JP2017199872A - 光電変換層の製造方法及び光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換層の製造方法及び光電変換素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】前駆体法を用いて、アルカリ金属を含む光吸収層を形成して、開放電圧が向上する光電変換層の製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換層の製造方法は、I族元素及びIII族元素を有する前駆体層を形成する第1工程と、前駆体層を第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱する第2工程と、第2工程の後に、前駆体層の表面にアルカリ金属元素を付着させる第3工程と、第3工程の後に、前駆体層を第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱して、光電変換層13を得る第4工程と、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、光電変換層の製造方法及び光電変換素子の製造方法に関する。
近年、カルコゲン元素、例えば、S(硫黄)又はSe(セレン)、を含む化合物半導体を光電変換層として備えた光電変換素子が知られている。
カルコゲン元素を含有する光電変換層として、例えば、I−III−VI族化合物半導体が注目されている。
I−III−VI族化合物半導体のうち、Cu、In、Ga、Se、Sを含むカルコパイライト結晶構造のI−III−VI族化合物半導体を用いたものは、CIS系光電変換層と呼ばれ、代表的な光電変換層の材料として、Cu(In、Ga)Se、Cu(In、Ga)(Se、S)、CuInS2、Cu(In、Ga)S等がある。特にGaを含むものは、CIGS系光電変換層とも呼ばれる。
CIS系光電変換層の光電変換効率を向上する方法として、特許文献1は、光電変換層に対して、ナトリウム(Na)又はカリウム(K)等のアルカリ金属を光電変換層に添加して、光電変換効率を向上させることを提案している。
アルカリ金属を光電変換層に添加する方法として、様々な方法が提案されている。中でも、非特許文献1は、NaF−PDT(Sodium Fluoride−Post Deposition Treatment)及びKF−PDT(Potassium Fluoride−Post Deposition Treatment)と呼ばれる方法を用いることにより、変換効率を向上(特に、開放電圧を向上)することを提案している。
特許文献1及び非特許文献1では、光電変換層は、同時蒸着法を用いて形成される。同時蒸着法は、I族元素及びIII族元素を同時に蒸着しながら成膜する方法である。また、同時蒸着法では、VI族元素(カルコゲン元素)を、I族元素又は/及びIII族元素と共に同時に蒸着しながら、カルコパイライト結晶構造を有するCIS系光電変換層を形成する場合もある。
具体的には、特許文献1では、同時蒸着法を用いてCIS系光電変換層を形成するときに、アルカリ金属を同時に蒸着させて、アルカリ金属を含む光電変換層を形成している。
また、非特許文献1では、同時蒸着法を用いてCIS系光電変換層を形成した後に、光電変換層を形成した蒸着炉内において、VI族元素のセレン(Se)と共に、フッ化ナトリウム(NaF)又はフッ化カリウム(KF)をCIS系光電変換層の表面に同時に蒸着させて、アルカリ金属を含むCIS系光電変換層を形成する。
特開平10−64925号公報
Adrian Chirila et.al、"Potassium−induced surface modification of Cu(In,Ga)Se2 thin films for high−efficiency solar cells"、Nature Materials、December 2013、VOL12、1107−1111
しかしながら、同時蒸着法を用いて、I族元素及びIII族元素を成膜すると、広い面積を有するCIS系光電変換層を形成する場合には、膜厚均一性が低くなり、また同時に、CIS系材料の組成比の制御が困難であるという問題がある。さらに同時蒸着法では製膜時に高真空状態(10×10−4Pa以下)が必要とされるため、商業生産にも適していない。
また、VI族元素を、同時蒸着法を用いて蒸着することには他の問題がある。VI族元素は蒸気圧が高く金属元素との反応性が悪いので、過剰なVI族元素を蒸着炉内に供給しないと、VI族元素を光電変換層に所望の添加量で蒸着することができない。そのため、同時蒸着法を用いてVI族元素を蒸着することは、VI族元素の材料費が増大するという問題がある。
一方、光電変換層を形成する他の方法として、セレン化法又は硫化法がある。この方法では、まず、I族元素及びIII族元素を有する前駆体層(プリカーサ膜)を形成し、次に、前駆体層とVI族元素との化合物を形成して、カルコパイライト結晶構造を有するCIS系光電変換層を形成する。VI族元素の代表的な元素名をとって、セレン化法又は硫化法と呼ばれる。以下、セレン化法又は硫化法を、前駆体法ともいう。
前駆体法を用いることにより、前駆体層を、スパッタリング法等の同時蒸着法以外の成膜方法を用いて形成することにより、良好な膜厚均一性および組成均一性を有し広い面積を有するCIS系光電変換層を比較的容易に形成できることが知られている。
そこで、本明細書では、前駆体法を用いて、アルカリ金属を含む光吸収層を形成して、開放電圧が向上する光電変換層の製造方法を提供することを課題とする。
また、本明細書では、前駆体法を用いて、アルカリ金属を含む光吸収層を形成して、開放電圧が向上する光電変換素子を製造する方法を提供することを課題とする。
本明細書に開示する光電変換層の製造方法によれば、I族元素及びIII族元素を有する前駆体層を形成する第1工程と、前記前駆体層を第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱する第2工程と、前記第2工程後に、前駆体層の表面にアルカリ金属元素を付着させる第3工程と、前記第3工程後に、前駆体層を第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱して、光電変換層を得る第4工程と、を備える。
また、本明細書に開示する光電変換素子の製造方法によれば、I族元素及びIII族元素を有する前駆体層を、第1電極層上に形成する第1工程と、前記前駆体層を第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱する第2工程と、前記第2工程後に、前駆体層の表面にアルカリ金属元素を付着させる第3工程と、前記第3工程後に、前駆体層を第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱して、光電変換層を得る第4工程と、前記光電変換層上に、第2電極層を形成する第5工程と、を備える。
上述した本明細書に開示する光電変換層の製造方法によれば、前駆体法を用いてアルカリ金属を含む光電変換層が形成されて、開放電圧が向上する光電変換層が得られる。
また、上述した本明細書に開示する光電変換素子の製造方法によれば、前駆体法を用いてアルカリ金属を含む光電変換層が形成されて、開放電圧が向上する光電変換層を備える光電変換素子が得られる。
本明細書に開示する光電変換素子の一実施形態を示す図である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その1)である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その2)である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その3)である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その4)である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その5)である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その6)である。 本明細書に開示する光電変換素子の製造方法の一実施形態の製造工程を説明する図(その7)である。 本明細書に開示する光電変換素子の実施例及び比較例を説明する図である。
以下、本明細書で開示する光電変換素子の好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1は、本明細書に開示する光電変換素子の一実施形態を示す図である。
本実施形態の光電変換素子10は、基板11と、基板11上に配置される第1電極層12と、p型の導電性を有し、第1電極層12上に配置される光電変換層13と、光電変換層13上に配置され、i型又はn型の導電性を有し且つ高抵抗を有するバッファ層14と、n型の導電性を有し、バッファ層14上に配置される第2電極層15を備える。
光電変換層13は、いわゆるCIS系光電変換層であり、カルコパイライト結晶構造を有するI−III−VI族化合物半導体を用いて形成される。
I族元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)若しくは金(Au)又はこれらの元素の組み合わせを用いることができる。
III元素としては、例えば、インジウム(In)若しくはガリウム(Ga)若しくはアルミニウム(Al)又はこれらの元素の組み合わせを用いることができる。
VI族元素としては、例えば、セレン(Se)、硫黄(S)、テルル(Te)若しくは酸素(O)又はこれらの元素の組み合わせを用いることができる。
光電変換層13は、アルカリ金属元素を含有する。光電変換層13において、アルカリ金属元素は、アルカリ金属又はアルカリ金属化合物又はこれらの混合物の形態で含まれ得る。アルカリ金属しては、例えばリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)がある。アルカリ金属化合物としては、例えばフッ化物(LiF、NaF、KF、RbF)、セレン化物(LiSe、NaSe、KSe、RbSe)、硫化物(LiS、NaS、KS、RbS)、塩化物(LiCl、NaCl、KCl、RbCl)等がある。また、アルカリ金属化合物として、LiSO、NaSO、KSO、RbSO、LiMoO、NaMoO、KMoO、RbMoOを用いることができる。
光電変換層13に含まれるアルカリ金属(又は、アルカリ金属化合物中に含まれるアルカリ金属)の物質量比は、例えば、アルカリ金属(又は、アルカリ金属化合物中に含まれるアルカリ金属)の物質量(mol/cm)をX、光電変換層13に含まれるI族元素(Cu,Ag,Auなど)の物質量(mol/cm)をY、III族元素(Al、Ga、Inなど)の物質量(mol/cm)をZとしたときのX/(Y+Z)の値が0.003〜0.061(物質量比)、特に0.007〜0.022(物質量比)であることが、光電変換素子10の開放電圧を向上する観点から好ましい。アルカリ金属(又は、アルカリ金属化合物中に含まれるアルカリ金属)の物質量比(X/(Y+Z))が、0.003よりも低いと、光電変換素子10の開放電圧の増加を十分に得られないおそれがある。また、アルカリ金属(又は、アルカリ金属化合物中に含まれるアルカリ金属)の物質量比(X/(Y+Z))が、0.061よりも高いと、アルカリ金属(又は、アルカリ金属化合物)が光電変換層13中に熱拡散しきらずに表面に残存する。その結果、光電変換層13上に残存したアルカリ金属(又はアルカリ金属化合物)が抵抗層になり光電変換効率が低下するおそれがある。また、アルカリ金属(又はアルカリ金属化合物中に含まれるアルカリ金属)の物質量比が高いと、光電変換層13中のキャリア濃度が増加し、シャント抵抗の悪化を招き、光電変換効率が低下するおそれがある。
光電変換層13の厚さは、例えば、0.5〜3μmとすることができる。
次に、上述した光電変換素子10の製造方法の好ましい第1実施形態を、図2〜図8を参照しながら、以下に説明する。
まず、図2に示すように、基板11上に、第1電極層12が形成される。基板11として、例えば、ソーダライムガラス若しくは高歪点ガラス若しくは低アルカリガラス等のガラス基板、ステンレス板等の金属基板、又はポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いることができる。基板11は、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属元素を含んでいてもよい。
第1電極層12として、例えば、Mo、Cr、Ti等の金属を材料とする金属導電層を用いることができる。金属導電層を形成する材料は、Se又はS等のVI族元素との反応性の低い材料を用いることが、後述するセレン化法又は硫化法を用いて光電変換層を形成する時に、第1電極層12が腐食することを防止する観点から好ましい。第1電極層12の厚さは、例えば、0.1〜2μmとすることができる。第1電極層12は、例えば、スパッタリング(DC、RF)法、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法:CVD法)、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いて形成される。
光電変換素子10が、他の光電変換素子の上に配置されて、いわゆるタンデム型の光電変換素子積層体を形成する場合には、光電変換素子10は、透明な基板11及び透明な第1電極層12を有することが好ましい。ここで、基板11及び第1電極層12が透明であるとは、下に配置される他の光電変換素子が吸収する波長の光を透過することを意味する。なお、光電変換素子10は、基板を有していなくてもよい。また、透明な第1電極層12の材料としては、III族元素(Ga,Al,B)がドープされた酸化亜鉛、ITO(Indium Tin Oxide)、又はITiO(Indium Titanum Oxide)等が好適である。
次に、図3に示すように、第1電極層12上に、I族元素及びIII族元素を有する第1の前駆体層13aが形成される。
第1の前駆体層13aを形成する方法として、例えば、スパッタリング法、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、又はインク塗布法が挙げられる。スパッタリング法は、ターゲットであるスパッタ源を用いて、イオン等をターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された原子を用いて成膜する方法である。原子層堆積法は、原料ガスを交互に供給し、自己停止機構を利用して原子層レベルで原子を堆積させて成膜する方法である。インク塗布法は、プリカーサ膜の材料の粉体、もしくはプリカーサ膜の材料のイオンが分散された有機溶剤等の溶媒を第1電極層上に塗布した後、溶剤を蒸発させて、プリカーサ膜を形成する方法である。特に、広い面積を有する第1の前駆体層13aを、良好な膜厚均一性を有するように形成する観点からは、スパッタリング法を用いて、第1の前駆体層13aを形成することが好ましい。更に、スパッタリング法は蒸着法に比べて、チャンバー内の真空度を弱く(圧力を高く)できるため、装置コストを低減できる利点がある。
本実施形態では、I族元素としてCuを用い、III族元素としてIn及びGaを用いて、第1の前駆体層13aを形成する。
I族元素であるCuを含むスパッタ源としては、Cu単体、Cu及びGaを含むCu−Ga、Cu及びInを含むCu−In、Cu及びGa及びInを含むCu−Ga−In等を用いることができる。III族元素であるGaを含むスパッタ源としては、Ga単体、Cu及びGaを含むCu−Ga、Cu及びGa及びInを含むCu−Ga−In等を用いることができる。III族元素であるInを含むスパッタ源としては、In単体、Cu及びInを含むCu−In、Cu及びGa及びInを含むCu−Ga−In等を用いることができる。
Cu及びIn及びGaを含む第1の前駆体層13aは、上述したスパッタ源を用いて形成される層を単体又は積層して構成され得る。
第1の前駆体層13aの具体例として、Cu−Ga−In、Cu−Ga/Cu−In、Cu−In/Cu−Ga、Cu−Ga/Cu/In、Cu−Ga/In/Cu、Cu/Cu−Ga/In、Cu/In/Cu−Ga、In/Cu−Ga/Cu、In/Cu/Cu−Ga、Cu−Ga/Cu−In/Cu、Cu−Ga/Cu/Cu−In、Cu−In/Cu−Ga/Cu、Cu−In/Cu/Cu−Ga、Cu/Cu−Ga/Cu−In、Cu/Cu−In/Cu−Ga等が挙げられる。
ここで、上述したCu−Ga−Inは、単体の膜を意味する。また、「/」は、左右の膜の積層体であることを意味する。例えば、Cu−Ga/Cu−Inは、Cu−Ga膜とCu−In膜との積層体を意味する。Cu−Ga/Cu/Inは、Cu−Ga膜とCu膜とIn膜との積層体を意味する。また第1の前駆体層13aは、これらの膜を更に積層した多重積層構造を有していてもよい。
第1の前駆体層13aは、I族元素として、Cuと共に、Ag又はAuを含んでいてもよい。また、第1の前駆体層13aは、III族元素として、Alを含んでいてもよい。
更に、第1の前駆体層13aは、アルカリ金属又はアルカリ金属化合物を含有してもよい。アルカリ金属としてはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)があり、アルカリ金属化合物としては、フッ化物(LiF、NaF、KF)、セレン化物(LiSe、NaSe、KSe)、硫化物(LiS、NaS、KS)等がある。アルカリ金属化合物としてセレン化物又は硫化物を用いる場合、第1の前駆体層13a中にセレン又は硫黄を含むことになるが、このセレン又は硫黄は、アルカリ金属元素との化合物であって、蒸着法で適用したVI族のように、I族元素又はIII族元素をカルコゲン化(カルコゲン元素との化合物に反応させる)するものではない。
次に、図4に示すように、第1の前駆体層13aが積層された基板11を、第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱し、第1の前駆体層13aと第1のVI族元素との化合物を形成して、第2の前駆体層13bが得られる。第1のVI族元素を含む雰囲気としては、第1のVI族元素と水素との化合物(例えば、セレン化水素および/又は硫化水素)を含む雰囲気、又は、第1のVI族元素の蒸気(例えば、セレン蒸気および/又は硫黄蒸気)を含む雰囲気を用いることができる。なお、第2の前駆体層13bは、第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱された後の第1の前駆体層13aの名称である。また、第2の前駆体層13bは、この時点で所定の光電変換機能を有している。
本実施形態では、第1の前駆体層13aを、VI族元素であるSeを含む雰囲気において加熱(基板温度が250〜650℃)し、第1の前駆体層13aとSeとの化合物を形成して、第2の前駆体層13bが得られる。具体的には、第1の前駆体層13aが有するCu(In、Ga)と、Seが反応して、Cu(In、Ga)Seを有する第2の前駆体層13bが形成される。Seを含む雰囲気は、例えば、セレン化水素(HSe)、又はセレンを加熱して形成したセレン蒸気を用いて形成することができる。
次に、図5に示すように、第2の前駆体層13bが積層された基板11を、第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱し、第2の前駆体層13bと第2のVI族元素との化合物を形成して、第3の前駆体層13cが得られる。第2のVI族元素を含む雰囲気としては、第2のVI族元素と水素との化合物(例えば、セレン化水素および/又は硫化水素)を含む雰囲気、又は、第2のVI族元素の蒸気(例えば、セレン蒸気および/又は硫黄蒸気)を含む雰囲気を用いることができる。通常、第2のVI族元素は、第1のVI族元素とは異なるが、同じ元素を用いてもよい。なお、第3の前駆体層13cは、第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱された後の第1の前駆体層13aの名称である。
本実施形態では、第2の前駆体層13bを、VI族元素であるSを含む雰囲気において加熱(基板温度が250〜650℃)し、第2の前駆体層13bとSとの化合物を形成して、第3の前駆体層13cが得られる。具体的には、第1の前駆体層13aが有するCu(In、Ga)Seと、Sが反応して、Cu(In、Ga)(Se、S)、CuInS2、Cu(In、Ga)Sが形成され得る。Sと反応しない状態のCu(In、Ga)Seも存在し得る。Sを含む雰囲気は、例えば、硫化水素(HSe)、又は硫黄を加熱して形成した硫黄蒸気を用いて形成することができる。
次に、図6に示すように、第3の前駆体層13cの表面にアルカリ金属元素を付着させて、アルカリ金属層16が形成される。
第3の前駆体層13cの表面にアルカリ金属元素を付着する方法としては、例えば、塗布法、スパッタリング法又は蒸着法を用いることができる。塗布法は、アルカリ金属若しくはアルカリ金属化合物の粉体、又はアルカリ金属若しくはアルカリ金属化合物のイオンを分散した溶液を、第3の前駆体層13cの表面に塗布する方法であり、作業性が良く、特に商業生産に向いている。また、第3の前駆体層13cの表面にアルカリ金属を付着する方法として、付着装置の簡便性の観点からは、蒸着法よりも、塗布法又はスパッタリング法を用いることが好ましい。
上述の第3の前駆体層13cの表面に付着させるアルカリ金属元素は、アルカリ金属元素単体としてだけでなく、アルカリ金属イオン又はアルカリ金属化合物の状態も含む。アルカリ金属しては、例えばリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)がある。アルカリ金属化合物としては、例えばフッ化物(LiF、NaF、KF、RbF)、セレン化物(LiSe、NaSe、KSe、RbSe)、硫化物(LiS、NaS、KS、RbS)、塩化物(LiCl、NaCl、KCl、RbCl)等がある。また、アルカリ金属化合物として、LiSO、NaSO、KSO、RbSO、LiMoO、NaMoO、KMoO、RbMoOを用いることができる。
アルカリ金属層16を、後述する工程において第3の前駆体層13cの面内に均一に拡散させる観点から、アルカリ金属層16は、同じ厚さで第3の前駆体層13cの表面の全体を覆うように形成することが好ましい。しかしながら、通常、第3の前駆体層13cの表面は平坦ではなく凸凹を有しているので、アルカリ金属層16は、第3の前駆体層13cの表面の全体を覆うように形成されなくてもよく、第3の前駆体層13cの表面の少なくとも一部に付着するように形成されていればよい。
次に、図7に示すように、第3の前駆体層13cが積層された基板11を、第3のVI族元素を含む雰囲気において加熱し、第3の前駆体層13cと第3のVI族元素との化合物を形成して、光電変換層13が得られる。第3のVI族元素を含む雰囲気としては、第3のVI族元素と水素との化合物を含む雰囲気、又は、第3のVI族元素の蒸気を含む雰囲気を用いることができる。第3のVI族元素は、第1のVI族元素又は第2のVI族元素と同じ元素を用いてもよい。
本実施形態では、第3の前駆体層13cを、VI族元素であるSを含む雰囲気において加熱(基板温度が250〜650℃)し、第3の前駆体層13cとSとの化合物を形成して、光電変換層13が得られる。Sを含む雰囲気は、例えば、硫化水素(HSe)、又は硫黄を加熱して形成した硫黄蒸気を用いて形成することができる。
また、第3の前駆体層13cの表面に形成されたアルカリ金属層16を構成するアルカリ金属元素は、熱拡散により第3の前駆体層13cの内部に移動するので、通常、アルカリ金属層16という独立した層としては検知し難くなる。第3の前駆体層13c内におけるアルカリ金属元素の分布は、加熱温度及び加熱時間を適宜調整することにより制御され得る。
後述する実施例及び比較例において説明するが、アルカリ金属元素を第3の前駆体層13cの内部へ移動させる処理は、単に加熱するだけではなく、VI族元素を含む雰囲気において加熱することにより、光電変換素子10の開放電圧の向上を図ることができる。
次に、図8に示すように、光電変換層13上に、i型又はn型の導電性を有するバッファ層14が形成される。バッファ層14は、光電変換層13が吸収する波長の光を透過することが好ましい。
バッファ層14として、例えば、Zn、Cd、Inを含む化合物を用いることができる。Znを含む化合物としては、例えば、ZnO、ZnS、Zn(OH)又はこれらの混晶であるZn(O、S)、Zn(O、S、OH)若しくは(Zn、Mg)O、ZnSnOが挙げられる。Cdを含む化合物としては、例えば、CdS、CdO、Cd(OH)又はこれらの混晶であるCd(O、S)、Cd(O、S、OH)が挙げられる。Inを含む化合物としては、例えば、In、In又はこれらの混晶であるIn(O、S)、In(O、S、OH)が挙げられる。また、バッファ層14は、これらの内の複数の化合物を積層して形成されてもよい。
バッファ層14の形成方法としては、溶液成長法(Chemical Bath Deposition法:CBD法)、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、スパッタリング法、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いることができる。なお、CBD法とは、プリカーサとなる化学種を含む溶液に基材を浸し、溶液と基材表面との間で不均一反応を進行させることによって薄膜を基材上に析出させるものである。
バッファ層14の厚さは、例えば、数nm〜200nmとすることができる。
バッファ層14が、CBD法を用いて形成される場合には、バッファ層14を形成した後に、基板11にバッファ層14等が積層された積層体を洗浄して、その表面に付着している粒子又は化学種を含む溶液等の残留物を洗浄することが好ましい。洗浄方法としては、例えば、純水を満たした槽内に、積層体を浸漬すること、又はクイックダンプ洗浄が挙げられる。
次に、バッファ層14上に、第2電極層15が形成されて、図1に示す光電変換素子10が得られる。
第2電極層15は、n型の導電性を有し、禁制帯幅が広く且つ低抵抗の材料によって形成されることが好ましい。また、第2電極層15は、光電変換層13が吸収する波長の光を透過することが好ましい。
第2電極層15は、例えば、III族元素(B、Al、Ga、In)がドーパントとして添加された酸化金属を用いて形成される。具体的には、ZnO:B、ZnO:Al、ZnO:Ga等の酸化亜鉛、ITO(酸化インジウムスズ)及びSnO(酸化スズ)が挙げられる。また、第2電極層15として、ITiO、FTO、IZO又はZTOを用いてもよい。
第2電極層15の形成方法としては、例えば、スパッタリング(DC、RF)法、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いることができる。
第2電極層15の厚さは、例えば、0.05〜3μmとすることができる。
また、バッファ層14上に第2電極層15を形成する前に、実質的にドーパントが添加されていない真性な酸化亜鉛膜(i-ZnO)を形成し、この真性な酸化亜鉛膜上に、第2電極層15を形成してもよい。なお、実質的にドーパントが添加されていないとは、意図的にドーパントを添加しておらず、真性であることをいい、意図せずに微量のドーパントが酸化亜鉛膜に含まれることは許容される意味である。
上述した本実施形態の光電変換素子の製造方法によれば、前駆体法を用いて、アルカリ金属を含む光吸収層を形成して、開放電圧が向上する光電変換素子を得ることができる。
上述した非特許文献1では、同時蒸着法を用いて、VI族元素及びアルカリ金属を、光電変換層の表面に蒸着していた。このように、CIS系光電変換層を形成した後に、同時蒸着法を用いて、VI族元素を光電変換層の表面に蒸着する場合には、蒸着炉内へのVI族元素の供給が多量になるので、CIS系光電変換層に取り込まれるVI族元素の量を制御することが困難にであった。また、過剰なVI族元素を蒸着炉内へ供給することは、材料費の増加をもたらすことになった。
一方、上述した本実施形態の光電変換素子の製造方法では、図7に示す工程において、第3のVI族元素と水素との化合物を含む雰囲気を用いて、第3の前駆体層13cと第3のVI族元素との化合物を形成することにより、VI族元素の蒸気を用いてI族元素及びIII族元素をカルコゲン化することの問題を回避することができる。この理由は、硫化水素又はセレン化水素のように、VI族元素と水素との化合物を用いる場合には、同時蒸着法の時のように過剰なVI族元素を炉内に供給することなく、所望の組成を有する膜を形成することができるからである。
本発明では、上述した実施形態の光電変換層の製造方法及び光電変換素子の製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態が有する構成要件は、他の実施形態にも適宜適用することができる。
例えば、上述した光電変換素子の製造方法の実施形態では、第1の前駆体層13aは、I族元素としてCuを含んでいたが、第1の前駆体層13aは、Cuと共に、又はCuの代わりに他のI族元素を含んでいてもよい。
また、上述した光電変換素子の製造方法の実施形態では、第3の前駆体層13cはVI族元素としてSe及びSを有していたが、第3の前駆体層13cは、VI族元素としてSe及びSの内の何れか一方を有していればよい。
更に、上述した実施形態では、光電変換素子は、バッファ層を有していたが、光電変換素子は、バッファ層を有さずに、n型の導電性を有する第2電極層が、光電変換層上に直接配置されていてもよい。また、上述した実施形態では、第1の前駆体層13aは、アルカリ金属層が形成される前に、第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱される処理と、第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱される処理と受けていたが、第1の前駆体層13aがVI族元素を含む雰囲気において加熱される処理は一回だけでもよい。更に、第1の前駆体層13aは、アルカリ金属層が形成される前に、VI族元素を含む雰囲気において加熱される処理を3回以上受けてもよい。
以下、本明細書に開示する光電変換素子の製造方法について、実施例を用いて更に説明する。ただし、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
まず、ガラス板である基板上に、スパッタリング法を用いて、Moを含む複数の層を有する第1電極層が形成された。次に、I族元素であるCu並びにIII族元素であるIn及びGaを有する第1の前駆体層が、スパッタリング法を用いて、第1電極層上に形成された。次に、第1の前駆体層を、第1のVI族元素であるSeを含む雰囲気(セレン化水素含有雰囲気)において加熱して、第1の前駆体層とSeとの化合物を形成し、第2の前駆体層を得た。次に、第2の前駆体層を、第2のVI族元素であるSを含む雰囲気(硫化水素含有雰囲気)において加熱して、第2の前駆体層とSとの化合物を形成し、第3の前駆体層を得た。次に、蒸着法を用いて、フッ化カリウム(KF)を膜厚換算値20nmの厚さで、第3の前駆体層の表面に付着させてアルカリ金属層(アルカリ金属化合物を含有する層も含む)を形成した。ここで、膜厚換算値は、KFの蒸着量に基づいて推定される平均膜厚である。KFの蒸着量で表すと、膜厚換算値20nmは、0.319μmol/cmである。次に、アルカリ金属層が形成された基板を、第3のVI族元素であるSを含む雰囲気(硫化水素含有雰囲気)において、温度350℃で時間10分の間、加熱して光電変換層を得た。次に、CBD法を用いて、Zn(O、S、OH)であるバッファ層が光電変換層上に形成された。次に、MOCVD法を用いて、真性な酸化亜鉛膜(i-ZnO)が、バッファ層上に形成された。次に、第2電極層として、MOCVD法を用いて、ボロン(B)がドーパントとして添加されたZnO:B膜が真性な酸化亜鉛膜上に形成されて、実施例1の光電変換素子を得た。
(実施例2)
アルカリ金属層を、蒸着法を用いて、フッ化カリウム(KF)を膜厚換算値12nmの厚さ(KFの蒸着量:0.193μmol/cm)で、第3の前駆体層の表面に付着させて形成したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2の光電変換素子を得た。
(実施例3)
アルカリ金属層が形成された基板を、硫化水素の雰囲気において、温度250℃で時間10分の間、加熱して光電変換層を得たことを除いては、実施例2と同様にして、実施例3の光電変換素子を得た。
(実施例4)
アルカリ金属層を、蒸着法を用いて、フッ化カリウム(KF)を膜厚換算値4nmの厚さ(KFの蒸着量:0.066μmol/cm)で、第3の前駆体層の表面に付着させて形成したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例4の光電変換素子を得た。
(実施例5)
アルカリ金属層が形成された基板を、硫化水素の雰囲気において、温度250℃で時間10分の間、加熱して光電変換層を得たことを除いては、実施例4と同様にして、実施例5の光電変換素子を得た。
(比較例1)
アルカリ金属元素を第3の前駆体層の表面に付着させてアルカリ金属層を形成する工程、及び、アルカリ金属層が形成された基板をVI族元素を含む雰囲気において加熱する工程を行わなかったことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1の光電変換素子を得た。
(比較例2)
光電変換層を、アルカリ金属層が形成された基板を、窒素雰囲気(N)において、温度350℃で時間10分の間、加熱して得たことを除いては、実施例1と同様にして、比較例2の光電変換素子を得た。
実施例1〜5及び比較例1及び2の主要な製造条件と、開放電圧Voc及び開放電圧損失ΔVocの評価結果を、図9に示す。ここで、開放電圧損失ΔVocは、それぞれの光電変換素子に対して測定された外部量子効率(External Quantum Efficiency:EQE)曲線から光電変換層のバンドギャップEgを求め、バンドギャップEgから開放電圧Vocを減じた値(ΔVoc=Eg-Voc)である。理想的な光電変換素子では、バンドギャップEgと開放電圧Vocとは一致するが、実際には何らかの電圧ロスが生じるので、バンドギャップEgよりも開放電圧Vocの方が小さくなる。開放電圧損失ΔVocが小さい程、光電変換効率の良い光電変換素子と考えられる。
図9に示すように、全体としてみて、実施例1〜5の開放電圧Vocは、比較例1及び2よりも高く、実施例1〜5の開放電圧損失ΔVocは、比較例1及び2よりも低い。
具体的には、実施例1の開放電圧Vocは、比較例1よりも高く、実施例1の開放電圧損失ΔVocは、比較例1よりも低い。
また、実施例1と比較例2とを比べると、アルカリ金属元素の化合物であるKFを第3の前駆体層の表面に同じ量だけ付着させても、N雰囲気において加熱している比較例2は、VI族元素雰囲気において加熱している実施例1よりも、開放電圧は低く、開放電圧損失ΔVocは高いことが分かる。
実施例2〜5に示すように、KFの蒸着量が膜厚換算値で4nm以上であれば、開放電圧Vocは、比較例1及び2よりも高く、開放電圧損失ΔVocは、比較例1及び2よりも低い。
また、実施例3及び5に示すように、VI族元素雰囲気において、温度250℃以上で加熱していれば、開放電圧Vocは、比較例1及び2よりも高く、開放電圧損失ΔVocは、比較例1及び2よりも低い。
10 光電変換素子
11 基板
12 第1電極層
13 光電変換層
13a 第1の前駆体層
13b 第2の前駆体層
13c 第3の前駆体層
14 バッファ層
15 第2電極層
16 アルカリ金属層

Claims (11)

  1. I族元素及びIII族元素を有する前駆体層を形成する第1工程と、
    前記前駆体層を第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱する第2工程と、
    前記第2工程後に、前記前駆体層の表面にアルカリ金属元素を付着させる第3工程と、
    前記第3工程後に、前記前駆体層を第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱して、光電変換層を得る第4工程と、
    を備える光電変換層の製造方法。
  2. 前記第4工程では、
    前記第3工程後に、前記前駆体層を、前記第2のVI族元素と水素との化合物を含む雰囲気において加熱する請求項1に記載の光電変換層の製造方法。
  3. 前記第4工程では、
    前記第2のVI族元素を含む雰囲気は、硫黄又はセレンを含む請求項1又は2に記載の光電変換層の製造方法。
  4. 前記第3工程では、
    前記第2工程後に、前記前駆体層の表面にカリウムを付着させる請求項1〜3の何れか一項に記載の光電変換層の製造方法。
  5. 前記第3工程では、
    前記第2工程後に、フッ化カリウムを用いて、前記前駆体層の表面にカリウムを付着させる請求項4に記載の光電変換層の製造方法。
  6. 前記第2工程では、
    前記前駆体層を前記第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱した後、更に、前記前駆体層を第3のVI族元素を含む雰囲気において加熱する請求項1〜5の何れか一項に記載の光電変換層の製造方法。
  7. 前記第1のVI族元素はセレンであり、前記第3のVI族元素は硫黄である請求項6に記載の光電変換層の製造方法。
  8. 前記第2工程では、
    前記前駆体層を、前記第1のVI族元素と水素との化合物を含む雰囲気において加熱する請求項1〜7の何れか一項に記載の光電変換層の製造方法。
  9. 前記第2工程では、
    前記第1のVI族元素を含む雰囲気は、VI族元素の蒸気を含む請求項1〜7の何れか一項に記載の光電変換層の製造方法。
  10. 前記第1工程では、
    スパッタリング法を用いて、前記前駆体層を形成する請求項1〜9の何れか一項に記載の光電変換層の製造方法。
  11. I族元素及びIII族元素を有する前駆体層を、第1電極層上に形成する第1工程と、
    前記前駆体層を第1のVI族元素を含む雰囲気において加熱する第2工程と、
    前記第2工程後に、前記前駆体層の表面にアルカリ金属元素を付着させる第3工程と、
    前記第3工程後に、前記前駆体層を第2のVI族元素を含む雰囲気において加熱して、光電変換層を得る第4工程と、
    前記光電変換層上に、第2電極層を形成する第5工程と、
    を備える光電変換素子の製造方法。
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