JPH0816076A - ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法 - Google Patents

ホログラム感光性記録材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法

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JPH0816076A
JPH0816076A JP14824494A JP14824494A JPH0816076A JP H0816076 A JPH0816076 A JP H0816076A JP 14824494 A JP14824494 A JP 14824494A JP 14824494 A JP14824494 A JP 14824494A JP H0816076 A JPH0816076 A JP H0816076A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】化学的安定性、耐環境性、解像度、回折効率、
透明性、再生波長再現性に優れたホログラム感光性記録
材料およびホログラム感光性記録媒体並びにそれを用い
たホログラム製造方法を提供する。 【構成】溶媒可溶性でカチオン重合可能な二種類のエポ
キシオリゴマーを混合してなり、常温、常圧で液体であ
り、かつ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル重合
可能なエチレン性不飽和結合を有する脂肪族モノマー
と、化学作用放射線に露光するとラジカル重合およびカ
チオン重合を活性化するようなラジカル種およびブレン
スッテド酸またはルイス酸を同時に発生する光開始剤
と、増感色素とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体積位相型ホログラム
形成に用いられるホログラム感光性記録材料及びホログ
ラム記録用媒体並びにそれを用いたホログラム製造方法
にかかり、可視光、とくにアルゴンレーザ光、或いは電
子線に対して高感度で、さらに耐候性及び保存安定性に
優れ、かつ解像度、回折効率、透明性などのホログラム
特性値が良好なホログラム感光性記録材料及びホログラ
ム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ホログラムは三次元立体像の再生
が可能であることから、その優れた意匠性、装飾効果か
ら書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギ
フトなどに利用されている。またホログラムはサブミク
ロン単位での情報の記録と等価であるといえることから
有価証券、クレジットカードなどの偽造防止用のマーク
などにも利用されている。
【0003】とくに体積位相型ホログラムは、ホログラ
ム記録媒体中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる空間
的な干渉縞を形成することによって、像を通過する光ビ
ームを吸収することなく位相を変調することができるた
め、近年においては、ディスプレイ用途の他に、自動車
搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)に代表さ
れるホログラム光学素子(HOE)への応用が期待され
ている。
【0004】ところで体積位相型ホログラム記録材料
は、可視発振波長を持つレーザ光に高感度で感光し、し
かも高い解像性を示すことが要求されている。また、実
際にホログラムの形成に使用するに当たり、ホログラム
の回折効率、再生光の波長再現性やバンド幅(再生光ピ
ークの半値幅)等の特性がその目的に合うことが要求さ
れる。とくにHOE用のホログラム記録材料には、回折
効率が空間周波数5000〜6000本/mmで90%
以上、再生光のピークの半値幅(バンド幅)が20〜3
0nm、再生波長のピーク波長は、撮影波長から5nm
以内であることが望ましく、さらに、長期にわたって保
存安定性に優れていることも必要とされている。
【0005】ホログラム作製に関する一般的原理は、い
くつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックデ
ィスプレイ」(辻内順平編;産業図書)2章に記載され
ている。これらによれば、二光束のコヒーレントな一般
には、レーザ光の一方を記録対象物に照射し、それから
の全反射光を受け取れる位置に感光性の記録媒体、例え
ば写真用乾板が置かれる。記録媒体には、対象物からの
反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物
に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を対
象光、また直接媒体に照射される光を参照光といい、参
照光と対象光との干渉縞が画像情報として記録される。
次に、処理された記録媒体が光に曝され、適切な目の位
置で観測されると、照明光源からの光は、記録の際に対
象物から記録媒体に最初に到達した反射光の波面を再現
するようにホログラムによって回折され、その結果、対
象物の実像と似た物体像が三次元的に観測される。参照
光と対象光を同じ方向から記録媒体に入射させて形成さ
れるホログラムは透過型ホログラムとして知られてい
る。一方、互いに記録媒体の反対側から入射させて形成
したホログラムは、一般に反射型ホログラムとして知ら
れている。透過型ホログラムは、例えば米国特許第35
06327号公報、米国特許第3894787号公報な
どで開示されているような公知の方法によって得ること
ができる。また、反射型ホログラムは、例えば米国特許
第3532406号公報に開示された公知の方法で作製
できる。
【0006】像として形成されたホログラムを比較する
値としては屈折率変調がある。これは、記録媒体に直接
的に二光束が媒体となす角度が同じにようにして照射
し、回折格子を作製した時、その回折格子によって回折
される入射光の割合すなわち回折効率並びに記録媒体の
厚さより特定される値である。屈折率変調は、体積型ホ
ログラムの露光部および未露光部、すなわち光が干渉し
て強め合う部分と弱め合う部分で生じる屈折率の変化の
定量的尺度であり、コーゲルニック(H. Kogelnik)の理
論式〔Bell.Syst.Tech.J.,48,2
909,(1969).〕によって求めることができ
る。一般に、反射位相型ホログラムは透過型ホログラム
に比べて解像度が高い、すなわち1mm当たりに形成さ
れる干渉縞の数が多いために記録が困難であり、高い屈
折率変調を得ることが難しい。
【0007】このような体積位相型ホログラムの記録材
料としては、従来、漂白処理銀塩および重クロム酸ゼラ
チン系の感光材料が一般に使用されてきた。この重クロ
ム酸ゼラチン系の感光材料は、その高い回折効率と低ノ
イズ特性によって、体積位相型ホログラムを記録するの
に最も広く用いられる材料である。しかし、この感光材
料は貯蔵寿命が短く、作製の度に調製しなければならな
い。また、湿式現像を行うため、ホログラム作製の際に
必要となるゼラチンの膨潤および収縮過程においてホロ
グラムの変形を生じる。このため、ホログラムの再現性
が悪いという問題点も有している。また、銀塩感材は、
記録後に煩雑な処理を必要とし、安定性および作業性の
観点から満足できる感光材料ではない。さらに、これら
の上記の感光材料は、何れも耐環境特性、例えば耐湿
性、耐候性に劣るという問題点を有していた。
【0008】これに対して、耐環境特性に優れ、かつ、
高解像度、高回折効率などのホログラム記録材料の有す
べき特性を備えた材料として、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾールを用いたホログラム記録材料があげられる。例え
ば、架橋剤として環状シス−α−ジカルボニル化合物と
増感剤からなるホログラム記録材料(特開昭60−45
283号公報)、1,4,4,5,6,7,7−ヘキサ
クロロ−5−ノルボルネン−無水−2,3−ジカルボン
酸と色素からなるホログラム記録材料(特開昭60−2
27280号公報)、2,3−ボルナンジオンとチオフ
ラビンからなるホログラム記録材料(特開昭60−26
0080号公報)、チオフラビンTとヨードホルムから
なるホログラム(特開昭62−123489号公報)等
が提案されている。ところがこれらのホログラム記録材
料は、やはり湿式現像を必要とするため、煩雑な処理工
程を必要とし、再現性に劣るという問題点を有し、また
ポリ−N−ビニルカルバゾールを主剤とした感光材料で
あるため、化学的安定でかつ高解像度、耐環境特性に優
れているものの、ポリ−N−ビニルカルバゾールは結晶
化して非常に白化しやすく、透明性の再現性がわるく、
また溶剤も限られてしまうという問題を有している。加
えて、感度特性において、なお一層の向上が望まれてい
る。
【0009】また高感度で光硬化出来る材料として、光
重合開始剤の構成成分である、3−ケトクマリン類とジ
アリールヨードニウム塩との組み合わせで用いる光硬化
樹脂組成物(特開昭60−88005号公報)、さら
に、該光重合開始剤と担持重合体としてポリメチルメタ
クリレートとを組み合わせたホログラム記録材料(特開
平4−31590号公報)が提案されており、化学的に
安定でかつ高解像度、高感度を有しているものの、湿式
処理により空隙を形成させるため、再生波長のピーク波
長のばらつきやピーク波長の半値幅の拡大、また、現像
の際、膨潤溶媒に胆持ポリマーが若干溶解するため、現
像むらが起き易いという問題を有し、さらにホログラム
中に空隙が多数存在することから、耐熱性及び耐熱圧性
に劣るという問題点を有している。
【0010】かかる問題に対して、湿式処理を伴わない
1回の処理工程でホログラムの作製が可能な光重合型感
光材料が、米国特許第3993485号公報および米国
特許第3658526号公報に開示されている。前者は
2つのタイプの感光材料があり、第1の例としては、反
応性および屈折率のことなる2つの重合可能な不飽和エ
チレン性モノマーと光重合開始剤の組み合わせ、例えば
シクロヘキシルメタクリレート、N−ビニルカルバゾー
ルおよびベンゾインメチルエーテルからなり、これを2
枚のガラス板に狭持し、二光束光学系で露光することに
よってホログラム記録できる感光性樹脂組成物である。
また、第2の例としては、同程度の屈折率を持つ重合可
能な不飽和エチレン性モノマーとそれが重合する際に架
橋剤として働く不飽和エチレン性モノマー、および2つ
のモノマーと屈折率を異にする非反応性化合物と重合開
始剤の4成分、例えばブチルメタクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1−フェニルナフタレン
およびベンゾインメチルエーテルからなり、第1の例と
同様にしてホログラムを作製することができる感光性樹
脂組成物である。何れの感光性樹脂組成物を用いても、
二光束によってできる干渉縞の光強度が強くなる部分で
より反応性の高いモノマーの重合が進むと共に、モノマ
ーの濃度勾配が生じ、反応性の高いモノマーは光強度の
強い部分に、また反応性の低いモノマーあるいは非反応
性化合物は光強度の弱い部分に拡散する。このようにし
て干渉縞が屈折率の差で記録され、体積位相型ホログラ
ムが形成される。
【0011】しかしながら、従来のこのようなホログラ
ム記録用感光性樹脂組成物にあっては、次のような問題
点がある。すなわち、第1の例で示されたものは、反応
性の低いモノマーもある程度の重合が起こり、高い屈折
率変調が得られない。第2の例では、非反応性化合物で
ある1−フェニルナフタレンがホログラム完成後も、低
分子量の化合物として系内に存在するため、保存安定性
がない。また何れの例においても低分子量の混合物で粘
度が低いため、基板に挟持しにくいことや厚膜を形成し
にくいことなど、作業性および再現性に多くの問題を有
する。
【0012】後者の米国特許第3658526号公報に
は、ポリマーマトリックス中に液体モノマーおよび光重
合可能なエチレン性モノマーおよび光重合開始剤を配合
したホログラム記録材料からなる安定なホログラムの製
造方法が開示され、化学作用放射線の1回露光によっ
て、永久的な体積位相型ホログラムが得られる。形成さ
れるホログラムは、引き続く化学作用放射線の全面照射
によって、定着される。ここで開示されたホログラム記
録材料は作業性や再現性などの点で多くの利点を与えよ
うとするものであるが、その回折効率は低い。このホロ
グラム記録材料においては、完成したホログラムの屈折
率変調は、0.001から0.003の範囲である。そ
の結果、形成されたホログラムの再生像は限られた輝度
しか持たない。ホログラム記録層を厚くすることによっ
てある程度の輝度を持たせることも可能ではあるが、こ
の解決方法は、製造者に対して多量のホログラム記録材
料を使用させる結果になると共に、ある媒体、例えば車
載用のヘッドアップディスプレイなどのような合わせガ
ラス中に固定させて用いる場合などに支障をきたす。ま
た、これによって形成されたホログラムは、一般に長時
間保存によって回折効率の低下が起こることも留意され
るべきである。
【0013】この米国特許第3658526号公報に開
示されたホログラム記録材料の製造法も含めた改良技術
として、米国特許第4942112号公報および米国特
許第5098803、また特開平2−3081号公報お
よび特開平2−3082号公報に開示されている。これ
らには熱可塑性樹脂、重合可能な不飽和エチレン性モノ
マーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を
向上させるために熱可塑性樹脂または重合可能な不飽和
エチレン性モノマーのどちらか一方に芳香環を有する化
合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしている。しか
しながら、米国特許第3658526号公報開示されて
いるものと同様に、高分子量の樹脂をバインダーマトリ
クッスとして使用しているため、露光時のモノマーの拡
散性が制限され、多くの露光量が必要となると共に高い
回折効率を得ることができない。また、この点を改善す
るために、非反応性の可塑剤を添加しているが、この使
用によって、形成されたホログラムの被膜強度に問題点
を有すると共に、非反応性である可塑剤がホログラム完
成後も、低分子量の化合物として系内に存在し、保存安
定性がない。これに加えて、これを保持する担体が熱可
塑性樹脂であるため、耐熱性に劣る欠点を有している。
【0014】これに対して上記欠点の改良技術である特
開平5−107999号公報によれば、上記特許におけ
る可塑剤の代わりにカチオン重合性モノマーおよびカチ
オン重合開始剤を配合し、ホログラム形成後に非反応性
の可塑剤の残留による問題点は解決される。
【0015】しかしながら、ホログラム形成後に定着の
ためにかなりの光照射を必要とすると共に、定着の際に
低分子量のカチオン重合性モノマーが拡散するために、
形成されたホログラムに歪が生じ、高い回折効率を得る
ことができない。また、従来技術と同様に、これを保持
する担体が熱可塑性樹脂であるため、耐熱性に劣る欠点
を有している。さらに、保持するための担体として、熱
可塑性樹脂を用いない系では、粘度が低いため基板に挟
持しにくいことや厚膜を形成しにくいことなど、作業性
および再現性に多くの問題を有している。
【0016】さらに、エポキシ樹脂とラジカル重合性不
飽和エチレン性モノマーおよび光ラジカル重合剤からな
るホログラム記録用感光性樹脂組成物が特開平5−94
014に開示されている。実施例を見る限り2種類のエ
ポキシ樹脂が使用されているが、紫外線硬化性エポキシ
樹脂を用いた場合には、ラジカル重合およびカチオン重
合を別々の波長域の光で行うなどの煩雑な作業を要する
と共に、モノマーの拡散性を調製するために、前露光に
よって粘度を上げるなどの微調整を必要とし、作業性お
よび再現性が困難である。また、熱硬化性エポキシ樹脂
および硬化剤を用いた場合には、定着のためのエポキシ
樹脂の硬化にかなりの紫外線硬化と加熱時間を要するた
め、作業性が非常に悪い。加えて、ここで開示された改
良技術においては高い回折効率を得ることができない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、湿式
処理を伴わない1回の処理工程でホログラムの作製が可
能な光重合型感光材料においては、屈折率変調を得るた
めのモノマーの重合性或いは分散性の問題、またモノマ
ーを担持する担体及び非反応性添加剤の添加による保存
安定性の問題等を有しており、さらにはホログラム作製
の作業性、得られるホログラムの回折効率、透明性、再
現性などのホログラム特性に優れたホログラム感光性記
録材料及びホログラム記録用媒体を得ることができず、
依然としてホログラム記録のための改良された光重合性
組成物が求められており、とくにそれを用いる光学素子
については当然と言える。そこで、本発明は化学的安定
性、例えば耐環境性、特に耐熱性に優れ、しかも乾式処
理により、高解像度、高回折効率、高透明性、再生波長
再現性に優れたホログラム感光性記録材料及びホログラ
ム感光性記録媒体並びにそれを用いたホログラム製造方
法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべくなされたものであり、請求項1記載の発明は、
(A)一般式(I)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、nは整数を示す。)で示され、溶
媒可溶性、カチオン重合可能なエポキシ当量が800以
上で、かつ融点が50℃以上である熱硬化性ビスフェノ
ールA型エポキシオリゴマーと、(B)溶媒可溶性、カ
チオン重合可能なエポキシ当量が1000以下で、かつ
(A)よりも高い屈折率を有する熱硬化性エポキシオリ
ゴマーと、(C)常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点
が100℃以上であるラジカル重合可能なエチレン性不
飽和結合を少なくとも1個以上有する脂肪族モノマー
と、(D)化学作用放射線に露光するとラジカル重合お
よびカチオン重合を活性化するラジカル種およびブレン
スッテド酸またはルイス酸を同時に発生する光開始剤
と、(E)光開始剤を増感せしめる増感色素からなるこ
とを特徴とするホログラム感光性記録材料である。
【0021】請求項2記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、熱硬化性ビスフェノール
A型エポキシオリゴマー(A)100重量部に対して熱
硬化性エポキシオリゴマー(B)を1から200重量
部、熱硬化性エポキシオリゴマー(A)及び(B)全重
量部に対して脂肪族モノマー(B)を10から90重量
部を混合してなることを特徴とする。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、エポキシオリゴマー
(B)が臭素化ビスフェノールA型エポキシオリゴマー
であることを特徴とする。
【0023】請求項4記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、エポキシオリゴマー
(B)が臭素化ノボラック型エポキシオリゴマーである
ことを特徴とする。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、エポキシオリゴマー
(B)が、一般式(II)で示されるジフェニルスルホン
を含むことを特徴とする請求項1記載のホログラム感光
性記録材料。
【0025】
【化7】 (式中、nは0〜5を示す。)
【0026】請求項6記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、エポキシオリゴマー
(B)が、一般式 (III)または(IV)で示される化合物で
あることを特徴とする請求項1記載のホログラム感光性
記録材料。
【0027】
【化8】 (式中、R1 、R2 は、アルキル基、水素原子または芳
香族であり、その一方は必ず芳香族であることを示
す。)
【0028】
【化9】 (式中、Xは、芳香族環を含む二価の化合物であること
を示す。)
【0029】請求項7記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、脂肪族モノマー(C)
が、一般式(V)で示されるポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートまたはポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレートであることを特徴とするホログ
ラム感光性記録材料である。
【0030】
【化10】 (式中、R3 〜R5 は、水素またはメチル基であり、
m、nは0以上で、m+n=1〜20である。)
【0031】請求項8記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、光開始剤(C)がジフェ
ニルヨードニウム塩であることを特徴とする。
【0032】請求項9記載の発明は、請求項1のホログ
ラム感光性記録材料において、増感色素(D)がシアニ
ンまたはメロシアニン系染料、クマリン系染料、カルコ
ン系染料、ポルフィリン系染料から選ばれた有機染料化
合物であることを特徴とする。
【0033】請求項10記載の発明は、請求項1乃至9
記載のホログラム感光性記録材料を溶媒に溶解して調製
した感光液を基板上に塗布、乾燥してなる感光層と、酸
素遮断膜とを設けてなることを特徴とするホログラム感
光性記録媒体である。
【0034】請求項11記載の発明は、請求項10記載
のホログラム感光性記録媒体の感光層に対して、ホログ
ラフィックな露光を施し潜像を形成した後、唯一の処理
工程として60〜120℃の範囲で、1〜30分間の加
熱処理をすることによりホログラムを製造することを特
徴とするホログラム製造方法である。
【0035】なお、本発明で高い屈折率変調によって明
るいホログラムを得る唯一の製造方法は、適当なホログ
ラフィック露光を施して潜像を形成した後、60℃から
120℃で加熱処理することで達成される。加熱処理前
に紫外線やその他の化学作用放射線によって露光すると
エポキシの加熱硬化による回折効率の向上は見られなく
なる。また、加熱処理によって唯一高い屈折率変調を得
るため、ホログラフィック露光時には、米国特許365
8526号公報に開示されている程度の屈折率変調でも
十分であり、必ずしも米国特許4942112号公報お
よび米国特許5098803号公報、また特開平2−3
081号公報および特開平2−3082号公報に記載さ
れているような高い屈折率変調を必要としない。また、
これらの先行技術の製造方法は、唯一の処理工程として
化学作用放射線に露光すること、さらにホログラムの屈
折率調節を全面露光に続く加熱による工程で行うことが
明記されていることから、本発明の材料の場合の屈折率
変調および高い回折効率が得られる作用は、これらの先
行技術と区別される。また、本発明のホログラム用感光
性記録材料を用いた場合、特開平5−94014号公報
で示されている組成比および製造方法では、明るいホロ
グラムが全く得られないことから、この先行技術とも区
別されるものである。
【0036】
【作用】本発明のホログラム感光性記録材料によるホロ
グラム記録では、ラジカル重合可能な脂肪族モノマー
(C)は、溶媒可溶性でカチオン重合可能なエポキシ当
量が800以上の熱硬化性ビスフェノールA型エポキシ
オリゴマー(A)と溶媒可溶性でカチオン重合可能なエ
ポキシ当量が1000以下で、かつ(A)よりも高い屈
折率を有する熱硬化性エポキシオリゴマー(B)とから
なる固相中に均一に分布しており、この記録材料にレー
ザ干渉光を照射することにより、レーザ照射部位中の光
干渉作用の強い部位において、光開始剤(D)が増感剤
(E)の作用により、ラジカル重合およびカチオン重合
を活性化するようなラジカル種およびブレンスッテド酸
またはルイス酸を同時に発生する。ここで発生したラジ
カル種によって、モノマー(C)が重合しポリマー化す
るに伴い、その濃度差が生じるため、周囲からモノマー
(C)が拡散移動する。すなわちレーザ照射部位中の光
干渉作用の強い部位においてはモノマー濃度が高くな
り、レーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位において
は低くなる。また、エポキシオリゴマー(A)及び
(B)はレーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位に押
し出され、その部分での濃度が高くなると共に、レーザ
照射部位中光干渉作用の強い部位での濃度は低下する。
これにより、両部位において屈折率差を生じるため、ホ
ログラムの潜像が記録されるものと推定される。さら
に、ホログラム露光後の加熱により、残留したモノマー
が重合により固定されると共に、ラジカル種と同時に発
生した強酸によって脂肪族モノマー(C)の重合により
生じた濃度差から形成される干渉縞の周りにある支持体
であるエポキシオリゴマー(A)及び(B)がカチオン
重合により架橋構造となり屈折率が高くなり、屈折率変
調が増強される。また、この架橋によって耐候性も向上
する。
【0037】とくに熱硬化性ビスフェノールA型エポキ
シオリゴマー(A)と熱硬化性エポキシオリゴマー
(B)とを混合してなることで高い屈折率変調が得られ
る。これにより明るいホログラムとなる。
【0038】さらに本発明のホログラム感光性記録材料
は、従来のホログラム記録材料よりも、再生光のピーク
波長ならびにそのバンド幅の再現性が優れており、さら
に耐環境特性も優れていることから、ホログラム光学素
子への応用が可能となる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。図1は本発
明のホログラム感光性記録材料からなるホログラム感光
性記録媒体の構成を説明する概略図であり、図2はホロ
グラム撮影用の二光束光学系を説明する概略説明図であ
る。
【0040】本発明のホログラム感光性記録材料を構成
する成分(A)の下記化学式(I)に示す溶媒可溶でカ
チオン重合可能なエポキシ当量が800以上であり、か
つデュランス水銀法により測定される融点が50℃以上
である熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリゴマー
としては、油化シェルエポキシ社製のエピコート105
5、1004、1007、1009、1010、110
0Lおよび1255HX、また日本チバ・ガイギー社製
のアラルダイト7097、6084、6097、609
9,およびXAC5010、さらにダウケミカル日本社
製のD.E.R.664、667、668および669
など(何れも商品名)が挙げられるが、これらに限定さ
れることなく、上記の特性を有するものであれば用いる
ことができる。
【0041】
【化11】 (式中、n=1〜20である。)
【0042】とくに熱硬化性ビスフェノールA型エポキ
シオリゴマー(A)のエポキシ当量は800以上が好ま
しく、これよりも小さいと感光液を調製する際に、一定
の粘度を得るために要する熱硬化性エポキシオリゴマー
(A)の量が増加するために不経済であると共に、低分
子であることに起因して、定着時に熱硬化性エポキシオ
リゴマーがある程度移動するため、明るいホログラムが
得られない傾向がある。また、デュランス水銀法により
測定される融点が50℃を下回ると、ガラス板や各種フ
ィルムなどの支持体に膜形成した際の保存安定性に問題
を生じる。
【0043】また成分(B)の溶媒可溶性でカチオン重
合可能なエポキシ当量が1000以下で、かつ熱硬化性
ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(A)よりも高
い屈折率を有する熱硬化性エポキシオリゴマーとして
は、日本チバ・ガイギー社製のアラルダイトXAC50
10、XAC8100、XAC8101、XAC801
1LA、8024LAおよび8049SP、また日本化
薬社製のBORC、BR−250、EBPS−200お
よびBREN−S等のBRENシリーズ、さらに新日鐵
化学社製のESF−300など(何れも商品名)が挙げ
られ、この他にエポキシオリゴマーの一般的な合成法に
より得ることができる。例えば「高分子合成の実験法」
(大津隆行、木下雅悦共著;化学同人)12章に記載さ
れる方法により、相当するフェノール化合物とエピクロ
ロヒドリンとから合成される、具体例として挙げる下記
一般式(II)、(III)、(IV)で示される化合物も用いる
ことができる。さらにこれらに限定されることなく、上
記の特性を有するものであれば、用いることができる。
【0044】
【化12】
【0045】(式中、nは0〜5を示す。)
【化13】 (式中、R1 、R2 は、アルキル基、水素原子または芳
香族であり、その一方は必ず芳香族であることを示
す。)
【0046】
【化14】 (式中、Xは、芳香族環を含む二価の化合物であること
を示す。)
【0047】なお、本発明では熱硬化性ビスフェノール
A型エポキシオリゴマー(A)に熱硬化性エポキシオリ
ゴマー(B)を所定量混合することにより高い屈折率変
調が得られるが、混合する各々のエポキシオリゴマーは
2種類以上用いることも可能である。
【0048】次に成分(C)のラジカル重合可能な脂肪
族モノマーとしては、構造単位中にエチレン性の不飽和
結合を少なくとも1個以上含むものであり、1官能であ
るビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むも
のであり、またこれらの混合物であってもよい。具体的
には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の高沸点
ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物、例えば、エチレングルコール、ジエチレングルコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニト
ールなどのジあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル
類、ジシクロペンタニルアクリレート、ジメチロールト
リシクロデカンジアクリレートなどの脂環式モノマー等
が挙げられるが、好ましくは、下記の一般式(V)で示
されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
またはポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
トを挙げることができる。
【0049】
【化15】 (式中、R3 〜R5 は水素またはメチル基であり、m、
nは0以上で、m+n=1〜20を示す。)
【0050】本発明の成分(D)化学作用放射線に露光
するとラジカル重合とカチオン重合を活性化する光開始
剤系としては、ジフェニルヨードニウム塩などが好まし
く有機染料化合物で増感することも可能である。本発明
で用いられるジフェニルヨードニウム塩のとしては、M
acromolecules、10、1307(197
7).に記載される化合物、例えば、ジフェニルヨード
ニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシ
ル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨード
ニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウ
ム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨ
ードニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化
塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロ
アルセネート塩等のヨードニウム塩、トリアリールスル
ホニム塩、トリアリールホスホニウム塩、鉄アレーン錯
体、トリアジン化合物等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。なお、以下に述べる有機
染料化合物等の増感剤と組み合わせて用いることができ
る。
【0051】さらに、本発明の増感色素(E)として
は、シアニンまたはメロシアニン系染料、クマリン系染
料、カルコン系染料、ポルフィリン系染料などの有機染
料化合物が使用できる。具体的な例を以下の述べる。
【0052】シアニンまたはメロシアニン系染料の例と
しては、フルオレセン、ローダミン、2’7’−ジクロ
ロフルオレセン、3,3’−ジカルボキシエチル−2,
2’−チオシアニン ブロミド、アンヒドロ−3,3’
−ジカルボキシメチル−2,2’−チオシアニン ベタ
イン、1−カルボキシメチル−1’−カルボキシエチル
−2,2’キノシアニン ブロミド、アンヒドロ−3,
3’−ジカルボキシエチル−5,5’,9−トリメチル
−2,2’−チアカルボシアニン ベタイン、3,3’
−ジヒドロキシエチル−5,5’ジメチル−9−エチル
−2,2’−チアカルボシアニン ブロミド、アンヒド
ロ−3,3’−ジカルボキシメチル−2,2’−チアカ
ルボシアニン ベタイン、2−[3−エチル−4−オキ
ソ−5−(1−エチル−4−キノリニデン)−エチリデ
ン−2−チアゾリニデン−メチル]−3−エチルゼンゾ
キサゾリウム ブロミド、3−エチル−5−[2−(3
−エチル−2−ベンゾチアゾリリデン)−エチリデン]
ロ−ダニン、3−エチル−5−[2−(3−メチル−2
(3H)−チアゾリニリデン)−エチリデン]−2−チ
オ−2,4−オキサザリジオン、3−エチル−5−(3
−エチル−ゼンゾチアゾリリデン) ローダニン、2−
(p−ジメチルアミノスチリル)−3−エチル, ベンゾ
チアゾリウム ヨージド、2−(p−ジエチルアミノス
チリル)−1−エチル ピリジニウム ヨージド、1,
3’−ジエチル−2,2’−キノチアシアニン ヨージ
ドなどの使用が好ましいが、これらに限定されるもので
はない。
【0053】クマリン系染料の例としては、3−(2’
−ベンズイミダゾール)7−N,N−ジエチルアミノク
マリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミ
ノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマリン、
3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、
3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリ
ン)、3,3’−カルボニルビス(6−メトキシクマリ
ン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマ
リン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジイソプ
ロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(5、
7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3、3’−カルボ
ニルビス(5,7−ジ−n−ブトキシクマリン)、3,
3’−カルボニルビス(7−ジメチルアミノクマリ
ン)、7−ジエチルアミノ−5’,7’ジメトキシ−
3,3’−カルボニルビスクマリン、3−ベンゾイルク
マリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリ
ン、3−ベンゾイル−6−メトキシクマリン、3−ベン
ゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−
メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−エトキシクマ
リン、3−ベンゾイル−6−ブロモクマリン、3−ベン
ゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル
−7−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−
ヒドロキシクマリン、3−アセチル−7−ジエチルアミ
ノクマリン、3−アセチル−7−メトキシクマリン、3
−アセチル−5,7−ジメトキシクマリン、7−ジメチ
ルアミノ−3−(4−ヨードベンゾイル)クマリン、7
−ジエチルアミノ−3−(4−ヨードベンゾイル)クマ
リン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノ
ベンゾイル)クマリンなどが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0054】カルコン系染料の例としては、以下の化合
物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
【化16】
【0056】ポルフィリン系染料としては、9,10−
ジヒドロポルフィリン、5,9,15,19−テトラメ
チルポルフィリン、4,5,14,15−テトラヒドロ
−4,9,14,19−テトラメチル−2,7,12,
17−テトラザポルフィリン、メソ−テトラフェニルポ
ルフィリン、4,5,9,10,14,15,19,2
0−オクタメチルポルフィリン、5,9,ジアセチル−
4,10,14,15,19,20−ヘキサメチルポル
フィリン、5,9−ジアセチル−14−エチル−4,1
0,15,19,20−ペンタメチルポルフィリン、
4,9,14,19−テトラメチル−5,10,15,
20−テトラプロピルポルフィリン、2−アミノ−4,
5,9,10,14,15,19,20−オクタエチル
ポルフィリン、2−ニトロ−4,5,9,10,14,
15,19,20−オクタエチルポルフィリン、メソ−
ジフェニルテトラベンゾポルフィリン、4,5−ジブロ
モ−9,10−,14,15−,19,20−トリベン
ゾ−2,7,12,17−テロラザポルフィリン、4,
5,9,10,14,15,19,20−オクタフェニ
ルポルフィリン、テトラキス(3,4−ジメトキシフェ
ニル)ポルフィリン、4,5,9,10,14,15,
19,20−オクタ(p−メトキシフェニル)ポルフィ
リンやそれらの銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、白金、
マグネシウムなどの金属錯体などの使用が好ましいが、
これらに限定されるものではない。
【0057】さらに、この他に(チオ)キサンテン系染
料、アズレニウム系染料、スクアリリウム系染料、(チ
オ)キサントン系染料、テトラピラジノポルフィラジン
系染料など光開始剤(D)を増感する増感色素を用いる
ことができる。これらの増感剤は、使用目的に応じて光
源となる輻射線の波長に合うように選択することがで
き、用途によっては2種類以上を組み合わせて使用して
も構わない。
【0058】本発明のホログラム感光感熱記録材料は、
上記したように(A)溶媒可溶性でカチオン重合可能な
エポキシ当量が800以上、かつ融点が50℃以上であ
る熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリゴマーと、
(B)溶媒可溶性、カチオン重合可能なエポキシ当量が
1000以下で、かつ(A)よりも高い屈折率を有する
熱硬化性エポキシオリゴマーと、(C)常温、常圧で液
体であり且つ常圧で沸点が100℃以上であるラジカル
重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上
有する脂肪族モノマーと、(D)化学作用放射線に露光
するとラジカル重合およびカチオン重合を活性化するよ
うなラジカル種およびブレンスッテド酸またはルイス酸
を同時に発生する光開始剤および(E)光開始剤(D)
を増感するような増感色素からなり、通常記録材料がエ
ポキシオリゴマー(A)100重量部に対して、熱硬化
性エポキシオリゴマー(B)1から200重量部、熱硬
化性エポキシオリゴマー(A)および(B)全重量部に
対して、脂肪族モノマー(C)を10から90重量部を
混合したものである。とくに好ましくは、20から80
重量部の割合である。10重量部未満では、レーザによ
るホログラフィック露光で重合するモノマー量が不足す
るために、加熱処理後においても高い屈折率変調が得ら
れず、明るいホログラムを得ることができない。また、
100重量部を越えるとモノマー量が過剰となり、最初
のホログラフィック露光で重合が起こらずに系内に残留
するモノマー量が多くなり、この結果、製造工程におけ
る加熱処理において拡散しながら残留するモノマー量が
重合を起こし、一旦形成されたホログラムの干渉縞が乱
れ、高い屈折率変調が得られなくなり、明るいホログラ
ムを得ることができない。また成分(D)の光開始剤の
量は、成分(A)100重量部に対し、0.1から20
重量部、好ましくは1から10重量部である。さらに、
成分(E)の増感剤は、成分(A)100重量部に対し
て0.1から10重量部、好ましくは0.5から2まで
の範囲をとることが可能である。使用量は、形成する感
光層膜厚とその膜厚の光学濃度によって制限を受けるた
め、光学濃度が2を越えない範囲で使用することが好ま
しい(或いは透過率とする場合は、ホログラム撮影時の
照射光の透過率が1%以上となるような範囲とすること
が好ましい)。
【0059】さらに本発明のホログラム感光感熱記録材
料には、必要に応じて公知の熱重合禁止剤、連鎖移動
剤、酸化防止剤などの各種添加剤を加えてもよい。
【0060】このように、これらの各成分を適宜選択
し、任意の割合で混合して得た感光液をスピンコータ
ー、ロールコータ、バーコーターなど公知の塗工手段を
用いて、ガラス板やポリカーボネート板、ポリメチルメ
タクリレート板、ポリエステルフィルムなどの基板2上
に皮膜状に塗布したものが図1に示すホログラムが作製
される通常のホログラム撮影用のホログラム感光性記録
媒体1である。さらに感光層3上には酸素遮断膜として
保護層4を設けてもよい。保護層4には例えばポリオレ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビ
ニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートなど
のプラスチック、ガラスなどの光学的に透明なものを貼
り合わせ、押出機などによる積層、溶液の塗工などによ
り形成される。なお、感光液を塗布する際は、必要に応
じて適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基板
上に塗布した後に、乾燥を要する。また、撮影時の照射
光の透過率が1%以上となるように、調製することが望
ましい。
【0061】図2は反射型ホログラム撮影用の二光束光
学系を説明する概略図であり、レーザ5から発振された
レーザ光6は、ミラー7、ビームスプリッター8、スペ
イシャルフィルター9、レンズ10を介してホログラム
感光性記録媒体1に照射される。なお本発明では露光に
よるホログラム撮影後、定着工程を乾式処理で行なって
いる。なお、本発明は、詳細な説明及び図示をしないが
透過型ホログラムの作製についても同様に可能であり、
優れたホログラム特性を有する透過型ホログラムが得ら
れる。
【0062】このホログラム感光性記録媒体1にホログ
ラム画像を記録する場合は、所望の画像に合わせてレー
ザ照射を加えることにより、レーザ照射部位の光干渉作
用の強い部位では、溶媒可溶性、カチオン重合可能なエ
ポキシ当量が800以上で、かつ融点が50℃以上であ
る熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリゴマー
(A)と溶媒可溶性でカチオン重合可能なエポキシ当量
が1000以下で、かつ(A)よりも高い屈折率を有す
る熱硬化性エポキシオリゴマー(B)とからなる固相中
に均一に分散しているラジカル重合可能な脂肪族モノマ
ー(C)が、レーザー(レーザ干渉光)照射により感光
させると光重合開始剤の作用によって、重合しポリマー
化するため、その周囲のラジカル重合可能な脂肪族モノ
マー(C)の移動が生じる。このためレーザ照射部位の
光干渉の強い部位では、ラジカル重合可能な脂肪族モノ
マー(C)の濃度が高くなり、また光干渉作用の弱い部
位では、ラジカル重合可能な脂肪族モノマー(C)の濃
度が低下する。さらにエポキシオリゴマー(A)及び
(B)はレーザ照射部位中の光干渉作用の弱い部位に押
し出され、その部分での濃度が高くなると共に、レーザ
照射部位中光干渉作用の強い部位での濃度は低下する。
すなわち両部位において屈折率差を生じ、これによりホ
ログラム感光性記録媒体1の光干渉の強い部位と光干渉
作用の弱い部位との密度差から屈折率が異なることによ
る屈折率変調が生じ、ホログラム画像記録が行われるも
のである。さらにホログラム露光後の加熱(60〜12
0℃の範囲で、1〜30分間の加熱処理)により、残留
したモノマーが重合により固定されると共に、ラジカル
種と同時に発生した強酸によって脂肪族モノマー(C)
の重合により生じた濃度差から形成される干渉縞の周り
にある支持体であるエポキシオリゴマー(A)及び
(B)がカチオン重合により架橋構造となり屈折率が高
くなり、屈折率変調が増強される。また、この架橋によ
ってホログラム感光性記録媒体1の強度など耐候性、化
学的安定性が向上する。
【0063】干渉パターンの露光工程における、本発明
のホログラム感光性記録材料に適した光源としては、ヘ
リウム−カドミウムレーザ、アルゴンレーザ、クリプト
ンレーザ、ヘリウムネオンレーザ等が利用できるが、こ
れに限定されるものではない。
【0064】以下、具体的な実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。 <実施例1>ビスフェノールA系エポキシオリゴマーエ
ピコート1007(エポキシ当量:1750−210
0、油化シェルエポキシ社製)100重量部、臭素化ノ
ボラック型エポキシオリゴマーBREN−S(エポキシ
当量:260−290、日本化薬社製)100重量部、
トリエチレングリコールジアクリレート50重量部およ
びジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェー
ト5重量部、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチル
アミノ)クマリン1重量部を2−ブタノン100重量部
に混合溶解したものを感光液とした。この感光液をガラ
ス板に、膜厚が約15ミクロンになるように塗布し感光
層を形成した後、感光層上をポリビニルアルコール(P
VA)膜で覆い、ホログラム感光性記録媒体を作製し
た。
【0065】ホログラム感光性記録媒体を、図2に示す
ホログラム撮影用の二光束光学系により光源としてアル
ゴンレーザ(514.5nm)を用いて露光後、100
℃で30分加熱処理を行い、ホログラムを作製した。
【0066】得られたホログラムの回折効率は、日本分
光工業社製の分光光度計により測定した。この分光光度
計は、幅3mmのスリットを有したフォトマルチメータ
ーを、試料を中心にした半径20cmの円周上に設置で
きるものである。測定条件は幅0.3mmの単色光を試
料に45度の角度で入射し、試料からの回折光を検出し
た。正反射光以外で最も大きな値と、試料を置かずに直
接入射光を受光したときとの比を回折効率とした。また
加熱前における回折効率についても同様に測定を行なっ
た。その評価結果を表1に示す。但し、表中のD.E.
およびR.I.Cはそれぞれ回折効率および屈折率変調
を示す。
【0067】<実施例2−5>トリエチレングリコール
ジアクリレート(TEGDA)の代わりにジエチレング
リコールジアクリレート(DEGDA)、ネオペンチル
グリコールジアクリレート(NPGDA)エチルカルビ
トールアクリレート(EKA)、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート(HDDA)を用いる、以外は実施
例1と同様にホログラムを作製ホログラムを作製し回折
効率を測定した。また加熱前における回折効率について
も同様に測定を行なった。その評価結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】TEGDA ; トリエチレングリコール
ジアクリレート DEGDA ; ジエチレングリコールジアクリレート NPGDA ; ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト EKA ; エチルカルビトールアクリレート HDDA ; 1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート
【0070】<実施例6−10>実施例1のビスフェノ
ール系エポキシオリゴマーエピコート1007(エポキ
シ当量:1750−2100、油化シェルエポキシ社
製)の代わりに、エピコート1004(EP−100
4;エポキシ当量:900−1000、油化シェルエポ
キシ社製)、エピコート1009(EP−1009;
エポキシ当量:2400−3000、油化シェルエポキ
シ社製)、アラルダイト6084(AR−6084;エ
ポキシ当量:900−1000、日本チバ・ガイギー社
製)、アラルダイト6099(AR−6099;エポキ
シ当量:2400−3300、日本チバ・ガイギー社
製)、またはD.E.R668(DER−668;エポ
キシ当量:2000−3500、ダウケミカル日本社
製)(何れも商品名)をそれぞれ用いる以外は,実施例
1と同様にホログラムを作製ホログラムを作製し回折効
率を測定した。また加熱前における回折効率についても
同様に測定を行なった。その評価結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】EP−1004; エピコート1004
油化シェルエポキシ社製 EP−1009; エピコート1009 油化シェルエ
ポキシ社製 AR−6071; アラルダイト6071 日本チバ・
ガイギー社製 AR−6099; アラルダイト6099 日本チバ・
ガイギー社製 DER−668; D.E.R668 ダウケミカル日
本社製
【0073】<実施例11−15>実施例1の臭素化ノ
ボラック型エポキシオリゴマーBREN−S(エポキシ
当量:260−290、日本化薬社製)の代わりに、ア
ラルダイト8024LA(AR−8024;エポキシ当
量:290、日本チバ・ガイギー社製)、アラルダイト
8049SP(AR−8049;エポキシ当量:47
0、日本チバ・ガイギー社製)、EBPS−200(E
BPS;エポキシ当量:210−225、日本化薬社
製)、ESF−300(ESF;エポキシ当量:245
−265、新日鐵化学社製)、ESN−190(ES
N;エポキシ当量:280−300、新日鐵化学社製)
をそれぞれ用いる以外は,実施例1と同様にホログラム
を作製ホログラムを作製し回折効率を測定した。また加
熱前における回折効率についても同様に測定を行なっ
た。その評価結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】AR−8024; アラルダイト8024
LA 日本チバ・ガイギー社製 AR−8049; アラルダイト8049SP 日本チ
バ・ガイギー社製 EBPS ; EBPS−200 日本化薬社製 ESF ; ESF−300 新日鐵化学社製 ESN ; ESN−190 新日鐵化学社製
【0076】<実施例16−19>実施例1の増感剤で
ある3,3'-カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)ク
マリンの代わりに、3−エチル−5−[2−(3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリリデン)−エチリデン]ロ−ダ
ニン(Dye−1)、メソ−ジフェニルテトラベンゾポ
ルフィリン(Dye−2)、3−(2’−ベンズイミダ
ゾール)7−N,N−ジエチルアミノクマリン(Dye
−3)、2−ベンゾイル−3−(p−ジメチルアミノフ
ェニル)−2−プロペネニトリル(Dye−4)をそれ
ぞれ用いる以外は、実施例1と同様にホログラムを作製
ホログラムを作製し回折効率を測定した。また加熱前に
おける回折効率についても同様に測定を行なった。その
評価結果を表4に示す。但し、露光に際して、Dye−
1、Dye−3及びDye−4には、アルゴンレーザの
514.5nmの代わりに488nmの光を使用し、D
ye−2には、クリプトンレーザの647nmの光を使
用した。
【0077】
【表4】
【0078】Dye−1; 3−エチル−5−[2−
(3−エチル−2−ベンゾチアゾリリデン)−エチリデ
ン]ロ−ダニン Dye−2; メソ−ジフェニルテトラベンゾポルフィ
リン Dye−3; 3−(2’−ベンズイミダゾール)7−
N,N−ジエチルアミノクマリン Dye−4; 2−ベンゾイル−3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−2−プロペネニトリル
【0079】<比較例1−3>実施例1−5において、
熱硬化性エポキシオリゴマー(B)であるBREN−S
(エポキシ当量:260−290、日本化薬社製)を添
加しないこと以外は同様にホログラムを作製ホログラム
を作製し回折効率を測定した。また加熱前における回折
効率についても同様に測定を行なった。その評価結果を
表5に示す。
【0080】
【表5】
【0081】TEGDA ; トリエチレングリコール
ジアクリレート DEGDA ; ジエチレングリコールジアクリレート NPGDA ; ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト EKA ; エチルカルビトールアクリレート HDDA ; 1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート
【0082】<比較例6、7>実施例1におけるビスフ
ェノール系エポキシ樹脂エピコート1007の代わり
に、エピコート828(EP−828;エポキシ当量:
184−194、油化シェルエポキシ社製)、アラルダ
イトGY280(AR−GY280; エポキシ当量:
225−280、日本チバ・ガイギー(株)製)を用い
た以外は実施例1と同様にホログラムを作製ホログラム
を作製し回折効率を測定した。また加熱前における回折
効率についても同様に測定を行なった。その評価結果を
表6に示す。
【0083】
【表6】
【0084】AR−GY280; アラルダイトGY2
80 日本チバ・ガイギー社製 EP−828; エピコート828 油化シェルエポキ
シ社製
【0085】<比較例8、9>実施例1におけるモノマ
ーの代わりに、フェノキシエチルアクリレート(ビスコ
ート#192:大阪有機化学工業(株)製)、ベンジル
アクリレート(ビスコート#160:大阪有機化学工業
(株)製)を用いた以外は実施例1と同様に操作したが
双方ともホログラムは作製できなかった。
【0086】<比較例10、11>実施例1におけるト
リエチレングリコールジアクリレートの添加量をエポキ
シオリゴマーエピコート1007とエポキシオリゴマー
BREN−Sとの総量100重量部に対して、5および
120重量部とする以外は、実施例2と同様にホログラ
ムを作製し回折効率を測定した。また加熱前における回
折効率についても同様に測定を行なった。その評価結果
を表7に示す。
【0087】
【表7】
【0088】<比較例12−16>実施例1から5にお
いて、二光束光学系で光源としてアルゴンレーザ(51
4.5nm)を用いて露光した後、高圧水銀灯で100
mJ/cm2 露光してから100℃で30分加熱処理を
行う以外は実施例1から5と同様ホログラムを作製ホロ
グラムを作製し回折効率を測定した。また加熱前におけ
る回折効率についても同様に測定を行なった。その評価
結果を表8に示す。
【0089】
【表8】
【0090】TEGDA ; トリエチレングリコール
ジアクリレート DEGDA ; ジエチレングリコールジアクリレート NPGDA ; ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト EKA ; エチルカルビトールアクリレート HDDA ; 1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート
【0091】この結果から、上述したように加熱処理前
に紫外線やその他の化学作用放射線によって露光すると
エポキシの加熱硬化による回折効率の向上は見られな
い。
【0092】実施例1−19のホログラムは25℃、6
0%RHで180日間及び150℃で10時間の環境下
に放置しても回折効率の低下は認められなかった。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、上記したよ
うに溶媒可溶性でカチオン重合可能なエポキシ当量が8
00以上、かつ融点が50℃以上である熱硬化性ビスフ
ェノールA型エポキシオリゴマーと、(B)溶媒可溶
性、カチオン重合可能なエポキシ当量が1000以下
で、かつ(A)よりも高い屈折率を有する熱硬化性エポ
キシオリゴマーとを混合してなり、これに(C)常温、
常圧で液体であり且つ常圧で沸点が100℃以上である
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも
1個以上有する脂肪族モノマーと、(D)化学作用放射
線に露光するとラジカル重合およびカチオン重合を活性
化するようなラジカル種およびブレンスッテド酸または
ルイス酸を同時に発生する光開始剤および(E)光開始
剤(D)を増感するような増感色素から構成することに
より、とくに熱硬化性ビスフェノールA型エポキシオリ
ゴマー(A)と熱硬化性エポキシオリゴマー(B)とを
混合してなることで高い屈折率変調を生じ、これにより
明るいホログラムが得られる。
【0094】また本発明では乾式処理において可視光域
に優れた感度、解像度、回折効率、透明性を有するとと
もに、耐熱性など耐候性に優れ、かつ化学的に安定した
ホログラム感光性記録材料及びホログラム用感光性記録
媒体を提供できる。また極めて要求性能の高いHOE用
のホログラム用感光性記録材料に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム感光性記録材料からなるホ
ログラム感光性記録媒体の構成を説明する概略図であ
る。
【図2】ホログラム撮影用の二光束光学系を説明する概
略図である。
【符号の説明】
1 ホログラム感光性記録媒体 2 基板 3 感光層 4 保護層 5 レーザ 6 レーザ光 7 ミラー 8 ビームスプリッター 9 スペイシャルフィルター 10 レンズ 11 レンズ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I) 【化1】 (式中、nは整数を示す。)で示され、溶媒可溶性、カ
    チオン重合可能なエポキシ当量が800以上で、かつ融
    点が50℃以上である熱硬化性ビスフェノールA型エポ
    キシオリゴマーと、(B)溶媒可溶性、カチオン重合可
    能なエポキシ当量が1000以下で、かつ(A)よりも
    高い屈折率を有する熱硬化性エポキシオリゴマーと、
    (C)常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃
    以上であるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を
    少なくとも1個以上有する脂肪族モノマーと、(D)化
    学作用放射線に露光するとラジカル重合およびカチオン
    重合を活性化するラジカル種およびブレンスッテド酸ま
    たはルイス酸を同時に発生する光開始剤と、(E)光開
    始剤を増感せしめる増感色素からなることを特徴とする
    ホログラム感光性記録材料。
  2. 【請求項2】請求項1記載のホログラム用感光性記録材
    料において、前記熱硬化性ビスフェノールA型エポキシ
    オリゴマー(A)100重量部に対して前記熱硬化性エ
    ポキシオリゴマー(B)を1から200重量部、前記熱
    硬化性エポキシオリゴマー(A)及び(B)全重量部に
    対して前記脂肪族モノマー(B)を10から90重量部
    を混合してなることを特徴とする請求項1記載のホログ
    ラム感光性記録材料。
  3. 【請求項3】前記エポキシオリゴマー(B)が臭素化ビ
    スフェノールA型エポキシオリゴマーであることを特徴
    とする請求項1記載のホログラム感光性記録材料。
  4. 【請求項4】前記エポキシオリゴマー(B)が臭素化ノ
    ボラック型エポキシオリゴマーであることを特徴とする
    請求項1記載のホログラム感光性記録材料。
  5. 【請求項5】前記エポキシオリゴマー(B)が、一般式
    (II)で示されるジフェニルスルホンを含むことを特徴
    とする請求項1記載のホログラム感光性記録材料。 【化2】 (式中、nは0〜5を示す。)
  6. 【請求項6】前記エポキシオリゴマー(B)が、一般式
    (III)または(IV)で示される化合物であることを特徴と
    する請求項1記載のホログラム感光性記録材料。 【化3】 (式中、R1 、R2 は、アルキル基、水素原子または芳
    香族であり、その一方は必ず芳香族であることを示
    す。) 【化4】 (式中、Xは、芳香族環を含む二価の化合物であること
    を示す。)
  7. 【請求項7】前記脂肪族モノマー(C)が、一般式
    (V)で示されるポリエチレングリコールジ(メタ)ア
    クリレートまたはポリプロピレングリコールジ(メタ)
    アクリレートであることを特徴とする請求項1記載のホ
    ログラム感光性記録材料。 【化5】 (式中、R3 〜R5 =水素またはメチル基であり、m、
    nは0以上で、m+n=1〜20である。)
  8. 【請求項8】前記光開始剤(D)がジフェニルヨードニ
    ウム塩であることを特徴とする請求項1記載のホログラ
    ム感光性記録材料。
  9. 【請求項9】前記増感色素(E)がシアニンまたはメロ
    シアニン系染料、クマリン系染料、カルコン系染料、ポ
    ルフィリン系染料から選ばれた有機染料化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のホログラム感光性記録材
    料。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9に記載のホログラム用感
    光性記録材料を溶媒に溶解して調製した感光液を基板上
    に塗布、乾燥してなる感光層と、酸素遮断膜とを設けて
    なることを特徴とするホログラム感光性記録媒体。
  11. 【請求項11】請求項10記載のホログラム用感光性記
    録媒体の感光層に対して、ホログラフックな露光を施し
    潜像を形成した後、唯一の処理工程として60〜120
    ℃の範囲で、1〜30分間の加熱処理をすることにより
    ホログラムを製造することを特徴とするホログラム製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7550234B2 (en) 2001-02-09 2009-06-23 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Photosensitive composition for volume hologram recording and photosensitive medium for volume hologram recording

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