JP2020060619A - 表示システム、移動体および透過部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】観察者が視認する虚像の輝度のばらつきを抑制することができる。【解決手段】表示システム1Aは、光を投射して像を結像させる結像光学系の一例としての自由曲面ミラー30と、自由曲面ミラー30から投射される光を反射する反射部材の一例としてのフロントガラス50を備え、フロントガラス50により反射される反射光により、自由曲面ミラー30により結像された虚像45を観察者3に視認させる表示システムであって、フロントガラス50に入射する光線は、第1の光線Lpと、第1の光線Lpよりもフロントガラス50への入射角が小さい第2の光線Lmを含み、フロントガラス50より上流側の光路に、第1、第2の光線を透過させる透過部材100を備え、透過部材100は、第1の光線Lpの透過率よりも、第2の光線Lmの透過率が大きくなるよう形成される。【選択図】図11
Description
本発明は、表示システム、移動体および透過部材に関する。
車両等の移動体において、少ない視線移動で運転者(観察者)に各種情報(車両情報、警告情報、ナビゲーション情報等)を視認させるアプリケーションとして、HUD(ヘッドアップディスプレイ)等の表示装置が利用されている。
例えば、特許文献1は、主視認領域への光量を副視認領域への光量よりも多くすることにより、主視認領域での表示画像の虚像の輝度を確保する表示装置を開示している。
本発明は、観察者が視認する虚像の輝度のばらつきを抑制する表示システム、移動体および透過部材を提供することを目的とする。
本発明に係る表示システムは、光を投射して像を結像させる結像光学系と、前記結像光学系から投射される光を反射する反射部材を備え、前記反射部材により反射される反射光により、前記結像光学系により結像された虚像を観察者に視認させる表示システムであって、前記反射部材に入射する光線は、第1の光線と、前記第1の光線よりも前記反射部材への入射角が小さい第2の光線を含み、前記反射部材より上流側の光路に、前記第1、第2の光線を透過させる透過部材を備え、前記透過部材は、前記第1の光線の透過率よりも、前記第2の光線の透過率が大きくなるよう形成されることを特徴とする。
本発明によれば、観察者が視認する虚像の輝度のばらつきを抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
●本発明の実施形態●
●システム構成
図1は、本発明の実施形態に係る表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示す表示システム1Aは、観察者3が視認する画像(虚像45)の端部における輝度の低下および観察者の視点移動時の輝度の低下を抑制しつつ、良好な輝度分布を有する画像を観察者3に視認させることができるシステムである。
●システム構成
図1は、本発明の実施形態に係る表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示す表示システム1Aは、観察者3が視認する画像(虚像45)の端部における輝度の低下および観察者の視点移動時の輝度の低下を抑制しつつ、良好な輝度分布を有する画像を観察者3に視認させることができるシステムである。
表示システム1Aは、表示装置10から投射される投射光を、透過反射部材に投射させることによって観察者3に表示画像を視認させる。表示画像は、観察者3の視界に虚像45として重畳して表示する画像である。表示システム1Aは、例えば、車両、航空機もしくは船舶等の移動体、または操縦シミュレーションシステムもしくはホームシアターシステム等の非移動体に備えられる。本実施形態は、表示システム1Aが、移動体の一例である自動車に備えられた場合について説明する。なお、表示システム1Aの使用形態は、これに限られるものではない。
表示システム1Aは、例えば、フロントガラス50を介して車両の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば車両の速度、進路情報、目的地までの距離、現在地名称、車両前方における物体(対象物)の有無や位置、制限速度等の標識、渋滞情報等の情報等)を、観察者3(操縦者)に視認させる。この場合、フロントガラス50は、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材として機能する。観察者3の視点位置からフロントガラス50までの距離は、数十cm〜1m程度である。
表示システム1Aは、表示装置10、自由曲面ミラー30およびフロントガラス50を備える。表示装置10は、例えば、移動体の一例である自動車に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)である。表示装置10は、自動車のインテリアデザインに準拠して任意の位置に配置される。表示装置10は、例えば、自動車のダッシュボードの下方に配置されてもよく、ダッシュボード内に埋め込まれていてもよい。
表示装置10は、光源装置11、光偏向装置13、スクリーン15を備える。光源装置11は、光源から出射されたレーザ光を、装置外部へ照射するデバイスである。光源装置11は、例えば、R、G、Bの3色のレーザ光を合成したレーザ光を照射してもよい。光源装置11から射出されたレーザ光は、光偏向装置13の反射面に導かれる。光源装置11は、光源として、LD(Laser Diode)等の半導体発光素子を有する。なお、光源は、これに限られず、LED(light emitting diode)等の半導体発光素子を有してもよい。
光偏向部としての光偏向装置13は、光源装置11から射出された光を主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に走査して、光学素子としてのスクリーン15上に中間像を形成するものであり、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等を利用してレーザ光の進行方向を変化させるデバイスである。光偏向装置13は、例えば、直交する2軸に対して揺動する単一の微小なMEMSミラー、または1軸に対して揺動もしくは回転する2つのMEMSミラーからなるミラー系等の走査手段を利用して構成される。光偏向装置13から射出したレーザ光は、スクリーン15に走査される。なお、光偏向装置13は、MEMSミラーに限られず、ポリゴンミラー等を用いて構成されてもよい。
スクリーン15は、光を発散させる光学素子としてのレーザ光を所定の発散角で発散させる機能を有する発散部材である。スクリーン15は、例えば、EPE(Exit Pupil Expander)の形態として、マイクロレンズアレイ(MLA)または拡散板等の光拡散効果を持つ透過型の光学素子によって構成される。なお、スクリーン15は、マイクロミラーアレイ等の光拡散効果を持つ反射型の光学素子によって構成されてもよい。スクリーン15は、光偏向装置13から射出されたレーザ光がスクリーン15上に走査されることによって、スクリーン15上に二次元像である中間像40を形成する。
ここで、表示装置10の投射方式は、液晶パネル、DMDパネル(デジタルミラーデバイスパネル)または蛍光表示管(VFD)等イメージングデバイスで中間像40を形成する「パネル方式」と、光源装置11から射出されたレーザ光を走査手段で走査して中間像40を形成する「レーザ走査方式」がある。
本発明の実施形態に係る表示装置10は、後者の「レーザ走査方式」を採用する。「レーザ走査方式」は、各画素に対して発光または非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。なお、表示装置10は、投射方式として「パネル方式」を用いてもよい。
スクリーン15から射出されたレーザ光(光束)によって、自由曲面ミラー30およびフロントガラス50に投射された虚像45は、中間像40から拡大されて表示される。自由曲面ミラー30は、フロントガラス50の湾曲形状による画像の傾き、歪、位置ずれ等を相殺するように設計および配置されている。自由曲面ミラー30は、所定の回転軸を中心として回転可能に設置されてもよい。これにより、自由曲面ミラー30は、スクリーン15から射出したレーザ光(光束)の反射方向を調整し、虚像45の表示位置を変化させることができる。
ここでは、自由曲面ミラー30は、虚像45の結像位置が所望の位置になるように、一定の集光パワーを有するように既存の光学設計シミュレーションソフトを用いて設計されている。表示装置10は、虚像45が観察者3の視点位置から例えば1m以上かつ30m以下(好ましくは10m以下)の位置(奥行位置)に表示されるように、自由曲面ミラー30の集光パワーが設定される。なお、自由曲面ミラー30は、凹面ミラーや曲面ミラーであってもよい。自由曲面ミラー30は、光学素子から発散された発散光を投射して像を結像させる結像光学系の一例である。
フロントガラス50は、レーザ光(光束)の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる機能(部分反射機能)を有する透過反射部材である。フロントガラス50は、観察者3に前方の景色および虚像45を視認させる半透過鏡として機能する。虚像45は、例えば、車両情報(速度、走行距離等)、ナビゲーション情報(経路案内、交通情報等)、警告情報(衝突警報等)等を観察者3に視認させるための画像情報である。なお、透過反射部材は、フロントガラス50とは別途設けられたフロントウインドシールド等であってもよい。フロントガラス50は、反射部材の一例である。
虚像45は、フロントガラス50の前方の景色と重畳するように表示されてもよい。また、フロントガラス50は、平面でなく、湾曲している。そのため、虚像45の結像位置は、自由曲面ミラー30とフロントガラス50の曲面によって決定される。なお、フロントガラス50は、部分反射機能を有する個別の透過反射部材としての半透過鏡(コンバイナ)を利用してもよい。
このような構成により、スクリーン15から射出されたレーザ光(光束)は、自由曲面ミラー30に向けて投射され、フロントガラス50によって反射される。観察者3は、フロントガラス50で反射された光によって、スクリーン15に形成された中間像40が拡大された虚像45を視認することができるようになる。
●ハードウエア構成
図2は、本発明の実施形態に係る表示装置のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図2に示すハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を備えていてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
図2は、本発明の実施形態に係る表示装置のハードウエア構成の一例を示す図である。なお、図2に示すハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を備えていてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。
表示装置10は、表示装置10の動作を制御するための制御装置17を有する。制御装置17は、表示装置10の内部に実装された基板またICチップ等のコントローラである。制御装置17は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)1001、CPU(Central Processing Unit)1002、ROM(Read Only Memory)1003、RAM(Random Access Memory)1004、I/F(Interface)1005、バスライン1006、LDドライバ1008、MEMSコントローラ1010およびモータドライバ1012を含む。
FPGA1001は、表示装置10の設計者による設定変更が可能な集積回路である。LDドライバ1008、MEMSコントローラ1010、およびモータドライバ1012は、FPGA1001からの制御信号に応じて駆動信号を生成する。CPU1002は、表示装置10全体を制御するための処理を行う集積回路である。ROM1003は、CPU1002を制御するプログラムを記憶する記憶装置である。RAM1004は、CPU1002のワークエリアとして機能する記憶装置である。I/F1005は、外部装置と通信するためのインターフェースである。I/F1005は、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続される。
LD1007は、例えば、光源装置11の一部を構成する半導体発光素子である。LDドライバ1008は、LD1007を駆動する駆動信号を生成する回路である。MEMS1009は、光偏向装置13の一部を構成し、走査ミラーを変位させるデバイスである。MEMSコントローラ1010は、MEMS1009を駆動する駆動信号を生成する回路である。モータ1011は、自由曲面ミラー30の回転軸を回転させる電動機である。モータドライバ1012は、モータ1011を駆動する駆動信号を生成する回路である。
●機能構成
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置の機能構成の一例を示す図である。表示装置10により実現される機能は、車両情報受信部171、外部情報受信部172、画像生成部173および画像表示部174を含む。
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置の機能構成の一例を示す図である。表示装置10により実現される機能は、車両情報受信部171、外部情報受信部172、画像生成部173および画像表示部174を含む。
車両情報受信部171は、CAN等から自動車の情報(速度、走行距離等の情報)を受信する機能である。車両情報受信部171は、図2に示したI/F1005およびCPU1002の処理、並びにROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
外部情報受信部172は、外部ネットワークから自動車外部の情報(GPSからの位置情報、ナビゲーションシステムからの経路情報または交通情報等)を受信する機能である。外部情報受信部172は、図2に示したI/F1005およびCPU1002の処理、並びにROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
画像生成部173は、車両情報受信部171および外部情報受信部172により入力された情報に基づいて、中間像40および虚像45を表示させるための画像情報を生成する機能である。画像生成部173は、図2に示したCPU1002の処理、およびROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
画像表示部174は、画像生成部173により生成された表示情報に基づいて、スクリーン15に中間像40を形成し、中間像40を構成したレーザ光(光束)をフロントガラス50に向けて投射して虚像45を表示させる機能である。画像表示部174は、図2に示したCPU1002、FPGA1001、LDドライバ1008、MEMSコントローラ1010およびモータドライバ1012の処理、並びにROM1003に記憶されたプログラム等により実現される。
画像表示部174は、制御部175、中間像形成部176および投影部177を含む。制御部175は、中間像40を形成するために、光源装置11および光偏向装置13の動作を制御する制御信号を生成する。また、制御部175は、虚像45を所定の位置に表示させるために、自由曲面ミラー30の動作を制御する制御信号を生成する。
中間像形成部176は、制御部175によって生成された制御信号に基づいて、スクリーン15に中間像40を形成する。投影部177は、観察者3に視認させる虚像45を形成するために、中間像40を構成したレーザ光を、透過反射部材(フロントガラス50等)に投射させる。
●光源装置
図4は、本発明の実施形態に係る光源装置の具体的構成に一例を示す図である。光源装置11は、光源素子111R,111G,111B(以下、区別する必要のないときは、光源素子111とする。)、カップリングレンズ112R,112G,112B、アパーチャ113R,113G,113B、合成素子114,115,116、およびレンズ117を含む。
図4は、本発明の実施形態に係る光源装置の具体的構成に一例を示す図である。光源装置11は、光源素子111R,111G,111B(以下、区別する必要のないときは、光源素子111とする。)、カップリングレンズ112R,112G,112B、アパーチャ113R,113G,113B、合成素子114,115,116、およびレンズ117を含む。
3色(R,G,B)の光源素子111R,111G,111Bは、例えば、それぞれ単数または複数の発光点を有するLD(Laser Diode)である。光源素子111R,111G,111Bは、互いに異なる波長λR,λG,λB(例えばλR=640nm,λG=530nm,λB=445nm)のレーザ光(光束)を放射する。
放射された各レーザ光(光束)は、それぞれカップリングレンズ112R,112G,112Bによりカップリングされる。カップリングされた各レーザ(光束)は、それぞれアパーチャ113R,113G,113Bにより整形される。アパーチャ113R,113G,113Bは、レーザ光(光束)の発散角等の所定の条件に応じた形状(例えば円形、楕円形、長方形、正方形等)を有する。
アパーチャ113R,113G,113Bにより整形された各レーザ光(光束)は、3つの合成素子114,115,116により合成される。合成素子114,115,116は、プレート状またはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じてレーザ光(光束)を反射または透過し、1つの光束に合成する。合成された光束は、レンズ117を通り、光偏向装置13に導かれる。
●光偏向装置
図5は、本発明の実施形態に係る光偏向装置の具体的構成の一例を示す図である。光偏向装置13は、半導体プロセスにより製造されるMEMSミラーであり、ミラー130、蛇行状梁部132、枠部材134、および圧電部材136を含む。光偏向装置13は、走査部の一例である。
図5は、本発明の実施形態に係る光偏向装置の具体的構成の一例を示す図である。光偏向装置13は、半導体プロセスにより製造されるMEMSミラーであり、ミラー130、蛇行状梁部132、枠部材134、および圧電部材136を含む。光偏向装置13は、走査部の一例である。
ミラー130は、光源装置11から射出されたレーザ光をスクリーン15側に反射する反射面を有する。光偏向装置13は、ミラー130を挟んで一対の蛇行状梁部132を形成する。蛇行状梁部132は、複数の折り返し部を有する。折り返し部は、交互に配置される第1の梁部132aと第2の梁部132bとから構成されている。蛇行状梁部132は、枠部材134に支持されている。圧電部材136は、隣接する第1の梁部132aと第2の梁部132bとを接続するように配置されている。圧電部材136は、第1の梁部132aと第2の梁部132bとに異なる電圧を印加し、梁部132a,132bのそれぞれに反りを発生させる。
これにより、隣接する梁部132a,132bは、異なる方向に撓む。ミラー130は、撓みが累積されることによって、左右方向の軸を中心として垂直方向に回転する。このような構成により、光偏向装置13は、垂直方向への光走査が低電圧で可能となる。上下方向の軸を中心とした水平方向の光走査は、ミラー130に接続されたトーションバー等を利用した共振により行われる。
●スクリーン
図6は、本発明の実施形態に係るスクリーンの具体的構成の一例を示す図である。スクリーン15は、光源装置11の一部を構成するLD1007から射出されたレーザ光を結像させる。また、スクリーン15は、所定の発散角で発散させる発散部材である。図6に示すスクリーン15は、六角形形状を有する複数のマイクロレンズ150が隙間なく配列されたマイクロレンズアレイ構造を有している。マイクロレンズ150の幅(対向する2辺間の距離)は、200μm程度である。スクリーン15は、マイクロレンズ150の形状を六角形とすることにより、複数のマイクロレンズ150を高密度で配列することができる。
図6は、本発明の実施形態に係るスクリーンの具体的構成の一例を示す図である。スクリーン15は、光源装置11の一部を構成するLD1007から射出されたレーザ光を結像させる。また、スクリーン15は、所定の発散角で発散させる発散部材である。図6に示すスクリーン15は、六角形形状を有する複数のマイクロレンズ150が隙間なく配列されたマイクロレンズアレイ構造を有している。マイクロレンズ150の幅(対向する2辺間の距離)は、200μm程度である。スクリーン15は、マイクロレンズ150の形状を六角形とすることにより、複数のマイクロレンズ150を高密度で配列することができる。
なお、マイクロレンズ150の形状は、六角形に限られるものではなく、例えば四角形、三角形等であってもよい。また、複数のマイクロレンズ150が規則正しく配列された構造を例示しているが、マイクロレンズ150の配列は、これに限られるものではなく、例えば、各マイクロレンズ150の中心を互いに偏心させ、不規則な配列としてもよい。このように偏心させた配列を採用する場合、各マイクロレンズ150は、互いに異なる形状となる。
図7は、マイクロレンズアレイにおいて、入射光束径とレンズ径の大小関係の違いによる作用の違いについて説明するための図である。図7(a)において、スクリーン15は、マイクロレンズ150が整列して配置された光学板151によって構成される。光学板151上に入射光152を走査される場合、入射光152は、マイクロレンズ150により発散され、発散光153となる。スクリーン15は、マイクロレンズ150の構造により、入射光152を所望の発散角154で発散させることができる。この発散角154は、マイクロレンズ150の曲率と対応関係がある。マイクロレンズ150の周期155は、入射光152の径156aよりも大きくなるように設計される。これにより、スクリーン15は、レンズ間での干渉が起こさずに、スペックル(スペックルノイズ)を生じさせない。
図7(b)は、入射光152の径156bが、マイクロレンズ150の周期155の2倍大きい場合の発散光の光路を示す。入射光152は、二つのマイクロレンズ150a、150bに入射し、それぞれ発散光157、158を生じさせる。このとき、領域159において、二つの発散光が存在するため、光の干渉を生じうる。この干渉光が観察者の目に入った場合、スペックルとして視認される。
以上を考慮して、スペックルを低減するため、マイクロレンズ150の周期155は、入射光の径156よりも大きく設計される。なお、図7は、凸面レンズの形態で説明したが、凹面レンズの形態においても同様の効果があるものとする。
図8は、光偏向装置のミラーと走査範囲の対応関係について説明するための図である。光源装置11の各光源素子は、FPGA1001によって発光強度や点灯タイミング、光波形が制御される。光源装置11の各光源素子は、LDドライバ1008によって駆動され、レーザ光を射出する。各光源素子から射出され光路合成されたレーザ光は、図8に示すように、光偏向装置13のミラー130によってα軸周り、β軸周りに二次元的に偏向され、ミラー130を介して走査光としてスクリーン15に照射される。すなわち、スクリーン15は、光偏向装置13による主走査および副走査によって二次元走査される。
走査範囲は、光偏向装置13によって走査しうる全範囲である。走査光は、スクリーン15の走査範囲を、2〜4万Hz程度の速い周波数で主走査方向(X軸方向)に振動走査(往復走査)しつつ、数十Hz程度の遅い周波数で副走査方向(Y軸方向)に片道走査する。すなわち、光偏向装置13は、スクリーン15に対してラスタースキャンを行う。この場合、表示装置10は、走査位置(走査光の位置)に応じて各光源素子の発光制御を行うことで、画素ごとの描画または虚像の表示を行うことができる。
一画面を描画する時間、すなわち1フレーム分の走査時間(二次元走査の1周期)は、
上記のように副走査周期が数十Hzであることから、数十msecとなる。例えば、主走査周期を20000Hz、副走査周期を50Hzとした場合、1フレーム分の走査時間は、20msecとなる。
上記のように副走査周期が数十Hzであることから、数十msecとなる。例えば、主走査周期を20000Hz、副走査周期を50Hzとした場合、1フレーム分の走査時間は、20msecとなる。
図9は、二次元走査時の走査線軌跡の一例を示す図である。スクリーン15は、図9に示すように、中間像40が描画される(画像データに応じて変調された光が照射される)画像領域61(有効走査領域)と、画像領域61を取り囲むフレーム領域62を含む。
走査範囲は、スクリーン15における画像領域61とフレーム領域62の一部(画像領域61の外縁近傍の部分)を併せた範囲とする。図9において、走査範囲における走査線の軌跡は、ジグザグ線によって示される。図9において、走査線の本数は、便宜上、実際よりも少なくしている。
スクリーン15は、上述のように、マイクロレンズアレイ等の光拡散効果を持つ透過型の光学素子で構成されている。画像領域61は、矩形または平面である必要はなく、多角形または曲面であってもよい。また、スクリーン15は、光拡散効果を持たない平板または曲板であってもよい。さらに、画像領域61は、装置レイアウトに応じて、例えば、マイクロミラーアレイ等の光拡散効果を持つ反射型の素子とすることもできる。
スクリーン15は、走査範囲における画像領域61の周辺領域(フレーム領域62の一部)に、受光素子を含む同期検知系60が備える。図9において、同期検知系60は、画像領域61の−X側かつ+Y側の隅部に配置される。同期検知系60は、光偏向装置13の動作を検出して、走査開始タイミングや走査終了タイミングを決定するための同期信号をFPGA1001に出力する。
●詳細
続いて、図10乃至図14を用いて、本発明の実施形態に係る表示システム1Aの光学設計について説明する。
続いて、図10乃至図14を用いて、本発明の実施形態に係る表示システム1Aの光学設計について説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る表示システムにおける光路長の概略を示した図である。ここで、各光路長は、表示システム1Aの各構成要素におけるアイリプス中心(基準アイポイント)から観察した際の画像中心が通過する光路を用いて測定される。画像中心は、それぞれの構成要素における幾何学中心に一致しているものとする。なお、アイリプス中心(基準アイポイント)は、観察者3の基準となる視点位置であり、結像された像を視認可能な領域となるアイボックスの中心である。
なお、観察者3(例えば自動車を運転する運転者)は、フロントガラス50によって反射された光の光路上のアイボックス(観察者3の目の近傍の領域)から虚像45を視認する。ここで、アイボックスは、観察者3が視点の位置を調整して虚像45を視認可能な範囲を意味する。具体的には、アイボックスは、自動車の運転者アイレンジ(JIS D0021)と同等かそれ以下である。アイボックスは、運転者が虚像45を視認可能な領域として、座席に着座した運転者のアイポイントが存在可能な空間領域であるアイリプスに基づいて設定される。
表示システム1Aにおいて、観察者3の基準アイポイントから虚像45の画像中心までの光路長は、光路長Sとして定義される。
光偏向装置13からスクリーン15に形成される中間像40の画像中心までの光路長は、光路長Mとして定義される。また、スクリーン15に形成される中間像40の画像中心から、中間像40から発散された光束が自由曲面ミラー30を通過する領域の中心位置までの光路長は、光路長Oとして定義される。
図11は、本発明の実施形態に係る反射部材における入射角と反射率の関係を説明する図である。
本実施形態では、自由曲面ミラー30からフロントガラス50へ向けて投射されるレーザ光(光束)は、主にS偏光としており、これにより、フロントガラス50による反射効率が向上している。
フロントガラス50における反射率の入射角依存性は、フレネルの反射式から図11のようになっており、入射角が0度に近いほど反射率は小さく、90度に近づくほど反射率は大きい。
従って、フロントガラス50への入射角が小さい入射光は反射率が低く、反対にフロントガラス50への入射角の大きい入射光は反射率が高い。入射光にフロントガラス50における反射率を乗算したものが虚像の光量、輝度であることから、アイボックスにおける虚像輝度は、反射率の差に起因して面内偏差が生じてしまう。例として、入射角範囲が60〜70°の場合は面内輝度均一度が39.4%となってしまうことが、図11の反射率計算からわかる。
図12は、本発明の実施形態に係る表示システムにおける入射角を説明するための図である。
スクリーン15から射出されたレーザ光(光束)は、自由曲面ミラー30に向けて投射され、フロントガラス50によって反射される。
図12に示すように、レーザ光(光束)は、アイボックス上端に到達する第1の光線Lpと、アイボックス下端に到達する第2の光線Lmを含む。
第1の光線Lpは、アイボックス上端と虚像下端を通る光線であり、第1の光線Lpのフロントガラス50への入射角はθwp1で示される。
第2の光線Lmは、アイボックス下端と虚像上端を通る光線であり、第2の光線Lmのフロントガラス50への入射角はθwm1で示される。
自由曲面ミラー30から投射されるレーザ光(光束)は集束光であり、第1の光線Lpと第2の光線Lmは非平行である。また、フロントガラス50は、一般的に図11に示すように観察者3に近づくに従って上方に伸びるように配置されているため、第2の光線Lmのフロントガラス50への入射角θwm1は、第1の光線Lpのフロントガラス50への入射角θwp1よりも小さくなる。
ここで、フロントガラス50は、フロントガラス50へ入射する光線の入射角が大きいほど反射率が大きくなるよう形成されており、これにより、第2の光線Lmを観察者3が視認する輝度は、第1の光線Lpを観察者3が視認する輝度よりも小さくなってしまう。
そこで、本実施形態では、フロントガラス50より上流側の光路に、第1、第2の光線を透過させる透過部材100を備え、透過部材100は、第1の光線Lpの透過率よりも、第2の光線Lmの透過率が大きくなるよう形成されている。これにより、第1の光線Lpを観察者3が視認する輝度と、第2の光線Lmを観察者3が視認する輝度の輝度差を低減し、観察者が視認する虚像の輝度のばらつきを抑制することができる。
なお、図12では、透過部材100は、光路上で、自由曲面ミラー30とフロントガラス50の間に配置されているが、他の形態として、透過部材100は、スクリーン15と自由曲面ミラー30の間に配置されてもよい。
透過部材100は、透過部材100へ入射する光線の入射角が大きいほど透過率が小さくなるよう形成されており、透過部材100は、第1の光線Lpの入射角が第2の光線Lmの入射角より大きくなるよう配置されている。
図12では、第1の光線Lpの透過部材100への入射角はθdp1で示され、第2の光線Lmの透過部材100への入射角はθdm1で示されており、θdp1>θdm1となっている。
これにより、第1の光線Lpの透過率よりも第2の光線Lmの透過率を大きくすることができ、第1の光線Lpを観察者が視認する輝度と第2の光線Lmを観察者が視認する輝度の輝度差を低減することができる。
一般的に虚像の面内輝度偏差は40%以下であれば観察者3にとって不快と感じないことがわかっており、このことからフロントガラス50への入射角と、透過部材100への入射角には、次の(式1)の条件を満たすのが好ましい。
ただし、
θwp1・・・アイボックス上端と虚像下端を通る光線とフロントガラス50のなす角
θwm1・・・アイボックス下端と虚像上端を通る光線とフロントガラス50のなす角
θdp1・・・アイボックス上端と虚像下端を通る光線と透過部材100のなす角
θdm1・・・アイボックス上端と虚像下端を通る光線と透過部材100のなす角
θwm2、θwp2、θdp2、θdm2は、以下の(式2)にしたがい算出される値
なお、簡単のため、WS・透過部材の屈折率を1.5として計算している。
例えば、θwp1=72°、θwm1=58°、θdp1=71° 、θdm1=57°のとき、上記の(式1)を求めると0.604となり、透明部材100の配置により適切に虚像輝度の面内偏差を抑えることができていることがわかる。
一方で、θwp1=72°、θwm1=58°、θdp1=27° 、θdm1=13°のとき、上記の(式1)を求めると0.491となり、アイボックス内で虚像輝度の偏差が40%以上になっており、観察者3に輝度変化が知覚されてしまう可能性がある。
なお、他の形態として、透過部材100が、透過部材100へ入射する光線の入射角が大きいほど透過率が大きくなるよう形成されており、透過部材100は、第1の光線Lpの入射角が第2の光線Lmの入射角より小さくなるよう配置されていてもよい。
図13は、本発明の実施形態に係る透過部材における入射角と透過率の関係を説明する図である。透過率は入射角が0度に近いほど大きく、90度に近づくほど小さいとわかる。
図13のように、透過部材100が、透過部材100へ入射する光線の入射角が大きいほど透過率が小さくなるよう形成されている場合、図12に示したように、透過部材100は、第1の光線Lpの入射角が第2の光線Lmの入射角より大きくなるよう配置される。
一方、透過部材100が、図13とは逆の特性、すなわち、透過部材100へ入射する光線の入射角が大きいほど透過率が大きくなるよう形成されている場合は、透過部材100は、第1の光線Lpの入射角が第2の光線Lmの入射角より小さくなるよう配置される。
図12に示すレイアウトの場合、第1の光線Lpの入射角が第2の光線Lmの入射角より小さくなるように透過部材100を配置しようとすると、観察者3から遠ざかるに従って急傾斜で上に伸びる形状になってしまい、配置が困難である。
この場合、透過部材100をスクリーン15と自由曲面ミラー30の間に配置することにより、レイアウトの自由度が向上する。
図14は、本発明の実施形態に係る透過部材の配置を示す図である。
本発明の実施形態に係る表示システムは、光源11、光偏向部13、光偏向部13により偏向されたレーザ光を光学素子15に向けて反射する平面ミラー14、光学素子15および自由曲面ミラー30を収納する収納部200を備え、透過部材100は、収納部を密閉しつつ、自由曲面ミラー30により投射される光をフロントガラス50に向けて透過するように設けられている。透過部材100は、また、凹面状に形成されて曲率を有している。
これにより、透過部材100が収納部200における防塵、防水カバーを兼ねることができるとともに、透過部材100により、外光(例えば、太陽光や街路灯)を観察者が視認されない位置へ反射することが可能になる。
以上説明した本発明の実施形態に係る表示システム1Aは、光を発散させる光学素子としてスクリーン15を備えた「レーザ走査方式」の表示システムであったが、光を発散させる光学素子として液晶パネルを備えた「パネル方式」の表示システムに本発明を適用しても良い。
また、各光学系のレイアウトの関係におけるΔθと他のパラメータの値の許容範囲を考慮した場合、光偏向装置13と中間像40までの光路長Mは、80mm〜120mmの付近であることが好ましい。表示装置10は、このMの値を用いて、他のパラメータを算出することによって、最適な光学設計を行うことが可能になる。
さらに、表示システム1Aは、投射光学系が自由曲面ミラー30のみで構成されているが、これには限定されない。光学素子を複数用いた場合、表示システム1Aは、一素子に合成した場合の系を換算すればよい。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る表示システム1Aは、光を投射して像を結像させる結像光学系の一例としての自由曲面ミラー30と、自由曲面ミラー30から投射される光を反射する反射部材の一例としてのフロントガラス50を備え、フロントガラス50により反射される反射光により、自由曲面ミラー30により結像された虚像45を観察者3に視認させる表示システムであって、フロントガラス50に入射する光線は、第1の光線Lpと、第1の光線Lpよりもフロントガラス50への入射角が小さい第2の光線Lmを含み、フロントガラス50より上流側の光路に、第1、第2の光線を透過させる透過部材100を備え、透過部材100は、第1の光線Lpの透過率よりも、第2の光線Lmの透過率が大きくなるよう形成される。
本実施形態では、フロントガラス50は、フロントガラス50へ入射する光線の入射角が大きいほど反射率が大きくなるよう形成されており、これにより、第2の光線Lmを観察者が視認する輝度は、第1の光線Lpを観察者が視認する輝度よりも小さい。
そこで、第1の光線Lpの透過率よりも第2の光線Lmの透過率が大きくなるよう形成される透過部材100をフロントガラス50より上流側の光路に備えることにより、第1の光線Lpを観察者が視認する輝度と第2の光線Lmを観察者が視認する輝度の輝度差を低減し、観察者が視認する虚像の輝度のばらつきを抑制することができる。
透過部材100は、透過部材100へ入射する光線の入射角が大きいほど透過率が小さくなるよう形成されており、透過部材100は、第1の光線Lpの入射角Lmが第2の光線Lmの入射角より大きくなるよう配置されている。
これにより、第1の光線Lpの透過率よりも第2の光線Lmの透過率を大きくすることができ、第1の光線Lpを観察者が視認する輝度と第2の光線Lmを観察者が視認する輝度の輝度差を低減することができる。
また、表示システム1Aは、下記(式1)の条件を満たす。
また、表示システム1Aは、下記(式1)の条件を満たす。
ただし、
θwp1:アイボックス上端と虚像下端を通る光線とフロントガラス50のなす角
θwm1:アイボックス下端と虚像上端を通る光線とフロントガラス50のなす角
θdp1:アイボックス上端と虚像下端を通る光線と透過部材100のなす角
θdm1:アイボックス上端と虚像下端を通る光線と透過部材100のなす角
θwm2、θwp2、θdp2、θdm2は、以下の(式2)にしたがい算出される値
上記(式1)の条件を満たすことにより、虚像の面内輝度偏差を観察者3にとって不快と感じさせないことができる。
透過部材100は曲率を有しており、これにより、外光(例えば、太陽光や街路灯)を観察者が視認されない位置へ反射することが可能になる。
表示システム1Aは、光を発散させる光学素子15を備え、自由曲面ミラー30は、光学素子から発散された発散光を投射して像を結像させる。光学素子は、マイクロレンズをアレイ状に配列させたマイクロレンズアレイである。
表示システム1Aは、光源から射出された光を主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に走査して光学素子上に中間像を形成する光偏向部13と、を備える。
表示システム1Aは、光源11、光偏向部13、光学素子15および自由曲面ミラー30を収納する収納部200を備え、透過部材100は、収納部を密閉しつつ、自由曲面ミラー30により投射される光をフロントガラス50に向けて透過するように設けられている。これにより、透過部材100が収納部200における防塵、防水カバーを兼ねることができる。
本発明の一実施形態に係る移動体は、上記表示システムを備えた移動体である。
本発明の一実施形態に係る表示装置は、光を投射して像を結像させる結像光学系の一例としての自由曲面ミラー30を備え、フロントガラス50により反射される反射光により、自由曲面ミラー30により結像された虚像45を観察者3に視認させる表示装置10であって、フロントガラス50に入射する光線は、第1の光線Lpと、第1の光線Lpよりもフロントガラス50への入射角が小さい第2の光線Lmを含み、フロントガラス50より上流側の光路に備えられ、第1の光線Lpの透過率よりも、第2の光線Lmの透過率が大きくなるよう形成される透過部材を備える。
本発明の一実施形態に係る透過部材100は、光を投射して像を結像させる結像光学系の一例としての自由曲面ミラー30と、自由曲面ミラー30から投射される光を反射する反射部材の一例としてのフロントガラス50を備え、フロントガラス50により反射される反射光により、自由曲面ミラー30により結像された虚像45を観察者3に視認させる表示システム1Aに用いられる透過部材100であって、フロントガラス50に入射する光線は、第1の光線Lpと、第1の光線Lpよりもフロントガラス50への入射角が小さいあ第2の光線Lmを含み、フロントガラス50より上流側の光路に備えられ、第1の光線Lpの透過率よりも、第2の光線Lmの透過率が大きくなるよう形成される。
これにより、フロントガラス50へ入射する光線の入射角が大きいほど反射率が大きくなるよう形成されるフロントガラス50が用いられた場合でも、第1の光線Lpを観察者が視認する輝度と第2の光線Lmを観察者が視認する輝度の輝度差を低減し、観察者が視認する虚像の輝度のばらつきを抑制することができる。
なお、本発明の一実施形態に係る光学素子、表示システムおよび移動体について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到することができる範囲内で変更することができる。
1A 表示システム
10 表示装置
11 光源装置(光源の一例)
13 光偏向装置(光偏向部の一例)
15 スクリーン(光学素子の一例)
30 自由曲面ミラー(結像光学系の一例)
50 フロントガラス(反射部材の一例)
100 透過部材
10 表示装置
11 光源装置(光源の一例)
13 光偏向装置(光偏向部の一例)
15 スクリーン(光学素子の一例)
30 自由曲面ミラー(結像光学系の一例)
50 フロントガラス(反射部材の一例)
100 透過部材
Claims (11)
- 光を投射して像を結像させる結像光学系と、前記結像光学系から投射される光を反射する反射部材を備え、前記反射部材により反射される反射光により、前記結像光学系により結像された虚像を観察者に視認させる表示システムであって、
前記反射部材に入射する光線は、第1の光線と、前記第1の光線よりも前記反射部材への入射角が小さい第2の光線を含み、
前記反射部材より上流側の光路に、前記第1、第2の光線を透過させる透過部材を備え、
前記透過部材は、前記第1の光線の透過率よりも、前記第2の光線の透過率が大きく
なるよう形成されることを特徴とする表示システム。 - 前記透過部材は、前記透過部材へ入射する光線の入射角が大きいほど透過率が小さくなるよう形成されており、
前記透過部材は、前記第1の光線の入射角が前記第2の光線の入射角より大きくなるよう配置されていることを特徴とする請求項1記載の表示システム。 - 下記(式1)の条件を満たすことを特徴とする請求項2記載の表示システム。
ただし、
θwp1:アイボックス上端と虚像下端を通る光線と前記反射部材のなす角
θwm1:アイボックス下端と虚像上端を通る光線と前記反射部材のなす角
θdp1:アイボックス上端と虚像下端を通る光線と前記透過部材のなす角
θdm1:アイボックス上端と虚像下端を通る光線と前記透過部材のなす角
θwm2、θwp2、θdp2、θdm2は、以下の(式2)にしたがい算出される値
- 前記透過部材は曲率を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の表示システム。
- 前記結像光学系を収納する収納部を備え、
前記透過部材は、前記収納部を密閉しつつ、前記結像光学系により投射される光を前記反射部材に向けて透過するように設けられている請求項1〜4の何れか記載の表示システム。 - 光を発散させる光学素子を備え、
前記結像光学系は、前記光学素子から発散された発散光を投射して像を結像させることを特徴とする請求項1〜5の何れか記載の表示システム。 - 前記光学素子は、マイクロレンズをアレイ状に配列させたマイクロレンズアレイである、請求項6記載の表示システム。
- 光源から射出された光を主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に走査して前記光学素子上に中間像を形成する光偏向部と、を備えた請求項6または7記載の表示システム。
- 請求項1〜8の何れか記載の表示システムを備えた移動体。
- 光を投射して像を結像させる結像光学系を備え、前記結像光学系から投射される光を反射する反射部材により反射される反射光により、前記結像光学系により結像された虚像を観察者に視認させる表示装置であって、
前記反射部材に入射する光線は、第1の光線と、前記第1の光線よりも前記反射部材への入射角が小さい第2の光線を含み、
前記反射部材より上流側の光路に備えられ、前記第1の光線の透過率よりも、前記第2の光線の透過率が大きくなるよう形成される透過部材を備えた表示装置。 - 光を投射して像を結像させる結像光学系と、前記結像光学系から投射される光を反射する反射部材を備え、前記反射部材により反射される反射光により、前記結像光学系により結像された虚像を観察者に視認させる表示システムに用いられる透過部材であって、
前記反射部材に入射する光線は、第1の光線と、前記第1の光線よりも前記反射部材への入射角が小さい第2の光線を含み、
前記反射部材より上流側の光路に備えられ、前記第1の光線の透過率よりも、前記第2の光線の透過率が大きくなるよう形成される透過部材。
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