JP2017067257A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Hideyuki Inose
秀之 猪瀬
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Abstract

【課題】アルミ材料からなるキャリアであっても電磁石の回り止めを安定化することができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】キャリア3と、このキャリア3に収容される動力伝達機構5と、キャリア3に収容され動力伝達機構5の作動を制御する電磁石7とを備えた動力伝達装置1において、キャリア3は、アルミ材料からなり、内部にキャリア3より強度の高い高強度部材9を設け、電磁石7と高強度部材9との間に、電磁石7を回り止めする回り止め部11を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に適用される動力伝達装置に関する。
従来、動力伝達装置としては、キャリアと、このキャリアに収容される動力伝達機構と、キャリアに収容され動力伝達機構の作動を制御する電磁石とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この動力伝達装置では、電磁石の軸方向端面に回り止め部材が溶接され、この回り止め部材の先端をキャリアに形成された凹部に係合させることにより、電磁石がキャリアに対して回り止めされている。
特開2008−8459号公報
ところで、上記特許文献1のような動力伝達装置では、キャリアがスチール材料からなるので、キャリアが高い強度を有しており、電磁石の回り止め部材をキャリアの凹部に係合させて電磁石を回り止めすることができる。
しかしながら、上記特許文献1のような動力伝達装置において、軽量化のためにキャリアをアルミ材料で形成させた場合、キャリアの強度が足りず、キャリアの電磁石の回り止め部に損傷などが生じて、電磁石の回り止めが不安定になる恐れがあった。
そこで、この発明は、アルミ材料からなるキャリアであっても電磁石の回り止めを安定化することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明は、キャリアと、このキャリアに収容される動力伝達機構と、前記キャリアに収容され前記動力伝達機構の作動を制御する電磁石とを備えた動力伝達装置であって、前記キャリアは、アルミ材料からなり、内部に前記キャリアより強度の高い高強度部材が設けられ、前記電磁石と前記高強度部材との間には、前記電磁石を回り止めする回り止め部が設けられていることを特徴とする。
この動力伝達装置では、電磁石と高強度部材との間に、電磁石を回り止めする回り止め部が設けられているので、キャリアが直接、電磁石の回転方向の力を受けることがなく、電磁石の回り止めを安定して行うことができる。
従って、このような動力伝達装置では、高強度部材が電磁石の回り止めを行うので、アルミ材料からなるキャリアであっても電磁石の回り止めを安定化することができる。
本発明によれば、アルミ材料からなるキャリアであっても電磁石の回り止めを安定化することができる動力伝達装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の断面図である。 本発明の実施の形態に係る動力伝達装置の第1キャリアの斜視図である。
図1,図2を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
本実施の形態に係る動力伝達装置1は、キャリア3と、このキャリア3に収容される動力伝達機構5と、キャリア3に収容され動力伝達機構5の作動を制御する電磁石7とを備えている。
そして、キャリア3は、アルミ材料からなり、内部にキャリア3より強度の高い高強度部材9が設けられ、電磁石7と高強度部材9との間には、電磁石7を回り止めする回り止め部11が設けられている。
また、キャリア3には、内部の圧力を制御するブリーザ室13が設けられ、ブリーザ室13のキャリア3の内部側には、キャリア3に収容された潤滑油のブリーザ室13への侵入を防止する遮蔽部材が設けられ、高強度部材9は、遮蔽部材である。
さらに、動力伝達機構5は、デフケース15と、このデフケース15に支承されて自転可能であると共にデフケース15の回転によって公転する差動ギヤとしてのピニオン17と、このピニオン17と噛み合って相対回転可能な一対の出力ギヤとしてのサイドギヤ19,21からなる差動機構23を有し、キャリア3は、デフケース15の回転軸心と直交する方向に分割面25を有する分割部材としての第1キャリア27と第2キャリア29とからなる。
そして、回り止め部11は、電磁石7に分割面25に沿って突設された突部31と、高強度部材9に分割面25に向けて開口して設けられ開口33から突部31が挿入されて電磁石7の回転方向に係合可能な溝部35とを有する。
図1,図2に示すように、キャリア3は、アルミ材料からなり、内部に主に入力部材(不図示)と電磁石7とを収容する第1キャリア27と、内部に主に差動機構23を収容する第2キャリア29とからなる。
このキャリア3は、第1キャリア27と第2キャリア29との分割面25が、後述する差動機構23のデフケース15の回転軸心と直交する方向に沿って設けられ、分割面25で第1キャリア27と第2キャリア29とを合わせてボルトなどの固定手段によって固定されて構成される。
このようなキャリア3は、分割面25において、第1キャリア27の内周側に第2キャリア29の外周側が挿入され、第1キャリア27と第2キャリア29との径方向間にOリングなどのシール部材37が配置され、内部に摺動部を潤滑・冷却する潤滑油が収容されている。
このように潤滑油が収容されるキャリア3には、動力伝達機構5と、電磁石7などが収容されている。動力伝達機構5は、入力部材(不図示)と、差動機構23と、断続機構39とを備えている。
入力部材は、軸状に形成されてキャリア3の第1キャリア27に収容され、回転軸心がデフケース15の回転軸心と直交する方向に配置され、軸方向に配置されたベアリング(不図示)を介してキャリア3に回転可能に支持されている。
この入力部材は、キャリア3の外部側の軸方向端部に、例えば、駆動源から駆動力が入力されるプロペラシャフトなどの入力側の部材(不図示)が一体回転可能に連結されている。
このような入力部材には、キャリア3の内部側の軸方向端部に、小径のドライブピニオン(不図示)が入力部材と一体回転可能に設けられ、デフケース15と一体回転可能に設けられた大径のリングギヤ41とで変速駆動するベベルギヤ組を構成している。
リングギヤ41は、差動機構23のデフケース15に形成されたフランジ部にボルトでデフケース15と一体回転するように固定され、小径のドライブピニオンと噛み合い、入力側の部材から入力部材に伝達された駆動力を方向変換して差動機構23側に出力する。
差動機構23は、キャリア3の第1キャリア27と第2キャリア29とに収容され、デフケース15と、ピニオンシャフト43と、ピニオン17と、一対のサイドギヤ19,21とを備えている。
デフケース15は、軸方向両側に形成されたボス部でそれぞれベアリング45,47を介してキャリア3の第1キャリア27と第2キャリア29とにそれぞれ回転可能に支持されている。
このデフケース15には、ピニオンシャフト43と、ピニオン17と、一対のサイドギヤ19,21とが収容され、入力部材からリングギヤ41を介して伝達された駆動力を伝達する。
ピニオンシャフト43は、端部をデフケース15に係合してピンで抜け止め及び回り止めされ、デフケース15と一体に回転駆動される。このピニオンシャフト43には、ピニオン17が支承されている。
ピニオン17は、デフケース15の周方向等間隔に複数配置され、ピニオンシャフト43に支承されてデフケース15の回転によって公転する。
このピニオン17の背面側とデフケース15との径方向間には、ピニオン17の公転時に発生する径方向への移動を受ける球面ワッシャが配置されている。
このようなピニオン17は、一対のサイドギヤ19,21に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ19,21に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト43に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ19,21は、それぞれのボス部でデフケース15に相対回転可能に支持され、ピニオン17と噛み合っている。
この一対のサイドギヤ19,21の背面側とデフケース15との軸方向間には、ピニオン17との噛み合い反力によるサイドギヤ19,21の軸方向への移動を受けるスラストワッシャがそれぞれ配置されている。
このような一対のサイドギヤ19,21は、内周側にスプライン形状の連結部49,51が形成され、それぞれ駆動力を出力する、例えば、左右車輪側に連結された車軸などの出力側の部材(不図示)に連結される駆動軸(不図示)が一体回転可能に連結され、デフケース15に入力された駆動力を出力側の部材へ出力する。
なお、一対のサイドギヤ19,21に連結される駆動軸とキャリア3との径方向間には、それぞれキャリア3の内部と外部とを区画するシール部材53,55が配置されている。
このような差動機構23における一対のサイドギヤ19,21の差動は、断続機構39の接続によってロック状態とされ、一対のサイドギヤ19,21に伝達された駆動力が左右の出力側の部材に均一に出力される。
このように差動機構23の差動を断続する断続機構39を有する動力伝達機構5は、いわゆるデフロック機能を有するデファレンシャル装置となっている。この断続機構39は、断続部材57と、断続部59とを備えている。
断続部材57は、環状に形成され、周方向に連続する一部材で形成された基部がデフケース15の壁部とサイドギヤ21の背面側との軸方向間に軸方向移動可能に配置されている。
この断続部材57のデフケース15の壁部側には、デフケース15と一体回転可能に係合する係合部61が設けられ、断続部材57のサイドギヤ21の背面側には、断続部59が設けられている。
係合部61は、断続部材57の基部に周方向等間隔に設けられた複数の凸部と、デフケース15の壁部に周方向等間隔に貫通して設けられた孔部とからなる。
この凸部と孔部とが回転方向に係合することにより、断続部材57がデフケース15に回り止めされ、断続部材57とデフケース15とが一体回転可能となる。
この係合部61には、断続部材57を断続部59の接続方向に移動させるカムが設けられている。詳細には、凸部と孔部との周方向両側の対向面には、同一傾斜のカム面がそれぞれ形成されている。
このため、断続部材57が断続部59の接続方向に移動され、断続部59に回転方向の噛み合い作用が生じたときに、デフケース15の回転によってそれぞれのカム面が係合することにより、断続部材57をさらに断続部59の噛み合い方向に移動させ、断続部59の接続を強化させる。
断続部59は、断続部材57の基部の係合部61と軸方向反対側の側面で断続部材57とサイドギヤ21の背面側との軸方向間に設けられ、断続部材57とサイドギヤ21とにそれぞれ周方向に複数形成されて互いに噛み合う噛み合い歯となっている。
この断続部59は、互いの噛み合い歯が噛み合うことにより、断続部材57とサイドギヤ21とが一体可能に接続、すなわちデフケース15とサイドギヤ21とが一体回転可能に接続され、差動機構23の差動がロック状態となる。
一方、断続部材57とサイドギヤ21の背面側との軸方向間で断続部59の径方向内側には、付勢部材63が設けられ、断続部材57を断続部59の接続解除方向に付勢している。
この付勢部材63によって、断続部材57が断続部59の接続解除方向に移動され、断続部59の接続が解除され、差動機構23の差動がアンロック状態となる。この断続部59の断続状態は、可動部材65と電磁石7とからなるアクチュエータによって制御される。
可動部材65は、電磁石7の内径側でデフケース15のボス部の外周に軸方向移動可能に配置され、環状のプランジャ67と、リング部材69とを備えている。
プランジャ67は、磁性材料から形成され、磁束が透過可能に設定された微小隙間であるエアギャップをもって電磁石7の内径側に配置されている。このプランジャ67の内周には、リング部材69が一体に固定されている。
リング部材69は、非磁性材料から形成され、プランジャ67の内周側からデフケース15側へ磁束が漏れることを防止している。このリング部材69は、デフケース15のボス部の外周に軸方向移動可能に配置され、デフケース15のボス部の外周に圧入固定された非磁性材料からなる規制部材71によって軸方向他側への移動規制がなされている。
このようなリング部材69には、断続部材57の凸部との軸方向の対向面に互いに当接する押圧部73が設けられている。この押圧部73は、電磁石7によって作動される可動部材65による軸方向の移動操作力を断続部材57に伝達し、断続部材57を断続部59の接続方向に押圧操作する。
電磁石7は、デフケース15のボス部の外周側でデフケース15の壁部に対して軸方向に隣接配置されると共に、後述する回り止め部11を介してキャリア3に設けられた高強度部材9に対して回り止めされ、電磁コイル75と、コア77とを備えている。
電磁コイル75は、環状に所定巻き数巻回されて樹脂でモールド成形されている。この電磁コイル75には、外部に引き出されるリード線(不図示)が接続され、このリード線を介して通電を制御するコントローラ(不図示)に接続されている。このような電磁コイル75の周囲には、コア77が配置されている。
コア77は、電磁コイル75への通電により磁界が形成されるように磁性材料から形成され、所定の磁路断面積を有している。このコア77は、電磁コイル75の内外周面及び電磁コイル75のデフケース15の壁部と反対側に位置する軸方向一側端面を環状に覆っている。
このようなコア77の外径側には、デフケース15の壁部から軸方向に延設された延設部79が磁束が透過可能に設定された摺動接触面をもって覆うように配置されていると共に、延設部79の軸方向端面によって電磁石7の軸方向一側への位置決めがなされている。
なお、コア77の軸方向外側の端面は、可動部材65の軸方向他側への移動を規制する規制部材71によって、可動部材65と共に電磁石7の軸方向他側への位置決めがなされている。
このように構成された動力伝達装置1では、電磁石7の励磁によりコア77とプランジャ67とデフケース15の壁部とを透過する磁束で形成される最短の磁束ループを有効に用いることによって、プランジャ67が断続部材57側に移動操作され、リング部材69が押圧部73を介して断続部材57を押圧する。
この可動部材65による断続部材57の押圧操作により、断続部材57が付勢部材63の付勢力に抗して断続部59の接続方向に移動され、断続部59が接続される。
この断続部59の接続により、サイドギヤ21と断続部材57とが一体回転可能に接続され、サイドギヤ21とデフケース15とが接続されて差動機構23がロック状態となる。
一方、断続部59の接続解除では、電磁石7への通電を停止することにより、断続部材57が付勢部材63の付勢力によって断続部59の接続解除方向に移動され、断続部59の接続が解除される。
この断続部59の接続解除により、サイドギヤ21と断続部材57とが相対回転可能となり、サイドギヤ21とデフケース15とが相対回転可能となって差動機構23のロック状態が解除される。
このような動力伝達装置1において、キャリア3内には、動力伝達機構5などのような複数の回転部材が収容されており、複数の回転部材の回転によりキャリア3の内圧が異常に上昇してしまうことがある。そこで、キャリア3には、キャリア3内部と大気側とを連通させるブリーザ室13が設けられている。
ブリーザ室13は、キャリア3の第1キャリア27において、重力方向と反対側の上方に設けられ、キャリア3の内部とキャリア3の外部である大気側とに連通されている。
このブリーザ室13の大気側の開口には、キャリア3の内圧の異常な上昇によって作動し、ブリーザ室13を介してキャリア3の内部と大気側とを連通させるプラグ81が設けられている。このようなブリーザ室13の内部側の開口近傍には、遮蔽部材である高強度部材9が設けられている。
高強度部材9は、キャリア3のアルミ材料よりも高い強度を有する、例えば、スチール材料などの高強度材料からなり、ブリーザ室13の内部側の開口近傍に配置され、リングギヤ41の回転によって掻き上げられるキャリア3内の潤滑油のブリーザ室13内への侵入を防止する遮蔽部材となっている。
この高強度部材9は、ブリーザ室13の内部側の開口近傍にボルトなどの固定手段を介して配置される遮蔽部83と、この遮蔽部83と連続する一部材で形成され電磁石7側に向けて延設された延設部85とを有している。
ここで、電磁石7は、デフケース15のボス部の外周側において、デフケース15と相対回転可能に配置されている。このような電磁石7は、自由回転の状態で配置してしまうと、デフケース15の回転によって連れ回りしてしまい、リード線の接続が外れてしまう恐れがある。
このため、従来では、電磁石7に回り止め部材を一体に設け、この回り止め部材をキャリア内の一部に係合させて電磁石7の回り止めを行っていた。
しかしながら、従来のキャリアは、スチール材料からなるので、十分な強度を有しており、電磁石7の回り止めを行うことができたが、キャリア3は、アルミ材料からなるので、従来よりも十分な強度を有しておらず、電磁石7の回り止めを行うことができない可能性がある。
そこで、キャリア3より高い強度を有する高強度部材9の延設部85と電磁石7との間には、電磁石7を回り止めする回り止め部11が設けられている。
回り止め部11は、電磁石7に設けられた突部31と、高強度部材9に設けられ突部31と係合可能な溝部35とからなる。
突部31は、電磁石7のコア77の周方向の1箇所に円筒状に形成され、キャリア3の第1キャリア27と第2キャリア29との分割面25に沿うように、コア77の外周面から外方に向けて突設されている。
溝部35は、高強度部材9の延設部85に、キャリア3の第1キャリア27と第2キャリア29との分割面25に向けて開口33を有するように、デフケース15の軸方向に沿って有底状に設けられている。
この回り止め部11は、電磁石7をキャリア3の第1キャリア27に分割面25側から収容する際に、突部31が溝部35の開口33から溝部35の内部に挿入され、電磁石7が第1キャリア27に収容された状態で、突部31と溝部35とが電磁石7の回転方向に係合し、電磁石7を回り止めする。
このように高強度部材9と電磁石7との間に回り止め部11を設けることにより、電磁石7の回転方向の力を高強度部材9で受けることができ、アルミ材料からなるキャリア3であっても、安定して電磁石7の回り止めを行うことができる。
ここで、キャリア3は、デフケース15の回転軸心と直交する方向に分割面25を有しているが、従来のキャリアなどは、デフケース15の回転軸心と平行な方向に分割面を有している。
このようなデフケース15の回転軸心と平行な方向に分割面を有するキャリアでは、電磁石7をキャリアに分割面から収容する際に、回り止め部11における突部31と溝部35との係合を目視することが難しい。
これに対して、キャリア3は、デフケース15の回転軸心と直交する方向に分割面25を有しているので、電磁石7を第1キャリア27に分割面25から収容する際に、回り止め部11における突部31と溝部35との係合を目視し易く、組付性を向上することができる。
なお、デフケース15の回転軸心と平行な方向に分割面を有するキャリアでは、デフケース15を支持するベアリング45,47をキャリアに対して支持するベアリングキャップが組付けられている。
しかしながら、ベアリングキャップを適用するキャリアでは、部品点数や組付工数が多く、キャリア3のように、デフケース15の回転軸心と直交する方向に分割面25を有することにより、ベアリングキャップを廃止することができる。
このように構成された動力伝達装置1の組付けは、まず、第1キャリア27に対して入力部材のドライブピニオンが内部側に向くように入力部材を組付ける。
次に、差動機構23のデフケース15のボス部外周に可動部材65と電磁石7とを配置させて仮組し、電磁石7側から第1キャリア27に対して回り止め部11の突部31を溝部35に挿入するように挿入させ、リングギヤ41とドライブピニオンとが噛み合うように収容する。
そして、第1キャリア27の分割面25に第2キャリア29の分割面25が合うように第1キャリア27と第2キャリア29とを組付け、第1キャリア27と第2キャリア29とをボルトなどの固定手段で固定し、動力伝達装置1の組付けを完了する。
このような動力伝達装置1では、電磁石7と高強度部材9との間に、電磁石7を回り止めする回り止め部11が設けられているので、キャリア3が直接、電磁石7の回転方向の力を受けることがなく、電磁石7の回り止めを安定して行うことができる。
従って、このような動力伝達装置1では、高強度部材9が電磁石7の回り止めを行うので、アルミ材料からなるキャリア3であっても電磁石7の回り止めを安定化することができる。
また、ブリーザ室13のキャリア3の内部側には、キャリア3に収容された潤滑油のブリーザ室13への侵入を防止する遮蔽部材が設けられ、高強度部材9は、遮蔽部材であるので、遮蔽部材と別部品の高強度部材9を設ける必要がなく、部品点数が増加することがない。
さらに、キャリア3は、デフケース15の回転軸心と直交する方向に分割面25を有する第1キャリア27と第2キャリア29とからなり、回り止め部11は、電磁石7に分割面25に沿って突設された突部31と、高強度部材9に分割面25に向けて開口して設けられ開口33から突部31が挿入される溝部35とを有するので、キャリア3に電磁石7を組付ける際に、回り止め部11における突部31と溝部35との係合を目視し易く、組付性を向上することができる。
また、回り止め部11は、突部31と溝部35とが電磁石7の回転方向に係合するので、電磁石7の周方向に少なくとも1箇所の回り止め部11を設ければよく、回り止め部11の構造を簡易化でき、動力伝達装置1を小型化することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置では、電磁石に突部が設けられ、高強度部材に溝部が設けられているが、これに限らず、電磁石に溝部を設け、高強度部材に突部を設けてもよい。
また、高強度部材は、ブリーザ室への潤滑油の侵入を防止する遮蔽部材となっているが、これに限らず、高強度部材を他の機能部材と併用したり、或いは高強度部材を独立して設けてもよく、電磁石の回り止めを行える位置であれば、高強度部材をキャリアのどの位置に設けてもよい。
さらに、動力伝達機構は、デフロック機能を有するデファレンシャル装置となっているが、これに限らず、例えば、アウタケースとインナケースとを有し、このアウタケースとインナケースとの間の動力伝達を断続するフリーランニングデフとしてもよい。
加えて、電磁石によって作動が制御される動力伝達機構としては、一対の回転部材の動力伝達を断続する断続部を有する動力伝達機構であれば、どのような構造であってもよく、一対の回転部材の入出力の関係は、駆動力を入出力できる関係であればどちらであってもよい。
また、断続部は、軸方向に対向する対向歯の噛み合いクラッチとなっているが、これに限らず、軸方向移動可能なスリーブを有し、このスリーブとの径方向間に対向する対向歯の噛み合いクラッチ、或いは多板クラッチや単板クラッチなどからなる摩擦クラッチなど、一対の回転部材間の動力伝達を断続できるものであれば、断続部の形態はどのようなものであってもよい。
1…動力伝達装置
3…キャリア
5…動力伝達機構
7…電磁石
9…高強度部材
11…回り止め部
13…ブリーザ室
15…デフケース
17…ピニオン
19,21…サイドギヤ
23…差動機構
25…分割面
27…第1キャリア(分割部材)
29…第2キャリア(分割部材)
31…突部
33…開口
35…溝部

Claims (3)

  1. キャリアと、このキャリアに収容される動力伝達機構と、前記キャリアに収容され前記動力伝達機構の作動を制御する電磁石とを備えた動力伝達装置であって、
    前記キャリアは、アルミ材料からなり、内部に前記キャリアより強度の高い高強度部材が設けられ、
    前記電磁石と前記高強度部材との間には、前記電磁石を回り止めする回り止め部が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記キャリアには、内部の圧力を制御するブリーザ室が設けられ、
    前記ブリーザ室の前記キャリアの内部側には、前記キャリアに収容された潤滑油の前記ブリーザ室への侵入を防止する遮蔽部材が設けられ、
    前記高強度部材は、前記遮蔽部材であることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は2記載の動力伝達装置であって、
    前記動力伝達機構は、デフケースと、このデフケースに支承されて自転可能であると共に前記デフケースの回転によって公転する差動ギヤと、この差動ギヤと噛み合って相対回転可能な一対の出力ギヤとからなる差動機構を有し、
    前記キャリアは、前記デフケースの回転軸心と直交する方向に分割面を有する分割部材からなり、
    前記回り止め部は、前記電磁石と前記高強度部材とのうちいずれか一方に前記分割面に沿って突設された突部と、他方に前記分割面に向けて開口して設けられ前記開口から前記突部が挿入されて前記電磁石の回転方向に係合可能な溝部とを有することを特徴とする動力伝達装置。
JP2015196589A 2015-10-02 2015-10-02 動力伝達装置 Pending JP2017067257A (ja)

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