JP2017197550A - 害虫防除用組成物及び害虫防除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペシロマイセス(Paecilomyces)属菌株の活性胞子を用いた害虫防除用生物農薬としての害虫防除用乳剤組成物及び害虫防除方法を提供する。
【解決手段】害虫防除用乳剤組成物は、乳剤組成物の総重量において、受託番号KCTC 0395BPに寄託されたペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子5乃至10重量部と、コーン油、大豆油、ブドウ種子油、キャノーラ油、オリーブ油からなる群から選択された何れか一つ以上の植物性油50乃至60重量部と、水30乃至40重量部と、Tween 20、Tween 80、Span 80、Span 85及びTriton X−100からなるから群から選択されたいずれか一つ以上の乳化剤2乃至5重量部とを含む。害虫防除方法は、上記組成物を植物、土壌または種子に施す段階を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、害虫防除用組成物及び害虫防除方法に係り、特にペシロマイセス(Paecilomyces)属菌株の活性胞子を用いた害虫防除用生物農薬としての害虫防除用乳剤組成物及び害虫防除方法に関する。
生物農薬(Biopesticide)は、生物防除剤(Biocontrol agent)又は清浄農薬(Green pesticide)とも呼ばれ、自然界に存在する物質とそれから由来した素材とを用いて、農作物の生産及び保存に被害を及ぼす病源菌、害虫、及び雑草などを防除する作物補助剤をいう。
アメリカ合衆国環境保護庁(US EPA)は、生物農薬を天然物来由のバイオケミストリー農薬(Biochemical pesticide)と、害虫調節機能付きの微生物を用いた微生物農薬(microbial pesticide)と、遺伝子組み換え植物農薬(plant−incorporated protectants、PIPs)と、に分類している。
EU(European Union)では、生物農薬は、微生物又は天然物を用いた殺虫剤を意味する。韓国内では、生物農薬と同一又は類似の概念として、天然作物保護素材を、天然生物資源(植物、微生物、昆虫など)が固有に持っている作物保護機能成分を、人為的な化学処理工程を経ずに農作物病害虫防除を目的として生産された物質、或は製品として分類している。
天然作物保護素材は、生物農薬と化学農薬とに分類され、生物農薬は、微生物農薬とバイオケミストリー農薬を含む生物学的農薬と、天敵、線虫、寄生体などを用いるその他と、に分類されている。このような生物農薬のうち、微生物、天然物などを用いる有機栽培のための製剤を、有機資材として分類している。
数世紀にわたって使われてきた農業の方式は、量産及び消費を目指しながら発展しつつあり、21世紀の韓国内外の農産業では、異常気候に対する食糧の安定した確保、及びウェルビーイング(well−Being)のニーズと共に、食品の安全性が何よりも強調されている。従って、有機農産物への需要が急増しており、その栽培面積が上昇しつつある。特に、安全な食品問題は、生産される作物の1次的な安全性と関係があるので、政府は、環境にやさしい農業育成計画を樹立・推進中であり、環境にやさしい農産物の生産比重を拡大して、化学農薬及び肥料使用量を現在レベルから継続的に減らす運動を推進中である。
韓国の農産業の国際競争力確保のために、環境にやさしい安全農産物の生産は避けられなくなり、このために必要なものが、化学農薬と取り替えることができる優れた生物農薬の開発及び普及である。これは、政府が推進している第2次の環境にやさしい農業育成5ヵ年計画のうち、環境にやさしい農産物の生産比重の10%拡大及び化学農薬使用量の40%減少を2013年までに達成するために必須な要素である。
現在全世界中で登録されている生物農薬が370種余りあることが知られているが、このうち殺虫剤が270種余りで全体の約75%を占めている。生物農薬の開発は比較的小規模なメーカーを中心として行われており、ほとんどが微生物を用いる微生物農薬開発が主要課題であるといえる。微生物農薬として用いられる登録された微生物の種類を調べると、かびと細菌とが最も多く、その次が害虫用に用いられるウイルスである。
昆虫病原性かびを用いた害虫防除は、環境にやさしい防除手段であり、標的害虫のみに選択的に作用し、害虫の抵抗性の出現を抑制し、持続的な防除が可能であり、かつ環境、人畜、及び植物には全く害がなく、残留毒性もなく、良質な農産物の生産を可能にするなど、多様な長所を持っているため、アメリカを始めとした農業先進国では、国家的な次元で自国の環境に好適な昆虫病原性かびを分離、量産し、製剤化して実用化しているのが実情である。
韓国の場合、現在までの研究開発は、昆虫病原性かび生菌剤の開発のみに限られていて、産業的な成果を確保し難かった。生菌剤を農業現場に適用するためには、その活性維持のために剤型化による製剤の安定性を確保せねばならない。しかし、これまではそれに関する部分の技術が不十分で開発製品の経済性及び現場での優れた効果の確保が困難であり、このような問題点が市場拡大の主な阻害要因として作用している。
本発明者らは、剤型化を通じて防虫効果及び製剤の安定性が確保された生物農薬を開発するために努力した結果、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子を、賦形剤、乳化剤などと最適の条件で混合して、水和剤、乳剤又は油剤の形態にした結果、前記の水和剤、乳剤又は油剤は、水又は有機溶媒に容易に分散、懸濁又は混合することができ、固有の優れた防虫効果を維持することができ、かつ安定性が増大することを確認し、前記組成物が害虫防除に有効に使用できることを確認することによって、本発明を完成した。
本発明の目的は、ペシロマイセス菌株の活性胞子を用いた害虫防除用生物農薬及び害虫防除方法を提供することにある。
上述の目的を達成するための本発明は、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部及びデキストリン30乃至50重量部を含む害虫防除用の水和剤組成物とすることができる。
また本発明は、乳剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の乳剤組成物とすることができる。
また本発明は、油剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の油剤組成物とすることができる。
また本発明は、1)ペシロマイセス属菌株を培養してペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を収得する段階と、2)水和剤組成物の総重量において、前記段階1)で収得したペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、及び賦形剤30乃至50重量部を混合する段階と、を含む害虫防除用の水和剤組成物の製造方法とすることができる。
また本発明は、1)ペシロマイセス属菌株を培養してペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を収得する段階と、2)乳剤組成物の総重量において、前記段階1)で収得したペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を混合する段階と、を含む害虫防除用の乳剤組成物の製造方法とすることができる。
また本発明は、1)ペシロマイセス属菌株を培養してペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を収得する段階と、2)油剤組成物の総重量において、前記段階1)で収得したペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を混合する段階と、を含む害虫防除用の油剤組成物の製造方法とすることができる。
また本発明は、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部、及びデキストリン30乃至50重量部を含む組成物を害虫防除用の水和剤として用いるための用途を提供することができる。
また本発明は、乳剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む組成物を害虫防除用の乳剤として用いるための用途を提供することができる。
また本発明は、油剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む組成物を害虫防除用の油剤として用いるための用途を提供することができる。
また本発明は、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部、及びデキストリン30乃至50重量部を含む害虫防除用の水和剤組成物を植物、土壌又は種子に施す段階を含む害虫防除方法を提供することができる。
また本発明は、乳剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の乳剤組成物を植物、土壌又は種子に施す段階を含む害虫防除方法を提供することができる。
また本発明は、油剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の油剤組成物を、植物、土壌、又は種子に施す段階を含む害虫防除方法を提供することができる。
本発明は、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子を賦形剤、乳化剤などと最適の条件で混合して製造された害虫防除用の水和剤、乳剤又は油剤組成物に係り、前記組成物は水又は有機溶媒に容易に分散、懸濁又は混合され、固有な防虫効果が維持され、かつ安定性が増大するため、害虫防除に有効に使われる。
ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の分散、懸濁又は混合のための賦形剤の安定性を確認した図面である。 各種油剤を含んでいるペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の保管期間別(日)胞子生存率(%)を示す図面である。 乳化剤に対するペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の安定性を確認した図面である。 抗酸化剤に対するペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の安定性を確認した表である。 ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子を含む水和剤及び乳剤の殺虫効果を確認した図面である。
以下、本発明を詳細に説明する。本実施形態では、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部、及びデキストリン30乃至50重量部を含む害虫防除用の水和剤組成物を提供する。
上述のペシロマイセス属菌株は、受託番号KCTC 0395BPとして寄託されたペシロマイセスリラシナス(Paecilomyces lilacinus)HY−4菌株であることが望ましいが、これに限定されるものではない。
上記賦形剤は、微生物に対する毒性がなく、農業用土壌処理剤として許容可能なものを使うことが望ましく、噴霧器のノズル閉塞を引き起こさずに水分含量を調節できるものが更に望ましくて、ベントナイト、カオリン又はゼオライトであることが最も望ましいが、これらに限定されるものではない。上記害虫防除用の水和剤組成物は、害虫防除活性及び安定性の向上したものが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上記水和剤組成物は、必要に応じて公知の補助剤を更に含むことができる。前記補助剤は、特に、安定剤、抗酸化剤、増粘剤及び消泡剤などを含むが、これらに限定されるものではない。上記ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、水和剤組成物の総重量において5重量部以下を含む場合は、害虫防除効果が急減するので、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、水和剤組成物の総重量において5乃至10重量部含むことが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述のペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、水和剤組成物が、総重量において10重量部以上含むまれる場合、空気の中に浮遊するかびによって汚染が発生し、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子の生存力が著しく低下する現象が生じて害虫防除効果が急減するため、前記ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、水和剤組成物の総重量において5乃至10重量部含むことが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上記コーンスターチ又はじゃがいも澱粉は、水和剤組成物の総重量において30重量部以下又は50重量部以上を含まれる場合、水和剤組成物が水に有意的に混合又は懸濁されなくて害虫防除活性が急減するので、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉は、総重量において30乃至50重量部含むことが望ましい。
上述の水和剤組成物は、水に混合する時に懸濁液の状態になるように好適な粉末度、分散力、水分含量を持つように設計されねばならないが、水和剤組成物の総重量において30重量部以下又は50重量部以上の賦形剤を含む場合、上記した活性胞子の発芽率及び懸濁性が急減して害虫防除活性も減少するため、上述の賦形剤は、総重量において30乃至50重量部含むことが望ましい。
本発明の具体的な実施形態で、本発明者らは土壌試料から害虫に対する殺虫効果を持つ微生物を分離した後、同定してペシロマイセスリラシナスHY−4と名付け、韓国生命工学研究院遺伝子銀行に寄託した(受託番号KCTC 0395BP)。また、本発明者らは、ペシロマイセス属菌株活性胞子の分散、懸濁及び混合のための賦形剤の安定性を確認するために、ペシロマイセス属菌株活性胞子及び賦形剤を混合した後、保管期間別の胞子芽生菌数を確認した結果、ベントナイト、カオリン、又はゼオライトを混合した活性胞子は、6ヵ月以上保管しても活性胞子の発芽率が70%以上維持されることが分かった(図1参照)。
また、本発明者らは、賦形剤を用いたペシロマイセス属菌株活性胞子の懸濁性を確認するために、上述の活性胞子に賦形剤を混合した後、それぞれの濃度別懸濁性を測定した結果、水和剤組成物の総重量において30重量部乃至50重量部の賦形剤を含む場合、懸濁性が非常に優れていることが分かった。
また、本発明者らは、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、及び賦形剤30乃至50重量部を混合して水和剤組成物を製造した後、殺虫効果を確認した結果、精製された活性胞子は有意な殺虫効果を奏していない一方、本発明の水和剤組成物は50乃至100%の殺虫効果を奏することが分かった(図5及び表1参照)。
従って、本実施形態の水和剤組成物は、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子の水への分散、混合及び懸濁を容易にし、固有な害虫防除活性を保持及び安定化させられるため、害虫防除に有用に使われる。また本実施形態は、乳化剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の乳剤組成物を提供する。
ペシロマイセス属菌株は、受託番号KCTC 0395BPで寄託されたペシロマイセスリラシナスHY−4菌株であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。上述の植物性油は、コーン油、大豆油、ブドウ種子油、キャノーラ油、オリーブ油、灯油及び動物性油からなる群から選択された何れか一つ以上であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述の乳化剤は、Tween20、Tween80、Span80、Span85及びTriton X−100からなる群から選択された何れか一つ以上であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。このような害虫防除用の乳剤組成物は、害虫防除活性及び安定性が向上したものが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述の乳剤組成物は、必要に応じて公知の補助剤を更に含むことができる。この補助剤は特に、安定剤、抗酸化剤、増粘剤、及び消泡剤などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。上記抗酸化剤は、ターシャリー・ブチルハイドロキノン(TBHQ)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC(Vt.C)、ビタミンE(Vt.E)、レシチン又は酸化鉄(Fe)であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述のペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において5重量部以下を含む場合には害虫防除効果が急減するため、このようなペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において5乃至10重量部含むことが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上記したペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において10重量部以上含む場合に、空気の中に浮遊するかびによって汚染が発生し、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子の生存力が著しく低下する現象が生じて害虫防除効果が急減するため、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において5乃至10重量部含むことが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述の乳化剤は、乳剤組成物の総重量に2乃至5重量部を含むことが望ましく、2重量部以下を含む場合はに本発明の乳剤組成物が溶媒に混合又は懸濁されず、害虫防除効果が急減する。本実施形態において、本発明者らは各種油剤に対する活性胞子の安定性を検討するためにコーン油、大豆油などに本発明の活性胞子を懸濁した後、胞子の発芽如何を確認して生存率を測定した結果、前記コーン油などの油剤は胞子の発芽に影響を及ぼさないということが分かった(図2参照)。
また、本発明者らは、各種乳化剤に対する活性胞子の安定性を検討するために、大豆油に本実施形態の活性胞子を添加し、かつ乳化剤を添加して懸濁した後、胞子の発芽如何を確認して生存率を測定した結果、このような乳化剤は6ヵ月まで胞子の発芽に有意な影響を及ぼさないということが分かった(図2参照)。
また、本発明者らは、各種抗酸化剤を用いた本発明の活性胞子の安定性向上効果を確認した結果、抗酸化剤を添加した活性胞子は210日後にも88%以上の胞子生存率を維持することが分かった(図4参照)。従って、本発明の乳剤組成物は、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子を水及び溶媒に分散して混合及び懸濁を容易にし、かつ固有な害虫防除活性を保持及び安定化させられるので、害虫防除に有用に使われる。
また本実施形態では、油剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の油剤組成物を提供する。上述のペシロマイセス属菌株は、受託番号KCTC 0395BPとして寄託されたペシロマイセスリラシナスHY−4菌株であることが望ましいが、これに限定されるものではない。
上述の植物性油は、コーン油、大豆油、ブドウ種子油、キャノーラ油、オリーブ油、灯油及び動物性油からなる群から選択された何れか一つ以上であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。このような乳化剤は、Tween20、Tween80、Span80、Span85、及びTriton X−100からなる群から選択された何れか一つ以上であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。上述の害虫防除用の油剤組成物は、害虫防除活性及び安定性が向上したものが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述の油剤組成物は、必要に応じて公知の補助剤を更に含むことができる。ここで補助剤は、特に安定剤、抗酸化剤、増粘剤、及び消泡剤などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。前記抗酸化剤は、ターシャリー・ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC(Vt.C)、ビタミンE(Vt.E)、レシチン又は酸化鉄(Fe)であることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述のペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、油剤組成物の総重量において5重量部以下を含む場合には害虫防除効果が急減するため、このようなペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において5乃至10重量部含むことが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述のペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において10重量部以上含む場合には空気の中に浮遊するかびによって汚染が発生し、このようなペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子の生存力が著しく低下する現象が生じて害虫防除効果が急減するので、上記ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子は、乳剤組成物の総重量において5乃至10重量部含むことが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上述の乳化剤は、油剤組成物の総重量において2乃至5重量部を含むことが望ましく、2重量部以下含む場合には本実施形態の油剤組成物が溶媒に混合又は懸濁されず、害虫防除効果が急減する。従って、本実施形態の油剤組成物は、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子を溶媒に分散、混合及び懸濁を容易にし、かつ固有な害虫防除活性を保持及び安定化させることができるため、害虫防除に有用に使われる。
また、本実施形態では、ペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を用いた害虫防除用の水和剤、乳剤又は油剤組成物の製造方法を提供する。水和剤組成物は下記の方法により製造されることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
1)ペシロマイセス属菌株を培養してペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を収得する段階と、
2)水和剤組成物の総重量において、前記段階1)で収得したペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部、及びデキストリン30乃至50重量部を混合する段階。
上述の乳剤組成物は下記の方法により製造されることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
1)ペシロマイセス属菌株を培養してペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を収得する段階と、
2)乳剤組成物の総重量において、前記段階1)で収得したペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を混合する段階。
上述油剤組成物は下記の方法により製造されることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
1)ペシロマイセス属菌株を培養してペシロマイセス属菌株の培養液又は活性胞子を収得する段階と、
2)油剤組成物の総重量において、前記段階1)で収得したペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を混合する段階。
上述のペシロマイセス属菌株は、受託番号KCTC 0395BPとして寄託されたペシロマイセスリラシナスHY−4菌株であることが望ましいが、これに限定されるものではない。段階2)で製作された組成物は、必要に応じて公知の補助剤をさらむ含むことができる。ここで補助剤は、特に安定剤、抗酸化剤、増粘剤及び消泡剤などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
従って、本実施形態の製造方法により製造された水和剤、乳剤又は油剤組成物は、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子の水又は溶媒への分散、混合及び懸濁を容易にし、固有な害虫防除活性を保持及び安定化させることができるので、害虫防除に有用に使われる。
また本実施形態では、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部、及びデキストリン30乃至50重量部を含む組成物を害虫防除用の水和剤として用いるための用途を提供する。
また本実施形態は、乳剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む組成物を害虫防除用の乳剤として用いるための用途を提供する。
また本実施形態は、油剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む組成物を害虫防除用の油剤として用いるための用途を提供する。従って、本実施形態の水和剤組成物、乳剤組成物及び油剤組成物は、ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子の水への分散、混合及び懸濁を容易にし、固有な害虫防除活性を保持及び安定化させることができるので、害虫防除用の水和剤、乳剤及び油剤として用いるための用途で有用に使われる。
また本実施形態では、水和剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、コーンスターチ又はじゃがいも澱粉30乃至50重量部、賦形剤30乃至50重量部、及びデキストリン30乃至50重量部を含む害虫防除用の水和剤組成物を植物、土壌又は種子に施す段階を含む害虫防除方法で提供する。
また本実施形態では、乳剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油50乃至60重量部、水30乃至40重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の乳剤組成物を植物、土壌又は種子に施す段階を含む害虫防除方法を提供する。
また本実施形態では、油剤組成物の総重量において、ペシロマイセス属菌株の培養液又はその活性胞子5乃至10重量部、植物性油90乃至98重量部、及び乳化剤2乃至5重量部を含む害虫防除用の油剤組成物を、植物、土壌又は種子に施す段階を含む害虫防除方法で提供する。このような組成物は、液状に植物に灌注、作物の種子に浸漬、噴霧、又はコーティングして用いることが望ましいが、これらに限定されるものではない。
上記した植物病源菌防除用組成物を用いた防除方法は、通常一般的に行っている方法、すなわち、撒布(例えば、噴霧、ミスティング、アトマイジング、粉末撒布、顆粒撒布、水面施用、箱施用など)、土壌施用(例えば、混入、灌注など)、表面使用(例えば、塗布、塗抹法、被覆など)、浸漬、燻煙施用などによって行える。その使用量は、被害状況、適用方法、適用場所などによって適当に定めることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。但し、下記の実施例は本発明の例示であり、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の培養>
ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株(受託番号KCTC 0395BP;大韓民国登録番号:10−0475131号)の保管及び培養のための種菌培養のためにPDA(Potato Dextrose Agar)培地を使った。種菌培養は、ペトリ皿(87×15mm)でPDA培地を用い28℃、湿度65%で7日間暗室条件で培養した。
<実施例2:ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の培養>
ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の培養のために、一次培養として液体培養を通じて培養液に菌糸体を最大に増殖させ、次いで、殺虫剤の調剤のために二次培養である固体培養を行った。具体的に、菌糸体培養のために1次液体培養をPBD培地を用い28℃、180rpmの撹拌条件で7日間培養をした。次いで、ペトリ皿(150×25mm)に25mLのCzapek培地条件を作り、菌糸体が形成された1次培養液2mLを分注し、塗抹棒によって均一に塗抹して20日間固体培養を行った。
<実施例3:ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の胞子回収>
実施例2のペトリ皿で7日間固体培養を行って形成されたペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の胞子回収のために、ヒュームフード中で培地が完全に乾燥するように10日間乾燥させた。乾燥したペトリ皿の培養培地から、スクレイパーを用いて胞子を回収した。
<実施例4:活性胞子の分散、懸濁、混合のための賦形剤の安定性確認>
実施例3で回収したペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子を用いて、賦形剤に対する安定性を確認した。具体的には、生物農薬又は環境にやさしい有機資材の賦形剤として主に使われるベントナイト、カオリン、ゼオライトなどを含む鉱物と、デキストリン、コーンスターチ、米ぬかなどの多糖体を用いて保管期間別の活性維持状態を調べ、胞子発芽生菌数を測定した。胞子と賦形剤とを1:9(w:w)の割合で混合して100gの混合物を含む250mLの褐色瓶(Amber bottle、SPL社製)を常温で保管し、30日ごとに胞子の生存率を測定した。胞子の生存率は、0.5gの試料を4.5mLの生理食塩水に懸濁してそれぞれの1/10単位で段階的に希釈し、希釈液0.1mLをPDA平板培地に均一に塗抹して28℃で2日間培養した後、コロニーを測定した。
その結果、図1に示すように、保管期間4ヵ月を基点として各賦形剤による胞子発芽率が変化することが分かった。特に、6ヵ月以後に賦形剤を含んでいない試料の胞子発芽率が50%以下に減少する一方、賦形剤を含んでいる活性胞子は11ヵ月まで保管しても、胞子の発芽率は、50%以上に維持されることが分かった(図1)。
<実施例5:賦形剤を用いた活性胞子の懸濁性確認>
賦形剤に対する実施例3で回収したペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の懸濁性を、濡れ時間(wetting time)で確認した。具体的には、ベントナイト、カオリン、又はゼオライトなどの鉱物質と、デキストリン、コーンスターチ、又は米ぬかなどの多糖体と、を混合し、それぞれの濃度別に懸濁性を測定した。胞子と賦形剤とを1:9(w:w)乃至10:0(w:w)の割合でそれぞれ混合し、50mLの水を含むコニカルチューブ(SPL社製)に1gの組成物を混合して重量を測定し(W1)、30分間常温で静置させた後、40mLの上澄みをピペットで精密に除去して残った懸濁液を乾燥させて乾燥重量(W2)を測定した。懸濁度(%、w/w)は次のような式で計算した。
懸濁度(%)=(W1−W2)/W1×10/9×100
その結果、10%(w/w)胞子、90%(w/w)鉱物質を含む組成物では85〜92%(w/w)の懸濁度、10%(w/w)胞子、90%(w/w)多糖体を含む組成物では25〜35%(w/w)の懸濁度、10%(w/w)胞子、45%多糖体、45%(w/w)鉱物質を含む組成物では70〜75%(w/w)の懸濁度を確認した。
<実施例6:各種油剤に対する活性胞子の安定性確認>
実施例3で回収したペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子を用いた各種油剤に対する安定性を確認した。具体的には、コーン油、大豆油、ブドウ種子油、キャノーラ油、オリーブ油などの各種植物性油に、ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子1%(w/v)を懸濁した後、常温で保管した。それぞれの保管試料は、180日間30日ごとに胞子の発芽状況を確認して生存率を測定した。胞子の生存率は、0.5gの試料を4.5mLの生理食塩水に懸濁してそれぞれの1/10倍単位で段階的に希釈し、希釈液0.1mLをPDA平板培地に均一に塗抹して28℃で2日間培養した後、コロニーを測定した。その結果、図2に示すように、保管後120日を基点として油剤を含んでいない製剤の場合には胞子生存率が急減して180日以後に50%生存率になる一方、油剤を使った保管試料の場合には、持続的に90%以上の胞子生存率を維持した(図2)。
<実施例7:各種乳化剤に対する活性胞子の安定性確認>
実施例3で回収したペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子を用いた各種乳化剤に対する安定性を確認した。具体的には、大豆油にペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子5%(w/v)と、Tween20、Tween80、Span80、Span85、及びTriton X−100(Sigma−Aldrich Co.,LLC.)それぞれの乳化剤2.5%(w/v)と、を添加して懸濁した後、常温で保管した。それぞれの保管試料は、240日間30日ごとに胞子の発芽状況を確認して生存率を測定した。胞子の生存率は、0.5gの試料を4.5mLの生理食塩水に懸濁してそれぞれの1/10単位で段階的に希釈し、希釈液0.1mLをPDA平板培地に均一に塗抹して28℃で2日間培養した後、コロニーを測定した。その結果、図3に示すように、多様な乳化剤を含んでいる活性胞子は、乳化剤を施していない対照群に比べて胞子生存率が有意的な差を示していないということが分かった(図3)。
<実施例8:抗酸化剤を用いた、各種抗酸化剤に対する活性胞子の安定性向上確認>
植物性油に懸濁又はコーティングされた実施例3で回収したペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子を用い、各種抗酸化剤に対する安定性向上を確認した。具体的には、大豆油にペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子1%(w/v)を懸濁した後、ターシャリー・ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル(PG)、ビタミンC(Vt.C)、ビタミンE(Vt.E)、レシチン、及び酸化鉄(Fe)などの抗酸化剤0.02%(w/v)を添加して常温で保管した。それぞれの保管試料は、30日間隔で210日間生存率を確認した。その結果、図4に示すように、180日間保管した胞子の生存率が50%に減少する一方、ビタミンC及びビタミンEを除く抗酸化剤を添加した保管試料は、80%以上の胞子生存率を維持した。特に、それぞれの保管試料の中、ブチルヒドロキシトルエンを添加した保管試料が210日後に88%胞子生存率を維持し、胞子に対する安定性が最も高いということが分かった(図4)。
<実施例9:ペシロマイセス属の活性胞子を用いた害虫防除用の水和剤製造>
ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の安定した製剤化を目的として、水に混合又は懸濁して使う水和剤を製造した。具体的には、実施例4及び実施例5のようにペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子5乃至10%(w/v)、コーンスターチ5乃至10%(w/v)、ベントナイト30乃至50%(w/v)、及びデキストリン30乃至50%(w/v)を混合して水和剤組成物を製造した。ここでベントナイトは、カオリン、ゼオライトなどの鉱物質に交換することができる。また、コーンスターチはじゃがいも澱粉などに交換することができる。
<実施例10:ペシロマイセス属の活性胞子を用いた害虫防除用の乳剤の製造>
ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の安定した製剤化を目的として、溶媒及び水に混合又は懸濁して使う乳剤を製造した。具体的には、実施例4及び実施例6のように、ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子5乃至10%(w/v)、植物性油50乃至60%(w/v)、水30乃至40%(w/v)、及び乳化剤2乃至5%(w/v)を混合して乳剤組成物を製造した。ここで植物性油は、農業用に広く用いられている灯油又は動物性油に取り替えることができる。乳化剤は、Tween20、Tween80、Span80、Span85、Triton X−100など、極性によって乳化剤成分を交換することができる。
<実施例11:ペシロマイセス属の活性胞子を用いた害虫防除用の油剤の製造>
ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子の安定した製剤化を目的として、溶媒に混合又は懸濁して使う油剤を製造した。具体的には、実施例4及び実施例6のように、ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子5乃至10%(w/v)、植物性油90乃至98%(w/v)、及び乳化剤2乃至5%(w/v)を使った。ここで植物性油は、農業用に広く用いられている灯油又は動物性油に取り替えることができる。ここで乳化剤は、Tween20、Tween80、Span80、Span85、Triton X−100などと極性によって乳化剤成分を変えることができる。
<実施例12:ペシロマイセス属の活性胞子を用いた害虫防除用剤型の害虫に対する殺虫効果の確認>
実施例9乃至実施例11で製造した組成物の殺虫効果を確認した。具体的には、図5のA乃至Dのように、イチゴのハウス栽培現場でアブラムシに感染したイチゴの葉を採取した後、実験室でそれぞれのイチゴの葉当り10個のアブラムシの幼虫を集積し、それぞれの試験剤型別に1×10乃至1×10濃度で活性胞子の数を10倍数に調節して噴霧し、6日間殺虫効果を分析した。その結果、表1に示すように、剤型化していない精製されたペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子は、効果の指標になる殺虫効果を奏することはできなかったが、水和剤、乳剤のような安定化された製剤は、50〜100%(死んだアブラムシの数/生きているアブラムシの数)の殺虫効果を奏することが分かった。特に、噴霧して6日以後に1×10及び1×10濃度の活性胞子を含んでいる乳剤の場合に100%の殺虫効果を奏することが分かった。よって、ペシロマイセスリラシナスHY−4菌株の活性胞子を用いた剤型化は、活性胞子の安定性を高めることが分かった(表1)。
Figure 2017197550
前述したように、本発明は、ペシロマイセス属菌株を用いた環境にやさしい有機資材、又は生物農薬の製造方法に係り、前記ペシロマイセス属菌株から生産した活性胞子を賦形剤、乳化剤などと最適の条件で混合して製造された害虫防除用の水和剤、乳剤又は油剤組成物は水又は有機溶媒に容易に分散、懸濁又は混合され、固有な防虫効果が維持され、かつ安定性が増大するため、害虫防除に有用に使われる。

Claims (2)

  1. 乳剤組成物の総重量において、受託番号KCTC 0395BPに寄託されたペシロマイセス リラシナス(Paecilomyces lilacinus)HY−4菌株の活性胞子5乃至10重量部と、
    コーン油、大豆油、ブドウ種子油、キャノーラ油、オリーブ油からなる群から選択された何れか一つ以上の植物性油50乃至60重量部と、
    水30乃至40重量部と、
    Tween 20、Tween 80、Span 80、Span 85及びTriton X−100からなるから群から選択されたいずれか一つ以上の乳化剤2乃至5重量部とを含むことを特徴とする害虫防除用乳剤組成物。
  2. 請求項1に記載された害虫防除用乳剤組成物を、植物、土壌または種子に施す段階を含むことを特徴とする害虫防除方法。
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