JP2018087934A - 体積ホログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、自然光又は白色光下では目的の画像情報以外の情報が視認されにくく、複製がより困難、かつ複製品であるか否かの判別が容易な体積ホログラムを提供することである。【解決手段】本発明の体積ホログラム10は、干渉波露光により画像情報が記録された体積ホログラムであって、回折格子の性状が相互に異なる第一領域1と第二領域2とを有し、回折反射光スペクトルを測定したとき、第一領域1と第二領域2の回折反射ピーク波長が、420〜490nmの波長範囲内、500〜570nmの波長範囲内及び590〜780nmの波長範囲内のうちいずれか一つの同一の波長範囲内にともに存在し、同一の波長範囲内にともに存在する第一領域1と第二領域2の回折反射ピーク波長の差が、5nm以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、体積ホログラムに関する。本発明は、特に、自然光又は白色光下では目的の画像情報以外の情報が視認されにくく、複製がより困難、かつ複製品であるか否かの判別が容易な体積ホログラムに関する。
ホログラム記録体(ホログラム媒体)は、例えば、クレジットカード、通帳、証明書、金券等の証券や、種々の商品又はその包装材料上に真贋判別手段のセキュリティラベルとして貼付され、安心や信頼を提供している。ホログラム記録体には、光の干渉パターンを屈折率の差として層内に記録する体積ホログラムが含まれる。体積ホログラムは、その作製用材料の入手が困難、製造装置が複雑かつ精密、製造プロセスが複雑かつ緻密であることから、同一のものを製造することが困難であり、セキュリティ性の高い媒体といえる。
一方で、体積ホログラムを複製する技術も存在する。すなわち、目的の画像情報が記録された体積ホログラムを原版とし、未記録の複製用感光材料を当該原版に密着させ、複製用感光材料側からレーザー光を照射することで原版の画像情報を複製用感光材料に記録する、いわゆるコンタクトコピー技術が知られている。コンタクトコピー技術は高度な技術が要求されるため体積ホログラムを容易に複製することはできないが、偽造される可能性はある。そのため、近年では、偽造防止のためコンタクトコピー技術による複製を困難にする技術が提案されている。
例えば、体積ホログラム層上に透過型光制御層を積層した体積ホログラムであって、当該透過型光制御層を、透過率が略均一であって、偏光特性がその領域に応じて異なるよう構成する技術が挙げられる。このように構成された体積ホログラム積層体を原版としてコンタクトコピー技術を適用すると、レーザー光は透過型光制御層の領域に応じて選択的に透過されて体積ホログラム層に到達するため、複製される画像情報は体積ホログラム積層体にあらかじめ記録された目的の画像情報と異なる。したがって、コンタクトコピー品には目的の画像情報と異なる画像情報が記録されるため、複製品であるか否かの判別が容易となる(例えば、特許文献1参照。)。
また、例えば、目的の画像情報とともに複製判別用画像が記録された体積ホログラムであって、目的の画像情報記録時と複製判別用画像記録時とでレーザー光源の絞り位置高さを違える技術が挙げられる。このように構成された体積ホログラムを原版としてコンタクトコピー技術を適用すると、目的の画像情報と複製判別用画像との大きさの比率が異なって形成され、複製判別用画像の大きさを計測することで複製品であるか否かの判別が可能となる(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、体積ホログラム層を透過型光制御層から単離すると、元の体積ホログラム層の忠実な複製が可能となってしまう。また、特許文献2に記載の技術にあっては、自然光又は白色光下において目的の画像情報だけでなく複製判別用画像も視認されてしまうため、これが目障りに感じられてしまう。更に特許文献2に記載の技術にあっては、複製品であるか否かの判別時に、複製判別用画像の大きさを計測する装置を要し、即時の判別ができないという問題もある。
特開2013−231970号公報 特開2006−106432号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、自然光又は白色光下では目的の画像情報以外の情報が視認されにくく、複製がより困難、かつ複製品であるか否かの判別が容易な体積ホログラムを提供することである。
上記課題を解決すべく、本発明者らは上記問題の原因等について検討した結果、体積ホログラムが、回折格子の性状が相互に異なる第一領域及び第二領域を有し、第一領域及び第二領域の回折ピーク波長が所定の波長範囲内にともに存在し、その差が所定数値範囲内であることで、自然光又は白色光下で目的の画像情報以外の情報が視認されにくく、複製がより困難、かつ複製品であるか否かの判別が容易な体積ホログラムを得ることができることを見いだした。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.干渉波露光により画像情報が記録された体積ホログラムであって、
回折格子の性状が相互に異なる第一領域と第二領域とを有し、
回折反射光スペクトルを測定したとき、前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長が、420〜490nmの波長範囲内、500〜570nmの波長範囲内及び590〜780nmの波長範囲内のうちいずれか一つの同一の波長範囲内にともに存在し、
前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、5nm以上であることを特徴とする体積ホログラム。
2.前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、10nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム。
3.前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、15nm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体積ホログラム。
4.前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、30nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の体積ホログラム。
本発明によれば、自然光又は白色光下では目的の画像情報以外の情報が視認されにくく、複製がより困難、かつ複製品であるか否かの判別が容易な体積ホログラムを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
上記のように構成される体積ホログラムは、自然光又は白色光下では、第一及び第二領域においてそれぞれ同一系統色の可視光が回折反射されるため、第一及び第二領域は同一色の一様な領域として認識される。したがって、自然光又は白色光下では第一及び第二領域の境界が視認されにくく、そのため第一及び第二領域の存在が認識されにくい。しかしながら、第一及び第二領域の回折反射ピーク波長は互いに異なるため、第一及び第二領域のうちいずれか一方の回折反射ピーク波長と同一の発光波長を有するレーザー光源で再生を試みると、第一及び第二領域のうち他方において回折反射が起きない。このため、本発明の体積ホログラムを原版としてコンタクトコピー技術により複製したコンタクトコピーサンプルは、レーザー光源により再生された画像と同様、第一及び第二領域のうちいずれかが欠損しており、それを自然光又は白色光下で視認することが可能となる。これにより、コンタクトコピーサンプルは、本発明の体積ホログラムとは大きく異なるため、複製品であることを容易に判別できる。
本実施形態の体積ホログラムを示す概略構成図 体積ホログラムの第一領域及び第二領域の回折反射光スペクトルを概略的に示す図 体積ホログラムの自然光又は白色光下での再生画像と、レーザー照射時の再生画像とを示す概略図 干渉波露光に用いられる露光装置の一例を示す概略構成図 干渉波露光に用いられる露光装置の他の例を示す概略構成図 第二領域の形成に用いられるスタンパーを示す概略構成図 スタンパーを用いた第二領域の形成方法の一例を示す図 スタンパーを用いた第二領域の形成方法の他の例を示す図
本発明の体積ホログラムは、干渉波露光により画像情報が記録された体積ホログラムであって、回折格子の性状が相互に異なる第一領域と第二領域とを有し、回折反射光スペクトルを測定したとき、前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長が、420〜490nmの波長範囲内、500〜570nmの波長範囲内及び590〜780nmの波長範囲内のうちいずれか一つの同一の波長範囲内にともに存在し、前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、5nm以上であることを特徴とする。この特徴は、各請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明においては、前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、10nm以上であることが好ましい。これにより、複製品であるか否かの判別がより容易となる。
また、本発明においては、前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、15nm以上であることが好ましい。これにより、複製品であるか否かの判別がより容易となる。
また、本発明においては、前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、30nm以下であることが好ましい。これにより、自然光又は白色光下において画像情報に不自然さを感じることが全くなく、かつ、複製を抑制するための技術が施されていること自体が見いだされにくくなる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《体積ホログラム》
本発明の体積ホログラムは、干渉波露光により画像情報が記録された体積ホログラムであって、回折格子の性状が相互に異なる第一領域と第二領域とを有し、回折反射光スペクトルを測定したとき、第一領域と第二領域の回折反射ピーク波長が、420〜490nmの波長範囲内、500〜570nmの波長範囲内及び590〜780nmの波長範囲内のうちいずれか一つの同一の波長範囲内にともに存在し、同一の波長範囲内にともに存在する第一領域と第二領域の回折反射ピーク波長の差が、5nm以上であることを特徴とする。
図1〜図3を参照して本発明の体積ホログラム10について説明する。
図1は、本発明に係る体積ホログラム10の一例を示す概略斜視図である。図2は、図1に示す第一領域1及び第二領域2の回折反射光スペクトルをそれぞれ概略的に示す図である。図3(a)は、体積ホログラム10の自然光又は白色光下での再生画像、図3(b)は、体積ホログラム10に530nmのレーザー光を照射したときの再生画像をそれぞれ示す図である。なお、図1では、便宜上、第一領域1及び第二領域2を明示しているが、自然光又は白色光下において第一領域1及び第二領域2の境界は極めて視認されにくく構成されている。また、図1では、あらかじめ干渉波露光により記録された、目的の画像情報を省略して示している。
図1に示す例においては、体積ホログラム10は、回折格子の性状が相互に異なる第一領域1と第二領域2とを備えて構成されている。第二領域2は、帯状の円形部と、当該円形部の中心点を通る帯状の斜線部とで構成された領域であり、第一領域1は、体積ホログラム10の上面における当該第二領域2以外の領域である。なお、第一領域1及び第二領域2の形状は図1に示す例に限られるものではなく、いずれであっても良い。
図2中、破線aは、第一領域1の回折反射光スペクトル、実線bは、第二領域2の回折反射光スペクトルをそれぞれ示している。図2に示すように、第一領域1の回折反射光スペクトルには波長530nmの位置に回折反射ピーク波長が存在し、第二領域の回折反射光スペクトルには波長520nmの位置に回折反射ピーク波長が存在する。つまり、第一領域1の回折反射ピーク波長及び第二領域2の回折反射ピーク波長はともに500〜570nmの波長範囲内に存在し、かつその差cは5nm以上となっている。ここで、本発明において、回折反射ピーク波長とは、縦軸を回折反射光強度、横軸を波長としたときの回折反射光スペクトルにおける頂点に対応する位置の波長をいう。
このように構成された体積ホログラム10を自然光又は白色光下で再生すると、図3(a)に示すように、第一領域1及び第二領域2の境界部分をほとんど認識することができず、記録された画像情報を一様な画像として認識することができる。しかしながら、体積ホログラム10に波長530nmのレーザー光を照射した場合には、図3(b)に示すように、第二領域2において回折反射が起きず、第二領域2が欠損した状態で画像情報が再生されることとなる。これにより、本発明の体積ホログラムを原版とし、例えば発光波長530nmのレーザー光によりコンタクトコピー技術を行うと、複製用感光材料上に第二領域2が欠損した画像情報が記録され、容易に複製品であるか否かを判別することができる。
また、本発明の体積ホログラムにおいて、第一領域及び第二領域の回折反射ピーク波長の差は10nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましい。これにより、本発明の体積ホログラムを複製した複製品は、第二領域2の欠損がより明確となるため、複製品であるか否かの判断をより容易に行うことができる。
また、第一領域及び第二領域の回折反射ピーク波長の差は30nm以下であることが好ましい。これにより、自然光又は白色光下において、記録された画像情報に不自然さを全く感じることがなく、かつ、複製を抑制するための技術が施されていること自体が見いだされにくくなる。
また、本発明の体積ホログラムは、単色の回折反射光(青色光、緑色光又は赤色光)を示す体積ホログラムであっても良いし、複数色の回折反射光(青色光と緑色光、青色光と赤色光、緑色光と赤色光又は青色光と緑色光と赤色光)を示す体積ホログラムであっても良い。例えば、青色光と緑色光と赤色光の回折反射光を示す体積ホログラムの場合には、第一領域と第二領域の組み合わせを少なくとも3種類有し、当該第一領域と第二領域の回折反射ピーク波長が、420〜490nmの波長範囲内、500〜570nmの波長範囲内及び590〜780nmの波長範囲内のそれぞれにともに存在し、同一の波長範囲内に存在する第一領域と第二領域の回折反射ピーク波長の差がそれぞれ5nm以上となっている。
なお、上記した実施形態では、体積ホログラムが第一領域と第二領域の二つの領域からなるものとして説明したが、体積ホログラムが、第一領域と異なる回折格子の性状を有する第二領域を複数種類有し、三つ以上の領域からなるものとしても良い。また、体積ホログラムが、第一領域と第二領域との組み合わせを複数種類有し、四つ以上の領域からなるものとしても良い。
《体積ホログラムの製造方法》
本発明の体積ホログラムを製造する方法としては、例えば、次の方法(1)〜(3)のいずれかを挙げることができる。方法(1)としては、体積ホログラムの所定領域を加圧して第二領域を形成する方法、方法(2)としては、体積ホログラムの所定領域に組成物を供給して第二領域を形成する方法、方法(3)としては、熱収縮性を有する材料(以下、熱収縮性材料ともいう。)又は熱膨張性を有する材料(以下、熱膨張性材料ともいう。)を含む体積ホログラム製造用組成物からなる体積ホログラムの所定領域を加熱することで第二領域を形成する方法である。
つまり、方法(1)及び(2)は、後述する体積ホログラム製造用組成物からなる体積ホログラム製造用フィルムに対して少なくとも干渉波露光を施すことで作製された体積ホログラムに対して行う方法である。一方、方法(3)は、熱収縮性材料又は熱膨張性材料を更に含む体積ホログラム製造用組成物からなる体積ホログラム製造用フィルムに対して少なくとも干渉波露光を施すことで作製された体積ホログラムに対して行う方法である。
各方法(1)〜(3)の詳細については後述する。
第二領域形成前の体積ホログラムは、屈折率に特徴を有するラジカル重合性モノマーを含む体積ホログラム製造用組成物よりなる体積ホログラム製造用フィルムに干渉波露光を行うことによって画像情報を記録して作製される。具体的には、干渉波露光された体積ホログラム製造用フィルムにおいて、干渉波の明部では、重合反応が進行してラジカル重合性モノマーが消費され、その消費に伴ってフィルム内に残存するラジカル重合性モノマーが拡散移動によって明部に移動する。当該明部に移動したラジカル重合性モノマーは、重合反応が進行することによって更に消費される。このようにして、フィルム中のラジカル重合性モノマーは明部に移動して重合体を形成することにより高屈折率領域(又は低屈折率領域)を形成する。一方、暗部においてはラジカル重合性モノマーが少ない低屈折率領域(又は高屈折率領域)を形成する。これにより画像情報が記録されている。
《体積ホログラム製造用組成物》
体積ホログラム製造用組成物は、ラジカル重合性モノマー、マトリクス樹脂、光重合開始剤、増感剤、連鎖移動剤等を含有することが好ましい。上記した方法(3)により、本発明の体積ホログラムを製造する場合には、これらに加えて更に後述する熱収縮性材料又は熱膨張性材料を含有する。
ラジカル重合性モノマーとしては、比較的高屈折率を呈するものが好ましく、例えば、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジブロモネオペンチルグリコールジアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシメチルメタクリレート、フェノールエトキシレートモノアクリレート、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、p−クロロフェニルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、2−(1−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、o−ビフェニルメタクリレート、o−ビフェニルアクリレート、スチレン、メトキシスチレン、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノールエトキシレートアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベンゼン、ベンゾキノンモノメタクリレート、2−(1−ナフチロキシ)エチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、ジフェノール酸と3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパノールとのエーテル化合物、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、2,3−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ビスフェノール−Aと3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシエタノールとのエーテル化合物、エトキシ化ビスフェノール−Aジアクリレート、ビスフェノール−Aと3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパノールとのエーテル化合物、ビスフェノール−Aと2−アクリルオキシエタノールとのエーテル化合物、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)メタン、2−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、2−(p−クロロフェノキシ)エチルアクリレート、テトラクロロ−ビスフェノール−Aと3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパノールとのエーテル化合物、テトラクロロ−ビスフェノール−Aと2−メタクリロイルオキシエタノールとのエーテル化合物、テトラブロモ−ビスフェノール−Aと3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパノールとのエーテル化合物、テトラブロモ−ビスフェノール−Aと2−メタクリロイルオキシエタノールとのエーテル化合物、ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジプロモフェニル)メタン、ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジプロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)スルホン、ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)スルホン、ジエチレンジチオグリコールジアクリレート、ジエチレンジチオグリコールジメタクリレート、トリフェニルメチルチオアクリレート、2−({[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)エチルプロパ−2−エノエート、2−(トリシクロ[5,2,102,6]ジブロモデシルチオ)エチルアクリレート、S−(1−ナフチルメチル)チオアクリレート、特開平2−247205号公報や特開平2−261808号公報に記載の分子内に少なくとも硫黄原子を2個以上含むエチレン性不飽和結合含有化合物、N−ビニルカルバゾール、2−(9−カルバゾリル)エチルアクリレート、2−〔β−(N−カルバジル)プロピオニロキシ〕エチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2−(2−ナフチルオキシ)エチルアクリレート、N−フェニルマレイミド、p−ビフェニルメタクリレート、2−ビニルナフタレン、2−ナフチルメタクリレート、2,3−ナフタリンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、N−フェニルメタクリルアミド、t−ブチルフェニルメタクリレート、ジフェン酸(2−メタクリロキシエチル)モノエステル、ジフェン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル、4,5−フェナントレンジカルボン酸(2−アクリロキシエチル)(3−アクリロキシプロピル−2−ヒドロキシ)ジエステル等が挙げられる。
また、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、9,9−ジアリールフルオレン骨格を有し、分子中に少なくとも一つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には下記一般式(I)で表される構造を有する化合物である。
上記一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基を含むラジカル重合性基を表す。例えば、末端にアクリロイル基又はメタクリロイル基を有し、オキシエチレン鎖、オキシプロピレン鎖、ウレタン結合、アミド結合又はこれらの組み合わせ等を介して、上記構造中のベンゼン環と結合し得る基であることが好ましい。
上記一般式(I)中、X〜Xは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表す。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、フェニルイソシアネート化合物と、一分子中にヒドロキシ基及びアクリロイル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する基を有する化合物とによる縮合物からなるウレタンアクリレートも利用できる。具体的には、下記一般式(II)〜(IV)で表される構造を有する化合物である。
一般式(II)〜(IV)中、Rは、それぞれ独立して、エチレン性不飽和二重結合を有する基を表す。Xは、2〜40個の炭素原子及び一つ以上の酸素原子(エーテル架橋の形態で存在する。)を有する基を表す。
Xで表される基としては、直鎖、分岐鎖及び環式のいずれであって良く、官能基によって置換されていても良い。また、Xで表される基としては、それぞれ直鎖又は分岐鎖のオキシアルキレン又はポリオキシアルキレン基であることが特に好ましい。ポリオキシアルキレン基としては、1〜10個のオキシアルキレン基の反復単位を有していることが好ましく、1〜8個のオキシアルキレン基の反復単位を有していることがより好ましい。
また、ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、下記一般式(V)で表される構造を有する化合物を挙げることができる。
一般式(V)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルセレノ基、炭素数1〜6のアルキルテルロ基又はニトロ基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
一般式(V)中、Aは、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜6のアルキレン基、直鎖状若しくは分岐状の炭素数2〜6のアルケニレン基、又はエチレンオキシド単位若しくはプロピレンオキシド単位を有する炭素数2〜6個のポリアルキレンオキシド基を表す。
中でも、一般式(V)において、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキルチオ基を表し、R及びRは、水素原子を表し、Aは、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアルキレン基を表すことが好ましい。
これらのラジカル重合性モノマーの中でも、置換又は無置換のフェニル基を有するモノマー、置換又は無置換のナフチル基を有するモノマー、3個までの環を有する置換又は無置換の複素環式芳香族部分を有するモノマー、塩素原子を有するモノマー、臭素原子を有するモノマーは、その屈折率が比較的高いため、好ましい。
上記ラジカル重合性モノマーは、単独でも又は2種以上を組み合わせても用いることができる。
体積ホログラム製造用組成物におけるラジカル重合性モノマーの含有量は、例えば、10〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
マトリクス樹脂としては、例えば、ポリビニルアセテート(ポリ酢酸ビニル)、ポリビニルブチラート、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ−1,2−ジクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、テトラフルオロエチレン−酢酸ビニル共重合体、シンジオタクチック型ポリメチルメタクリレート、ポリ−α−ビニルナフタレート、ポリカーボネート、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチラート、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−o−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、ポリ−p−フェニルスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニリデン、水素化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン;テトラフルオロエチレンやヘキサフルオロエチレン等とビニルアルコール、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルアセタール、ビニルブチラール等との共重合体;(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体;ポリ酢酸ビニル;メチルメタクリレート−エチルアクリレート−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
体積ホログラム製造用組成物におけるマトリクス樹脂の含有量は、例えば、30〜80質量%の範囲内である。
光重合開始剤として、例えば、米国特許第4766055号明細書、同第4868092号明細書、同第4965171号明細書、特開昭54−151024号公報、同58−15503号公報、同58−29803号公報、同59−189340号公報、同60−76735号公報、特開平1−28715号公報、同4−239505号公報及び「プロシーディングス・オブ・コンフェレンス・オン・ラジエーション・キュアリング・エイジア(PROCEEDINGS OF CONFERENCE ON RADIATION CURING ASIA)」(pp.461〜477、1988年)等に記載されている公知の重合開始剤が使用できるが、これらに制限されない。例えば、ジアリールヨードニウム塩類、2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類(トリアジン系化合物)、アゾ化合物、アジド化合物、有機過酸化物、有機ホウ素酸塩、オニウム塩類、ハロゲン化炭化水素誘導体、チタノセン化合物、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイドとα−ヒドロキシケトンとの組み合わせ等が挙げられる。また、チオール化合物等の水素供与体とビスイミダゾール誘導体との併用によるラジカル重合開始剤システムも利用できる。
体積ホログラム製造用組成物における光重合開始剤の含有量は、例えば、0.1〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
増感剤としては、例えば、シアニン系色素、スチリル系色素等のポリメチン系化合物、ローダミンB、ローダミン6G、ピロニンGY等のキサンテン系化合物、サフラニンO等のフェナジン系化合物、クレシルバイオレット、ブリリアントクレシルブルー等のフェノキサジン系化合物、メチレンブルー、ニューメチレンブルー等のフェノチアジン系化合物、オーラミン等のジアリールメタン系化合物、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリーン、リサミングリーン等のトリアリールメタン系化合物、(チオ)ピリリウム塩系化合物、スクアリリウム系化合物、クマリン系色素、チオキサンテン系色素、アセン系色素、メロシアニン系色素、チアゾリウム系色素等が挙げられる。これら増感剤は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
体積ホログラム製造用組成物における増感剤の含有量は、例えば、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィド等のジスルフィド類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化合物;2−メチル−1−ブテン、α−メチルスチレンダイマー等のオレフィン類;等が挙げられる。
体積ホログラム製造用組成物における連鎖移動剤の含有量は、例えば、0〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
上記各成分を含有する体積ホログラム製造用組成物は、溶媒等を添加することで塗料化され、これが透明基材上に塗布された後、必要に応じてカバーフィルム等で被覆されることで体積ホログラム製造用フィルムが作製される。
《干渉波露光》
上記のようにして作製された体積ホログラム製造用フィルムに対し、少なくとも干渉波露光(ホログラフィ露光)を行うことにより、目的の画像情報が記録された、第二領域形成前の体積ホログラムを製造することができる。
干渉波露光は、例えば、図4に示すような露光装置200を用いて行われる。図4は、露光装置200の構成を示す概略図である。
露光装置200は、図4に示すように、レーザー光源201、ビームスプリッター202、ビームエキスパンダー203、208、物体204、体積ホログラム製造用フィルム205、ミラー206、207等を備えて構成されている。
レーザー光源201としては、例えば、アルゴンイオンレーザー(発光波長:458nm、488nm、514nm)、クリプトンイオンレーザー(発光波長::647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(発光波長:633nm)、YAGレーザー(発光波長:532nm)等を使用することができる。ビームエキスパンダー203、208は、体積ホログラム製造用フィルム205の露光面積に応じて、光束径を広げ、開口率(NA)を変化させる機能を有する。物体204は、体積ホログラムに画像情報として記録される対象物である。体積ホログラム製造用フィルム205は、上記した体積ホログラム製造用組成物がフィルム化されたものである。
レーザー光源201から射出された光線(記録光)は、ビームスプリッター202によって二光束に分けられ、そのうち一方の光束径がビームエキスパンダー203によって広げられた後、物体204に照射される。物体204からの反射光は体積ホログラム製造用フィルム205の一方の面に物体光として入射する。ビームスプリッター202によって分けられたもう一方は、ミラー206、207を介してビームエキスパンダー208に到達し、ビームエキスパンダー208によって光束径が広げられた後、体積ホログラム製造用フィルム205の他方の面に参照光として入射する。これにより、体積ホログラム製造用フィルム205には、対面する物体光と参照光の干渉光が記録されることになる。
また、例えば、複数色の回折反射光を有する体積ホログラムを製造する場合には、例えば、図5に示すような露光装置200Aを用いて干渉波露光が行われる。図5は、露光装置200Aの構成を示す概略図である。
露光装置200Aは、上記した露光装置200と略同様に構成されており、レーザー光源201a、201b、201c及びダイクロイックミラー209、210、211が設けられている点で露光装置200と異なる。レーザー光源201a〜201cは、それぞれ異なる発光波長のレーザー光源が用いられる。また、ダイクロイックミラー209〜211は、各レーザー光源201a〜201cの光路上にそれぞれ設けられ、各レーザー光源201a〜201cの発光波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する。これにより、レーザー光源201a〜201cから出射されるレーザー光線を段階的に合成し、体積ホログラム製造用フィルム205に入射させることができる。
《その他の処理》
体積ホログラム製造用フィルムに干渉波露光を施した後、屈折率変調の促進や重合反応完結(定着)のために、体積ホログラムに対して、更に紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
全面露光処理に用いられる光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、メタルハライドランプ等の紫外線を発する光源が挙げられる。紫外線による全面露光を行う場合の照射エネルギー量としては、例えば、5〜100J/cmの範囲内であることが好ましい。
また、加熱処理は、後述の熱収縮性材料中の熱硬化性樹脂の硬化温度、熱膨張性材料の膨張温度より低い温度で行うことができる。具体的には、例えば、温度は30〜50℃の範囲内、処理時間は30分間〜3時間の範囲内であることが好ましい。
全面露光処理と加熱処理とをともに行う場合、その順序は特に制限されず、全面露光処理を先に行っても良いし、加熱処理を先に行っても良い。
[方法(1)]
上記方法(1)としては、上記したように構成された体積ホログラムの任意の領域を加圧することにより、当該領域の回折格子を均一に圧縮する方法である。これにより加圧された領域が第二領域を形成し、加圧されていない領域が第一領域を形成する。
上記体積ホログラム上の任意の領域に対して加圧する方法としては、例えば、加熱加圧手段を用いて加熱しながら加圧することが好ましい。そのような加熱加圧手段としては、例えば、熱伝導性の良好な金属、酸化金属又はゴム等の熱伝導部材で構成されたスタンパーが挙げられる。このようなスタンパーを用いて、例えば図6〜図8に示すようにして方法(1)を行うことができる。図6(a)はスタンパー20の概略下面図、図6(b)はスタンパー20の概略側面図である。図7及び図8は、スタンパー20を用いて体積ホログラム10を製造する工程を示す概略図である。
図6に示すように、スタンパー20は、本体部21の押圧面21a上に、製造する体積ホログラム10の第二領域2に対応する形状の凸部22が形成されて構成されている。これを用いて体積ホログラム10を製造する場合には、スタンパー20を所定温度以上に加熱した後、図7に示すようにスタンパー20を第二領域形成前の体積ホログラム11に押圧することで、第二領域2を有する体積ホログラム10を製造することができる。また、図8に示すように、二つのスタンパー20を第二領域形成前の体積ホログラム11の両面側から押圧することで、当該体積ホログラム10を製造することもできる。
加熱加圧手段による加熱温度としては、例えば、体積ホログラム上の対象領域が体積ホログラムのガラス転移点(Tg)より5〜20℃高い温度となるように設定することが好ましい。この範囲内であると、体積ホログラムに部分的に適度な流動性を付与することができ、加圧による圧縮を効率良く行うことができる。
加熱加圧手段による加圧力としては、例えば0.5〜2.0kg/cmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、体積ホログラム製造用フィルムに形成された回折格子を破壊することなく、均一に圧縮することが可能となり、対象領域の回折反射光の回折反射ピーク波長を効率良く短波長側にシフトさせることができる。
方法(1)において、回折反射光の回折反射ピーク波長を所望の値に調整するためには、加熱加圧手段による加圧力及び加圧時間を適宜選択することにより達成することができる。
[方法(2)]
上記方法(2)としては、上記したように構成された体積ホログラムの任意の領域に対し、形成された回折格子に相溶し得る組成物を供給して、回折格子体積を増加させ、固定化する方法である。これにより回折格子に相溶し得る組成物(以下、追加組成物ともいう。)が供給された領域が第二領域を形成し、供給されていない領域が第一領域を形成する。
追加組成物としては、例えば、回折格子の高屈折率領域に相溶し得る高屈折率の重合性化合物(以下、高屈折率重合性化合物ともいう。)、回折格子の低屈折率領域に相溶し得る低屈折率の重合性化合物(以下、低屈折率重合性化合物ともいう。)、及び、それらの重合性化合物を重合反応させ得る重合開始剤等を含んでいる。これらの重合性化合物はそれぞれ、体積ホログラム製造用フィルムの回折格子の高屈折率領域と低屈折率領域とに相分離して回折格子の体積を増加させた後、重合開始剤によって硬化され固定化される。
高屈折率重合性化合物と低屈折率重合性化合物の組合せとしては、例えば、ラジカル重合性モノマーとカチオン重合性モノマー、又は、カチオン重合性モノマーとラジカル重合性モノマーであることが好ましい。
高屈折率重合性化合物としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、アズレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、ペリレン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、コロネン環、トリナフチレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、フラザン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、キノリン環、イソインドール環、インドール環、イソキノリン環、フタラジン環、プリン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、フェナジン環等を含むラジカル重合性モノマーが挙げられる。また、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ブロモ化ビスフェノールA、ノボラック、o−クレゾールノボラック、p−アルキルフェニルノボラック等のフェノール化合物とエピクロロヒドリンとの縮合反応により生成されるエポキシ化合物からなるカチオン重合性モノマー等が挙げられる。
追加組成物における高屈折率重合性化合物の含有量は、例えば、30〜75質量%の範囲内であることが好ましい。
低屈折率重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はポリヒドロキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とのエステル化合物等のラジカル重合性モノマーが挙げられる。また、例えば、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、4′,5′−エポキシ−2′−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のカチオン重合性モノマーが挙げられる。
追加組成物における低屈折率重合性化合物の含有量は、例えば、30〜75質量%の範囲内であることが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル種とブレンステッド酸又はルイス酸とを同時に発生し得るラジカル重合開始剤が好ましく、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−クロロフェニル)ヨードニウムの塩化物、臭化物、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。
追加組成物における重合開始剤の含有量は、例えば、0.05〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
追加組成物の体積ホログラム製造用フィルムの任意の領域への供給方法としては、当該追加組成物を供給する位置の精度向上の観点、及び、回折格子の体積を均一に増加させる観点から、例えばインクジェット方式による描画が好ましい。また、インクジェット方式での追加組成物の吐出量は、例えば5〜50ngの範囲内であることが好ましい。この範囲内であると感光性フィルムに対して追加組成物を均一に供給することができる。また、単位面積当たりの追加組成物の供給量は、例えば、0.05〜1.5g/mの範囲内であることが好ましく、0.1〜1.0g/mの範囲内であることが更に好ましい。この範囲内であると、体積ホログラムの第二領域の回折反射ピーク波長を適正な波長に調整できる。
方法(2)において、回折反射光の回折反射ピーク波長を所望の値に調整するためには、追加組成物の組成及び供給量を適宜調整することにより達成することができる。
[方法(3)]
上記方法(3)としては、熱収縮性材料又は熱膨張性材料を含有する上記体積ホログラム製造用組成物に、少なくとも上記した干渉波露光を施すことで画像情報が記録された体積ホログラムの任意の領域を加熱することにより、当該領域の回折格子を膨張又は収縮させる方法である。これにより加熱された領域が第二領域を形成し、加熱されていない領域が第一領域を形成する。なお、熱収縮性材料及び熱膨張性材料としては、上記干渉波露光により形状、弾性率等の性状等が変化しないものを用いる。
熱収縮性材料とは、加熱により不可逆的に体積が減少する材料であり、熱膨張性材料とは、加熱により不可逆的に体積が増大する材料である。
体積ホログラムの任意の領域を加熱する方法としては、例えば、公知のサーマルヘッドを用いる方法が挙げられる。サーマルヘッドによる加熱条件は、熱収縮性材料又は熱膨張性材料が体積変動を生じる程度の条件であれば良く、例えば、加熱温度として60〜150℃の範囲内、体積ホログラムとサーマルヘッドとの接触圧として0.1〜1.0kg/mの範囲内、走査速度として0.1〜1.2m/minの範囲内であることが好ましい。
(熱収縮性材料)
熱収縮性材料としては、例えば、熱膨張係数が15×10-5〜25×10-5/℃の範囲内である熱可塑性樹脂微粒子と熱硬化性樹脂との組合せが挙げられる。
このように構成された熱収縮性材料は、熱印加時に熱可塑性樹脂微粒子の体積が増大した状態で熱硬化性樹脂の熱架橋が生じる。その後、熱印加を解除すると、熱可塑性樹脂微粒子の収縮とともに熱硬化性樹脂の硬化収縮が進み、熱印加前よりも小さな体積に収縮する。
熱可塑性樹脂微粒子としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、密度0.93以下の低密度ポリエチレンの樹脂微粒子等が挙げられる。
熱可塑性樹脂微粒子の平均粒径としては、例えば、20〜150nmの範囲内であることが好ましい。熱可塑性樹脂微粒子の平均粒径は、粒子を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の一次粒子の粒径を求め、その単純平均値(個数平均)として求められる。個々の粒子径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
体積ホログラム製造用組成物における熱可塑性樹脂微粒子の含有量は、例えば、2〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ基とアミン基、アミン基とイソシアネート基(ブロックイソシアネート基)、ヒドロキシ基とイソシアネート基(ブロックイソシアネート基)を有する樹脂等が挙げられる。これらのうち、熱収縮性の高さの観点から、ヒドロキシ基とブロックイソシアネート基の組み合わせが好ましい。なお、これらの組み合わせの官能基をそれぞれ有する2種の樹脂を併用するものとしても良い。
ヒドロキシ基を有する樹脂としては、例えば、ポリプロピレンポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ブロックイソシアネート基を有する樹脂としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族イソシアネート;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5′−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネートにトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類でブロックした化合物等が挙げられる。
体積ホログラム製造用組成物における熱硬化性樹脂の含有量は、例えば、1〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
(熱膨張性材料)
熱膨張性材料としては、例えば、熱可塑性樹脂からなるシェル部と、熱によって気化する化合物からなるコア部と、で構成されるマイクロバルーンが挙げられる。マイクロバルーンは、熱によってコアが膨張し、それに伴いマイクロバルーン全体が膨張する。
マイクロバルーンのシェル部に利用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル等のニトリル基含有ラジカル重合性モノマーと、公知のラジカル重合性モノマーと、により合成される重合体が挙げられる。
公知のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等のカルボキシ基含有単量体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の無水カルボン酸系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン等のビニルケトン系単量体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体;ビニルナフタリン塩等を挙げることができる。
マイクロバルーンにおけるシェル部の割合は、例えば、50〜99質量%の範囲内であることが好ましい。
マイクロバルーンのコア部に利用可能な、熱により気化する化合物としては、例えば、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、(イソ)ヘキサン、(イソ)ヘプタン、(イソ)オクタン、(イソ)ノナン、(イソ)デカン、(イソ)ウンデカン、(イソ)ドデカン、(イソ)トリデカン等の炭素数3〜13の炭化水素;(イソ)ヘキサデカン、(イソ)エイコサン等の炭素数14〜20の炭化水素;プソイドクメン、トルエン、アセトニトリル、プロパンニトリル及びイソブチロニトリル等が挙げられる。
マイクロバルーンにおけるコア部の割合は、例えば、1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
マイクロバルーンの平均粒径は、例えば、100nm〜1μmの範囲内であることが好ましく、100〜500nmの範囲内であることが更に好ましい。この範囲内であると、加熱した領域の回折格子をより均一に膨張させることができる。
なお、本発明においてマイクロバルーンの平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(Microtrac ASVR 日機装社製)によって測定される体積基準の累計50%粒子径をいう。
マイクロバルーンの作製方法としては、例えば、シェル部を構成するラジカル重合性モノマーと、コア部を構成する熱により気化する化合物とを、水性分散媒中に分散させ、かかる系に重合開始剤を付与して分散物を重合する方法を挙げることができる。当該方法に用いられる分散装置としては公知のものを利用することができる。また、当該方法で用いられる重合開始剤としては、例えば、公知の過酸化物やアゾ化合物等を利用することができる。
体積ホログラム製造用組成物におけるマイクロバルーンの含有量は、例えば、2〜10質量%の範囲内であることが好ましく、4〜5質量%の範囲内であることが更に好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例において「部」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」を表す。
[実施例1]
《体積ホログラムの回折反射光の回折反射ピーク波長の測定》
紫外可視分光光度計Solid−Spec−3700及び附属品の可変角絶対反射測定装置(島津製作所製)を用い、体積ホログラムを、測定光の入射角が40°となるように固定する。
次に、検出器の位置を、体積ホログラムの表面の法線に対し−5°から+5°の範囲で1°ずつ角度を変えながら、体積ホログラムの400〜800nmでの回折反射光スペクトルを測定する。各回折反射光スペクトルのうち、反射率が最も高くなる回折反射光スペクトルを抽出し、かかるスペクトルのピーク波長を回折反射ピーク波長とする。なお、図5に示す露光装置200Aを用いて作製した体積ホログラムについては、同様の方法で抽出されたスペクトルにおいて、420〜490nmの波長範囲内におけるピーク波長、500〜570nmの波長範囲内におけるピーク波長、590〜780nmの波長範囲内におけるピーク波長を、それぞれ回折反射ピーク波長とする。
上記測定を第一領域及び第二領域のそれぞれについて行い、各領域の回折反射ピーク波長を求めた。
《体積ホログラムのガラス転移温度(Tg)の測定》
体積ホログラムから、スパーテルを用いてポリエチレンテレフタレートフィルムを取り除き、測定用サンプルとした。かかるサンプル約10mgをアルミニウム製パンに採取し、Q2000MDSC(ティー・エイ・インスツルメント社製)にセットし、昇温速度3℃/minで−50℃から150℃までの吸熱・発熱を測定した。最も低温側の吸熱開始温度を体積ホログラムのガラス転移温度(Tg)とした。
《体積ホログラムAの作製》
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記組成の体積ホログラムA作製用感光液を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体としての感光層を塗設した。かかる感光層の層厚は20μmであった。
(体積ホログラムA作製用感光液の組成)
酢酸ビニル−テトラフルオロエチレン共重合体(酢酸ビニル:テトラフルオロエチレンコポリマー=78:22(質量比))
23.0質量部
フェノールエトキシレートモノアクリレート 2.8質量部
エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート 4.0質量部
フッ素系ノニオン性界面活性剤(FC−430;Flourad(登録商標) 430;3Mカンパニー製)
0.1質量部
2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル1,1′−ビイミダゾール
0.05質量部
4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール
0.05質量部
下記式で表される増感色素1 0.002質量部
2−ブタノン 70.0質量部
更に、感光層面に厚さ20μmの別のポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、体積ホログラム製造用フィルムを得た。
得られた体積ホログラム製造用フィルムを、図4に示す露光装置200(レーザー光源201の発光波長:532nm)に設置し、感光層面における照射エネルギー量が80mJ/cmになるように30秒間のホログラフィ露光を施すことで、目的の画像情報(自動車の模型の画像)を記録した。なお、露光装置200において、参照光の入射角はフィルム面に対して40°とし、物体204として白色の自動車の模型をフィルム面に対して0°の位置に配置した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に60分間配置して全面露光処理を施した後、120℃で1時間の熱処理を行うことにより、体積ホログラムAを作製した。体積ホログラムAのガラス転移温度は35℃であった。
《体積ホログラムBの作製》
上記体積ホログラムAの作製において、体積ホログラムA作製用感光液を下記組成の体積ホログラムB作製用感光液に変更するとともに、露光装置200のレーザー光源201の発光波長を476nm、照射エネルギー量を50mJ/cmに変更した以外は同様にして、体積ホログラムBを作製した。体積ホログラムBのガラス転移温度は38℃であった。
(体積ホログラムB作製用感光液の組成)
酢酸ビニル−テトラフルオロエチレン共重合体(酢酸ビニル:テトラフルオロエチレンコポリマー=78:22(質量比))
23.0質量部
フェノールエトキシレートモノアクリレート 2.8質量部
エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート 4.0質量部
フッ素系ノニオン性界面活性剤(FC−430;Flourad(登録商標) 430;3Mカンパニー製)
0.1質量部
2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル1,1′−ビイミダゾール
0.05質量部
4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール
0.05質量部
下記式で表される増感色素2 0.0021質量部
2−ブタノン 70.0質量部
《体積ホログラムCの作製》
上記体積ホログラムAの作製において、体積ホログラムA作製用感光液を下記組成の体積ホログラムC作製用感光液に変更するとともに、露光装置200のレーザー光源201の発光波長を647nm、照射エネルギー量を120mJ/cmに変更した以外は同様にして、体積ホログラムCを作製した。体積ホログラムCのガラス転移温度は32℃であった。
(体積ホログラムC作製用感光液の組成)
酢酸ビニル−テトラフルオロエチレン共重合体(酢酸ビニル:テトラフルオロエチレンコポリマー=78:22(質量比))
23.0質量部
フェノールエトキシレートモノアクリレート 2.8質量部
エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート 4.0質量部
フッ素系ノニオン性界面活性剤(FC−430;Fluorad(登録商標) 430;3Mカンパニー製)
0.1質量部
2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル1,1′−ビイミダゾール
0.05質量部
4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール
0.05質量部
下記式で表される増感色素3 0.002質量部
2−ブタノン 70.0質量部
《体積ホログラムDの作製》
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記組成の体積ホログラムD作製用感光液を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体としての感光層を塗設した。かかる感光層の層厚は20μmであった。
(体積ホログラムD作製用感光液の組成)
酢酸ビニル−テトラフルオロエチレン共重合体(酢酸ビニル:テトラフルオロエチレンコポリマー=78:22(質量比))
23.0質量部
フェノールエトキシレートモノアクリレート 2.8質量部
エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート 4.0質量部
フッ素系ノニオン性界面活性剤(FC−430;Flourad(登録商標) 430;3Mカンパニー製)
0.1質量部
2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル1,1′−ビイミダゾール
0.05質量部
4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール
0.05質量部
上記増感色素1 0.001質量部
上記増感色素2 0.001質量部
上記増感色素3 0.002質量部
2−ブタノン 70.0質量部
更に、感光層面に厚さ20μmの別のポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、体積ホログラム製造用フィルムを得た。
得られた体積ホログラム製造用フィルムを、図5に示す露光装置200A(レーザー光源201aの発光波長:476nm、レーザー光源201aによる照射エネルギー量:60mJ/cm、レーザー光源201bの発光波長:532nm、レーザー光源201bによる照射エネルギー量:40mJ/cm、レーザー光源201cの発光波長:647nm、レーザー光源201cによる照射エネルギー量:80mJ/cm)を用い、30秒間のホログラフィ露光を施すことで、目的の画像情報(自動車の模型の画像)を記録した。なお、露光装置200Aにおいて、参照光の入射角はフィルム面に対して40°とし、物体204として自動車の模型をフィルム面に対して0°の位置に配置した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に60分間配置して全面露光処理をした後、120℃で1時間の熱処理を行うことにより、体積ホログラムDを作製した。体積ホログラムDのガラス転移温度は38℃であった。
《体積ホログラム101の作製》
上記作製した体積ホログラムAを体積ホログラム101とした。
体積ホログラム101の回折反射ピーク波長は、いずれの領域も531nmであった。
《体積ホログラム102の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、常温(25℃)のステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、2.5kg/cmの圧力で5分間加圧し、これを体積ホログラム102とした。なお、スタンパー20は、押圧面21aに対して凸部22の高さが1.0mm、押圧面21aに垂直な方向から見たときの凸部22の円形部の外周の直径が2.0cm、押圧面21aに垂直な方向から見たときの凸部22の円形部及び斜線部の幅が2.0mmに構成されているものとする。以下の各体積ホログラムの作製に用いられるスタンパー20において同様である。
体積ホログラム102の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は529nmであった。
《体積ホログラム103の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、40℃(体積ホログラムAのガラス転移温度+5℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、0.5kg/cmの圧力で5分間加圧し、これを体積ホログラム103とした。
体積ホログラム103の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は526nmであった。
《体積ホログラム104の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、45℃(体積ホログラムAのガラス転移温度+10℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、1.5kg/cmの圧力で5分間加圧し、これを体積ホログラム104とした。
体積ホログラム104の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は520nmであった。
《体積ホログラム105の作製》
体積ホログラムBに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、48℃(体積ホログラムBのガラス転移温度+10℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、1.5kg/cmの圧力で5分間加圧し、これを体積ホログラム105とした。
体積ホログラム105の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は475nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は463nmであった。
《体積ホログラム106の作製》
体積ホログラムCに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、42℃(体積ホログラムCのガラス転移温度+10℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、1.5kg/cmの圧力で5分間加圧して、これを体積ホログラム106とした。
体積ホログラム106の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は640nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は630nmであった。
《体積ホログラム107の作製》
体積ホログラムDに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、48℃(体積ホログラムDのガラス転移温度+10℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、1.5kg/cmの圧力で10分間加圧して、これを体積ホログラム107とした。
体積ホログラム107の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は476nm、532nm、642nmのいずれかであり、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は465nm、521nm、632nmのいずれかであった。
《体積ホログラム108の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、45℃(体積ホログラムAのガラス転移温度+10℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、2.0kg/cmの圧力で10分間加圧して、これを体積ホログラム108とした。
体積ホログラム108の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は515nmであった。
《体積ホログラム109の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、50℃(体積ホログラムAのガラス転移温度+15℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、2.0kg/cmの圧力で10分間加圧して、これを体積ホログラム109とした。
体積ホログラム109の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は512nmであった。
《体積ホログラム110の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、55℃(体積ホログラムのガラス転移温度+20℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、2.0kg/cmの圧力で10分間加圧して、これを体積ホログラム110とした。
体積ホログラム110の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は500nmであった。
《体積ホログラム111の作製》
体積ホログラムAに対し、20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム側から、60℃(体積ホログラムAのガラス転移温度+25℃)に加熱したステンレス製の図6に示す形状のスタンパー20を、2.0kg/cmの圧力で10分間加圧して、これを体積ホログラム111とした。
体積ホログラム111の加圧されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、加圧された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は498nmであった。
《体積ホログラム101〜111の評価》
上記作製した各体積ホログラムについて、下記の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)白色光下での再生画像の一様性
作製した体積ホログラムを、自然色蛍光灯(FLR40S・N−SDN/M;パナソニック製)が設置された室内の、照度1000ルクスである平板の上に配置した。この状態で体積ホログラムを観察し、その結果を下記基準に従って評価した。評価が2以上の場合、ほぼ同一色の画像情報が記録された体積ホログラムと見なすことができ、合格とした。
3:記録された画像情報が単一色の画像として見える
2:記録された画像情報が複数の同一系統色の画像として見える
1:記録された画像情報が複数の異なる色からなる画像として見える
(2)コンタクトコピーサンプルの複製判別
複製用感光材フィルムとしてバイフォール HX(コベストロジャパン社製)を用いて、上記作製した体積ホログラムをコンタクトコピー技術により複製した。複製に用いた露光装置としては、図5に示す露光装置200Aにおいてビームスプリッター202、ビームエキスパンダー203及び物体204が設けられていない以外は同様に構成されたものを用いた。また、図5に示す体積ホログラム製造用フィルム205の代わりに、上記作製した体積ホログラムと複製用感光材フィルムとを、複製用感光材フィルムがビームスプリッター208側となるように重ねた状態で配置した。また、複製用感光材フィルムへの参照光の入射角を40°に設定した。
自然色蛍光灯(FLR40S・N−SDN/M;パナソニック製)下の1000ルクスの照度の平板上に、コンタクトコピーサンプルを配置して観察し、その結果を下記基準に従って評価した。評価が3以上の場合、即時で複製品と判断でき、合格とした。
5:図1に示す第二領域2と同様の形状の領域が透明にくっきりと表れ、複製品であることが容易に判別できる。
4:図1に示す第二領域2と同様の形状の領域の輪郭がややぼやけているが、当該領域内が透明であり、複製品と判別できる。
3:図1に示す第二領域2と同様の形状の領域が、外周領域の中に、同一色ではあるがコントラストを持って現れている。複製品と判別できる。
2:図1に示す第二領域2と同様の形状の領域が、外周領域の中に低いコントラストで現れている。一瞬では複製品と判別できないレベル。
1:図1に示す第二領域2と同様の形状の領域が一切見えない。
表1から明らかなように、第一領域と第二領域の回折反射ピーク波長がともに420〜490nm、500〜570nm又は590〜780nmのいずれかに存在している場合、体積ホログラムに記録された画像情報は同一色の一様の画像として認識されていることが分かる。
また、第一領域及び第二領域の回折反射ピーク波長の差が5nm以上であると、コンタクトコピーサンプルの第二領域に相当する領域がコントラストをもって現れ、回折反射ピーク波長の差が10nm以上であると、当該領域内が色彩を持たず、更に15nm以上であると、当該領域の輪郭を明確に視認することができる。したがって、第一及び第二領域の回折反射ピーク波長の差が5nm以上であると、複製品であるか否かの判別をより容易に行うことができる。
一方、第一領域及び第二領域の回折反射ピーク波長の差が30nmを超えると、自然光下において体積ホログラムの第一領域と第二領域との間に若干色味の差異が現れ、自然光下での画像一様性が失われてくる。
これらの結果は、回折反射光が緑色である場合の他、青色又は赤色である場合にも同様であり、回折反射光が青色、緑色及び赤色である場合にも同様である。
[実施例2]
《体積ホログラム112の作製》
実施例1で作製した体積ホログラムA上に、下記組成の回折反射波長調整用インク(追加組成物)を、印字の際のインク吐出量が15ngとなるように調整したインクジェットヘッドを用いて、単位面積当たりのインク供給量が0.05g/mとなるようにして、図1に示す第二領域2と同様の形状のマークを描画した。なお、当該マークにおいて、円形部の外周の直径は2.0cm、円形部及び斜線部の幅は2.0mmとなるように描画した。
(回折反射波長調整用インクの組成)
2−ヒドロキシエチルアクリレート 12質量部
2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート 24質量部
ウレタンアクリレート(製品名;M−1600:東亞合成社製)
36質量部
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(製品名;jER828、三菱化学(株)製)
24質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4質量部
上記マーク描画後の体積ホログラムAを、高圧水銀灯(照度100W)から15cmの位置に30分間配置して露光した後、120℃で1時間の熱処理を行い、体積ホログラム112を作製した。
体積ホログラム112の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は536nmであった。
《体積ホログラム113の作製》
上記体積ホログラム112の作製において、単位面積当たりのインク供給量を0.12g/mに変更した以外は同様にして、体積ホログラム113を作製した。
体積ホログラム113の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は541nmであった。
《体積ホログラム114の作製》
上記体積ホログラム113の作製において、体積ホログラムAを体積ホログラムBに変更した以外は同様にして、体積ホログラム114を作製した。
体積ホログラム114の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は475nm、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は485nmであった。
《体積ホログラム115の作製》
上記体積ホログラム113の作製において、体積ホログラムAを体積ホログラムCに変更した以外は同様にして、体積ホログラム115を作製した。
体積ホログラム115の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は640nm、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は650nmであった。
《体積ホログラム116の作製》
上記体積ホログラム113の作製において、体積ホログラムAを体積ホログラムDに変更した以外は同様にして、体積ホログラム116を作製した。
体積ホログラム116の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は476nm、532nm、642nmであり、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は487nm、542nm、652nmであった。
《体積ホログラム117の作製》
上記体積ホログラム112の作製において、単位面積当たりのインク供給量を0.98g/mに変更した以外は同様にして、体積ホログラム117を作製した。
体積ホログラム117の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は547nmであった。
《体積ホログラム118の作製》
上記体積ホログラム112の作製において、単位面積当たりのインク供給量を1.05g/mに変更した以外は同様にして、体積ホログラム118を作製した。
体積ホログラム118の描画されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は531nm、描画された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は563nmであった。
《体積ホログラム112〜118の評価》
上記作製した各体積ホログラムについて、上記実施例1の評価方法と同様にして、白色光下での再生画像の一様性及びコンタクトコピーサンプルの複製判別の評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、回折反射波長調整用インクを用いて描画することにより第二領域を形成した体積ホログラムであっても、上記実施例1と同様の結果が得られていることが分かる。
[実施例3]
《体積ホログラム119の作製》
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記組成の体積ホログラム119作製用感光液を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体としての感光層を塗設した。かかる感光層の層厚は20μmであった。
(体積ホログラム119作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(重量平均分子量30000) 22.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
塩化ビニリデン粒子(熱膨張係数22×10−5/℃、平均粒径40nm)の10質量%トルエン分散液
6.0質量部
ポリプロピレングリコール(重量平均分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.0質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.06質量部
酢酸エチル 64.0質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
更に、感光層面に厚さ20μmの別のポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、体積ホログラム製造用フィルムを得た。
得られた体積ホログラム製造用フィルムを、図4に示す露光装置200(レーザー光源201の発光波長:532nm)に設置し、感光層面における照射エネルギー量が80mJ/cmになるように30秒間のホログラフィ露光を施すことで、目的の画像情報(自動車の模型の画像)を記録した。なお、露光装置200において、参照光の入射角はフィルム面に対して40°とし、物体204として自動車の模型をフィルム面に対して0°の位置に配置した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に30分間配置して全面露光処理を施した。その後、直径Φ0.3mmの突起構造(突起高さ0.5mm)が主走査方向に直交する方向に配列されてなるグレーズを有するサーマルヘッドを、温度85℃に設定し、接触圧0.5kg/m、主走査方向の移動速度1m/minで、図1に示す第二領域2と同様の形状の領域に熱印加をし、体積ホログラム119を作製した。なお、当該領域において、円形部の外周の直径は2.0cm、円形部及び斜線部の幅は2.0mmとなるように熱印加した。
体積ホログラム119の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は524nmであった。
《体積ホログラム120の作製》
上記体積ホログラム119の作製において、体積ホログラム119作製用感光液を下記組成の体積ホログラム120作製用感光液に変更した以外は同様にして、体積ホログラム120を作製した。
体積ホログラム120の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は518nmであった。
(体積ホログラム120作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 21.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
塩化ビニリデン粒子(熱膨張係数22×10−5/℃、平均粒径40nm)の10質量%トルエン分散液
12.0質量部
ポリプロピレングリコール(分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.4質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.1質量部
酢酸エチル 58.6質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
《体積ホログラム121の作製》
上記体積ホログラム119の作製において、体積ホログラム119作製用感光液を下記組成の体積ホログラム121作製用感光液に変更するとともに、露光装置200のレーザー光源201の発光波長を476nm、照射エネルギー量を50mJ/cmに変更した以外は同様にして、体積ホログラム121を作製した。
体積ホログラム121の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は475nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は459nmであった。
(体積ホログラム121作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 21.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
オレンジG(アゾ系増感色素;東京化成工業製) 0.002質量部
塩化ビニリデン粒子(熱膨張係数22×10−5/℃、平均粒径40nm)の10質量%トルエン分散液
12.0質量部
ポリプロピレングリコール(分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.4質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.1質量部
酢酸エチル 58.6質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
《体積ホログラム122の作製》
上記体積ホログラム119の作製において、体積ホログラム119作製用感光液を下記組成の体積ホログラム122作製用感光液に変更するとともに、露光装置200のレーザー光源201の発光波長を647nm、照射エネルギー量を120mJ/cmに変更した以外は同様にして、体積ホログラム122を作製した。
体積ホログラム122の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は640nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は631nmであった。
(体積ホログラム122作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 21.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
アズールII(フェノチアジン系増感色素;東京化成工業製)
0.002質量部
塩化ビニリデン粒子(熱膨張係数22×10−5/℃、平均粒径40nm)の10質量%トルエン分散液
12.0質量部
ポリプロピレングリコール(分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.4質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.1質量部
酢酸エチル 58.6質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
《体積ホログラム123の作製》
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記組成の体積ホログラム123作製用感光液を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体としての感光層を塗設した。かかる感光層の層厚は20μmであった。
(体積ホログラム123作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 21.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
オレンジG(アゾ系増感色素、東京化成工業製) 0.002質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
アズールII(フェノチアジン系増感色素;東京化成工業製)
0.003質量部
塩化ビニリデン粒子(熱膨張係数22×10−5/℃、平均粒径40nm)の10質量%トルエン分散液
12.0質量部
ポリプロピレングリコール(分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.4質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.1質量部
酢酸エチル 58.6質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
更に、感光層面に厚さ20μmの別のポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、体積ホログラム製造用フィルムを得た。
得られた体積ホログラム製造用フィルムを、図5に示す露光装置200A(レーザー光源201aの発光波長:476nm、レーザー光源201aによる照射エネルギー量:60mJ/cm、レーザー光源201bの発光波長:532nm、レーザー光源201bの照射エネルギー量:40mJ/cm、レーザー光源201cの発光波長:647nm、レーザー光源201cの照射エネルギー量:80mJ/cm)を用い、30秒間のホログラフィ露光を施すことで、目的の画像情報(自動車の模型の画像)を記録した。なお、露光装置200Aにおいて、参照光の入射角はフィルム面に対して40°とし、物体204として自動車の模型をフィルム面に対して0°の位置に配置した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に30分間配置して全面露光処理を施した後、印加温度85℃に設定したサーマルヘッドを用いて、接触圧0.5kg/m、走査速度1m/minで、図1に示す第二領域2と同様の形状の領域に熱印加をし、体積ホログラム123を作製した。なお、当該領域において、円形部の直径は2.0cm、円形部及び斜線部の幅は2.0mmとなるように熱印加した。
体積ホログラム123の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は476nm、532nm、642nmであり、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は445nm、502nm、612nmであった。
《体積ホログラム124の作製》
上記体積ホログラム119の作製において、体積ホログラム119作製用感光液を下記組成の体積ホログラム124作製用感光液に変更した以外は同様にして、体積ホログラム124を作製した。
体積ホログラム124の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は510nmであった。
(体積ホログラム124作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 21.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
低密度ポリエチレン粒子(熱膨張係数18×10−5/℃、平均粒径60nm)の10質量%トルエン分散液
12.0質量部
ポリプロピレングリコール(分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.4質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.1質量部
酢酸エチル 58.6質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
《体積ホログラム125作製》
上記体積ホログラム119の作製において、体積ホログラム119作製用感光液を下記組成の体積ホログラム125作製用感光液に変更した以外は同様にして、体積ホログラム125を作製した。
体積ホログラム125の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は529nmであった。
(体積ホログラム125作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 21.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.0質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
ポリスチレン粒子(熱膨張係数 6×10−5/℃、平均粒径60nm)の10質量%トルエン分散液
12.0質量部
ポリプロピレングリコール(分子量5000、ヒドロキシ価25.3mgKOH/g)
2.4質量部
ブロックドイソシアネート(製品名;コロネート2507、固形分80%、東ソー製)
0.1質量部
酢酸エチル 58.6質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.6質量部
《体積ホログラム126の作製》
上記体積ホログラム119の作製において、体積ホログラム119作製用感光液を下記組成の体積ホログラム126作製用感光液に変更するとともに、サーマルヘッドの温度を120℃、走査速度を0.5m/minに変更した以外は同様にして、体積ホログラム126を作製した。
体積ホログラム126の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は538nmであった。
(体積ホログラム126作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 24.0質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.1質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
下記方法で調製されたマイクロバルーン 0.6質量部
酢酸エチル 69.5質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
(マイクロバルーンの調製)
イオン交換水800質量部に、コロイダルシリカ(製品名;スノーテックスO、有効成分20質量%、日産化学製)80質量部、ポリビニルピロリドン1質量部、カルボキシメチル変性ポリエチレンイミン(重量平均分子量50000)0.1質量部を加えて、撹拌混合し、得られた混合物を液温25℃におけるpHが3.0になるように調整し、水系組成物を得た。
これとは別に、アクリロニトリル160質量部、メタクリロニトリル120質量部、メチルメタクリレート20質量部、メタクロレイン0.004質量部、エチレングリコールジメタクリレート1.0質量部、イソブタン40質量部、イソペンタン15質量部、アセトニトリル0.006質量部、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0質量部を撹拌混合して、油性組成物を得た。
ホモミキサー(製品名;TKホモミキサー、プライミクス社製)に、調製した水系組成物及び油性組成物を投入し、回転数20000rpmで4分間分散して、懸濁液を得た。この懸濁液を容量1.5Lの加圧反応器に移して窒素置換してから反応初期圧0.50mPaにし、180rpmで撹拌しつつ重合温度55℃で20時間重合反応した。重合後、重合生成物を濾過、乾燥して、平均粒径140nmのマイクロバルーンを得た。
《体積ホログラム127の作製》
上記体積ホログラム126の作製において、体積ホログラム126作製用感光液を下記組成の体積ホログラム127作製用感光液に変更した以外は同様にして、体積ホログラム127を作製した。
体積ホログラム127の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は552nmであった。
(体積ホログラム127作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 23.4質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.1質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
上記方法で調製されたマイクロバルーン 1.2質量部
酢酸エチル 69.5質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
《体積ホログラム128の作製》
上記体積ホログラム126の作製において、体積ホログラム126作製用感光液を下記組成の体積ホログラム128作製用感光液に変更するとともに、露光装置200のレーザー光源201の発光波長を476nm、照射エネルギー量を50mJ/cmに変更した以外は同様にして、体積ホログラム128を作製した。
体積ホログラム128の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は470nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は490nmであった。
(体積ホログラム128作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 23.4質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.1質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
オレンジG(アゾ系増感色素:東京化成工業製) 0.002質量部
上記方法で調製されたマイクロバルーン 1.2質量部
酢酸エチル 69.5質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
《体積ホログラム129の作製》
上記体積ホログラム126の作製において、体積ホログラム126作製用感光液を下記組成の体積ホログラム129作製用感光液に変更するとともに、露光装置200のレーザー光源201の発光波長を647nm、照射エネルギー量を120mJ/cmに変更した以外は同様にして、体積ホログラム129を作製した。
体積ホログラム129の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は641nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は663nmであった。
(体積ホログラム129作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 23.4質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.1質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
アズールII(フェノチアジン系増感色素;東京化成工業製)
0.002質量部
上記方法で調製されたマイクロバルーン 1.2質量部
酢酸エチル 69.5質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
《体積ホログラム130の作製》
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム面に下記組成の体積ホログラム130作製用感光液を、ブレードコーターを用いて塗布し、20℃50%RHの環境下で30分間乾燥させて、体積ホログラム前駆体としての感光層を塗設した。かかる感光層の層厚は20μmであった。
(体積ホログラム130作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 23.4質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.1質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
オレンジG(アゾ系増感色素、東京化成工業製) 0.002質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
アズールII(フェノチアジン系増感色素;東京化成工業製)
0.003質量部
上記方法で調製されたマイクロバルーン 1.2質量部
酢酸エチル 69.5質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
更に、感光層面に厚さ20μmの別のポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートし、体積ホログラム製造用フィルムを得た。
得られた体積ホログラム製造用フィルムを、図5に示す露光装置200A(レーザー光源201aの発光波長:476nm、レーザー光源201aによる照射エネルギー量:60mJ/cm、レーザー光源201bの発光波長:532nm、レーザー光源201bによる照射エネルギー量:40mJ/cm、レーザー光源201cの発光波長:647nm、レーザー光源201cによる照射エネルギー量:80mJ/cm)を用い、30秒間のホログラフィ露光を施すことで、目的の画像情報(自動車の模型の画像)を記録した。なお、露光装置200Aにおいて、参照光の入射角はフィルム面に対して40°とし、物体204として自動車の模型をフィルム面に対して0°の位置に配置した。
ホログラフィ露光後、高圧水銀ランプ(照度100W)から15cmの位置に30分間配置して全面露光処理を施した後、印加温度120℃に設定したサーマルヘッドを用いて、接触圧0.5kg/m、走査速度0.5m/minで、図1に示す第二領域2と同様の形状の領域に熱印加をし、体積ホログラム130を作製した。なお、当該領域において、円形部の直径は2.0cm、円形部及び斜線部の幅は2.0mmとなるように熱印加した。
体積ホログラム130の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は470nm、532nm、640nmであり、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は490nm、552nm、660nmであった。
《体積ホログラム131の作製》
上記体積ホログラム126の作製において、体積ホログラム126作製用感光液を下記組成の体積ホログラム131作製用感光液に変更した以外は同様にして、体積ホログラム131を作製した。
体積ホログラム131の熱印加されていない部分(第一領域)の回折反射ピーク波長は530nm、熱印加された部分(第二領域)の回折反射ピーク波長は562nmであった。
(体積ホログラム131作製用感光液の組成)
ポリ酢酸ビニル(分子量30000) 22.8質量部
2−{{[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ}エチルプロパ−2−エノエート
2.1質量部
N−ビニルカルバゾール 3.3質量部
CGI 909(有機ホウ素酸塩重合開始剤、BASFジャパン社製)
0.05質量部
サフラニンO(フェナジン系増感色素、BASFジャパン社製)
0.002質量部
上記方法で調製されたマイクロバルーン 1.8質量部
酢酸エチル 69.5質量部
N−エチル−2−ピロリドン 0.5質量部
《体積ホログラム119〜131の評価》
上記作製した各体積ホログラムについて、上記実施例1の評価方法と同様にして、白色光下での再生画像の一様性及びコンタクトコピーサンプルの複製判別の評価を行った。評価結果を表3に示す。なお、表3に、作製した体積ホログラム中の熱収縮性材料又は熱膨張性材料の含有量(質量%)を併せて示す。
表3から明らかなように、熱収縮性材料又は熱膨張性材料を含有し、熱印加により第二領域を形成した体積ホログラムであっても、上記実施例1と同様の結果が得られていることが分かる。
1 第一領域
2 第二領域
10 体積ホログラム

Claims (4)

  1. 干渉波露光により画像情報が記録された体積ホログラムであって、
    回折格子の性状が相互に異なる第一領域と第二領域とを有し、
    回折反射光スペクトルを測定したとき、前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長が、420〜490nmの波長範囲内、500〜570nmの波長範囲内及び590〜780nmの波長範囲内のうちいずれか一つの同一の波長範囲内にともに存在し、
    前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、5nm以上であることを特徴とする体積ホログラム。
  2. 前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、10nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の体積ホログラム。
  3. 前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、15nm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体積ホログラム。
  4. 前記同一の波長範囲内にともに存在する前記第一領域と前記第二領域の回折反射ピーク波長の差が、30nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の体積ホログラム。
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