JP2017206450A - 油性クレンジング化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】クレンジング力が高く、すっきりと洗い流せる油性クレンジング化粧料を提供すること。【解決手段】(A);炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンとからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、(B);炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンとからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、(C);油剤、とを含有する油性クレンジング化粧料において、(A):(B)が12:5〜1:1であることを特徴とする油性クレンジング化粧料。【選択図】図2

Description

本発明は、油性クレンジング化粧料に関する。
油性成分の溶解作用でメイク汚れを落とす油性クレンジング化粧料は、クレンジングするときに肌への負担が少ないことから多くの顧客に受け入れられている。油性クレンジング化粧料の主な構成成分は油剤と界面活性剤である。そして、必要に応じて増粘剤が配合されることもある。油性クレンジング化粧料の作用機序は、油性成分がメイク汚れを溶解し、さらに界面活性剤の働きにより水で洗い流すことができるようになるというものである。しかし、両成分の選択や配合量のバランスが悪いとメイク汚れは溶解できても、水で洗い流したあとに残油感が強く感じられる場合がある。また、残油感が残る場合は、さらにそれを取り除くために再度洗顔料で洗浄しなければならず、皮膚の過度の脱脂のため、肌荒れが起きたり、肌に刺激感が生じる場合がある。
また、入浴時に油性クレンジング化粧料を使用することが増えている。そのため、濡れた手で使用してもクレンジング力が低下しないという性能が望まれている。
本願出願人もすでに、水で濡れた手で使用してもクレンジング力が低下しない油性クレンジング化粧料の発明を完成させ、特許を取得している(特許文献1、非特許文献1)。
しかし最近のメークアップ化粧料に対応した、より洗浄力が強く、肌に負担の少ない油性クレンジング化粧料が求められている。また一般に硬水の場合は、油性クレンジング化粧料の洗い流しが困難になり、残油感が強くなることが指摘されており、硬水の地域でも効果の高い油性クレンジング化粧料が求められている。
特許第4145238号公報
「ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いたクレンジングオイルの開発」粧技誌 第39巻 第3号 2005年 第186頁〜194頁
本発明は、硬水の地域であっても、メイク汚れに対するクレンジング力が強く、残油感のない、洗い流しやすい油性クレンジング化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は、2種類のポリグリセリンジ脂肪酸エステルを組み合わせて配合し、さらに油剤を配合することで、水で濡れた手で使用してもクレンジング力が低下せず、すっきりと水で洗い流せることを見出した。さらに、界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルと、モノイソステアリン酸ジグリセリルとを配合すると、従来は油性クレンジング化粧料による洗浄に適さなかった硬水地帯(硬水を使用した場合)であっても、クレンジング力の低下しない油性クレンジング化粧料となることを見出した。
すなわち本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)(A);炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、
(B);炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、
(C);油剤、
とを含有する油性クレンジング化粧料において、(A):(B)が12:5〜1:1であることを特徴とする油性クレンジング化粧料。
(2)炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルが、ジカプリン酸ヘキサグリセリル及び/又はジカプリル酸ヘキサグリセリルである(1)に記載の油性クレンジング化粧料。
(3)炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルが、ジイソステアリン酸デカグリセリル及び/又はジオレイン酸デカグリセリルである(1)又は(2)に記載の油性クレンジング化粧料。
(4)油剤が2−エチルヘキサン酸セチル、メチルフェニルポリシロキサン、メドウフォーム油、イソステアリン酸2−ヘキシルデシルから選ばれる一種以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の油性クレンジング化粧料。
(5)さらに(D);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)、及び(E);モノイソステアリン酸ジグリセリルを含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の油性クレンジング化粧料。
(6)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)及び/又はモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)である(5)に記載の油性クレンジング化粧料。
(7)硬度400mg/L以上の硬水で希釈すると生じる乳化粒子の粒度分布を測定するとき、0.1〜1μmに極大ピークが出現することを特徴とする(5)又は(6)に記載の油性クレンジング化粧料。
本発明の構成の油性クレンジング化粧料は、水で濡れた手で使用してもクレンジング力が低下せず、さらに油性クレンジング化粧料を肌に残すことなくすっきりと洗い流すことができる。また、本発明の油性クレンジング化粧料は、硬度の高い水であってもクレンジング機能が低下しない。このため石灰岩地帯のような硬水環境下であっても、すっきりとした残油感のない洗顔が可能となる。
実施例10の油性クレンジング化粧料を水で60倍に希釈したときの乳化粒子径の粒度分布図を示す。 実施例10の油性クレンジング化粧料を、硬度489mg/Lの硬水で60倍に希釈したときの乳化粒子径の粒度分布図を示す。 処方例1の油性クレンジング化粧料をイオン交換水で60倍に希釈したときの乳化粒子径の粒度分布図を示す。 処方例1の油性クレンジング化粧料を硬水で60倍に希釈したときの乳化粒子径の粒度分布図を示す。 処方例1の油性クレンジング化粧料で洗浄した肌と水滴の接触角を観察した画像である。 比較例21の油性クレンジング化粧料で洗浄した肌と水滴の接触角を観察した画像である。 比較例21の油性クレンジング化粧料をイオン交換水で60倍に希釈したときの乳化粒子径の粒度分布図を示す。 市販油性クレンジング化粧料で洗浄した肌と水滴の接触角を観察した画像である。 参考試験例の、市販油性クレンジング化粧料の硬水による60倍希釈液の乳化粒子径の粒度分布図を示す。
本発明は、(A);炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、(B);炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、(C);油剤とを含有する油性クレンジング化粧料において、(A):(B)が12:5〜1:1であることを特徴とする油性クレンジング化粧料に係る発明である。
以下に、本発明の成分を説明する。
<(A);炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステル>
本発明で用いる成分(A)は、界面活性剤であって、炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルである。具体的には、ジカプリン酸ヘキサグリセリル、ジカプリル酸ヘキサグリセリルが挙げられ、単独でも、組み合わせて用いてもよい。本発明の成分(A)のポリグリセリンジ脂肪酸エステルは、油性クレンジング化粧料に対し9〜12質量%配合することが好ましい。
<(B);炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステル>
本発明で用いる成分(B)は、界面活性剤であって、炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンとがエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルである。具体的には、ジイソステアリン酸デカグリセリル、ジオレイン酸デカグリセリルが挙げられ、単独でも、組み合わせて用いてもよい。本発明の成分(B)のポリグリセリンジ脂肪酸エステルは、油性クレンジング化粧料に対し5〜8質量%配合することが好ましい。
本発明においては、成分(A)を成分(B)よりも多く配合する。本発明の油性クレンジング化粧料中、(A):(B)が12:5〜1:1であることが好ましい。この範囲の組成にすると、水で濡れた手で使用してもクレンジング力が低下せず、水ですっきりと洗い流すことができ、さらに、洗い流した後に肌に残油感が残らない。
<(C);油剤>
本発明において配合する(C)油剤としては、以下のようなものが例示できる。
天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、シリコーン油、脂溶性ビタミン、高級脂肪酸、動植物や合成の精油成分等が挙げられる。天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボカド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン等が挙げられる。炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプリピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。グリセライド油としては、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリテトラデカン酸グリセリル、ジパラメトキシケイ皮酸モノイソオクチル酸グリセリル等が挙げられる。シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変成シリコーン、アルキル変成シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。
これらの例示した中でも、2−エチルヘキサン酸セチル、メチルフェニルポリシロキサン、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、(カプリル/カプリン酸)カプリリルなどをあわせて配合するとクレンジング効果が高まるので好ましい。
また、メドウフォーム油を少量配合するとエモリエント効果を発揮するので好ましい。
油剤の配合量は、クレンジング力及びすすぎ性の観点から、油性クレンジング化粧料全量に対し、10〜90質量%であることが好ましい。
(A)成分、(B)成分、(C)成分に、さらに(D)成分としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)から選ばれる一種以上の親水性界面活性剤、及び(E)成分としてモノイソステアリン酸ジグリセリルを配合すると、硬水であってもクレンジング機能(水で濡れた手で使用してもクレンジング力が維持される機能、すっきりと水洗いできる機能)を低下させずに使用できるようになるので好ましい。
<(D);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル・モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)>
成分(D)は、親水性界面活性剤であって、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又は、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトールと炭素数が12〜18の脂肪酸とのエステルに、酸化エチレンを付加重合したものである。具体的には、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)が挙げられる。
(D)成分は、油性クレンジング化粧料に対し0.1〜3質量%、より好ましくは1.2〜3質量%配合することが好ましい。
<(E);モノイソステアリン酸ジグリセリル>
モノイソステアリン酸ジグリセリルは、イソステアリン酸とジグリセリンのエステルであり、一般に親油性溶媒として使用される。本発明において、モノイソステアリン酸ジグリセリルを配合することにより、油性クレンジング化粧料中に可溶化できる水の量を増加させることができる。モノイソステアリン酸ジグリセリルは、油性クレンジング化粧料に対し0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜1質量%配合することが好ましい。
本発明において、親水性界面活性剤である(D);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)と、親油性溶媒である(E);モノイソステアリン酸ジグリセリルを、(D):(E)が、1.7:1〜3:0.4の比率となるように配合すると、硬水であってもクレンジング機能(水で濡れた手で使用してもクレンジング力が維持される機能、すっきりと水洗できる機能)を低下させずに油性化粧汚れの洗浄が快適にできるようになる。
<任意成分>
本発明の油性クレンジング化粧料には、任意成分として化粧料に常用される各種原料を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、多価アルコール、増粘剤、酸化防止剤、香料等を配合することができる。
多価アルコールは、溶剤として作用することがあるので配合するとクレンジング力が高まることがある。特に1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコールを配合するとクレンジング力が向上するので好ましい。
増粘剤としては、ステアリン酸イヌリン、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルが好ましく例示できる。増粘剤を含ませる第一の目的は、好みの粘度に増粘させることである。第二の目的は、のびを向上させて肌の上でのすべりを良くし、クレンジングし易くすることである。特有の粘性は界面活性剤や油剤のべたつきを改善する場合もある。第三の目的は、皮膚に塗布した時に薄い皮膜を形成し、皮膚への過度のこすれを防ぎ、刺激抑制効果を発現して安全性を向上させることである。増粘剤は、組成物に0.01〜3質量%配合することが好ましい。0.01質量%より少ないと、のびの改善効果、刺激緩和の効果も得にくくなる場合がある。3質量%より多く配合すると、析出する恐れがある。
酸化防止剤としては、トコフェロールを挙げることができる。
本発明の油性クレンジング化粧料は、使用性や使用感を考慮して様々な剤形に設計される。好ましい態様として、液状あるいはジェル状の形態を採用することができる。
以下に実施例、比較例、試験例を挙げて、本発明の特徴と効果をさらに詳細に説明する。
1.(A)成分;ジカプリン酸ヘキサグリセリル、(B)成分;ジイソステアリン酸デカグリセリル又はジオレイン酸デカグリセリル、(C)成分;2−エチルヘキサン酸セチルを配合した実施例1〜4と比較例1〜17の調製と洗浄および洗い流し効果試験
表1に示す組成で実施例1〜4の油性クレンジング化粧料及び表2に示す組成で比較例1〜17の油性クレンジング化粧料を調製した。なお実施例1〜4は(A)成分と(B)成分が12:5〜1:1の配合比になるように配合した組成である。比較例1及び2は(A)成分と(B)成分の配合比が5:11.5になるように配合した組成である。比較例3〜17は(A)成分を配合しない組成である。
<調製方法>
各成分すべてを常法により加熱しながら撹拌混合し、液状の油性クレンジング化粧料を調製した。
<評価方法>
以下の試験法にて水で濡れた手で使用したときのクレンジング力と水で洗い流した後の残油感のなさを評価した。
[クレンジング機能の評価]
「水で濡れた手で使用した時のクレンジング力」と、「水で洗い流した後の残油感がない」ことを評価するために下記の簡易試験法が普及しており、常用されている。本発明ではこの試験方法により、前記2つのクレンジング機能を評価した。また、官能評価試験も実施した。
(1)簡易試験法
<水の可溶化能の測定(「水で濡れた手で使用した時のクレンジング力」を評価する試験)>
油性クレンジング化粧料に水を添加した際の外観を観察し、透明に可溶化できる水の量を測定する。
各油性クレンジング化粧料を撹拌しながら水を滴下し、白濁する水の量を測定する。
水を添加しても透明性を維持できるということは、水が混入してもO/W型乳化組成物になっていない(逆ミセル相、ラメラ液晶相、バイコンティニュアスマイクロエマルションのいずれか)ということである。
油性クレンジング化粧料では油性成分が油性のメイク汚れを溶解するので、油相が連続していることが大切である。本評価方法においては、透明に可溶化される水の量として、油性クレンジング化粧料100質量%に対する混入可能量を測定する。
なお20質量%の水を添加しても透明性を維持できれば油相が連続しており、当初設計したクレンジング力が概ね維持できていると判断する。水添加量が15質量%以下の場合は、クレンジング力が不十分であると判断した。
<水を添加してO/W型乳化組成物にした時の乳化粒子径の測定(「水で洗い流した後の残油感がない」ことを評価する試験)>
油性クレンジング化粧料の作用機序は、油性成分がメイク汚れを溶解し、さらに界面活性剤の働きにより水で洗い流すことができるものであるが、そのバランスが悪いと化粧汚れが落とし切れていないことに由来する残油感ではなく、油性クレンジング化粧料そのものが肌に残存することに由来する残油感が生じる場合がある。本試験は、油性クレンジング化粧料の肌残りによる残油感を予測するための試験である。なお、この試験結果が良好であると、通常の化粧落としとして油性クレンジング化粧料を使用した場合も、残油感なく使用できることが予測できる。
油性クレンジング化粧料の60倍量になるように水を添加し、O/W型乳化組成物を調製し、この組成物中の乳化粒子径をマスターサイザー2000(Malvern Instruments Ltd.製)を用いてレーザー散乱法により粒度分布を測定する。体積基準平均径の測定と粒度分布のピーク形状の観察を行った。
乳化粒子径が大きいと肌に油性感(残油感)が残る。しかし、水を添加した時に形成される乳化粒子径が1μm以下に極大ピークを有していれば、洗浄後に残油感のないすっきりとした洗浄感となる。
(2)官能評価試験
<水で濡れた手で使用した時のクレンジング力>
熟練した技術者1名が、油性化粧料(口紅)を塗布した肌に対して、水で濡れた手で各油性クレンジング化粧料を実際に使用して、下記基準によりクレンジング力を評価した。
○;非常に良好
△;良好
×;不良
<水で洗い流した後の残油感がない>
この試験は、油性クレンジング化粧料そのものの水洗後の残油感を評価する目的で行う試験である。したがって、前試験とは異なり、肌にはあらかじめ口紅は塗布していない。
熟練した技術者1名が、水で濡れた手で各油性クレンジング化粧料を肌に塗布して、水洗した後の肌のクレンジング料の残油感(あと残り感)を下記基準により評価した。
○;残油感がない
×;残油感がある
(3)結果
実施例1〜4の組成は、いずれも好ましいクレンジング効果であった。また、洗浄後の残油感のないものとなった。化粧料を透明に維持できる水の混入量の上限は、実施例1、3、4が20質量%、実施例2が30質量%であり、極めて高容量の添加が可能であった。また水で60倍に希釈したときの乳化粒子のサイズは0.2〜0.8μmと極めて小さかった。この両試験の結果は、濡れた手で使用したときの好ましいクレンジング力と残油感のなさを裏付けるものであった。
一方比較例1〜17は、全ての組成において、水で濡れた手で使用した時のクレンジング力が不良との評価であった。また比較例2のみが、水で洗い流した後の残油感がない「評価〇」となったが、それ以外の比較例の組成は全て、残油感がある「評価×」となった。これは、水を少量でも添加するとO/W型乳化組成物となって白濁してしまうこと、及び水により60倍に希釈すると、殆どの組成が乳化せず分離し、乳化したとしても比較例1の結果が示すように乳化粒子が7.566μmと大きいことからも裏付けられる。
比較例1は、本発明の必須成分である(A)(B)(C)成分を含むが、水で濡れた手で使用した時のクレンジング力が不良「評価×」、水で洗い流した後の残油感がある「評価×」という結果になった。これは、(A)成分と(B)成分の配合比が5:11.5と(B)成分の方が(A)成分よりも多い比率であったためと考えられた。比較例2は水で洗い流した後の残油感がない「評価〇」ではあるが、水で濡れた手で使用した時のクレンジング力が不良「評価×」であり、これも(A)成分と(B)成分の配合比が5:11.5と(B)成分の方が(A)成分よりも多い比率であったためと考えられた。
また、比較例10、11、15、16、17は調製直後から分離しており均質な油性クレンジング化粧料とならなかった。
以上の試験結果から、「水で濡れた手で使用した時のクレンジング力」、「水で洗い流した後の残油感がない」という油性クレンジング化粧料に必要な要件を満たすためには、(A);炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、(B);炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、(C);油剤、とを含有し、さらに(A):(B)の比が、12:5〜1:1であることが必要と考えられた。
2.(A)成分;ジカプリン酸ヘキサグリセリル、(B)成分;ジイソステアリン酸デカグリセリルの比率の再検討試験
上記1で(A)成分と(B)成分の比が重要であることを明示した。これを再度確認するために下記表3に示す実施例5〜8、比較例18〜21の組成の油性クレンジング化粧料を調製し、1.と同様の条件により評価試験をおこなった。
(1)試験組成
なお、実施例5〜8の、それぞれ(A)成分と(B)成分の配合比率は、実施例5が12:5、実施例6が11:6、実施例7が10:7、実施例8が9:8である。同じく比較例18は13:4、比較例19は8:9、比較例20は6:11、比較例21は4:13としたものである。
(2)結果
表3の下段に評価結果を示した。
実施例5〜8の組成は、いずれも好ましいクレンジング力と、水で洗い流した後の残油感のなさを示した。化粧料を透明に維持できる量の水の混入量の上限は実施例5と実施例8が30質量%、実施例6が40質量%、実施例7が35質量%であり、極めて高容量の添加が可能であった。また実施例5〜8は、水で60倍に希釈したときの乳化粒子のサイズが0.3〜0.7μmと極めて小さかった。この両試験の結果は、濡れた手で使用したときの好ましいクレンジング力と、水で洗い流した後の残油感のなさの官能評価結果を裏付けるものであった。
一方、比較例19〜21の組成は、いずれもクレンジング力の評価と、水で洗い流した後の残油感の評価について不良となった。また、化粧料を透明に維持できる水の混入量の上限は、比較例18が15質量%、比較例19及び比較例20が5質量%、比較例21が0質量%であり、水の可溶化量は少なかった。また、水で60倍に希釈したときの乳化粒子径のサイズは比較例18のみが0.3μmであったが、それ以外は1μmを超えており、比較例21は22μm以上と大きかった。この両試験の結果は、そのまま比較例19〜21の官能評価試験(クレンジング力、残油感)の不良「評価×」という結果を裏付けるものであった。比較例18は、化粧料を透明に維持できる水の混入量の上限が15質量%であり、クレンジング力が良好「評価△」であった。このことから比較例18は実使用時の水の混入が多いときにクレンジング力が落ちる恐れがあると判断した。
1.の試験結果と2.の試験結果を総合すると、本発明の油性クレンジング化粧料は、(A)成分と(B)成分の配合比が重要であり、その比率を12:5〜1:1とすることが、水で濡れた手で使用した時の好ましいクレンジング力を有し、水で洗い流した後の残油感のない油性クレンジング化粧料を得るうえで重要であることがわかった。
3.硬水環境下で洗浄力の低下しない油性クレンジング化粧料の調製と試験(その1)
一般的に硬水環境下で油性クレンジング化粧料を使用すると、洗浄効果が低下し洗い流しが不完全になることが知られている。これは硬水によって乳化粒子が凝集してしまうためと考えられている。そしてその結果、水で洗い流した後も残油感が生じてしまう。例えば、中国においては水道水の硬度が高く硬度400以上の地域もあり、前述したような洗浄力低下と水洗後の残油感が生じる。このような極端な硬水地域での使用にも対応できる油性クレンジング化粧料の組成として、本発明においては、成分(A)、(B)、(C)に加えてさらに(D)成分としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)、及び(E)成分としてモノイソステアリン酸ジグリセリルを添加した組成を検討した。
(1)実施例9〜11の組成
下記表4の組成を調製し、硬水環境下での使用を想定した試験を実施した。
(2)試験方法
上記1.において実施した試験に加えて、硬度489mg/Lの硬水による希釈試験を同様に実施した。
さらに、硬水による粗大粒子の出現の有無を確認するため、硬水で希釈した場合の平均粒子径の測定に加えて粒度分布を確認し、粒度分布における1μmを超える極大ピークの出現を観察した。
(3)結果
実施例9〜11の組成は、いずれも非常に良好なクレンジング力と、硬水で洗い流した後の残油感のないものとなった。化粧料を透明に維持できる水の混入量の上限は、実施例9〜11ではいずれも25質量%であり、高容量の水の混入が可能であった。また水で60倍に希釈したときの乳化粒子のサイズは0.2〜0.3μmであり、硬水であっても0.3〜0.6μmと極めて小さかった。この両試験の結果は、水で濡れた手で使用したときの好ましいクレンジング力と、硬水で洗い流した後の残油感のなさを裏付けるものであった。また使用時に残油感などの不快さを感じさせる1μmを超える極大ピークの出現も観察されなかった。実施例9〜11の極大ピークは、いずれも1μm以下であった。
図1に実施例10の油性クレンジング化粧料を水で60倍に希釈したときの粒度分布図、図2に実施例10の油性クレンジング化粧料を、硬度489mg/Lの硬水で60倍に希釈したときの粒度分布図を示す。両者の分布図を対比すると、実施例10の油性クレンジング化粧料は、水と硬水のどちらの場合であってもエマルション粒子分布の極大ピークは0.1〜1μmに出現することがわかる。
すなわち実施例9〜11の油性クレンジング化粧料は、硬水による乳化粒子の凝集が発生せず、残油感を感じさせないため、硬水地帯での使用においても問題がない。
4.硬水環境下で洗浄力の低下しない油性クレンジング化粧料の調製と試験(その2)
(1)実施例12〜16の組成
下記表5の組成を調製し、硬水環境下での使用を想定した試験を実施した。
(2)試験方法
(その1)の試験と同様に、硬度489mg/Lの硬水を用いた試験を実施した。
また硬水混入による粗大粒子の出現の有無を確認するため、硬水で希釈した場合の平均粒子径に加えて粒度分布を確認し、粒度分布図で1μmを超える極大ピークの出現を観察した。
(3)結果
実施例12〜16の組成は、いずれも好ましいクレンジング力と、硬水で洗い流した後の残油感がないものとなった。化粧料を透明に維持できる水の混入量の上限は、実施例12では30質量%、実施例13、14ではいずれも20質量%であり、実施例15は35質量%、実施例16は20質量%であり、高容量の水の混入が可能であった。また水で60倍に希釈したときの乳化粒子のサイズは、水と硬水とでほぼ差がなく0.2〜0.8μmと小さかった。また、水で洗い流した後の残油感などの不快さを感じさせる1μmを超える極大ピークの出現も観察されなかった。
以下に任意成分をさらに追加配合した油性クレンジング化粧料の処方例を示す。
<処方例>
処方例1(クレンジングオイル)
(配合成分) (配合量)
エチルヘキサン酸セチル 71.35質量%
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5 質量%
メドウフォーム油 1 質量%
イソステアリン酸ヘキシルデシル 2 質量%
ジイソステアリン酸デカグリセリル 8 質量%
ジカプリン酸ヘキサグリセリル 9 質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.7 質量%
モノイソステアリン酸ジグリセリル 0.4 質量%
(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 1.3 質量%
ステアリン酸イヌリン 0.15質量%
トコフェロール 0.1 質量%
処方例2(クレンジングオイル)
(配合成分) (配合量)
エチルヘキサン酸セチル 71.35質量%
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 5 質量%
メドウフォーム油 1 質量%
イソステアリン酸ヘキシルデシル 2 質量%
ジオレイン酸デカグリセリル 8 質量%
ジカプリン酸ヘキサグリセリル 9 質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.7 質量%
モノイソステアリン酸ジグリセリル 0.4 質量%
(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 1.3 質量%
ステアリン酸イヌリン 0.15質量%
トコフェロール 0.1 質量%
処方例3(クレンジングジェル)
(配合成分) (配合量)
エチルヘキサン酸セチル 55.2質量%
トリエチルヘキサノイン 20 質量%
ジイソステアリン酸デカグリセリル 8 質量%
ジカプリン酸ヘキサグリセリル 9 質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.7 質量%
モノイソステアリン酸ジグリセリル 0.6 質量%
(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル 3 質量%
(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 2 質量%
パルミチン酸デキストリン 0.5 質量%
処方例1〜3の油性クレンジング化粧料は、いずれもクレンジング力が高く、水による洗い流しも速やかで残油感もなかった。また硬水を用いて洗浄してもその性能(クレンジング力、水で洗い流した後の残油感)には変化がなかった。
<処方例1の油性クレンジング化粧料の希釈試験>
処方例1の油性クレンジング化粧料をイオン交換水及び硬度489mg/Lの硬水で60倍に希釈し、O/W型乳化組成物を調製し、この組成物をマスターサイザー2000(Malvern Instruments Ltd.製)を用いてレーザー散乱法により粒度分布を測定した。体積基準平均径の測定と粒度分布のピーク形状の観察を行った。
イオン交換水で希釈した場合の体積基準平均径は5.114μm、硬水で希釈した場合の体積基準平均径は4.740μmであり、両者の差は認められなかった。またイオン交換水で希釈した場合の乳化粒子の粒度分布を図3、硬水で希釈した場合の粒度分布を図4に示す。
図3の粒度分布図には2つの極大ピークが出現した。初めに出現したピークはエマルション(油滴粒子)に由来するものであり、0.1〜1μmに出現した。さらにその極大値の後の1〜10μmに出現するピークは、任意成分として配合した油溶性増粘剤に由来するピークである((ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルとステアリン酸イヌリンに由来するものである)。2つのピークの出現位置は、イオン交換水で希釈した場合も硬水で希釈した場合も変わりがなかった。したがって本発明の処方例1〜3のように任意成分を添加しても、油性クレンジング化粧料の性能には変化がなく、残油感もないことがこの試験からも確認できた。
<処方例1の油性クレンジング化粧料で洗浄後の皮膚と水滴の接触角の観察>
処方例1の油性クレンジング化粧料で左上腕部を5cm×5cmの範囲で洗浄し、硬水で良く洗い流した。その後、洗浄箇所にイオン交換水を1滴滴下し、皮膚に水滴が接したときに形成される水滴の状態を撮影し、接触角の大きさを観察した。比較対照として、比較例21の油性クレンジング化粧料を用いて同様に観察した。
処方例1を用いて洗浄した場合の皮膚と水滴の形成する接触角画像を図5、比較例21を用いて洗浄した場合の皮膚と水滴の形成する接触角画像を図6に示す。図5、図6の画像を対比すると明らかなように、処方例1で洗浄した後の皮膚は、所謂「水をはじく」のに対し、比較例21は「水が肌になじむ」状態である。これは、処方例1の場合、皮膚に油性クレンジング化粧料が残存しないことを意味している。一方比較例21の油性クレンジング化粧料は、皮膚に残存し、その界面活性作用のため、水が肌になじむものと考えられた。
比較例21の油性クレンジング化粧料をイオン交換水により60倍に希釈し、粒子径を測定した粒度分布図を図7に示すが、乳化粒子極大値は10〜100μmの範囲に出現することから、油性クレンジング化粧料が肌に残存したことが考えられる。一方、処方例1は、このような乳化粒子の分布極大値を示さないため、油性クレンジング化粧料が速やかに皮膚から洗い流されたものと考えられる。
<参考試験例>
官能試験により残油感が残ると評価された市販の油性クレンジング化粧料を用いて左上腕部を5cm×5cmの範囲で洗浄し、その後硬水で良く洗い流した。洗浄箇所にイオン交換水を1滴滴下し、皮膚に水滴が接したときに形成される水滴の状態を撮影し、接触角の大きさを観察した。
またこの油性クレンジング化粧料を硬水で60倍に希釈し、O/W型乳化組成物を調製し、この組成物をマスターサイザー2000(Malvern Instruments Ltd.製)を用いてレーザー散乱法により粒度分布を測定した。体積基準平均径の測定と粒度分布のピーク形状の観察を行った。
接触角の撮影画像を図8に示す。また粒度分布図を図9に示す。
この市販の油性クレンジング化粧料は、水に乳化したときの平均粒子径が17.277μmと大きく、乳化粒子の分布図においても極大ピークが1〜10μmに出現した。
接触角、粒度分布の測定値から、この市販油性クレンジング化粧料が水で洗い流し難いという好ましくない特性を有することがわかる。

Claims (7)

  1. (A);炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、
    (B);炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルと、
    (C);油剤、とを含有する油性クレンジング化粧料において、(A):(B)が12:5〜1:1であることを特徴とする油性クレンジング化粧料。
  2. 炭素数が8〜10の脂肪酸と平均重合度が4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリンジ脂肪酸エステルがジカプリン酸ヘキサグリセリル及び/又はジカプリル酸ヘキサグリセリルである請求項1に記載の油性クレンジング化粧料。
  3. 炭素数が18〜22の脂肪酸と平均重合度が8〜15のポリグリセリンからなるエステル化したポリグリセリンジ脂肪酸エステルがジイソステアリン酸デカグリセリル及び/又はジオレイン酸デカグリセリルである請求項1又は2に記載の油性クレンジング化粧料。
  4. 油剤が2−エチルヘキサン酸セチル、メチルフェニルポリシロキサン、メドウフォーム油、イソステアリン酸2−ヘキシルデシルから選ばれる一種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の油性クレンジング化粧料。
  5. さらに(D);ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(30EO)、及び(E);モノイソステアリン酸ジグリセリルを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の油性クレンジング化粧料。
  6. ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)及び/又はモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)である請求項5に記載の油性クレンジング化粧料。
  7. 硬度400mg/L以上の硬水で希釈すると生じる乳化粒子の粒度分布を測定するとき、0.1〜1μmに極大ピークが出現することを特徴とする請求項5又は6に記載の油性クレンジング化粧料。
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