JP3532675B2 - 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 - Google Patents

体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法

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JP3532675B2
JP3532675B2 JP25494795A JP25494795A JP3532675B2 JP 3532675 B2 JP3532675 B2 JP 3532675B2 JP 25494795 A JP25494795 A JP 25494795A JP 25494795 A JP25494795 A JP 25494795A JP 3532675 B2 JP3532675 B2 JP 3532675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、屈折率変調、耐光
性および耐熱性などに優れたホログラムを与える体積型
ホログラム記録用感光性組成物およびそれを用いたホロ
グラム記録媒体、ならびに体積ホログラム記録方法、さ
らには記録されたホログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】ホログラムは波長の等しい2つの光(物
体光と参照光)を干渉させて物体光の波面を干渉縞とし
て感光材料に記録したもので、このホログラムに元の参
照光と同一条件の光を当てると干渉縞による回折現象が
生じ、元の物体光と同一の波面が再生できる。干渉縞の
記録形態によりホログラムはいくつかの種類に分類され
るが、近年、干渉縞を記録層内部の屈折率差で記録する
いわゆる体積ホログラムが、その高い回折効率や優れた
波長選択性により、三次元ディスプレーや光学素子など
の用途に応用されつつある。
【0003】このような体積ホログラムを記録する感光
材料としては、従来から芸術分野で使用されているハロ
ゲン化銀や重クロム酸ゼラチンを使用したものが一般的
である。しかしながら、これらは、湿式現像や煩雑な現
像定着処理を必要とすることからホログラムを工業的に
生産するには不適であり、記録後も吸湿などにより像が
消失するなどの問題点を有していた。
【0004】上記の従来技術の問題点を克服するため
に、フォトポリマーを使用して単純な乾式処理だけで体
積ホログラムを作製することが米国特許第3,658,5
26号明細書、同第3,993,485号明細書などで提
案されている。また、フォトポリマーによるホログラム
の推定形成メカニズムについても、「アプライド・オプ
ティックス(APPLIED OPTICS)」(ビー・
エル・ブース(B.L.Booth)、第14巻、第3号、第
593−601頁(1975年)およびダブリュー・ジェ
ー・トムリンソン(W.J.Tomlinson)、イー・エー・
チャンドロス(E.A.Chandross)他、第15巻、第2
号、第534−541頁(1976年))などに記載され
ている。しかし当初のこれらの技術は、ホログラムの最
も重要な性能である屈折率変調が前述の従来技術には及
ばなかった。
【0005】近年、屈折率変調の優れたフォトポリマー
材料として、例えば米国特許第4,942,102号明細
書や同第4,942,112号明細書等に記載されている
ようなバインダーポリマーとラジカル重合性化合物の屈
折率差を利用する材料、あるいは特開平3−24968
5号公報に記載されている特定の2つのラジカル重合性
化合物の屈折率と反応性の差を利用する材料、あるいは
特願平5−107999号公報に記載されている屈折率
の異なるラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物
を使用する材料などが提案されている。これらのフォト
ポリマー材料により乾式処理でしかも比較的屈折率変調
の大きい体積ホログラムの作成が可能になったもののま
だ充分とは言えず、さらに屋外使用に耐えられるような
耐光性、耐熱性を兼ね備えた体積ホログラムの出現が望
まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高屈折率変
調を有し、且つ耐光性、耐熱性に優れた体積ホログラム
を与える体積ホログラム用感光性組成物及びそれを用い
た体積ホログラムの製造法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザー光ま
たはコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干
渉縞を屈折率の異なる縞として記録するのに使用される
体積ホログラム記録用感光性組成物に於いて、該組成物
が、 A.カチオン重合性化合物およびラジカル重合性 B.カチオン重合開始剤系、および C.ラジカル重合開始剤系の各成分を必須成分として含
み、カチオン重合性化合物またはラジカル重合性化合物
の少なくとも一方が直鎖状シロキサン結合を有している
体積ホログラム記録用感光性組成物に関する。更に本発
明は同一または異なる2つの透明な支持体の間に上記組
成物からなる記録層を有する体積ホログラムの記録媒体
に関する。更に本発明は上記記録媒体にレーザー光また
はコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉
縞を露光し、続いて該記録媒体に紫外および/または可
視域の光の全面照射と加熱処理のいずれか、または両者
を同時または逐次に行う体積ホログラムの記録方法に関
する。更に本発明は上記方法で記録した体積ホログラム
に関する。
【0008】本発明で用いられるカチオン重合性化合物
は、シロキサン結合を有するラジカル重合性化合物など
の他の成分と相溶性の良いものでカチオン重合開始剤か
ら発生するブレンステッド酸あるいはルイス酸によって
重合するものであればよい。このカチオン重合性化合物
がシロキサン結合を有していてもかまわない。カチオン
重合性化合物の具体例としては、ジグリセロールポリグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ
パーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエー
テル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル、パラターシャリーブチルフ
ェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエ
ステル、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、ジブロ
モフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル、1,2,7,8−ジエ
ポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘ
キサンジグリシジルエーテル、4,4'−ビス(2,3−エ
ポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニ
ルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、1,2,5,
6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3',4'−エポ
キシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサ
ン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメタン)、4',5'−エポキシ−2'−メ
チルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メ
チルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコ
ール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエ
ーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニル−
n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジビニル
エーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニ
ルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテ
ル、ビニルグリシジルエーテル、及び式
【0009】
【化1】 で表わされる化合物が挙げられ、これらの1種以上を使
用してよい。
【0010】本発明に用いるシロキサン結合を有するカ
チオン重合性化合物は下記一般式(I)で示される:
【化2】 式(I)においては、X1〜X6のうち少なくともひとつ
の末端にカチオン重合性基を有する。X1〜X6は同じで
あっても異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数が
1〜4のアルキル基、炭素原子数が1〜4のアルコキシ
基、ジアルキルアミノ基、フェニル基、水酸基等を表
す。nは1以上、好ましくは7までの整数である。また
このカチオン重合性基とケイ素原子はアルキル鎖、オキ
シエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、ウレタン結合、ア
ミド結合などを介して結合してもよい。カチオン重合性
基の例としてはグリシジル基、脂環式エポキシ基などの
環状エーテル、環状スルフィド、環状イミン、環状ジス
ルフィド、ラクトン、ラクタム、環状ホルマール、環状
イミノエーテル、ビニルエーテル等が挙げられる。
【0011】本発明に用いるラジカル重合性化合物は、
シロキサン結合を有するカチオン重合性化合物と相溶性
のよいものでラジカル重合開始剤から発生する活性ラジ
カル種によって重合するものであればよい。このラジカ
ル重合性化合物がシロキサン結合を有していてもかまわ
ない。ラジカル重合性基として少なくともひとつのエチ
レン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。ラジカ
ル重合性化合物の具体例としては、例えばアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、スチレン、2−ブロモスチレ
ン、フェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアク
リレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキ
シエチル)モノエステル、メチルフェノキシエチルアク
リレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−
アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、フェノキ
シポリエチレングリコールアクリレート、2,4,6−ト
リブロモフェニルアクリレート、ジフェン酸(2−メタ
クリロキシエチル)モノエステル、ベンジルアクリレー
ト、2,3−ジブロムプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ナ
フチルアクリレート、N−ビニルカルバゾール、2−
(9−カルバゾリル)エチルアクリレート、トリフェニル
メチルチオアクリレート、2−(トリシクロ〔5,2,1
26〕ジブロモデシルチオ)エチルアクリレート、S−
(1−ナフチルメチル)チオアクリレート、ジシクロペン
タニルアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジフェン酸(2−アクリロキシエチル)
(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステ
ル、2,3−ナフタリンジカルボン酸(2−アクリロキシ
エチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)
ジエステル、4,5−フェナントレンジカルボン酸(2−
アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−
ヒドロキシ)ジエステル、ジブロムネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、1,3−ビス〔2−アクリロキシ−3−
(2,4,6−トリブロモフェノキシ)プロポキシ〕ベンゼ
ン、ジエチレンジチオグリコールジアクリレート、2,
2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)メタン、2,2−ビス(4−アクリロキシエト
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
クリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)スルホン、及び上記におけるアクリレートを
メタクリレートに変えた化合物、更には特開平2−24
7205号公報や特開平2−261808号公報に記載
されているような分子内に少なくともS原子を2個以上
含む、エチレン性不飽和二重結合含有化合物が挙げら
れ、これらの1種以上を使用してよい。
【0012】本発明に用いるシロキサン結合を有するラ
ジカル重合性化合物は下記一般式(II)で示される:
【化3】 式(II)においては、X1〜X6のうち少なくともひとつ
の末端にラジカル重合性基を有する。X1〜X6は同じで
あっても異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1
〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、
ジアルキルアミノ基、フェニル基、水酸基等を表す。n
は1以上好ましくは7以下の整数である。またこのラジ
カル重合性基とケイ素原子はアルキル鎖、オキシエチレ
ン鎖、オキシプロピレン鎖、ウレタン結合、アミド結合
などを介して結合してもよい。ラジカル重合性基として
は、エチレン性不飽和二重結合を有する基が相当し、具
体的にはアクリロイル基、メタアクリロイル基、ビニル
基が挙げられる。
【0013】本発明に使用する(B)のカチオン重合開
始剤系は、光または熱の作用によりカチオン重合性化合
物の重合を開始できるような開始剤系である。光カチオ
ン重合開始剤系(B)としては、例えば「UV硬化;科
学と技術(UV Curing:Science an
d Technology)」、第23〜76頁、エス
・ピーター・パーパス(S. Peter Pappa
s)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブ
リケーション(A Technology Marke
ting Publication)および「コメンツ
・インオーガニック・ケミストリ(Coments I
norg. Chem.)」、ビー・クリンゲルト、エム
・リーディーカーおよびエイ・ロロフ(B. Klin
gert,M.Riediker and A. Rol
off)、第7巻、第3号、第109〜138頁(19
88年)などに記載されているものが挙げられ、これら
の1種以上を使用してもよい。
【0014】本発明で用いられる特に好ましい光カチオ
ン重合開始剤系(B)としては、ジアリールヨードニウ
ム塩類、トリアリールスルホニウム塩類あるいは鉄アレ
ン錯体類等を挙げることができる。
【0015】光カチオン重合開始剤系(B)としてのジ
アリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては、後
述の光ラジカル重合開始剤系(C)で示したヨードニウ
ムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェ
ート、ヘキサフルオロアルセネートおよびヘキサフルオ
ロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホン酸塩、
9,10−ジメトキシアントラセンスルホン酸塩などが
挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類で好ましい
ものとしては、トリフェニルスルホニウム、4−ターシ
ャリーブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−
メチルフェニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフ
ェニル)スルホニウム、4−チオフェニルトリフェニル
スルホニウムなどのスルホニウムのテトラフルオロボレ
ート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロア
ルセネートおよびヘキサフルオロアンチモネート、トリ
フルオロメタンスルホン酸塩、9,10−ジメトキシア
ントラセン−2−スルホン酸塩などが挙げられる。
【0016】カチオン重合性化合物の重合反応により干
渉縞の記録を行う場合は、特定波長のレーザー光または
コヒーレンス性の優れた光を照射することによりブレン
ステッド酸あるいはルイス酸を生成し、それらによりカ
チオン重合性化合物が重合できるようなカチオン重合開
始剤系を用いる。そのようなカチオン重合開始剤系とし
ては、アクリジンオレンジ、アクリジンイエローなどの
アクリジン系色素あるいはセトフラビン(Setofl
avin)Tのようなベンゾチアゾリウム系色素とジア
リールヨードニウム塩類あるいはトリアリールスルホニ
ウム塩類の組み合わせなどを挙げることができる。
【0017】本発明に使用する(C)のラジカル重合開
始剤系は、光または熱の作用によりラジカル重合性化合
物の重合を開始できるような開始剤系である。ラジカル
重合性化合物の重合反応により干渉縞の記録を行う場合
は、レーザー光またはコヒーレンス性の優れた光を照射
することにより活性ラジカル種を生成し、その活性ラジ
カル種がラジカル重合性化合物を重合させるようなラジ
カル重合開始剤系を用いる。そのようなラジカル重合開
始剤系としては、例えば米国特許第4,766,055号
明細書、同第4,868,092号明細書、同第4,96
5,171号明細書、特開昭54−151024号公
報、同58−15,503号公報、同58−29,803
号公報、同59−189,340号公報、同60−76
735号公報、特開平1−28715号公報、特願平3
−5569号及び「プロシーディングス・オブ・コンフ
ァレンス・オン・ラジエーション・キュアリング・エイ
ジア」(PROCEEDINGS OF CONFER
ENCE ON RADIATION CURING
ASIA)」(第461〜477頁、1988年)等に記
載されている公知の開始剤系が使用できるがこの限りで
ない。
【0018】尚、本明細書中「開始剤系」とは、一般に
光を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合
物や酸発生化合物を組み合わせて用いることができるこ
とを意味する。ラジカル重合開始剤系における増感剤は
可視レーザー光を吸収するために色素のような有色化合
物が用いられる場合が多いが、最終的なホログラムに無
色透明性が要求される場合(例えば、自動車等のヘッド
アップディスプレーとして使用する場合)の増感剤とし
ては、特開昭58−29803号公報、特開平1−28
7105号公報、特願平3−5569号に記載されてい
るようなシアニン系色素の使用が好ましい。シアニン系
色素は一般に光によって分解しやすいため、本発明にお
ける後露光、または室内光や太陽光の下に数時間から数
日放置することでホログラム中の色素が分解されて可視
域に吸収を持たなくなり、無色透明なホログラムが得ら
れる。シアニン系色素の具体例としては、アンヒドロ−
3,3'−ジカルボキシメチル−9−エチル−2,2'チア
カルボシアニンベタイン、アンヒドロ−3−カルボキシ
メチル−3',9'−ジエチル−2,2'チアカルボシアニ
ンベタイン、3,3',9−トリエチル−2,2'−チアカ
ルボシアニン・ヨウ素塩、3,9−ジエチル−3'−カル
ボキシメチル−2,2'−チアカルボシアニン・ヨウ素
塩、3,3',9−トリエチル−2,2'−(4,5,4',5'
−ジベンゾ)チアカルボシアニン・ヨウ素塩、2−〔3
−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)−1−プロペ
ニル〕−6−〔2−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリ
デン)エチリデンイミノ〕−3−エチル−1,3,5−チ
アジアゾリウム・ヨウ素塩、2−〔〔3−アリル−4−
オキソ−5−(3−n−プロピル−5,6−ジメチル−2
−ヘンゾチアゾリリデン)−エチリデン−2−チアゾリ
ニリデン〕メチル〕3−エチル−4,5−ジフェニルチ
アゾリニウム・ヨウ素塩、1,1',3,3,3',3'−ヘキ
サメチル−2,2'−インドトリカルボシアニン・ヨウ素
塩、3,3'−ジエチル−2,2'−チアトリカルボシアニ
ン・過塩素酸塩、アンヒドロ−1−エチル−4−メトキ
シ−3'−カルボキシメチル−5'−クロロ−2,2'−キ
ノチアシアニンベタイン、アンヒドロ−5,5'−ジフェ
ニル−9−エチル−3,3'−ジスルホプロピルオキサカ
ルボシアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩が挙げ
られ、これらの1種以上を使用してよい。
【0019】シアニン系色素と組み合わせて用いてもよ
い活性ラジカル発生化合物としては、上記の特開昭58
−29803号公報、特開平1−287105号公報、
特願平3−5569号に記載されているようなジアリー
ルヨードニウム塩類、あるいは2,4,6−置換−1,3,
5−トリアジン類が挙げられる。高い感光性が必要なと
きは、ジアリールヨードニウム塩類の使用が特に好まし
い。上記ジアリールヨードニウム塩類の具体例として
は、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェ
ニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨー
ドニウム、4,4'−ジターシャリーブチルジフェニルヨ
ードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウム
などのクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、
ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネ
ート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメ
タンスルホン酸塩、9,10−ジメトキシアントラセン
−2−スルホン酸塩などが例示される。又2,4,6−置
換−1,3,5−トリアジン類の具体例としては、2−メ
チル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−ト
リアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'
−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,
5−トリアジンなどが例示される。
【0020】本発明の体積ホログラム記録用感光性組成
物に於ける各成分の組み合わせは、それぞれ(A)のカ
チオン重合性化合物は2〜70wt%(より好ましくは
35〜65wt%)、シロキサン結合を有するカチオン
重合性化合物は2〜70wt%(より好ましくは10〜
45wt%)、ラジカル重合性化合物は20〜90wt
%(より好ましくは40〜80wt%)、シロキサン結
合を有するラジカル重合性化合物は20〜90wt%
(より好ましくは35〜65wt%)、(B)のカチオ
ン重合開始剤系は0.3〜8wt%(より好ましくは1
〜5wt%)、(C)のラジカル重合開始剤系は0.3
〜8wt%(より好ましくは1〜5wt%)である。
(A)のカチオン重合性化合物成分とラジカル重合性化
合物成分の屈折率差が0.01以上であることが必要で
あり、0.01以下では記録されたホログラムの屈折率
変調値が小さく明るいホログラムは得られない。
【0021】本発明の体積ホログラム記録用感光性組成
物には、必要に応じて、高分子結合剤、熱重合防止剤、
シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、または
着色剤などの添加剤などを併用してもよい。
【0022】高分子結合剤としては、本発明に使用する
成分(A)と相溶することが必要である。これには下記
のものが例示される:塩素化ポリエチレン、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂(アクリル酸エステルの単独重合体も
しくは共重合体)、メタアクリル樹脂(メタアクリル酸
エステルの単独重合体もしくは共重合体)、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルピロリドン、ポリエステル、エチルセルロー
ス、アセチルセルロース。高分子結合剤は、その側鎖ま
たは主鎖にカチオン重合性基などの反応性基を有してい
ても良い。
【0023】本発明の感光性組成物は通常の方法で調製
されてよい。例えば上述の必須成分(A)〜(C)およ
び任意成分をそのままもしくは必要に応じて溶媒(例え
ばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテートなど
のエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系
溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、n-ブタノールなどのアルコール
系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホ
ルムなどのハロゲン系溶媒)を配合し、冷暗所にて例え
ば高速撹拌機を使用して混合することにより調製でき
る。
【0024】本発明のホログラムの製造において記録層
は上記感光性組成物を通常の方法によりガラス板、ポリ
エチンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィル
ム、トリアセチルセルロースフィルム、アクリル板など
の透明な支持体上に塗布し、必要に応じて乾燥すること
により形成することができる。塗布量は適宜選択される
が、例えば乾燥塗布量が1g/m2〜50g/m2であってよ
い。さらに通常は、この記録層の上に保護層としてポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロース
フィルムなどを設けて使用される。このように中間層が
本発明組成物による記録層である3層体を作製する別の
方法として、例えば、どちらか一方に剥離しやすい処理
が施されている2つのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの間に記録層を形成しておき、使用時に片方のフィ
ルムを剥離してその面を適当な支持体上にラミネートし
てもよい。また例えば2枚のガラス板の間に本発明組成
物を注入することもできる。
【0025】このように作製された記録層は、レーザー
光やコヒーレンス性の優れた光(例えば波長300〜1
200nm)による通常のホログラフィー露光装置によ
る干渉縞露光によりその内部に干渉縞が記録される。本
発明の組成物の場合、この段階で、記録された干渉縞に
よる回折光が得られ、ホログラムとすることができる。
しかしこの段階では未反応の重合性化合物が感光層中に
残存しているためホログラムの皮膜強度が得られない場
合もある。これらの感光層中に残存している未反応成分
を重合させるために、後露光としてキセノンランプ、高
圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲ
ンランプなどの光源からの光をホログラムに全面露光す
るか、加熱処理することにより皮膜強度に優れた本発明
のホログラムが得られる。加熱処理による未反応モノマ
ーの重合を促進するために、ベンゾイルパーオキシドな
どの有機過酸化物を併用してもよい。
【0026】ホログラムの干渉縞露光時にラジカル重合
を行い、その後の露光時にカチオン重合を行わせる方
が、大きな屈折率変調値が得られる。そのためには、
「ラジカル重合開始剤系(C)がレーザー光またはコヒ
ーレンス性の優れた光に感光性を有するラジカル重合開
始剤系であり、カチオン重合開始剤系(B)が該レーザ
ー光またはコヒーレンス性の優れた光に対して低感光性
で別の波長の光に感光性を有するカチオン重合開始剤系
である」ように両開始剤の組み合わせを選択すればよ
い。なお、後露光の前または後に記録層を熱や赤外線で
処理することで回折効率、回折光のピーク波長、半値幅
などを変化させることもできる。
【0027】上記体積ホログラムは、例えば、レンズ、
回折格子、干渉フィルター、ヘッドアップディスプレー
装置、一般的な三次元ディスプレー、光ファイバー用結
合器、ファクシミリ用光偏光器、IDカードなどのメモ
リー材料、建築用窓ガラス、広告宣伝媒体などに使用で
きる。
【0028】シロキサン結合を有するカチオンまたはラ
ジカル重合性化合物の使用により屈折率変調が向上する
理由は今のところ明らかではないが、シロキサン結合の
分子間の相互作用が弱いことに起因すると推測される。
干渉縞露光の段階で干渉縞の明部でラジカル重合性化合
物が重合する場合を考えると、シロキサン結合を有する
カチオンまたはラジカル重合性化合物の分子間の相互作
用が弱いため、それぞれラジカル重合性化合物またはカ
チオン重合性化合物が干渉縞の暗部から明部に移動しや
すくなり、両者の分離の程度が大きくなる。その結果屈
折率変調が向上したものと考えられる。
【0029】
【発明の効果】本発明の体積ホログラム記録用感光性組
成物により、回折効率、波長選択性、屈折率変調、耐光
性および耐熱性などに優れた体積ホログラムを容易に製
造できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例で本発明を具体的に説明する。
後述の各実施例及び各比較例で示される感光性組成物を
用いて、以下の方法で試験板を作成し、露光して各ホロ
グラムを得、この物性評価を以下の方法で行なった。
【0031】試験板の作成 所定量の光ラジカル重合開始剤系成分と光カチオン重合
開始剤系成分をn−ブチルアルコールとメチルイソブチ
ルケトンの混合溶媒中に溶解、または分散した後、残り
の成分を加えて撹拌し、濾過を経て感光液を得た。この
感光液をアプリケーターを使用して16cm×16cmのガ
ラス板上に塗布し、90℃で5分間乾燥させた。さらに
その上に厚さ80μmのポリエチレンフィルム(東燃化学
(株)LUPIC LI)をラミネート用ローラーを使用
してラミネートし、この板を3〜4cm角に分割して試験
板とした。
【0032】露光 第1露光はすべてアルゴンイオンレーザーの514.5
nm光を用いて行った。反射型ホログラムの記録方法の
概略図を図1に、透過型ホログラムの場合を図2に示
す。いづれの場合も、試験板面における1つの光束の光
強度はすべて1.0mw/cm2とし、露光は30秒間行
った。第1露光終了後、後露光として高圧水銀灯(日本
電池(株)製、実験用紫外線照射装置 FL−1001
−2)の光をポリエチレンフィルム側から1分間照射し
た。
【0033】評価 反射型ホログラムの回折効率は、島津自記分光光度計U
V−2100((株)島津製作所社製)と付属の積分球
反射装置ISR−260によるホログラムの反射率測定
から求めた。透過型ホログラムの回折効率は、上記分光
光度計によるホログラムの透過率測定から求めた。ま
た、回折効率測定部分の膜厚は、フィッシャー社製膜厚
測定器ベータスコープ850を用いて測定した。このよ
うにして得られた回折効率と膜厚の値から、屈折率変調
(干渉縞の屈折率変化の半分の値)を計算して求めた。計
算式は「カップルド・ウエーブ・セオリー・フォー・シ
ック・ホログラム・グレーティングス」(Coupled Wa
ve Theory for ThickHologram Gratings)(エ
イチ・コゲルニク(H.Kogelnik)、ベル・システム・
テクニカル・ジャーナル(Bell Syst.Tech.
J.)、第48巻、第2909−2947頁(1969
年))に記載されているものを用いた。屈折率変調の値
は膜厚に依存せず、この値によって組成物の屈折率変調
能が比較できる。
【0034】耐光性については大日本プラスチック
(株)社製超促進耐候試験機アイ・スーパーUVテスタ
ーWタイプを使用して、ホログラムの試験板に波長が2
95nmから450nmの紫外線を60時間、連続照射
したときのホログラムの試験板の回折効率の変化、回折
ピーク波長の変化、黄変を調べた。耐熱性についてはホ
ログラムを100℃の孵卵器に1000時間静置したと
きのホログラムの試験板の回折効率の変化、回折ピーク
波長の変化、黄変を調べた。以下の各実施例および各比
較例の感光性組成物を調製し、前記の方法で各ホログラ
ムを作成し、前記のようにしてこの評価を行った。
【0035】実施例1、2 ここでは、シロキサン結合を有するカチオン重合性化合
物としてTSL9906または化合物XC96−B03
70(いずれも構造式を後に掲載する)を使用し、この
化合物より高屈折率を有し、且つシロキサン結合を有し
ないラジカル重合性化合物としてAEPM(構造式を後
に掲載する)を使用して反射型ホログラムを作成した例
を示す。光カチオン重合開始剤系はTPS・SbF
6(詳細は後に掲載)を用いた。光ラジカル重合開始剤
系としてDYE−1とDPI・TF(詳細は後に掲載)
の組み合わせを用いた。表1に実施例1、実施例2に使
用したホログラム記録用感光性組成物の組成とホログラ
ムの評価結果を示す。いずれの例においても実用範囲に
ある無色透明な反射型ホログラムが得られた。
【0036】
【表1】
【0037】実施例3、4 ここでは、シロキサン結合を有するカチオン重合性化合
物より高屈折率を有し、且つシロキサン結合を有さない
ラジカル重合性化合物としてA−BPHE(構造式は後
に掲載)を使用する以外はすべて実施例1、2と同様の
実験を行い、反射型ホログラムを作成した。表1に実施
例3、実施例4に使用したホログラム記録用感光性組成
物の組成とホログラムの評価結果を示す。いずれの例に
おいても実用範囲にある無色透明な反射型ホログラムが
得られた。
【0038】実施例5、6 ここでは高分子結合剤P−1を使用しないという点を除
いてはすべて実施例1、実施例2と同様の実験を行い、
反射型ホログラムを作成した。表1に実施例5、実施例
6に使用したホログラム記録用感光性組成物の組成とホ
ログラムの評価結果を示す。いずれの例においても実用
範囲にある無色透明な反射型ホログラムが得られた。
【0039】比較例1〜4 これらは、実施例1〜4に対する比較例であり、シロキ
サン結合を有するカチオン重合性化合物の代わりにシロ
キサン結合を有しないカチオン重合性化合物を使用した
場合、反射型ホログラムの性能が実施例1〜4より劣る
ことを示す例である。表2に比較例1〜4に使用したホ
ログラム記録用感光性組成物の組成とホログラムの評価
結果を示す。
【0040】
【表2】
【0041】実施例7、8 ここでは高分子結合剤P−1を使用しないという点を除
いてはすべて実施例1、実施例2と同様の実験を行い、
透過型ホログラムを作成した。表3に実施例7、実施例
8に使用したホログラム記録用感光性組成物の組成とホ
ログラムの評価結果を示す。いずれの例においても実用
範囲にある無色透明な透過型ホログラムが得られた。
【0042】
【表3】
【0043】実施例9、10 ここでは、実施例3、実施例4で作成された反射型ホロ
グラムの試験板の耐光性試験と耐熱性試験を行った。結
果を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】比較例5、6 これらはシロキサン結合を有しないカチオン重合性化合
物を使用して作成された反射型ホログラムの試験板の耐
光性と耐候性が実施例9、実施例10より劣ることを示
す例である。結果を表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】実施例11〜13 ここでは、シロキサン結合を有するラジカル重合性化合
物にラジカル重合性基としてアクリロイル基を有する化
合物PS2A(構造式を後に掲載)もしくは、メタクリ
ロイル基を有する化合物TSL9706またはTSL9
705(いずれも構造式を後に掲載する)を使用し、シ
ロキサン結合を有しないカチオン重合性化合物としてP
S2Aより低屈折率を有するCAT−3またはTSL9
706、TSL9705より高屈折率を有するCAT−
4と組み合わせて使用して反射型ホログラムを作成した
例を示す。光カチオン重合開始剤系はTPS・SbF6
を用いた。光ラジカル重合開始剤系としてDYE−1と
DPI・TFの組み合わせを用いた。表6に実施例11
〜13に使用したホログラム記録用感光性組成物の組成
とホログラムの評価結果を示す。いずれの例においても
実用範囲にある無色透明な反射型ホログラムが得られ
た。
【0048】
【表6】
【0049】実施例14〜16 ここでは、実施例11〜13で作成された反射型ホログ
ラムの試験板の耐光性試験と耐熱性試験の結果を示す。
表7に結果を示す。
【0050】
【表7】
【0051】実施例17 ここでは、シロキサン結合を有するラジカル重合性化合
物にPS2Aを使用し、シロキサン結合を有するカチオ
ン重合性化合物としてPS2Aより低屈折率を有するT
SL9906を使用して反射型ホログラムを作成した例
を示す。光カチオン重合開始剤系はTPS・SbF6
用いた。光ラジカル重合開始剤系としてDYE−1とD
PI・TFの組み合わせを用いた。表8に実施例17に
使用したホログラム記録用感光性組成物の組成とホログ
ラムの評価結果を示す。いずれの例においても実用範囲
にある無色透明な反射型ホログラムが得られた。
【0052】
【表8】
【0053】実施例18 ここでは、実施例17で作成された反射型ホログラムの
試験板の耐光性試験と耐熱性試験を行った。表9に結果
を示す。
【0054】
【表9】
【0055】実施例19 ここでは実施例1と同じ感光性組成物を使用して実施例
1と同様に第1露光と後露光を行い、その後100℃で
30分間加熱処理をして反射型ホログラムを作成した例
を示す。表10に組成と結果を示す。
【0056】
【表10】
【0057】上記実施例、比較例および表において略称
として使用された化合物は以下のものを表す。シロキサン結合を有するカチオン重合性化合物 〔TSL9906〕屈折率 1.452 商品名:東芝シリコーン社製、TSL9906 下記構造を有する化合物
【化4】
【0058】〔XC96−B0370〕屈折率 1.47
4 商品名:東芝シリコーン社製、XC96−B0370 下記構造を有する化合物
【化5】
【0059】シロキサン結合を有しないラジカル重合性
化合物 〔AEPM〕屈折率 1.539 商品名:日本化薬社製、R712 ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン 〔A−BPHE〕屈折率 1.587 9,9'−ビス(3−エチル−4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)フルオレン
【0060】シロキサン結合を有するラジカル重合性化
合物 〔PS2A〕屈折率 1.490 下記構造を有する化合物
【化6】
【0061】〔TSL9706〕屈折率 1.451 商品名:東芝シリコーン、TSL9706 下記構造を有する化合物
【化7】
【0062】〔TSL9705〕屈折率 1.427 商品名:東芝シリコーン、TSL9705 下記構造を有する化合物
【化8】
【0063】カチオン重合性化合物 〔CAT−1〕屈折率 1.462 商品名:ナガセ化成工業社製、デナコールEX−211 ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル 〔CAT−2〕屈折率 1.498 商品名:ユニオンカーバイド社製、UVR6110 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート 〔CAT−3〕屈折率 1.469 ペンタエリスリトールにプロピレンオキサイドを4モル
付加したグリシジルエーテル(1分子当たりのグリシジ
ル基は3個) 〔CAT−4〕屈折率 1.601 商品名:ナガセ化成工業社製、デナコールEX−147 ジブロモフェニルグリシジルエーテル
【0064】光カチオン重合開始剤系 〔TPS・SbF6〕 商品名:チバ・ガイギー社製、UVI−6974 トリアリールスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネ
ート系化合物
【0065】光ラジカル重合開始剤系 〔DYE−1〕 3,9−ジエチル−3'−カルボキシメチル−2,2'−チ
アカルボシアニン、 ヨウ素塩 〔DPI・TF〕 ジフェニルヨードニウム・トリフルオロメタンスルホン
酸塩
【0066】高分子結合剤 〔P−1〕 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル
酸の共重合体(共重合比=45/49/6)その他の成分 溶剤 〔BuOH〕 n−ブチルアルコール 〔MIBK〕 メチルイソブチルケトン
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1露光における反射型ホログラムの記録方
式の概略図を示す。
【図2】 第1露光における透過型ホログラムの記録方
式の概略図を示す。
【符号の説明】
1 ガラス板 2 記録層 3 ポリエチレンフィルム 4 レーザー 5 レーザービーム 6 ミラー 7 ビームスプリッター 8 対物レンズ 9 レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03F 7/075 511 G03F 7/075 511 G03H 1/04 G03H 1/04 1/28 1/28 (72)発明者 住吉 岩夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本 ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−181271(JP,A) 特開 平5−107999(JP,A) 特開 平6−43634(JP,A) 特開 昭60−215009(JP,A) 特開 昭61−169834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03H 1/00 - 5/00 C08G 59/40 G03F 7/004 521 G03F 7/027 511 G03F 7/029 G03F 7/075 511

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー光またはコヒーレンス性の優れ
    た光の干渉によって生じる干渉縞を屈折率の異なる縞と
    して記録するのに使用される体積ホログラム記録用感光
    性組成物に於いて、該組成物が、 A.カチオン重合性化合物およびラジカル重合性化合
    物、 B.カチオン重合開始剤系、および C.ラジカル重合開始剤系の各成分を必須成分として含
    み、Aのカチオン重合性化合物またはラジカル重合性化
    合物の少なくとも一方が直鎖状シロキサン結合を含んで
    いる体積ホログラム記録用感光性組成物。
  2. 【請求項2】 Aのカチオン重合性化合物およびラジカ
    ル重合性化合物がいずれもシロキサン結合を有している
    請求項1に記載の体積ホログラム記録用感光性組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン重合性化合物とラジカル重合性
    化合物の屈折率差が0.01以上である請求項1に記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 ラジカル重合開始剤系(C)が前記レー
    ザー光またはコヒーレンス性の優れた光に感光性を有す
    るラジカル重合開始剤系であり、カチオン重合開始剤系
    (B)が前記レーザー光またはコヒーレンス性の優れた
    光に対して低感光性で別の波長の光に感光性を有するカ
    チオン重合開始剤系である請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 ラジカル重合開始剤系(C)における増
    感剤としてシアニン系色素を使用し、活性ラジカル発生
    化合物としてジアリールヨードニウム塩を使用する請求
    項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 高分子結合剤をさらに含有する請求項1
    に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 同一または異なる2つの透明な支持体の
    間に請求項1の組成物からなる記録層を有する体積ホロ
    グラムの記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項7の記録媒体にレーザー光または
    コヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞
    を露光し、続いて該記録媒体に紫外および/または可視
    域の光を全面照射する体積ホログラムの記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項7の記録媒体にレーザー光または
    コヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞
    を露光し、続いて該記録媒体を加熱処理する体積ホログ
    ラムの記録方法。
  10. 【請求項10】 請求項7の記録媒体にレーザー光また
    はコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉
    縞を露光し、続いて該記録媒体に紫外および/または可
    視域の光の全面照射と加熱処理を同時または逐次に行う
    体積ホログラムの記録方法。
  11. 【請求項11】 請求項8、9または10のいずれかに
    記載の方法で記録した体積ホログラム。
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