JP3482256B2 - 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 - Google Patents
体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法Info
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感光性組成物及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホ
ログラムの記録方法に関する。より詳しくは本発明は、
屈折率変調ならびに耐光性の優れたホログラムを与える
体積ホログラム記録用感光性組成物及びそれを用いてホ
ログラムを容易に製造できる体積ホログラムの記録方法
に関する。
体光と参照光)を干渉させて物体光の波面を干渉縞とし
て感光材料に記録したもので、このホログラムに元の参
照光と同一条件の光を当てると干渉縞による回折現象が
生じ、元の物体光と同一の波面が再生できる。
つかの種類に分類されるが、近年、干渉縞を記録層内部
の屈折率差で記録するいわゆる体積ホログラムが、その
高い回折効率や優れた波長選択性により、三次元ディス
プレーや光学素子などの用途に応用されつつある。
としては、従来から芸術分野で使用されているハロゲン
化銀や重クロム酸ゼラチンを使用したものが一般的であ
る。しかしながら、これらは湿式現像や煩雑な現像定着
処理を必要とすることからホログラムを工業的に生産す
るには不適であり、記録後も吸湿などにより像が消失す
るなどの問題点を有している。
ポリマーを使用して単純な乾式処理だけで体積ホログラ
ムを作製することが米国特許第3,658,526号、同
第3,993,485号などで提案されている。また、フ
ォトポリマーによるホログラムの推定形成メカニズムに
ついても、「応用光学(APPLIED OPTICS)」
(B.L.ブース(B.L.Booth),第14巻,No3,P
P593−601(1975)及びW.J.トムリンソン
(W.J.Tomlinson),E.A.チャンドロス(E.A.
Chandross)など,第15巻,No.2,PP534〜54
1(1976)などに記載されている。しかしながらこれ
らの技術は、ホログラムの最も重要な性能である屈折率
変調が前述の従来技術には及ばなかった。
材料として、特開平5−107999号に記載されてい
る屈折率の異なるラジカル重合性化合物とカチオン重合
性化合物を併用するフォトポリマー材料が提案されてい
る。この材料を用いると、乾式処理でしかも比較的屈折
率変調の大きい体積ホログラムが得られるものの、さら
に屋外使用に耐えられるような耐光性を兼ね備えた体積
ホログラムの出現が望まれている。
調を有し、なおかつ耐光性に優れた体積ホログラムを与
える感光性組成物およびそれを用いた体積ホログラムの
記録方法を提供することを目的とする。
光またはコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じ
る干渉縞を屈折率の異なる縞として記録するのに使用さ
れる体積ホログラム記録用感光性組成物に於いて、該組
成物が、(a)残存塩素含有量が1重量%以下のグリシジ
ル基含有化合物、(b)ラジカル重合性化合物、(c)上記の
レーザー光またはコヒーレンス性の優れた光に感光して
成分(b)を重合させる光ラジカル重合開始剤系、および
(d)カチオン重合開始剤系の各成分を含むことを特徴と
する、体積ホログラム記録用感光性組成物を提供する。
体および体積ホログラムの記録方法を提供する。更に本
発明は上記組成物を用いて得られたホログラムを提供す
る。
合物を併用するホログラム記録用フォトポリマー材料に
おいて、カチオン重合性化合物としてグリシジル基含有
化合物を使用する場合、該グリシジル基含有化合物は、
通常エピクロロヒドリン等の塩素含有エポキシ化合物を
用いて、以下のようなエピクロロヒドリンの付加反応工
程とアルカリ閉環によるグリシジル化工程からなる2段
反応で合成されている:
程):
表す。また、触媒としては、例えば苛性ソーダ、炭酸ナ
トリウム、三級アミン類等が使用できる。
ジル基含有化合物(I)と共に、副反応生成物として塩素
を含有したグリシジル基含有化合物(II)が生成される。
この化合物(II)が存在することで、ホログラムを太陽光
などの光にさらした場合に回折効率の低下やホログラム
自身が黄変するなどの問題が生じていた。
化合物全量に対する残存塩素量を1重量%以下にするこ
とで、高屈折率変調を有し、なおかつ耐光性に優れた体
積ホログラムを与える感光性組成物を提供できることを
見いだした。
紫外線により容易に開裂するC−Cl結合を実質的にな
くすことで、該結合の光開裂から生じるラジカル種によ
る劣化反応が抑えられるためと考えられる。
は、上記副反応生成物(II)に存在する塩素原子のみなら
ず、グリシジル基含有化合物中に存在する全ての塩素原
子をいう。
量%以下のグリシジル基含有化合物(a)は、例えばアル
コールを水酸化ナトリウムと反応させてナトリウムアル
コキシドとし、これとエピクロロヒドリンとの縮合反応
により合成することができる。この反応は、以下のよう
な反応式で表されうる。
表す。
リンの付加反応を行わずに直接エピクロロヒドリンを縮
合させるため、塩素含有量が低くなる。
ル基含有化合物(a)の具体例としては、ペンタエリスリ
トールのエチレンオキサイド付加物のナトリウムアルコ
キシドとエピクロロヒドリンとの縮合反応で得られるグ
リシジル基含有化合物、ペンタエリスリトールのプロピ
レンオキサイド付加物のナトリウムアルコキシドとエピ
クロロヒドリンとの縮合反応で得られるグリシジル基含
有化合物、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物の
ナトリウムアルコキシドとエピクロロヒドリンとの縮合
反応で得られるグリシジル基含有化合物、ソルビトール
のエチレンオキサイド付加物のナトリウムアルコキシド
とエピクロロヒドリンとの縮合反応で得られるグリシジ
ル基含有化合物等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
(b)は、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二
重結合を有するものが好ましい。またラジカル重合性化
合物(b)の平均屈折率は上記グリシジル基含有化合物(a)
のそれよりも大きいことが好ましい。化合物(b)の平均
屈折率が化合物(a)のそれ以下の場合は、屈折率変調が
不十分となり好ましくない。
は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、スチレ
ン、2−ブロモスチレン、フェニルアクリレート、2−
フェノキシエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジ
カルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、メチル
フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチ
ルアクリレート、β−アクリロキシエチルハイドロゲン
フタレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリ
レート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、
ジフェン酸(2−メタクリロキシエチル)モノエステル、
ベンジルアクリレート、2,3−ジブロムプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルア
クリレート、2−ナフチルアクリレート、N−ビニルカ
ルバゾール、2−(9−カルバゾリル)エチルアクリレー
ト、トリフェニルメチルチオアクリレート、2−(トリ
シクロ[5,2,102・6]ジブロモデシルチオ)エチルアク
リレート、S−(1−ナフチルメチル)チオアクリレー
ト、ジシクロペンタニルアクリレート、メチレンビスア
クリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ジフェン酸(2−ア
クリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒ
ドロキシ)ジエステル、2,3−ナフタリンジカルボン酸
(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル
−2−ヒドロキシ)ジエステル、4,5−フェナントレン
ジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロ
キシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、ジブロム
ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、1,3−ビス[2−アク
リロキシ−3−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)プロ
ポキシ]ベンゼン、ジエチレンジチオグリコールジアク
リレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェ
ニル)メタン、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5
−ジプロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アクリ
ロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、ビス(4−アクリロキシエトキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5
−ジブロモフェニル)スルホン、及び上記におけるアク
リレートをメタクリレートに変えた化合物、更には特開
平2−247205号公報や特開平2−261808号
公報に記載されているような分子内に少なくともS原子
を2個以上含む、エチレン性不飽和二重結合含有化合物
が挙げられ、これらの1種以上を使用してよい。
た、9,9−ジアリールフルオレン骨格を有し、かつ常
温で液状であり、分子中に少なくとも一つのエチレン性
不飽和二重結合を有するものであってもよい。これを用
いた場合、高屈折率変調が得られやすい。9,9−ジア
リールフルオレン骨格を有し、かつ常温で液状であるラ
ジカル重合性化合物は式
には、アクリロイル基またはメタクリロイル基などのラ
ジカル重合性基を有し、この基とベンゼン環は少なくと
も1つのオキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、ウレ
タン結合、アミド結合などを介して結合している。
C4)、アルコキシ基(C1〜C4)、アミノ基、ジアルキル
アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基などで
表される。
ロイル基またはメタクリロイル基がオキシエチレン鎖ま
たはオキシプロピレン鎖を介してベンゼン環と結合して
いるものが好ましい。それらの具体例としては、9,9
−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシテトラ
エトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アク
リロキシジプロポキシフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(4−アクリロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フ
ルオレン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3
−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アク
リロキシジエトキシ−3−エチルフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−
ジメチル)フルオレンおよび上記の「アクリロキシ」を
「メタクリロキシ」に変えた化合物などがある。
(c)は、ホログラム作製のための第1露光によって活性
ラジカルを生成し、その活性ラジカルが、本発明の構成
成分の1つである上記ラジカル重合性化合物(b)を重合
させるような開始剤系であればよい。そのような光ラジ
カル重合開始剤系(c)としては、例えば米国特許第4,7
66,055号、同第4,868,092号、同第4,96
5,171号、特開昭54−151024号公報、同5
8−15,503号公報、同58−29,803号公報、
同59−189,340号公報、同60−76735号
公報、特開平1−28715号公報、特願平3−556
9号及び「プロシーディングス・オブ・コンフェレンス
・オン・ラジエーション・キュアリング・エイジア」
(PROCEEDINGS OF CONFERENC
E ON RADIATION CURING ASI
A)」(P.461〜477、1988年)等に記載されて
いる公知な開始剤系が使用出来るがこの限りでない。
を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合物
や酸発生化合物を組み合わせて用いることが出来る、こ
とを意味する。光ラジカル重合開始剤系における増感剤
は可視レーザー光を吸収するために色素のような有色化
合物が用いられる場合が多いが、最終的なホログラムに
無色透明性が要求される場合(例えば、自動車等のヘッ
ドアップディスプレーとして使用する場合)の増感剤と
しては、特開昭58−29803号公報、特開平1−2
87105号公報、特願平3−5569号に記載されて
いるようなシアニン系色素の使用が好ましい。
やすいため、本発明における後露光、または室内光や太
陽光の下に数時間から数日放置することでホログラム中
の色素が分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色
透明なホログラムが得られる。シアニン系色素の具体例
としては、アンヒドロ−3,3'−ジカルボキシメチル−
9−エチル−2,2'チアカルボシアニンベタイン、アン
ヒドロ−3−カルボキシメチル−3',9−ジエチル−
2,2'チアカルボシアニンベタイン、3,3',9−トリ
エチル−2,2'−チアカルボキシアニン・ヨウ素塩、
3,9−ジエチル−3'−カルボキシメチル−2,2'−チ
アカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3',9−トリエチル
−2,2'−(4,5,4',5'−ジベンゾ)チアカルボシア
ニン・ヨウ素塩、2−[3−(3−エチル−2−ベンゾチ
アゾリデン)−1−プロペニル]−6−[2−(3−エチル
−2−ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]−3−エ
チル−1,3,5−チアジアゾリウム・ヨウ素塩、2−
[[3−アリル−4−オキソ−5−(3−n−プロピル−
5,6−ジメチル−2−ベンゾチアゾリリデン)−エチリ
デン−2−チアゾリニリデン]メチル]3−エチル−4,
5−ジフェニルチアゾリニウム・ヨウ素塩、1,1',3,
3,3',3'−ヘキサメチル−2,2'−インドトリカルボ
シアニン・ヨウ素塩、3,3'−ジエチル−2,2'−チア
トリカルボシアニン・過塩素酸塩、アンヒドロ−1−エ
チル−4−メトキシ−3'−カルボキシメチル−5'−ク
ロロ−2,2'−キノチアシアニンベタイン、アンヒドロ
−5,5'−ジフェニル−9−エチル−3,3'−ジスルホ
プロピルオキサカルボシアニンヒドロキシド・トリエチ
ルアミン塩、2−[3−(3−エチル−2−ベンゾチアゾ
リデン)−1−プロペニル]−6−[2−(3−エチル−2
−ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]−3−エチル
−1,3,5−チアジアゾリウム・ヨウ素塩が挙げられ、
これらの1種以上を使用してよい。
い活性ラジカル発生化合物としては、上記の特開昭58
−29803号公報、特開平1−287105号公報、
特願平3−5569号に記載されているようなジアリー
ルヨードニウム塩類、あるいは2,4,6−置換−1,3,
5−トリアジン類が挙げられる。高い感光性が必要なと
きは、ジアリールヨードニウム塩類の使用が特に好まし
い。上記ジアリールヨードニウム塩類の具体例として
は、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェ
ニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨー
ドニウム、4,4'−ジターシャリーブチルジフェニルヨ
ードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウム
などのクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、
ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネ
ート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメ
タンスルホン酸塩などが例示される。又2,4,6−置換
−1,3,5−トリアジン類の具体例としては、2−メチ
ル−4,6−ビス(トリクロロメチル)ー1,3,5−トリ
アジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,
5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロ
ロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−
1,3,5−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'−ナ
フチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−
トリアジンなどが例示される。
(d)は、光または熱の作用によりブレンステッド酸やル
イス酸などの開始種を発生してカチオン重合性化合物を
開始できるものである。本発明で用いられる光カチオン
重合開始剤系は、第1露光に対しては低感光性で、別の
波長の光に感光してブレンステッド酸あるいは、ルイス
酸を発生し、これらが前記のグリシジル基含有化合物
(a)を重合させるような開始剤系であればよい。本発明
においては、レーザー光またはコヒーレンス性の優れた
光の照射でラジカル重合性化合物を重合する間は常温液
状のカチオン重合性化合物がほとんど反応しないまま存
在することが好ましく、これによって従来技術よりも大
きい屈折率変調が得られると考えられる。したがって、
光カチオン重合開始剤系としては第1露光の間はカチオ
ン重合性化合物を重合させないものが特に好ましい。
「UV硬化;科学と技術(UV CURING:SCIEN
CE AND TECHNOLOGY)」(pp.23〜7
6、S.ピーター・パーパス(S.PETER PAP
PAS)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・
パブリケーション(A TECHNOLOGY MAR
KETING PUBLICATION)]及び「コメン
ツ・インオーグ.ケム.(Comments Inorg.Che
m.)」(B.クリンゲルト、M.リーディーカー及びA.
ロロフ(B.KLINGERT、M.RIEDIKER
and A.ROLOFF)、第7巻、No.3、pp109
−138(1988)]などに記載されているものが挙げ
られ、これらの1種以上を使用してよい。
ン重合開始剤系としては、ジアリールヨードニウム塩
類、トリアリールスルホニウム塩類あるいは鉄アレン錯
体類等を挙げることができる。
ルヨードニウム塩類で好ましいものとしては、前記光ラ
ジカル重合開始剤(c)で示したヨードニウムのテトラフ
ルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサ
フルオロアルセネートおよびヘキサフルオロアンチモネ
ート、トリフルオロメタンスルホン酸塩、9,10−ジ
メトキシアントラセンスルホン酸塩などが挙げられる。
トリアリールスルホニウム塩類で好ましいものとして
は、トリフェニルスルホニウム、4−ターシャリーブチ
ルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェ
ニル)スルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)ス
ルホニウム、4−チオフェニルトリフェニルスルホニウ
ムなどのスルホニウムのテトラフルオロボレート、ヘキ
サフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート
およびヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメ
タンスルホン酸塩、9,10−ジメトキシアントラセン
−2−スルホン酸塩などが挙げられる。
高分子結合剤、熱重合防止剤、シランカップリング剤、
着色剤などを併用してよい。高分子結合剤は、ホログラ
ム形成前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場
合や、レーザー光あるいはコヒーレンス性の優れた光の
照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、
安定に存在させるために使用される。高分子結合剤は、
カチオン重合性化合物やラジカル重合性組成物と相溶性
のよいものであれば良く、その具体例としては塩素化ポ
リエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタク
リレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共
重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホル
マール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、エチルセルロース、アセチルセルロースなどが挙げ
られる。高分子結合剤は、その側鎖または主鎖にカチオ
ン重合性基などの反応性を有していても良い。
成物全重量に対し、成分(a)は5〜80wt%(特に30〜
60wt%)、成分(b)は10〜80wt%(特に30〜60w
t%)、光ラジカル重合開始剤系(c)は0.3〜8wt%(特
に1〜5wt%)、およびカチオン重合開始剤系(d)は0.
3〜8wt%(特に1〜5wt%)がそれぞれ好ましい。
されてよい。例えば上述の必須成分(a)〜(d)および任意
成分をそのままもしくは必要に応じて溶媒(例えばメチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、
シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢
酸ブチル、エチレングリコールジアセテートなどのエス
テル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、
プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶
媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系
溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム
などのハロゲン系溶媒)を配合し、冷暗所にて例えば高
速撹拌機を使用して混合することにより調製できる。
は上記感光性組成物を通常の方法によりガラス板、ポリ
エチンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィル
ム、アクリル板、トリアセチルセルロースフィルム、ポ
リカーボネート板などの透明な支持体上に塗布し、必要
に応じて乾燥することにより形成することができる。塗
布量は適宜選択されるが、例えば乾燥塗布量が1g/m2
〜50g/m2であってよい。
してポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレ
ンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセ
ルロースフィルム、ポリカーボネート板、ガラス板、ア
クリル板などを設けて使用される。このように中間層が
本発明組成物による記録層である3層体を作製する別の
方法として、例えば、どちらか一方に剥離しやすい処理
が施されている2つのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの間に記録層を形成しておき、使用時に片方のフィ
ルムを剥離してその面を適当な支持体上にラミネートし
てもよい。また例えば2枚のガラス板の間に本発明組成
物を注入することもできる。
光やコヒーレンス性の優れた光(例えば波長300〜1
200nm)による通常のホログラフィー露光装置による
干渉縞によってその内部に干渉縞が記録される。本発明
の組成物の場合、この段階で、記録された干渉縞による
回折光が得られホログラムとすることができる。しかし
この段階では未反応の重合性化合物が感光層に残存して
いるため、ホログラムの皮膜強度が得られない場合もあ
る。これらの感光層中に残存している未反応成分を重合
させるために加熱処理をするか、あるいは後露光として
キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ、ハロゲンランプなどの光をホログラムに全
面露光することにより皮膜強度に優れたホログラムが得
られる。なお、後露光の前または後に記録層を熱や赤外
線で処理することで回折効率、回折光のピーク波長、半
値幅などを変化させることもできる。
折格子、干渉フィルター、ヘッドアップディスプレー装
置、一般的な三次元ディスプレー、光フアイバー用結合
器、ファクシミリ用光偏光器、IDカードなどのメモリ
ー材料、建築用窓ガラス、広告宣伝媒体などに使用でき
る。
するが、本発明は、これに限定されるものではない。後
述の各実施例及び比較例で示される感光性組成物を用い
て、以下の方法で試験板を作成し、露光して各ホログラ
ムを得、この物性評価を以下の方法で行った。
剤(系)成分(c)と光カチオン重合開始剤(系)成分(d)を溶
媒に溶解または分散した後、成分(a)、成分(b)および高
分子結合剤などのその他の成分を加えて撹拌し、ろ過を
経て感光液を得た。この感光液をアプリケーターを使用
して16cm×16cmのガラス板上に塗布し、90℃で5
分間乾燥させた。さらに、その上に厚さ80μmのポリ
エチレンフィルム(東燃化学(株)LUPIC LI)をラ
ミネート用ローラーを使用してラミネートし、この板を
3〜4cm角に分割して試験板とした。
ーザーの514.5nm光を用いて行った。反射型ホログ
ラムの記録方法の概略図を図1に示す。試験板面におけ
る1つの光束の光強度はすべて1.0mW/cm2とし、露光
は30秒間行った。第1露光終了後、後露光として、高
圧水銀灯(日本電池(株)製、実験用紫外線照射装置、F
L−1001−2)の光をポリエチレンフィルム側から
1分間照射した。
(株)島津製作所製自記分光光度計UV−2100と付属
の積分球反射装置ISR−260によるホログラムの反
射率測定から求めた。
(株)製超促進耐候試験機アイ・スーパーUVテスターW
タイプを使用して、ホログラムの試験板に波長が295nm
〜450nmの紫外線を60時間、連続照射したときのホロ
グラムの試験板の回折効率の変化、回折ピーク波長の変
化、黄変を調べた。
YIの変化により評価し、黄色度YIはスガ試験機(株)
のカラーコンピューターSM4-CH型を使用して、JIS−
K7103記載の透過測定法により測定した。
物を調製し、前記の方法で各ホログラムを作成し、前記
のようにして評価をおこなった。
化合物に低塩素化エポキシ化合物(a)を使用した感光性
組成物を用いてホログラムを作製し、耐光性試験を行っ
た例を示す。ラジカル重合性化合物には、A-BPHEを使用
し、光ラジカル重合開始剤系には、DYE−1とDPI
・CF3SO3の組み合わせを用いた。光カチオン重合開
始剤系(d)にはTPS・SbF6を用いた。
成物の組成とホログラムの評価結果を示す。また表2に
実施例1〜3の耐光性試験の結果を示す。
光性試験における回折効率、回折ピーク波長および黄色
度の変化が少ない、反射型ホログラムが得られた。
対する比較例であり、成分(a)の代わりに塩素を含有す
るエポキシ化合物を使用した場合、耐光性試験の結果が
実施例1〜3より劣ることを示す例である。
光性組成物の組成とホログラムの評価結果を示す。また
表4に比較例1〜3の耐光性試験結果を示す。
3および表1〜表4において表記された化合物の略称は
以下の通りである。
オキサイドを4モル付加したグリシジルエーテル 1分子あたりのグリシジル基数=約3 全塩素量=0.11重量%、エポキシ当量=179g/e
q ・CAT−2・・・ペンタエリスリトールにプロピレン
オキサイドを4モル付加したグリシジルエーテル 1分子あたりのグリシジル基数=約2.1 全塩素量=0.17重量%、エポキシ当量=233g/e
q ・CAT−3・・・グリセリンにプロピレンオキサイド
を5モル付加したグリシジルエーテル 1分子あたりのグリシジル基数=約2.3 全塩素量=0.11重量%、エポキシ当量=225g/e
q
ルポリグリシジルエーテル 「ナガセ化成工業、デナコールEX−411」 全塩素量=17重量%、エポキシ当量=231g/eq ・CAT−2C・・・グリセロールポリグリシジルエー
テル 「ナガセ化成工業、デナコールEX−314」 全塩素量=11.5重量%、エポキシ当量=145g/e
q ・CAT−3C・・・ソルビトールポリグリシジルエー
テル 「ナガセ化成工業、デナコールEX−614B」 全塩素量=10.5重量%、エポキシ当量=180g/e
q
クリロキシジエトキシフェニル)フルオレン
メチル−2,2'−チアカルボシアニン、ヨウ素塩 ・DPI・TF・・・ジフェニルヨードニウム・トリフ
ルオロメタンスルホン酸塩
ルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート系化合
物、商品名UVI−6974
ート/アクリル酸の共重合体(共重合比=45/49/
6) ・MIBK・・・メチルイソブチルケトン ・BuOH・・・n−ブチルアルコール
屈折率変調を有し、なおかつ耐光性に優れた体積ホログ
ラムを作成することができる。また該組成物を使用して
作成された体積ホログラムは、屋外使用にも充分耐え得
る。
法の概略図を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 レーザー光またはコヒーレンス性の優れ
た光の干渉によって生じる干渉縞を屈折率の異なる縞と
して記録するのに使用される体積ホログラム記録用感光
性組成物に於いて、該組成物が、(a)残存塩素含有量が
1重量%以下のグリシジル基含有化合物、(b)ラジカル
重合性化合物、(c)上記のレーザー光またはコヒーレン
ス性の優れた光に感光して成分(b)を重合させる光ラジ
カル重合開始剤系、および(d)カチオン重合開始剤系の
各成分を含むことを特徴とする、体積ホログラム記録用
感光性組成物。 - 【請求項2】 成分(a)の平均屈折率が成分(b)のそれよ
り低い請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 高分子結合剤をさらに含有する請求項1
記載の組成物。 - 【請求項4】 同一または異なる2つの透明な支持体の
間に請求項1の組成物からなる記録層を有する体積ホロ
グラムの記録媒体。 - 【請求項5】 請求項4の記録媒体にレーザー光または
コヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞
を露光し、続いて該記録媒体に紫外および/または可視
域の光を全面露光する体積ホログラムの記録方法。 - 【請求項6】 請求項4の記録媒体にレーザー光または
コヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞
を露光し、続いて該記録媒体を加熱処理する体積ホログ
ラムの記録方法。 - 【請求項7】 請求項4の記録媒体にレーザー光または
コヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞
を露光し、続いて該記録媒体への紫外および/または可
視域の光の全面露光と加熱処理を同時または逐次に行う
体積ホログラムの記録方法。 - 【請求項8】 紫外および/または可視域の光の全面露
光工程で発生する熱を利用して加熱処理を行う請求項7
の記録方法。 - 【請求項9】 請求項5から8のいずれかに記載の記録
方法で作成された体積ホログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23896794A JP3482256B2 (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP23896794A JP3482256B2 (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08101627A JPH08101627A (ja) | 1996-04-16 |
JP3482256B2 true JP3482256B2 (ja) | 2003-12-22 |
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JP23896794A Expired - Lifetime JP3482256B2 (ja) | 1994-10-03 | 1994-10-03 | 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法 |
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JP (1) | JP3482256B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP4461901B2 (ja) | 2004-05-11 | 2010-05-12 | Tdk株式会社 | ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 |
-
1994
- 1994-10-03 JP JP23896794A patent/JP3482256B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08101627A (ja) | 1996-04-16 |
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