JP2017203908A - ホログラフィック光学素子およびその製造方法 - Google Patents

ホログラフィック光学素子およびその製造方法 Download PDF

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希志臣 田村
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Abstract

【課題】曲面を有する基板を用いたホログラフィック光学素子において、広画角性を向上させる手段を提供する。【解決手段】曲面を有する透明光学部材と、フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する反射防止層と、を含む、ホログラフィック光学素子。【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラフィック光学素子およびその製造方法に関する。
体積ホログラム記録層を有するホログラフィック光学素子は、光コンバイナとして機能し、光学レンズ、表示素子等に応用され、需要が高まりつつある。とりわけ、ヘッドマウントディスプレイやヘッドアップディスプレイなどの表示素子としてのホログラフィック光学素子は体積ホログラム記録層の透明性が高いが故、シースルータイプの表示素子として利用が可能である。
上記表示素子の需要の高まりや用途の多様化に伴い、ホログラフィック光学素子への要求性能は高まり、品質項目は多様化してきている。なかでも、素子全面に渡って良好な鮮鋭性が発揮されるよう、広画角性に優れたホログラフィック光学素子を得るための技術が鋭意検討されている。
鮮鋭性には収差特性、回折効率、反射率といった各要素が関連しており、これを向上させるためには種々の手法が用いられる。例えば、特許文献1のように、ホログラフィック光学素子において曲面を有する基板を用いることにより、収差特性を向上させ(収差を小さく維持して)、素子全面に渡ってイメージの鮮鋭性を高める技術が提案されている。
特開2000−231017号公報
特許文献1のように、曲面を有するホログラフィック光学素子は、その形状に起因して、収差特性が向上する。しかしながら、その一方、曲面を有する基板を用いると、ホログラフィック光学素子の反射率が大きくなったり、回折効率が低下したりすることがあり、鮮鋭性が損なわれ、結果として、十分な広画角性が得られないという問題があった。また、曲面を有する基板を用いたホログラフィック光学素子は、その曲面形状に起因して各層の密着性が低下し、十分な耐久性が得られず、広画角性を長期にわたって維持できないという問題点があった。
そこで本発明は、曲面を有する基板を用いたホログラフィック光学素子において、広画角性を向上させる手段を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、曲面を有する基板を用いたホログラフィック光学素子において、耐久性を向上させる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、曲面を有する透明光学部材を用いたホログラフィック光学素子において、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する反射防止層を設けることにより、上記課題が解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、曲面を有する透明光学部材と、フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する反射防止層と、を含む、ホログラフィック光学素子によって達成される。
また、上記目的は、曲面を有する透明光学部材と、フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、反射防止層と、を含むホログラフィック光学素子の製造方法であって、前記反射防止層と重合性モノマーを含む感光層または前記体積ホログラム記録層とを含む積層体を、前記曲面を有する透明光学部材に加圧貼着することを含み、前記反射防止層は、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する、ホログラフィック光学素子の製造方法によっても達成される。
本発明によれば、曲面を有する基板を用いたホログラフィック光学素子において、広画角性を向上させる手段が提供される。また、本発明によれば、曲面を有する基板を用いたホログラフィック光学素子の耐久性を向上させる手段が提供される。
本実施形態に係るホログラフィック光学素子の構成を示す断面模式図である。 本実施形態に係る反射防止層の垂直断面の模式図である。 ホログラフィ露光に用いる露光装置の一例を示す概略図である。 ホログラフィ露光の概略を示す説明図である。 実施例に係るプリズム用透明光学部材1を説明するための概略図であり、(a)は、透明光学部材の平面図であり、(b)および(c)は、透明光学部材の側面図である。 実施例に係るプリズム用透明光学部材2を説明するための概略図であり、(a)は、透明光学部材の平面図であり、(b)および(c)は、透明光学部材の側面図である。 実施例に係るプリズム用透明光学部材3を説明するための概略図であり、(a)は、透明光学部材の平面図であり、(b)および(c)は、透明光学部材の側面図である。 実施例に係るプリズム用透明光学部材4を説明するための概略図であり、(a)は、透明光学部材の平面図であり、(b)および(c)は、透明光学部材の側面図である。 比較例に係るプリズム用透明光学部材5を説明するための概略図であり、(a)は、透明光学部材の平面図であり、(b)および(c)は、透明光学部材の側面図である。 本実施形態に係る突起構造を有する反射防止層を製造するラインの概略図である。 実施例に係る反射防止層1を作製するために用いるスタンパ1の断面模式図である。 実施例に係る反射防止層2を作製するために用いるスタンパ2の断面模式図である。 実施例に係る反射防止層3を作製するために用いるスタンパ3の断面模式図である。 比較例に係る反射防止層を製造するラインの概略図である。 実施例に用いるラミネーターの概略図であり、(a)は、透明光学部材の移動方向に対して垂直方向から見た側面図であり、(b)は、透明光学部材の移動方向側から見た側面図である。 実施例に用いるラミネーターの概略側面図である。 実施例に用いるラミネーターの概略側面図である。 広画角性評価の際に投影された文字を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態であるホログラフィック光学素子について説明する。
なお、以下においては、ホログラフィ露光(干渉露光)前の重合性モノマーを含む層を感光層と称し、感光層にホログラフィ露光を行って体積ホログラムが記録された層を体積ホログラム記録層と称する。
本実施形態のホログラフィック光学素子は、曲面を有する透明光学部材と、フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する反射防止層と、を含む、ホログラフィック光学素子である。
上記ホログラフィック光学素子は、広画角性に優れる。また、上記ホログラフィック光学素子は、耐久性に優れ、広画角性を長期にわたって維持することができる。
本発明者らは、驚くべきことに、曲面を有する透明光学部材を有するホログラフィック光学素子において、上記特定の反射防止層を設けることにより、広画角性および耐久性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。本実施形態のホログラフィック光学素子により、上記のような効果が得られる詳細な理由は不明であるが、以下のメカニズムが作用していると考えられる。
本実施形態に係るホログラフィック光学素子は、曲面を有する透明光学部材と、体積ホログラム記録層と、反射防止層と、を備えている。ここで、曲面を有する透明光学部材を用いると、当該透明光学部材の曲面に沿って形成される界面が、瞳方向に外光を反射、導光して、反射率が大きくなり、十分なイメージの鮮鋭性が得られなかった。したがって、曲面を有する透明光学部材を用いたホログラフィック光学素子においては、十分な広画角性を得ることが難しかった。これに対し、本実施形態のように、反射防止層を有することにより、ホログラフィック光学素子の反射率を低減することができる。その結果、鮮鋭性を向上させ、優れた広画角性を有するホログラフィック光学素子を得ることができる。
また、曲面を有する透明光学部材に沿って形成される体積ホログラム記録層および反射防止層は、一般に、曲面によって生じる歪応力を常に受けることになり、界面剥離等が生じ、耐久性が低下する。これに対し、本発明における反射防止層は、その表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する。すなわち、本実施形態における反射防止層は、均一な連続相を有する層ではなく、微細な凹凸形状をその表面に有する層である。したがって、かような反射防止層の微細な突起構造(凹凸形状)により歪応力が分断され、反射防止層内のみならず、反射防止層と共に設けられる体積ホログラム記録層内においても歪応力が緩和されると考えられる。その結果、上記歪応力による反射防止層および体積ホログラム記録層の破壊が抑制され、耐久性が向上する。さらに、上記のような歪応力が緩和されることに伴い、体積ホログラム記録層と他の層または部材(特に、透明光学部材)との界面の状態変化や、各層の厚みの変化を抑制することができる。その結果、回折効率が変動せず高く維持されるため、広画角性を維持することができる。
さらに、本実施形態に係るホログラフィック光学素子は、各層(すなわち、体積ホログラム記録層または感光層および反射防止層)を透明光学部材に対して加圧貼着(ラミネート)する工程を経て製造されることが好ましい。よって、本実施形態に係るホログラフィック光学素子は、上記加圧貼着(ラミネート)工程において、上記のような微細な突起構造(凹凸形状)を有する反射防止層を設けることにより、貼着時の加圧力が反射防止層の突起構造により均一に分散され、加圧面に対して均一に与えられるようになる。
さらに、反射防止層の突起構造により分散された加圧力は、透明光学部材の外周方向へも分配されながら貼着をすることができると考えられる。その結果、貼着が困難な曲面を有する透明光学部材と、反射防止層と共に設けられる体積ホログラム記録層または感光層との密着性を均一に高くすることができ、耐久性が向上する。また、このように、曲面を有する透明光学部材に対して高い密着性をもって均一に貼着された体積ホログラム記録層または感光層は、長期にわたり他の層または部材(特に、透明光学部材)との界面の状態を良好に維持し、また、体積ホログラム記録層の厚み変化を抑制することができる。よって、上記の理由によっても、本実施形態に係るホログラフィック光学素子は、優れた広画角性を発揮し、またはこれを維持することができ、耐久性に優れると考えられる。
以上より、本実施形態のホログラフィック光学素子は、特定の反射防止層を有するため、各層の界面の状態が良好となり、また、体積ホログラム記録層の厚み変化が抑制される。その結果、ホログラフィック光学素子全面に渡り均一な光学特性を確保できる。すなわち、本実施形態のホログラフィック光学素子は、広画角性に優れる。加えて、優れた広画角性を長期にわたり維持することが可能である。
なお、上記メカニズムは推測によるものであり、本実施形態のホログラフィック光学素子が上記メカニズムによって何ら制限されるものではない。
以下、好ましい実施形態について、図面を参照してより詳細に説明するが、下記の実施形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」はXおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
[ホログラフィック光学素子の全体構成]
はじめに、本実施形態のホログラフィック光学素子の全体の構成を説明する。
図1は、本実施形態のホログラフィック光学素子の典型的な構成を示す断面模式図である。ホログラフィック光学素子10A、10Bは、曲面を有する透明光学部材1と、体積ホログラム記録層2と、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する反射防止層3と、を含む。本実施形態の体積ホログラム記録層2は、透明光学部材1の曲面上に沿って形成されている。そして、その曲面形状によって、ホログラフィック光学素子10Aおよび10Bの全面に渡って、瞳から体積ホログラム記録層までの距離の偏差が小さくなるようになっている。かような形態により、収差特性を向上させることができる。また、反射防止層は、上記体積ホログラム記録層2上に形成されている。
なお、図1に示すホログラフィック光学素子は、透明光学部材1と、体積ホログラム記録層2と、反射防止層3とがこの順で直接積層された形態を有しているが、これらの各層の間には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の層や基材(フィルム)を含んでいてもよい。また、図1において、ホログラフィック光学素子10Aについては、透明光学部材1側に使用者の瞳があるようにして使用される形態を、ホログラフィック光学素子10Bについては、反射防止層3側に使用者の瞳があるようにして使用される形態をそれぞれ示している。すなわち、ホログラフィック光学素子10A、10Bは、それぞれ、透明光学部材1の曲面について、凹面側に使用者の瞳があるようにして使用される。
以下、各層(部材)について、それぞれ説明する。
[曲面を有する透明光学部材]
本実施形態のホログラフィック光学素子が有する透明光学部材は、曲面を有する。この曲面は、以下で詳説する体積ホログラム記録層および反射防止層が積層される面である。本明細書中、透明光学部材が「曲面を有する」とは、所定厚みの二次元平面の基材を湾曲させたものを意味し、凸状曲面だけでなく、凹状曲面も含む。かかる曲面の曲率は、特に制限されないが、画像を表示するホログラフィック光学素子の瞳に対する設置位置によって適宜変更され、瞳に対する設置位置が近いほどその曲率は大きくなる。例えば、ホログラフィック光学素子と瞳との距離をRとしたとき、その曲率は1/Rと同等もしくはそれより小さいことが好ましい。またその曲率は、透明光学部材の曲面にわたって一定であってもよく、変化していてもよい。曲率が変化する場合、透明光学部材の周端部(外周部)に向かって、小さくなっていくことが好ましい。この範囲において、透明光学部材は、図5に例示されるように、シリンドリカル状(すなわち、円柱状)の凸面を有していても良いし、図6に例示されるように、凸レンズ状の曲面を有していてもよい。また、透明光学部材は、図7に例示されるように、シリンドリカル状(すなわち、円柱状)の凹面を有していても良いし、図8に例示されるように、凹レンズ状の曲面を有していてもよい。
かかる形態を有する透明光学部材は、金型を用いて成形する公知の方法および条件によって作製することが可能である。
曲面を有する透明光学部材は、光学的に透明であれば、公知の材料から作製することができる。本明細書中、「透明」とは、可視光波長領域における全光線透過率が60%以上であることをいう。
透明光学部材の材料としては、上記の定義を満たすものであれば特に制限されない。例えば、ガラス、シリコン、石英等の無機材料;(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトエート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アモルファスポリオレフィン、酢酸セルロース、水和セルロース、硝酸セルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリスルホン、セルロースアシレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリジシクロペンタンジエン等の有機材料が挙げられる。上記樹脂は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
透明光学部材の大きさとしては、特に制限はなく、用いる用途などに応じて適宜選択することができる。また、上記曲面を有する適当な大きさの透明光学部材は、公知の方法を用いて、またはこれを改変して作製することができる。
[反射防止層]
本実施形態においてホログラフィック光学素子が備える反射防止層は、その表面に可視光領域の波長以下の周期をもって形成された突起構造(凹凸形状)を有する。すなわち、反射防止層は、いわゆる「モスアイ構造」をその表面に有する。当該モスアイ構造により、反射防止層は、その表面に光が入射した際、光の干渉効果によって反射光強度を減ずる機能を有する。また、上記突起構造により、加圧貼着(ラミネート)工程によって反射防止層を透明光学部材上に形成する場合において、加圧部材と反射防止層との過度な密着を抑制することができる。その結果、ラミネート加工する際に起こり得る反射防止層(および体積ホログラム記録層)のツレを抑制することができ、ラミネート適性が良好となる。
上記突起構造の形状は、可視光領域の波長以下の周期を有するように形成されていれば特に制限されないが、円錐台状、角錐台状、円錐状、角錐状、円柱状、角柱状、階段円柱状、階段角錐状、波状等の種々の形状が例示される。
なかでも、突起構造は、その断面形状(垂直断面形状)が、台形状、階段状、正弦波状または三角形状であると好ましい。かような形状であると、歪応力が緩和されやすくなり、より耐久性の向上が図られる。耐久性をより向上させやすいという観点からは、突起構造の断面形状は、三角形状(すなわち、以下に説明する図2(d)〜(f)の形態)であると特に好ましい。
ここで、台形状とは、図2(a)に例示されるように、三角形の頂部が平坦をなす形状である。階段状とは、図2(b)に例示されるように、頂部から底部までの間に適当な段差が設けられた形状である。正弦波状とは、図2(c)に例示されるように、正弦波の形状を有する波状の形状である。三角形状とは、図2(d)〜(f)に示されるように、直線によって表され、その頂部が鋭角を形成する形状である。台形状および三角形状は例えば、図2(f)のように、底部(最深部)において平坦面を有していてもよい。
また、上記突起構造の水平断面形状もまた、特に制限されないが、例えば、円形、楕円形、三角形、正四角形、長方形、六角形、その他の多角形が挙げられる。
突起構造の「周期」とは、図2(a)〜(f)によって例示されるように、反射防止層の垂直断面において、一の突起構造の頂点(頂部の中心点)と、当該突起構造と隣り合う突起構造の頂点(頂部の中心点)との距離であり、図2(a)〜(f)において「周期p」として図示されるものである。突起構造の周期は、広くなるほど可視光の全波長領域において反射率が増加する傾向にあり、狭くなるほど可視光の全波長領域において反射率が低下する傾向にある。このようなことから、本発明における上記突起構造の周期は、本発明における反射防止層に所望の反射防止機能を付与できる範囲内で適宜調整することができるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、10〜400nmであると好ましく、30〜300nmであるとより好ましく、50〜250nmであると特に好ましい。上記範囲とすることにより、貼着時の圧力を分散させやすく、また、低波長側の光に対する反射防止機能もまた良好となる。
突起構造の深さ、すなわち頂部と底部との間の距離(図2(a)〜(f)では、「深さdep」として図示される)は、特に制限されないが、50〜400nmであると好ましく、100〜200nmであるとより好ましい。上記範囲とすることにより、反射防止層自体の耐久性を良好にし、また、長波長側の光に対する反射防止機能もまた良好となる。
なお、上記突起構造の周期や深さは、反射防止層において均一ではない場合があるが、その場合には、周期および深さについては、単位面積あたりに形成された突起構造の周期および深さの平均値を指すものとする。
反射防止層の厚み(突起構造が形成されていない側の面から突起構造の頂部までの距離)も特に制限されないが、反射防止機能を向上させるという観点から、0.1〜5.0μmであると好ましく、1.0〜2.0μmであるとより好ましい。
反射防止層は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物等の硬化性樹脂組成物を用いて形成されたものが好ましい。硬化性樹脂組成物の屈折率に依存して、良好な反射防止機能を得ることができる。
<反射防止層の形成方法>
反射防止層の形成方法は特に制限されないが、例えば、以下の方法を用いると好ましい。すなわち、硬化性樹脂組成物を適当な基材(フィルム)上に塗布した後、所望の突起構造(すなわち、可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造)に対応する微細構造を有するスタンパ(金型または鋳型)で押圧し、当該微細構造の形状を硬化前の硬化性樹脂組成物に転写しながら、加熱または光照射することにより硬化させる方法を用いると好ましい。なお、上記加熱または光照射は、突起構造の転写と同時に行ってもよいし、転写後、硬化性樹脂組成物の乾燥工程を経た後に行われてもよいし、また、転写時および転写後の両方で行われてもよい。
硬化性樹脂組成物を適当な基材(フィルム)上に塗布する方法としては、従来公知の方法を使用することができ、具体例としては、スプレー法、スピンコート法、ワイヤーバー法、ディップコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロールコート法、ダイコート法などが挙げられる。
乾燥は、ホットプレート、オーブン、ベルト炉等を用いた従来公知の種々の方法を採用することができる。
突起構造の転写時の条件としては、特に制限されず、硬化性樹脂組成物の種類にも依存するが、例えば、スタンパを押圧する際の圧力(ニップ圧力)は、1〜10kgf/cmであると好ましい。
(スタンパの製造)
反射防止層表面に突起構造を形成するために用いられるスタンパは、所望の表面形状に対応する形状を有するものを用いる。かようなスタンパの製造方法は、例えば、特開2014−122433号公報等の公知の方法をそのまま、あるいは適宜改変して用いることができるが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、高純度のアルミニウム原板に研磨処理を施し、鏡面形状を形成する。その後、陽極酸化処理により、酸化被膜を形成すると共に、該被膜に規則的な周期を有する細孔を形成するプロセス(工程(a))、形成された酸化被膜を除去し、前述の細孔が存在していた位置にくぼみを形成するプロセス(工程(b))、再度陽極酸化によって前述のくぼみ部分に酸化被膜と細孔とを形成するプロセス(工程(c))、工程(c)で形成した細孔の径を拡大させるプロセス(工程(d))をおこなう。工程(c)と工程(d)とを繰り返し行うことにより、所望の形状(周期)を有する突起構造に対応する微細構造を有するスタンパを形成することができる。
(反射防止層の基材)
硬化性樹脂組成物を塗布する適当な基材(フィルム)としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトエート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アモルファスポリオレフィン、酢酸セルロース、水和セルロース、硝酸セルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリスルホン、セルロースアシレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリジシクロペンタジエン等を含む樹脂基材(フィルム)が挙げられる。
上記適当な基材(フィルム)の厚みは、本発明の効果が発揮される限り特に制限されないが、曲面を有する透明光学部材に貼着する際の密着性確保の観点から、薄い方が好ましい。よって、上記適当な基材(フィルム)の厚みは、1μm〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであるとより好ましい。
(硬化性樹脂組成物)
反射防止層の形成に用いられる硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂の他、光重合開始剤、フィラー、溶媒等を含みうる。以下、これらの成分について説明する。
・硬化性樹脂
硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂は、特に制限されないが、活性エネルギー線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。上記突起構造を簡便に、かつ精度よく形成するという観点から、反射防止層は、活性エネルギー線硬化性樹脂を用いて形成されると好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂を用いると好ましく、例えば、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリオールアクリレート樹脂、アクリルアクリレート樹脂またはエポキシ樹脂等が好ましく用いられる。これらの樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。これらのうち、反射防止層は、ウレタンアクリレート樹脂を含有すると好ましい。
ウレタンアクリレート樹脂は、例えば、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載のユニディック(登録商標)17−806(DIC株式会社製)100質量部とコロネート(登録商標)L(日本ポリウレタン工業株式会社製)1質量部との混合物等が好ましく用いられる。
反射防止層の形成に用いられる紫外線硬化性樹脂の市販品の例としては、上記の他に、例えば、紫光(登録商標)シリーズ(日本合成化学工業株式会社製)、ビームセットシリーズ(荒川化学工業株式会社)(例えば、ビームセット(登録商標)575、ビームセット(登録商標)577)等を挙げることができる。
また、反射防止層の形成用に用いられる硬化性樹脂としては、上記の他、以下で詳説する体積ホログラム記録層の形成に用いられるマトリクス樹脂またはその前駆体もまた好適に用いられる。
・光重合開始剤
上記紫外線硬化性樹脂を用いる場合、硬化促進のために、光重合開始剤を添加することが好ましい。
硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物などが用いられる。光重合開始剤の具体例としては、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、2−メチル−4’−メチルチオ−2−モリホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのアセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルレタールなどのベンゾイン類、ベンゾフェノン、2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、アントラキノン類、チオキサントン類などがある。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いてもよい。特に、硬化性組成物の安定性や重合反応性等からアセトフェノン類を用いることが好ましい。
このような光重合開始剤は市販品を用いてもよく、例えば、例えば、BASFジャパン株式会社製のイルガキュア(登録商標)819、184、907、651などが好ましい例示として挙げられる。
光重合開始剤の添加量は活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である。0.1質量部以上であると、重合が進行しやすく、10質量部以下であると、得られる硬化物が着色したり、機械強度が低下したりすることを抑制できる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させるための光源は、特に制限されないが例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、紫外線の照射量(積算露光量)は、好ましくは5〜1000mJ/cmである。
・フィラー
硬化性樹脂組成物は、さらに、フィラー(フィラー微粒子)を含んでいると好ましい。フィラーを含むことにより、反射防止層の反射防止性が向上し、また、突起構造の強度を向上させることができる。かようなフィラーとしては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙げられる。なかでも、ケイ素原子を含有する化合物であることが好ましく、特に二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケイ素微粒子としては、例えば日産化学工業株式会社製のスノーテックス(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
有機化合物の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
これらのフィラーは、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。フィラーの添加量は、特に制限されないが、硬化性樹脂100質量部に対して1〜20質量部であると好ましい。
・溶媒
硬化性樹脂組成物は、塗工する際に必要に応じて溶媒を用いてもよい。ただし、硬化性樹脂組成物に、常温で液状である成分が含有されている場合は、溶媒が必要ない場合もある。
上記溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族系溶媒;メチルエチルケトン(2−ブタノン)、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒などが挙げられる。これら溶媒は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。
さらに、硬化性樹脂組成物には、上述したもの以外に、帯電防止剤、離型剤、レベリング剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物などの添加剤、微粒子などが添加されていてもよい。これらの成分は、公知のものを適宜採用することができる。
〔硬化性樹脂組成物の調製方法〕
硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を一括または順次混合することにより得ることができる。混合の際用いる装置としては、特に制限されないが、例えば、マグネチックスターラー、ホモディスパー、クイックホモミキサー、プラネタリーミキサーなどの攪拌または混合装置が挙げられる。得られた硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。
[体積ホログラム記録層]
体積ホログラム記録層は、その層内において、高屈折率領域と低屈折率領域とからなる回折格子を有している。体積ホログラム記録層は、重合性モノマー、ならびに、必要に応じて添加される、光重合開始剤、およびマトリクス樹脂またはその前駆体を含有する感光層(体積ホログラム前駆体層)に対して、少なくともホログラフィ露光を行い、該感光層内に高屈折率領域と低屈折率領域とからなる回折格子を形成することにより作製される。このように、ホログラフィ露光を行うことにより、上記重合性モノマーが重合する結果、体積ホログラム記録層は、フォトポリマーを含む。なお、本明細書中、「フォトポリマー」とは、上記感光層に含まれる重合性モノマーが重合した結果得られる高分子のことをいう。
体積ホログラム記録層の前駆体となる感光層の形成方法は特に制限されないが、例えば、重合性モノマー、ならびに、必要に応じて添加される、光重合開始剤、およびマトリクス樹脂またはその前駆体を含有する感光性組成物を適当な基材(フィルム)に塗布し、乾燥することにより形成されると好ましい。さらに、このとき、感光性組成物は、ホログラフィック光学素子を構成する各層の密着性および耐久性に加え、良好な回折効率を得るという観点から、上記反射防止層を形成するために用いられる基材(フィルム)上であって、反射防止層が形成されていない側に塗設されると好ましい。すなわち、反射防止層、適当な基材(フィルム)、感光層の順に積層されるように反射防止層および感光層が塗設されると好ましい。
感光層の形成に用いられる感光性組成物は、ラジカル重合性モノマーの他、光重合開始剤、マトリクス樹脂またはその前駆体、増感剤、連鎖移動剤、溶媒等を含みうる。以下、これらの成分について説明する。
<ラジカル重合性モノマー>
ラジカル重合性モノマーとしては、比較的高屈折率を呈するものが好ましく、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジブロモネオペンチルグリコールジアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシメチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレート、スチレン、メトキシスチレン、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベンゼン、ベンゾキノンモノメタクリレート、2−(1−ナフチロキシ)エチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、ジフェノール酸のジ(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、2,3−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノール−Aジアクリレート、ビスフェノール−Aのジ(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノール−Aのジ(2−アクリロキシエチル)エーテル、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)メタン、2−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、テトラクロロ−ビスフェノール−Aのジ(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラクロロ−ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、テトラブロモ−ビスフェノール−Aのジ(2−メタクリロキシエチル)エーテル、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジプロモフェニル)メタン、ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジプロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)スルホン、ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)スルホン、ジエチレンジチオグリコールジアクリレート、ジエチレンジチオグリコールジメタクリレート、トリフェニルメチルチオアクリレート、2−({[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)エチルプロパ−2−エノエート、2−(トリシクロ[5,2,102,6]ジブロモデシルチオ)エチルアクリレート、S−(1−ナフチルメチル)チオアクリレート、特開平2−247205号公報や特開平2−261808号公報に記載の分子内に少なくとも硫黄原子を2個以上含むエチレン性不飽和結合含有化合物、N−ビニルカルバゾール、2−(9−カルバゾリル)エチルアクリレート、2−〔β−(N−カルバジル)プロピオニロキシ〕エチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2−(2−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、N−フェニルマレイミド、p−ビフェニルメタクリレート、2−ビニルナフタレン、2−ナフチルメタクリレート、2,3−ナフタリンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、N−フェニルメタクリルアミド、t−ブチルフェニルメタクリレート、ジフェン酸(2−メタクリロキシエチル)モノエステル、ジフェン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、4,5−フェナントレンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステルなどが挙げられる。
また、ラジカル重合性モノマーとして、9,9−ジアリールフルオレン骨格を有し、分子中に少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有するものが挙げられる。具体的には下記構造を有する化合物である。
ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を含むラジカル重合性基である。好ましい形態としては、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有しオキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、ウレタン結合、アミド結合などを介して、上記化合物のベンゼン環と結合し得る基である。
また、X〜Xは、それぞれ独立して、水素原子または置換基である。置換基の具体例としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子などが挙げられる。
また、フェニルイソシアネート化合物と、一分子中にヒドロキシ基およびアクリロイル基等のエチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物とによる縮合物からなるウレタンアクリレートも利用できる。具体的には、以下の構造を有する化合物である。
上記化学式(I)〜(III)中、Rは、それぞれ独立して、エチレン性不飽和結合を有する基であり、Xは、それぞれ独立して、単結合、または直鎖状、分枝状、もしくは環状の2価の脂肪族炭化水素基である。
また、下記化学式(IV)で表される構造を有する化合物も使用することができる。
上記化学式(IV)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルセレノ基、炭素数1〜6のアルキルテルロ基、またはニトロ基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基である。
Aは、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1〜6のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜6のアルケニレン基、または炭素数2〜6個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を有するポリアルキレンオキシド基である。
なかでも、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキルチオ基であり、RおよびRは、水素原子であり、Aは、直鎖状もしくは分岐状の炭素数2〜6のアルキレン基であると好ましい。
これらのラジカル重合性モノマーのなかでも、置換または未置換のフェニル基を有するモノマー、置換または未置換のナフチル基を有するモノマー、3個までの環を有する置換または未置換の複素環式芳香族部分を有するモノマー、塩素原子を有するモノマー、臭素原子を含有するモノマーは、その屈折率が比較的高いため、好ましい。
上記ラジカル重合性モノマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
感光性組成物中のラジカル重合性モノマーの含有量は、感光性組成物の全量に対して1〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
<光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)>
光重合開始剤は、ホログラフィ露光における、特定波長のレーザー光またはコヒーレンス性の優れた光の照射によって、ラジカル重合性モノマーの光重合を開始させる剤である。かような反応に用いることができるラジカル重合開始剤として、例えば米国特許第4766055号明細書、同第4868092号明細書、同第4965171号明細書、特開昭54−151024号公報、同58−15503号公報、同58−29803号公報、同59−189340号公報、同60−76735号公報、特開平1−28715号公報、同4−239505号公報および「プロシーディングス・オブ・コンフェレンス・オン・ラジエーション・キュアリング・エイジア(PROCEEDINGS OF CONFERENCE ON RADIATION CURING ASIA)」(pp.461〜477、1988年)等に記載されている公知の重合開始剤が使用できるが、これらに制限されない。
光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)の具体例として、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類(トリアジン系化合物)、アゾ化合物、アジド化合物、有機過酸化物、有機ホウ素酸塩、オニウム塩類、ハロゲン化炭化水素誘導体、チタノセン化合物、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイドとα−ヒドロキシケトンとの組み合わせなどが挙げられる。また、チオール化合物などの水素供与体とビスイミダゾール誘導体との併用によるラジカル重合開始剤システムも利用できる。これらラジカル重合開始剤は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)の使用量は、ラジカル重合性モノマー100質量部に対して好ましくは0.05〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部である。
<増感剤>
上記感光性組成物は、ラジカル重合開始剤に対する増感機能を有する増感剤を含んでもよい。このような増感剤は、400〜800nm、特に450〜700nmの範囲に吸収極大波長を有する。これらの増感剤が上記範囲の光を吸収し、これにより光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)に対して増感作用が生じる。
このような増感剤としては、例えば、シアニン系色素、スチリル系色素等のポリメチン系化合物、ローダミンB、ローダミン6G、ピロニンGY等のキサンテン系化合物、サフラニンO等のフェナジン系化合物、クレシルバイオレット、ブリリアントクレシルブルー等のフェノキサジン系化合物、メチレンブルー、ニューメチレンブルー等のフェノチアジン系化合物、オーラミン等のジアリールメタン系化合物、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、リサミングリーン等のトリアリールメタン系化合物、(チオ)ピリリウム塩系化合物、スクアリリウム系化合物、クマリン系色素、チオキサンテン系色素、アセン系色素、メロシアニン系色素、チアゾリウム系色素等が挙げられる。これら増感剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
増感剤を用いる場合の使用量は、ラジカル重合開始剤100質量部に対して1〜2000質量部が好ましく、20〜1500質量部がより好ましい。
<連鎖移動剤>
上記感光性組成物は、連鎖移動剤を含んでもよい。連鎖移動剤としては、特に限定されず、公知のラジカル連鎖移動剤を使用することができる。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化合物;2−メチル−1−ブテン、α−メチルスチレンダイマー等のオレフィン類;等が挙げられる。これら連鎖移動剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
連鎖移動剤を用いる場合の使用量は、ラジカル重合性モノマー100質量部に対して好ましくは0.05〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部である。
<マトリクス樹脂またはその前駆体>
マトリクス樹脂は、体積ホログラム記録層の膜厚の均一性、耐熱性、機械的物性等を向上させ、ホログラフィ露光により形成されるホログラムを安定化させる働きを有する。また、体積ホログラム記録層形成時には、重合性モノマーの拡散移動現象を阻害しない、または効率よく発現させる機能を有し得る。
該マトリクス樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂等、いずれも制限なく使用することができる。また、これら樹脂にポリシロキサン鎖やパーフルオロアルキレン鎖で修飾したものなども使用することができる。マトリクス樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ−1,2−ジクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、テトラフルオロエチレン−酢酸ビニル共重合体、シンジオタクチック型ポリメチルメタクリレート、ポリ−α−ビニルナフタレート、ポリカーボネート、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチラート、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−o−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、ポリ−p−フェニルスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニリデン、水素化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンやヘキサフルオロエチレンとビニルアルコール、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルアセタール、ビニルブチラールなどとの共重合体、(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、メチルメタクリレート−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル、ポリウレタン、アルキド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、上記反射防止層の形成に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂として挙げたものと同様のものを用いることができる。これらの活性エネルギー線硬化性樹脂に、架橋構造、粘度の調整等を目的として、下記のようなその他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を包含させることができる。例えば、単官能ではテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート、多官能では骨格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート(エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、ホスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレートであり、紫外線、電子線硬化性である様々なモノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
上記の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合は、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または活性エネルギー線硬化剤を、感光性組成物に含有させることができる。
熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合には、未硬化の樹脂を含む感光層を形成した後、加熱または活性エネルギー線照射により硬化を行うことができる。硬化は、ホログラフィ露光の前に行ってもよいし後に行ってもよい。
また、マトリクス樹脂の前駆体を用いてもよい。該前駆体としては、付加重合することによりポリウレタンを形成するイソシアネート化合物およびポリオール化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するものが好ましいが、その種類は特に制限されない。1分子中のイソシアネート基の数が少ないと、マトリクス樹脂として必要な硬さが得られなくなる場合がある。1分子中のイソシアネート基の数の上限は特に制限されないが、通常20以下程度であり、8以下であると好ましく、4以下であるとさらに好ましい。1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するものであれば、その種類は特に制限されない。
本実施形態で使用されるイソシアネート化合物の例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族イソシアネート;トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5’−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;およびこれらの多量体またはその誘導体等が挙げられる。
また、この他に、水、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類とこれら上記のイソシアネート化合物との反応物等を挙げることができる。
これらイソシアネート化合物は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
ポリオール化合物としては、ポリプロピレンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
これらポリオール化合物は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート化合物とポリオール化合物とを付加重合させる触媒を感光性組成物中に配合することができる。触媒を使うことにより室温で硬化させることができるが、加熱して硬化させてもよい。硬化時の温度としては40〜90℃の範囲が好ましく、硬化時間は1〜24時間が好ましい。
触媒の例としては、通常のウレタン化反応触媒、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズ、ジオクタン酸ジブチルスズ等のスズ化合物、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン化合物が挙げられる。これらのうちスズ化合物は溶解性や媒体としての性能がよく、特に、ジラウリン酸ジブチルスズが好ましい。
触媒の使用量は、イソシアネート化合物およびポリオール化合物の合計量に対して、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、また、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。なお、これら触媒を用いる場合は、感光層塗膜の均一性確保の観点から、感光性組成物を隣接層上に塗布する10分前以内に感光性組成物中に添加することが好ましい。
また、マトリクス樹脂の別の前駆体として、カチオン重合性モノマーを用いてもよい。カチオン重合性モノマーから得られるマトリクス樹脂は、膜強度に優れた体積ホログラム記録層の作製を可能とする。
係るカチオン重合性モノマーの具体例としては、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、パラ−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、1,2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3’,4’−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、4’,5’−エポキシ−2’−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらカチオン重合性モノマーは、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
上記カチオン重合性モノマーを用いる場合は、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤を用いてもよい。
光カチオン重合開始剤の具体例としては、例えばヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類などが挙げられる。ヨードニウム塩類として具体的には、ヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類として具体的には、トリアリールスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、4−t−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−チオフェニルトリフェニルスルホニウム等スルホニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられる。これら光カチオン性重合開始剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
熱カチオン重合開始剤の具体例としては、例えばトリフル酸塩、三弗化硼素エーテル錯化合物、三弗化硼素等のようなカチオン系またはプロトン酸触媒が挙げられ、好ましい熱カチオン重合開始剤としては、トリフル酸塩である。具体例としては、3M社から「FC−520」として入手できるトリフル酸ジエチルアンモニウム、トリフル酸トリエチルアンモニウム、トリフル酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフル酸エチルジイソプロピルアンモニウム等(これらの多くはR.R.Almによって1980年10月発行のモダン・コーティングス(Modern Coatings)に記載されている)がある。また、活性エネルギー線カチオン重合開始剤としても用いられる芳香族オニウム塩のうち、熱によりカチオン種を発生するものがあり、これらも熱カチオン重合開始剤として用いることができる。例としては、「サンエイド(登録商標)SI−60L」、「サンエイド(登録商標)SI−80L」および「サンエイド(登録商標)SI−100L」(以上三新化学工業株式会社製)がある。マトリクス樹脂としてカチオン重合性モノマーを用いる場合、光カチオン重合開始剤もしくは熱カチオン重合開始剤の使用量は、カチオン重合性モノマー100質量部に対して0.05〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。
感光性組成物中のマトリクス樹脂もしくはその前駆体の含有量は、感光性組成物の全質量に対して1〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、5〜33質量%であることがさらに好ましい。
<溶媒>
感光性組成物は、塗工する際に必要に応じて溶媒を用いてもよい。ただし、感光性組成物に、常温で液状である成分が含有されている場合は、溶媒が必要ない場合もある。
上記溶媒の例としては、反射防止層を形成する硬化性樹脂組成物に用いられる溶媒を適宜使用することができ、これら溶媒は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。
<その他の添加剤>
感光性組成物は、上記効果を損なわない限り、必要に応じて、可塑剤、相溶化剤、重合抑制剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、剥離剤、安定化剤、酸化防止剤、難燃剤、光学増白剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
(感光性組成物の調製方法)
感光性組成物は、上記した各成分を一括または順次混合することにより得ることができる。混合の際用いる装置としては、例えば、上記反射防止層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物の調製の際に用いられる装置を同様に用いることができる。得られた感光性組成物は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。
[粘着層]
本実施形態に係るホログラフィック光学素子は、上記透明光学部材、反射防止層および体積ホログラム記録層の他、粘着層をさらに有していてもよい。ホログラフィック光学素子が粘着層を有する場合、粘着層は、感光層又は体積ホログラム記録層と、透明光学部材との間に配設されると好ましく、これらの密着性を高めるために設けられる。
粘着層を構成する粘着層は、公知のものを適宜採用することができる。用いられる粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤などを例示することができる。中でも、透明性が高いという理由から、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
粘着層の厚みは、特に制限されないが、0.1〜5.0μmであると好ましい。上記範囲とすると、十分な粘着性を確保しつつ、ホログラフィック光学素子の透明性もまた良好となる。
粘着層の形成方法としては、特に制限されないが、以下の方法が好適に用いられる。まず、感光層(体積ホログラム記録層)や透明光学部材とは別に、セパレータ上に粘着層を形成した後、当該粘着層を感光層(体積ホログラム記録層)に積層する。次に、上記セパレータを粘着層から剥離し、粘着層を透明光学部材に貼り合わせることにより、粘着層を介して透明光学部材と感光層(体積ホログラム記録層)とを貼着することができる。
粘着層の形成に用いられるセパレータの材料は公知のものを用いることができ、例えば、樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)、不織布または紙などが挙げられる。
また、セパレータ上に粘着層を形成する方法も特に制限されず、例えば、セパレータに粘着層塗布液を塗布することによって得られる。
粘着層塗布液に用いる溶媒としては、上記粘着剤が溶解できるものであれば特に制限されない。例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族または脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。なお、上記溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
塗布液中の溶媒量は特に限定されるものではないが、塗布液全体に対して、20〜80質量%であることが好ましい。
粘着層塗布液のセパレータへの塗布方法は特に限定されるものではなく、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーターなどの連続塗布装置でも塗布・製膜することが可能である。
[他の層]
本実施形態のホログラフィック光学素子は、上記以外に、保護層、紫外線吸収層等、他の層を有していてもよい。
[ホログラフィック光学素子の製造方法]
本実施形態に係るホログラフィック光学素子の製造方法としては、特に制限されないが、好ましい方法として、以下の方法が挙げられる:
反射防止層および感光層(体積ホログラム前駆体層)を有する積層体を、曲面を有する透明光学部材に加圧貼着し、その後、上記積層体(感光層)にホログラフィ露光をして体積ホログラム記録層を形成する方法(方法1:積層体を透明光学部材に貼着した後に、積層体に対してホログラフィ露光する方法);
反射防止層および感光層(体積ホログラム前駆体層)を有する積層体にホログラフィ露光をして体積ホログラム記録層を形成し、その後、曲面を有する透明光学部材に反射防止層および体積ホログラム記録層を有する積層体を加圧貼着する方法(方法2:積層体に対して露光した後に、当該積層体を透明光学部材に貼着する方法)。
すなわち、本発明の他の実施形態は、曲面を有する透明光学部材と、フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、反射防止層と、を含むホログラフィック光学素子の製造方法であって、前記反射防止層と重合性モノマーを含む感光層または前記体積ホログラム記録層とを含む積層体(単に「積層体」とも称することがある)を、前記曲面を有する透明光学部材に加圧貼着することを含み、前記反射防止層は、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する、ホログラフィック光学素子の製造方法もまた提供する。
上記に示した二つの方法のうち、広画角性や耐久性をより向上させることができるという観点から、上記方法1を用いることが好ましい。上記方法1では、貼着を行った後にホログラフィ露光がなされるため、露光の前後における体積ホログラム記録層と透明光学部材との密着性に優れ、ずれが生じにくくなる。その結果、かようなずれに起因するホログラフィック光学素子の光学特性の低下を抑制することができる。したがって以下では、上記方法1について詳説する。なお、方法2は、積層体を透明光学部材に加圧貼着する工程と、ホログラフィ露光を行う工程との順序が異なること以外は、方法1と同様の方法および条件を採用することができる。
<積層体の形成工程>
まず、曲面を有する透明光学部材に対して貼着する積層体を形成(作製)する。
上記積層体(反射防止層および感光層を含む積層体)の作製方法は特に制限されないが、例えば、適当な基材(フィルム)の一方の面上に反射防止層を形成し、その後、当該基材(フィルム)の反射防止層とは反対側の面上に、感光層を形成するための感光性組成物を塗布する方法を用いると好ましい。その後、必要に応じて感光性組成物を乾燥させると好ましい。なお、上記方法2の場合には、さらに感光層にホログラフィ露光を行い、体積ホログラム記録層を形成することにより、反射防止層および体積ホログラム記録層を含む積層体を形成することができる。
積層体の形成に用いられる基材(フィルム)の種類や厚さ、反射防止層の形成方法、および感光性組成物の組成等は上記[反射防止層]および[体積ホログラム記録層]の項にて記載した通りであるため、ここでは詳細を省略する。
感光性組成物を適当な基材(フィルム)上に塗布する方法としては、特に制限されず、例えば、上記反射防止層の形成方法にて説明した硬化性樹脂組成物の塗布方法と同様の方法が用いられる。
感光性組成物の乾燥は、ホットプレート、オーブン、ベルト炉等を用いた従来公知の種々の方法を採用することができる。乾燥温度は特に制限されず、例えば10〜80℃の範囲であり、乾燥時間も特に制限されず、例えば1〜60分の範囲である。
感光層の厚さは、体積ホログラム記録層の好ましい厚さの範囲となるよう、適宜設定すればよい。耐久性の観点から、感光層(体積ホログラム記録層)の厚さは、例えば、5〜100μmであることが好ましく、15〜40μmであることがより好ましい。
なお、上記方法2の場合には、反射防止層および感光層を含む積層体にホログラフィ露光を行うことによって、感光層中の重合性モノマーの重合反応が進む。その結果、重合反応により生成する光硬化されたフォトポリマーの領域と他成分の領域とが、ホログラフィ露光で照射された干渉波と同一のパターンとして形成される。
<貼着工程>
次に、上記方法により作製された積層体を、透明光学部材の曲面に対して加圧貼着する。このとき、透明光学部材、感光体層(体積ホログラム記録層)、反射防止層の順になるように各層が積層され、加圧貼着が行われる。このとき、反射防止層に設けられた微細な突起構造により、加圧力が適度に分散され、積層体を均一に透明光学部材に対して貼着することができる。その結果、耐久性や広画角性の向上効果が得られる。
本工程において用いる貼着手段や貼着条件は、本発明の効果が得られる限り、特に制限されない。貼着手段としては、適当な加圧力を伴って押圧できるものであれば特に制限されず、例えば、ローラ状の加圧部材を有するラミネーター、曲面を有する透明光学部材の曲面形状に追従する加圧面を有する加圧部材を有する加圧装置、柔軟性のある加圧部材を有する真空密着装置などが利用できる。なかでも、加圧力を均一に与え、透明光学部材の外周方向へ加圧力を分配させながら貼着しやすくなるという観点から、ローラ状の加圧部材を有するラミネーターを用いると好ましい。かかるラミネーターの好ましい例としては、加圧手段と、荷重を感知し、電気信号に変換するロードセルと、ローラ部材とを有するラミネーターが挙げられる。上記ラミネーターは、必要に応じて、可動式の基材治具をさらに含んでいてもよい。上記ローラ部材は、透明光学部材の曲面に沿う形状を有するものであると好ましい。当該貼着手段を用いることにより、透明光学部材と感光層(体積ホログラム記録層)との密着性を向上させ、広画角性や耐久性をさらに向上させることができる。
上記ラミネーターによって貼着する際の加圧条件は特に制限されないが、透明光学部材と感光層(体積ホログラム記録層)との密着性という観点から、加圧力(線圧)は0.1〜50kgf/cmであることが好ましく、0.5〜10kgf/cmであることがより好ましい。また、ラミネート速度(加圧ローラの走査速度)は0.1〜20cm/secであることが好ましく、0.5〜10cm/secであることがより好ましい。
上記条件にて、加圧ローラを反射防止層に当接させながら、反射防止層と感光層(方法2の場合は体積ホログラム記録層)とを含む積層体を透明光学部材の曲面上に加圧貼着する。この際、加圧ローラによる圧力が反射防止層表面に設けられた微細な突起構造により分散され、圧力が局所的に高くなることを抑制することができる。その結果、透明光学部材の曲面に対して感光層(体積ホログラム記録層)が均一に密着し、ホログラフィック光学素子の広画角性や耐久性が向上する。
なお、上記加圧貼着を行う際、透明光学部材と感光層(体積ホログラム記録層)との間に粘着層を配置し、これらの層を積層する形態としてもよい。粘着層の形成方法としては、特に制限されないが、例えば、以下のような方法が用いられる。まず、セパレータ上に形成された粘着層を感光層(体積ホログラム記録層)に対して積層する。次に、上記セパレータを粘着層から剥離し、粘着層を透明光学部材に貼り合わせることにより、粘着層を介して透明光学部材と感光層(体積ホログラム記録層)とを貼着することができる。
<ホログラフィ露光工程(体積ホログラム記録層形成工程)>
さらに、上記方法により透明光学部材上に貼着された積層体(感光層)に対して、ホログラフィ露光を行い、体積ホログラムを記録(書き込み)することにより、体積ホログラム記録層が形成される。なお、上記方法2の場合には、上記貼着工程を行う前に、反射防止層と感光層とを有する積層体に対してホログラフィ露光を行う。
体積ホログラムの記録時(書き込み時)には、重合性モノマーの化学変化、すなわち、その重合および濃度変化を生じさせることが可能な光を、記録光(物体光とも呼ばれる)として用いる。
例えば、情報を体積ホログラムとして記録する場合には、物体光を参照光と共に感光層に対して照射し、感光層において物体光と参照光とを干渉させるようにする。これによってその干渉光が、感光層内の重合性モノマーの重合および濃度変化を生じさせ、その結果、干渉縞が感光層内に屈折率差を生じさせ、感光層内に記録された干渉縞により体積ホログラムとして記録され、体積ホログラム記録層となる。これにより、ホログラフィック光学素子を得ることができる。
体積ホログラムの記録に用いられる記録光(カッコ内は波長を示す)としては、コヒーレンス性に優れる可視光レーザーを用いることが好ましく、例えばアルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)、YAGレーザー(532nm)等を使用することができる。
ホログラム記録時の照射エネルギー量(露光量)としては、特に制限されないが、10〜250mJ/cmの範囲であることが好ましい。
また、ホログラム記録方式としては、偏光コリニアホログラム記録方式、参照光入射角多重型ホログラム記録方式等があるが、いずれの記録方式でも良好な記録品質を提供することが可能である。
露光装置としては、特に制限されないが、例えば、概略構成が図3によって示される形式の露光装置を用いることができる。図3に示す露光装置においては、レーザー光源201から出射された光線(記録光)は、2対のミラーよりなるビームステアラー202a、202bによって露光系の適した位置に光線を誘導する。203はシャッターであり、光線(記録光)のON/OFFを制御する。204はビームエキスパンダーであり、感光層の露光面積に応じて、光束径を広げ、開口率(NA)を変化させる機能を有する。
ビームエキスパンダー204を通った光線(記録光)は、ビームスプリッター205で二光束に分けられる。分けられた光線(記録光)は、それぞれミラー206、207、およびミラー209、208によってスペイシャルフィルター211、212に誘導される。スペイシャルフィルター211、212はレンズとピンホールとから構成され、該レンズで光線(記録光)を集光し、ピンホールを介して製造光学系213に光線(記録光)を誘導する。
製造光学系213は、ホログラフィック光学素子の光線の反射角を制御できるように、体積ホログラム記録層となる感光層を具備したガラスプリズム等のサンプルを好適な位置に設置および固定することができる。
製造光学系213に固定されたプリズムなどに具備された感光層は、二光束に分けられ、各々スペイシャルフィルター211、212を介して誘導された光線(記録光)によってホログラフィ露光(干渉露光)される。
製造光学系213に固定されたホログラフィック光学素子前駆体303のホログラフィ露光(干渉露光)の概略を図4に示す。
2方向からのレーザー光のうち、一方が物体光301であり、他方が参照光302である。ホログラフィック光学素子前駆体303は物体光301の照射側に凹状の曲面が相対するように配置される。なお、図4では、透明光学部材が凸面を有する形態を例示したが、透明光学部材が凹面を有する形態であるときは、図4に示す態様を適宜改変することにより、ホログラフィ露光を行うことができる。
なお、図3に示す光源は1つのみであるが、異なる波長を有する複数のレーザー光源を用いてホログラフィ露光する場合には、シャッター203手前の光路にグロイックミラーを挿入し、複数の光源から発せられるレーザー光線を段階的に合成させてもよい。
体積ホログラムを記録した後、屈折率変調の促進や重合反応完結(定着)のために、体積ホログラム記録層に対して、さらに紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。全面露光で用いられる光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、メタルハライドランプ等の紫外線を発する光源を用いることができる。紫外線による全面露光を行う場合の照射エネルギー量としては、50〜200J/cmが好ましい。また、加熱処理を行う時の温度は50〜150℃が好ましく、処理時間は30分間〜3時間が好ましい。
全面露光と加熱処理とを共に行う場合、その順序は特に制限されず、全面露光を先に行ってもよいし、加熱処理を先に行ってもよい。
体積ホログラム記録層に記録された体積ホログラムを再生する場合は、所定の再生光(通常は参照光)を体積ホログラム記録層に照射する。照射された再生光は前記の干渉縞に応じて回折を生じる。この回折光は、体積ホログラム記録層と同様の情報を含むものであるので、前記の回折光を適当な検出手段によって読み取ることにより、体積ホログラム記録層に記録された情報の再生を行なうことができる。なお、物体光、再生光および参照光の波長領域はそれぞれの用途に応じて任意であり、可視光領域でも紫外光領域でも構わない。体積ホログラムを再生(読み出し)する方法もまた、特に制限されない。
[用途]
本実施形態のホログラフィック光学素子は、例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、光メモリ、光ディスク用ピックアップレンズ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に好適に用いられる。
以下、具体的な実施例および比較例について説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。また、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。なお、下記操作において、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で行った。
[ホログラフィック光学素子の作製]
<曲面を有する透明光学部材の作製>
曲面を有するプリズム用透明光学部材1〜4および平面形状の表面を有するプリズム用透明光学部材5を準備した。その形状を図5〜図9にそれぞれ示す。図5〜図9において、(a)は、プリズム用透明光学部材の平面図であり、(b)および(c)は、プリズム用透明光学部材の側面図である。図5に示すように、プリズム用透明光学部材1は、その曲面がシリンドリカル状(円柱状)の凸面であり、図6に示すように、プリズム用透明光学部材2は、その曲面が凸レンズ状(凸状の球面)であり、図7に示すように、プリズム用透明光学部材3は、その曲面がシリンドリカル状(円柱状)の凹面であり、図8に示すように、プリズム用透明光学部材4は、その曲面が凹レンズ状(凹状の球面)である。また、図9に示すように、プリズム用透明光学部材5は、曲面を有さず、平面形状を有している。
上記プリズム用透明光学部材1〜5の作製は、以下のように行った。すなわち、成形用射出機で220℃に加熱したポリメタクリル酸メチル樹脂のペレット(製品名;アクリペット(登録商標)VH;三菱レイヨン株式会社製)を、100℃に維持された前記プリズム用透明光学部材を作製するための専用金型に注入し、50tonの荷重で型締めし、次いで当該金型から摘出して25℃に冷却することで作製した。
<反射防止層1の作製>
反射防止層1を、以下の手順にて作製した。
図10は、突起構造を有する反射防止層を製造するラインの概略図である。製造ラインには、搬送上流部側からアンワインダー11、ダイコーター12、乾燥ゾーン13、インラインスタンパー14、ワインダー17が配置されている。加えて、加圧ローラ15および15’が、インラインスタンパー14に接触して配置されており、紫外線照射装置16および16’が、加圧ローラ15と15’の間および加圧ローラ15’の下流にそれぞれ設けられている。インラインスタンパー14は、下記方法により作製されたスタンパ1を、加熱装置を内部に具備した金属ローラの表面に巻き付けたローラ状部材である。
(スタンパ1の作製)
純度99.99%のアルミニウムインゴットに鍛造処理を施して325℃で2時間熱処理を行った。得られたアルミニウム原型を厚さ2mmの板状に切断した。その表面は算術平均粗さRa0.02μm、平均結晶粒径170μmであった。かかる板状アルミニウム原型に羽布研磨処理を施した後、これを過塩素酸、エタノール混合溶液中(体積比1:4)で電解研磨した。
ついで、上記アルミニウム原型を、0.3Mシュウ酸水溶液中で、浴温16℃において直流40Vの条件下で30分間陽極酸化を行い、厚さ3μmの酸化皮膜を形成した(工程(a))。形成された酸化皮膜を、6質量%のリン酸と1.8質量%のクロム酸との混合水溶液中で一旦溶解除去した(工程(b))後、再び工程(a)と同一条件下において、30秒間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した(工程(c))。その後、5質量%リン酸水溶液(30℃)中に8分間浸漬して、酸化皮膜の細孔を拡径する孔径拡大処理(工程(d))を施した。
さらに工程(c)および工程(d)を繰り返し、これらを合計で5回追加実施することで(工程(e))、図11に示すように、周期p:100nm、深さDep:190nmの略円錐形状のテーパー状細孔が周期をもって形成されたスタンパ1を得た。
(反射防止層1の作製)
上記図10で概説された製造ラインに厚み20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを通し、3m/minの速度で搬送した。下記反射防止層1の塗布液を、乾燥付着量が2.0g/mとなるようにダイコーター12によって塗布し、100℃の乾燥ゾーンにて乾燥させた。乾燥した反射防止層を、130℃に加熱したインラインスタンパー14と、ニップ圧力5kgf/cmに設定された加圧ローラ15および15’によって加熱加圧し、同時に紫外線照射装置6および6’によって、積算露光量が800mJ/cmになるように紫外線を照射し、反射防止層1を作製した。かかる反射防止層1を透過型電子顕微鏡により100,000倍で観察したところ、その表面にスタンパ形状が転写された突起構造を有していた。また、当該突起構造の断面形状は、三角形状であった。
得られた反射防止層1を突起構造と反対側の面に黒紙を置いて遮光し、分光反射率計URE−30(ウシオ電機株式会社製;サンプルに対する光源の入射角度30°)を用いて、幅手方向2cmおきに全幅、長手方向10cmおきに1mまでに渡って、波長500nmにおける反射率を測定した。その結果、全測定点数に渡って反射率は0.45〜0.56に収まっていた。また、反射防止層1の厚みは1.78μmであった。
[反射防止層1の塗布液]
ウレタン変性アクリルポリマー(※)溶液(固形分40質量%) 145質量部
ウレタンアクリレート(紫光(登録商標)UV−1700B、日本合成化学工業株式会社製) 25質量部
コロイダルシリカ(スノーテックス(登録商標)IPA−ST−UP、固形分30%、日産産化学工業株式会社製) 25質量部
シリコーン樹脂(X−21−3056、信越化学工業株式会社製)
5質量部
光重合開始剤(イルガキュア(登録商標)907、BASFジャパン株式会社製)
4質量部
メチルエチルケトン 400質量部。
なお、上記光(活性エネルギー線)硬化性樹脂組成物の塗布液に使用したウレタン変性アクリルポリマーは以下のように調整した。
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、トルエン40gおよびメチルエチルケトン40gをアゾ系の重合開始剤と共に仕込んだ。滴下ロートを用いて、2−ヒドロキシエチルメタクリレート22.4g、メチルメタクリレート53.4g、イソボルニルメタクリレート13.9g、トルエン30g、およびメチルエチルケトン20gの混合液を、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI(登録商標))27.8g、トルエン20gおよびメチルエチルケトン20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析により、2,200cm−1の吸収ピークの消失を確認し、反応を終了した。得られたウレタン変性アクリルポリマー溶液の固形分は40.3質量%、分子量はポリスチレン換算で30,000、炭素間二重結合(C=C)の導入量は12.5%であった。
<反射防止層2の作製>
反射防止層1の作製におけるスタンパ1をスタンパ2に変更したこと以外は同様の操作を行い、反射防止層2を作製した。なお、スタンパ2の作製は以下のとおりである。かかる反射防止層2の反射率は、全面に渡って反射率は0.45〜0.56に収まっていた。また、反射防止層2の突起構造の断面形状は、階段状であり、厚みは1.72μmであった。った。
(スタンパ2の作製)
純度99.99%のアルミニウムインゴットに鍛造処理を施して325℃で2時間熱処理を行った。得られたアルミニウム原型を厚さ2mmの板状に切断した。その表面は算術平均粗さRa0.02μm、平均結晶粒径170μmであった。かかる板状アルミニウム原型に羽布研磨処理を施した後、これを過塩素酸、エタノール混合溶液中(体積比1:4)で電解研磨した。
ついで、上記アルミニウム原型を、0.4Mシュウ酸水溶液中で、浴温16℃において直流50Vの条件下で30分間陽極酸化を行い、厚さ3μmの酸化皮膜を形成した(工程(a))。形成された酸化皮膜を、6質量%のリン酸と1.8質量%のクロム酸との混合水溶液中で一旦溶解除去した(工程(b))後、再び工程(a)と同一条件下において、30秒間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した(工程(c))。その後、5質量%リン酸水溶液(30℃)中に10分間浸漬して、酸化皮膜の細孔を拡径する孔径拡大処理(工程(d))を施した。
さらに工程(c)および工程(d)を繰り返し、これらを合計で3回追加実施することで(工程(e))、図12に示すように、周期p:90nm、深さDep:150nm、細孔底部径:50nmの略階段円柱形状の細孔が周期をもって形成されたスタンパ2を得た。
<反射防止層3の作製>
反射防止層1の作製におけるスタンパ1をスタンパ3に変更したこと以外は同様の操作を行い、反射防止層3を作製した。なお、スタンパ3の作製は以下のとおりである。かかる反射防止層3の反射率は、全面に渡って反射率は0.45〜0.56に収まっていた。また、反射防止層3の突起構造の断面形状は、正弦波状であり、反射防止層3の厚みは1.75μmであった。
(スタンパ3の作製)
純度99.99%のアルミニウムインゴットに鍛造処理を施して325℃で2時間熱処理を行った。得られたアルミニウム原型を厚さ2mmの板状に切断した。その表面は算術平均粗さRa0.02μm、平均結晶粒径170μmであった。かかる板状アルミニウム原型に羽布研磨処理を施した後、これを過塩素酸、エタノール混合溶液中(体積比1:4)で電解研磨した。
ついで、上記アルミニウム原型を、0.3Mシュウ酸水溶液中で、浴温16℃において直流40Vの条件下で30分間陽極酸化を行い、厚さ3μmの酸化皮膜を形成した(工程(a))。形成された酸化皮膜を、6質量%のリン酸と1.8質量%のクロム酸との混合水溶液中で一旦溶解除去した(工程(b))後、再び工程(a)と同一条件下において、30秒間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した(工程(c))。その後、5質量%リン酸水溶液(30℃)中に10分間浸漬して、酸化皮膜の細孔を拡径する孔径拡大処理(工程(d))を施した。
さらに工程(c)および工程(d)を繰り返し、これらを合計で5回追加実施することで(工程(e))、図13に示すように、周期p:100nm、深さDep:170nmの略正弦波状の細孔が周期をもって形成されたスタンパ3を得た。
<反射防止層4の作製>
図14で概説された製造ラインに厚み20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを通し、3m/minの速度で搬送した。第1コーター21によって、以下に示す反射防止層下層塗布液を、乾燥付着量が1.0g/mとなるように塗布し、100℃の乾燥ゾーン22にて乾燥させた後、紫外線照射装置23によって、積算露光量が250mJ/cmになるように紫外線を照射した。次いで、第2コーター24によって、以下に示す反射防止層上層塗布液を、乾燥付量が1.0g/mになるように塗布し、100℃の乾燥ゾーン25にて乾燥させたのち、紫外線照射装置26によって、積算露光量が300mJ/cmになるように紫外線を照射し、2層からなる反射防止層4を作製した。かかる反射防止層を透過型電子顕微鏡により100,000倍で観察したところ、その表面は平滑であり、層状であることを確認した。係る反射防止層4は総厚が1.71μmであった。
反射防止層4の波長650nmにおける反射率を測定した結果、全測定点数に渡って反射率は0.44〜0.55に収まっていた。
[反射防止層下層塗布液]
PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル) 40質量部
イソプロピルアルコール 25質量部
メチルエチルケトン 25質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート 0.9質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.0質量部
ウレタンアクリレート(商品名:U−4HA 新中村化学工業株式会社製)
0.6質量部
イルガキュア(登録商標)184(BASFジャパン株式会社社製) 0.4質量部
粒子分散液A(※) 20質量部
イルガキュア(登録商標)907(BASFジャパン株式会社製) 0.2質量部
シリコーン系界面活性剤(FZ−2207(日本ユニカー株式会社製)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液) 0.4質量部。
なお、上記粒子分散液Aは、以下のように調整した。メタノール分散アンチモン複酸化物コロイド(固形分60%、日産化学工業株式会社製アンチモン酸亜鉛ゾル、商品名:セルナックス(登録商標)CX−Z610M−F2)6.0kgにイソプロピルアルコール12.0kgを攪拌しながら徐々に添加し、粒子分散液Aを調製した。
[反射防止層上層塗布液]
プロピレングリコールモノメチルエーテル 430質量部
イソプロピルアルコール 430質量部
テトラエトキシシラン加水分解物A(※) 120質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM503、信越化学工業株式会社製) 4質量部
イソプロピルアルコール分散中空シリカ微粒子ゾル(固形分20%、日揮触媒化成株式会社製シリカゾル、商品名:ELCOM V−8209) 45質量部
アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート 3質量部
シリコーン系界面活性剤(FZ−2207、日本ユニカー株式会社製の10%プロピレングリコールモノメチルエーテル液) 3質量部
酢酸 4質量部。
なお、上記テトラエトキシシラン加水分解物Aは、以下のように調整した。テトラエトキシシラン230gとエタノール440gとを混合し、これに2%酢酸水溶液120gを添加した後に、室温(25℃)にて18時間攪拌することでテトラエトキシシラン加水分解物Aを調製した。
<ホログラフィック光学素子1の作製:実施例>
反射防止層1のポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記体積ホログラム作製用感光液1を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体となる感光層を塗設した。かかる感光層をレーザー膜厚計で測定したところ、塗布面に渡って20±1μmに収まっていた。
感光層が塗設された反射防止層1のフィルムをカットし、図15に概説されるラミネーターにより、走査時の荷重5kgf/cm、走査速度10cm/secで、感光層と透明光学部材1の曲面側とを相対させてラミネート(貼着)した。図15において、符号31は加圧手段を、符号32はロードセルを、符号33はローラ部材を、符号34は、可動式の基材治具をそれぞれ示す。当該ラミネーターにより、透明光学部材に対して適度な加圧条件で反射防止層および感光層を貼着することができる。
かかるラミネートにより作製された貼着物を、図3と類似の構造を有する露光装置(光源:アルゴンレーザー、露光波長514nm)に設置し、感光層面における照射エネルギー量が24mJ/cmになるようにホログラフィ露光した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に60分間配置してポスト露光をした後、100℃で3時間の熱処理を行うことにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材1の順に積層されたホログラフィック光学素子1を得た。
[体積ホログラム作製用感光液1]
酢酸ビニル−テトラフルオロエチレン共重合体(酢酸ビニル:テトラフルオロエチレンコポリマー=78:22(質量比)) 12.0質量部
フェノールエトキシレートモノアクリレート 1.0質量部
エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート 2.0質量部
フッ素系ノニオン性界面活性剤(FC−430;Fluorad(登録商標) 430;スリーエムジャパン株式会社製) 0.1質量部
2,2’-ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル1,1’−ビイミダゾール 0.05質量部
4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール 0.05質量部
下記構造のスクアリリウム系化合物 0.1質量部
2−ブタノン 30.0質量部。
<ホログラフィック光学素子2の作製:実施例>
反射防止層1を反射防止層2に変更したこと以外は、上記ホログラフィック光学素子1の作製と同様の操作を行うことにより、反射防止層2、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材1よりなるホログラフィック光学素子2を得た。
<ホログラフィック光学素子3の作製:実施例>
反射防止層1を反射防止層3に変更したこと以外は、上記ホログラフィック光学素子1の作製と同様の操作を行うことにより、反射防止層3、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材1よりなるホログラフィック光学素子3を得た。
<ホログラフィック光学素子4の作製:比較例>
反射防止層1を反射防止層4に変更したこと以外は、ホログラフィック光学素子1の作製と同様の操作を行うことにより、層状の(突起構造を有さない)反射防止層4、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材1よりなるホログラフィック光学素子4を得た。
<ホログラフィック光学素子5の作製:比較例>
ホログラフィック光学素子1の作製において、反射防止層1の代わりに反射防止層を有さないポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は同様の操作を行うことにより、反射防止層を有さず(ポリエチレンテレフタレートフィルムのみを有し)、体積ホログラム記録層、透明光学部材1からなるホログラフィック光学素子5を得た。
<ホログラフィック光学素子6の作製:実施例>
反射防止層1のポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記体積ホログラム作製用感光液2を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体となる感光層を塗設した。かかる感光層をレーザー膜厚計で測定したところ、塗布面に渡って20±1μmに収まっていた。
感光層が塗設された反射防止層1のフィルムをカットし、図15に概説されるラミネーターにより、走査時の荷重5kgf/cm、走査速度10cm/secで、感光層と透明光学部材1とを相対させてラミネート(貼着)した。
上記ラミネートにより作製された貼着物を、図3と類似の構造を有する露光装置(光源:アルゴンレーザー、露光波長514nm)に設置し、感光層面における照射エネルギー量が24mJ/cmになるようにホログラフィ露光した。
ホログラフィ露光後、キセノンアークランプ(照度150W)から20cmの位置に30分間配置してポスト露光をすることで、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材1の順に積層されたホログラフィック光学素子6を得た。
[体積ホログラム作製用感光液2]
アクリル樹脂溶液(フォレット(登録商標)GS−1000、固形分30質量%、綜研化学株式会社製) 30.0質量部
デナコール(登録商標)EX−411(ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製) 5.0質量部
9,9−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレン 4.0質量部
ラジカル重合開始剤(ジフェニルヨードニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩)
0.01質量部
カチオン重合開始剤 (トリアリールスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、BASFジャパン株式会社製) 0.02質量部
ニューメチレンブルー(フェノチアジン系増感色素、BASFジャパン株式会社製)
0.1質量部
酢酸エチル 5.0質量部。
<ホログラフィック光学素子7の作製:実施例>
反射防止層1のポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記体積ホログラム作製用感光液3を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させ、さらに60℃で2時間の熱処理を行うことで、体積ホログラム前駆体となる感光層を得た。係る感光層をレーザー膜厚計で測定したところ、塗布面に渡って20±1μmに収まっていた。
また、上記感光層をIRスペクトルで測定したところ、波数2,200cm−1近傍に吸収ピークは見られず、先の60℃、2時間の熱処理によって感光液中のヘキサメチレンジイソシアネートとポリプロピレングリコールとが架橋し、3次元構造のウレタン樹脂マトリクスを形成していることが確認された。
この感光層が塗設された反射防止層1のフィルムをカットし、図15に概説されるラミネーターにより、走査時の荷重5kgf/cm、走査速度10cm/secで、感光層と透明光学部材1を相対させてラミネート(貼着)した。
上記ラミネートにより作製された貼着物を、図3と類似の構造を有する露光装置(光源:アルゴンレーザー、露光波長514nm)に設置し、感光層面における照射エネルギー量が24mJ/cmになるようにホログラフィ露光した。
ホログラフィ露光後、キセノンアークランプ(照度150W)から20cmの位置に30分間配置してポスト露光をすることで、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材1の順に積層されたホログラフィック光学素子7を得た。
[体積ホログラム作製用感光液3]
ヘキサメチレンジイソシアネート 0.1質量部
ポリプロピレングリコール(分子量4000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
10.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート 3.0質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン株式会社製)
0.01質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン株式会社社製)
0.1質量部
ジラウリン酸ジブチル錫(※) 0.01質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
酢酸エチル 25.0質量部。
上記ジラウリン酸ジブチル錫は、塗布の5分前に添加し、十分に撹拌を施した。
<ホログラフィック光学素子8の作製:実施例>
(粘着層の作製)
厚み50μmのポリプロピレンフィルム上に下記粘着層作製用塗布液を、ダイコーターを用いて塗布した。その後50℃の温風で10分間乾燥して、膜厚1μmとなる粘着層フィルムを得た。
[粘着層作製用塗布液]
アクリル系粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイド工業株式会社製)
100質量部
メチルエチルケトン 30質量部
トルエン 15質量部
酢酸エチル 15質量部。
(ホログラフィック光学素子の作製)
反射防止層1のポリエチレンテレフタレートフィルム面に、上記の実施例で用いた体積ホログラム作製用感光液1による感光層が塗設されたフィルムと、前述の粘着層を有するフィルムとを、感光層と粘着層とが相対するようにラミネートし、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)感光層、粘着層、(ポリプロピレンフィルム)の順に積層された積層体を得た。
上記積層体をカットして、さらにポリプロピレンフィルムを剥がした後、図15に概説されるラミネーターにより、走査時の荷重5kgf/cm、走査速度10cm/secで、粘着層と透明光学部材1の曲面とを相対させてラミネート(貼着)した。ラミネートにより作製された貼着物を、図3と類似の構造を有する露光装置(光源:アルゴンレーザー、露光波長514nm)に設置し、感光層面における照射エネルギー量が24mJ/cmになるようにホログラフィ露光した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に60分間配置してポスト露光をした後、100℃で3時間の熱処理を行うことにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、粘着層、透明光学部材1よりなるホログラフィック光学素子8を得た。
<ホログラフィック光学素子9の作製:実施例>
(粘着層の作製)
上記<ホログラフィック光学素子8の作製:実施例>の(粘着層の作製)と同様にして、ポリプロピレンフィルム上に粘着層を有する粘着層フィルムを得た。
(ホログラフィック光学素子の作製)
反射防止層1のポリエチレンテレフタレートフィルム面に、上記の実施例で用いた体積ホログラム作製用感光液1による感光層が塗設されたフィルムと、前述の粘着層を有するフィルムとを、感光層と粘着層とが相対するようにラミネートし、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)感光層、粘着層、(ポリプロピレンフィルム)の順に積層された積層体を得た。
上記係る積層体をカットして、ポリプロピレンフィルム面が透明光学部材1に相対するように配置させながら透明光学部材1の曲面と対応する曲面形状を有する仮透明光学部材によって挟み込み、図3と類似の構造を有する露光装置(光源:アルゴンレーザー、露光波長514nm)に設置した。次いで、感光層面における照射エネルギー量が24mJ/cmになるようにホログラフィ露光した。ホログラフィ露光後、そのままの形態で高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に60分間配置してポスト露光をした後、100℃で3時間の熱処理を行った。
その後、ポリプロピレンフィルムを剥離し、図15に概説されるラミネーターにより、走査時の荷重5kgf/cm、走査速度10cm/secで、粘着層と透明光学部材1の曲面とを相対させてラミネート(貼着)した。これにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、粘着層、透明光学部材1の順に積層されたよりなるホログラフィック光学素子9を得た。
<ホログラフィック光学素子10の作製:比較例>
上記<ホログラフィック光学素子8の作製:実施例>において、反射防止層1を反射防止層4に変更した以外は同様の作業により、層状の(突起構造を有さない)反射防止層4、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、粘着層、透明光学部材1よりなるホログラフィック光学素子10を得た。
<ホログラフィック光学素子11の作製:実施例>
上記<ホログラフィック光学素子1の作製:実施例>において、透明光学部材1を透明光学部材2に変更し、感光層が塗設された反射防止層1と透明光学部材2とを貼着する際の加圧ローラを図16のごとく変更したこと以外は、同様の操作を行うことにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材2の順に積層されたホログラフィック光学素子11を得た。図16において、符号31は加圧手段を、符号32はロードセルを、符号43はローラ部材を、符号34は、可動式の基材治具をそれぞれ示す。ローラ部材43は、透明光学部材2の曲面に沿う形状を有している。当該ラミネーターにより、透明光学部材に対して適度な加圧条件で反射防止層および感光層を貼着することができる。
<ホログラフィック光学素子12の作製:実施例>
上記<ホログラフィック光学素子1の作製:実施例>において、透明光学部材1を透明光学部材3に変更したこと以外は同様の操作を行うことにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材3の順に積層されたホログラフィック光学素子12を得た。
<ホログラフィック光学素子13の作製:実施例>
上記<ホログラフィック光学素子1の作製:実施例>において、透明光学部材1を透明光学部材4に変更し、感光層が塗設された反射防止層1と透明光学部材4とを貼着する際の加圧ローラを図17のごとく変更したこと以外は、同様の操作を行うことにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材4の順に積層されたホログラフィック光学素子13を得た。図17において、符号31は加圧手段を、符号32はロードセルを、符号53はローラ部材を、符号34は、可動式の基材治具をそれぞれ示す。ローラ部材53は、透明光学部材4の曲面に沿う形状を有している。当該ラミネーターにより、透明光学部材に対して適度な加圧条件で反射防止層および感光層を貼着することができる。
<ホログラフィック光学素子14の作製:比較例>
上記<ホログラフィック光学素子13の作製:実施例>において、反射防止層1を反射防止層4に変更したこと以外は、同様の操作を行うことにより、反射防止層4、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、透明光学部材4の順に積層されたホログラフィック光学素子14を得た。
<ホログラフィック光学素子15の作製:比較例>
上記<ホログラフィック光学素子1の作製:実施例>において、透明光学部材1を透明光学部材5に変更したこと以外は同様の操作を行うことにより、反射防止層1、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、平面状透明光学部材5の順に積層されたホログラフィック光学素子15を得た。
<ホログラフィック光学素子16の作製:比較例>
上記<ホログラフィック光学素子1の作製:実施例>において、透明光学部材1を透明光学部材5に変更し、反射防止層1を反射防止層4に変更したこと以外は同様の操作を行うことにより、層状の(突起構造を有さない)反射防止層4、(ポリエチレンテレフタレートフィルム、)体積ホログラム記録層、平面状透明光学部材5の順に積層されたホログラフィック光学素子16を得た。
[分析および評価]
前述のとおり作製した各ホログラフィック光学素子1〜16の全面において、上下左右に25点(上下方向に5列、左右方向に5行)について反射率および回折効率を測定した。
(反射率の測定)
各ホログラフィック光学素子の反射防止層面に対して背面および側面に黒色フィルムを貼付して遮光し、各点の波長650nmにおける反射率を測定した。測定には、分光反射率計URE−30(ウシオ電機株式会社製;サンプルに対する光源の入射角度30°)を用いた。位置25点の反射率の平均値および標準偏差を表1−1および表1−2に記す。
(回折効率の測定)
まず、各位置における透過率を分光光度計により、以下の条件で測定した。
−透過率測定条件−
測定装置:分光光度計U−3900(株式会社日立製作所製)
スリット:5nm
測定範囲:800nm〜400nm
スキャンスピード:600nm/min
光源絞り:2mmφ。
得られた透過率データの波長550〜450nmの透過率よりベースラインを算出し、回折反射によって得られる透過率ピークTとベースライン透過率Bとの値から、回折効率を以下の式により算出した。
回折効率(%)=[(B−T)/B]×100
位置25点における回折効率の平均値および標準偏差を表1−1および表1−2に記す。
(表面観察)
各ホログラフィック光学素子の反射防止層側表面に白金パラジウムを蒸着した後、形状測定機VR−3200(株式会社キーエンス製)を用いて、表面形態に異常(凹みや突起)の有無を観察した。観察された表面変化については表1−1および表1−2の備考欄に記載する。
(形態観察)
前述の反射率、回折効率の計測を行った位置25点について、デジタルマイクロスコープVHX2000(株式会社キーエンス製)を用いて、反射防止層の形態変化(欠陥や亀裂発生)、体積ホログラム記録層−透明光学部材界面の形態変化(微細な剥離や気泡発生)の有無を観察した。観察された形態変化については表1−1および表1−2の備考欄に記載する。
(ホログラフィック光学素子全面に渡る画像の鮮鋭性;広画角性)
特開2009−145620号公報の図1に示す映像投影用グラスに、凹状の曲面が瞳側に相対するようにホログラフィック光学素子をそれぞれ配置した。LED光源から、図18に示す文字を右上端、右中央、右下端、中央上端、中央、中央下端、左上端、左中央、左下端の位置9点に投影し、以下の基準に従って映像技師10人で評点した。評点の平均値を表1−1および表1−2に記す。3以上で合格と判断する。
−評価基準−
5…全面に渡って、鮮明に視認できる
4…1〜2点にて視認は可能だが若干画像の鮮鋭性が低下している
3…3〜5点にて視認は可能だが若干画像の鮮鋭性が低下している
2…1〜2点にて画像が不鮮明で、視認できない部分がある
1…3点以上で画像が不鮮明で視認できない部分がある。
(耐久性試験後の反射率、回折効率、表面観察、形態観察、画像の鮮鋭性)
各ホログラフィック光学素子を、100cmの高さから定盤面へ1000回落下させる耐久性試験を行い、前述と同様の評価を実施した。結果を表2−1および表2−2に記す。
上記表中、ホログラフィック光学素子1〜3、6〜9、11〜13は突起構造を有する反射防止層および体積ホログラム記録層が曲面を有する透明光学部材上に設置されたホログラフィック光学素子である。これらの光学素子は、全面に渡って低い反射率と高い回折効率を有し、光学特性が安定していることが示された。そして、上記ホログラフィック光学素子1〜3、6〜9、11〜13の光学特性は、耐久試験後も劣化がほとんどなく、耐久性が高いことも示されている。
さらに、ホログラフィック光学素子1、11〜13と、ホログラフィック光学素子15との対比より、透明光学部材が曲面を有する本発明に係るホログラフィック光学素子は、全面に渡って高い画像の鮮鋭性を示し、優れた広画角性を有することが確認された。また、ホログラフィック光学素子1、11〜13の結果より、本発明において、優れた広画角性は、種々の曲面形状の透明光学部材であっても発現することが確認できた。
さらにまた、ホログラフィック光学素子1〜3の結果より、反射防止層における突起構造が、種々の形状であっても本発明の効果が発現することが確認できた。同様に、ホログラフィック光学素子1、6、7より、体積ホログラム記録層を構成する材料(感光性組成物)がどのような種類であっても、本発明の効果が発現することが確認された。また、ホログラフィック光学素子1、8より、体積ホログラム記録層に粘着層が含まれていても同様の効果があることが確認できた。
加えて、ホログラフィック光学素子8、9より、体積ホログラム記録層を作製するタイミングは、曲面を有する透明光学部材上に反射防止層等を貼着する前後のいずれであっても本発明の効果が発現することが示された。すなわち、貼着後に干渉露光する形態、および、干渉露光後に貼着する形態のいずれであっても本発明の効果が得られた。なお、若干ではあるが、貼着後に干渉露光を行ったホログラフィック光学素子8の方が、わずかではあるが光学特性に優れていると言える。
一方、表中のホログラフィック光学素子4、5、10、14〜16は、本発明の構成要件を満たさない比較例であり、これらは、良好な広画角性を示さなかった。
ホログラフィック光学素子4、10、14は曲面を有する透明光学部材上に層状の反射防止層および体積ホログラム記録層が積層された形態を有しているが、これらについては、反射防止層の亀裂による劣化が見られ、透明光学部材と体積ホログラム記録層との界面に微小な剥離が生じていた。これらは耐久試験によりさらに劣化し、反射防止層の亀裂、透明光学部材と体積ホログラム記録層との界面の剥離がさらに広がっていた。それゆえ、光学素子全面に渡る均一な光学特性が確保できず、光学素子全面に渡る画像の鮮鋭性を確保できていないと考えられる。
ホログラフィック光学素子5は反射防止層を有しておらず、外光が光学素子内に導光され、画像の鮮鋭性を低下させている。
ホログラフィック光学素子15、16は平面の(曲面を有さない)透明光学部材上に反射防止層および体積ホログラム記録層が積層された形態を有している。これらについては、反射防止層の劣化や体積ホログラム記録層と基材との間に剥離は見られなかったが、光学素子端部に向かって画像の鮮鋭性が低下していき、広画角性が悪いという評価であった。
10A、10B ホログラフィック光学素子、
1 曲面を有する透明光学部材、
2 体積ホログラム記録層、
3 反射防止層、
11 アンワインダー、
12 ダイコーター、
13、22、25 乾燥ゾーン、
14 インラインスタンパー、
15、15’ 加圧ローラ、
16、16’、23、26 紫外線照射装置、
17 ワインダー、
21 第1コーター、
24 第2コーター、
31 加圧手段、
32 ロードセル、
33、43、53 ローラ部材、
34 可動式の基材治具、
201 レーザー光源、
202 ビームステアラー、
203 シャッター、
204 ビームエキスパンダー、
205 ビームスプリッター、
206、207、208、209 ミラー、
211、212 スペイシャルフィルター、
213 製造光学系、
301 物体光、
302 参照光、
303 ホログラフィック光学素子前駆体。

Claims (3)

  1. 曲面を有する透明光学部材と、
    フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、
    表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する反射防止層と、
    を含む、ホログラフィック光学素子。
  2. 前記突起構造の断面形状が、台形状、階段状、正弦波状または三角形状である、請求項1に記載のホログラフィック光学素子。
  3. 曲面を有する透明光学部材と、フォトポリマーを含む体積ホログラム記録層と、反射防止層と、を含むホログラフィック光学素子の製造方法であって、
    前記反射防止層と重合性モノマーを含む感光層または前記体積ホログラム記録層とを含む積層体を、前記曲面を有する透明光学部材に加圧貼着することを含み、
    前記反射防止層は、表面に可視光領域の波長以下の周期で形成された突起構造を有する、ホログラフィック光学素子の製造方法。
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