JP2010197705A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定して高精度の光走査を行うことができる光走査装置を提供する。
【解決手段】 面発光レーザアレイを含む光源14と、光源14からの光束をカップリングするカップリングレンズ15と、該カップリングレンズ15を介した光束の光路上に配置され、光学的なパワーを持たず、入射光束の光量を主に内部での光吸収によって減少させて射出するNDフィルタ120と、該NDフィルタ120を介した光束をポリゴンミラー13の偏向反射面近傍で副走査対応方向に関して結像するシリンドリカルレンズ17と、シリンドリカルレンズ17からの光束を偏向するポリゴンミラー13と、ポリゴンミラー13で偏向された光束を感光体ドラム1030の表面に集光する走査光学系とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光束により被走査面を走査する光走査装置及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真の画像記録では、レーザを光源に用いた画像形成装置が広く用いられている。この場合、画像形成装置は、光源から射出された光束で感光体ドラムの表面を走査し、感光体ドラムの表面に潜像を形成するための光走査装置を備えている。
一般的な光走査装置は、光学系として、光源から射出された光束が入射する偏向器前光学系、該偏向器前光学系を介した光束を偏向する偏向器(例えば、ポリゴンミラー)、及び偏向器で偏向された光束を感光体ドラムの表面に導く走査光学系などを有している(例えば、特許文献1参照)。
近年、画像形成装置は、オンデマンドプリンティングシステムとして簡易印刷にも用いられるようになり、それに伴って、さらに画像品質が優れた画像形成装置が求められている。
そこで、画像品質を向上させるため、偏向器前光学系に含まれるシリンドリカルレンズにコーティングを施すことが考えられた(特許文献2及び特許文献3参照)。
ところで、特許文献4に、平行平板を用いて半導体レーザのモードホッピングの有無を検出する検出装置が開示されている。
本発明は、第1の観点からすると、光束により被走査面を主走査方向に走査する光走査装置であって、光源と;入射光束の光量を主に内部での光吸収によって減少させて射出する光量調整素子を含み、前記光源から射出された光束の光路上に配置された偏向器前光学系と;前記偏向器前光学系からの光束を偏向する偏向器と;前記偏向器で偏向された光束を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置である。
これによれば、安定して高精度の光走査を行うことが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光束を走査する少なくとも1つの本発明の光走査装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、本発明の光走査装置を備えているため、結果として、安定して高品質の画像を形成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置を示す概略図である。 図2における光源に含まれる2次元アレイを説明するための図である。 図2におけるNDフィルタを説明するための図である。 本実施形態のNDフィルタと比較例である反射型のNDフィルタの特性を説明するための図である。 射出光A、射出光B、射出光Cを説明するための図である。 図7(A)は、本実施形態のNDフィルタにおける各射出光の光量を説明するための図であり、図7(B)は、比較例である反射型のNDフィルタにおける各射出光の光量を説明するための図である。 図8(A)及び図8(B)は、それぞれシェーディングを説明するための図である。 複数の光走査装置間での光利用効率のばらつき範囲を説明するための図である。 多重反射を説明するための図である。 走査制御装置の構成を説明するためのブロック図である。 NDフィルタの変形例を説明するための図である。 NDフィルタと開口板の一体化を説明するための図である。 NDフィルタの配置位置の変形例1を説明するための図である。 NDフィルタの配置位置の変形例2を説明するための図である。 NDフィルタの機能とシリンドリカルレンズの機能を有する光学素子を説明するための図である。 図17(A)はカップリングレンズでカップリングされた光束が弱い発散光束の場合を説明するための図であり、図17(B)はカップリングレンズでカップリングされた光束が弱い収束光束の場合を説明するための図である。 カラープリンタの概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束を照射する。これにより、感光体ドラム1030の表面に、画像情報に対応した潜像が形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、ポリゴンミラー13、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、シリンドリカルレンズ17、2つの光検知センサ(18a、18b)、2つの光検知用ミラー(19a、19b)、NDフィルタ120、及び走査制御装置22(図2では図示省略、図11参照)などを備えている。そして、これらは、ハウジング21の中の所定位置に組み付けられている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、感光体ドラム1030の長手方向に沿った方向をY軸方向、各走査レンズ(11a、11b)の光軸に沿った方向をX軸方向として説明する。
また、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
さらに、カップリングレンズ15の光軸に沿った方向を「W方向」とし、光源14の主走査対応方向を「M方向」とする。
光源14は、一例として図3に示されるように、2次元的に配列された40個の発光部が1つの基板上に形成された2次元アレイ100を有している。
40個の発光部は、すべての発光部をS方向に伸びる仮想線上に正射影したときに等間隔となるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
また、各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザである。すなわち、2次元アレイ100は、いわゆる面発光レーザアレイである。
図2に戻り、カップリングレンズ15は、光源14から射出された光束を略平行光とする。
開口板16は、開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光束を整形する。
NDフィルタ120は、開口板16の+W側に配置されている。ここでは、NDフィルタ120は、一例として図4に示されるように、いわゆる平行平板である。すなわち、光束が入射する面と光束が射出される面が平行である。そして、このNDフィルタ120は、光学的なパワーを持っていない。
また、NDフィルタ120は、いわゆる吸収型のNDフィルタであり、光学ガラス中に分散された光吸収物質により、入射光の光量を減少させる。ここでは、NDフィルタ120の光透過率は0.5である。この場合、光束が入射する面(第1面)の光透過率は0.98、内部の光透過率は0.52、光束が射出される面(第2面)の光透過率は0.98である(図5参照)。
なお、NDフィルタには、いわゆる反射型のNDフィルタもある。反射型のNDフィルタは、光束が入射する面(第1面)の反射率を大きくすることにより、入射光の光量を減少させる。ここで、NDフィルタとしての光透過率はNDフィルタ120と同じ0.5であるが、光束が入射する面(第1面)の光透過率は0.54、内部の光透過率は0.95、光束が射出される面(第2面)の光透過率は0.98である反射型のNDフィルタを比較例とする(図5参照)。
そして、一例として図6に示されるように、第2面で一度も反射されることなく射出される光束を射出光A、第2面で反射され第1面で反射されたあとに射出される光束を射出光B、第2面で反射され第1面で反射され、更に第2面で反射され第1面で反射されたあとに射出される光束を射出光Cとし、各射出光の光量をNDフィルタ120の場合と、比較例の場合とについて計算した。
NDフィルタ120の場合の計算結果が図7(A)に示され、比較例の場合の計算結果が図7(B)に示されている。
射出光Bの光量に関して、比較例の場合には0.42(%)であるのに対し、NDフィルタ120の場合には0.01(%)であった。
そこで、比較例の場合には、射出光Aと射出光Bとが干渉するおそれがある。射出光Bの光量は、温度変化等による光源波長の変化、NDフィルタの屈折率の変化、NDフィルタの厚さの変化に影響される。すなわち、比較例では、温度変化等によって射出される光束の光量が変化するおそれがある。
一方、NDフィルタ120の場合には、射出光Bの光量が非常に小さいので、射出光Aと射出光Bとが干渉するおそれはない。そこで、NDフィルタ120の場合には、温度変化があっても、射出される光束の光量が変化するおそれはない。
そして、NDフィルタ120は、光束が入射する面の法線方向がカップリングレンズ15の光軸方向に対して傾斜している。これにより、NDフィルタ120の表面で反射した光束が、光源14に戻るのを抑制することができる。すなわち、光源14の光出力が不安定になるのを抑制することができる。
ところで、面発光レーザは、端面発光型のレーザダイオード(LD)に比べて、射出される光束の光量(光出力)の範囲が狭い。一方、光走査装置に搭載される光源には、以下に記載する3つの理由(理由A、理由B、理由C)で、ある程度以上の広い光出力範囲が要求される。
1.理由A
光源から射出された光束は、偏向器前光学系、ポリゴンミラー、走査光学系を介して感光体ドラムに到達する。これらの光学系を構成する光学素子は、量産品であり、光の透過率や反射率にある程度のばらつきがある。そのため、光源から射出された光束の光量と感光体ドラムに到達した光束の光量との比、すなわち光利用効率が光走査装置毎に異なることが考えられる。そこで、複数の画像形成装置において感光体ドラムの表面で同じ光量が欲しい場合には、それぞれの光走査装置における光源から射出される光束の光量を調整する必要がある。
2.理由B
複数の光走査装置間でのポリゴンミラー及び走査光学系のばらつきによる、シェーディングのばらつきも考えられる。なお、シェーディングとは、感光体ドラムの表面での光量が主走査方向の位置(像高位置)によって異なることをいう。このシェーディングを補正するには、(1)感光体ドラムの表面における像高0の位置近傍での光量(以下、「中央光量」ともいう)が他の像高位置での光量(以下、「周辺光量」ともいう)よりも小さい場合(図8(A)参照)は周辺光量を下げ、(2)感光体ドラムの表面における中央光量が周辺光量よりも大きい場合(図8(B)参照)は周辺光量を上げる、といった作業が行われている。このようなシェ−ディング補正を行なうには、周辺光量を上下させるために、光源から射出される光束の光量を調整する必要がある。
そして、複数の光走査装置間でのシェーディングのばらつきに、複数の光走査装置間での感光体ドラムの像高0の位置における光利用効率のばらつきを加えると、光源に光出力範囲の拡大が要求される(図9参照)。
3.理由C
長期間の使用による感光体ドラムの感光特性の劣化や環境温度の変化などにより、感光体ドラムの表面で必要とされる光量が変化することが考えられる。光源はこのような時間的な変化にも対応しなければならない。
光源が上記3つの理由に対応可能な光出力範囲を有していない場合であっても、複数の光走査装置間での光利用効率のばらつきを小さくする方法の一つとして、NDフィルタを利用することが考えられる。
例えば、複数の光走査装置における光利用効率の平均値を1.00としたとき、光利用効率が1.05の光走査装置に対しては光透過率が1/1.05のNDフィルタを設け、光利用効率が1.03の光走査装置に対しては光透過率が1/1.03のNDフィルタを設けることにより、複数の光走査装置における光利用効率のばらつきを小さくすることが可能である。
ところで、NDフィルタの基板には、通常ガラスやプラスチックの平板が使用される。例えば、NDフィルタが、カップリングレンズとシリンドリカルレンズの間に配置され、カップリングレンズから射出される光束が平行光であれば、NDフィルタに入射した光束は基板内で多重反射及び多重干渉を起こす(図10参照)。
図10に示されるように、厚さd、屈折率nの透明板に入射角θで波長λの光が入射すると、整数mを用いて、n・(BC+CD)−BE=2n・d・cosθ=mλ、が満足されると透過光は強めあい、n・(BC+CD)−BE=2n・d・cosθ=(m+1/2)λ、が満足されると透過光は弱めあうこととなる。
また、面発光レーザは、供給される電流の大きさが大きくなるにつれて、1nm未満の範囲で波長が変化する。NDフィルタは、入射光束の波長が変化すると、NDフィルタから射出される複数の光間の位相が変化し、多重反射光の強め合い及び弱めあいの度合いが変化する。そこで、面発光レーザに供給される電流とNDフィルタから射出される光束の光量との関係は、線形性を有さないこととなる。
本実施形態に係るNDフィルタ120は、光吸収物質が光学ガラス中に分散されているため、NDフィルタ120の内部で多重反射した光の光量を非常に小さくすることができる。そこで、干渉が起こったとしても、NDフィルタ120から射出される光束の光量変化は小さい。従って、面発光レーザに供給される電流とNDフィルタから射出される光束の光量との関係は、線形性を有することとなる。
図2に戻り、シリンドリカルレンズ17は、副走査対応方向(ここでは、Z軸方向と同じ)に強いパワーを有し、NDフィルタ120を介した光束をポリゴンミラー13の偏向反射面近傍で副走査対応方向に関して結像する。また、シリンドリカルレンズ17は、各走査レンズと共同し、副走査対応方向に関して面倒れ補正系を構成している。
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ15と開口板16とNDフィルタ120とシリンドリカルレンズ17とから構成されている。
ポリゴンミラー13は、4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、Z軸方向に平行な軸の周りに等速回転し、シリンドリカルレンズ17からの光束を偏向する。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bを介した光束は、感光体ドラム1030の表面に集光され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bとから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bの間の光路上、及び像面側走査レンズ11bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
光検知センサ18aには、ポリゴンミラー13で偏向され、走査光学系を介した光束のうち1走査における書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー19aを介して入射する。また、光検知センサ18bには、ポリゴンミラー13で偏向され、走査光学系を介した光束のうち1走査における書き込み終了後の光束の一部が、光検知用ミラー19bを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置22は、一例として図11に示されるように、画素クロック生成回路215、画像処理回路216、書込制御回路219、及び光源駆動回路221などを有している。なお、図11における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
画素クロック生成回路215は、光検知センサ18aの出力信号と光検知センサ18bの出力信号とから、各光検知センサの間を光束が走査するのに要した時間を求め、その時間に予め設定されている数のパルスが収まるように周波数を設定し、該周波数の画素クロック信号PCLKを生成する。ここで生成された画素クロック信号PCLKは、画像処理回路216及び書込制御回路219に供給される。また、光検知センサ18aの出力信号は、同期信号として書込制御回路219に出力される。
画像処理回路216は、プリンタ制御装置1060を介して上位装置から受信した画像情報をラスター展開するとともに、所定の中間調処理などを行った後、画素クロック信号PCLKを基準とした各画素の階調を表す画像データを発光部毎に作成する。そして、画像処理回路216は、光検知センサ18aの出力信号に基づいて走査開始を検出すると、画素クロック信号PCLKに同期して画像データを書込制御回路219に出力する。
書込制御回路219は、画像処理回路216からの画像データ、画素クロック生成回路215からの画素クロック信号PCLK及び同期信号に基づいてパルス変調信号を生成する。
光源駆動回路221は、書込制御回路219からのパルス変調信号に基づいて2次元アレイ100の各発光部を駆動する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光走査装置1010では、NDフィルタ120によって光量調整素子が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置1010によると、面発光レーザアレイを含む光源14と、光源14からの光束をカップリングするカップリングレンズ15と、該カップリングレンズ15を介した光束の光路上に配置され、光学的なパワーを持たず、入射光束の光量を主に内部での光吸収によって減少させるNDフィルタ120と、該NDフィルタ120を介した光束をポリゴンミラー13の偏向反射面近傍で副走査対応方向に関して結像するシリンドリカルレンズ17と、シリンドリカルレンズ17からの光束を偏向するポリゴンミラー13と、ポリゴンミラー13で偏向された光束を感光体ドラム1030の表面に集光する走査光学系とを備えている。
この場合には、NDフィルタ120の内部で多重反射した光は、NDフィルタ120を透過してシリンドリカルレンズ17に向かう光束に比べて非常に弱くなり、干渉が起きたとしても、シリンドリカルレンズ17に向かう光束の光量変化は非常に小さい。また、NDフィルタ120は、光学的なパワーを持たないため、光学系全体に与える影響を小さくすることができる。そこで、安定して高精度の光走査を行うことが可能である。
また、NDフィルタ120は、第1面での反射率が比較例よりも非常に小さい。これにより、例えば、NDフィルタ120に対する光束の入射方向が第1面の法線方向に平行であったとしても、光源14への戻り光を、比較例よりも大幅に少なくすることができる。
そして、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、安定して高品質の画像を形成することができる。
なお、上記実施形態において、前記NDフィルタ120に代えて、一例として図12に示されるように、光束が入射する面と光束が射出される面が非平行であるNDフィルタ120´を用いても良い。この場合、内部で多重反射した光束がNDフィルタ120´から射出されても、シリンドリカルレンズ17に向かう方向とは異なる方向に向かうため、多重反射の影響をさらに低減することができる。
また、上記実施形態において、一例として図13に示されるように、前記NDフィルタ120と前記開口板16を一体化しても良い。この場合には、NDフィルタ120及び開口板16をハウジング21に保持するための保持機構を共通化することができ、光走査装置1010の小型化を促進することが可能となる。
また、上記実施形態において、前記NDフィルタ120は、一例として図14に示されるように、光源14とカップリングレンズ15の間の光路上に配置されても良い。この場合は、発散光束がNDフィルタ120に入射することとなる。NDフィルタ120に入射する光束が発散光束のときは、内部で多重反射した光束と、シリンドリカルレンズ17に向かう光束とが干渉するのを抑制することができる。なお、NDフィルタ120に入射する光束が平行光束のときは、内部で多重反射した光束と、シリンドリカルレンズ17に向かう光束とが干渉するおそれがある。
また、上記実施形態において、前記NDフィルタ120は、一例として図15に示されるように、シリンドリカルレンズ17とポリゴンミラー13の間の光路上に配置されても良い。この場合は、副走査方向に関して収束している光束がNDフィルタ120に入射することとなる。NDフィルタ120に入射する光束が収束光束のときは、上述したNDフィルタ120に入射する光束が発散光束のときと同様に、内部で多重反射した光束と、シリンドリカルレンズ17に向かう光束とが干渉するのを抑制することができる。さらに、NDフィルタ120の表面で反射した光束が、光源14に戻るのを抑制することができる。
また、上記実施形態において、一例として図16に示されるように、前記NDフィルタ120と前記シリンドリカルレンズ17に代えて、前記NDフィルタ120の機能と前記シリンドリカルレンズ17の機能を有する光学素子127を用いても良い。
この光学素子127は、前記シリンドリカルレンズ17の内部に、光吸収物質を分散させ、光透過率を前記NDフィルタ120と同じとしたものであっても良い。すなわち、前記シリンドリカルレンズ17に前記NDフィルタ120の機能を付加したものであっても良い。
また、上記光学素子127は、前記NDフィルタ120に前記シリンドリカルレンズ17の機能を付加したものであっても良い。
また、上記実施形態では、カップリングレンズ15が、光源14から射出された光束を略平行光とする場合について説明したが、これに限らず、カップリングレンズ15が、光源14から射出された光束を弱い発散光束(図17(A)参照)あるいは弱い収束光束(図17(B)参照)としても良い。この場合は、弱い発散光束あるいは弱い収束光束がNDフィルタ120に入射することとなり、NDフィルタ120の内部で多重反射した光束と、NDフィルタ120を透過してシリンドリカルレンズ17に向かう光束とが干渉するのを抑制することができる。
また、上記実施形態では、NDフィルタ120の光透過率が0.50の場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、第1面、内部、第2面の光透過率についても、上記実施形態に限定されるものではない。要するに、入射光束の光量を主に内部での光吸収によって減少できれば良い。
また、上記実施形態では、2次元アレイ100が40個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、光源14が2次元アレイ100を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光源14が前記2次元アレイ100に代えて、複数の発光部が一列に配置されている1次元アレイを有していても良い。また、光源14が前記2次元アレイ100に代えて、1つの発光部を有していても良い。
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば良い。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、例えば、図18に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図18中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転方向に沿って帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光走査が行われ、各感光体ドラムに潜像が形成される。
そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が順次転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、前記NDフィルタ120と同様なNDフィルタを色毎に有している。従って、前記光走査装置1010と同様な効果を得ることができる。
そして、カラープリンタ2000は、前記レーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
なお、タンデム方式の多色カラープリンタでは、機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、点灯させる発光部を選択することで各色の色ずれの補正精度を高めることができる。
また、このカラープリンタ2000において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
以上説明したように、本発明の光走査装置によれば、安定して高精度の光走査を行うのに適している。また、本発明の画像形成装置によれば、安定して高品質の画像を形成するのに適している。
11a…偏向器側走査レンズ(走査光学系の一部)、11b…像面側走査レンズ(走査光学系の一部)、13…ポリゴンミラー(偏向器)、14…光源、15…カップリングレンズ(カップリング光学系)、16…開口板(開口部材)、17…シリンドリカルレンズ(線像形成レンズ)、100…2次元アレイ(面発光レーザアレイ)、120…NDフィルタ(光量調整素子)、120´…NDフィルタ(光量調整素子)、127…光学素子(光量調整素子)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。
特許第3227226号公報 特開2008−33062号公報 特許第3243013号公報 特開平05−160467号公報

Claims (15)

  1. 光束により被走査面を主走査方向に走査する光走査装置であって、
    光源と;
    入射光束の光量を主に内部での光吸収によって減少させて射出する光量調整素子を含み、前記光源から射出された光束の光路上に配置された偏向器前光学系と;
    前記偏向器前光学系からの光束を偏向する偏向器と;
    前記偏向器で偏向された光束を前記被走査面上に集光する走査光学系と;を備える光走査装置。
  2. 前記光量調整素子は、光学的なパワーを持たないことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記光量調整素子は、光束が入射する面と光束が射出される面が平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記光量調整素子は、光束が入射する面と光束が射出される面が非平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  5. 前記偏向器前光学系は、前記光源から射出された光束を平行光束とするカップリング光学系を有し、
    前記光量調整素子は、前記カップリング光学系を介した光束の光路上に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
  6. 前記偏向器前光学系は、前記カップリング光学系を介した光束を整形する開口部材を有し、
    前記光量調整素子は、前記開口部材と一体化されていることを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
  7. 前記光量調整素子は、発散光束又は収束光束の光路上に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記光量調整素子は、前記光源から射出された光束の光路上に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
  9. 前記偏向器前光学系は、前記光源からの光束を主走査方向に直交する副走査方向に関して、前記偏向器近傍に集光する線像形成レンズを有し、
    前記光量調整素子は、前記線像形成レンズと前記偏向器の間の光路上に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
  10. 前記偏向器前光学系は、前記光源から射出された光束を発散光束あるいは収束光束とするカップリング光学系を有し、
    前記光量調整素子は、前記カップリング光学系を介した光束の光路上に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の光走査装置。
  11. 前記光量調整素子は、さらに前記光源からの光束を主走査方向に直交する副走査方向に関して、前記偏向器近傍に集光することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  12. 前記光源は、2次元的に配列された複数の発光部を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光走査装置。
  13. 前記光源は、垂直共振器型の面発光レーザを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光走査装置。
  14. 少なくとも1つの像担持体と;
    前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光束を走査する少なくとも1つの請求項1〜13のいずれか一項に記載の光走査装置と;を備える画像形成装置。
  15. 前記画像情報は、多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
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