以下、本明細書で開示する光電変換モジュールの好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図2は、本明細書に開示する光電変換モジュールの一実施形態を示す図である。
本実施形態の光電変換モジュール1は、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bと、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとを電気的に接続する導電層20を備える。
第1光電変換単位セル10aは、基板11と、基板11上に配置される第1電極層12と、p型の導電性を有し、第1電極層12上に配置され、化合物半導体により形成される光電変換層13と、光電変換層13上に配置されるシード層14を有する。また、第1光電変換単位セル10aは、シード層14上に配置され、i型又はn型の導電性を有し且つ高抵抗を有するバッファ層15と、n型の導電性を有し、バッファ層15上に配置される第2電極層16を有する。第2光電変換単位セル10bは、第1光電変換単位セル10aと同様の構造を有する。
第1光電変換単位セル10aの第1電極層12と、第2光電変換単位セル10bの第1電極層12とは、第1分割溝G1によって電気的に絶縁される。
第1光電変換単位セル10aの光電変換層13及びシード層14及びバッファ層15及び第2電極層16と、第2光電変換単位セル10bの光電変換層13及びシード層14及びバッファ層15及び第2電極層16とは、第3分割溝G3によって電気的に絶縁される。
導電層20は、第2光電変換単位セル10bのバッファ層15と同じ材料を用いて、第2光電変換単位セル10bのバッファ層15と一体に形成される。よって、導電層20は、第2光電変換単位セル10bのバッファ層15とつながっている。
導電層20は、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12と、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16とを電気的に直列に接続する。
図2に示す例では、光電変換モジュール1は、2つの光電変換単位セルを備えているが、光電変換モジュール1は、3つ以上の光電変換単位セルを備えていて、各光電変換単位セル同士が、導電層を介して直列に接続されていてもよい。光電変換モジュール1は、図2に示すように、第1光電変換単位セル10aのバッファ層15と一体に形成される他の導電層20を備えていてもよい。
基板11として、例えば、ソーダライムガラス若しくは高歪点ガラス若しくは低アルカリガラス等のガラス基板、ステンレス板等の金属基板、又はポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いることができる。基板11は、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属元素を含んでいてもよい。
第1電極層12として、例えば、Mo、Cr、Ti等の金属を材料とする金属導電層を用いることができる。金属導電層を形成する材料は、S等のVI族元素との反応性の低い材料を用いることが、後述するセレン化法又は硫化法を用いて光電変換層13を形成する時に、第1電極層12の腐食を防止する観点から好ましい。光電変換単位セルが、他の光電変換単位セルの上に配置されて、いわゆるタンデム型の光電変換素子セル積層体を形成する場合には、光電変換単位セルは、透明な基板11及び透明な第1電極層12を有することが好ましい。ここで、基板11及び第1電極層12が透明であるとは、下に配置される他の光電変換単位セルが吸収する波長の光を透過することを意味する。なお、光電変換単位セルは、基板を有していなくてもよい。また、透明な第1電極層12の材料としては、III族元素(Ga,Al,B)がドープされた酸化亜鉛や、ITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。第1電極層12の厚さは、例えば、0.1〜1μmとすることができる。
光電変換層13としては、カルコゲナイド系化合物半導体又はCdTe系化合物半導体を用いることができる。カルコゲナイド系化合物半導体としては、I−III−VI族化合物(I−III−VI2族化合物とも表現され得る)により形成されるCIS系化合物半導体、又は、I−(II−IV)−VI族化合物半導体(I2−(II−IV)−VI4族化合物半導体とも表現され得る)により形成されるCZTS系化合物半導体を用いることができる。
光電変換層13の厚さは、例えば、0.5〜3μmとすることができる。光電変換層13は、薄膜で形成されることが好ましい。
光電変換層13がI−III−VI2族化合物半導体を用いて形成される場合、I族元素としては、例えば、銅(Cu)又は銀(Ag)又は金(Au)を用いることができる。III族元素として、例えば、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)又はAl(アルミニウム)を用いることができる。VI族元素として、例えば、セレン(Se)又は硫黄(S)又は酸素(O)又はテルル(Te)を用いることができる。具体的には、CIS系化合物半導体として、Cu(In、Ga)Se2、Cu(In、Ga)(Se、S)2、Cu(In、Ga)S2、CuInS2等が挙げられる。
光電変換層13がI2−(II−IV)−VI4族化合物半導体を用いて形成される場合、I族元素としては、例えば、銅(Cu)又は銀(Ag)又は金(Au)を用いることができる。II族元素としては、例えば、亜鉛(Zn)を用いることができる。IV族元素としては、例えば、スズ(Sn)を用いることができる。VI族元素としては、例えば、セレン(Se)又は硫黄(S)又は酸素(O)又はテルル(Te)を用いることができる。具体的には、CZTS系化合物半導体として、Cu2(Zn、Sn)Se4、Cu2(Zn、Sn)S4、又はこれらの混晶であるCu2(Zn、Sn)(Se、S)4等が挙げられる。
シード層14は、バッファ層15の結晶成長を促す働きを有する。シード層14を配置することにより、結晶欠陥の少ないバッファ層15を形成することができる。欠陥の少ない結晶構造を有するバッファ層15が得られることにより、光電変換単位セルの開放電圧が向上する。また、シード層14は、バッファ層15の成長速度を促進する働きを有する。シード層14は、光電変換層13が吸収する波長の光を透過することが好ましい。
シード層14として、例えば、Zn及びVI属元素を含む化合物を用いることができる。Zn及びVI属元素を含む化合物としては、例えば、ZnO、ZnS、Zn(OH)2又はこれらの混晶であるZn(O、S)、Zn(O、S、OH)が挙げられる。
シード層14の厚さは、例えば、1nm〜50nmとすることができる。
バッファ層15は、上述したシード層14と共に、光電変換層13と、pn接合又はPin接合を形成する。また、バッファ層15は、高抵抗及び所定の厚さを有することにより、シード層14と共に、光電変換層13と第2電極層16との間にシャントパスが形成されることを防止して、漏れ電流を低減すると共に、並列抵抗を高める。更に、バッファ層15が、光電変換層13の伝導帯の下端のエネルギー準位と、第2電極層16の下端のエネルギー準位との間に、所定の大きさのスパイクを有するようにして、光電変換特性(例えば開放電圧)を高めるようにすることが好ましい。
バッファ層15は、第1の成分により形成される第1領域15aと、第2の成分により形成される第2領域15bを有する。第1の成分は、第2の成分に対して、n型の導電性を与えるドーパントが添加されて形成される。第1領域15aの抵抗率は、第2領域15bの抵抗率よりも低い。
バッファ層15における第1領域15aは、少なくとも部分的に、シード層14と接触している。また、バッファ層15における第2領域15bは、少なくとも部分的に、第2電極層16と接触している。
バッファ層15では、第1領域15aは、シード層14側に偏って位置するように配置されることが好ましい。例えば、図2に示すように、第1領域15aの薄い層が、シード層14上に配置される場合、第2領域15bが、第1領域15a上に配置され得る。言い換えると、バッファ層15では、第1領域15aの薄い層が、シード層14上に配置される場合、第2領域15bはシード層14とは接触し得ない。また、バッファ層15では、複数の第1領域15aが離散するようにシード層14上に配置されている場合、第2領域15bが、複数の第1領域15aを埋め込むようにシード層14上に配置され得る。
第1領域15aは、バッファ層15の厚さ方向において、シード層14と第2電極層16との間の中間の位置よりも、シード層14側に配置されることが好ましい。
また、バッファ層15における第1領域15aの体積分率は、第2領域15bの体積分率よりも低いことが好ましい。これにより、バッファ層15が、第1の成分よりも抵抗率の高い第2の成分を主成分として形成される。
また、バッファ層15における第2領域15bを用いて、光電変換層13の伝導帯の下端のエネルギー準位と、第2電極層16の下端のエネルギー準位との間に、所定の大きさのスパイクを形成することが好ましい。これにより、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bの開放電圧を向上することができる。
このような観点から、第2領域15bを形成する第2の成分として、光電変換層13の伝導帯の下端のエネルギー準位と、第2電極層16の下端のエネルギー準位との間に、所定の大きさのスパイクを形成できる材料を選択することが好ましい。
第2の成分として、例えば、Zn、Cd、Inを含む化合物を用いることができる。Znを含む化合物としては、例えば、ZnO、ZnS、Zn(OH)2、ZnOとZnSの混晶であるZn(O、S)又はこれらの混晶であるZn(O、S、OH)、若しくは(Zn、Mg)O、(Zn、Mg)(O、S)、ZnSnOが挙げられる。ここで、(Zn、Mg)Oは、ZnOとMgOとの混晶であり、(Zn、Mg)(O、S)は、ZnOとMgOとZnSとMgSとの混晶である。Cdを含む化合物としては、例えば、CdS、CdO、Cd(OH)2又はこれらの混晶であるCd(O、S)、Cd(O、S、OH)が挙げられる。Inを含む化合物としては、例えば、In2S3、In2O3又はこれらの混晶であるIn(O、S)、In(O、S、OH)が挙げられる。
n型の導電性を与えるドーパントとしては、例えば、III族元素を用いることができる。III族元素として、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)が挙げられる。
バッファ層15の厚さは、例えば10〜200nm、特に20〜150nmとすることが好ましい。
第1領域15aが層状に形成される場合、第1領域15の厚さは、10〜50nm、特に15〜30nmとすることが好ましい。
上述した第2光電変換単位セル10bのバッファ層15の第1領域15a及び第2領域15bの説明は、第1光電変換単位セル10aのバッファ層15に対しても適用される。
導電層20は、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12上から、第2光電変換単位セル10bの光電変換層13及びシード層14の側面上を延びて、第2光電変換単位セル10bのバッファ層15とつながっている。
導電層20は、第2光電変換単位セル10bのバッファ層15と一体に形成されるので、バッファ層15と同様に、第1の成分により形成される第1領域15aと、第2の成分により形成される第2領域15bを有する。第1領域15aの抵抗率は、第2領域15bの抵抗率よりも低い。
導電層20における第1領域15aは、少なくとも部分的に、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12と接触している。導電層20における第2領域15bは、少なくとも部分的に、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16と接触している。
導電層20では、第1領域15aは、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12側に偏って位置するように配置されることが好ましい。例えば、図2に示すように、第1領域15aの薄い層が、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12上に配置される場合、第2領域15bが、第1領域15a上に配置され得る。言い換えると、導電層20では、第1領域15aの薄い層が、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12上に配置される場合、第2領域15bは第1光電変換単位セル10aの第1電極層12とは接触し得ない。また、導電層20では、複数の第1領域15aが離散して、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12上に配置されている場合、第2領域15bが、複数の第1領域15aを埋め込むように、第1電極層12上に配置され得る。
図2に示すように、導電層20において、層状の第1領域15aが、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12上に配置される場合には、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12は、第1領域15a及び第2領域15bを介して、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16と電気的に接続する。
また、導電層20において、複数の第1領域15aが離散するように、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12上に配置される場合には、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12は、第1領域15a及び第2領域15bを介して、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16と電気的に接続する領域と、第2領域15bのみを介して、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16と電気的に接続する領域とを有する。
どちらの場合でも、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12は、第1領域15a及び第2領域15bを介して、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16と電気的に接続する。
従って、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12が、第2領域15bのみを介して、第2光電変換単位セル10bの第2電極層16と電気的に接続する場合よりも、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとの直列接続抵抗を低減することができる。
これは、第1領域15aの抵抗率が第2領域15bよりも低いので、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12と第1領域15aとの間のショットキー障壁が、第1光電変換単位セル10aの第1電極層12と第2領域15bとの間のショットキー障壁よりも低くなるためである。
第1領域15aを形成する第1の成分の抵抗率は、第2領域15bを形成する第2の成分の抵抗率の70%以下、特に40%以下、更には20%以下であることが、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとの直列接続抵抗を低減する観点から好ましい。
第1領域15aを形成する第1の成分において、ドーパントの濃度は、0.1〜1.0at%、特に0.19〜0.58at%であることが、上述した観点から好ましい。
本実施形態の光電変換モジュール1では、後述するように、導電層20は、バッファ層15と同時に形成される。導電層20は、バッファ層15とは異なり、導電層20の下にシード層が配置されないので、導電層20の成長速度は、バッファ層15よりも遅くなる。
従って、導電層20の厚さは、バッファ層15よりも薄い。導電層20の厚さが薄いことは、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとの直列接続抵抗を低減する観点から好ましい。
バッファ層15の全体としての導電性は、主体となる第2領域15bの導電性により決定される。第2領域15bがn型の導電性を有する場合には、バッファ層15は全体としてのn型の導電性を有する。また、第2領域15bがi型の導電性を有する場合には、バッファ層15は全体としてのi型の導電性を有する。
上述したバッファ層15及び導電層20に求められる機能を得る観点から、光電変換層13の形成材料と、バッファ層15及び導電層20を形成する第1の成分及び第2の成分の形成材料について、以下に説明する。
光電変換層13が、I−III−VI2族化合物を用いて形成される場合には、第2の成分は、ZnOとZnSとの混晶であり、第1の成分は、第2の成分に対してIII族元素が添加されていることが好ましい。ここで、第2の成分におけるSの原子数のZnの原子数に対する比が、0.16〜0.35の範囲にあることが、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bの開放電圧を向上させる観点から好ましい。
また、光電変換層13が、Seを含まないI−III−VI2族化合物を用いて形成される場合には、第2の成分は、(Zn、Mg)O、又は、(Zn、Mg)(O、S)であり、第1の成分は、第2の成分に対してIII族元素が添加されていることが好ましい。なお、セレンを含まないとは、実質的にバンドに影響を及ぼさない程度にはSeやその他の元素を含有することも含むことを意味する。
更に、光電変換層13が、I2−(II−IV)−VI4族化合物を用いて形成される場合には、第2の成分は、ZnOとZnSとの混晶であり、第1の成分は、第2の成分に対してIII族元素が添加されていることが好ましい。ここで、第2の成分におけるSの原子数のZnの原子数に対する比が、0.16〜0.35の範囲にあることが、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bの開放電圧を向上させる観点から好ましい。
第2電極層16は、バッファ層15上から導電層20上に延びるように配置される。第2電極層16は、導電層20と電気的に接続する。また、第2電極層16は、バッファ層15を介しても、導電層20と電気的に接続する。
第2電極層16は、n型の導電性を有し、禁制帯幅が広く且つ低抵抗の材料によって形成されることが好ましい。また、第2電極層16は、光電変換層13が吸収する波長の光を透過することが好ましい。
第2電極層16は、例えば、III族元素(B、Al、Ga、In)がドーパントとして添加された酸化金属を用いて形成される。具体的には、B:ZnO、Al:ZnO、Ga:ZnO等の酸化亜鉛、ITO(酸化インジウムスズ)及びSnO2(酸化スズ)が挙げられる。また、第2電極層16として、ITiO、FTO、IZO又はZTOを用いてもよい。
上述した本実施形態の光電変換モジュール1によれば、光電変換単位セルの光電変換率を向上すると共に、光電変換単位セル間の接続抵抗を低減して、発電出力を向上できる。
次に、上述した光電変換モジュールの製造方法の好ましい一形態を、図面を参照しながら、以下に説明する。
まず、図3に示すように、基板11上に、第1電極層12が形成される。第1電極層12は、例えば、スパッタリング(DC、RF)法、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition法:CVD法)、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いて形成される。
次に、図4に示すように、メカニカルスクライブ法又はレーザスクライブ法を用いて、第1電極層12を分割する第1分割溝G1が形成される。第1分割溝G1が形成されることにより、電気的に絶縁された複数の第1電極層12が形成される。第1分割溝G1の底には、基板11が露出する。
次に、図5に示すように、複数の第1電極層12上に、化合物半導体を用いて光電変換層13が形成される。光電変換層13は、第1分割溝G1の底に露出している基板11上にも形成される。
光電変換層13として、CIS系化合物半導体を形成する方法としては、例えば、(1)I族元素及びIII族元素のプリカーサ膜を形成し、プリカーサ膜とVI族元素との化合物を形成する方法(セレン化法又は硫化法)と、(2)蒸着法を用いて、I族元素及びIII族元素及びVI族元素を含む膜を成膜する方法(蒸着法)が挙げられる。
(セレン化法又は硫化法)
プリカーサ膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法又はインク塗布法が挙げられる。スパッタリング法は、ターゲットであるスパッタ源を用いて、イオン等をターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された原子を用いて成膜する方法である。蒸着法は、蒸着源を加熱して気相となった原子等を用いて成膜する方法である。インク塗布法は、プリカーサ膜の材料を粉体にしたものを有機溶剤等の溶媒に分散して、第1電極層上に塗布し、溶剤を蒸発して、プリカーサ膜を形成する方法である。
I族元素であるCuを含むスパッタ源又は蒸着源としては、Cu単体、Cu及びGaを含むCu−Ga、Cu及びGa及びInを含むCu−Ga−In等を用いることができる。III族元素であるGaを含むスパッタ源又は蒸着源としては、Cu及びGaを含むCu−Ga、Cu及びGa及びInを含むCu−Ga−In等を用いることができる。III族元素であるInを含むスパッタ源又は蒸着源としては、In単体、Cu及びInを含むCu−In、Cu及びGa及びInを含むCu−Ga−In等を用いることができる。
Cu及びIn及びGaを含むプリカーサ膜は、上述したスパッタリング法又は蒸着法を用いて形成される膜を単体又は積層して構成され得る。
プリカーサ膜の具体例として、Cu−Ga−In、Cu−Ga/Cu−In、Cu−In/Cu−Ga、Cu−Ga/Cu/In、Cu−Ga/In/Cu、Cu/Cu−Ga/In、Cu/In/Cu−Ga、In/Cu−Ga/Cu、In/Cu/Cu−Ga、Cu−Ga/Cu−In/Cu、Cu−Ga/Cu/Cu−In、Cu−In/Cu−Ga/Cu、Cu−In/Cu/Cu−Ga、Cu/Cu−Ga/Cu−In、Cu/Cu−In/Cu−Ga等が挙げられる。また、プリカーサ膜は、これらの膜を更に積層した多重積層構造を有していてもよい。
ここで、上述したCu−Ga−Inは、単体の膜を意味する。また、「/」は、左右の膜の積層体であることを意味する。例えば、Cu−Ga/Cu−Inは、Cu−Ga膜とCu−In膜との積層体を意味する。Cu−Ga/Cu/Inは、Cu−Ga膜とCu膜とIn膜との積層体を意味する。
光電変換層13は、上述したプリカーサ膜を、VI族元素と反応させて形成される。例えば、VI族元素の硫黄及び/又はセレンを含む雰囲気において、プリカーサ膜を加熱することにより、プリカーサ膜と硫黄及び/又はセレンとの化合物が形成(硫化及び/又はセレン化)されて、光電変換層13が得られる。なお、VI族元素を含むようにプリカーサ膜を形成してもよい。
(蒸着法)
蒸着法では、I族元素の蒸着源及びIII族元素の蒸着源及びVI族元素の蒸着源又はこれら複数の元素を含む蒸着源を加熱し、気相となった原子等を第1電極層12上に成膜して、光電変換層13が形成される。蒸着源としては、上述したプリカーサ法で説明したものを用いることができる。
また、光電変換層13として、CZTS系化合物半導体を形成する方法としては、CIS系化合物半導体と同様に、(1)I族元素及びII族元素及びIV族元素のプリカーサ膜を形成し、プリカーサ膜とVI族元素との化合物を形成する方法(セレン化法又は硫化法)と、(2)蒸着法を用いて、I族元素及びII族元素及びIV族元素及びVI族元素を含む膜を成膜する方法(蒸着法)が挙げられる。
CZTS系化合物半導体をセレン化法又は硫化法を用いて形成する場合には、上述したI族元素のスパッタ源又は蒸着源と共に、II族元素及びIV属元素のスパッタ源又は蒸着源を使用して、プリカーサ膜が形成された後、プリカーサ膜とVI族元素との反応物であるCZTS系化合物半導体が形成される。
また、CZTS系化合物半導体を蒸着法を用いて形成する場合には、上述したI族元素及びVI族元素の蒸着源と共に、II族元素及びIV属元素の蒸着源を使用して、CZTS系化合物半導体が形成される。
次に、図6に示すように、光電変換層13上に、シード層14が形成される。
シード層14の形成方法としては、溶液成長法(Chemical Bath Deposition法:CBD法)、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、スパッタリング法、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いることができる。なお、CBD法とは、プリカーサとなる化学種を含む溶液に基材を浸し、溶液と基材表面との間で不均一反応を進行させることによって薄膜を基材上に析出させるものである。
次に、図7に示すように、メカニカルスクライブ法又はレーザスクライブ法を用いて、シード層14と光電変換層13との積層体を分割する第2分割溝G2が、第1分割溝G1の第1の側(図7中、第1分割溝G1の右側)に形成される。第2分割溝G2が形成されることにより、電気的に絶縁されたシード層14と光電変換層13との複数の積層体が形成される。第2分割溝G2の底には、第1電極層12が露出する。
次に、図8に示すように、第1の成分を用いて、第2分割溝G2に露出している第1電極層12上、及びシード層14上に、第1の成分を有する第1領域15aが形成される。
第1領域15aが、第2分割溝G2に露出している第1電極層12上及びシード層14上の全体に形成されることにより、層状の第1領域15aが形成される。
第1領域15aは、第2領域15bを形成する成膜速度よりも低い成膜速度を用いて形成されることが好ましい。
また、第1領域15aが、第2分割溝G2に露出している第1電極層12上及びシード層14上に層状に形成された後、所定の寸法を有する領域にパターニングすることにより、複数の第1領域15aが形成されてもよい。
第1領域15aの形成方法としては、例えば、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、溶液成長法(Chemical Bath Deposition法:CBD法)等を用いることができる。
上述したように、第1の成分は、第2の成分に対して、n型の導電性を与えるドーパントが添加されて形成される。
第2の成分の原料としては、例えば、酸素(O)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)を用いることができる。また、n型の導電性を有するドーパントとしては、III族元素を用いることができる。III族元素として、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)が挙げられる。
酸素源としては、例えば、水(H2O)、一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)等の酸化物、又は酸素(O2)、オゾン(O3)等を用いることができる。
亜鉛源としては、例えば、ジエチル亜鉛((C2H5)2Zn)、ジメチル亜鉛((CH3)2Zn)又はその他の有機亜鉛化合物、又は無機亜鉛化合物を用いることができる。
硫黄源としては、例えば、硫化水素(H2S)又は硫黄の蒸気(例えば、硫黄を加熱して生成される)を用いることができる。
第1領域15aがZnを含む第1の成分により形成される場合、ドーパントの濃度は、亜鉛源(Zn源)からの亜鉛原子の供給量と、III族元素源からのIII族元素の供給量との割合を調節することにより、制御され得る。III族元素源として、例えば、ジボラン等の硼素含有ガスを用いることができる。
第1の成分として、具体的には、B:Zn(O,S)、Al:Zn(O,S)、Ga:Zn(O,S)、In:Zn(O,S)が挙げられる。
第1領域15aにおけるIII族元素の原子数のZnの原子数に対する比III/Znは、0.001〜0.01の範囲にあることが好ましい。比III/Znが0.001以上であることにより、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとの直列接続抵抗を低減できる。また、比III/Znが0.01以下であることにより、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bの開放電圧を向上できる。
第1領域15aにおけるSの原子数のZnの原子数に対する比S/Znは、第1領域15aを形成する時に使用される硫黄源(S源)、亜鉛源(Zn源)及び酸素源(O源)からの各元素の供給量を調整することにより制御される。
第1領域15aにおけるSの原子数のZnの原子数に対する比S/Znは、0.16〜0.35の範囲にあることが好ましい。比S/Znが0.16以上であることにより、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bの開放電圧を向上できる。また、比S/Znが0.35以下であることにより、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとの直列接続抵抗を低減できる。
次に、図9に示すように、第1の成分よりも抵抗率の高い第2の成分を用いて、第2分割溝G2内の第1領域15a上、及びシード層14上の第1領域15a上に、第2の成分を有する第2領域15bが形成されて、バッファ層15及び導電層20が得られる。第2領域15bは、第2分割溝G2に露出している光電変換層13及びシード層14の側面上にも形成される。
バッファ層15は、下に配置されるシード層14の効果により、結晶の成長速度が促進されるので、バッファ層15の厚さは、導電層20よりも厚くなる。
第2領域15bの形成方法としては、例えば、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、溶液成長法(Chemical Bath Deposition法:CBD法)等を用いることができる。
第2の成分に対して、n型の導電性を与えるドーパントを添加して、第2領域15bが形成されてもよい。
第2領域15bにおけるSの原子数のZnの原子数に対する比S/Znは、第2領域15bを形成する時に使用される硫黄源(S源)、亜鉛源(Zn源)及び酸素源(O源)からの各元素の供給量を調整することにより制御される。
第2領域15bにおけるSの原子数のZnの原子数に対する比S/Znは、0.16〜0.35の範囲にあることが好ましい。比S/Znが0.16以上であることにより、第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bの開放電圧を向上できる。また、比S/Znが0.35以下であることにより、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bとの直列接続抵抗を低減できる。
次に、図10に示すように、バッファ層15上に第2電極層16が形成される。
第2電極層16の形成方法としては、例えば、スパッタリング(DC、RF)法、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いることができる。
ここで、バッファ層15と第2電極層16とを、同じ方法を用いて連続して形成することについて、以下に説明する。
バッファ層15を、ZnO又はZn(O,S)等のZn及びOを含む材料を用いて、MOCVD法を用いて形成した場合、第2電極層16も、MOCVD法を用いて連続して形成することができる。バッファ層15及び第2電極層16は、いわゆるインサイチュウ(In−Citu)法を用いて形成できる。例えば、第2電極層16をB:ZnOを用いて形成する場合、ジボラン等の硼素含有ガスを硼素源として追加すればよい。第2電極層16をAl:ZnO又はGa:ZnO又はIn:ZnOを用いて形成する場合も、同様に、MOCVD法を用いて第2電極層16を形成することができる。
バッファ層15を、ZnO又はZn(O,S)等のZn及びOを含む材料を用いて、スパッタリング法により形成した場合、第2電極層16も、スパッタリング法を用いて連続して形成することができる。バッファ層15及び第2電極層16は、いわゆるインサイチュウ(In−Citu)法を用いて形成できる。例えば、スパッタリング法を用いて、第2電極層16を、B:ZnO、Al:ZnO、Ga:ZnO、In:ZnO等の酸化亜鉛、又はITO(酸化インジウムスズ)及びSnO2(酸化スズ)、又はITiO、FTO、IGZO又はZTOを用いて形成することができる。
バッファ層15と第2電極層16とを、同じ方法を用いて連続して形成することにより、光電変換モジュール1の生産性を向上して、製造コストを低減できる。
なお、バッファ層15上に第2電極層16を形成する前に、実質的にドーパントを添加していない真性な導電性を有する酸化亜鉛層(i-ZnO)を、バッファ層15上に少なくとも部分的に形成し、この真性な酸化亜鉛層上に第2電極層16を形成してもよい。真性な酸化亜鉛層を、バッファ層15と第2電極層16との間に配置することにより、第1光電変換単位セル10aと第2光電変換単位セル10bの並列抵抗が向上する。
真性な酸化亜鉛層の厚さは、100〜1000nm、特に200〜500nmとすることが好ましい。真性な酸化亜鉛層の形成方法としては、例えば、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法:ALD法)、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition法:MOCVD法)、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等を用いることができる。
真性な酸化亜鉛層は、バッファ層15及び第2電極層16と同じ方法を用いて連続して形成されることが、光電変換モジュール1の生産性を向上する観点から好ましい。
次に、図2に示すように、メカニカルスクライブ法又はレーザスクライブ法を用いて、第2電極層16とバッファ層15とシード層14と光電変換層13との積層体を分割する第3分割溝G3が、第2分割溝G2の第1の側(図2中、第2分割溝G2の右側)に形成されて、第3分割溝G3により分割された第1光電変換単位セル10a及び第2光電変換単位セル10bを備えた光電変換モジュール1が得られる。第3分割溝G3の底には、第1電極層12が露出する。
上述した本実施形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、バッファ層15及び第2電極層16が同じ方法を用いて連続して形成できるので、製造が容易である。
本発明では、上述した実施形態の光電変換モジュール及び光電変換モジュールの製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、光電変換モジュールの各光電変換単位セルは、シード層を有したが、各光電変換単位セルは、シード層を有していなくてもよい。また、光電変換モジュールの各光電変換単位セルは、真性な導電性を有する酸化亜鉛層(i-ZnO)を有したが、各光電変換単位セルは、真性な導電性を有する酸化亜鉛層(i-ZnO)を有していなくてもよい。
また、バッファ層では、第1の成分により形成される第1領域は、第2領域よりも抵抗率が低くなる範囲において、第1の成分以外の成分を含んでいてもよい。また、バッファ層では、第2の成分により形成される第2領域は、第1領域よりも抵抗率が高くなる範囲において、第2の成分以外の成分を含んでいてもよい。
また、上述した実施形態では、p型の導電性を有する光電変換層を用いていたので、バッファ層及び導電層の第1の成分は、第2の成分にn型の導電性を与えるドーパントが添加されて形成されていた。一方、n型の導電性を有する光電変換層を用いる場合には、バッファ層及び導電層の第1の成分は、第2の成分にp型の導電性を与えるドーパントが添加されて形成されてもよい。
以下、本明細書に開示する光電変換モジュールについて、実施例を用いて更に説明する。ただし、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
まず、ガラス板である基板上に、スパッタリング法を用いて、Moを含む第1電極層が形成された。次に、レーザスクライブ法を用いて、第1電極層を分割する第1分割溝が形成された。次に、I族元素であるCu並びにIII族元素であるIn及びGaを有するプリカーサ膜が、スパッタリング法を用いて、第1電極層上に形成された。次に、プリカーサ膜を、VI族元素であるSeを含む雰囲気(セレン化水素含有雰囲気)において加熱して、プリカーサ膜とSeとの化合物を形成した。更に、プリカーサ膜を、VI族元素であるSを含む雰囲気(硫化水素含有雰囲気)において加熱し、プリカーサ膜とSとの化合物を形成して、Cu(In,Ga)(Se,S)2からなる光電変換層を得た。次に、CBD法を用いて、Zn(O、S、OH)であるシード層が光電変換層上に形成された。次に、メカニカルスクライブ法を用いて、シード層と光電変換素層との積層体を分割する第2分割溝が形成された。
次に、第1の成分としてのB:Zn(O,S)を用いて、第2分割溝に露出している第1電極層上及びシード層上に、第1の成分を有する第1領域が形成された。第1領域は、酸素源としての水と、亜鉛源としてのジエチル亜鉛と、硫黄源としての硫化水素と、硼素源としてのジボランを用いて、MOCVD法により形成された。
次に、第2の成分としてのZn(O,S)を用いて、第2分割溝内の第1領域上及びシード層上の第1領域上に、第2の成分を有する第2領域が形成されて、バッファ層及び導電層が得られた。第2領域は、酸素源としての水と、亜鉛源としてのジエチル亜鉛と、硫黄源としての硫化水素を用いて、MOCVD法により形成された。
次に、真性な酸化亜鉛層(i-ZnO)が、バッファ層上に形成された。真性な酸化亜鉛層は、酸素源としての水と、亜鉛源としてのジエチル亜鉛を用いて、MOCVD法により形成された。次に、真性な酸化亜鉛層上に、第2電極層(B:ZnO)が形成された。第2電極層は、酸素源としての水と、亜鉛源としてのジエチル亜鉛と、硼素源としてのジボランを用いて、MOCVD法により形成された。次に、メカニカルスクライブ法を用いて、第2電極層とバッファ層とシード層と光電変換層との積層体を分割する第3分割溝が形成されて、実施例1の光電変換モジュールが得られた。上述した製造条件を用いて、複数の実施例1の光電変換モジュールが形成された。
バッファ層の第1領域におけるBの原子数のZnの原子数に対する比B/Znは、0.19〜0.58at%の範囲にあった。原子数の比は、グロー放電発光分析法を用いて測定した結果より算出された。
バッファ層の第2領域におけるSの原子数のZnの原子数に対する比S/Znは、0.16〜0.35の範囲にあった。比S/Znは、ICP発光分析法を用いて測定した結果より算出された。バッファ層の厚さは100nmであった。
(比較例1)
実施例1に対して、バッファ層を、第2領域のみで形成したことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1の複数の光電変換モジュールを得た。
実施例1及び比較例1の光電変換モジュールの光電変換効率Eff、開放電圧Voc、曲線因子FF及び直列抵抗Rsの評価結果を、図11に示す。光電変換効率Effは、比較例1の光電変換効率Effの平均値で規格されている。ここで、光電変換効率Effは、光電変換モジュールの発電出力を意味する。開放電圧Vocは、比較例1の開放電圧Vocの平均値で規格されている。曲線因子FFは、比較例1の曲線因子FFの平均値で規格されている。直列抵抗Rsは、比較例1の直列抵抗Rsの平均値で規格されている。
実施例1の光電変換モジュールは、比較例1に対して、直列抵抗Rsが大きく低下すると共に曲線因子FFが向上した。その結果、実施例1の光電変換モジュールは、比較例1に対して、光電変換効率Effが向上した。
また、実施例1の光電変換モジュールは、比較例1に対して、直列抵抗Rs及び曲線因子FFの変動が少ないので、光電変換効率Effの変動も小さい。
更に、実施例1の光電変換モジュールは、比較例1に対して、開放電圧Vocが向上した。