JP2017203474A - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁石の結線作業性を向上することができるデファレンシャル装置を提供する。
【解決手段】キャリア3と、入力ギヤ5が固定されたデフケース7と、差動機構9と、断続部材11と、電磁石13を有したアクチュエータ15とを備えたデファレンシャル装置1において、キャリア3が、デフケース7の回転軸心と交差する分割面17で軸方向一方側で分割され、軸方向一方側に入力ギヤ5が配置され軸方向他方側に電磁石13が配置された第1キャリア部材19と、この第1キャリア部材19に分割面17を合わせて組付けられた第2キャリア部材21とを有し、第1キャリア部材19に、電磁石13に臨んで第1キャリア部材19の内部と外部とを連通する開口部23を設け、開口部23を、第1キャリア部材19の外側に組付けられたカバー部材25で閉塞した。
【選択図】図1
【解決手段】キャリア3と、入力ギヤ5が固定されたデフケース7と、差動機構9と、断続部材11と、電磁石13を有したアクチュエータ15とを備えたデファレンシャル装置1において、キャリア3が、デフケース7の回転軸心と交差する分割面17で軸方向一方側で分割され、軸方向一方側に入力ギヤ5が配置され軸方向他方側に電磁石13が配置された第1キャリア部材19と、この第1キャリア部材19に分割面17を合わせて組付けられた第2キャリア部材21とを有し、第1キャリア部材19に、電磁石13に臨んで第1キャリア部材19の内部と外部とを連通する開口部23を設け、開口部23を、第1キャリア部材19の外側に組付けられたカバー部材25で閉塞した。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に適用されるデファレンシャル装置に関する。
従来、デファレンシャル装置としては、キャリアと、このキャリアに回転可能に収容され入力ギヤが固定されたデフケースと、このデフケースに収容された差動機構と、デフケースと一体回転可能で軸方向移動可能に配置されデフケースと差動機構との間の動力伝達を断続する断続部材と、デフケースの外周に環状に配置され断続部材を軸方向に作動させる電磁石を有したアクチュエータとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このデファレンシャル装置では、キャリアが、デフケースの回転軸心と交差する分割面で軸方向一方側で分割され、軸方向一方側に入力ギヤが配置され軸方向他方側に電磁石が配置された第1キャリア部材としてのフロントデフ収容部と、このフロントデフ収容部に分割面を合わせて組付けられた第2キャリア部材としての噛合収容部とを有している。
このようなキャリアは、フロントデフ収容部の軸方向一方側の開口から軸方向他側に向けて、アクチュエータを外周に配置させ、入力ギヤを固定したデフケースが、アクチュエータ側からフロントデフ収容部に収容され、フロントデフ収容部の分割面に噛合収容部が組付けられる。
ところで、上記特許文献1のようなデファレンシャル装置では、アクチュエータが電磁石を有するので、アクチュエータをキャリアに収容した後に、電磁石の配線を接続する結線作業を行わなければならない。
しかしながら、上記特許文献1のようなデファレンシャル装置では、第1キャリア部材の軸方向一方側である分割面側に入力ギヤが配置されているので、入力ギヤによって第1キャリア部材の分割面側から電磁石側を視認し難く、電磁石の配線を接続するスペースも限られており、電磁石の結線作業が困難であった。
そこで、この発明は、電磁石の結線作業性を向上することができるデファレンシャル装置の提供を目的としている。
本発明は、キャリアと、このキャリアに回転可能に収容され入力ギヤが固定されたデフケースと、このデフケースに収容された差動機構と、前記デフケースと一体回転可能で軸方向移動可能に配置され前記デフケースと前記差動機構との間の動力伝達を断続する断続部材と、前記デフケースの外周に環状に配置され前記断続部材を軸方向に作動させる電磁石を有したアクチュエータとを備えたデファレンシャル装置であって、前記キャリアは、前記デフケースの回転軸心と交差する分割面で軸方向一方側で分割され、前記軸方向一方側に前記入力ギヤが配置され軸方向他方側に前記電磁石が配置された第1キャリア部材と、この第1キャリア部材に前記分割面を合わせて組付けられた第2キャリア部材とを有し、前記第1キャリア部材には、前記電磁石に臨んで前記第1キャリア部材の内部と外部とを連通する開口部が設けられ、前記開口部は、前記第1キャリア部材の外側に組付けられたカバー部材で閉塞されていることを特徴とする。
このデファレンシャル装置では、第1キャリア部材に、電磁石に臨んで第1キャリア部材の内部と外部とを連通する開口部が設けられているので、第1キャリア部材にアクチュエータと入力ギヤが固定されたデフケースとが収容された状態で、入力ギヤに干渉されることなく、開口部から電磁石の配線を接続することができる。
また、開口部は、第1キャリア部材の外側に組付けられたカバー部材で閉塞されているので、電磁石を結線した後に、キャリアの閉塞状態を保持することができる。
従って、このようなデファレンシャル装置では、第1キャリア部材の分割面側に入力ギヤが配置されていても、開口部から容易に電磁石の結線を行うことができ、電磁石の結線作業性を向上することができる。
本発明によれば、電磁石の結線作業性を向上することができるデファレンシャル装置を提供することができるという効果を奏する。
図1〜図6を用いて本発明の実施の形態に係るデファレンシャル装置について説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4を用いて第1実施形態について説明する。
図1〜図4を用いて第1実施形態について説明する。
本実施の形態に係るデファレンシャル装置1は、キャリア3と、このキャリア3に回転可能に収容され入力ギヤ5が固定されたデフケース7と、このデフケース7に収容された差動機構9と、デフケース7と一体回転可能で軸方向移動可能に配置されデフケース7と差動機構9との間の動力伝達を断続する断続部材11と、デフケース7の外周に環状に配置され断続部材11を軸方向に作動させる電磁石13を有したアクチュエータ15とを備えている。
また、キャリア3は、デフケース7の回転軸心と交差する分割面17で軸方向一方側で分割され、軸方向一方側に入力ギヤ5が配置され軸方向他方側に電磁石13が配置された第1キャリア部材19と、この第1キャリア部材19に分割面17を合わせて組付けられた第2キャリア部材21とを有する。
そして、第1キャリア部材19には、電磁石13に臨んで第1キャリア部材19の内部と外部とを連通する開口部23が設けられ、開口部23は、第1キャリア部材19の外側に組付けられたカバー部材25で閉塞されている。
また、第1キャリア部材19には、電磁石13の配線をキャリア3の外部へ引き出す引出部27が設けられ、開口部23は、電磁石13の外周に対向して形成されている。
さらに、引出部27には、第1キャリア部材19の内外部側の配線を連結させるコネクタ29が固定されている。
また、引出部27は、開口部23に対して交差方向に向けて形成されている。
図1〜図4に示すように、キャリア3は、後述するデフケース7の回転軸心と直交する方向に沿って設けられた分割面17で分割された第1キャリア部材19と、第2キャリア部材21とを備えている。
このキャリア3は、第1キャリア部材19と第2キャリア部材21との分割面17が、デフケース7の軸方向一方側(ここでは図1の右側)に位置され、分割面17で第1キャリア部材19と第2キャリア部材21とを合わせてボルトなどの固定手段によって固定されて構成される。
なお、第2キャリア部材21の軸方向一方側には、後述する差動機構9に連結された駆動軸65を収容する第3キャリア部材31がボルトなどの固定手段によって固定されている。
このようなキャリア3には、入力部材33と、デフケース7と、差動機構9と、断続部材11と、アクチュエータ15などが収容され、内部に摺動部を潤滑・冷却する潤滑油が収容されている。
入力部材33は、軸状に形成されてキャリア3の第1キャリア部材19に収容され、回転軸心がデフケース7の回転軸心と直交する方向に配置され、軸方向両側に配置されたベアリング35,37を介してキャリア3に回転可能に支持されている。
この入力部材33は、キャリア3の外部側の軸方向端部にスプライン形状の連結部39が設けられ、例えば、駆動源から駆動力が入力されるプロペラシャフトなどの入力側の部材に連結される連結部材41が一体回転可能に連結されている。
この連結部材41とキャリア3との径方向間には、キャリア3の内部と外部とを区画するシール部材43が配置されている。
このような入力部材33には、キャリア3の内部側の軸方向端部に、小径のドライブピニオン45が入力部材33と連続する一部材で一体回転可能に設けられ、デフケース7と一体回転可能に設けられた大径のリングギヤからなる入力ギヤ5とで変速駆動するベベルギヤ組を構成している。
入力ギヤ5は、デフケース7に形成されたフランジ部に、ボルト、或いは溶接や圧入などの固定手段を介してデフケース7と一体回転するように固定され、キャリア3の第1キャリア部材19の軸方向一方側である分割面17側に配置されている。
この入力ギヤ5は、小径のドライブピニオン45と噛み合い、入力側の部材から入力部材33に伝達された駆動力を方向変換してデフケース7側に出力する。
デフケース7は、軸方向の両側に設けられたボス部の外周でそれぞれベアリング47,49を介してキャリア3の第1キャリア部材19と第2キャリア部材21とに回転可能に支持されている。
このデフケース7には、相対回転可能に差動機構9のインナケース51が収容され、後述する断続部75が接続状態であると、入力ギヤ5に入力された駆動力がインナケース51を介して差動機構9に伝達される。
差動機構9は、インナケース51と、ピニオンシャフト53と、ピニオン55と、一対のサイドギヤ57,59とを備えている。
インナケース51は、回転軸心がデフケース7と平行に配置され、デフケース7内にデフケース7と相対回転可能に収容されている。
このインナケース51には、ピニオンシャフト53と、ピニオン55と、一対のサイドギヤ57,59とが収容され、インナケース51に入力された駆動力が伝達される。
ピニオンシャフト53は、端部をインナケース51に係合してピンで抜け止め及び回り止めされ、インナケース51と一体に回転駆動される。このピニオンシャフト53には、ピニオン55が支承されている。
ピニオン55は、インナケース51の周方向等間隔に複数配置され、それぞれピニオンシャフト53に支承されてインナケース51の回転によって公転する。
このピニオン55の背面側とインナケース51との径方向間には、ピニオン55の公転時に発生する径方向への移動を受ける球面ワッシャが配置されている。
このようなピニオン55は、一対のサイドギヤ57,59に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ57,59に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト53に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ57,59は、それぞれに形成されたボス部でデフケース7に相対回転可能に支持され、ピニオン55と噛み合っている。
この一対のサイドギヤ57,59とデフケース7との軸方向間には、ピニオン55との噛み合い反力によるサイドギヤ57,59の軸方向への移動を受けるスラストワッシャがそれぞれ配置されている。
このような一対のサイドギヤ57,59は、内周側にスプライン形状の連結部61,63がそれぞれ設けられ、例えば、左右車輪などの出力側の機構に一体回転可能に連結された駆動軸65(一方側のみ図示)がそれぞれサイドギヤ57,59と一体回転可能に連結され、インナケース51に入力された駆動力を駆動軸を介して出力側の機構に出力する。
なお、サイドギヤ59に連結された駆動軸65は、軸方向一方側の端部に配置されたベアリング67を介してキャリア3の第3キャリア部材31に回転可能に支持されている。
この駆動軸65と第3キャリア部材31との径方向間には、シール部材69が配置され、サイドギヤ57に連結される駆動軸(不図示)と第1キャリア部材19との径方向間には、シール部材71が配置され、キャリア3の内部と外部とが区画されている。
このようなデフケース7から差動機構9に伝達される駆動力は、デフケース7とインナケース51との間に設けられた断続部材11を操作することによって断続される。
なお、デファレンシャル装置1のように、デフケース7と差動機構9との間の動力伝達を断続するデファレンシャル装置は、いわゆるフリーランニングデフとなっている。
断続部材11は、環状に形成され、周方向に連続する一部材で形成された基部がデフケース7の壁部とインナケース51との軸方向間に軸方向移動可能に配置されている。
この断続部材11のデフケース7の壁部側には、デフケース7と一体回転可能に係合する係合部73が設けられ、断続部材11のインナケース51側には、断続部75が設けられている。
係合部73は、断続部材11の基部に周方向等間隔に設けられた複数の凸部と、デフケース7の壁部に周方向等間隔に貫通して設けられた孔部とからなる。
この凸部と孔部とが回転方向に係合することにより、断続部材11がデフケース7に回り止めされ、断続部材11とデフケース7とが一体回転可能となる。
この係合部73には、断続部材11を断続部75の接続方向に移動させるカムが設けられている。詳細には、凸部と孔部との周方向両側の対向面には、同一傾斜のカム面がそれぞれ形成されている。
このため、断続部材11が断続部75の接続方向に移動され、デフケース7とインナケース51との間の断続部75に回転方向の噛み合い作用が生じたときに、デフケース7の回転によってそれぞれのカム面が係合することにより、断続部材11をさらに断続部75の噛み合い方向に移動させ、断続部75の接続を強化させる。
断続部75は、断続部材11の基部の係合部73と軸方向反対側の側面で断続部材11とインナケース51との軸方向間に設けられ、断続部材11とインナケース51とにそれぞれ周方向に複数形成されて互いに噛み合う噛み合い歯となっている。
この断続部75は、互いの噛み合い歯が噛み合うことにより、断続部材11とインナケース51とが一体回転可能に接続、すなわちデフケース7とインナケース51とが一体回転可能に接続され、デフケース7とインナケース51との間の動力伝達が可能となる。
このようなデフケース7とインナケース51との間の動力伝達を断続する断続部75を構成する断続部材11は、アクチュエータ15によって軸方向に移動操作される。
アクチュエータ15は、キャリア3の第1キャリア部材19の軸方向他方側(ここでは図1の左側)に収容され、デフケース7の外周に配置され、連動部材77と、可動部材(不図示)と、電磁石13とを備えている。
連動部材77は、断続部材11の凸部の軸方向端面にボルトを介して断続部材11と一体に軸方向に移動可能に固定されている。
この連動部材77とデフケース7の壁部との軸方向間には、連動部材77を軸方向の断続部75の接続解除方向へ付勢し、断続部材11を、常時、断続部75の接続解除方向へ付勢するリターンスプリング79が配置されている。
リターンスプリング79は、断続部材11を断続部75の接続解除方向へ付勢することにより、電磁石13への通電を停止させたときに、連動部材77を介して断続部材11を断続部75の接続解除方向へ移動させ、断続部75を接続解除状態とさせる。
可動部材は、デフケース7のボス部の外周に軸方向移動可能に配置され、磁束を透過可能な磁性材料で形成された部分を有し、磁束が透過可能に設定された微小隙間であるエアギャップをもって電磁石13の内径側に配置されている。
この可動部材は、連動部材77と当接可能に配置され、電磁石13への通電により、断続部75の接続方向へ移動され、連動部材77を介して断続部材11を断続部75の接続方向へ移動させ、断続部75を接続状態とさせる。
電磁石13は、デフケース7のボス部の外周に配置され、デフケース7のボス部に固定された規制部材81によって軸方向の移動が規制され、キャリア3の第1キャリア部材19に対して回り止め部(不図示)を介して回り止めされ、電磁コイルと、コアとを備えている。
電磁石13の電磁コイルは、環状に所定巻き数巻回されて樹脂でモールド成形され、リード線83が接続されている。
この電磁石13に接続されたリード線83は、後述するコネクタ29を介してキャリア3の外部に配置された通電を制御するコントローラ(不図示)に接続されている。
電磁石13のコアは、電磁コイルへの通電により磁界が形成されるように磁性材料から形成され、所定の磁路断面積を有している。
この電磁石13のコアは、内径側で可動部材との間で磁束の受け渡しが可能なように電磁コイルの周囲を覆っている。
このような電磁石13は、電磁コイルへの通電によりコアと可動部材とを磁束が透過することによって自己完結型の磁束ループを形成し、可動部材を断続部75の接続方向へ移動させる。
このように構成されたデファレンシャル装置1では、電磁石13の電磁コイルへの通電により、可動部材が断続部75の接続方向へ移動され、連動部材77を介して断続部材11をリターンスプリング79の付勢力に抗して断続部75の接続方向へ移動させる。
この断続部材11の断続部75の接続方向への移動により、断続部75が接続され、デフケース7とインナケース51との間の動力伝達が可能となる。
一方、デファレンシャル装置1では、電磁石13の電磁コイルへの通電を停止することにより、リターンスプリング79の付勢力によって連動部材77を介して断続部材11が断続部75の接続解除方向へ移動される。
この断続部材11の断続部75の接続解除方向への移動により、断続部75の接続が解除され、デフケース7とインナケース51との間の動力伝達が遮断される。
このようなデファレンシャル装置1における組付けは、まず、デフケース7の外周にアクチュエータ15を配置させ、デフケース7に入力ギヤ5を固定したデフケース7の組立体を形成させる。
次に、第1キャリア部材19の分割面17側の開口からデフケース7の組立体をアクチュエータ15側から挿入し、デフケース7の組立体を第1キャリア部材19に収容する。
そして、アクチュエータ15の電磁石13のリード線83をコネクタ29に接続するが、従来の組付けでは、第1キャリア部材19の分割面17側の開口から電磁石13のリード線83をコネクタ29に接続する結線作業を行っていた。
しかしながら、第1キャリア部材19の分割面17側には、入力ギヤ5が位置しているので、電磁石13のリード線83やコネクタ29が視認し難く、リード線83とコネクタ29とを接続する作業スペースも限られていた。
そこで、第1キャリア部材19には、電磁石13に臨んで第1キャリア部材19の内部と外部とを連通する開口部23が設けられている。
開口部23は、第1キャリア部材19のデフケース7の回転軸心周りの周方向に1箇所設けられ、第1キャリア部材19の外部からデフケース7の径方向に見たときに、電磁石13を視認可能なように、第1キャリア部材19の内部と外部とを連通するように、デフケース7の径方向に貫通して設けられている。
この開口部23の近傍には、コネクタ29が配置された引出部27が設けられている。
引出部27は、第1キャリア部材19の開口部23の近傍に、デフケース7の軸方向に1箇所設けられ、第1キャリア部材19の内部と外部とを連通するように、デフケース7の軸方向に貫通して設けられている。
この引出部27は、開口部23と直交する方向に向けて形成されており、キャリア3の内部側の電磁石13のリード線83と、キャリア3の外部側のコントローラ側の配線とを接続させるコネクタ29が固定されている。
コネクタ29は、挿通部85と、固定部87と、内部接続部89と、外部接続部91とを備えている。
挿通部85は、円筒状に形成されて引出部27に挿入され、挿通部85の外周と引出部27の内周とに密着するOリングなどのシール部材93が配置されている。
固定部87は、挿通部85のキャリア3の外部側に連続する一部材でフランジ状に形成され、キャリア3の外周面に対してボルトなどの固定手段を介して固定される。
内部接続部89は、挿通部85のキャリア3の内部側に連続する一部材で円筒状に形成され、電磁石13のリード線83の端末部に接続されたコネクタと嵌合することにより、コネクタ29と電磁石13とが電気的に接続される。
外部接続部91は、挿通部85のキャリア3の外部側に連続する一部材で内部接続部89と直交する方向に向けて円筒状に形成され、コントローラ側に接続されたコネクタと嵌合することにより、コネクタ29とコントローラとが電気的に接続され、コネクタ29を介して電磁石13とコントローラとが電気的に接続される。
このようなコネクタ29は、デフケース7の組立体を第1キャリア部材19に収容する前に、挿通部85が引出部27に挿入され、内部接続部89が電磁石13の近傍に位置した状態で、固定部87を介して第1キャリア部材19に固定される。
このコネクタ29を第1キャリア部材19の引出部27に固定した状態で、第1キャリア部材19にデフケース7の組立体がアクチュエータ15側から収容され、コネクタ29の近傍に電磁石13が配置される。
この状態で、第1キャリア部材19の開口部23からコネクタ29の内部接続部89に対して電磁石13のリード線83の端末部に接続されたコネクタを嵌合することにより、コネクタ29を介して電磁石13とコントローラとが電気的に接続され、電磁石13の結線作業を完了する。
このように第1キャリア部材19の開口部23から電磁石13の結線作業を行うことにより、第1キャリア部材19の分割面17側に入力ギヤ5が位置していても、容易に電磁石13のリード線83やコネクタ29を視認でき、リード線83とコネクタ29とを接続する作業スペースも確保することができる。
このような開口部23は、電磁石13の結線作業後に、第1キャリア部材19の外周にボルトを介して固定されたカバー部材25によって閉塞される。
カバー部材25は、開口部23の開口縁と同一形状となるように、外形形状が楕円状に形成され、開口部23を閉塞可能な平面を有するように、板状に形成されている。
このカバー部材25と開口部23の開口縁との間には、液状、或いは固体状のガスケットなどのシール部材が配置されており、キャリア3の内部と外部とが区画されているが、開口部23の開口縁に溝部を設けてOリングなどのシール部材を配置してもよい。
このようなデファレンシャル装置1では、第1キャリア部材19に、電磁石13に臨んで第1キャリア部材19の内部と外部とを連通する開口部23が設けられているので、第1キャリア部材19にアクチュエータ15と入力ギヤ5が固定されたデフケース7とが収容された状態で、入力ギヤ5に干渉されることなく、開口部23から電磁石13の配線を接続することができる。
また、開口部23は、第1キャリア部材19の外側に組付けられたカバー部材25で閉塞されているので、電磁石13を結線した後に、キャリア3の閉塞状態を保持することができる。
従って、このようなデファレンシャル装置1では、第1キャリア部材19の分割面17側に入力ギヤ5が配置されていても、開口部23から容易に電磁石13の結線を行うことができ、電磁石13の結線作業性を向上することができる。
また、第1キャリア部材19には、電磁石13の配線をキャリア3の外部へ引き出す引出部27が設けられ、開口部23は、電磁石13の外周に対向して形成されているので、開口部23から電磁石13の外周に臨むことで、容易に電磁石13の配線を引出部27に導くことができる。
さらに、引出部27には、第1キャリア部材19の内外部側の配線を連結させるコネクタ29が固定されているので、コネクタ29に電磁石13の配線を接続するだけで、電磁石13の結線を完了することができ、電磁石13の結線作業性をさらに向上することができる。
また、引出部27は、開口部23に対して交差方向に向けて形成されているので、第1キャリア部材19における開口部23と引出部27との配置スペースをコンパクト化することができる。
(第2実施形態)
図5,図6を用いて第2実施形態について説明する。
図5,図6を用いて第2実施形態について説明する。
本実施の形態に係るデファレンシャル装置101は、第1キャリア部材19が、アルミ材料からなり、カバー部材25に、アルミ材料より強度の高い材料からなり、電磁石13を回り止めする回り止め部103が設けられている。
なお、第1実施形態と同一の構成には、同一の記号を記して構成及び機能説明は第1実施形態を参照するものとし省略するが、第1実施形態と同一の構成であるので、得られる効果は同一である。
図5,図6に示すように、少なくともキャリア3の第1キャリア部材19は、アルミ材料からなり、キャリア3の軽量化がなされている。
このアルミ材料からなる第1キャリア部材19に電磁石13を回り止めする回り止め部を設けた場合、アルミ材料はスチール材料などより強度が低く、回り止め部に変形が生じ、安定して電磁石13を回り止めすることができない恐れがあった。
そこで、第1キャリア部材19の開口部23を閉塞するカバー部材25には、電磁石13を回り止めする回り止め部103が設けられている。
回り止め部103は、カバー部材25が開口部23を閉塞した状態で、キャリア3の内部に配置されるようにカバー部材25に一体に設けられている。
この回り止め部103は、スチール材料などのアルミ材料より強度の高い高強度材料からなり、L字状に形成され、カバー部材25に対して溶接などの固定手段によって一体に固定されている。
このような回り止め部103は、電磁石13の軸方向の端面側に位置するように、キャリア3の内部に配置され、電磁石13の軸方向の端面に溶接などの固定手段によって一体に固定された突部105に電磁石13の回転方向に係合されている。
このように回り止め部103を高強度材料で形成し、回り止め部103を電磁石13の突部105に係合することにより、回り止め部103が変形することなく、電磁石13が回り止めされ、電磁石13の回り止めを安定して行うことができる。
なお、回り止め部103をカバー部材25と別体で形成し、回り止め部103をカバー部材25に一体に固定しているが、カバー部材25をアルミ材料より強度の高い高強度材料で形成し、このカバー部材25に連続する一部材で回り止め部103を形成させてもよい。
このようなデファレンシャル装置101では、第1キャリア部材19が、アルミ材料からなるので、キャリア3の軽量化を図ることができる。
また、カバー部材25には、アルミ材料より強度の高い材料からなり、電磁石13を回り止めする回り止め部103が設けられているので、回り止め部103に変形が生じることがなく、電磁石13の回り止めを安定化することができる。
なお、本発明の実施の形態に係るデファレンシャル装置では、デフケースと差動機構との間の動力伝達を断続するフリーランニングデフとなっているが、これに限らず、デフケースを含む差動機構の差動を断続するデフロック機能を有するデファレンシャル装置、或いは一対のサイドギヤに接続される駆動軸のうち少なくとも一方の駆動軸に伝達される駆動力を断続するアクスルディスコネクト機構を有するデファレンシャル装置など、アクチュエータが電磁石を有するデファレンシャル装置であれば、どのようなデファレンシャル装置であってもよい。
また、断続部は、軸方向に対向する対向歯の噛み合いクラッチとなっているが、これに限らず、軸方向移動可能なスリーブを有し、このスリーブとの径方向間に対向する対向歯の噛み合いクラッチ、或いは多板クラッチや単板クラッチなどからなる摩擦クラッチなど、回転部材間の動力伝達を断続できるものであれば、断続部の形態はどのようなものであってもよい。
さらに、キャリアを構成する第1キャリア部材がアルミ材料で形成されているが、これに限らず、キャリアを構成する第2キャリア部材や第3キャリア部材をアルミ材料で形成してもよい。
1,101…デファレンシャル装置
3…キャリア
5…入力ギヤ
7…デフケース
9…差動機構
11…断続部材
13…電磁石
15…アクチュエータ
17…分割面
19…第1キャリア部材
21…第2キャリア部材
23…開口部
25…カバー部材
27…引出部
29…コネクタ
103…回り止め部
3…キャリア
5…入力ギヤ
7…デフケース
9…差動機構
11…断続部材
13…電磁石
15…アクチュエータ
17…分割面
19…第1キャリア部材
21…第2キャリア部材
23…開口部
25…カバー部材
27…引出部
29…コネクタ
103…回り止め部
Claims (5)
- キャリアと、このキャリアに回転可能に収容され入力ギヤが固定されたデフケースと、このデフケースに収容された差動機構と、前記デフケースと一体回転可能で軸方向移動可能に配置され前記デフケースと前記差動機構との間の動力伝達を断続する断続部材と、前記デフケースの外周に環状に配置され前記断続部材を軸方向に作動させる電磁石を有したアクチュエータとを備えたデファレンシャル装置であって、
前記キャリアは、前記デフケースの回転軸心と交差する分割面で軸方向一方側で分割され、前記軸方向一方側に前記入力ギヤが配置され軸方向他方側に前記電磁石が配置された第1キャリア部材と、この第1キャリア部材に前記分割面を合わせて組付けられた第2キャリア部材とを有し、
前記第1キャリア部材には、前記電磁石に臨んで前記第1キャリア部材の内部と外部とを連通する開口部が設けられ、
前記開口部は、前記第1キャリア部材の外側に組付けられたカバー部材で閉塞されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
前記第1キャリア部材には、前記電磁石の配線を前記キャリアの外部へ引き出す引出部が設けられ、
前記開口部は、前記電磁石の外周に対向して形成されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項2記載のデファレンシャル装置であって、
前記引出部には、前記第1キャリア部材の内外部側の配線を連結させるコネクタが固定されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
前記引出部は、前記開口部に対して交差方向に向けて形成されていることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデファレンシャル装置であって、
前記第1キャリア部材は、アルミ材料からなり、
前記カバー部材には、アルミ材料より強度の高い材料からなり、前記電磁石を回り止めする回り止め部が設けられていることを特徴とするデファレンシャル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016094282A JP2017203474A (ja) | 2016-05-10 | 2016-05-10 | デファレンシャル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016094282A JP2017203474A (ja) | 2016-05-10 | 2016-05-10 | デファレンシャル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017203474A true JP2017203474A (ja) | 2017-11-16 |
Family
ID=60322081
Family Applications (1)
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JP2016094282A Pending JP2017203474A (ja) | 2016-05-10 | 2016-05-10 | デファレンシャル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017203474A (ja) |
-
2016
- 2016-05-10 JP JP2016094282A patent/JP2017203474A/ja active Pending
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