JP2017202961A - 水素ガス製造方法 - Google Patents

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【課題】有機ハイドライドの脱水素反応により得られる水素リッチガスから低コストで高純度水素ガスを回収することができ、かつ設備のコスト低減とコンパクト化とを実現できる水素ガス製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の水素ガス製造方法は、触媒存在下の加熱により有機ハイドライドの脱水素反応を行う工程と、上記脱水素反応工程で得られる水素リッチガスを、その入口側から順に芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤が充填された吸着塔で精製する工程と、上記吸着塔の芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤をパージガスにより再生する工程とを備え、上記再生工程において芳香族化合物吸着剤を部分的に再生する。上記精製が常圧よりも高い圧力下で行われ、再生工程が、吸着塔内のガスを水素リッチガスの入口側から排出する工程と、排出工程後にパージガスを水素リッチガスの出口側から吸着塔内に供給する工程とを有するとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、水素ガス製造方法に関する。
燃料電池自動車等に水素を充填するための水素ステーションには、現地で天然ガスなどの化石燃料から水素を製造するオンサイト型水素ステーションと、他の場所で製造した水素を圧縮水素等の形態で輸送し現地で利用するオフサイト型水素ステーションがある。オフサイト型水素ステーションにおいて、製造した水素を輸送するための手段としてメチルシクロヘキサンなどの有機ハイドライドとして水素を輸送する方法が検討されている(例えば特開2013−87820号公報参照)。
上記オフサイト型水素ステーションにおいて輸送に用いられる有機ハイドライドは、触媒反応を介して水素を可逆的に吸収及び放出する有機化合物であり、水素を放出させて芳香族化合物とすることで水素を回収することができる。有機ハイドライドの脱水素化反応は触媒反応により高温で行われるが、反応後に製造された水素には、脱水素反応後に生成する有機化合物がその蒸気圧分残存する。例えば有機ハイドライドとしてメチルシクロヘキサンを用いる場合、脱水素した際に、水素ガス中に蒸気圧分のトルエンが残存することになる。また、脱水素反応は高温で行われるため、一部の有機ハイドライドの分解反応が副反応として起こり、少量のメタンなどの低級炭化水素が生成する。脱水素反応で製造された水素ガスには、これらの芳香族化合物と低級炭化水素とが混入することになるため、水素ガスを燃料電池自動車等で使用するためには、芳香族化合物及び低級炭化水素が混入した水素リッチガスを精製し、高純度化する必要がある。
上記水素リッチガス中に残る芳香族化合物を除去する方法としては、吸着剤による吸着除去技術が開示されている(特開2014−73922号公報参照)。このように吸着剤で芳香族化合物を除去する方法にはPSA(Pressure Swing Adsorption)法があるが、トルエンなどの芳香族化合物は吸着剤への吸着力が非常に強く、吸着剤に吸着した芳香族化合物を脱着させ、吸着剤を再生するためには多量の製品水素ガスでパージする必要があり、高純度水素の製造コストが高くなるという課題がある。
一方、上記水素リッチガスから高純度水素を回収する方法として、芳香族化合物除去用の吸着塔と低級炭化水素除去用の吸着塔とを別々に設け、前段の芳香族化合物除去用の吸着塔で水素リッチガス中の芳香族化合物を除去した後、後段の低級炭化水素除去用の吸着塔により高純度水素を精製する方法がある。この方法は、図8に示すように、有機ハイドライドAの脱水素反応を行う反応器11と、反応器11により生成した水素リッチガスから芳香族化合物Bを分離除去する分離器12と、分離後の水素リッチガスを圧縮する圧縮機13と、水素リッチガスを貯留するバッファタンク14と、圧縮後の水素リッチガスから芳香族化合物を除去する吸着塔15と、低級炭化水素を除去する吸着塔16とを備える装置により行われる。芳香族化合物除去用の吸着塔15はガードベッドとして機能し、長時間連続的に芳香族化合物を除去して吸着剤の再生は行わない。一方、低級炭化水素除去用の吸着塔16は、例えばPSA方式で運転し、3〜10分サイクルで複数の吸着塔を切り替えて運転することで、連続的に高純度水素を製造することが可能となる。吸着剤の芳香族化合物の吸着容量は非常に大きく、比較的小型の吸着塔として設計しても、1の吸着塔で数か月単位で連続的にガードベッドにより芳香族化合物を除去することが可能である。そのため、数か月に一度程度ガードベッドとする吸着剤を入れ替えることで水素リッチガス中の芳香族化合物を除去することが可能となる。また吸着剤の芳香族化合物に対する吸着容量が大きいため、ガードベッドでの製品水素の損失は小さく設計することができる。一方で、低級炭化水素除去用の吸着塔16では吸着力の強い芳香族化合物を吸着させないため、吸着剤の再生時にパージするための製品水素ガス量を少なくすることができる。このため、芳香族化合物除去用の吸着塔15と低級炭化水素除去用の吸着塔16とを別々に設ける方式は、製品水素ガスCの回収率を高める効果があり、ランニングコスト的には有利である。
しかし、上述の従来方式は、芳香族化合物用と低級炭化水素用との2種類の吸着設備が必要となることから、機器点数が増加し、設備コストが増加するデメリットがあり、またガス精製のために必要となる全体設備のサイズも大型化するため、水素ステーションなど設置面積が限られる場所に設置するには課題を有している。
特開2013−87820号公報 特開2014−73922号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、有機ハイドライドの脱水素反応により得られる水素リッチガスから低コストで高純度水素ガスを回収することができ、かつ設備のコスト低減とコンパクト化とを実現できる高純度水素ガス製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、触媒存在下の加熱により有機ハイドライドの脱水素反応を行う工程と、上記脱水素反応工程で得られる水素リッチガスを、その入口側から順に芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤が充填された吸着塔で精製する工程と、上記吸着塔の芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤をパージガスにより再生する工程とを備え、上記再生工程において上記芳香族化合物吸着剤を部分的に再生する水素ガス製造方法である。
当該水素ガス製造方法では、吸着塔の水素リッチガスを導入する入口側から芳香族化合物吸着剤、次いで低級炭化水素吸着剤の順に充填し、水素以外の不純物である芳香族化合物及び低級炭化水素をそれぞれ芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤で吸着除去し、吸着塔出口から高純度水素ガスを回収する。また、当該水素ガス製造方法では、吸着操作を行った後の吸着塔の再生操作において、吸着した芳香族化合物吸着剤を再生させるためのパージガスを吸着塔内に導入し、芳香族化合物吸着剤から吸着した芳香族化合物を完全に脱着させて完全再生するのではなく、吸着した芳香族化合物の一部のみを吸着剤から脱着させ、吸着した芳香族化合物の一部が吸着剤に残存した状態までの吸着剤の部分的な再生を行う。このように吸着した芳香族化合物を吸着剤からに完全に除去せずに、一部が吸着剤に残存した状態で再生操作を停止することで、パージガス量を低減することができ、高純度水素ガスの製造コストを低減することができる。
さらに、当該水素ガス製造方法では、芳香族化合物吸着剤と低級炭化水素吸着剤とを同一の吸着塔に充填するので、機器点数が減少し、設備コストを低減できると共に設備をコンパクト化することができる。
上記精製が常圧よりも高い圧力下で行われ、上記再生工程が、上記吸着塔内のガスを水素リッチガスの入口側から排出する工程と、上記排出工程後にパージガスを水素リッチガスの出口側から上記吸着塔内に供給する工程とを有するとよい。このように精製を加圧状態で行い、再生工程で上記排出工程と供給工程とを行うことで、芳香族化合物吸着剤の再生に必要なパージガス量をより低減することができ、結果として高純度水素ガスの製造コストをさらに低減できる。
上記吸着塔が水素リッチガスの出口側に吸着剤が充填されない空隙を有するとよい。このように吸着塔の出口側に空隙を設けることで、パージ時に空隙に存在していた水素リッチガスが芳香族化合物吸着剤の再生に寄与するので、再生に必要なパージガス量をより低減することができる。
上記再生工程が、上記パージガスの供給前又は供給時に上記吸着塔内を加熱する工程をさらに有するとよい。TSA(Temperature swing adsorption)型の吸着塔において、このように吸着塔内をパージガス供給前又は供給時に加熱することで、吸着剤の再生を促進でき、再生に必要なパージガス量をより低減することができる。
上記再生工程が、上記パージガスの供給前に上記吸着塔内を減圧する工程をさらに有するとよい。PSA型の吸着塔において、このように吸着塔内をパージガス供給前に減圧することで、吸着剤の再生を促進でき、再生に必要なパージガス量をより低減することができる。
上記パージガスの供給を減圧を維持した状態で行うとよい。PSA型の吸着塔において、このように吸着塔内を減圧したままパージガスを供給することで、吸着した不純物ガスの吸着剤から気相への拡散速度が大きくなり、脱着が促進されるため、結果として再生に必要なパージガス量の低減を促進できる。
当該水素ガス製造方法が、上記芳香族化合物吸着剤を交換する工程をさらに備え、上記芳香族化合物吸着剤の吸着容量が使用開始時より減少した時点で上記交換工程を行うとよい。このように芳香族化合物吸着剤を交換することで、同一の設備で長期間水素ガスの製造が可能となる。
上記芳香族化合物吸着剤の使用時間の増加と共に、上記再生工程に対する上記精製工程の時間割合を低減するとよい。このように芳香族化合物吸着剤の使用経過に伴い、芳香族化合物吸着剤の吸着容量の減少に応じて吸着時間を短くすることで、製品水素ガスの純度を維持することができる。
上記芳香族化合物吸着剤の使用時間の増加と共に、上記吸着塔に供給する水素リッチガスの量を低減するとよい。このように芳香族化合物吸着剤の使用経過に伴い、芳香族化合物吸着剤の吸着容量の減少に応じて水素リッチガスの供給量を減らすことでも、製品水素ガスの純度を維持することができる。
上記有機ハイドライドとしてはメチルシクロヘキサンが好適に用いられる。有機ハイドライドとしてメチルシクロヘキサンを用いることで、化合物の人体に対する安全性や水素の輸送効率を向上できる。有機ハイドライドとしてメチルシクロヘキサンを用いる場合、水素リッチガスに含まれる芳香族化合物はトルエンとなる。
上記水素リッチガスに含まれる低級炭化水素には様々な化合物が含まれ得るが、主となる化合物はメチルシクロヘキサンのメチル基に由来すると考えられるメタンである。当該水素ガス製造方法によれば、メチルシクロヘキサンから副生されるメタンに対し低級炭化水素吸着剤による吸着除去を好適に行うことができる。
上記パージガスとして上記精製工程で得た高純度水素ガスを用いるとよい。このように精製により得られる高純度水素ガスをパージガスとして用いることで、再生工程終了時点で吸着塔内に残存するガスを水素ガスのみとすることができるため、後の吸着工程で精製する水素ガスの純度を保障することができる。
上記芳香族化合物吸着剤が、ゼオライト、活性炭又は多孔質シリカゲルであるとよい。芳香族化合物吸着剤の吸着容量が大きい場合、少ない吸着剤量で芳香族化合物を除去することができるが、一方、吸着剤からの芳香族化合物の脱着が難しい場合、再生時に多くのパージガス量が必要となり好ましくない。使用する吸着剤には吸着容量と再生し易さの適度なバランスが求められ、ゼオライト、活性炭及び多孔質シリカゲルが吸着と再生のバランスに優れた吸着剤として利用できる。
上記ゼオライトの結晶型が、X型、Y型、モルデナイト型、ZSM−5型又はこれらの組み合わせであるとよい。また、上記ゼオライトのカチオン種が水素イオンであるとよい。このような細孔サイズの大きなゼオライトや、カチオン種が水素型で結晶内の電場の大きさが小さいゼオライトを用いることで吸着剤の再生速度を高めることができる。
上記活性炭が石炭由来であるとよい。このように石炭由来のマクロポアの発達した活性炭を用いることで吸着剤の再生速度を高めることができる。
上記低級炭化水素吸着剤がゼオライトであるとよい。水素リッチガス中に含まれる低級炭化水素の濃度は低いため、低濃度において炭化水素の吸着容量が高い吸着剤が好ましく、低級炭化水素吸着剤としてゼオライトを用いることで、吸着剤の充填量を低減できる。
上記低級炭化水素吸着剤としてのゼオライトの結晶型がX型であるとよい。また、ゼオライトのカチオン種が2価の金属イオンであるとよく、この2価の金属イオンがカルシウムイオンであるとよい。このようなゼオライトを用いることで、単位吸着剤量あたりの低級炭化水素の吸着量を増やすことができ、吸着剤の充填量を低減することができる。
なお、「低級炭化水素」とは、炭素数が1以上5以下の炭化水素を意味する。
以上説明したように、本発明の水素ガス製造方法によれば、有機ハイドライドの脱水素反応により得られる水素リッチガスから低コストで高純度水素ガスを回収することができ、かつ設備のコスト低減とコンパクト化とを実現できる。
本発明の一実施形態の水素ガス製造方法を実施するための水素ガス製造装置を示す概略図である。 図1の水素ガス製造装置の吸着塔の詳細図である。 活性炭によるトルエンの吸着等温線及びゼオライトによるメタンの吸着等温線を示すグラフである。 やしガラ活性炭及びH−Y型ゼオライトのトルエン吸着量を比較したグラフである。 やしガラ活性炭及びH−Y型ゼオライトのトルエン脱着率を比較したグラフである。 ゼオライトの種類毎のメタンの吸着等温線を示すグラフである。 本発明の一実施形態の水素ガス製造方法を説明する模式図である。 従来の水素ガス製造方法を実施するための水素ガス製造装置を示す概略図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の水素ガス製造方法の実施形態を詳説する。
[水素ガス製造装置]
図1の水素ガス製造装置は、触媒存在下の加熱により有機ハイドライドAの脱水素反応を行う反応器1と、反応器1から排出される芳香族化合物、低級炭化水素及び水素の混合ガスから冷却により芳香族化合物Bの一部を気液分離する分離器2と、分離器2で分離した混合ガス(水素リッチガス)を圧縮するコンプレッサ3と、圧縮した水素リッチガスを貯留するバッファタンク4と、水素リッチガスを精製する吸着塔5とを主に備える。また、図1の水素ガス製造装置は、吸着塔5の芳香族化合物吸着剤の再生工程において、パージガスにより芳香族化合物吸着剤の一部のみを再生する制御を行う制御機構(図示省略)をさらに備える。
図1の水素ガス製造装置で用いる有機ハイドライドAとしては、メチルシクロヘキサン(以下、MCHともいう)、シクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、メチルデカリン、ジメチルデカリン、エチルデカリン等の水素化芳香族化合物が挙げられる。例えば有機ハイドライドAとしてMCHを用いた場合、脱水素反応により、芳香族化合物であるトルエンに変換される。
図1の水素ガス製造装置は、水素自動車や燃料電池自動車などの水素を燃料とする車両等に水素を供給するためや燃料電池を利用した中大規模の発電に用いられる。
<反応器>
反応器1は、触媒存在下の加熱により有機ハイドライドAの脱水素反応を行う脱水素反応器である。具体的には、反応器1は、有機ハイドライドAの脱水素反応を促進する脱水素反応触媒を有し、有機ハイドライドAを加熱すると共に脱水素反応触媒と接触させることによって、有機ハイドライドAから水素を分離する酸化反応を生じさせる。これにより、芳香族化合物及び水素の混合ガスが発生する。
脱水素反応により得られる芳香族化合物としては、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン、エチルナフタレン等が挙げられるが、有機ハイドライドとしてメチルシクロヘキサンを用いた場合にはトルエンが得られる。また、脱水素反応における副生成物は様々な脂肪族系の低級炭化水素が対象となるが、多く生成され、不純物として問題となる低級炭化水素はメタンである。また、混合ガス中に未反応の有機ハイドライドが含まれる可能性もある。
反応器1で用いられる上記脱水素反応触媒としては、例えば硫黄、セレン、微粒子白金を担持したアルミナ等が知られている。
反応器1における有機ハイドライドAの加熱温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、有機ハイドライドAの加熱温度の上限としては、400℃が好ましく、350℃がより好ましい。有機ハイドライドAの加熱温度が上記下限に満たないと、有機ハイドライドAの反応速度及び水素ガスの収率が不十分となるおそれがある。逆に、有機ハイドライドAの加熱温度が上記上限を超えると、加熱に要するエネルギーコストが不必要に大きくなるおそれがある。
有機ハイドライドの加熱に用いられるバーナーの排ガスは、吸着剤を再生時に加熱する際の加熱源として有効に利用することが出来る。吸着剤の加熱方法としては、例えば吸着塔をジャケット方式とし、ジャケットに燃焼排ガスの出入口を設け、ジャケット入口から燃焼排ガスを導入し、吸着剤を加熱した後にジャケット出口から燃焼排ガスを排出する方法がある。なお、吸着剤の冷却時は、例えばジャケット入口から冷水を導入し、吸着剤を冷却することができる。
<分離器>
反応器1で得た水素を含む混合ガスは高温であり、高温における飽和蒸気圧分の芳香族化合物を含んでいるため、分離器2で反応器1から排出される混合ガスを冷却により気液分離し、芳香族化合物Bを排出し、水素リッチガスを得る。分離器2は、内部に流通するガスを冷却する冷却機構を有する。分離器2の内部でガスが冷却されることで、沸点が比較的高いMCH、芳香族化合物等が混合ガスから分離し易くなり、分離後のガス中のトルエンを含む芳香族化合物濃度が低減される。液体として分離された芳香族化合物Bは、分離器2からドレンとして排出される。
分離器2の出口における混合ガスの温度の下限としては、−40℃が好ましく、−35℃がより好ましい。一方、分離器2の出口における混合ガスの温度の上限としては、−10℃が好ましく、−15℃がより好ましい。分離器2の出口における混合ガスの温度が上記下限を下回ると、混合ガスの冷却に要するエネルギーが過大となるおそれがある。逆に、分離器2の出口における混合ガスの温度が上記上限を超えると、分離後の混合ガス中の芳香族化合物濃度が十分に低減されず、後段の吸着塔での吸着負荷が大きくなり、吸着剤の寿命が低下するおそれや水素ガスの回収率が低下するおそれがある。
分離器2で分離後の混合ガス中の芳香族化合物濃度の下限としては、50ppmが好ましく、100ppmがより好ましい。一方、上記混合ガス中の芳香族化合物濃度の上限としては、800ppmが好ましく、600ppmがより好ましい。上記混合ガス中の芳香族化合物濃度が上記下限に満たないと、分離器2での冷却コストが著しく増加するおそれがある。逆に、上記混合ガス中の芳香族化合物濃度が上記上限を超えると、後段の吸着塔での吸着負荷が大きくなり、吸着剤の寿命が低下するおそれや水素ガスの回収率が低下するおそれがある。なお、本明細書での「濃度」は体積ベースの割合である。
<コンプレッサ及びバッファタンク>
分離器2で芳香族化合物の大部分を除去した水素リッチガスはコンプレッサ3により圧縮された後、バッファタンク4に一時的に貯留される。
バッファタンク4内の圧力の下限としては、絶対圧で5気圧が好ましく、8気圧がより好ましい。一方、バッファタンク4内の圧力の上限としては、20気圧が好ましく、10気圧がより好ましい。上記圧力が上記下限より小さいと、吸着塔に供給する圧力が低くなるため、PSA運転における吸着圧力が低くなり、低級炭化水素の吸着量が低下するおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超えると、装置及び運転コストが過大となるおそれがある。
<吸着塔>
図2に吸着塔5の詳細な構成を示す。図1の水素ガス製造装置はPSA法又はTSA法で再生可能な複数の吸着塔5a、5bを吸着式精製器として有し、一方の吸着塔で吸着操作を行って製品水素を製造している間、他方の吸着塔で再生操作が行われ、吸着剤に吸着した芳香族化合物及び低級炭化水素の脱着により吸着剤の再生が行われる。図2では2塔式の吸着式精製器の例を示しているが、3塔式、4塔式などさらに多くの吸着塔を有する吸着式精製器を設計することもできる。3塔以上の吸着式精製器の場合、常圧よりも高い圧力で精製(吸着)した後、再生工程の前に2塔間で均圧操作を行うことができるため、製品水素の回収率を向上させる効果が期待できる。
吸着塔5a、5bには、それぞれ芳香族化合物吸着剤a及び低級炭化水素吸着剤bが充填されている。芳香族化合物吸着剤aは、供給される水素リッチガスから芳香族化合物を優先的に吸着する吸着剤であり、芳香族化合物以外の物質に対する吸着性を有していてもよい。同様に、低級炭化水素吸着剤bは、芳香族化合物を除去した後の水素リッチガスから低級炭化水素を優先的に吸着する吸着剤であり、低級炭化水素以外の物質(例えば芳香族化合物)に対する吸着性を有していてもよい。
上記吸着剤の充填順序は、水素リッチガス導入配管5eを通じて水素リッチガスが吸着塔5に導入される入口側から、芳香族化合物吸着剤a、低級炭化水素吸着剤bの順である。また、吸着塔5の低級炭化水素吸着剤bが充填された側(水素リッチガスの出口側)には空隙部cが設けられている。このような吸着塔5を用いることで、芳香族化合物のガードベッドを無くすことができる。そのため、プロセス全体として機器点数が減少し、設備コストを低減できると共に設置面積のコンパクト化を図ることができる。また、空隙部cを設けることで、脱圧工程において低級炭化水素吸着剤bの空隙に存在していた水素ガスに加えて、空隙部cに存在している水素ガスも芳香族化合物吸着剤aを通過して吸着塔5外に排出され、芳香族化合物吸着剤aの一部再生に寄与するため、パージ工程におけるパージガス量が低減でき、ランニングコストがさらに低下する効果がある。
なお、図1及び図2では、水素リッチガスの入口側は吸着塔5の下方であり、水素リッチガスの出口側は吸着塔5の上方である。つまり、水素リッチガスは、吸着塔5の内部を下から上に向かって流れる。
吸着操作においては水素リッチガスが水素リッチガス導入配管5eを通じ、吸着塔5に導入され、芳香族炭化合物吸着剤aで水素リッチガス中の芳香族化合物が除去され、さらに低級炭化水素吸着剤bで水素リッチガス中の低級炭化水素が吸着除去される。これにより水素リッチガスは高純度水素ガスとなり、製品水素(高純度水素)ガス回収配管5fを通り、製品水素ガスタンク5cに回収される。吸着塔5の再生時には、吸着塔5内の残留ガスが吸着塔5の芳香族化合物吸着剤a側(水素リッチガスの入口側)より、脱圧用オフガス配管5hを通じて排出され、常圧までの減圧が行われる。常圧までの減圧後は真空ポンプ5dにより真空排気用配管5iを通じて吸着塔5内の残留ガスが吸引され、吸着塔5が負圧に減圧される。その後、真空ポンプ5dを運転し、吸着塔5内を負圧に維持しながらパージ用配管5gよりパージガスを吸着塔5に導入することで吸着剤のさらなる再生が行われる。吸着剤の再生後は、加圧操作を行い、その後吸着塔5に製品水素ガスを導入することにより再加圧した後、再度吸着操作が行われる。
(芳香族化合物吸着剤)
芳香族化合物吸着剤aとしては、さまざまな吸着剤が利用できるが、ゼオライト、活性炭及び多孔質シリカが好適に利用できる。芳香族化合物は沸点が高く、図3の活性炭のトルエンに対する吸着等温線に示される通り吸着剤に非常に吸着され易い。また、分離器2による分離により、水素リッチガスに含まれる芳香族化合物の濃度は低くなっているため、比較的少量の吸着剤を芳香族化合物吸着剤aとして充填することで長時間芳香族化合物を除去し続けることが可能となる。
芳香族化合物吸着剤aは吸着及び再生のサイクルを繰り返した際に、吸着剤に残存する芳香族化合物量が少ないほど長期間吸着剤を交換せずに利用できるメリットがあることから、脱着率の高い吸着剤が望まれる。この観点から、ゼオライトとしては、細孔サイズが大きく、比較的安価であるX型、Y型、モルデナイト型、ZSM−5型、又はこれらの組み合わせの結晶型を有するものが好ましい。また、ゼオライトの芳香族化合物の吸着力は結晶内の電場の強さに由るため、カチオン種が水素イオンである結晶内の電場の弱いゼオライトが好ましい。同様にゼオライトに含まれるSi元素とAl元素との比であるSi/Alは大きいほど電場が弱くなるため、Si/Alが少なくとも10以上、好ましくは100以上のゼオライトが好適に利用できる。
活性炭は、芳香族化合物に対する吸着量がゼオライトよりも多く、必要な吸着剤量が少なくて済むというメリットがある。一方、ミクロ孔の発達した活性炭を用いると、吸着容量は大きくなるが、ミクロ孔内に吸着した芳香族化合物の脱着時の移動速度が遅いため再生が困難になる。このため、活性炭を用いる場合はミクロ孔ではなく、より大きな細孔であるメソ孔又はマクロ孔の発達した活性炭が好ましく、石炭を原料に製造された石炭由来の活性炭が好適に利用できる。このような活性炭を用いることで、高い吸着容量を確保しながら、再生のし易さも担保することができる。
図4、図5にミクロ孔が発達し、高比表面積を有するやしガラ活性炭とカチオン種が水素イオン交換されたSi/Al比が100のH−Y型ゼオライトに対するトルエンの吸着量及び脱着率を示す。この吸着量は40℃、トルエン濃度80ppmにおける飽和吸着量であり、脱着率は飽和吸着後の吸着剤に水素ガスをLV35cm/secで150分間流通させてトルエンを脱着させた際のトルエンの脱着率(脱着量/吸着量)である。ミクロ孔の発達したやしガラ活性炭はトルエンの吸着容量は大きいものの、脱着率が低いことが分かる。一方、H−Y型ゼオライトはトルエン吸着量はやしガラ活性炭に及ばないが、脱着率が高く、再生が行い易いことが分かる。
(低級炭化水素吸着剤)
低級炭化水素吸着剤bとしては、さまざまな吸着剤が利用できるが、ゼオライト及び活性炭が好適に利用でき、ゼオライトがより好ましく、結晶型がX型のゼオライトが特に好ましい。X型ゼオライトはA型ゼオライトと比べ低級炭化水素の吸着容量が大きいことに加えて、細孔径がA型と比較して大きいため、ガスの拡散速度の観点から見ると、吸着剤の再生時における低級炭化水素の脱着速度が速く、再生が行い易いというメリットがある。また、低級炭化水素は双極子モーメント及び四重極子モーメントは持たないが八重極子モーメントを持つため、ゼオライト結晶内の電場が強いほど吸着力が強くなる。Si/Al比の大きいゼオライトは電場が弱いため吸着力が低下することから、吸着容量の点からはY型及びZSM−5型ゼオライトに比べSi/Al比の小さいX型ゼオライトを用いることが好ましい。Si/Al比の小さいX型ゼオライトを用いることで低級炭化水素用に充填する吸着剤量を少なくすることができ、吸着塔サイズの低減や水素回収率の向上等に寄与する。同様にゼオライト結晶内の電場の観点から、カチオン種が1価の金属イオンよりも2価の金属イオンに置換されているゼオライトが吸着容量の観点から好ましく、特に吸着剤コストの観点からはカチオン種がカルシウムイオンのゼオライトが好適に利用できる。図6にCa−X型ゼオライト及び5A型ゼオライトの吸着等温線を比較して示す。
なお、芳香族化合物吸着剤aと低級炭化水素吸着剤bとは、同種の吸着剤であってもよい。ただし、上述のようにそれぞれの吸着剤に吸着させたい化合物が異なるため、芳香族化合物吸着剤aと低級炭化水素吸着剤bとは、それぞれの化合物を好適に吸着する異なる種類の吸着剤で構成されることが好ましい。
<制御機構>
図1の水素ガス製造装置が備える制御機構は、吸着塔5の芳香族化合物吸着剤a及び低級炭化水素吸着剤bの再生工程において、芳香族化合物吸着剤aに対しその一部のみを再生する制御を行う。上記制御の具体的な手順については、後述の水素ガス製造方法で説明する。
[水素ガス製造方法]
次に、図1の水素ガス製造装置を用いて、当該水素ガス製造方法について説明する。
当該水素ガス製造方法は、水素ガス及び水素以外の不純物ガスを含む水素リッチガスから吸着塔による精製で高純度水素ガスを製造する。当該水素ガス製造方法は、触媒存在下の加熱により有機ハイドライドAの脱水素反応を行う工程(脱水素反応工程)と、上記脱水素反応工程で排出される芳香族化合物、低級炭化水素及び水素の混合ガスから冷却により芳香族化合物の一部を気液分離する工程(気液分離工程)と、上記気液分離工程で得られた水素リッチガスを吸着塔5で精製する工程(精製工程)と、吸着塔5の芳香族化合物吸着剤a及び低級炭化水素吸着剤bをパージガスにより再生する工程(再生工程)とを主に備える。また、当該水素ガス製造方法は、芳香族化合物吸着剤aを交換する工程(交換工程)をさらに備えてもよい。
<脱水素反応工程>
脱水素反応工程では、反応器1を用いて、触媒存在下の加熱により有機ハイドライドAの脱水素反応を行う。
<気液分離工程>
気液分離工程では、分離器2を用いて、上記反応器1から排出される芳香族化合物、低級炭化水素及び水素の混合ガスを気液分離し、水素リッチガスを得る。この気液分離は、分離器2内部に流通するガスを冷媒により冷却しながら行う。このように気液分離工程で分離器2の内部に流通するガスを冷却することで、芳香族化合物と水素とが分離し易くなり、分離後のガス中の芳香族化合物濃度が低減される。
<精製工程>
精製工程では、吸着塔5を用いて、水素リッチガスを精製し、高純度の水素ガスを得る。精製工程では、吸着塔5に流通するガスを冷媒により冷却しながら水素ガスの精製を行うとよい。このように吸着時に吸着塔5内部に流通するガスを冷却することで、吸着剤による不純物の有効吸着量が増加し、吸着剤の必要量が低減され装置を小型化することができる。
吸着操作は常圧でも行うことが可能であるが、水素リッチガスを圧縮して高圧化し、常圧よりも高い5気圧以上20気圧以下程度の高圧で吸着操作を行うことで、水素リッチガス中の不純物、特に低濃度の低級炭化水素の分圧が高くなるため、吸着剤への吸着容量が増加し、少ない吸着剤量で吸着除去することができる。吸着操作を高圧で行った場合、再生操作時に減圧することになるが、パージ工程に移行する前の減圧操作(脱圧工程)において、吸着塔内のガスを精製工程における水素リッチガスの導入側より吸着塔外に排出する。このように水素リッチガスの導入側から吸着塔5内のガスを排出することで、減圧操作時に低級炭化水素吸着剤bの空隙に存在していた芳香族化合物を含まない水素リッチガスが芳香族化合物吸着剤aを通過して吸着塔5外に排出されることになり、空隙に存在していた水素リッチガスが芳香族化合物吸着剤aの再生に寄与することになる。このため、脱圧工程の後に行われるパージ操作において、より少ないパージガス量で芳香族化合物吸着剤aの一部再生を行うことができるため、ランニングコストの低減につながる。
<再生工程>
再生工程では、吸着塔5の吸着剤をパージガスとしての高純度の水素ガスを用いて再生し、オフガスを排出する。パージガスとして使用する高純度水素ガスは、当該水素ガス製造方法で得たものでもよいし、予め用意した水素ガスであってもよい。
当該水素ガス製造方法では、芳香族化合物吸着剤aを部分的に再生する。再生操作の後に吸着剤に残存する芳香族化合物量が少ないほど芳香族化合物吸着剤aの交換頻度を少なくできるが、芳香族化合物の残存量を少なくするためにはパージガス量を増やす必要があり、ランニングコスト(パージガスとして製品水素ガスを用いる場合は製品水素ガスの回収率)が低下する。そのため、芳香族化合物吸着剤aは部分的に、つまり吸着した芳香族化合物を一部残す形で再生を行う。
具体的には、再生後に芳香族化合物吸着剤aに残存する芳香族化合物の量(残存芳香族化合物量)の下限としては、1の吸着塔に対し1回の精製工程で導入される芳香族化合物量の2質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましい。一方、残存芳香族化合物量の上限としては、40質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。残存芳香族化合物量が上記下限より小さいと、パージガス量が過大となるおそれがある。逆に、残存芳香族化合物量が上記上限を超えると、芳香族化合物吸着剤aの交換頻度が高くなりランニングコストが増大するおそれがある。
低級炭化水素吸着剤bについては、一部のみを再生してもよいが、全体を再生する(低級炭化水素を完全に着脱する)ことが好ましい。
再生工程は、吸着塔内のガスを水素リッチガスの入口側から排出する脱圧工程と、上記排出工程後にパージガスを水素リッチガスの出口側から上記吸着塔内に供給するパージ工程とを有するとよい。さらに、再生工程は、上記パージガスの供給前又は供給時に上記吸着塔内を減圧する減圧工程又は吸着塔内を加熱する加熱工程を有するとよい。
図7に、精製工程からパージ工程までの各工程における吸着剤に吸着した芳香族化合物及び低級炭化水素の吸着状態を模式的に示す。精製工程では、水素リッチガス中の芳香族炭化合物及び低級炭化水素が芳香族化合物吸着剤a及び低級炭化水素吸着剤bの水素リッチガスの入口側から順に吸着し、吸着剤の飽和吸着部分P、Qが増加する。低級炭化水素を製品水素ガスに混入させないためには、低級炭化水素吸着剤bの未吸着部分が残存している状態で吸着操作を停止する必要がある。
精製工程(吸着操作)の後は脱圧工程において、吸着塔5内のガスが吸着塔5の水素リッチガス入口側より排出される。この操作においては、低級炭化水素吸着剤b充填部分の吸着剤の間隙に存在する水素ガスが芳香族化合物吸着剤aをパージして排出されることになり、吸着剤に強く吸着している芳香族化合物の脱着が進行する。また、吸着塔5の低級炭化水素吸着剤b出口側に空隙部cを設けることで、空隙部cに存在する水素ガスも芳香族化合物吸着剤aのパージに使用され、芳香族化合物の脱着に寄与する。
脱圧工程に続いて行われる減圧工程では、真空ポンプ5dにより常圧の吸着塔5内のガスを更に吸引する。真空ポンプ5dで吸引することで、芳香族化合物吸着剤aの間隙に存在するガス中の芳香族化合物の一部が除去され、不純物の分圧が低下することにより、吸着平衡が脱着側に移行する。その結果、気相中の芳香族化合物濃度が高まるため、パージ操作により吸着剤を再生し易くなる効果がある。また、この減圧吸引操作においても、低級炭化水素吸着剤b充填部分の吸着剤の間隙に存在する水素ガス及び空隙部cに存在する水素ガスが排気側に移動することでパージガスとして作用し、芳香族化合物の脱着の進行に寄与する。
減圧工程における吸着塔内の圧力の下限としては、絶対圧で0.05気圧が好ましく、0.07気圧がより好ましく、0.1気圧がさらに好ましい。一方、上記圧力の上限としては、0.7気圧が好ましく、0.4気圧がより好ましく、0.3気圧がさらに好ましい。上記圧力が上記下限より小さいと、脱着効果が不十分となるおそれがある。一方、上記圧力が上記上限を超えると、真空ポンプが大型となり、設備コストが増大するおそれがある。
さらにパージ工程において、パージガスを吸着剤に流通させることで、低級炭化水素吸着剤bが完全に再生され、芳香族化合物吸着剤aの再生がさらに進む。パージ工程の最終時点では、芳香族化合物吸着剤aは完全には再生されておらず、吸着した一部の芳香族化合物が残存した状態であるが、精製工程終了時点と比較して吸着剤の未飽和吸着部分が多くなり、再び精製工程に移行することができる十分な吸着容量を回復することになる。なお、パージは吸着塔5内の減圧を維持した状態で行うとよい。また、減圧工程よりもパージ工程における減圧の方が真空ポンプの吸引負荷が高くなるため、真空ポンプの負荷量の平準化の観点から、パージ工程における吸着塔内の圧力は減圧工程における最終的な減圧圧力よりも高く設定することが好ましい。
上記のような精製工程、脱圧工程、減圧工程、及びパージ工程を繰り返すと芳香族化合物吸着剤aに吸着した芳香族化合物の吸着量は増加してゆくが、上述したようなプロセスを行うことにより、芳香族化合物吸着剤の再生部分をパージガス量を抑えつつ最大化することができるため、ガードベッドにより芳香族化合物を除去する場合と比較しても吸着剤の交換頻度を少なくする設計が可能となる。
精製工程、脱圧工程、減圧工程、及びパージ工程の繰返しによる芳香族化合物吸着剤aの吸着容量の減少に対しては、芳香族化合物吸着剤aの使用時間の増加、つまり吸着容量の減少に対応して精製工程の時間を短く設定する(再生工程に対する精製工程の時間割合を低減する)ことで、吸着時における製品水素の純度を担保することができる。
また、吸着時間を短く設定するのではなく、吸着塔5に導入する水素リッチガスの量を低減し、吸着塔5におけるガスの線速度LVを低くする方法で製品水素の純度を担保することも可能である。この場合は吸着塔5で単位時間当たりに処理できる水素リッチガス量が低下するため、反応器1の後段、吸着塔5の前段に水素リッチガスを一時的に貯留するタンク(バッファタンク4)を設け、反応器1の運転時間よりも吸着塔5の運転時間を長くすることで1日当りの製品水素ガスの製造量を調整することができる。
なお、上述の減圧工程を含む再生工程は主にPSA型の吸着塔を再生する方法であり、TSA型の吸着塔の場合は減圧工程に替えてパージガスの供給前又は供給時に吸着剤を加熱する加熱工程を用いるとよい。吸着剤の温度を常温以上に上げることで吸着平衡が脱着側に移行するため、同量のパージガス量でも再生できる吸着剤量が多くなり、必要なパージガス量が低減できるため、ランニングコストを低減することができる。
上記加熱工程での加熱温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。一方、加熱温度の上限としては、200℃が好ましく、100℃がより好ましい。吸着剤を加熱する際の温度は高い方が吸着剤の再生が容易になるが、上記上限よりも高温に加熱すると、吸着剤を昇温させるために長時間を要するため、再生時間が長くなるおそれがある。
なお、精製工程で水素リッチガスから高純度水素を精製している時間帯に、他の吸着塔において、吸着剤の再生操作を行うことで、精製工程及び再生工程のサイクルを繰り返し、連続的に高純度水素を製造することが可能となる。
<交換工程>
上述のように、芳香族化合物吸着剤の再生を完全に行わないで一部再生を繰り返すと、芳香族化合物吸着剤の吸着容量が低下してゆくため、ある時点より精製する高純度水素ガスの純度低下が生じることになる。このため、芳香族化合物吸着剤の吸着容量が使用開始時より一定量減少した時点で芳香族化合物吸着剤を交換することが好ましい。吸着剤の交換は吸着塔への芳香族化合物吸着剤の充填量にも依存するが1カ月以上1年以下、より好ましくは1カ月以上6カ月以下程度の期間で任意に設計することが可能である。
<利点>
当該水素ガス製造方法は、吸着塔の水素リッチガスを導入する入口側から芳香族化合物吸着剤、次いで低級炭化水素吸着剤の順に充填し、水素以外の不純物である芳香族化合物及び低級炭化水素をそれぞれ芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤で吸着除去し、吸着塔出口から高純度水素ガスを回収する。また、当該水素ガス製造方法では、吸着操作を行った後の吸着塔の再生操作において、吸着した芳香族化合物吸着剤を再生させるためのパージガスを吸着塔内に導入し、芳香族化合物吸着剤から吸着した芳香族化合物を完全に脱着させて完全再生するのではなく、吸着した芳香族化合物の一部のみを吸着剤から脱着させ、吸着した芳香族化合物の一部が吸着剤に残存した状態までの吸着剤の部分的な再生を行う。このように吸着した芳香族化合物を吸着剤からに完全に除去せずに、一部が吸着剤に残存した状態で再生操作を停止することで、パージガス量を低減することができ、高純度水素ガスの製造コストを低減することができる。
[その他の実施形態]
本発明の水素ガス製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、脱水素反応後の混合ガスを気液分離するとしたが、この気液分離は必須ではなく、省略が可能である。つまり、脱水素反応によって排出される混合ガスをそのまま水素リッチガスとして吸着塔に供給してもよい。
また、吸着塔内の空隙部は必須ではなく、吸着塔内全体に吸着剤が充填されていてもよい。
さらに、上記実施形態におけるバッファタンクは必須の構成要素ではなく、省略が可能である。コンプレッサも任意の構成要素である。
以上説明したように、当該水素ガス製造方法は、有機ハイドライドの脱水素反応により得られる水素リッチガスから低コストで高純度水素ガスを回収することができ、かつ設備のコスト低減とコンパクト化とを実現できるので、高純度の水素を供給する用途に好適に用いられる。
1 反応器
2 分離器
3 コンプレッサ
4 バッファタンク
5、5a、5b 吸着塔
5c 製品水素ガスタンク
5d 真空ポンプ
5e 水素リッチガス導入配管
5f 製品水素(高純度水素)ガス回収配管
5g パージ用配管
5h 脱圧用オフガス配管
5i 真空排気用配管
11 反応器
12 分離器
13 コンプレッサ
14 バッファタンク
15、16 吸着塔
a 芳香族化合物吸着剤
b 炭化水素吸着剤
c 空隙部
A 有機ハイドライド
B 芳香族化合物
C 製品水素ガス
P、Q 飽和吸着部分

Claims (20)

  1. 触媒存在下の加熱により有機ハイドライドの脱水素反応を行う工程と、
    上記脱水素反応工程で得られる水素リッチガスを、その入口側から順に芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤が充填された吸着塔で精製する工程と、
    上記吸着塔の芳香族化合物吸着剤及び低級炭化水素吸着剤をパージガスにより再生する工程と
    を備え、
    上記再生工程において上記芳香族化合物吸着剤を部分的に再生する水素ガス製造方法。
  2. 上記精製が常圧よりも高い圧力下で行われ、
    上記再生工程が、
    上記吸着塔内のガスを水素リッチガスの入口側から排出する工程と、
    上記排出工程後にパージガスを水素リッチガスの出口側から上記吸着塔内に供給する工程と
    を有する請求項1に記載の水素ガス製造方法。
  3. 上記吸着塔が水素リッチガスの出口側に吸着剤が充填されない空隙を有する請求項2に記載の水素ガス製造方法。
  4. 上記再生工程が、上記パージガスの供給前又は供給時に上記吸着塔内を加熱する工程をさらに有する請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の水素ガス製造方法。
  5. 上記再生工程が、上記パージガスの供給前に上記吸着塔内を減圧する工程をさらに有する請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の水素ガス製造方法。
  6. 上記パージガスの供給を減圧を維持した状態で行う請求項5に記載の水素ガス製造方法。
  7. 上記芳香族化合物吸着剤を交換する工程をさらに備え、
    上記芳香族化合物吸着剤の吸着容量が使用開始時より減少した時点で上記交換工程を行う請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  8. 上記芳香族化合物吸着剤の使用時間の増加と共に、上記再生工程に対する上記精製工程の時間割合を低減する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  9. 上記芳香族化合物吸着剤の使用時間の増加と共に、上記吸着塔に供給する水素リッチガスの量を低減する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  10. 上記有機ハイドライドがメチルシクロヘキサンであり、上記水素リッチガスがトルエンを含有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  11. 上記水素リッチガスがメタンを含有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  12. 上記パージガスとして上記精製工程で得た高純度水素ガスを用いる請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  13. 上記芳香族化合物吸着剤が、ゼオライト、活性炭又は多孔質シリカゲルである請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  14. 上記ゼオライトの結晶型が、X型、Y型、モルデナイト型、ZSM−5型又はこれらの組み合わせである請求項13に記載の水素ガス製造方法。
  15. 上記ゼオライトのカチオン種が水素イオンである請求項14に記載の水素ガス製造方法。
  16. 上記活性炭が石炭由来である請求項13に記載の水素ガス製造方法。
  17. 上記低級炭化水素吸着剤がゼオライトである請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の水素ガス製造方法。
  18. 上記低級炭化水素吸着剤としてのゼオライトの結晶型がX型である請求項17に記載の水素ガス製造方法。
  19. 上記ゼオライトのカチオン種が2価の金属イオンである請求項18に記載の水素ガス製造方法。
  20. 上記2価の金属イオンがカルシウムイオンである請求項19に記載の水素ガス製造方法。
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