JP6039911B2 - 偏光板用異方性光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(2)前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と、前記シリコーン骨格を有さない化合物の比率が質量比で15:85〜85:15の範囲にあることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(3)前記低屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が相対的に多くなっており、前記高屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有さない化合物が相対的に多くなっていることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(4)前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートであることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(5)前記シリコーン骨格を有さない化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を1分子中に1官能以上有する化合物であって、その骨格がフルオレン、アダマンタン、ビフェニル、ビスフェノールA、ジフェニルオキサイド、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィドのいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(6)前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の重量平均分子量(Mw)が、500〜50,000の範囲にあることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(7)基材上に、異方性光学フィルムの形成材料を塗工して塗工膜を設ける工程と、該塗工膜上に、拡散光源を平行光線に変換し、さらに該平行光線を、レンチキュラーレンズを介して線状光線に変換した光線の照射を行い、該塗工膜を硬化させる工程を含むことを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルムの製造方法。
さらに、本発明によれば低位相差の異方性光学フィルムを提供することができるため、液晶表示装置に使用されるトリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などの低位相差フィルムの代替としても使用可能となるため、それらフィルムとの併用が不要となり、コストダウンに繋がるメリットが期待できる。
直線透過率(%)=(直線透過光量/入射光量)×100
図1は本発明の異方性光学フィルム50の模式図である。図1(a)に示すように、異方性光学フィルム50内には板状構造40が複数形成されている。板状構造40は、断面図の図1(b)に示すように、低屈折領域41と高屈折率領域42を交互に含むものである。フィルム表面においても、低屈折率領域41と高屈折率領域42は交互に並んでいる。すなわち、本発明の異方性光学フィルム50は、フィルム表面の低屈折率領域41および高屈折率領域42が厚さ方向に延存した構造を形成するものである。
なお、低屈折領域41と高屈折領域42に加え、他の屈折率領域を含んでもよい。他の屈折率領域としては、例えば中屈折率領域が挙げられる。
本発明の異方性光学フィルムは、特定の光硬化性化合物に特殊な条件で紫外線(UV)照射を行うことにより作製することが出来る。以下、まず異方性光学フィルムの原料を説明し、次いで製造プロセスを説明する。
本発明の異方性光学フィルムを形成する材料は、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーと光開始剤とから構成され、紫外線及び/又は可視光線を照射することにより重合・固化する材料である。
ここで、異方性光学フィルムを形成する材料が1種類であっても、密度の高低差ができることによって屈折率差が生ずる。UVの照射強度が強い部分は硬化速度が早くなるため、その硬化領域周囲に硬化材料が移動し、結果として屈折率が高くなる領域と屈折率が低くなる領域が形成されるからである。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタアクリレートのどちらであってもよいことを意味する。
上記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物は、その構造(主にエーテル結合)に伴い配向して重合・固化し、低屈折率領域、高屈折率領域、又は、低屈折率領域及び高屈折率領域を形成する。これにより、異方性光学フィルムとしての基本的な特性である異方性を発現することができる。
シリコーン樹脂はシリコーン骨格を有さない化合物に比べ、シリカ(Si)を多く含有するため、このシリカを指標として、EDS(エネルギー分散型X線分光器)を使用することによってシリコーン樹脂の相対的な量を確認することができる。
一般式(1)中、nは1〜500の整数であることが好ましい。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物にシリコーン骨格を有さない化合物を配合して、異方性光学フィルムを形成すると、低屈折領域と高屈折率領域が分離して形成されやすくなり、異方性の程度が強くなり好ましい。シリコーン骨格を有さない化合物は、光硬化性化合物のほかに熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができ、これらを併用することもできる。光硬化性化合物としては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーを使用することができる(ただし、シリコーン骨格を有していないものである)。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂とその共重合体や変性物が挙げられる。熱可塑性樹脂を用いる場合においては熱可塑性樹脂が溶解する溶剤を使用して溶解し、塗布、乾燥後に紫外線でシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化せしめて異方性光学フィルムを成形する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステルとその共重合体や変性物が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合においては、紫外線でシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化させた後に適宜加熱することで、熱硬化性樹脂を硬化せしめて異方性光学フィルムを成形する。シリコーン骨格を有さない化合物として最も好ましいのは光硬化性化合物であり、低屈折領域と高屈折率領域が分離しやすいことと、熱可塑性樹脂を用いる場合の溶剤が不要で乾燥過程が不要であること、熱硬化性樹脂のような熱硬化過程が不要であることとなど、生産性に優れている。
シリコーン骨格を有さない化合物はシリコーン骨格を有する光硬化性化合物に比べ、炭素(C)を多く含有するため、この炭素を指標として、EDS(エネルギー分散型X線分光器)を使用することによって確認することができる。
異方性光学フィルムの原料(光開始剤)
ラジカル重合性化合物を重合させることのできる光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。又、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
本発明において、上記光開始剤は、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物とシリコーン骨格を有さない化合物からなる組成物中に含まれる光硬化性化合物の合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜7質量部、より好ましくは0.1〜5質量部程度配合される。これは、0.01質量部未満では光硬化性が低下し、10質量部を超えて配合した場合には、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下してしまう弊害、異方性の低下、板状構造の形成の阻害を招くからである。これらの光開始剤は、通常粉体を上記組成物の混合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することもできる。このような溶剤としては光重合性であることが更に好ましく、具体的には炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。又、光重合性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。更に光重合性化合物を加熱により硬化させることのできる熱硬化開始剤を光開始剤と共に併用することもできる。この場合、光硬化の後に加熱することにより光重合性化合物の重合硬化を更に促進し完全なものにすることが期待できる。
次に本発明の異方性光学フィルムの製造方法(プロセス)について説明する。上述の異方性光学フィルムの形成材料(光硬化性樹脂組成物)を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような適当な基材上に塗工して塗工膜を設ける。必要に応じて乾燥して溶剤を揮発させるが、その乾燥膜厚は10〜500μm、より好ましくは20〜200μm、更に好ましくは30〜100μmである。乾燥膜厚が10μm未満では、後述するUV照射プロセスを経て得られる光拡散性が乏しいため好ましくない。一方乾燥膜厚が500μmを越えるような場合、全体の拡散性が強すぎて本発明の特徴的な異方性が得られ難くなると共に、コストアップ、薄型化用途に不適合といったことからも好ましくない。更に、この塗工膜上には離型フィルムや後述するマスクをラミネートして感光性の積層体を作ることもできる。
ここで、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を含む光硬化性樹脂組成物を基材上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。光硬化性樹脂組成物が低粘度の場合は、基体の周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に光硬化性樹脂組成物をキャストすることもできる。
塗工膜に光照射を行うための光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。光硬化性化合物を含む光硬化性樹脂組成物に照射する光線は、該光硬化性化合物を硬化可能な波長を含んでいることが必要で、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用される。
光源の形状は、線状であることが好ましく、被照射位置から見て光源が略線状に見えるようなものを使用してもよい。このような線状光線を得る方法としては種種の光源やレンズを用いた既知の方法を用いることができる。本発明では簡便な方法として、拡散光源をフレネルレンズ等で平行光線に変換し、さらに平行光線をレンチキュラーレンズを介して一方向にのみ拡散した線状光線に変換した光源を用いる例を示すが、この限りではない。
本発明の異方性光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)、表面電界ディスプレイ(SED)、電子ペーパーのような表示装置に適用することができる。特に好ましくは液晶表示装置(LCD)に用いられる。本発明の異方性光学フィルムは、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化して形成されるものであるが、接着強度の問題は少なく、接着層や粘着層を介して、所望の場所に貼り合わせて使用することができる。
本発明の異方性光学フィルムは、透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
厚さ100μm、76×26mmサイズのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:A4300)の縁部全周に、ディスペンサーを使い硬化性樹脂で高さ0.2mmの隔壁を形成した。この中に下記の光硬化性樹脂組成物を充填し、別のPETフィルムでカバーした。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 65重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 35重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名:Ebecyl150)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
この両面をPETフィルムで挟まれた0.2mmの厚さの液膜に対して、UVスポット光源(浜松ホトニクス社製、商品名:L2859−01)の落射用照射ユニットから出射される平行光線をレンチキュラーレンズを介して線状光線に変換した紫外線を垂直に、照射強度10mW/cm2として1分間照射して、図1に示すような線状の微小な領域を多数有する実施例1の異方性拡散媒体体を得た。そこから、PETフィルムを剥がして本発明の異方性拡散フィルムを得た。
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 45重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・フルオレン骨格ジアクリレート(屈折率:1.591) 12重量部
(大阪ガスケミカル社製、商品名:オクゾールEA−F5503)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 43重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 45重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・アダマンタン骨格アクリレート(屈折率:1.521) 15重量部
(出光興産社製、商品名:アダマンテートX−A−101)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 40重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 30重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
トリメチロールプロパントリアクリレート(屈折率:1.474) 15重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)
・ビフェニル骨格アクリレート(屈折率:1.568) 15重量部
(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアOPPE)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 40重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 25重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
トリメチロールプロパントリアクリレート(屈折率:1.474) 5重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)
ウレタンアクリレート(屈折率:1.491) 15重量部
(共栄社化学社製、商品名:UA−306I)
・エポキシアクリレート(屈折率:1.523) 40重量部
(共栄社化学社製、商品名:エポキシエステルM−600A)
・ジフェニルオキサイド骨格アクリレート(屈折率:1.566) 15重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPOB−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 55重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 45重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
下記の光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 30重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
トリメチロールプロパントリアクリレート(屈折率:1.474) 15重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 5重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名:Ebecyl150)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 50重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
下記の光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 10重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 90重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名:Ebecyl150)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
デガッサー:DG-980-51(日本分光株式会社製)
ポンプ:PU-980-51(日本分光株式会社製)
オートサンプラー:AS-950(日本分光株式会社製)
恒温槽:C-965(日本分光株式会社製)
カラム:Shodex KF-806L × 2本 (昭和電工株式会社製)
検出器:RI (SHIMAMURA YDR-880)
温度:40℃
溶離液:THF
注入量:150μl
流量:1.0ml/min
サンプル濃度:0.2%
SEM及びEDSについては次の条件で撮影した。
SEM
実施例1で得られた異方性光学フィルムの断面の状態、および含有元素の情報を、SEMおよびEDSにより観察した。観察は、異方性光学層の表面にカーボン蒸着したのち行った。以下に、SEMおよびEDS観察の条件を示す。
分析装置 JSM−6460LV(日本電子社製)/INCA(OXFORD社製)
前処理装置 C(カーボン)コーティング:45nm SC−701C(サンユー電子社製)
SEM条件 加速電圧 :15KV
照射電流 :0.15nA
真空度 :高真空
画像検出器:反射電子検出器
試料傾斜 :0度
光源の投光角、受光器の受光角を任意に可変できる変角光度計ゴニオフォトメータ(ジェネシア社製)を用いて、実施例および比較例の異方性拡散フィルムの評価を行った。光源からの直進光を受ける位置に受光部を固定し、その間のサンプルホルダーに実施例および比較例で得られた異方性拡散フィルムをセットした。図2に示すように回転軸(L)としてサンプルを回転させてそれぞれの入射角に対応する直線透過光量を測定した。この評価方法によって、どの角度の範囲で入射される光が拡散するかを評価することができ、つまり、拡散の異方性を知ることができる。この回転軸(L)は、図1(a)に示されるサンプルの構造において、B−B軸と同じ軸である。直線透過光量の測定は、視感度フィルターを用いて可視光領域の波長を測定した。
王子計測機器の位相差測定装置KOBRA−WRを用いて、実施例および比較例の異方性拡散フィルムの面内位相差を測定した。測定波長は586.5nmとして、入射角を変えて位相差を測定し、最も高い位相差となる測定値を評価した。
2枚の偏光板を用意し、クロスニコルになるように重ね合わせ、その間に実施例および比較例の異方性拡散フィルムを挟み光漏れを観察した。光漏れを定量的に評価するため、日本電飾社製ヘイズメーターNDH−2000を用い、異方性拡散フィルムを挟まないクロスニコルの偏光板の全光線透過率(TT0)を基準として、異方性拡散フィルムを挟んだ状態での全光線透過率(TT1)を測定し、その差を光漏れの透過率変化(ΔTT=TT1−TT0)として評価した。なお、この測定の際には異方性拡散フィルムを回転させ最も透過率が高くなる測定値を用いて評価した。ΔTTは低いほど好ましく、1.0以下で実用に供するものであり、0.8以下で好ましく使用することができる。
Claims (7)
- フィルム内部に板状構造の低屈折率領域と板状構造の高屈折率領域を少なくとも有し、フィルム表面では該低屈折率領域と該高屈折率領域が交互に並んでおり、フィルム断面では上記フィルム表面の該低屈折率領域および該高屈折率領域が厚さ方向に延存した構造を有する偏光板用異方性光学フィルムであって、
該異方性光学フィルムは、少なくとも、
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーと、
カルド構造を有する化合物、一分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物、架橋構造を持つ環状炭化水素化合物およびスピロ化合物から選択され、全組成物中10〜60質量%含有する、少なくとも一種のシリコーン骨格を有さない化合物と、からなり、
該異方性光学フィルムは、面内位相差が25nm以下であり、かつ、
クロスニコルになるように重ね合わせた2枚の偏光板の間に、該異方性光学フィルムを挟んだ状態での全光線透過率(TT 1 )と、該異方性光学フィルムを挟まない該クロスニコルの偏光板の全光線透過率(TT 0 )との差である光漏れの透過率変化(ΔTT=TT 1 −TT 0 )が、0.8以下であることを特徴とする偏光板用異方性光学フィルム。 - 前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と、前記シリコーン骨格を有さない化合物の比率が質量比で15:85〜85:15の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
- 前記低屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が相対的に多くなっており、
前記高屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有さない化合物が相対的に多くなっていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。 - 前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
- 前記シリコーン骨格を有さない化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を1分子中に1官能以上有する化合物であって、その骨格がフルオレン、アダマンタン、ビフェニル、ビスフェノールA、ジフェニルオキサイド、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィドのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
- 前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の重量平均分子量(Mw)が、500〜50,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
- 基材上に、異方性光学フィルムの形成材料を塗工して塗工膜を設ける工程と、
該塗工膜上に、拡散光源を平行光線に変換し、さらに該平行光線を、レンチキュラーレンズを介して線状光線に変換した光線の照射を行い、該塗工膜を硬化させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルムの製造方法。
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