である。走査制御部50は、光偏向器30による二次元走査を、描画領域における主走査方向端部で折り返すことで、副走査方向の位置を異ならせながら主走査方向に複数の走査を行わせることで実施する。
以上の説明は、分かりやすいように、描画する像を形成するための情報(描画データ)の輝度が描画領域全体において同じ輝度である場合、換言すると、描画領域全体(マイクロレンズアレイ42)を均一の明るさとする場合を具体例として説明した。実際には、描画領域(マイクロレンズアレイ42)は、描画する像の解像度に基づき、同一形状かつ同一面積の複数の小領域(マイクロレンズ41)に分割されており、制御系250に入力された描画する像を形成するための情報(描画データ)において、各小領域(各マイクロレンズ41)の輝度が異なることもあるが、その場合でも、描画領域全体において同じ輝度である場合での各小領域に照射される光のパワーの総和の制御に基づいて、各小領域に照射される光のパワーの総和の制御することで、中間像及び表示画像の視認性を改善することができる。
特に、描画領域の主走査方向における中央部側に位置する小領域を第1の小領域、描画領域の主走査方向における端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、制御系250に入力された描画する像を形成するための情報(描画データ)における第1の小領域の輝度と第2の小領域の輝度とが同じ輝度である場合に、描画領域全体において同じ輝度である場合での各小領域に照射される光のパワーの総和の制御に基づいて、光源20から第1の小領域へ照射される光の強度分布と、光源20から第2の小領域へ照射される光の強度分布とを互いに異ならせるように制御することで、中間像及び表示画像の視認性を改善することができる。以上の二次元走査に係る制御は、光源制御部60によって実行される。
ここで、中間像スクリーン40(マイクロレンズアレイ42)は、少なくとも1つのフレーム(時間区間)に基づく中間像を形成する。このフレーム(時間区間)は、描画領域の二次元走査における走査開始位置から走査終了位置までの走査時間を最小単位とした所定の時間区間である。
この場合、光源制御部60は、上記のフレーム(時間区間)で(に基づいて)、制御系250に入力された描画する像(形成される像)を区分した場合に、1つのフレーム(時間区間)において、二次元走査により、光源20から第1の小領域へ照射される光の強度分布と光源20から第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、光源20を制御する。1つのフレーム(時間区間)において中間像を形成するレーザ走査の強度を変更することで、走査端部での光量の不均一性を抑えるとともに、モアレ状ノイズの周期性を低減して、中間像及び表示画像の品質を向上させることができる。
あるいは、光源制御部60は、上記のフレーム(時間区間)で(に基づいて)、制御系250に入力された描画する像(形成される像)を区分した場合に、複数のフレーム(時間区間)を跨いで、二次元走査により、光源20から第1の小領域へ照射される光の強度分布と光源20から第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、光源20を制御する。複数のフレーム(時間区間)を跨いで中間像を形成するレーザ走査の強度を変更することで、走査端部での光量の不均一性を抑えるとともに、モアレ状ノイズの周期性を低減して、中間像及び表示画像の品質を向上させることができる。加えて、制御負荷を小さく抑えることができる。
光偏向器30による走査の1フレームが十分に高速である場合、実際には、観察者は、複数フレームの走査分を加算して視認することになる。複数フレーム間を跨いで中間像スクリーン40における光量を変更することで、観察者が視認する複数フレーム加算後の中間像及び表示画像の光量を均一化して、観察者の視認性を向上することができる。
図24、図25、図26は、複数のフレーム(時間区間)を跨いで中間像スクリーン40(マイクロレンズアレイ42)が形成した中間像の描画領域(例えば第1、第2の小領域)での光源20からの光の強度分布を互いに異ならせる場合の第1、第2、第3の例を示す図である。
例えば、図24に示すように、ヒトの眼の積算期間(時間分解能)に対して画像形成の3フレーム分(第1、第2、第3フレーム期間)が相当する場合を考える。この場合、図25に示すように、各フレーム期間は、時間と副走査方向の振幅の関係を見たとき、前半(大部分)の描画期間と後半(小部分)の不点灯期間を有している。
そして、図26に示すように、図24における第1、第2、第3フレーム期間の光量分布(光の強度分布)を異ならせている。図26において、実線は第1、第2、第3フレーム期間の積算の光量分布(光の強度分布)を示しており、破線は第1、第3フレーム期間の光量分布(光の強度分布)を示しており、一点鎖線は第2フレーム期間の光量分布(光の強度分布)を示している。図26に示すように、第1、第2、第3フレーム期間の少なくとも一部の光量分布(光の強度分布)を異ならせることで、積算後の光量分布(光の強度分布)の均一性を高めることができる。その際、図25に示すように、フレーム間に光源20の不点灯期間を挟むため、時間に余裕があり、光源制御部60による光源制御をフレーム内の細かい光量調整ではなく簡単なON/OFF制御としてもよいため、光源制御部60の制御負担を小さくすることができる。なお、図26の光量調整はあくまで一例であり、任意の強度でフレーム間の光強度を設定することができる。例えば、第1、第2、第3フレーム期間の光量分布(光の強度分布)を全て異ならせてもよい。
図24〜図26で説明した光源制御部60による光量制御に加えて、走査制御部50が、複数のフレーム(時間区間)において、第1のフレーム(時間区間)における描画領域の二次元走査の経路と、第2のフレーム(時間区間)における二次元走査の経路とが、互いに異なるように、光偏向器30を制御する。すなわち、複数のフレーム(時間区間)を跨いで光源光量と走査経路を同時に変更することで、走査端部での光量分布の不均一性を抑えることができる。
上述した通り、中間像スクリーン40上の光の不均一性は、副走査期間中に画像描画領域を往復する主走査の軌跡における、往路及び復路の間隔の変化が影響する。特に、副走査方向の周期的な光量のムラに対しては、フレーム間で光源強度と合わせて走査線軌跡を変更することで、より一層、光量分布の均一性を高めることができる。
図27、図28、図29、図30は、複数のフレーム(時間区間)を跨いで光量制御と走査経路制御を行う場合の第1、第2、第3、第4の例を示す図である。
図27は、走査線毎に光量をランダムに変化させたときの走査端の副走査方向の強度分布を示している。図27において、破線はランダムに強度を変更した走査線毎の強度分布を示しており、一点鎖線は副走査断面の走査線の総和の強度分布を示している。図27に示すように、光量増減の周期性はある程度までは低減しているが、光量分布上のムラは残存している。
図28は、第1、第2フレーム期間が加算して視認される場合において、第1、第2フレーム期間で光量分布を異ならせた場合を示している。図28において、実線は主走査断面での光量分布を示しており、一点鎖線は第1フレーム期間による光量分布を示しており、二点鎖線は第2フレーム期間による光量分布を示している。図28は、図27よりも光量分布が均一になっていることが分かる。
図29は、第1、第2フレーム期間が加算して視認される場合において、第1、第2フレーム期間で走査線軌跡を異ならせた場合を示している。図29において、実線は第1フレーム期間の走査線軌跡を示しており、破線は第2フレーム期間の走査線軌跡を示している。図28に示した光量分布の制御とともに、図29で示した走査線軌跡の制御を行うことで、より一層(図27、図28より)、光量分布を均一にすることができる。
なお、図27では、走査線毎に光量をランダムに変化させた場合を例示して説明したが、走査線毎の光量の変化のさせ方はこれに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能である。例えば、図30に示すように、走査線毎に光量を任意の周期で変化させてもよい。
光源制御部60は、二次元走査における走査線を基準として、光源からの光のパワーを変化させることができる。例えば、光源制御部60は、主走査の往路及び復路が形成する走査線単位で、光源20からの光量を制御することができる。その際、光源制御部60は、二次元走査における走査線を基準として、光源20からの光のパワーをランダムに変化させてもよいし、光源20からの光のパワーを走査線の周期に従って変化させてもよい。
図31は、走査線単位での光量制御の一例を示す図である。図31において、実線は走査線軌跡を示しており、破線は画像描画領域の主走査端を示しており、二点鎖線は光偏向器30の主走査端を示している。図31に示すように、光偏向器30の主走査端(二点鎖線)は、画像描画領域の主走査端(破線)から両端部にはみ出している。中央部に位置する光偏向器30の主走査端(二点鎖線)と画像描画領域の主走査端(破線)の共通領域が画像描画領域(点灯領域)となる。両端部に位置する光偏向器30の主走査端(二点鎖線)の画像描画領域の主走査端(破線)からのはみ出し領域が非画像描画領域(不点灯領域)となる。
図31に示すように、走査線単位での光量制御とすることで、主走査におけるピークまで画像描画に使用しない場合には、主走査における不点灯期間を光量変更の間に挟むことができる。また、ピークまで描画する場合であっても、走査線上で光量を変化させるより、光量変化の間のインターバルを大きくすることができ、光源制御部60の負担を小さくすることができる。また、光量を均一に制御しきれない場合は、走査線の周期を小さくしてモアレによるノイズを低減することも可能である。
図32は、光源制御部60が光源20からの光の照射時間を変更させることにより光源20からの光のパワーを変化させる場合の一例を示す図である。図32では、同一の時間単位から構成される光源制御周期1〜4が設定されている。光源制御周期3の光の照射時間が最も長く、光源制御周期1の光の照射時間が2番目に長く、光源制御周期2の光の照射時間が3番目に長く、光源制御周期4の光の照射時間が最も短い。光源制御周期1〜4における光の強度は同一である。
図33は、光源制御部60が光源20からの光の強度を変更させることにより光源20からの光のパワーを変化させる場合の一例を示す図である。図33では、同一の時間単位から構成される光源制御周期1〜4が設定されている。光源制御周期3の光の強度が最も強く、光源制御周期1の光の強度が2番目に強く、光源制御周期2の光の強度が3番目に強く、光源制御周期4の光の強度が最も弱い。光源制御周期1〜4における光の照射時間は同一である。
図32、図33は、光源20からの光の波形を矩形波とした場合を例示して説明したが、例えば、ガウス波形や他のパルス形状を光源20からの光の波形としてもよい。また、光源20からの光の照射時間と強度の両方を変更させることにより光源20からの光のパワーを変化させてもよい。
図34は、図15のブロック図に推定部70を追加したものである。推定部70は、走査制御部50から光偏向器30の走査に関する情報を取得する。具体的に推定部70は、走査制御部50から、光偏向器30による主走査方向と副走査方向の走査角に関する情報を取得して、当該情報(走査角)に対応する中間像スクリーン40に中間像を形成する際の走査位置を推定する。推定部70による推定結果に関する情報は、光源制御部60に出力され、光源制御部60は、推定部70の推定結果に基づいて、中間像スクリーン40に中間像を形成する際の走査位置での光源20からのパワーを制御する。このように、光源制御部60は、光偏向器30による主走査方向と副走査方向の走査角に基づいて、描画領域における走査位置での光源20から照射される光のパワーを制御する。中間像スクリーン40に中間像を形成する際の走査位置を推定すれば、光源制御部60による光量制御の位置精度を高めることが可能になる。
図35は、推定部70による推定手法の一例を示す図である。図35に示すように、光偏向器30の中心からの光偏向器30の反射面に垂直な直線が、同じく中間像スクリーン40の中心を通り、中間像スクリーン40の面に対して垂直な場合を想定すると、光偏向器30の走査角を利用して、下記の条件式(1)、(2)によって、中間像スクリーン40に形成される中間像における描画領域を推定する。
X=L×tan(θx)・・・(1)
Y=L×tan(θy)・・・(2)
但し、
X:中間像スクリーン40の中心から描画領域までの主走査方向の距離(符号は主走査方向に対する向きを表す座標軸に従う)、
Y:中間像スクリーン40の中心から描画領域までの副走査方向の距離(符号は副走査方向に対する向きを表す座標軸に従う)、
L:光偏向器30の中心から中間像スクリーン40の中心までの距離、
θx:光偏向器30による主走査方向の走査角、
θy:光偏向器30による副走査方向の走査角、
である。
条件式(1)、(2)による推定手法はあくまで一例であって、他の推定手法を制限するものではない。例えば、位置推定による遅延時間を条件式(1)、(2)のX、Yのオフセット量として加減してもよいし、走査角と中間像スクリーン40上の光の位置との関係を示すルックアップテーブル(LUT)を予め記憶しておき、走査角に応じてルックアップテーブルを参照・選択することで、中間像スクリーン40に形成される中間像における描画領域を推定してもよい。
光源制御部60は、中間像スクリーン40による中間像(描画領域に形成された像)を観察者が観察した際の光量分布に基づいて、光源20からの光のパワーを制御する。すなわち、光偏向器30と中間像スクリーン40の間の観察系による拡大・縮小を考慮して、光量分布を制御する。
図36は、投光部80にルックアップテーブル81を設けた表示装置10の構成の一例を示すブロック図である。図36において、実線は制御信号を示しており、破線は画像光を示しており、二点鎖線は光量分布比情報を示している。
図36に示すように、中間像スクリーン40による中間像は、投光部80の投影面に拡大・縮小されて投影される。図36において、中間像のサイズがAであり、投光部80の投影像のサイズがBであり、B>Aとなっている(中間像が拡大されて投影される)。その際、中間像の拡大・縮小に用いられる光学素子(自由曲面ミラーや投射ミラーの反射面など)の影響により、サイズ変化以外に光量分布が変化する場合がある。
そこで、中間像(サイズA)と投影像(サイズB)の光量分布の関係を規定したルックアップテーブル(LUT)81を投光部80に予め記憶しておき、走査角に応じてルックアップテーブルを参照・選択することで、光源20からの光のパワーを制御する。当該制御に当たっては、投光部80のルックアップテーブル81から光源制御部60に、中間像(サイズA)と投影像(サイズB)の光量分布の関係を規定した光量分布比情報が出力され、光源制御部60は、入力した光量分布比情報に基づいて、光源20からの光のパワーを制御する。
なお、図36では、ルックアップテーブル81を投光部80に設けた場合を例示して説明したが、ルックアップテーブル81を光源制御部60に設けることも可能である。また、ルックアップテーブル81が記憶する光量分布比情報は、周辺環境(温度等)を踏まえた光学素子の特性を踏まえて動的に推定してもよく、光量分布比情報の取得方法は制限されない。
光源制御部60は、二次元走査における所定の主走査位置を走査する際の光源20から該所定の主走査位置へ照射される光のパワーを基準として、二次元走査における光源20からの光のパワーをランダムに変化させてもよい。
光源制御部60は、二次元走査における所定の主走査位置を走査する際の光源20から該所定の主走査位置へ照射される光のパワーを基準として、二次元走査における光源20からの光のパワーを二次元走査の周期に従って変化させてもよい。
以上の実施形態では、表示装置を移動体である車両に搭載する車両用HUD装置(ヘッドアップディスプレイ)に適用した場合を例示して説明したが、表示装置の適用対象はこれに限定されるものではない。例えば、車両用以外でも、表示装置により形成された像を観察者が観察する観察領域に投影し、当該像を虚像として観察者に表示するヘッドアップディスプレイに適用することも可能である。また、ディスプレイ等の画像表示装置、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等のウェアラブルデバイスに表示装置を適用することも可能である。
以上の実施形態では、光偏向器による走査画像を中間像スクリーンに描画して、当該走査画像を投影光学系から投影面に投影する表示装置を例示して説明した。これに対し、中間像スクリーンを省略して、光偏向器による走査画像を直接的にスクリーンの投影面に投影する表示装置とすることも可能である。
1 表示装置(車両用HUD装置)
10 表示装置
20 光源
30 光偏向器
40 中間像スクリーン(中間像形成部)
41 マイクロレンズ(光学素子)
42 マイクロレンズアレイ(光学素子アレイ)
50 走査制御部
60 光源制御部
70 推定部
80 投光部
81 ルックアップテーブル(LUT)

Claims (20)

  1. 光源から出射された光を、光偏向器を用いて走査することで、描画領域に描画データに基づく像を形成する表示装置であって、
    前記光源から出射される光の強度を制御する光源制御部と、
    前記光偏向器を制御する走査制御部と、
    を有し、
    前記光偏向器を用いた走査は、前記描画領域について、主走査方向と該主走査方向と直交する副走査方向とを走査する二次元走査であり、
    前記走査制御部は、前記光偏向器による前記二次元走査を、前記描画領域における前記主走査方向端部で折り返すことで、前記副走査方向の位置を異ならせながら前記主走査方向に複数の走査を行わせることで実施し、
    前記描画領域を、前記形成する像の解像度に基づき、同一形状かつ同一面積の複数の小領域に分割し、
    前記複数の小領域のうち、前記描画領域の前記主走査方向における中央部側に位置する小領域を第1の小領域、前記描画領域の前記主走査方向における端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、
    前記描画データにおける前記第1の小領域の輝度と前記第2の小領域の輝度とが同じである場合に、
    前記光源制御部は、前記二次元走査により、前記光源から前記第1の小領域へ照射される光の強度分布と前記光源から前記第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、前記光源を制御する、
    ことを特徴とする表示装置。
  2. 前記描画領域の二次元走査における走査開始位置から走査終了位置までの走査時間を最小単位とした所定の時間区間で、前記形成される像を区分した場合に、
    前記光源制御部は、1つの時間区間において、前記二次元走査により、前記光源から前記第1の小領域へ照射される光の強度分布と前記光源から前記第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、前記光源を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記描画領域の二次元走査における走査開始位置から走査終了位置までの走査時間を最小単位とした所定の時間区間で、前記形成される像を区分した場合に、
    前記光源制御部は、複数の時間区間を跨いで、前記二次元走査により、前記光源から前記第1の小領域へ照射される光の強度分布と前記光源から前記第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、前記光源を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記走査制御部は、前記複数の時間区間において、第1の時間区間における前記描画領域の二次元走査の経路と、第2の時間区間における前記二次元走査の経路とが、互いに異なるように、前記光偏向器を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記描画領域は、複数の光学素子を二次元に配列した光学素子アレイを有する中間像形成部であり、
    前記複数の小領域は、前記複数の光学素子である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記光学素子は、マイクロレンズである、
    ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記光源制御部は、前記二次元走査により、前記光源から前記光学素子アレイに照射される光のパワーについて、前記光学素子アレイにおける前記複数の光学素子の各々に照射される光のパワーの総和が、前記複数の光学素子間で等しくなるよう、前記光源を制御する、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記光源制御部は、前記二次元走査により、前記光源から前記光学素子アレイに照射される光のパワーについて、前記光学素子アレイにおける前記複数の光学素子の各々に照射される光のパワーの総和が、前記複数の光学素子間でランダムに変化するよう、前記光源を制御する、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の表示装置。
  9. 前記光源制御部は、前記二次元走査により、前記光源から前記光学素子アレイに照射される光のパワーについて、前記光学素子アレイにおける前記複数の光学素子の各々に照射される光のパワーの総和が、前記複数の光学素子間で、前記光学素子アレイの配列方向に基づいて周期性を持って変化するよう、前記光源を制御する、
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の表示装置。
  10. 前記光源制御部は、前記主走査方向と前記副走査方向の走査角に基づいて、前記描画領域における走査位置での前記光源から照射される光のパワーを制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 前記光源制御部は、前記描画領域に形成された前記像を観察者が観察した際の光量分布に基づいて、前記光源から出射する光のパワーを制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の表示装置。
  12. 前記光源制御部は、前記二次元走査における所定の主走査位置を走査する際の前記光源から該所定の主走査位置へ照射される光のパワーを基準として、前記二次元走査における前記光源からの光のパワーをランダムに変化させる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の表示装置。
  13. 前記光源制御部は、前記二次元走査における所定の主走査位置を走査する際の前記光源から該所定の主走査位置へ照射される光のパワーを基準として、前記二次元走査における前記光源からの光のパワーを前記二次元走査の周期に従って変化させる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の表示装置。
  14. 前記光源制御部は、前記光源から出射する光の強度と照射時間の少なくとも一方を変更させることにより前記光源から出射する光のパワーを変化させる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の表示装置。
  15. 前記光偏向器は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の表示装置。
  16. 前記光源は、レーザ光を出射するレーザ光源である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の表示装置。
  17. 前記光源は、赤色、緑色、青色のレーザ光をそれぞれ照射する第1、第2、第3のレーザ光源を有し、
    前記光源制御部は、前記第1、第2、第3のレーザ光源を照射させるための第1、第2、第3のレーザ駆動電流を生成し、生成した前記第1、第2、第3のレーザ駆動電流に基づいて前記第1、第2、第3のレーザ光源を駆動させる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の表示装置。
  18. 請求項1から請求項17のいずれかに記載の表示装置により形成された前記像を観察者が観察する観察領域に投影し、前記像を虚像として前記観察者に表示する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ。
  19. 請求項1から請求項17のいずれかに記載の表示装置を備えた、
    ことを特徴とする車両。
  20. 光源から出射された光を、光偏向器を用いて走査することで、描画領域に描画データに基づく像を形成する表示方法であって、
    前記光偏向器を用いた走査は、前記描画領域について、主走査方向と該主走査方向と直交する副走査方向とを走査する二次元走査であり、
    前記光偏向器による前記二次元走査を、前記描画領域における前記主走査方向端部で折り返すことで、前記副走査方向の位置を異ならせながら前記主走査方向に複数の走査を行わせることで実施する走査制御ステップと、
    前記描画領域を、前記形成する像の解像度に基づき、同一形状かつ同一面積の複数の小領域に分割し、
    前記複数の小領域のうち、前記描画領域の中央部側に位置する小領域を第1の小領域、前記描画領域の端部側に位置する小領域を第2の小領域と定義し、
    前記描画データにおける前記第1の小領域の輝度と前記第2の小領域の輝度とが同じである場合に、
    前記二次元走査により、前記光源から前記第1の小領域へ照射される光の強度分布と前記光源から前記第2の小領域へ照射される光の強度分布とが、互いに異なるように、前記光源を制御する光源制御ステップと、
    を有することを特徴とする表示方法。
JP2019192441A 2019-07-08 2019-10-23 表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両 Pending JP2021012350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20184205.1A EP3764150A1 (en) 2019-07-08 2020-07-06 Display device, display method, head-up display, and vehicle

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019127204 2019-07-08
JP2019127204 2019-07-08

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021012350A true JP2021012350A (ja) 2021-02-04

Family

ID=74226553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019192441A Pending JP2021012350A (ja) 2019-07-08 2019-10-23 表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021012350A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008009074A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Sony Corp 表示装置及び表示方法
JP2014095787A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Sony Corp 制御装置、制御方法、駆動装置、及び電子機器
US20150215591A1 (en) * 2014-01-29 2015-07-30 Lite-On Technology Corporation Scanning Projection System
JP2016090769A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 日本精機株式会社 ヘッドアップディスプレイ装置
CN106030380A (zh) * 2014-02-18 2016-10-12 微视公司 多区段亮度补偿
WO2018015991A1 (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 マクセル株式会社 投写型映像表示装置
JP2018077413A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 画像表示装置およびスクリーン

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008009074A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Sony Corp 表示装置及び表示方法
JP2014095787A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Sony Corp 制御装置、制御方法、駆動装置、及び電子機器
US20150215591A1 (en) * 2014-01-29 2015-07-30 Lite-On Technology Corporation Scanning Projection System
CN106030380A (zh) * 2014-02-18 2016-10-12 微视公司 多区段亮度补偿
JP2016090769A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 日本精機株式会社 ヘッドアップディスプレイ装置
WO2018015991A1 (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 マクセル株式会社 投写型映像表示装置
JP2018077413A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 画像表示装置およびスクリーン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6904390B2 (ja) Hud装置、車両装置、表示方法及びプログラム。
US10551619B2 (en) Information processing system and information display apparatus
US10679496B2 (en) Information providing apparatus
JP6703747B2 (ja) 情報表示装置、情報提供システム、移動体装置、情報表示方法及びプログラム
JP6806097B2 (ja) 画像表示装置及び画像表示方法
US10488655B2 (en) Display device
KR102222091B1 (ko) 표시 장치, 이동체 장치, 표시 장치의 제조 방법, 및 표시 방법
WO2017138292A1 (ja) 画像表示装置及び画像表示方法
US10986275B2 (en) Image display apparatus, on-vehicle system, and image display method
KR20180103947A (ko) 정보 표시 장치
JP2018124461A (ja) 表示装置、移動体装置及び表示方法。
JP2015034919A (ja) 情報表示装置
EP3348433B1 (en) Information display device and vehicle apparatus
JP6922217B2 (ja) 表示装置、物体装置及び表示方法
JP2017120371A (ja) 光走査装置及び画像表示装置
JP7027992B2 (ja) 画像表示装置、移動体、画像表示方法およびプログラム
WO2017159443A1 (ja) スクリーン部材及び画像表示装置
JP2021012350A (ja) 表示装置、表示方法、ヘッドアップディスプレイ及び車両
JP2019179172A (ja) 表示装置、表示システム、移動体、表示輝度制御方法およびプログラム
EP3764150A1 (en) Display device, display method, head-up display, and vehicle
JP2021135369A (ja) 光源装置、画像表示装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び、移動体
JP6991905B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
JP2019164219A (ja) ヘッドアップディスプレイ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230530

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231121