JP2021086106A - 表示装置、表示システム、移動体および光量制御方法 - Google Patents

表示装置、表示システム、移動体および光量制御方法 Download PDF

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浩平 川邉
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Abstract

【課題】必要な範囲の光量を検出できる【解決手段】光源素子111から照射される照射光を、主走査方向と、主走査方向に交差する副走査方向とに走査する光偏向装置13と、光偏向装置13により照射光が走査されるスクリーン15と、光偏向装置13が、スクリーン15上の画像形成領域220にて照射光を走査するときに、画像情報に基づき、予め設定された光量の範囲を示す設定光量範囲内で照射光の光量が変化するように、光源素子111を制御する制御回路300と、光偏向装置13が画像形成領域220とは異なる位置の光量制御領域210にて照射光を走査するときに、照射光の光量を検出する光検出器119と、を備え、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、照射光の光量が変化するように光源素子111を制御する。【選択図】図20

Description

本発明は、表示装置、表示システム、移動体および光量制御方法に関する。
特許文献1では、光走査部が表示画像の外部の領域を走査する際、当該走査する光の光量を光量検出部によって検出し、検出した光量に基づき記憶部に記憶された制御電流と光量との関係を更新する画像表示装置を開示している。
特許文献2では、光偏向器でレーザ光が被走査面に向けて偏向されるときの発光強度の調整目標値である第1発光強度調整目標値及び光量の調整目標値を画像の目標輝度に基づいて設定するとともに、光偏向器でレーザ光が光検出器に向けて偏向されるときの発光強度の調整目標値である第2発光強度調整目標値を、目標輝度が検出感度に基づいて設定された閾値未満である場合、第2発光強度調整目標値を、第1発光強度調整目標値よりも大きくする画像形成装置を開示している。
本発明は、必要な範囲の光量を検出できる表示装置、表示システム、移動体および光量制御方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る表示装置は、光源から照射される照射光を、第1の走査方向と、第1の走査方向に交差する第2の走査方向とに走査する走査部と、走査部により照射光が走査されるスクリーンと、走査部が、スクリーン上の画像領域にて照射光を走査するときに、画像情報に基づき、予め設定された光量の範囲を示す設定光量範囲内で照射光の光量が変化するように、光源を制御する制御部と、走査部が画像領域とは異なる位置の検出領域にて照射光を走査するときに、照射光の光量を検出する光検出部と、を備え、制御部は、走査部が検出領域にて照射光を走査するときに、設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、照射光の光量が変化するように光源を制御する。
本発明は、必要な範囲の光量を検出できる表示装置、表示システム、移動体および光量制御方法を提供することができる。
実施形態に係る表示システムのシステム構成の一例を示す図である。 実施形態に係る表示装置のハードウエア構成の一例を示す図である。 実施形態に係る表示装置の機能構成の一例を示す図である。 実施形態に係る光偏向装置の具体的構成の一例を示す図である。 実施形態に係るスクリーンの具体的構成の一例を示す図である。 マイクロレンズアレイにおいて、入射光束径とレンズ径の大小関係の違いによる作用の違いについて説明するための図である。 光偏向装置のミラーと走査範囲の対応関係について説明するための図である。 2次元走査時の走査線軌跡の一例を示す図である。 実施形態に係る光源装置の具体的構成の一例を示す図である。 実施形態に係る光源装置から射出されたレーザ光のスクリーン上における走査領域の一例を示す図である。 実施形態に係る光源装置の構成の一例を概略的に示した図である。 実施形態に係る制御回路の機能構成の一例を示す図である。 光源素子からの出力光量のアナログ電流値の特性を示す図である。 (a)光源素子の出力光量と電流デジタル値の特性を示す図である。(b)光検出器の出力と電流デジタル値の特性を示す図である。 実施形態に係る光源装置において、光量制御方法の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る光源装置における光量テーブルの一例である。 (a)階調と光量の関係、および(b)階調と電流の関係を示す図である。 光量制御領域210における電流及び光量の制御を説明する図である。 パルス幅の異なる2つのIL特性の説明図である。 単位時間あたりのパルス数が異なる2つのIL特性の説明図である。 図15に示したフローチャートのステップS4の詳細を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
●システム構成●
まず、図1乃至図8を用いて、各実施形態における光源装置が適用されるシステムについて説明する。図1は、実施形態に係る表示システムのシステム構成の一例を示す図である。表示システム1は、表示装置10から投射される投射光を、透過反射部材に投射させることによって観察者3に表示画像を視認させるシステムである。表示画像は、観察者3の視界に虚像45として重畳して表示する画像である。
表示システム1は、例えば、車両、航空機もしくは船舶等の移動体、または操縦シミュレーションシステムもしくはホームシアターシステム等の非移動体に備えられる。本実施形態は、表示システム1が、移動体の一例である自動車に備えられた場合について説明する。なお、表示システム1の使用形態は、これに限られるものではない。
表示システム1は、例えば、フロントガラス50を介して車両の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば車両の速度、進路情報、目的地までの距離、現在地名称、車両前方における物体(対象物)の有無や位置、制限速度等の標識、渋滞情報等の情報等)を、観察者3(操縦者)に視認可能にする。この場合、フロントガラスは、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材として機能する。観察者3の視点位置からフロントガラス50までの距離は、数十cm〜1m程度である。
表示システム1は、表示装置10、自由曲面ミラー30およびフロントガラス50を備える。表示装置10は、例えば、移動体の一例である自動車に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)である。表示装置10は、自動車のインテリアデザインに準拠して任意の位置に配置される。表示装置10は、例えば、自動車のダッシュボードの下方に配置されてもよく。ダッシュボード内に埋め込まれていてもよい。
表示装置10は、レーザ光を出力する光源装置11と、光源装置11から出力されたレーザ光を偏向、走査する光偏向装置13(走査部の一例)と、光偏向装置13によって偏向、走査されたレーザ光を発散させるスクリーン15を備える。光源装置11は、光源から射出されたレーザ光を、装置外部へ照射するデバイスである。光源装置11は、例えば、R、G、Bの3色のレーザ光を合成したレーザ光を照射してもよい。光源装置11から射出(出力)されたレーザ光は、光偏向装置13の反射面に導かれる。光源装置11は、光源として、LD(Laser Diode)等の半導体発光素子を有する。なお、光源は、これに限られず、LED(light emitting diode)等の半導体発光素子を有してもよい。
光偏向部としての光偏向装置13は、光源装置11から射出された光を主走査方向(第1の走査方向の一例)および主走査方向に直交する副走査方向(第2の走査方向の一例)に走査して、光学素子としてのスクリーン15上に中間像40を形成するものであり、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等を利用してレーザ光の進行方向を変化させるデバイスである。光偏向装置13は、例えば、直交する2軸に対して揺動する単一の微小なMEMSミラー、または1軸に対して揺動もしくは回転する2つのMEMSミラーからなるミラー系等の走査手段を利用して構成される。光偏向装置13から出力されたレーザ光は、スクリーン15に走査される。なお、光偏向装置13は、MEMSミラーに限られず、ポリゴンミラー等を用いて構成されてもよい。
光を発散させる光学素子としてのスクリーン15は、レーザ光を所定の発散角で発散させる機能を有する発散部材である。スクリーン15は、例えば、EPE(Exit Pupil Expander)の形態として、マイクロレンズアレイ(MLA)または拡散板等の光拡散効果を持つ透過型の光学素子によって構成される。なお、スクリーン15は、マイクロミラーアレイ等の光拡散効果を持つ反射型の光学素子によって構成されてもよい。スクリーン15は、光偏向装置13から出力されたレーザ光がスクリーン15上に走査されることによって、スクリーン15上に二次元像である中間像40を形成する。
ここで、表示装置10の投射方式は、液晶パネル、DMDパネル(デジタルミラーデバイスパネル)または蛍光表示管(VFD)等イメージングデバイスで中間像40を形成する「パネル方式」と、光源装置11から出力されたレーザ光を走査手段で走査して中間像40を形成する「レーザ走査方式」がある。
本実施形態に係る表示装置10は、後者の「レーザ走査方式」を採用する。「レーザ走査方式」は、各画素に対して発光または非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。なお、表示装置10は、投射方式として「パネル方式」を用いてもよい。
スクリーン15から出力されたレーザ光(光束)によって、自由曲面ミラー30およびフロントガラス50に投射された虚像45は、中間像40から拡大されて表示される。自由曲面ミラー30は、フロントガラス50の湾曲形状による画像の傾き、歪、位置ずれ等を相殺するように設計および配置されている。自由曲面ミラー30は、所定の回転軸を中心として回転可能に設置されてもよい。これにより、自由曲面ミラー30は、スクリーン15から出力されたレーザ光(光束)の反射方向を調整し、虚像45の表示位置を変化させることができる。
ここでは、自由曲面ミラー30は、虚像45の結像位置が所望の位置になるように、一定の集光パワーを有するように既存の光学設計シミュレーションソフトを用いて設計されている。表示装置10は、虚像45が観察者3の視点位置から例えば1m以上かつ30m以下(好ましくは10m以下)の位置(奥行位置)に表示されるように、自由曲面ミラー30の集光パワーを設定する。なお、自由曲面ミラー30は、凹面ミラーやその他集光パワーを有する素子であってもよい。自由曲面ミラー30は、結像光学系の一例である。
フロントガラス50は、レーザ光(光束)の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる機能(部分反射機能)を有する透過反射部材である。フロントガラス50は、観察者3に前方の景色および虚像45を視認させる半透過鏡として機能する。虚像45は、例えば、車両情報(速度、走行距離等)、ナビゲーション情報(経路案内、交通情報等)、警告情報(衝突警報等)等を観察者3に視認させるための画像情報である。なお、透過反射部材は、フロントガラス50とは別途設けられたフロントウインドシールド等であってもよい。フロントガラス50は、反射部材の一例である。
虚像45は、フロントガラス50の前方の景色と重畳するように表示されてもよい。また、フロントガラス50は、平面でなく、湾曲している。そのため、虚像45の結像位置は、自由曲面ミラー30とフロントガラス50の曲面によって決定される。なお、フロントガラス50は、部分反射機能を有する個別の透過反射部材としての半透過鏡(コンバイナ)を利用してもよい。
このような構成により、スクリーン15から出力されたレーザ光(光束)は、自由曲面ミラー30に向けて投射され、フロントガラス50で反射される。観察者3は、フロントガラス50で反射された光によって、スクリーン15に形成された中間像40が拡大された虚像45を視認することができる。
●ハードウエア構成●
図2は、実施形態に係る表示装置のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図2に示すハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
表示装置10は、表示装置10の動作を制御するためのコントローラ17を有する。コントローラ17は、表示装置10の内部に実装された基板またはICチップ等である。コントローラ17は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)1001、CPU(Central Processing Unit)1002、ROM(Read Only Memory)1003、RAM(Random Access Memory)1004、I/F(Interface)1005およびバスライン1006を含む。
FPGA1001は、表示装置10の設計者による設定変更が可能な集積回路である。CPU1002は、表示装置10全体を制御するための処理を行う集積回路である。ROM1003は、CPU1002を制御するプログラムを記憶する記憶装置である。RAM1004は、CPU1002のワークエリアとして機能する記憶装置である。I/F1005は、外部装置と通信するためのインターフェースである。I/F1005は、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続される。
LD1007は、例えば、光源装置11の一部を構成する半導体発光素子である。MEMS1009は、光偏向装置13の一部を構成し、走査ミラーを変位させるデバイスである。モータ1011は、自由曲面ミラー30の回転軸を回転させる電動機である。
●機能構成●
図3は、実施形態に係る表示装置の機能構成の一例を示す図である。表示装置10により実現される機能は、車両情報受信部171、外部情報受信部172、画像生成部173および画像表示部174を含む。
車両情報受信部171は、CAN等から自動車の情報(速度、走行距離等の情報)を受信する機能である。車両情報受信部171は、図2に示したI/F1005およびCPU1002の処理、並びにROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
外部情報受信部172は、外部ネットワークから自動車外部の情報(GPSからの位置情報、ナビゲーションシステムからの経路情報または交通情報等)を受信する機能である。外部情報受信部172は、図2に示したI/F1005およびCPU1002の処理、並びにROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
画像生成部173は、車両情報受信部171および外部情報受信部172により入力された情報に基づいて、中間像40および虚像45を表示させるための画像情報を生成する機能である。画像生成部173は、図2に示したCPU1002の処理、およびROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
画像表示部174は、画像生成部173により生成された画像情報に基づいて、スクリーン15に中間像40を形成し、中間像40を構成したレーザ光(光束)をフロントガラス50に向けて投射して虚像45を表示させる機能である。画像表示部174は、図2に示したCPU1002およびFPGA1001の処理、並びにROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
画像表示部174は、制御部175、中間像形成部176および投影部177を含む。
制御部175は、中間像40を形成するために、光源装置11および光偏向装置13の動作を制御する制御信号を生成する。また、制御部175は、虚像45を所定の位置に表示させるために、自由曲面ミラー30の動作を制御する制御信号を生成する。
中間像形成部176は、制御部175によって生成された制御信号に基づいて、スクリーン15に中間像40を形成する。投影部177は、観察者3に視認させる虚像45を形成するために、中間像40を構成したレーザ光を、透過反射部材(フロントガラス50等)に投射させる。
●光偏向装置●
図4は、実施形態に係る光偏向装置の具体的構成の一例を示す図である。光偏向装置13は、半導体プロセスにより製造されるMEMSミラーであり、ミラー130、蛇行状梁部132、枠部材134、および圧電部材136を含む。光偏向装置13は、走査部の一例である。
ミラー130は、光源装置11から出力されたレーザ光をスクリーン15側に反射する反射面を有する。光偏向装置13は、ミラー130を挟んで一対の蛇行状梁部132を形成する。蛇行状梁部132は、複数の折り返し部を有する。折り返し部は、交互に配置される第1の梁部132aと第2の梁部132bとから構成されている。蛇行状梁部132は、枠部材134に支持されている。圧電部材136は、隣接する第1の梁部132aと第2の梁部132bとを接続するように配置されている。圧電部材136は、第1の梁部132aと第2の梁部132bとに異なる電圧を印加し、梁部132a,132bのそれぞれに反りを発生させる。
これにより、隣接する梁部132a,132bは、異なる方向に撓む。ミラー130は、撓みが累積されることによって、左右方向の軸を中心として垂直方向に回転する。このような構成により、光偏向装置13は、垂直方向への光走査が低電圧で可能となる。上下方向の軸を中心とした水平方向の光走査は、ミラー130に接続されたトーションバー等を利用した共振により行われる。
●スクリーン●
図5は、実施形態に係るスクリーンの具体的構成の一例を示す図である。スクリーン15は、光源装置11の一部を構成するLD1007から出力されたレーザ光を結像させる。また、スクリーン15は、所定の発散角で発散させる発散部材である。スクリーン15は、光学素子の一例である。図5に示すスクリーン15は、六角形形状を有する複数のマイクロレンズ150が隙間なく配列されたマイクロレンズアレイ構造を有している。マイクロレンズ150のレンズ径(対向する2辺間の距離)は、200μm程度である。スクリーン15は、マイクロレンズ150の形状を六角形とすることにより、複数のマイクロレンズ150を高密度で配列することができる。
なお、マイクロレンズ150の形状は、六角形に限られるものではなく、例えば四角形、三角形等であってもよい。また、複数のマイクロレンズ150が規則正しく配列された構造を例示しているが、マイクロレンズ150の配列は、これに限られるものではなく、例えば、各マイクロレンズ150の中心を互いに偏心させ、不規則な配列としてもよい。このように偏心させた配列を採用する場合、各マイクロレンズ150は、互いに異なる形状となる。
図6は、マイクロレンズアレイにおいて、入射光束径とレンズ径の大小関係の違いによる作用の違いについて説明するための図である。図6(a)において、スクリーン15は、マイクロレンズ150が整列して配置された光学板151によって構成される。光学板151上に入射光152を走査する場合、入射光152は、マイクロレンズ150により発散され、発散光153となる。スクリーン15は、マイクロレンズ150の構造により、入射光152を所望の発散角154で発散させることができる。この発散角154は、マイクロレンズ150の曲率と対応関係がある。マイクロレンズ150の周期155は、入射光152の径156aよりも大きくなるように設計される。これにより、スクリーン15は、レンズ間での干渉を起こさずに、干渉ノイズの発生を抑制する。
図6(b)は、入射光152の径156bが、マイクロレンズ150の周期155の2倍大きい場合の発散光の光路を示す。入射光152は、二つのマイクロレンズ150a、150bに入射し、それぞれ発散光157、158を生じさせる。このとき、領域159において、二つの発散光が存在するため、光の干渉を生じうる。この干渉光が観察者の目に入った場合、干渉ノイズとして視認される。
以上を考慮して、干渉ノイズを低減するため、マイクロレンズ150の周期155は、入射光の径156よりも大きく設計される。なお、図6は、凸面レンズの形態で説明したが、凹面レンズの形態においても同様の効果があるものとする。
図7は、光偏向装置のミラーと走査範囲の対応関係について説明するための図である。光源装置11の各光源素子は、FPGA1001によって発光強度や点灯タイミング、光波形が制御される。各光源素子から出力され光路合成されたレーザ光は、図7に示すように、光偏向装置13のミラー130によってα軸周り、β軸周りに二次元的に偏向され、ミラー130を介して走査光としてスクリーン15に照射される。すなわち、スクリーン15は、光偏向装置13による主走査および副走査によって二次元走査される。
走査範囲は、光偏向装置13によって走査しうる全範囲である。走査光は、スクリーン15の走査範囲を、2〜4万Hz程度の速い周波数で主走査方向(X軸方向)に振動走査(往復走査)しつつ、数十Hz程度の遅い周波数で副走査方向(Y軸方向)に片道走査する。すなわち、光偏向装置13は、スクリーン15に対してラスタースキャンを行う。この場合、表示装置10は、走査位置(走査光の位置)に応じて各光源素子の発光制御を行うことで、画素ごとの描画または虚像の表示を行うことができる。
一画面を描画する時間、すなわち1フレーム分の走査時間(二次元走査の1周期)は、
上記のように副走査周期が数十Hzであることから、数十msecとなる。例えば、主走査周期を20000Hz、副走査周期を50Hzとした場合、1フレーム分の走査時間は、20msecとなる。
図8は、2次元走査時の走査線軌跡の一例を示す図である。スクリーン15は、図8に示すように、中間像40が描画される(画像データに応じて変調された光が照射される)画像領域61(有効走査領域)と、画像領域61を取り囲むフレーム領域62を含む。
走査範囲は、スクリーン15における画像領域61とフレーム領域62の一部(画像領域61の外縁近傍の部分)を併せた範囲とする。図8において、走査範囲における走査線の軌跡は、ジグザグ線によって示される。図8において、走査線の本数は、便宜上、実際よりも少なくしている。
スクリーン15は、上述のように、マイクロレンズアレイ150等の光拡散効果を持つ透過型の光学素子で構成されている。画像領域61は、矩形または平面である必要はなく、多角形または曲面であってもよい。また、スクリーン15は、光拡散効果を持たない平板または曲板であってもよい。さらに、スクリーン15は、装置レイアウトに応じて、例えば、マイクロミラーアレイ等の光拡散効果を持つ反射型の光学素子とすることもできる。
スクリーン15は、走査範囲における画像領域61の周辺領域(フレーム領域62の一部)に、受光素子を含む同期検知系60を備える。図8において、同期検知系60は、画像領域61の−X側かつ+Y側の隅部に配置される。同期検知系60は、光偏向装置13の動作を検出して、走査開始タイミングや走査終了タイミングを決定するための同期信号をFPGA1001に出力する。
●光源装置●
●構成
続いて、図9乃至図29を用いて、本実施形態に係る光源装置11について説明する。まず、図9乃至図12を用いて、本実施形態に係る光源装置11の構成について説明する。
図9は、実施形態に係る光源装置の具体的構成の一例を示す図である。光源装置11は、光源素子111(r),111(g),111(b)(以下、区別する必要のないときは、光源素子111とする。)、カップリングレンズ112(r),112(g),112(b)(以下、区別する必要のないときは、カップリングレンズ112とする。)、アパーチャ113(r),113(g),113(b)(以下、区別する必要のないときはアパーチャ113とする。)、ミラー114、光合成素子115,116、光分岐素子117および光検出器119を含む。
三色(R,G,B)の光源素子111(r),111(g),111(b)は、例えば、それぞれ単数または複数の発光点を有するLD(レーザダイオード)である。光源素子111(r),111(g),111(b)は、互いに異なる波長λR,λG,λB(例えば、λR=650nm,λG=515nm,λB=450nm)のレーザ光(光束)を出力(射出)する。光源装置11は、画像に必要な色生成のため、波長の異なる光束を出力する複数の光源素子111(111(r),111(g),111(b))を有する。光源素子111を駆動させるための回路基板は、小型化や低コストを考え、各光源素子111(r),111(g),111(b)を光源装置11の同じ面に配置することで共通化される。なお、図9に示す光源素子111は、図2に示したLD1007に対応する構成である。
出力された各光束は、それぞれ対応するカップリングレンズ112(r),112(g),112(b)によりカップリングされる。光源素子111から出力されるレーザ光(光束)は、拡散光であるため、対応するカップリングレンズ112によって集光されて平行光となる。半導体レーザは、指向性が高い一方で出射端において拡がりを有するため、次第に減衰してしまう。光源装置11は、放射された光束の損失を小さくするため、カップリングレンズ112を用いて放射された光束を平行光にする。
カップリングされた各光束は、それぞれ対応するアパーチャ113(r),113(g),113(b)により整形される。アパーチャ113は、光束の発散角等の所定の条件に応じた形状(例えば円形、楕円形、長方形、正方形等)を有する。アパーチャ113により整形された光束は、ミラー114と、2つの合成素子115,116とを用いて合成される。
ミラー114は、光源素子111(b)から出力された光束を偏向して、光分岐素子117へ導光する。光合成素子115は、ミラー114により導光された光束と、光源素子111(g)から出力された光束とを合成する。光合成素子116は、光合成素子115によって合成された光束と、光源素子111(r)から出力された光束とをさらに合成する。光合成素子115,116は、プレート状またはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じて光束を反射または透過し、一つの光束に合成する。光源素子111(r),111(g),111(b)から出力された光束は、光合成素子115および光合成素子116によって合成され、同一の光路をたどるようになる。
光分岐素子117に入射した入射光の一部は、光分岐素子117を透過し、他の一部すなわち残部の少なくとも一部は、光分岐素子117で反射される。すなわち、光合成素子116によって合成された光束は、光分岐素子117によって透過光と反射光に分岐される。なお、光分岐素子117は、光合成素子116と光偏向装置13との間の光路上に配置されていればよい。
透過光は、光偏向装置13に照射され、スクリーン15上での画像描画および虚像表示に用いられる。すなわち、透過光は、画像光として用いられる。一方で、反射光は、光検出器119に照射され、虚像の色や輝度を調整するためのモニタ光として用いられる。
光検出器119は、光分岐素子117によって分岐されたモニタ光の光量を検出する。光検出器119は、光源装置11の小型化のため、複数の光源素子111から出力されたレーザ光(光束)を一つの素子で検出することが好ましい。
波長の異なる複数のレーザ光源を用いた光源装置11において、表示させる虚像の色の表現は、液晶ディスプレイと同様に、白色を実現するホワイトバランスが基準となるので、ホワイトバランス(光量比)を適切に設定する必要がある。各光源素子111によって出力されるレーザ光(光束)の光量は、温度変化等の環境変動によって変動するため、ホワイトバランスを実現するための光量も変化してしまう。そこで、光源装置11は、各光源素子111から出力されるレーザ光(光束)の光量変動を光検出器119で検出し、光源素子111によって出力されるレーザ光(光束)の光量制御(APC)を行う。光源装置11は、合成素子116で合成されたレーザ光の一部を光分岐素子117によって光検出器119へ分岐させる。なお、光源装置11は、光分岐素子117における分岐面をレーザ光(光束)の入射面とし、光分岐素子117によって反射されたレーザ光を光検出器119へ導光し、光分岐素子117を透過したレーザ光を光偏向装置13へ導光するように、光分岐素子117が配置されている。
ここで、図10を用いて、光源装置11によって行われる光量制御のタイミングについて説明する。図10は、実施形態に係る光源装置から射出されたレーザ光のスクリーン上における走査領域の一例を示す図である。
表示装置10は、光源装置11から射出、照射されたレーザ光(照射光)を、光偏向装置13によって偏向させ、スクリーン15上に二次元走査する。光量制御(APC)において、光源装置11は、光検出器119によって検出されたモニタ光を用いて、光源素子111が所望の光量を出力するための電流デジタル値を決定するために、光源素子111を所定の期間点灯させる必要がある。また、光源装置11は、光量制御(APC)の精度向上のために、複数の光量で光源素子111を点灯させる必要がある。そこで、図10に示すように、スクリーン15上の走査領域230は、画像光によって画像を形成するための画像形成領域(画像領域)220とは異なる位置に、光量制御領域(非画像領域、検出領域)210を有する。なお、画像形成領域220は、図8に示したような画像領域61と同様である。光源装置11は、光偏向装置13によって画像光を光量制御領域210に走査させるタイミングで、光検出器119によって光量を検出し、各光源素子111から出力されるレーザ光の光量制御(APC)を行う。
観察者3に視認させる画像を形成する画像形成領域220で光量制御を行った場合、光量の変化に応じて、形成される画像に色ムラが生じてしまう。そのため、表示装置10は、図10に示すように、光量制御用のレーザ光を点灯させる光量制御領域210と画像形成領域220とを分離し、光量制御用のレーザ光を、画像形成領域220から遮光することによって、画像形成領域220に形成される画像の色ムラの発生を抑制することができる。
図11は、実施形態に係る光源装置の構成の一例を概略的に示した図である。光源装置11は、図9に示した構成に加えて、制御回路300を含む。制御回路300は、バスライン307を介して、光源素子111、光検出器119および第2の光検出器120に接続されている。制御回路300は、光源装置11の内部に実装された回路基板またはICチップ等である。制御回路300は、光検出器119および第2の光検出器120からの出力に基づいて、光源素子111から出力されるレーザ光の光量を制御する。なお、第2の光検出器120は、フロントガラス50近傍に配置され、フロントガラス50に投射された虚像45の周囲の環境光の明度(又は照度)及び色度を検出する外光検出部の一例である。
制御回路300は、FPGA301、CPU302、ROM303、RAM304、I/F305、ドライバ306およびバスライン307を含む。FPGA301は、光源装置11の設計者による設定変更が可能な集積回路である。ドライバ306は、FPGA301からの制御信号に応じて、光源素子111の駆動信号を生成する。CPU302は、光源装置11全体を制御するための処理を行う集積回路である。ROM303は、CPU302を制御するプログラムを記憶する記憶装置である。光源装置11は、例えば、本発明に係るプログラムをCPU302またはFPGA301が実行することによって、本発明に係る光量制御方法を実現する。なお、本発明に係る光量制御方法は、本発明に係るプログラムを図2に示したCPU1002またはFPGA1001が実行することによって実現される構成であってもよい。RAM304は、CPU302のワークエリアとして機能する記憶装置である。I/F305は、光検出器119および第2の光検出器120と通信するためのインターフェースである。
続いて、図12を用いて、実施形態に係る光源装置11が有する制御回路300によって実現される機能を説明する。図12は、実施形態に係る制御回路の機能構成の一例を示す図である。図12に示す制御回路300によって実現される機能は、検出部310、光量算出部330、電流決定部350、駆動制御部370、記憶・読出制御部390および記憶部3000を含む。検出部310、光量算出部330、電流決定部350、駆動制御部370、記憶・読出制御部390および記憶部3000は、例えば、図11に示したFPGA301、ドライバ306およびCPU302の処理によって実現される。なお、検出部310、光量算出部330、電流決定部350、駆動制御部370、記憶・読出制御部390および記憶部3000の機能は、表示装置10に設けられた専用IC(例えば、図2に示したコントローラ17)によって実現されてもよい。
検出部310は、光源装置11による各光源素子111から出力されるレーザ光の光量制御(APC)を行うタイミングを検出する機能である。検出部310は、例えば、光偏向装置13からの同期信号によって、図10に示した光量制御領域210に対する走査期間であることを検出する。また、検出部310は、光偏向装置13による走査周期を予め記憶し、光量制御領域210の走査周期であることを検出してもよい。検出部310は、主に、図11に示したFPGA301、CPU302およびI/F305の処理によって実現される。
光量算出部330は、光検出器119によって検出されたレーザ光(光束)の平均光量を算出する機能である。光量算出部330は、例えば、光検出器119から出力される検出信号に基づいて、光源素子111から出力されたレーザ光の平均光量を算出する。光量算出部330は、光源素子111ごとにそれぞれから出力されるレーザ光の平均光量を算出する。光量算出部330は、主に、図11に示したFPGA301、CPU302およびI/F305の処理によって実現される。
電流決定部350は、光量制御(APC)によって、光量制御範囲を設定するためのオフセット値およびゲイン値、並びに光源素子111から所定の光量のレーザ光を出力させるための電流デジタル値を決定する機能である。すなわち、電流デジタル値は、光源素子111に流れる電流値を示す。電流決定部350は、主に、図11に示したFPGA301およびCPU302の処理によって実現される。電流決定部350は、電流決定手段の一例である。
駆動制御部370は、電流決定部350によって決定されたパラメータに基づいて、光源素子111の駆動を制御する機能である。駆動制御部370は、主に、図11に示したFPGA301およびCPU302の処理によって実現される。駆動制御部370は、駆動制御手段の一例である。駆動制御部370は、変換部371、オフセット制御部372およびゲイン制御部373を含む。
変換部371は、電流決定部350によって決定された電流デジタル値を、光源素子111を駆動させるためのアナログ電流値に変換する機能である。変換部371によって変換されたアナログ電流値は、光源素子111から出力されるレーザ光の出力電流値の一例である。
オフセット制御部372は、電流決定部350によって設定されたオフセット値に基づいて、光源素子111の電流値をオフセットする機能である。
ゲイン制御部373は、電流決定部350によって設定されたゲイン値に基づいて、光源素子111の電流値を増幅させる機能である。
記憶・読出制御部390は、記憶部3000に各種データを記憶させ、または記憶部3000から各種データを読み出す機能である。記憶・読出制御部390は、主に、図11に示したFPGA301、CPU302の処理によって実現される。記憶部3000は、主に、図11に示したFPGA301、CPU302およびROM303によって実現される。
●光量制御
続いて、図13乃至図17を用いて、光源装置11による光量制御について説明する。
図13は、光源素子からの出力光量とアナログ電流値の特性を示す図である。図13は、絶対最大定格が50mWである光源素子の出力光量の電流値特性(IL特性)の一例を示す。図13に示すように、光源素子111の出力光量は、発振閾値電流(100mA)の前後で特性が異なり、発振閾値より小さい電流値ではほとんど発光せず、発振閾値より大きい電流値では線形性が高い。光源装置11は、光源素子111の出力光量の制御を、図12に示したような駆動制御部370を用いて行われる。また、光源装置11は、アナログ値(以下、アナログ電流値と称する。)ではなくデジタル値(以下、電流デジタル値と称する)を、駆動制御部370に設定する。駆動制御部370は、例えば、電流値を10bitで処理し、アナログ電流値0mAを0digit、アナログ電流値300mAを1023digitに対応させた場合、図14(a)に示すようなIL特性が得られる。光源装置11は、図10に示したような光量制御領域210において、離散的な複数の光量で光源素子111を発光させ、光検出器119による出力を得ることで、画像描画および虚像表示に必要な光量(出力値)となる電流デジタル値を探索する。
光検出器119へは光源素子111から出力されたレーザ光の一部が到達する。光検出器119へ入射したレーザ光は、図14(b)に示すようなデジタル値で処理される。そこで、光源装置11は、予め調整工程等で光検出器119の出力と光源光量との関係を取得しておくことで、図14(b)に示すような光検出器119の出力値を、図14(a)に示すような光源光量に変換することができる。光量算出部330は、光検出器119の出力と光源光量の関係に基づいて、光検出器119からの出力された出力値から、光源素子111から出力されたレーザ光の光量を算出する。なお、光検出器119の出力と光源光量の関係(近似式)は、予め記憶部3000に記憶されている。
電流デジタル値1digitあたりの分解能は、約0.3mA/digitであり、発振閾値電流以上の光量は、0.07mW/digitとなる。環境照度が低い場合、HUDのような車載装置である表示装置10が必要な光源素子111からの出力光量の上限は、例えば、10mWである。この場合、発振閾値電流に対応するデジタル電流値(340digit)から出力光量の上限値(10mW)に対応するデジタル電流値(480digit)までの範囲が有効な電流デジタル値(以下、有効電流デジタル値と称する。)となる。この有効電流デジタル値の範囲が、光量制御が行うことが可能な範囲(以下、光量制御範囲と称する。)である。
ここで、一般的に画像の階調は、256段階で表される。一方で、光量制御範囲は、140digit(340digit〜480digit)であるため、滑らかな階調表現を行うことが困難である。また、光源素子が出力可能な最大電流値(最大アナログ電流値)は、画像描画に必要な電流値に対して余裕を持たせるため、300mA以上に設計される。電流デジタル値に対応するアナログ電流値を大きくした場合、デジタル値1digit当たりの制御電流値の範囲が大きくなるので、光量制御の分解能は低くなる。したがって、1023digitに対応するアナログ電流値が高くなり、光量制御範囲は、140digit以下となるため、光量制御の分解能は、さらに低くなってしまう。
そこで、光量制御の分解能を高める方法として、光源素子111を駆動させるためのゲイン値およびオフセット値を最適値に設定する方法がある。ここで、アナログ電流値、電流デジタル値、ゲイン値およびオフセット値の関係は、以下の式1のように表される。式1に示されるように、光源装置11は、光源素子111を駆動させるために設定されるオフセット値およびゲイン値を制御することで、同じ電流デジタル値が入力されても、光源素子111から出力するレーザ光のアナログ電流値(出力電流値)を変更することができる。
アナログ電流値=電流デジタル値 × ゲイン値 + オフセット値 ・・・(式1)
また、式1に示されるように、光源装置11は、ゲイン値を制御することで、電流デジタル値に対応する出力電流値(アナログ電流値)をg倍させることができる。
図15は、実施形態に係る光源装置において、光量制御方法の一例を示すフローチャートである。
制御回路300は、図11で示した第2の光検出器120からの検出信号に基づき、外光の照度が変化したか判断する(ステップS1)。
制御回路300は、外光の照度が変化した場合、変化後の外光の照度に応じた光量テーブルに切り替える(ステップS2)。
制御回路300は、画像形成領域220走査中に、光量テーブル毎の設定電流範囲内で、画像の階調に応じて光源素子111に流れる電流を制御する(ステップS3)。
制御回路300は、光量制御領域210走査中に、検出用電流範囲内で光源素子111に流れる電流を変化させ、光検出器119で光量を検出する(ステップS4)。
制御回路300は、光量制御領域210走査中に、検出用電流範囲内で光源素子111に流れる電流を離散的に変化させたときの離散的な複数の電流値のそれぞれと、光検出器119で検出した複数の光量値のそれぞれとの関係に基づき、図14で説明したように、光量テーブルを更新する(ステップS5)。
図16は、実施形態に係る光源装置における光量テーブルの一例である。光量テーブルは、ROM303に記憶されている。制御回路300は、図15のステップS2で説明したように、第2の光検出器120からの検出信号に基づき、テーブルNO.1〜9の中から、外光の照度に応じた一つのテーブルを選択する。
光量テーブルには、テーブルNO.1〜9毎に、設定光量範囲および設定電流範囲が記憶されている。すなわち、制御回路300は、複数の設定光量範囲から一の設定光量範囲を選択するとともに、複数の設定電流範囲から一の設定電流範囲を選択する。
テーブルNO.1には、最小光量0〜最大光量100%が設定光量範囲として予め設定、記憶されており、最小電流0〜最大電流100%が設定電流範囲として予め設定、記憶記憶されている。同様に、テーブルNO.2〜9には、最小光量0とテーブル毎に異なる最大光量により設定される設定光量範囲と、最小電流0とテーブル毎に異なる最大電流により設定される設定電流範囲が記憶されている。
テーブルNO.4〜6には、設定光量範囲と設定電流範囲のほかに、照射光をPWM制御によりパルス変調する際のオン時間の比率が予め設定、記憶されている。
制御回路300は、テーブルNO.4〜6の何れかを選択した場合、テーブルNO.4〜6に記憶されたオン時間に基づき、光源素子111を点灯させるパルス幅を変更して照射光をPWM制御する。
テーブルNO.7〜9には、設定光量範囲と設定電流範囲のほかに、テーブルNO.4〜6よりも小さく設定されるパルスのオン時間と、パルスの間引き率が予め設定、記憶記憶されている。
制御回路300は、テーブルNO.7〜9の何れかを選択した場合、テーブルNO.7〜9に記憶されたオン時間およびパルスの間引き率に基づき、光源素子111を点灯させるパルス幅を変更して照射光をPWM制御するとともに、パルスを間引き制御する。
また、制御回路300は、単位時間あたりのパルスのオン時間が異なる複数のパルス条件(テーブルNO.1〜3、テーブルNO.4〜6またはテーブルNO.7〜9)から一のパルス条件を選択している。
図17は、(a)階調と光量の関係、および(b)階調と電流の関係を示す図である。
画像の階調と光源素子111から出力される光量との関係式は、図17(a)に示すように、直線的でなく所定のγ値(表示画像中の階調の変化と光量との比を示す指標)を有する曲線C2で表される。これにより、表示画像を滑らかなグレースケールで表現することができる。曲線C2を示す情報は、例えばγ値の補正係数を有する演算式、又は階調毎の光量のデータテーブルとして、図16に示したテーブルNO.1〜9毎に、予めROM303に格納されている。
画像の階調と光源素子111に流れる電流との関係式は、図13に示した光量の電流値特性と、図17(a)に示した階調と光量との関係式に基づき、図17(b)に示すように、曲線C3で表される。曲線C3を示す情報は、演算式又は階調毎の電流値のデータテーブルとして、図16に示したテーブルNO.1〜9毎に、予めROM303に格納されている。
そして、制御回路300は、図15のステップS3で説明したように、画像形成領域220走査中に、光量テーブル毎のパルス条件および設定電流範囲内で、画像の階調(画像情報)に応じて光源素子111に流れる電流を制御することにより、画像の階調(画像情報)に基づき、光量テーブル毎の設定光量範囲内で、光源素子111から照射される照射光の光量を変化させる。
図18は、光量制御領域210における電流及び光量の制御を説明する図である。
制御回路300は、図15で説明したステップS4において、一例として図18に示す8つの電流値を用いて光源素子111に流れる電流を制御し、8つの電流値のそれぞれに対して光検出器119で光量を検出する。
すなわち、制御回路300は、検出用電流範囲としての電流デジタル値100〜800の範囲で電流を離散的に変化させ、これにより、検出光量範囲としての約4〜約29mWの範囲で目標光量を離散的に変化させる。
そして、制御回路300は、光量制御領域210走査中に、離散的に電流を変化させたときの複数の電流値のそれぞれと、光検出器119で検出した複数の光量値のそれぞれとの関係に基づき、図14で説明したように、光量テーブルの設定電流範囲を更新する。
ここで、光源素子111の出力光量と電流デジタル値の特性は、線形性が悪い場合があり、この特性を精度良く近似するには、検出用電流範囲および検出光量範囲をなるべく大きくして、電流デジタル値および検出光量のサンプル数をなるべく多くすることが望ましい。
しかしながら、図16に示すテーブルNO.6〜9等においては、最大光量が小さい(テーブルNO.1の最大光量の10%以下)ため、検出用電流範囲の最小電流のときの光量(検出光量範囲の最小光量)が、光検出器119で検出可能な光量未満となってしまう可能性があった。この場合、光量の小さい側のサンプルを確保できなくなり、光量の小さい側で光量制御の精度が悪化する可能性があった。
図19は、パルス幅の異なる2つのIL特性の説明図である。図中、実線は、デューティ比(パルスのオン時間の比率)が50%の場合のIL特性を示し、破線は、デューティ比が16%の場合のIL特性を示す。
ここで、検出用電流範囲ΔIを50〜80とする場合、デューティ比50%のIL特性における検出用光量範囲ΔPaは約2.5〜約4.5mA、デューティ比が16%のIL特性における検出用光量範囲ΔPbは約0.2〜0.8mAとなる。
しかしながら、例えば、光検出器119で検出可能な光量の最小値を0.4mWとする場合、デューティ比が16%のIL特性の場合、検出用電流範囲ΔIのうち50〜60に対する光量を検出することができなくなってしまう。なお、光検出器119で検出可能な光量の最小値とは、例えば、97%以上の精度で光量を検出可能な光量の最小値のことである。
そこで、本実施形態では、一例として、画像形成領域220を走査するときに、デューティ比16%で制御する場合でも、光量制御領域210を走査するときには、デューティ比50%で制御する。
すなわち、制御回路300は、照射光をパルス変調しており、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルスのオン時間を大きくして、設定電流範囲(0〜90)内で光源素子111に流れる電流を制御する。
これにより、制御回路300は、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、照射光の光量が設定光量範囲(0〜約12mW)を超える第1の光量(一例として約2.5mA)を含む第1の検出光量範囲(約2.5〜約4.5mA)内で、照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することができる。
以上の構成により、表示装置10は、光検出器119が、設定光量範囲(0〜約12mW)内の光量では、光量不足により必要な範囲の複数の光量(約0.2〜0.4mA)を検出できない場合でも、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第1の検出光量範囲(約2.5〜約4.5mA)内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
そして、制御回路300は、図14に示したように、光検出器119の出力に基づき、設定電流範囲を設定するために必要な範囲の光量を検出することにより、設定電流範囲を設定することができる。
図20は、単位時間あたりのパルス数が異なる2つのIL特性の説明図である。
図20(a)は、画像形成領域220を走査するときに、PWM制御を行い、かつパルス数の間引き制御を行った場合を示す。図20(a)の場合、平均光量が0.1mAであり、光検出器119で検出可能な閾値光量0.4mW未満であるため、光検出器119では光量を検出できない。
そこで、図20(b)に示すように、光量制御領域210を走査するときに、パルス数を増やしてPWM制御を行うことにより、平均光量を0.5mAとすることができる。これにより、平均光量を光検出器119の検出可能な閾値光量0.4mW以上にすることにより、光検出器119が光量を検出できる。
なお、図20(b)の例では、単位時間(一画素)あたりのパルス数5個で光源素子111を制御することにより、電流150mAに対する光量0.5mAの関係が得られており、この関係を単位時間(一画素)あたりのパルス数1個で光源素子111を制御する場合に換算すると、電流150mAに対する光量0.1mAの関係が得られる。
以上のように、制御回路300は、照射光をパルス変調しており、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルス数を多くする。
そして、制御回路300は、図19と同様に、設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御することにより、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、照射光の光量が設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することができる。
これにより、表示装置10は、図19と同様に、光検出器119が、設定光量範囲内の光量では、光量不足により必要な範囲の光量(0.1mA)を検出できない場合でも、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第1の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
そして、制御回路300は、図14に示したように、光検出器119の出力に基づき、設定電流範囲を設定するために必要な範囲の光量を検出することにより、設定電流範囲を設定することができる。
図21は、図15に示したフローチャートのステップS4の詳細を示すフローチャートである。
制御回路300は、光量制御領域210走査中に用いられる検出用電流範囲の最小電流のときの目標光量が、閾値光量未満か判断する(ステップS41)。
制御回路300は、検出用電流範囲の最小電流のときの目標光量が、閾値光量以上の場合、光量制御領域210走査中に、単位時間あたりのパルスのオン時間を変化させずに、検出用電流範囲内で光源素子111に流れる電流を変化させ、光検出器119で光量を検出する(ステップS42)。
一方、制御回路300は、検出用電流範囲の最小電流のときの目標光量が、閾値光量未満の場合、光量制御領域210走査中に、単位時間あたりのパルスのオン時間を大きくして、検出用電流範囲内で光源素子111に流れる電流を変化させ、光検出器119で光量を検出する(ステップS43)。
すなわち、制御回路300は、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第2の検出光量範囲(一例として図19に示したΔPa)のうち最も小さい光量(図19の例では2.5mA)が光検出器119の感度に関連する閾値光量(図19の例では0.4mA)以上の場合には(第2の条件)、第2の検出光量範囲(図19の例では約2.5〜約4.5mA)内の光量で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御する。
一方、制御回路300は、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第2の検出光量範囲(一例として図19に示したΔPb)のうち最も小さい光量(図19の例では約0.2mA)が光検出器119の感度に関連する閾値光量(図19の例では0.4mA)未満の場合には(第1の条件)、設定光量範囲(図19の例では0〜約12mW)を超える第1の光量(一例として約2.5mA)を含む第1の検出光量範囲(図19の例では約2.5〜約4.5mA)内の光量で記照射光の光量が変化するように光源素子111を制御する。
これにより、光検出器119が、設定光量範囲内の光量では、光量不足により必要な範囲の光量を検出できない第1の条件、および設定光量範囲内の光量で、必要な範囲の複数の光量を検出できる第2の条件の何れの場合でも、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
そして、制御回路300は、図14、図15のステップ5および図18に示したように、光検出器119の出力に基づき、設定電流範囲を設定するために必要な範囲の光量を検出することにより、設定電流範囲を設定することができる。
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る表示装置10は、光源素子111(光源)から照射される照射光を、主走査方向(第1の走査方向)と、主走査方向に交差する副走査方向(第2の走査方向)とに走査する光偏向装置13(走査部)と、光偏向装置13により照射光が走査されるスクリーン15と、光偏向装置13が、スクリーン15上の画像形成領域(画像領域)220にて照射光を走査するときに、画像情報に基づき、予め設定された光量の範囲を示す設定光量範囲内で照射光の光量が変化するように、光源素子111を制御する制御回路300(制御部)と、光偏向装置13が画像形成領域220とは異なる位置の光量制御領域(検出領域)210にて照射光を走査するときに、照射光の光量を検出する光検出器119(光検出部)と、を備え、制御回路300は、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、照射光の光量が変化するように光源素子111を制御する。
これにより、光検出器119が、設定光量範囲内の光量では、光量不足により必要な範囲の複数の光量を検出できない場合でも、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、上記第1の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の複数の光量を検出することができる。
制御回路300は、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第1の条件の場合には、第1の検出光量範囲内の光量で、前記照射光の光量が変化するように光源素子111を制御し、第2の条件の場合には、設定光量範囲に含まれる第2の検出光量範囲内で、前記照射光の光量が変化するように光源素子111を制御する。
ここで、第1の条件は、第2の検出光量範囲のうち最も小さい光量が光検出器119の感度に関連する閾値光量未満であり、第2の条件は、第2の検出光量範囲のうち最も小さい光量が閾値光量以上である。
これにより、光検出器119が、設定光量範囲内の光量では、光量不足により必要な範囲の光量を検出できない第1の条件の場合でも、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、上記第1の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
一方、光検出器119が、設定光量範囲内の光量で、必要な範囲の複数の光量を検出できる第2の条件の場合には、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、設定光量範囲に含まれる第2の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の複数の光量を検出することができる。
制御回路300は、第2の光検出器120からの検出信号に基づき、複数の設定光量範囲から一の設定光量範囲を選択する。
この場合、光検出器119が、光量不足により必要な範囲の光量を検出できないような設定光量範囲が複数あっても、設定光量範囲のそれぞれに対して、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第1の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
照射光はレーザ光であり、制御回路300は、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときに、画像情報に基づき、予め設定された電流値の範囲を示す設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御する。
制御回路300は、第1の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御したときの光検出器119の出力に基づき、設定電流範囲を設定する。
これにより、光検出器119が、設定光量範囲内の光量では、光量不足により、設定電流範囲を設定するために必要な範囲の光量を検出できない場合でも、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、第1の検出光量範囲内で照射光の光量が変化するように光源素子111を制御することにより、光検出器119が、設定電流範囲を設定するために必要な範囲の光量を検出することができる。そして、制御回路300は、光検出器119の出力に基づき、設定電流範囲を設定することができる。
制御回路300は、照射光をパルス変調しており、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルスのオン時間を大きくして、設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御する。
これにより、光検出器119が、設定光量範囲内の光量では、光量不足により必要な範囲の複数の光量を検出できない場合でも、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、単位時間あたりのパルスのオン時間を大きくすることにより、上記第1の検出光量範囲内で照射光の光量を変化させて、光検出器119が、必要な範囲の複数の光量を検出することができる。
制御回路300は、照射光をパルス変調しており、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルス数を多くして、設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御する。
この場合、光源素子111に流れる電流が同じ条件で、単位時間あたりのパルス数と光量の関係には線形性があるため、単位時間あたりのパルス数を多くすることにより、照射光の光量を線形的に増加させることができる。
なお、他の実施形態として、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、パルス幅を長くすることにより、単位時間あたりのパルスのオン時間を大きくしてもよい。
さらに、別の実施形態として、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、設定電流範囲を超える第1の電流を含む第1の検出電流範囲内で、光源素子111に流れる電流を制御することにより、設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、照射光の光量を変化させてもよい。
制御回路300は、第2の光検出器120からの検出信号に基づき、複数の設定電流範囲から一の設定電流範囲を選択する。
この場合、光検出器119が、光量不足により必要な範囲の光量を検出できないような設定電流範囲が複数あっても、設定電流範囲のそれぞれに対して、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルス数を多くして、設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
制御回路300は、照射光をパルス変調しており、第2の光検出器120からの検出信号に基づき、単位時間あたりのパルスのオン時間が異なる複数のパルス条件から一のパルス条件を選択し、選択されたパルス条件を用いて、画像情報に基づき、設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御する。
この場合、光検出器119が、光量不足により必要な範囲の光量を検出できないようなパルス条件が複数あっても、パルス条件のそれぞれに対して、光偏向装置13が光量制御領域210にて照射光を走査するときに、光偏向装置13が画像形成領域220にて照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルス数を多くして、設定電流範囲内で光源素子111に流れる電流を制御することにより、光検出器119が、必要な範囲の光量を検出することができる。
本発明の一実施形態に係る表示システム1および移動体は、以上説明した表示装置10を備え、スクリーン15は、照射光を発散して投射するものであり、照射光を反射するフロントガラス50(反射部材)と、スクリーン15から投射される照射光をフロントガラス50に向けて投射する自由曲面ミラー30(結像光学系)と、をさらに備える。
●補足●
なお、本発明の一実施形態に係る光源装置、表示装置、表示システムおよび移動体について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到することができる範囲内で変更することができる。
また、本発明の一実施形態に係る光源装置を搭載した表示装置10は、HUD装置に限られず、例えば、ヘッドマウントディスプレイ装置、プロンプタ装置、プロジェクタ装置であってもよい。例えば、本発明の一実施形態に係る光源装置11をプロジェクタ装置に適用する場合、プロジェクタ装置を表示装置10と同様に構成することができる。すなわち、表示装置10は、自由曲面ミラー30を介した画像光を映写幕や壁面等に投影すればよい。なお、表示装置10は、自由曲面ミラー30を介さずに、スクリーン15を介した画像光を映写幕や壁面等に投影してもよい。
1 表示システム
10 表示装置
11 光源装置
13 光偏向装置(走査部の一例)
15 スクリーン(光学素子の一例)
30 自由曲面ミラー(結像光学系の一例)
50 フロントガラス(反射部材の一例)
111 光源素子(光源の一例)
119 光検出器(光検出部の一例)
120 第2の光検出器(外光検出部の一例)
300 制御回路(制御部の一例)
350 電流決定部(電流決定手段の一例)
370 駆動制御部(駆動制御手段の一例)
371 変換部
372 オフセット制御部
373 ゲイン制御部
WO2017/138321号公報 特開2015‐049266号公報

Claims (13)

  1. 光源から照射される照射光を、第1の走査方向と、第1の走査方向に交差する第2の走査方向とに走査する走査部と、
    前記走査部により前記照射光が走査されるスクリーンと、
    前記走査部が、前記スクリーン上の画像領域にて前記照射光を走査するときに、画像情報に基づき、予め設定された光量の範囲を示す設定光量範囲内で前記照射光の光量が変化するように、前記光源を制御する制御部と、
    前記走査部が前記画像領域とは異なる位置の検出領域にて前記照射光を走査するときに、前記照射光の光量を検出する光検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記走査部が前記検出領域にて前記照射光を走査するときに、前記設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、前記照射光の光量が変化するように前記光源を制御する表示装置。
  2. 前記制御部は、前記走査部が前記検出領域にて前記照射光を走査するときに、第1の条件の場合には、前記第1の検出光量範囲内で、前記照射光の光量が変化するように前記光源を制御し、第2の条件の場合には、前記設定光量範囲に含まれる第2の検出光量範囲内で、前記照射光の光量が変化するように前記光源を制御する請求項1記載の表示装置。
  3. 前記第1の条件は、前記第2の検出光量範囲のうち最も小さい光量が閾値光量未満であり、前記第2の条件は、前記第2の検出光量範囲のうち最も小さい光量が閾値光量以上である請求項2記載の表示装置。
  4. 前記制御部は、複数の前記設定光量範囲から一の前記設定光量範囲を選択する請求項1〜3の何れか記載の表示装置。
  5. 前記照射光はレーザ光であり、
    前記制御部は、前記走査部が前記画像領域にて前記照射光を走査するときに、前記画像情報に基づき、予め定められた電流値の範囲を示す設定電流範囲内で前記光源に流れる電流を制御する請求項1〜4の何れか記載の表示装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の検出光量範囲内で前記照射光の光量が変化するように前記光源を制御したときの前記光検出部の出力に基づき、前記設定電流範囲を設定する請求項5記載の表示装置。
  7. 前記制御部は、前記照射光をパルス変調しており、前記走査部が前記検出領域にて前記照射光を走査するときに、前記走査部が前記画像領域にて前記照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルスのオン時間を大きくして、前記設定電流範囲内で前記光源に流れる電流を制御する請求項5または6記載の表示装置。
  8. 前記制御部は、前記走査部が前記検出領域にて前記照射光を走査するときに、前記走査部が前記画像領域にて前記照射光を走査するときよりも、単位時間あたりのパルス数を多くして、前記設定電流範囲内で前記光源に流れる電流を制御する請求項7記載の表示装置。
  9. 前記制御部は、複数の前記設定電流範囲から一の前記設定電流範囲を選択する請求項5〜8の何れか記載の表示装置。
  10. 前記制御部は、前記照射光をパルス変調しており、
    単位時間あたりのパルスのオン時間が異なる複数のパルス条件から一の前記パルス条件を選択し、
    選択された前記パルス条件を用いて、前記画像情報に基づき、前記設定電流範囲内で前記光源に流れる電流を制御する請求項5〜9の何れか記載の表示装置。
  11. 請求項1〜10の何れか記載の表示装置を備え、
    前記スクリーンは、前記照射光を発散して投射するものであり、
    前記照射光を反射する反射部材と、
    前記スクリーンから投射される前記照射光を前記反射部材に向けて投射する結像光学系と、をさらに備えることを特徴とする表示システム。
  12. 請求項11記載の表示システムを備え、
    前記反射部材はフロントガラスである移動体。
  13. 光源から照射される照射光により画像領域を走査するときに、画像情報に基づき、予め設定された光量の範囲を示す設定光量範囲内で前記照射光の光量を変化させるステップと、
    光検出部により前記照射光の光量が検出される検出領域を、前記照射光により走査するときに、前記照射光の光量が前記設定光量範囲を超える第1の光量を含む第1の検出光量範囲内で、前記照射光の光量を変化させるステップと、
    を実行する光量制御方法。
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