JP6039911B2 - 偏光板用異方性光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、各種表示装置に用いることができる波長依存性がなく視認性に優れた偏光板用異方性光学フィルムおよびその製造方法に関する。
光拡散性を有する部材は、照明器具や建材の他、表示装置においても使用されている。この表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL)等がある。光拡散部材の光拡散発現機構としては、表面に形成された凹凸による散乱(表面散乱)、マトリックス樹脂とその中に分散された微粒子間の屈折率差による散乱(内部散乱)、及び表面散乱と内部散乱の両方によるものが挙げられる。但し、これら光拡散部材は、一般にその拡散性能は等方的であり、入射角度を少々変化させても、その透過光の拡散特性が大きく異なることはなかった。
一方、一定の角度領域の入射光は強く拡散し、それ以外の角度の入射光は透過するという、光制御板(異方性光学フィルム)が知られている(例えば、特許文献1)。この光制御板は、シート状の感光性組成物層の上空から線状光源を用いて光を照射して硬化せしめたものである。そして、シート状の基体内には、図1(a)に示すように、異方性光学フィルム50の作製時にその上空に配置した線状光源51の長さ方向に一致して、周辺領域と屈折率が異なる板状構造40が互いに平行に形成されていると考えられている。図2に示すように、図示しない光源と受光器3との間にサンプルを配置し、サンプル表面の直線Lを中心軸として角度を変化させながらサンプルを直進透過して受光器3に入る直線透過率を測定することができる。
図3は、図2に示す方法を用いて測定した図1に示す異方性光学フィルム50が有する散乱特性の入射角依存性を示す。縦軸は散乱の程度を表す指標である直線透過率(所定の光量の平行光線を入射させたときに、入射方向と同じ方向に出射された平行光線の光量)を示し、横軸は入射角を示す。図3中の実線及び破線はそれぞれ、図1中のA−A軸(板状構造を突き抜ける)及びB−B軸(板状構造に平行)を中心に異方性光学フィルム50を回転させた場合を示す。尚、入射角の正負は、異方性光学フィルム50を回転させる方向が反対であることを示す。図3中の実線は、正面方向でも斜め方向でも直線透過率が小さいままであるが、これは、A−A軸を中心に回転させた場合には、光学フィルム50が入射角に無関係に散乱状態であることを意味する。また、図3中の破線は、0°近傍の方向で直線透過率が小さくなっているが、これはB−B軸を中心に回転させた場合にも、光学フィルムが正面方向の光に対して散乱状態であることを意味する。更に、入射角が大きい方向では直線透過率が増加しているが、これは、B−B軸を中心に回転させた場合には、光学フィルムが斜め方向の光に対して透過状態であることを意味する。この構造のおかげで、例えば、横方向には透過度が入射角によって異なるものの、縦方向には入射角を変えても透過度が変わらない、という特性を与えることができる。ここで、図3のように散乱特性の入射角依存性を示す曲線を以下、「光学プロファイル」と称する。光学プロファイルは、散乱特性を直接的に表現しているものではないが、直線透過率が低下することで逆に拡散透過率が増大していると解釈すれば、概ね拡散特性を示しているといえる。
異方性光学フィルム50は、その板状構造40のフィルム法線に対する傾きにより光学特性が規定される。この場合、板状構造40にほぼ平行な方向からの入射光が強く拡散され、その板状構造を貫くように入射する光は殆ど拡散されずに透過するため、板状構造40は光散乱面といえる。
この異方性光学フィルム50は上述のように板状構造が整列した状態であり、板状構造の中に存在する分子はその板状構造の面内方向に配向しやすい状態にある。特に設計上これを考慮しなければ分子配向が生じ、配向による複屈折が生じることになり、異方性光学フィルムは面内位相差を有するフィルムとなる。LCDなどの表示装置に使用する場合、位相差を有することは好ましくない場合が少なくない。例えば、視野角拡大や輝度向上を目的として、液晶セルと偏光板の間にこの異方性光学フィルムを配置する場合には、偏光板や位相差フィルムで設計した光学系に支障をきたし、偏向を乱されることによって、クロスニコルでは光漏れ、パラレルニコルでは光損失を招き、表示装置の光学性能、特にコントラストを低下させる原因となる。そこで、このような性能低下を引き起こさないためにも、低位相差の異方性光学フィルムが求められる。
特許第2547417号公報
本発明は、各種表示装置に用いた場合において、異方性を向上させた上で、位相差が小さく、偏向解消(光漏れ)が少ない異方性光学フィルムを提供することを目的とする。
板状構造を有する異方性光学フィルム50の形成材料を変更して検討したところ、位相差の問題はほとんど改善されなかったことから、位相差の問題は、板状構造を有する異方性光学フィルムの構造に基づく分子配向から生じる配向複屈折が原因であると考えられる。特に、異方性光学フィルムの形成材料として、分子配向の生じやすいシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を使用すると、異方性を向上させる効果が奏されるものの、位相差が大きくなり、光漏れも大きくなる問題を有するものであった。すなわち、異方性の向上と低位相差の両立はトレードオフの関係を有するものであった。このシリコーン骨格を有する光硬化性化合物の分子配向に基づく位相差の問題を解決すべく、本発明者が鋭意検討したところ、特定の材料を使用することによって、位相差の問題及び光漏れの問題が解決できることを見出して本発明を完成した。すなわち、分子配向による位相差の問題を、材料の最適化によって解決したものである。
(1)フィルム内部に板状構造の低屈折率領域と板状構造の高屈折率領域を少なくとも有し、フィルム表面では該低屈折率領域と該高屈折率領域が交互に並んでおり、フィルム断面では上記フィルム表面の該低屈折率領域および該高屈折率領域が厚さ方向に延存した構造を有する偏光板用異方性光学フィルムであって、該異方性光学フィルムは、少なくともシリコーン骨格を有する光硬化性化合物のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーと、カルド構造を有する化合物、一分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物、架橋構造を持つ環状炭化水素化合物およびスピロ化合物から選択され、全組成物中10〜60質量%含有する、少なくとも一種のシリコーン骨格を有さない化合物と、からな該異方性光学フィルムは、面内位相差が25nm以下であり、かつ、クロスニコルになるように重ね合わせた2枚の偏光板の間に、該異方性光学フィルムを挟んだ状態での全光線透過率(TT )と、該異方性光学フィルムを挟まない該クロスニコルの偏光板の全光線透過率(TT )との差である光漏れの透過率変化(ΔTT=TT −TT )が、0.8以下であることを特徴とする偏光板用異方性光学フィルム。
(2)前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と、前記シリコーン骨格を有さない化合物の比率が質量比で15:85〜85:15の範囲にあることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(3)前記低屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が相対的に多くなっており、前記高屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有さない化合物が相対的に多くなっていることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(4)前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートであることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(5)前記シリコーン骨格を有さない化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を1分子中に1官能以上有する化合物であって、その骨格がフルオレン、アダマンタン、ビフェニル、ビスフェノールA、ジフェニルオキサイド、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィドのいずれかであることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(6)前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の重量平均分子量(Mw)が、500〜50,000の範囲にあることを特徴とする前記(1)に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
(7)基材上に、異方性光学フィルムの形成材料を塗工して塗工膜を設ける工程と、該塗工膜上に、拡散光源を平行光線に変換し、さらに該平行光線を、レンチキュラーレンズを介して線状光線に変換した光線の照射を行い、該塗工膜を硬化させる工程を含むことを特徴とする前記(1)記載の偏光板用異方性光学フィルムの製造方法。
本発明によれば、各種表示装置に用いた場合において、異方性を向上させた上で、位相差が小さく、偏向解消(光漏れ)が少ない異方性光学フィルムを提供することができる。
さらに、本発明によれば低位相差の異方性光学フィルムを提供することができるため、液晶表示装置に使用されるトリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などの低位相差フィルムの代替としても使用可能となるため、それらフィルムとの併用が不要となり、コストダウンに繋がるメリットが期待できる。
本発明の異方性光学フィルムの模式図であって、(a)斜視図、(b)断面図である。 光学プロファイルの測定方法を示す。 異方性光学フィルムの光学プロファイルを表す。 棒状の微小な領域を多数有する比較例1の異方性拡散フィルムの模式図である。 実施例1の異方性光学フィルム断面の構造をカーボン蒸着した後に撮影した走査電子顕微鏡写真(SEM)である。 実施例1の異方性光学フィルム断面についてエネルギー分散型X線検出器(EDS)で炭素原子(C)においてマッピングした図である。 実施例1の異方性光学フィルム断面についてエネルギー分散型X線検出器(EDS)で珪素原子(Si)においてマッピングした図である。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における各用語の定義を説明する。
「低屈折率領域」と「高屈折率領域」は、異方性光学フィルムを構成する材料の局所的な屈折率の高低差により形成される領域であって、他方に比べて屈折率が低いか高いかを示した相対的なものである。これらの領域は、異方性光学フィルムを形成する材料が硬化する際に形成される。
直線透過率は、光学フィルムに対して入射した光の直線透過性に関し、ある入射角から入射した際に、直線方向の透過光量と、入射した光の光量との比率であり、下記式で表される。
直線透過率(%)=(直線透過光量/入射光量)×100
以下、本発明の内容について説明する。
図1は本発明の異方性光学フィルム50の模式図である。図1(a)に示すように、異方性光学フィルム50内には板状構造40が複数形成されている。板状構造40は、断面図の図1(b)に示すように、低屈折領域41と高屈折率領域42を交互に含むものである。フィルム表面においても、低屈折率領域41と高屈折率領域42は交互に並んでいる。すなわち、本発明の異方性光学フィルム50は、フィルム表面の低屈折率領域41および高屈折率領域42が厚さ方向に延存した構造を形成するものである。
なお、低屈折領域41と高屈折領域42に加え、他の屈折率領域を含んでもよい。他の屈折率領域としては、例えば中屈折率領域が挙げられる。
図1においては、低屈折率領域41と高屈折率領域42の界面を直線として描いているが、界面は略直線状であればよい。略直線状であっても、図3に示すような入射角依存性を示す。
異方性光学フィルムの製造方法
本発明の異方性光学フィルムは、特定の光硬化性化合物に特殊な条件で紫外線(UV)照射を行うことにより作製することが出来る。以下、まず異方性光学フィルムの原料を説明し、次いで製造プロセスを説明する。
異方性光学フィルムの原料
本発明の異方性光学フィルムを形成する材料は、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーと光開始剤とから構成され、紫外線及び/又は可視光線を照射することにより重合・固化する材料である。
ここで、異方性光学フィルムを形成する材料が1種類であっても、密度の高低差ができることによって屈折率差が生ずる。UVの照射強度が強い部分は硬化速度が早くなるため、その硬化領域周囲に硬化材料が移動し、結果として屈折率が高くなる領域と屈折率が低くなる領域が形成されるからである。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタアクリレートのどちらであってもよいことを意味する。
(シリコーン骨格を有する光硬化性化合物)
上記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物は、その構造(主にエーテル結合)に伴い配向して重合・固化し、低屈折率領域、高屈折率領域、又は、低屈折率領域及び高屈折率領域を形成する。これにより、異方性光学フィルムとしての基本的な特性である異方性を発現することができる。
低屈折率領域において、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が相対的に多くなることが好ましい。これによって、異方性光学フィルムの異方性がさらに向上する。
シリコーン樹脂はシリコーン骨格を有さない化合物に比べ、シリカ(Si)を多く含有するため、このシリカを指標として、EDS(エネルギー分散型X線分光器)を使用することによってシリコーン樹脂の相対的な量を確認することができる。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物は、ラジカル重合性又はカチオン重合性の官能基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーである。ラジカル重合性の官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などが挙げられ、カチオン重合性の官能基としては、エポキシ基、オキセタン基などが挙げられる。これらの官能基の種類と数に特に制限はないが、官能基が多いほど架橋密度が上がり、屈折率の差が生じやすいため好ましいことから、多官能のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有することが好ましい。また、シリコーン骨格を有する化合物はその構造から他の化合物との相容性において不十分なことがあるが、そのような場合にはウレタン化して相容性を高めることができる。本発明では末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の重量平均分子量(Mw)は、500〜50,000の範囲にあることが好ましい。より好ましくは2,000〜20,000の範囲である。重量平均分子量が上記範囲にあることにより、十分な光硬化反応が起こり、異方性光学フィルム内に存在するシリコーン樹脂が配向しやすくなり、異方性がより発現しやすい
シリコーン骨格としては、例えば、下記の一般式(1)で示されるものが該当する。一般式(1)において、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、メチル基、アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ポリエーテル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の官能基を有する。
一般式(1)中、nは1〜500の整数であることが好ましい。
(シリコーン骨格を有さない化合物)
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物にシリコーン骨格を有さない化合物を配合して、異方性光学フィルムを形成すると、低屈折領域と高屈折率領域が分離して形成されやすくなり、異方性の程度が強くなり好ましい。シリコーン骨格を有さない化合物は、光硬化性化合物のほかに熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができ、これらを併用することもできる。光硬化性化合物としては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマー、モノマーを使用することができる(ただし、シリコーン骨格を有していないものである)。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂とその共重合体や変性物が挙げられる。熱可塑性樹脂を用いる場合においては熱可塑性樹脂が溶解する溶剤を使用して溶解し、塗布、乾燥後に紫外線でシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化せしめて異方性光学フィルムを成形する。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステルとその共重合体や変性物が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合においては、紫外線でシリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化させた後に適宜加熱することで、熱硬化性樹脂を硬化せしめて異方性光学フィルムを成形する。シリコーン骨格を有さない化合物として最も好ましいのは光硬化性化合物であり、低屈折領域と高屈折率領域が分離しやすいことと、熱可塑性樹脂を用いる場合の溶剤が不要で乾燥過程が不要であること、熱硬化性樹脂のような熱硬化過程が不要であることとなど、生産性に優れている。
低屈折領域と高屈折率領域の屈折率差(絶対値)は、0.02以上あることが好ましい。より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.04以上である。屈折率差が大きくなるほど、異方性の程度が大きくなることに加え、光学顕微鏡等で板状構造を形成しているか確認することが容易となる。
ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するもので、具体的にはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2−エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシフタル酸、ジシクロペンテニルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、EO変性フェニルアクリレート、アダマンタンアクリレート、ビフェニルアクリレート、フェノキシフェニルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変成トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。又、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。尚、同様にメタクリレートも使用可能であるが、一般にはメタクリレートよりもアクリレートの方が光重合速度が速いので好ましい。
カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基やビニルエーテル基、オキセタン基を1個以上有する化合物が使用できる。エポキシ基を有する化合物としては、2−エチルヘキシルジグリコールグリシジルエーテル、ビフェニルのグリシジルエーテル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのEO付加物、ビスフェノールAのPO付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステルやダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類が挙げられる。
更に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ブタンテトラカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)−4,5−エポキシテトラヒドロフタレート等の脂環式エポキシ化合物も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚ビニルエーテル化合物は、一般にはカチオン重合性であるが、アクリレートと組み合わせることによりラジカル重合も可能である。
オキセタン基を有する化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)−オキセタン等が使用できる。
尚、以上のカチオン重合性化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。上記光重合性化合物は、上述に限定されるものではない。又、十分な屈折率差を生じさせるべく、上記光重合性化合物には、低屈折率化を図るために、フッ素原子(F)を導入しても良く、高屈折率化を図るために、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入しても良い。又、特表2005−514487に開示されるように、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化錫(SnOx)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面に、アクリル基やメタクリル基、エポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を添加することも有効である。
本発明においては、シリコーン骨格を有さない化合物として、シリコーン骨格を有する化合物の分子配向を乱す作用を有するものを使用することが好ましい。例えば、カルド構造を有する化合物、一分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物、架橋構造を持つ環状炭化水素化合物およびスピロ化合物から選択される少なくとも一種の化合物を使用することが好ましい。シリコーン骨格を有さない化合物は、一種類であっても複数種類を使用してもよい。
ここで、カルド構造とは環状構造にある4級炭素に二つの環状構造が結合した構造であり、これを有する化合物として代表的なものにフルオレン環に芳香族環が結合したものがある。一分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物の例としては、ビフェニル、ビスフェノールA、ジフェニルオキサイド、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィド等の芳香族環が結合によって繋がった構造の化合物である。また、架橋構造を持つ環状炭化水素化合物の例としては、ノルボルネン、樟脳、トリシクロデカン、アダマンタン等の骨格を有する化合物であり、更にスピロ化合物とは、二つの環状化合物が一つの炭素を共有した構造を有しており、代表的な化合物にスピロビインダン、スピロアセタール等がある。これら化合物は立体構造的に嵩高いか、立体配座において環状構造がねじれやすいか、あるいは、屈曲構造を取りやすいために、分子配向を一部乱すことができるものと考えられる。
シリコーン骨格を有さない化合物として、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を1分子中に1官能以上有する化合物であって、その骨格がフルオレン、アダマンタン、ビフェニル、ビスフェノールA、ジフェニルオキサイド、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィドのいずれかである化合物を含むことが好ましい。光重合成官能基を有するこのような化合物は入手が容易であり、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と同時に光硬化することで、シリコーン骨格を有する化合物の分子配向による充分な異方性を有しながら、配向を一部乱すことで位相差を低下させることができるものと考えられる。このような化合物の具体的な例示として、フルオレン骨格を有する化合物としては大阪ガスケミカル社製のオグソールEA−0200、オクゾールEA−F5003、オクゾールEA−F5503、オクゾールEA−F5510、新中村化学社製のA−BPEF(9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン)などが挙げられ、アダマンタン骨格を有する化合物としては出光興産社製のアダマンテートM−104、アダマンテートX−A−101、アダマンテートX−A−201、アダマンテートMM、アダマンテートEM、アダマンテートHM、アダマンテートHA、アダマンテートMA、アダマンテートEAなどが挙げられ、ビフェニル骨格を有する化合物としては第一工業製薬社製のニューフロンティアOPPE(オクソフェニルフェノールアクリレート)などが挙げられ、ビスフェノールA骨格を有する化合物としてはビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシアクリレートなどが挙げられ、ジフェニルオキサイド骨格を有する化合物としては共栄社化学社製のライトアクリレートPOB−A(m−フェノキシベンジルアクリレート)などが挙げられ、ジフェニルスルホン骨格を有する化合物としては4,4'−ビス(β−(メタ)アクリ ロイルオキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどが挙げられ、ジフェニルスルフィド骨格を有する化合物としては4,4'−ジ(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルスルフィドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれら化合物を複数用いることも可能である。
高屈折率領域において、シリコーン骨格を有さない化合物の硬化物(化合物がアクリレートであれば、硬化物はアクリル樹脂)が相対的に多くなることが好ましい。これによって、異方性をさらに向上させることができる。
シリコーン骨格を有さない化合物はシリコーン骨格を有する光硬化性化合物に比べ、炭素(C)を多く含有するため、この炭素を指標として、EDS(エネルギー分散型X線分光器)を使用することによって確認することができる。
(光開始剤)
異方性光学フィルムの原料(光開始剤)
ラジカル重合性化合物を重合させることのできる光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。又、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
カチオン重合性化合物の光開始剤は、光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることができる化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が使用され、これらの対イオンには、BF 、PF 、AsF 、SbF 等のアニオンが用いられる。具体例としては、4−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。
異方性光学フィルムの原料(配合量、その他任意成分)
本発明において、上記光開始剤は、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物とシリコーン骨格を有さない化合物からなる組成物中に含まれる光硬化性化合物の合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜7質量部、より好ましくは0.1〜5質量部程度配合される。これは、0.01質量部未満では光硬化性が低下し、10質量部を超えて配合した場合には、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下してしまう弊害、異方性の低下、板状構造の形成の阻害を招くからである。これらの光開始剤は、通常粉体を上記組成物の混合物中に直接溶解して使用されるが、溶解性が悪い場合は光開始剤を予め極少量の溶剤に高濃度に溶解させたものを使用することもできる。このような溶剤としては光重合性であることが更に好ましく、具体的には炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。又、光重合性を向上させるために公知の各種染料や増感剤を添加することも可能である。更に光重合性化合物を加熱により硬化させることのできる熱硬化開始剤を光開始剤と共に併用することもできる。この場合、光硬化の後に加熱することにより光重合性化合物の重合硬化を更に促進し完全なものにすることが期待できる。
本発明では、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物とシリコーン骨格を有さない化合物を混合した組成物を硬化させて、異方性拡散層を形成することができる。いずれの化合物複数を混合することができる。また、組成物中に必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、光安定化剤、界面活性剤、レベリング剤など、既知の添加剤を添加することも可能である。特に可塑剤、界面活性剤、レベリング剤可塑剤などは製膜性などを向上するためには有効で、フタル酸ポリエステル、アジピン酸ポリエステルなどの可塑剤、シリコーン系やアクリル系のレベリング剤が挙げられ、添加量は全組成物中0.5〜10重量%が好ましい。
シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と、シリコーン骨格を有さない化合物の比率は質量比で15:85〜85:15の範囲にあることが好ましい。より好ましくは30:70〜70:30の範囲である。当該範囲にすることによって、低屈折領域と高屈折率領域の相分離が進みやすくなる。シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の比率が下限値未満または上限値超であると、相分離が進みにくくなってしまい、異方性不足の問題を解決しにくくなる。カルド構造を有する化合物、一分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物、架橋構造を持つ環状炭化水素化合物およびスピロ化合物から選択される少なくとも一種の化合物いずれかである化合物の配合量は、全光硬化性樹脂組成物中に対して10〜60質量%であることが好ましい。下限値より添加量が少ないと分子配向を乱す効果がなくなり位相差を低くする効果が望めなく、また添加量が多すぎると配向が乱れすぎて本来の光学異方性を損ねることに繋がる。より好ましい配合量としては15〜45質量%であり、充分な位相差の低下を発現することが可能である。本発明の異方性光学フィルムは、これら化合物とその配合量を適宜選択することによって、従来なし得なかった異方性と低位相差の両立を実現できるものであり、その位相差は光学フィルムとして充分に低い25nm以下とすることができる。さらには、10nm以下にすることも可能であり、低位相差フィルムとして従来より使用されているTACフィルム、COPフィルムやポリカーボネート(PC)シートと同等の位相差とすることができ、これら材料の代替とすることも可能である。すなわち、本発明の異方性光学フィルムを偏光板用保護フィルムとして使用することができる。上述の通り本発明で得られる異方光学フィルムは位相差が低いため、偏光板のクロスニコルの間に存在した場合においても光漏れを生じることは少なく、また、偏光板のパラレルニコルの間に存在した場合でも光損失を生じることが少なく、ディプレイなどに用いた場合においては、輝度の低下を抑制し、コントラストの向上に寄与する。
[プロセス]
次に本発明の異方性光学フィルムの製造方法(プロセス)について説明する。上述の異方性光学フィルムの形成材料(光硬化性樹脂組成物)を透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような適当な基材上に塗工して塗工膜を設ける。必要に応じて乾燥して溶剤を揮発させるが、その乾燥膜厚は10〜500μm、より好ましくは20〜200μm、更に好ましくは30〜100μmである。乾燥膜厚が10μm未満では、後述するUV照射プロセスを経て得られる光拡散性が乏しいため好ましくない。一方乾燥膜厚が500μmを越えるような場合、全体の拡散性が強すぎて本発明の特徴的な異方性が得られ難くなると共に、コストアップ、薄型化用途に不適合といったことからも好ましくない。更に、この塗工膜上には離型フィルムや後述するマスクをラミネートして感光性の積層体を作ることもできる。
(シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を含む光硬化性樹脂組成物を基材上にシート状に設ける手法)
ここで、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を含む光硬化性樹脂組成物を基材上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式や印刷方式が適用される。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等が使用できる。光硬化性樹脂組成物が低粘度の場合は、基体の周囲に一定の高さの堰を設けて、この堰で囲まれた中に光硬化性樹脂組成物をキャストすることもできる。
(光源)
塗工膜に光照射を行うための光源としては、通常はショートアークの紫外線発生光源が使用され、具体的には高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等が使用可能である。光硬化性化合物を含む光硬化性樹脂組成物に照射する光線は、該光硬化性化合物を硬化可能な波長を含んでいることが必要で、通常は水銀灯の365nmを中心とする波長の光が利用される。
光源の形状は、線状であることが好ましく、被照射位置から見て光源が略線状に見えるようなものを使用してもよい。このような線状光線を得る方法としては種種の光源やレンズを用いた既知の方法を用いることができる。本発明では簡便な方法として、拡散光源をフレネルレンズ等で平行光線に変換し、さらに平行光線をレンチキュラーレンズを介して一方向にのみ拡散した線状光線に変換した光源を用いる例を示すが、この限りではない。
上記のショートアークのUV光線からの光から平行光線を作るためには、例えば光源の背後に反射鏡を配置して、所定の方向に点光源として光が出射するようにし、更にその光をフレネルレンズにより平行光とすることができる。フレネルレンズとは、通常のレンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズであり、のこぎり状の断面を持つものである。点状光源から出射された光線がフレネルレンズを通ると、方向がばらばらであった光の向きが一方向に統一され、平行光線となるものである。但し、本発明の異方性光学フィルムを作製する上で必要な平行なUV出射光を得るために、必ずしもフレネルレンズを必須とするものではなく、レーザーを含め色々な方法を使用することが出来る。
上述した平行光線をレンチキュラーレンズの平坦な面に入射させ、このレンチキュラーレンズの凹凸面から出射させることによって、平行光線の一部が線状光線に変換される。すなわち、レンチキュラーレンズを介することによって、平行光線と線状光線を得ることができる。
なお、レンチキュラーレンズを使用する上述のUV照射方法は、本発明の異方性光学フィルムを作製するためのひとつの方法であり、本発明はこれに限定されるものではない。要は、光硬化性組成物層中に特定の内部構造を形成するために、平面扇形に拡がるようなUV光を感光性積層体に照射することが重要である。
すなわち、光硬化性組成物層に対して平面扇形に広がりを持たせた光を照射する工程により、本発明に係る屈折率の高低からなる微細な構造が形成される。尚、照射する光は、当該光硬化性組成物を硬化させることのできる波長を有する。また、上記の照射する工程では、平行光線を平面扇形に拡散させた光を使用することが好適である。
本発明の異方性光学フィルムを作製する場合、塗工膜に照射されるUV光の照度としては、0.01〜100mW/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20mW/cmの範囲である。照度が0.01mW/cm以下であると硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなり、100mW/cm以上であると光硬化性化合物の硬化が速すぎて構造形成を生じず、目的の異方性拡散特性を発現できなくなるからである。
UVの照射時間は特に限定されないが、10〜180秒間、より好ましくは30〜120秒間である。その後、離型フィルムを剥離することで、本発明の異方性光学フィルムを得ることができる。
本発明の異方性光学フィルムは、上述の如く低照度UV光を比較的長時間照射することにより光硬化性組成物中に特定の内部構造が形成されることで得られるものである。そのため、このようなUV照射だけでは未反応のモノマー成分が残存して、べたつきを生じたりしてハンドリング性や耐久性に問題がある場合がある。そのような場合は、1000mW/cm以上の高照度のUV光を追加照射して残存モノマーを重合させることが出来る。この時のUV照射は、先にUV照射を行った方向の逆側(基材側)から行うのが好ましい。
表示装置
本発明の異方性光学フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)、表面電界ディスプレイ(SED)、電子ペーパーのような表示装置に適用することができる。特に好ましくは液晶表示装置(LCD)に用いられる。本発明の異方性光学フィルムは、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物を硬化して形成されるものであるが、接着強度の問題は少なく、接着層や粘着層を介して、所望の場所に貼り合わせて使用することができる。
本発明の異方性光学フィルムは、透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
以下の方法に従って、本発明の異方性光学フィルム及び比較例の異方性光学フィルムを製造した。
[実施例1]
厚さ100μm、76×26mmサイズのPETフィルム(東洋紡社製、商品名:A4300)の縁部全周に、ディスペンサーを使い硬化性樹脂で高さ0.2mmの隔壁を形成した。この中に下記の光硬化性樹脂組成物を充填し、別のPETフィルムでカバーした。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 65重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 35重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名:Ebecyl150)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
この両面をPETフィルムで挟まれた0.2mmの厚さの液膜に対して、UVスポット光源(浜松ホトニクス社製、商品名:L2859−01)の落射用照射ユニットから出射される平行光線をレンチキュラーレンズを介して線状光線に変換した紫外線を垂直に、照射強度10mW/cmとして1分間照射して、図1に示すような線状の微小な領域を多数有する実施例1の異方性拡散媒体体を得た。そこから、PETフィルムを剥がして本発明の異方性拡散フィルムを得た。
[実施例2]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 45重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・フルオレン骨格ジアクリレート(屈折率:1.591) 12重量部
(大阪ガスケミカル社製、商品名:オクゾールEA−F5503)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 43重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
[実施例3]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 45重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・アダマンタン骨格アクリレート(屈折率:1.521) 15重量部
(出光興産社製、商品名:アダマンテートX−A−101)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 40重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
[実施例4]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 30重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
トリメチロールプロパントリアクリレート(屈折率:1.474) 15重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)
・ビフェニル骨格アクリレート(屈折率:1.568) 15重量部
(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアOPPE)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 40重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
[実施例5]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 25重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
トリメチロールプロパントリアクリレート(屈折率:1.474) 5重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)
ウレタンアクリレート(屈折率:1.491) 15重量部
(共栄社化学社製、商品名:UA−306I)
・エポキシアクリレート(屈折率:1.523) 40重量部
(共栄社化学社製、商品名:エポキシエステルM−600A)
・ジフェニルオキサイド骨格アクリレート(屈折率:1.566) 15重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPOB−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
[比較例1]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 55重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 45重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
[比較例2]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の異方性拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 30重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
トリメチロールプロパントリアクリレート(屈折率:1.474) 15重量部
(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートTMP−A)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 5重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名:Ebecyl150)
・フェノキシエチルアクリレート(屈折率:1.518) 50重量部
(共栄社化学製、商品名:ライトアクリレートPO−A)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
[比較例3]
下記の光硬化性樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の拡散フィルムを得た。
・シリコーン・ウレタン・アクリレート(屈折率:1.460) 10重量部
(RAHN社製、商品名:00−225/TM18、重量平均分子量:5,890)
・ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(屈折率:1.536) 90重量部
(ダイセルサイテック社製、商品名:Ebecyl150)
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン 4重量部
(BASF社製、商品名:Irgacure651)
実施例1〜5、比較例1〜3で使用したシリコーン・ウレタン・アクリレートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ポリスチレン換算分子量として、GPC法を用いて下記条件で行った。
デガッサー:DG-980-51(日本分光株式会社製)
ポンプ:PU-980-51(日本分光株式会社製)
オートサンプラー:AS-950(日本分光株式会社製)
恒温槽:C-965(日本分光株式会社製)
カラム:Shodex KF-806L × 2本 (昭和電工株式会社製)
検出器:RI (SHIMAMURA YDR-880)
温度:40℃
溶離液:THF
注入量:150μl
流量:1.0ml/min
サンプル濃度:0.2%
(SEM及びEDSによる評価)
SEM及びEDSについては次の条件で撮影した。
SEM
実施例1で得られた異方性光学フィルムの断面の状態、および含有元素の情報を、SEMおよびEDSにより観察した。観察は、異方性光学層の表面にカーボン蒸着したのち行った。以下に、SEMおよびEDS観察の条件を示す。
分析装置 JSM−6460LV(日本電子社製)/INCA(OXFORD社製)
前処理装置 C(カーボン)コーティング:45nm SC−701C(サンユー電子社製)
SEM条件 加速電圧 :15KV
照射電流 :0.15nA
真空度 :高真空
画像検出器:反射電子検出器
試料傾斜 :0度
(異方性拡散フィルムの異方性評価)
光源の投光角、受光器の受光角を任意に可変できる変角光度計ゴニオフォトメータ(ジェネシア社製)を用いて、実施例および比較例の異方性拡散フィルムの評価を行った。光源からの直進光を受ける位置に受光部を固定し、その間のサンプルホルダーに実施例および比較例で得られた異方性拡散フィルムをセットした。図2に示すように回転軸(L)としてサンプルを回転させてそれぞれの入射角に対応する直線透過光量を測定した。この評価方法によって、どの角度の範囲で入射される光が拡散するかを評価することができ、つまり、拡散の異方性を知ることができる。この回転軸(L)は、図1(a)に示されるサンプルの構造において、B−B軸と同じ軸である。直線透過光量の測定は、視感度フィルターを用いて可視光領域の波長を測定した。
(異方性拡散フィルムの位相差の評価)
王子計測機器の位相差測定装置KOBRA−WRを用いて、実施例および比較例の異方性拡散フィルムの面内位相差を測定した。測定波長は586.5nmとして、入射角を変えて位相差を測定し、最も高い位相差となる測定値を評価した。
(異方性拡散フィルムのクロスニコル間での光漏れ評価)
2枚の偏光板を用意し、クロスニコルになるように重ね合わせ、その間に実施例および比較例の異方性拡散フィルムを挟み光漏れを観察した。光漏れを定量的に評価するため、日本電飾社製ヘイズメーターNDH−2000を用い、異方性拡散フィルムを挟まないクロスニコルの偏光板の全光線透過率(TT)を基準として、異方性拡散フィルムを挟んだ状態での全光線透過率(TT)を測定し、その差を光漏れの透過率変化(ΔTT=TT−TT)として評価した。なお、この測定の際には異方性拡散フィルムを回転させ最も透過率が高くなる測定値を用いて評価した。ΔTTは低いほど好ましく、1.0以下で実用に供するものであり、0.8以下で好ましく使用することができる。
実施例ならびに比較例のゴニオフォトメーターによって測定された直線透過率から光学異方性を評価し表1に示した。実施例1〜5と比較例1と2の異方性光学フィルムは光線の入射角度による直線透過率が50%以上の差で変化量が多かったことから、充分な光学異方性を示していると判断できた。一方で、比較例3の光学フィルムは光線の入射角度による直線透過率が約15%の差で変化量が少なく、充分な光学異方性を示さないばかりか、拡散領域での拡散も充分とはいえないと判断できた。
表1には実施例ならびに比較例の位相差(Re)の測定結果と光漏れの透過率変化(ΔTT)を併せて示した。実施例1〜5の位相差は25nm以下と充分に低く、かつ、光漏れも少ないことがわかる。さらに、特に実施例4〜5の異方光学性フィルムは10nm以下の低い位相差となり、光漏れはほぼゼロとなる。一方で、比較例の位相差は高く、かつ、光漏れも大きいことがわかる。位相差が小さく、クロスニコル偏光板での光漏れが少ない光学フィルムは、各種ディスプレイに用いられた場合、輝度の向上、コントラストの向上に寄与する光学フィルムとして有用であるといえる。
図5に示すように、実施例1の異方性光学フィルムの断面図は低屈折率領域と高屈折率領域が交互に形成されていることがわかる。実施例1の異方性光学フィルムについて、EDSによるマッピングを行った。図6が炭素について、図7が珪素について示したものである。なお、図6と図7は同一視野にて測定した。測定した元素の濃度が高くなるほど黒に近づき、逆に測定した元素の濃度が薄くなるほど白に近づくことになる。図6と図7に示すように、濃淡が線状になっていることが確認された。また、炭素と珪素ではほぼ逆のマッピングになることが示されている。すなわち、炭素濃度が高い箇所では珪素の濃度が低くなり、炭素濃度が低い箇所では珪素の濃度が高くなっていることがわかる。これは、異方性光学フィルムを形成する材料が線状に配向していることを示した結果であり、シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が線状に相対的に多くなっている部分と、シリコーン骨格を有さない化合物が線状に相対的に多くなっている部分が示されたものである。
以上説明したように、本発明によれば、光線の入射角度による直線透過光量の変化量が多い異方性拡散フィルムを提供することができ、その異方性拡散フィルムは位相差が小さいため、各種表示装置に使用することで優れた視認性を得ることが出来る。

Claims (7)

  1. フィルム内部に板状構造の低屈折率領域と板状構造の高屈折率領域を少なくとも有し、フィルム表面では該低屈折率領域と該高屈折率領域が交互に並んでおり、フィルム断面では上記フィルム表面の該低屈折率領域および該高屈折率領域が厚さ方向に延存した構造を有する偏光板用異方性光学フィルムであって、
    該異方性光学フィルムは、少なくとも
    リコーン骨格を有する光硬化性化合物のモノマー、オリゴマー、プレポリマーまたはマクロモノマーと、
    カルド構造を有する化合物、一分子中に2個以上の芳香族環を有する化合物、架橋構造を持つ環状炭化水素化合物およびスピロ化合物から選択され、全組成物中10〜60質量%含有する、少なくとも一種のシリコーン骨格を有さない化合物と、からな
    該異方性光学フィルムは、面内位相差が25nm以下であり、かつ、
    クロスニコルになるように重ね合わせた2枚の偏光板の間に、該異方性光学フィルムを挟んだ状態での全光線透過率(TT )と、該異方性光学フィルムを挟まない該クロスニコルの偏光板の全光線透過率(TT )との差である光漏れの透過率変化(ΔTT=TT −TT )が、0.8以下であることを特徴とする偏光板用異方性光学フィルム。
  2. 前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物と、前記シリコーン骨格を有さない化合物の比率が質量比で15:85〜85:15の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
  3. 前記低屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の硬化物であるシリコーン樹脂が相対的に多くなっており、
    前記高屈折率領域において、前記シリコーン骨格を有さない化合物が相対的に多くなっていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
  4. 前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシリコーン・ウレタン・(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
  5. 前記シリコーン骨格を有さない化合物が、末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を1分子中に1官能以上有する化合物であって、その骨格がフルオレン、アダマンタン、ビフェニル、ビスフェノールA、ジフェニルオキサイド、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィドのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
  6. 前記シリコーン骨格を有する光硬化性化合物の重量平均分子量(Mw)が、500〜50,000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の偏光板用異方性光学フィルム。
  7. 基材上に、異方性光学フィルムの形成材料を塗工して塗工膜を設ける工程と、
    該塗工膜上に、拡散光源を平行光線に変換し、さらに該平行光線を、レンチキュラーレンズを介して線状光線に変換した光線の照射を行い、該塗工膜を硬化させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載の偏光板用異方性光学フィルムの製造方法。
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