(第1の実施形態)
本発明にかかる加工処理装置の第1の実施形態を、図面を用いて説明する。
[加工処理装置の全体構成]
図1は本発明に係る加工処理装置の模式縦断面図である。この図1において、加工処理装置100は、シートSを搬送する搬送部4を備える。装置本体10のシートSの搬送方向Fの上流端部に供給部3を備える。装置本体10の搬送方向Fの下流端部には、シートSに所定の加工処理が施されることで得られた加工処理物Qを載置する載置部2を備える。供給部3と載置部2との間に、略水平な搬送経路5が構成されている。
搬送経路5には、搬送されるシートSを加工処理する加工処理部6が設置されている。図1では、加工処理部6として、裁断部9及びクリース処理部21が設けられている。裁断部9は、3つのスリッター処理部29と、カッター処理部22とにより構成される。クリース処理部21とカッター処理部22とは、シートSの搬送部4による搬送を停止した際、該シートSの搬送方向Fに交差する向きに所定の加工処理を施す。
スリッター処理部29、クリース処理部21及びカッター処理部22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体10内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各加工処理部6の配置順序を変更したり、あるいは搬送方向Fに沿ったクリース処理を施す機構、面取り機構やミシン目形成機構等の他の加工処理部と取り替えたり、追加したりすることができる。
スリッター処理部29の上流側には、読取部26及びリジェクト機構25が配置され、スリッター処理部29の下流側には、紙片落とし機構27が配置されている。また、装置本体1内の下部には、紙片回収部23が配置されている。
[供給部3]
供給部3には給紙ローラ8が配置される。また、供給部3は、吸引搬送ベルト機構51を内蔵しており、供給台52上に積載された所定枚数のシートSを、吸引搬送ベルト機構51及び上下一対の給紙ローラ8により、上から順に、一枚ずつ搬送経路5に供給する。給紙ローラ8及び吸引搬送ベルト機構51は、シートSを搬送する搬送部4を構成する。一対の給紙ローラ8のうち下方の給紙ローラ81及び吸引搬送ベルト機構51は、給紙用駆動部47に接続され、該給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。給紙用駆動部47は搬送モータによって構成される。
[読取部26]
読取部26は、前記操作パネル46による各種加工処理情報の手動入力とは別に、自動的に加工処理情報を読み取り、設定を行う設定部を構成する。具体的には、シートSの前端部分の隅部に印刷された位置マークM1(図7参照)の画像を読み取って、シートSの搬送方向F及び搬送方向Fと直交する幅方向Wの加工の基準位置を検出するとともに、シートSの前端部分に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工処理情報を取得するCCDセンサー等により構成される。加工処理情報としては、たとえば、シートSの搬送方向Fの全長及び全幅に加え、裁断部9としてのスリッター処理部29及びカッター処理部22による裁断線T、Kの位置情報、クリース処理部21による折線Cの位置情報、これらの加工処理によって得られる加工処理物Qの寸法、数及び配置の情報等が挙げられる。
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、シートSに印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるために読取部26による読取が不能であった場合、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ24で回収する。
[スリッター処理部29]
スリッター処理部29は、搬送方向Fに3つのユニットを並べており、各ユニットには、上下の回転刃からなる一対の裁断刃36が、それぞれ幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。回転刃駆動部48の駆動力で下側の各回転刃を回転させることにより、搬送部4による搬送方向Fに沿った裁断を行いシートSに対して裁断線Tを形成するようになっている。前記2組の上下裁断刃36の幅方向Wの位置は任意に変更可能となっている。
最上流のユニット29aには、裁断刃36の下流側にマージン落し部材55が設置されている。最上流のユニット29aでは、主としてシートSの左右両端縁の不要な紙片Jm(図7参照)が切り取れられる。マージン落し部材55は、この裁断刃36によって切り取られた左右両端縁の紙片Jmを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
[紙片落とし機構27]
紙片落とし機構27は、前記スリッター処理部29の3つのユニットのうち、搬送方向F中央のユニット29b及び最下流のユニット29cで、搬送部4による搬送方向Fに沿ったシートSの裁断を行うことで搬送方向Fに沿って切り取られ不要となったシートSのなかほどの紙片Jcを、搬送経路5の下方へ排除する。紙片落とし機構27は、例えば、最下流のユニット29cの裁断刃36の幅方向Wの移動に伴って移動するよう構成することができ、シートSが紙片落とし機構27を通過する際に、前記紙片Jcを紙片回収部23へ案内し、落下させる。
[クリース処理部21]
クリース処理部21では、シートSに搬送方向Fに交差する向きに沿った谷折りの折線Cが形成される。クリース処理部21は、上下一対の折型37を備える。折型37は、上端に凹部を有し、搬送経路5の下方に設置される凹型39と、前記凹型39の凹部に挿通可能な下端に凸部を有する凸型38とを備えている。凸型38は、凹型39の上方に対向配置される。凸型38は、モータ等の折り型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で凸型38を下降させることにより、シートSに対して、搬送方向Fと直交する幅方向Wに谷折りの折線Cを形成する。
[カッター処理部22]
カッター処理部22では、シートSが搬送方向Fに交差する向きに裁断される。そして、本第1の実施形態では、カッター処理部22で、シートSが搬送方向Fに直交する向きに裁断される。カッター処理部22は、幅方向Wに延び、相対向する上側可動刃53及び下側固定刃54からなる一対の裁断刃41を備える。上側可動刃53は下側固定刃54に対し近接離間し、これにより、シートSを搬送方向Fと直交する幅方向Wに沿って設定された所定位置で裁断する。上側可動刃53は、図示しない動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。
[載置部2]
載置部2は、載置台57及びストッパー58を備える。載置台57は、第10搬送部20により排出されたシートSが載置される。載置台57は、図示しない昇降手段によって昇降自在となっており、第10搬送部20によるシートSの排出高さより所定量低い位置に、載置台57上に積載された複数の加工処理物Qのうち最上位の加工処理物Qが位置するよう調整される。よって、シートSの加工処理が進行し、加工処理物Qの積載量が増大するのに伴って載置台57は徐々に下降される。
[紙片回収部23]
紙片回収部23は、紙片収容箱65及びガイド69、70を備える。紙片収容箱65は、上部開口を有する直方体状に形成される。紙片収容箱65は、裁断部9において切り取られ不要となったシートSである紙片Jを回収し、収容する。ガイド69、70は、裁断部9において切り取られ、落下する不要な紙片Jを紙片収容箱65へと案内する。
[制御部45]
制御部45には、CPUや、RAM及びROM等の記憶装置が内蔵されており、制御部45のインターフェースには、操作パネル46及び読取部26が電気的に接続されている。 制御部45は、加工処理装置100全体の動作を制御する。そして、制御部45は、第1〜第5検出部31〜35からの情報を取得し、操作パネル46または読取部26により設定されたシートSの加工処理情報に基づいて供給部3、搬送部4及び各加工処理部の駆動を制御し、シートSの加工処理を行う。
[搬送部4]
搬送部4は、搬送経路5に沿って間隔をおいて設置された第1搬送部11〜第10搬送部20を備えている。また、搬送部4には、供給部3を構成する給紙ローラ8及び吸引搬送ベルト機構51が含まれる。第1搬送部11〜第10搬送部20は、それぞれシートSを搬送する上下一対の搬送ローラ61,62を備える。
搬送部4を構成する第1〜第10搬送部11〜20は、動力伝達機構40(図2参照)を介して搬送駆動部41〜44にそれぞれ連結されており、各搬送駆動部41〜44は制御部45に電気的に接続されている。搬送駆動部41〜44は搬送モータによって構成される。搬送モータの種類は、ステッピングモータ、DCモータ、サーボモータ等用いることができる。
図2は、第1搬送部11を搬送方向F上流側から見た図である。第2〜第10搬送部12〜20についても第1搬送部11と略同様の構成を有する。第1搬送部11は、一対の搬送ローラ61、62を備え、更に押圧ローラ63を備える。下側搬送ローラ61はシートSの搬送面の下方に設置され、上側搬送ローラ62は下側搬送ローラ61に対向してシートSの搬送面の上方に設置される。上側搬送ローラ62の上方には押圧ローラ63が設置される。
下側搬送ローラ61は、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属より構成されるか、またはこのよう金属製円筒体の表面に硬質ゴムを被覆させて構成されている。下側搬送ローラ61は、回転軸211と共に回転するようになっている。回転軸211の両端は、軸受215にベアリングを介して支持されている。軸受215は、装置本体10の側壁101に固定されている。これにより、下側搬送ローラ61は、装置本体10に対して固定された位置で、回転するようになっている。
上側搬送ローラ62は、金属製円筒体の表面にスポンジを被覆させ更に薄いゴムを被覆させて構成されている。したがって、上側搬送ローラ62の表面は柔軟性を有している。上側搬送ローラ62は、回転軸221と共に回転するようになっている。回転軸221の両端は、軸受225にベアリングを介して支持されている。軸受225は、バネなどの付勢部材66によって付勢されており、装置本体10の側壁101に、上下動可能に、設けられている。これより、付勢部材66は、上下一対の搬送ローラ61,62によりシートSを搬送する際、該シートSを両搬送ローラ61,62によって挟圧しつつ搬送するよう一対の搬送ローラ61,62を付勢する。付勢部材66は、上側搬送ローラ62を付勢する上側搬送ローラ付勢部材64を構成する。
押圧ローラ63は、その軸方向で分割され、複数設置される。1個の押圧ローラ63の長さは上側搬送ローラ62の軸方向長さの10%以上50%以下に設定されている。すなわち、1個の押圧ローラ63の軸方向長さは、上側搬送ローラ62よりも短い。複数の押圧ローラ63は、上側搬送ローラ62の軸方向中央部に設置される中央押圧ローラ632と、中央押圧ローラ632の右側に設置されている右側押圧ローラ631、左側に設置される左側押圧ローラ633により構成される。右側押圧ローラ631の右端部から左側押圧ローラ633の左端部までの長さは、上側搬送ローラ62の長さと略等しいか、または僅かに長くなるよう各押圧ローラ631〜633が間隔をあけて設置される。
各押圧ローラ631〜633の軸方向両端部は、面取り加工されている。そして、押圧ローラ63は、支持軸231にベアリングを介して支持されている。すなわち、押圧ローラ63は支持軸231に対して回転し、支持軸231自体は回転しない。支持軸231の両端部はバネ等の押圧用付勢部材87によって下方に付勢され、上側搬送ローラ62を略全長に亘って下方に押している。押圧用付勢部材87には、案内部材71が挿通され、設置位置がずれにくくなっている。案内部材71は、上支持部材70から垂下するねじにより構成される。上支持部材70は、押圧ローラ63の上方に設置された押圧ローラ63の支持軸231を支持する。
更に、搬送部4は、解除機構67を備える。解除機構67は、加工処理装置100の運搬時や加工処理動作の間等の加工処理装置100によってシートSを加工処理していないとき、付勢部材66,87による付勢力を解除する。解除機構67には、付勢力解除機構671及び押圧力解除機構672が含まれる。付勢力解除機構671は、一対の搬送ローラ61,62によりシートSを搬送する際、該シートSを両搬送ローラ61,62によって挟圧しつつ搬送するよう一対の搬送ローラ61,62を付勢する付勢力を解除する。即ち、上側搬送ローラ62を下側搬送ローラ61に向けて付勢する付勢部材66の付勢力を解除する。
付勢力解除機構671は、一対の搬送ローラ61,62の対向する各回転軸211,221の間に差し挟まれ、両搬送ローラ61,62を所定量離間させる離間用部材674を備える。図2に示す第1搬送部11では、離間用部材674は、左右の側板101と上側搬送ローラ62の間の回転軸221に各々着脱自在に設置される。
図3は、図2のA−A線矢視断面図における離間用部材674及び上下の搬送ローラ61,62の回転軸211,221、付勢部材66の拡大図である。同図では離間用部材674が装置本体10に装着された状態を示している。離間用部材674は側面視コ字状に形成される。離間用部材674の上部675及び下部677は対向し、略水平方向に延在する。離間用部材674の上部675と下部677を連結する連結部676は図3において回転軸221の右側に接触し、上下方向に延在する。離間用部材674の上部675及び連結部676は上側搬送ローラ62の回転軸221の上部及びシートSの搬送方向F上流側に接触し、これらに係止される。
離間用部材674の下部677は、下側搬送ローラ61の回転軸211と上側搬送ローラ62の回転軸221の間に差し挟まれる差挟部678を構成する。差挟部675は、両回転軸211,221の間に差し挟まれたとき、両搬送ローラ61,62の接触状態を解放し、両搬送ローラ61,62が所定量L1離間するよう所定長さL2に形成される。差挟部678の図3における上下方向の長さL2は、上下搬送ローラ61、62が接触している状態での上下の回転軸211,221間の距離より長く形成される。差挟部678の上下方向の長さは、シートSの搬送方向Fで下流側ほど短くなっている。離間用部材674は、付勢部材66による付勢力を手動により解除する手動解除手段を構成する。
図2に示す押圧力解除機構672は、一対の搬送ローラ61,62のうち、少なくとも一方の搬送ローラ61,62を他方の搬送ローラ62,61に向けて押圧する押圧ローラ63の押圧力を解除する。本第1の実施形態に係る押圧力解除機構672は、上側搬送ローラ62を下側搬送ローラ61へ向けて押圧する押圧ローラ63の上側搬送ローラ62への押圧力を解除する。押圧ローラ63は、装置本体10の側壁101に対してこの押圧力解除機構672を介して支持されている。
押圧力解除機構672は、支持台69、上支持部材70、係止部72、解除用付勢部材73を備える。支持台69は、押圧ローラ63の支持軸231と略同じ高さ位置で、装置本体10の左右の側壁101に支持され、幅方向中央部へ向けて略水平に延在される。図4は、押圧力解除機構672及びその周辺の拡大図である。支持台69は、縦断面コ字状に曲折して形成されている。該支持台69の上面は、解除用付勢部材73及び上支持部材70を支持する支持板68によって構成される。支持台69の長手方向略中央部乃至側壁101から3分の1程度の位置には、上支持部材70を装置本体10の側壁101に係止するための係止穴74が支持板68に、上下方向に貫通して形成されている。係止穴74には、係止部72を構成する係止ねじ90が螺合する。
上支持部材70は、図2に示すように、押圧ローラ63の上方に位置し、該押圧ローラ63の長手方向に沿って設置される。上支持部材70の幅方向両端部には、係止部72と係合し、支持台69に該上支持部材70を係止される係止端部79を備える。図4で拡大して示すように、係止端部79には、係止部72の係止ねじ90に係合する挟持部88が設けられる。挟持部88は、支持板68の上方に対向して設置される。挟持部88は、押圧ローラ63が上側搬送ローラ62を押圧する押圧位置において、係止ねじ90と支持板68とによって挟持される。挟持部88には、係止ねじ90が挿通される貫通穴86が上下方向に貫通して形成されている。
また、上支持部材70は、押圧ローラ63を保持する支持軸保持部80を備える。支持軸保持部80は、押圧ローラ63の支持軸231を保持する。支持軸保持部80は、上支持部材70を構成する側板77が下向きに長く形成された長尺部81と、シートSの搬送方向F上流側の該長尺部81の内側に収容され、螺子84によって固定された垂下部78とを備える。
図5は図4のB−B矢視断面図である。垂下部78は、側面視L字状に形成されている。垂下部78の下部を構成する底板部83は、押圧ローラ63の支持軸231を下方より支持する。支持軸保持部80は、シートSの搬送方向F上流側及び下流側に対向する一対の長尺部81、81と、垂下部78の水平方向に延在する底板部83と、上支持部材70を構成する天板76とによって囲まれた空間内に押圧ローラ63の支持軸231と、支持軸231を付勢する押圧用付勢部材87が収容されてなる。
天板76は、シートSの搬送方向F上流側及び下流側に対向する側板77、77の上部を連結している。天板76と、対向する側板77、77とは同一部材によって構成され、金属製の板材が縦断面コ字状に曲折され形成される。
このように、押圧ローラ63の支持軸231は、支持軸保持部80に保持され、該支持軸保持部80は、長尺部81、底板部83及び該底板部83に対向する天板76によって囲まれた空間に収容されている。支持軸231の下部は、垂下部78の底板部83によって支持されるとともに、前後を側板77によって保持されている。そして、支持軸保持部80には、押圧用付勢部材87が収容されており、当該押圧用付勢部材87によって下方に付勢されている。
係止部72は、上支持部材70の幅方向両端部に、一対設けられる。係止部72は、上支持部材70を支持台69上に係止する。係止部72は、係止ねじ90及び2個のナット91を備える。係止ねじ90は、上支持部材70の係止端部79に設けられた貫通穴86に挿通され、支持台69に設けられた係止穴74に螺合する。更に係止ねじ90の下部は、支持板68の下方で抜け止め用の2個のナット91に螺合される。
係止ねじ90は、例えば六角穴付きボルト等によって構成されている。係止ねじ90は手動で回動されることで、係止穴74に対して進退する。係止ねじ90の雄螺子部82の外径は、貫通穴86の直径より小さく設定され、貫通穴86内で係止ねじ90の雄螺子部92は上下方向に自由に移動できる。一方、支持台69の係止穴74は、係止ねじ90の雄螺子部92に螺合しているので、係止ねじ90が所定方向に所定量回動されることで、係止ねじ90が支持台69の係止穴74に対し上下方向に螺進螺退する。ナット91は、弛み止めのため2個設置される。
解除用付勢部材73は、上支持部材70の左右両端部に設けられた支持軸保持部80と係止端部79との間に設置される。解除用付勢部材73はバネ等の弾性体によって構成されている。解除用付勢部材73は、天板76、側板77及び支持台69により形成される空間内に収容されている。そして、解除用付勢部材73は、下部が支持板68に、上部が天板76に接触した状態で、両者を離間する方向に付勢する。解除用付勢部材73には、天板76から垂下するねじにより構成される案内部材94が挿通され、設置位置がずれにくくなっている。
押圧ローラ63は、上側搬送ローラ62を押圧する図6に示す押圧位置と、上側搬送ローラ62への押圧力を解除する図4に示す解除位置との間で移動される。図6に示す押圧位置では、係止ねじ90が六角穴95によって手動で所定方向に回転されることで、支持台69の係止穴74に対して螺進し、最下点に位置される。このとき、係止ねじ90は、係止端部79の挟持部88を支持板68との間で挟持し、上支持部材70を最も低い位置に位置させている。
この押圧位置では、解除用付勢部材73及び押圧用付勢部材87の双方とも圧縮された状態となる。解除用付勢部材73は天板76と支持板68との間で圧縮された状態であるが、係止ねじ90により上支持部材70が最も低い押圧位置に固定されているので、解除用付勢部材73の付勢力によって上支持部材70の設置位置を、より高い位置とすることはできない。
また、押圧用付勢部材87は、底板部83によって下部が支持された押圧ローラ63の支持軸231の上部に接触する。そして支持軸231を下方に向けて付勢する。これより、押圧ローラ63を上側搬送ローラ62に対して押圧させる。
一方、図4に示す解除位置では、係止ねじ90が図6に示す押圧位置より所定量高い解除位置に位置される。解除位置では、図6に示す押圧位置に位置させるときとは逆方向に係止ねじ90が回転されることで、係止ねじ90が螺退される。この解除位置では、係止ねじ90と支持台69とによって係止端部79の挟持部88を挟持した状態から解放され、挟持していない状態となる。そして、係止ねじ90は、貫通穴86に雄螺子部92が挿通され、案内されることで、上支持部材70を上下動自在に係止している。
また、このとき解除用付勢部材73は、支持台69に対して上支持部材70を上方へ付勢する。これより、解除用付勢部材73は、上支持部材70の支持軸保持部80に支持軸231が保持された押圧ローラ63を上方へ付勢し、押圧位置より高い位置とすることで、押圧ローラ63を上側搬送ローラ62から離間させ、押圧力を解除させる。
解除位置においては、押圧用付勢部材87は、圧縮から解放されており何も付勢していない状態となる。押圧用付勢部材87は、解除位置にある押圧ローラ63の支持軸231上端部から上支持部材70の天板76下面までの長さより僅かに短く形成されている。押圧用付勢部材87は、解除位置で解除用付勢部材73によって上方へ押し上げられた上支持部材70の天板76の高さ位置まで達しておらず、圧縮から解放される。
搬送経路5には、さらに、シートSの所定位置を検出する複第1〜第5検出部31〜35が配置されている。本第1の実施形態では、第1〜第5検出部31〜35は、シートSの前端(下流側端縁)Sfあるいは後端(上流側端縁)Srの双方を検出する光透過式のセンサーによって構成されている。第1〜第5検出部31〜35は、搬送経路5上に間隔をおいて設置される。第1〜第5検出部31〜35は、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。
シートSの搬送方向Fにおいて最も上流側の第1検出部31は、読取部26の上流側近傍に配置され、次の第2検出部32は、スリッター処理部29の上流側近傍に配置され、次の第3検出部33は,スリッター処理部29の途中に配置され、次の第4検出部34は、クリース処理部21の上流側近傍に配置される。最も下流側の第5検出部35は、搬送経路5上の加工処理部6としてのカッター処理部22の設置位置より搬送方向F下流側に設置される。そして、第5検出部35は、前後に隣接配置された第9搬送部19と第10搬送部20との間に配置されている。
第1検出部31は、供給部3からシートSが供給された後、搬送ローラ9で挟持されたシートSの前端Sf又は後端Srを検出し、検出したシートS位置を基準にして、搬送経路5上で搬送されている各シートSの位置を一義的に検出する。
第2検出部32〜第5検出部35は、シートSのジャムを検出する。また、第4検出部34及び第5検出部35は、搬送経路5が長くなって搬送経路5上のシートSの搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1検出部31で得られたシート位置情報を修正して、当該シート位置情報をより正確なものにするために設置している。そして、第5検出部35は、加工処理部6としてのカッター処理部22で裁断されたシートSが載置部2への排出される際に、シートSの前端Sfまたは後端Srを検出する。
[シートの加工処理パターン]
図7は、シートSの加工処理パターンの一例を示す平面図である。同図に示す加工処理パターンは、一枚のシートSから折線Cを有する4枚の加工処理物Qを製作するようになっている。基本的には、搬送方向Fと平行に延びる4本の裁断線Tと、幅方向Wに延びる2本の折線C及び幅方向Wに延びる4本の裁断線Kが設定されている。2本の折線C及び裁断線Kは、シートSが裁断線Tで搬送方向Fに平行に裁断され、シートSから切り取られた長尺の紙片Jm,Jcが除去されることで、幅方向Wに並んだ2枚のシートSの切断片に対し、同時にクリース処理または裁断処理が複数回施されることで形成される。
尚、図7に示すシートSの加工処理パターンでは、スリッター処理部29による搬送方向Fと平行な裁断線Tが4本となっているので、スリッター処理部29のうち中央のユニット29bまたは最下流のユニット29cのいずれか一方のみ幅方向Wの所定位置に移動して裁断処理し、他方は、シートSの搬送経路5の外側へ移動して待機させる。
このようなシートSの加工処理パターンについてのシートSに施されるべき各種加工処理情報は、使用者によって操作パネル46を用いて設定されるか、または、シートSのバーコードM2に記録される。この各種加工処理情報には、シートSの大きさ、コシの強さ、厚さ、種類、加工処理物Qの配列、数及び寸法、シートSから切り取られる不要な紙片Jの大きさ、搬送方向Fや幅方向W等の所定方向の長さ、数等のシートSの加工処理に関する情報が含まれる。
[加工処理装置の全体作業の概要]
(1)図1に示す操作パネル46より、使用者が各種加工処理情報を入力する。なお、この手動入力の代わり、あるいは、手動入力と協働して、読取部26によるバーコードM2等の読み取りにより、加工処理情報を自動的に入力させることもできる。
(2)図1の供給部3の供給台52上に積載された複数のシートSは、吸引搬送ベルト機構51及び給紙ローラ8により、上端から一枚ずつ搬送経路5に供給される。そして、制御部45が、供給用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を制御することによって、搬送経路5上のシートSが所定の搬送速度で下流側へ搬送される。
搬送部4は、シートSの処理開始前に予め係止ねじ90が所定方向に回転され、押圧力解除機構672が図6に示す押圧位置とされている。また、離間用部材674は装置本体10から取り外されている。第1搬送部11では、搬送駆動部41が駆動されると、下側搬送ローラ61が回転し、それに従動して上側搬送ローラ62が回転し、更にそれに従動して押圧ローラ63が回転する。そして、シートSは、下側搬送ローラ61と上側搬送ローラ62との間に挟持された状態で、両搬送ローラ61、62の回転に伴って搬送される。
このとき、上側搬送ローラ62が下側搬送ローラ61に向けて移動可能であり、上側搬送ローラ62の軸方向中央部及びその両側で押圧ローラ63によって下側搬送ローラ61に向けて押されているので、シートSは、両搬送ローラ61、62間において、軸方向全体に渡って適正に挟持される。
しかも、押圧ローラ63の軸方向両端部が面取り加工されているので、上側搬送ローラ62の柔軟性を有する表面が押圧ローラ63によって傷付けられるのを防止できる。
(3)吸引搬送ベルト機構51、給紙ローラ8、及び第1搬送部11によってシートSが搬送され、読取部26にいたると、シートSの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2が読み取られてシートSに施されるべき各種加工処理情報が取得される。
(4)リジェクト機構25では、仮に、読取部26による読取が不能であり、加工条件が不明である場合には、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ24で回収する。
(5)スリッター処理部29では、裁断刃36により搬送方向Fと平行な複数の裁断線TでシートSを裁断する。最上流のユニット29aでシートSから切り取られた左右両端縁の不要な紙片Jmは、マージン落し部材55によって下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、ガイド69に案内され、紙片収容箱65に収容される。
(6)紙片落とし機構27では、スリッター処理部29のうち中央のユニット29b及び最下流のユニット29cによってシートSから切り取られた不要な紙片Jcが、下方の紙片回収部23へと下向きに移動させられ、紙片収容箱65に収容される。
(7)クリース処理部21では、シートSの折線C形成位置が折型37の設置位置に接近すると、制御部45が、給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を制御し、供給部3及び搬送部4による搬送速度を所定割合で減速開始し、その後シートSの折線C形成位置が折型37の設置位置に至ると、該シートSの搬送を装置全体で停止する。
そして、制御部45は、折り型駆動部49を駆動し、凸型38を下降させ、凹型39の凹部に挿通することにより、シートSに対して、幅方向Wに沿った折線Cを形成する。その後、折り型駆動部49の駆動を継続することで、下死点に至った凸型38を上昇させる。そして、給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を再開し、シートSを下流側へ搬送する。
(8)カッター処理部22では、シートSの裁断線K形成位置が裁断刃36の設置位置に接近すると、制御部45が、給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を制御し、供給部3及び搬送部4による搬送速度を所定割合で減速開始する。
裁断線Kの形成位置が裁断刃36の設置位置に至ると、制御部45は給紙用駆動部47及び搬送駆動部41〜44の駆動を停止し、搬送部4による該シートSの搬送を装置全体で停止する。そして、制御部45は、裁断駆動部50を駆動し、上側可動刃53を下降させ、下側固定刃54に接触させることにより、シートSを幅方向Wに沿って裁断する。得られた成果物Qは載置台57へと排出され、載置される。
加工処理装置100の運搬時や加工処理装置100を使用していないときには、解除機構67によって付勢部材66,87による付勢力を解除する。付勢力解除機構671によって離間用部材674を一対の搬送ローラ61,62の対向する回転軸211,221の間に差し挟むことにより、両回転軸211,221を差挟部678の長さ分だけ離間させ、両搬送ローラ61,62が相互に接触しないよう所定量離間させる。
また、押圧力解除機構672によって上側搬送ローラ62への押圧ローラ63の押圧力を解除する際は、図6に示す押圧位置、即ち、係止ねじ90によって、係止端部79の挟持部88を支持台69との間で挟持し、上支持部材70を最も低い位置に固定した状態から、図4に示す解除位置まで、係止ねじ90を六角穴95によって係止穴74 から螺退する方向へ回転する。
解除位置では、係止ねじ90が、押圧ローラ63の上側搬送ローラ62への押圧力を解除可能な所定高さまで後退されている。このとき、係止端部79の挟持部88は、係止ねじ90と支持台69との間で挟持された状態から解放される。貫通穴86の直径は、係止ねじ90の雄螺子部92の外径より大きいので、上支持部材70は係止ねじ90に係止され、貫通穴86に案内され上方へ移動される。
解除用付勢部材73が、支持台69に対して上支持部材70を上方へ付勢し、該上支持部材70を介して押圧ローラ63を上方へ付勢し、上側搬送ローラ62に対して離間させる。押圧用付勢部材87は、上方へ押し上げられた上支持部材70の天板76の高さ位置まで達しておらず、圧縮から解放された状態となる。
以上より、本第1の実施形態に係る加工処理装置100は、一対の搬送ローラ61,62のうち、少なくとも一方の搬送ローラ62である上側搬送ローラ62の表面が柔軟性を有しており、一対の搬送ローラ61,62によりシートSを搬送する際、該シートSを両搬送ローラ61,62によって挟圧しつつ搬送するよう一対の搬送ローラ61,62を付勢する付勢部材66による付勢力を解除する付勢力解除機構671を備えたので、柔軟性を有する搬送ローラ62の表面が傷むのを抑制できる。
また、付勢力解除機構671は、付勢部材66による付勢力を手動により解除する手動解除手段を備えたので、付勢部材66の付勢力を必要な時に適正に解除できる。
更に、付勢力解除機構671は、一対の搬送ローラ61,62を所定量離間させる離間用部材674を備えたので、離間用部材674によって柔軟性を有する搬送ローラ62の表面が傷むのを容易に抑制できる。
更に、離間用部材674は、一対の搬送ローラ61,62の対向する回転軸211,221の間に差し挟まれる差挟部678を備えたので、差挟部678を両回転軸211,221の間に差し挟むことにより柔軟性を有する搬送ローラ62の表面が傷むのを容易に抑制できる。
更に、一対の搬送ローラ61,62のうち、表面が柔軟性を有する少なくとも一方の搬送ローラ62を、他方の搬送ローラ61に向けて押圧する押圧ローラ63が設けられ、前記押圧ローラ63による押圧力を解除する押圧力解除機構672を備えたので、押圧ローラ63によって表面が柔軟性を有する搬送ローラ62を押圧することでシートSを適正に搬送できるとともに、押圧力解除機構672によって、押圧ローラ63の押圧力を解除できる。よって、シートSの搬送位置精度を向上でき、柔軟性を有する搬送ローラ62の表面が傷むのを抑制できる。
(第2の実施形態)
図8は第2の実施形態に係る加工処理装置100aの押圧力解除機構672aの周辺の部分拡大図である。上記第1の実施形態では、係止部72が係止ねじ90と係止穴74とを備えたが、本第2の実施形態の係止部72aは、係止ねじ90に替えて係止突起97を有する係止具98を備える。
図9(a)は、第2の実施形態に係る係止端部79a及び係止具98の平面図であり、同図(b)は係止具98を搬送方向F上流側から見た図である。係止具98は、頭部981と足部982とを備える。頭部981には、該頭部981の上面から所定深さの六角穴95aが形成されている。足部982は、円柱状の丸棒983から上下に所定量離間して2個の係止突起97が側方に突出して設けられる。また、上下の係止突起97のうち上側に設けられた上側係止突起971の下部に当接して抜け止め板99が設けられる。抜け止め板99と下側に設けられた下側係止突起972との間の長さL3は、図10に示す係止端部79aの挟持部88aの厚さと、支持台69aの上部を構成する支持板68aの厚さとの合計の長さL4に等しく形成されている。
抜け止め板99は、図9(a)に示すように、平面視矩形状に形成される。抜け止め板99は、案内部991によって係止端部79aの下流側側壁791aに係止される。これより、係止具98が係止端部79aから外れるのを防止する。
係止端部79aの挟持部88aには、図9(b)に示す足部982を構成する丸棒983の最下部の直径D1より大きい直径D2の貫通穴86aが形成される。また、支持板68aにも係止端部79aの貫通穴86aと同じ直径D3の貫通穴75が設けられる。そして、支持板68aには、貫通穴75に連通して係止突起抜穴96が設けられる。係止突起抜穴96は、係止突起97が支持板68aを通過可能な形状に形成される。
即ち、図9(a)において実線で示すように、係止突起97が丸棒983から左方に向けて突出し、係止端部79aの挟持部88a下面が支持板68a上面に接触して固定された状態から、係止具98が約90°反時計回りHに回転される。これより、二点鎖線で示すように、係止突起96が図9(a)において下方に向けて突出し、係止突起抜穴96を設けた位置に合致する。
押圧ローラ63は、加工処理装置100aを使用する際には、図8で示す押圧位置に位置される。そして、加工処理装置100aによるシートSの加工処理を行わないときには、図8に示す解除位置に位置される。係止突起抜穴96は、押圧位置にある下側係止突起972を支持板68aの上方へ引き上げ、解除位置にある下側係止突起972を支持板68aの下方へ引き下げるため設けられる。
図10は、押圧ローラ63が押圧位置にある状態を示す。同図では、抜け止め板99の下面が挟持部88aの上面に当接し、下側係止突起972の上部が支持板68aの下面に当接する。これより、上下双方の係止突起971、972及び抜け止め板99によって挟持部88aを支持台69上に係止させ、固定させている。この押圧位置では、上支持部材70が最も低い位置にあり、上支持部材70の天板76と押圧ローラ63の支持軸231との間に圧縮された状態で収容された押圧用付勢部材87によって押圧ローラ63を下方の上側搬送ローラ62へ向けて押圧する。
一方、図8に示す解除位置では、支持台68aに対して係止具98が図10に示す押圧位置より高い所に位置する。即ち、係止具98の下側係止突起972は、支持板68aの上方に位置する。上側係止突起971は、係止端部79aの挟持部88aの上方に位置する。これより、下側係止突起972によって挟持部88aを支持台69a上に係止させる。この解除位置では、押圧位置より上支持部材70が高い位置にあり、上支持部材70の天板76と押圧ローラ63の支持軸231との間に収容された押圧用付勢部材87の上下方向の長さは、天板76の高さまで届かない。押圧用付勢部材87は、圧縮から解放された状態である。よって、押圧ローラ63の下方の上側搬送ローラ62に対する押圧力を解除できる。
係止具98を押圧位置と解除位置の間で移動させる機構は、手動、自動のいずれであってもよい。手動で移動させる際には、係止具98の頭部981の六角穴95aによって係止具98を手動で回転させる。
押圧力を自動で解除する際は、係止具98を回転し、上下に移動させる図示しないモータとモータの駆動により係止具98を所定位置に移動する移動手段を備える。
本第2の実施形態では、係止部72に係止具98を備えたので、係止具98によって容易に押圧力を解除できる。
(第3の実施形態)
図11は第3の実施形態にかかる加工処理装置100bの搬送部4bを構成する第1搬送部11bを上流側から見た図である。上記第1,2の実施形態では、図2に示す押圧ローラ63が幅方向Wに複数設置され、幅方向Wの略全長にわたって上側搬送ローラ62を押圧した。これに替えて、図11に示す本第3の実施形態に係る押圧ローラ63bは、その軸方向Wの長さが上側搬送ローラ62bの軸方向Wの長さよりも短く形成され、上側搬送ローラ62bの軸方向Wの長さの10%以上50%以下に設定される。押圧ローラ63bは、上側搬送ローラ62bの幅方向W中央部に設置される。押圧ローラ63bは、支持軸231bにベアリングを介して支持され、押圧ローラ63bは支持軸231bに対して回転し、支持軸231b自体は回転しない。
上記第1の実施形態では、支持軸231は支持軸保持部80に保持されたが、本第3の実施形態では支持軸231bは、装置本体10bの側壁101bに支持されている。該回転軸231bの両端は、支持ブロック235bを介して側壁101bに上下動可能に支持されている。支持ブロック235bは、側壁101b内の上側搬送ローラ62bの軸受225b及び付勢部材66bの設置位置の幅方向W内側または外側で、バネなどの押圧力付勢部材87bによって付勢されている。
支持軸231bは弾性を有しており、上に凸の湾曲状となるよう、すなわち、支持軸231bの両端の支持部232、233は、支持軸231bの軸方向中間点よりも低い位置に位置している。そして、押圧ローラ63bは、上側搬送ローラ62bに当接した状態で、支持軸231bの軸方向中央部に位置している。したがって、押圧ローラ63bは、支持軸231bの弾性力によって付勢される。更に押圧ローラ63bは、側壁101b内に設置された押圧用付勢部材87bによって上側搬送ローラ62bの軸方向中央部を下方に押圧している。従って押圧ローラ63bは、支持軸231bの弾性力及び押圧用付勢部材87bの双方によって、下方に付勢され、上側搬送ローラ62bの軸方向中央部を下方に押圧している。
第3の実施形態に係る解除機構67bは、一対の側壁101bの内側で該側壁101bの近傍に設置される。解除機構67bは、揺動部材105及び係合ピン106を備える。解除機構67bは、付勢力解除機構671bと押圧力解除機構672bの双方を含み、付勢力解除機構671b及び押圧力解除機構672bは、揺動部材105及び係合ピン106によって兼ねて構成される。よって、揺動部材105と係合ピン106によって、上側搬送ローラ62bを付勢する付勢部材66bの付勢力と、押圧ローラ63bを付勢する押圧用付勢部材87bの付勢力との双方が同時に解除される。押圧力解除機構672bは、押圧用付勢部材87bの付勢力により支持軸231bが弾性変形し、上に凸の湾曲状となることで上側搬送ローラ62bを押圧する押圧ローラ63bによる押圧力を解除する。そして、解除機構671bは、付勢部材66b、87bによる付勢力を自動で解除する自動解除手段130を備える。
揺動部材105は、側壁101bの近傍且つ押圧ローラ63bの支持軸231bの幅方向両端部近傍において、該支持軸231bに揺動自在に軸支されている。係合ピン106は、揺動部材105に対向可能な位置で下側搬送ローラ61bに設置される。
図12は、図11におけるC−C線矢視断面図である。揺動部材105の上部には、支持軸231bに軸支される軸支部107が設けられ、揺動部材105の下部に鈎状に湾曲した湾曲部108が設けられる。湾曲部108の下端部には、所定長さL5(図13参照)を有する差挟部678bが設けられる。
差挟部678bは、一対の搬送ローラ61b,62bの対向する回転軸211b、221bの間に差し挟まれ、上側搬送ローラ62bの回転軸221bが上方へ所定量L6持ち上げられ、両搬送ローラ61b、62bを離間させる。よって差挟部678bを備えた揺動部材105は、一対の搬送ローラ61b,62bの対向する回転軸211b、221bの間に差し挟まれ、両搬送ローラ61b,62bを所定量離間させる離間用部材674bとして構成される。
差挟部678bには、係合凹部109、解除用係合面110(図13参照)、押上部111(図13参照)が設けられている。係合凹部109は、下側搬送ローラ61bの回転軸211bの差挟部678bに対向可能な位置に設けられた係合ピン106に係合し、該係合ピン106が係合凹部109内に収容されるよう凹状に形成される。
図13は、図12に示す下側回転ローラ61bが反時計回りR2に所定量回転し、係合凹部109から係合ピン106が離脱し、係合凹部109と係合ピン106とが係合しなくなった状態を示す。解除用係合面110は、下側搬送ローラ61bが図13において時計回りR1に回転したとき係合ピン106が接触し、差挟部678bを両回転軸211b、221bの間へと差し挟ませる。
その際、下側搬送ローラ61bは、シートSの搬送時とは逆方向R1に回転し、これに伴って下側搬送ローラ61b周面に沿って移動する係合ピン106が解除用係合面110に接触し、揺動部材105を図13において反時計回りS1に揺動させる。差挟部678bは図13において右方へ移動され、差挟部678bが両回転軸211b、221bの間へと差し挟まれる。
押上部111は、図14に示すように、下側搬送ローラ61bのシートSの搬送時と同じ方向R2の回転に伴って下側搬送ローラ61b周面に沿って移動する係合ピン106が接触する。下側搬送ローラ61bが更に時計回りR2に回転すると、図15に示すように、係合ピン106が押上部111を押し上げ、差挟部678bを図15において左方へ移動させ、このとき揺動部材105は揺動軸である支持軸231bを軸心に図15において時計回りS2に揺動される。
図16は係合ピン106の設置状態を示す下側搬送ローラ61bの回転軸211bの断面図である。同図に示すように、係合ピン106は、下側搬送ローラ61bに設けられた突出用開口部121から出退自在に設置される。係合ピン106は、一部がピン収容部122内に収容されている。ピン収容部122は、下側搬送ローラ一61bの回転軸211bを貫通して形成される。ピン収容部122内には更に、係止ピン106を外方へ向けて付勢するピン付勢部材116が収容され、閉塞部材117によってピン収容部122のピン挿入用開口部118が閉塞される。閉塞部材117の外周には雄螺子部119が形成され、ピン収容部122のピン挿入用開口部118に所定長さに渡り形成された雌螺子部120に螺合する。
係止ピン106の一方の端部には、突出用開口部121から突出する突出する突出部113が設けられる。突出部113は、係止ピン106の他方の端部より直径が小さい小径部として形成される。突出部113と、該突出部113より直径の大きい大径部115との中間部分はテーパ状に形成されたテーパ部114を構成する。小径部の一部及びテーパ部114、大径部115は、ピン収容部122内に収容されている。ピン収容部122は、係止ピン106の形状に対応して形成され、テーパ部114が接触するピン収容部122の内壁部分はテーパ状のテーパ接触部123が設けられる。ピン収容部122におけるテーパ接触部123からピン挿入用開口部118までは、大径部115に対応して突出用開口部121より内径が大きく形成される。
図14に示す下側搬送ローラ61bの回転軸211bがシートSの搬送時と同じ方向R2に回転するとき、係合ピン106はピン付勢部材116により付勢されているために、押上部111に接触しても押上部111を押し上げることができる。また、このとき係合ピン106は、押上部111から受ける反作用によってピン収容部122へと押し込まれる方向に力を受け、僅かに突出高さが短くなるようにピン付勢部材116の付勢力が調整される。揺動部材105の図15に示す左方S2への揺動及び係合ピン106の退避の双方作用の結果、下側搬送ローラ61bは円滑に図15において時計回りR2に回転することができ、シートSを適正に搬送できる。
自動解除手段130は、搬送部4bを駆動する搬送駆動部41b〜44bによって構成される。制御部45bが自動解除手段130である搬送駆動部41b〜44bを所定量駆動するよう制御することで、搬送部4bを所定量駆動し、これより搬送ローラ61bの回転軸221bの回転量を制御し、付勢部材66b、87bによる付勢力を自動で解除する。
本第3の実施形態に係る搬送部4bによりシートSを搬送する際は、制御部45bが搬送駆動部41b〜44bを制御することで、図14、15に示すように、下側搬送ローラ61bの回転軸211bが図14において反時計回りR2に回転される。すると、係合ピン106の突出部113が押上部111に接触し、回転軸211bの反時計回りR2の更なる回転に伴って図15に示すように、突出部113がピン付勢部材116の付勢力によって押上部111を押し上げる。また、押上部111からの反作用によって突出部113がピン収容部122内に僅かに押し込まれる。
回転軸211bが更に反時計回りR2に回転し、突出部113が押上部111に接触しなくなる位置まで回転されると、突出部113がピン収容部116に僅かに押し込まれた状態から解放され、押上部111と係合ピン106との接触前の元の状態に回復される。シートSを搬送する際には、このように係合ピン106が突出用開口部121から出退する。
次に、シートSの加工処理を行わないときに、解除機構67bによって付勢力を解除する際は、制御部45bが搬送駆動部41b〜44bを制御することで、図13に示すように、下側搬送ローラ61bの回転軸211bが時計回りR1に回転される。差挟部678bの設置位置に至った突出部113は、解除用係合面110に接触して揺動部材105を図13において右方S1へ揺動させる。そして、突出部113が係合凹部109に係合し、差挟部678bを上下の回転軸211b、221bの間に挟ませたところで、搬送駆動部41b〜44bの駆動を停止する。
これより、解除機構67bは、図12に示す解除位置に位置する。解除位置では、差挟部678bが上下回転軸211b、221bの間に挟まれたために上側搬送ローラ62bの回転軸221bが上方へ所定量L6持ち上げられ、上下搬送ローラ61b、62bは離間される。この結果、上側搬送ローラ62bが下側搬送ローラ61bに向けて付勢する付勢部材66bの付勢力が解除される。
また、解除位置では、差挟部678bが上下回転軸211b、221bの間に挟まれたために下側搬送ローラ61bの回転軸211b上に揺動部材105が乗り上げ、揺動部材1105は回転軸211b上に起立した状態となる。揺動部材105の長手方向である上下方向の長さが所定値に設定されているために、揺動部材105が回転軸211b上に起立することで軸支部107が上方へ持ち上げられ、揺動軸である押圧ローラ63bの支持軸231bが上方へ持ち上げられる。この結果、押圧ローラ63bが上方へ所定量L7持ち上げられ、押圧ローラ63bが上側搬送ローラ62bに向けて付勢する押圧用付勢部材87bの付勢力が解除される。
本第3の実施形態に係る解除機構67bは、付勢部材66b及び押圧用付勢部材87bの双方の付勢力を、搬送駆動部41b〜44bを駆動することで、自動で解除する自動解除手段を備えたので、付勢力を容易に解除することができる。
離間用部材674bは、一対の搬送ローラ61b、62bを、該搬送ローラ61b、62bの回転に伴って所定量離間させるので、搬送ローラ61b、62bを回転することで容易に搬送ローラ62bの表面が傷むのを抑制できる。
離間用部材674bは、搬送ローラ61b,62bがシートSを搬送する際の回転方向R2とは逆方向R1に回転されたとき、一対の搬送ローラ61b,62bを所定量離間させるので、シートSを搬送する際には両搬送ローラ61b,62bが離間されることなく両搬送ローラ61b,62bでシートSを挟圧して適正に搬送できるとともに、シートSを搬送しないときに搬送ローラ61b,62bを逆回転することで離間用部材674bにより両搬送ローラ61b,62bを所定量離間させることができる。よって、搬送ローラ61b,62bの回転方向R1,R2を調整することで、両搬送ローラ61b,62bを容易に所定量離間させることができ、柔軟性を有する搬送ローラの表面が傷むのを抑制できる。
更に、付勢力解除機構674bは、離間用部材674bに係合し、一対の搬送ローラ61b,62bを所定量離間させる係合ピン105を備えたので、係合ピン106を離間用部材674bに係合させることで容易に柔軟性を有する搬送ローラ62の表面が傷むのを抑制できる。
更に、係合ピン106は、搬送ローラ61bに出退自在に設置されるので、搬送ローラ61bの回転に伴って容易に離間用部材674bに係合させることができる。
(第4の実施形態)
図17は第4の実施形態に係る解除機構67cの部分拡大断面図である。第4の実施形態に係る加工処理装置100cは図11に示す上記第3の実施形態に係る加工処理装置100bと同様に、押圧ローラ63cが上側搬送ローラ62cの中央部に設置される。第3の実施形態では、解除機構67bが下側搬送ローラ61bのシートSの搬送時の回転方向R2及び逆方向R1の回転を調整することによって付勢部材66b、87bによる付勢力を自動で解除する自動解除手段130を備えたが、本第4の実施形態では、解除機構67cは、付勢部材66c、87cによる付勢力を手動により解除する手動解除手段131を備える。
手動解除手段131は、揺動部材105cの一方の端部に設けられた解除レバー132を備える。解除レバー132を操作することで、図18に示す押圧位置から図17に示す解除位置へ切り替えることができる。揺動部材105cを揺動軸である支持軸231cを軸心として反時計回りS1に揺動させると、該揺動部材105cの他方の端部に設けられた差挟部678cを上下の回転軸211c、221cの間に手動で差し挟むことができる。
これより図17に示すように、上側搬送ローラ62cの回転軸221cを付勢部材66cの付勢力に抗して上昇させ、該上側搬送ローラ62cを下側搬送ローラ61cから所定量L8離間させる。また、揺動部材105cが下側搬送ローラ61cの回転軸211c上に支持されることによって押圧ローラ63cの支持軸231cが押圧用付勢部材87cの付勢力に抗して上方へ持ち上げられ、押圧ローラ63cと上側搬送ローラ62cとが所定量L9離間されることで、上側搬送ローラ62cに対する押圧ローラ63cの押圧力が解除される。
(第5の実施形態)
図19は第5の実施形態に係る解除機構67d及び第1〜第3搬送部11d〜13dの要部の部分拡大断面図である。本第5の実施形態の解除機構67dは、シートSの搬送経路5に沿って複数設置された搬送部11d〜20dの搬送ローラ61d、62d及び押圧ローラ63dの付勢部材66d、87dによる付勢力を一括で解除する一括解除手段690を備える。
一括解除手段690は、クサビ状に形成されたクサビ部689が設けられた離間用部材674dを備える。離間用部材674dは、付勢力解除離間用部材680と、押圧力解除離間用部材681とを含む。
付勢力解除離間用部材680は、各搬送部11d〜20dの一対の搬送ローラ61d、62dをそれぞれ付勢する複数の付勢部材66dの付勢力を一括で解除する。本第5の実施形態では、付勢力解除離間用部材680は下側搬送ローラ61dへ向けて上側搬送ローラ62dを押圧するよう付勢する付勢部材66dの付勢力を解除する。付勢力解除離間用部材680は、シートSの搬送面とほぼ同じ高さに設置される。付勢力解除離間用部材680は、対向する回転軸211d、221dの間に差し挟まれる差挟部678dを備え、該差挟部678dはクサビ部689によって構成される。
付勢力解除離間用部材680は、シートSの搬送方向Fへ手動により移動可能に構成されることで、付勢部材66dによる付勢力を手動により解除する手動解除手段を備えることができる。また、付勢力解除離間用部材680が、図示しない駆動部に連結機構を介して連結され、該駆動部を駆動することで、シートSの搬送方向Fへ自動で移動可能とすることで、付勢部材66dによる付勢力を自動で解除する自動解除手段を備えてもよい。
押圧力解除離間用部材681は、一対の搬送ローラ61d、62dのうちいずれか一方の搬送ローラ61d、62dを、他方の搬送ローラ62d、61dに向けて押圧する押圧ローラ63dの押圧力を解除する。押圧力解除離間用部材681は、付勢力解除離間用部材680より上方に設置される。押圧力解除離間用部材681は、押圧力解除機構672dを構成する。押圧力解除離間用部材681は、上側搬送ローラ62dの回転軸221dと、押圧ローラ63dの支持軸231dとの間に差し挟まれる差挟部679dを備え、該差挟部679dはクサビ部689によって構成される。押圧力解除離間用部材681についても付勢力解除離間用部材680と同様に手動によりまたは自動で押圧用付勢部材87dの付勢力を解除するよう構成される。
一括解除手段690により付勢部材66d、87dの付勢力を解除する際は、図20に示す押圧位置から、付勢力解除離間用部材680及び押圧力解除離間用部材681を、自動でまたは手動によりシートSの搬送方向Fとは逆方向に所定量移動し、クサビ部689を回転軸211d、221dの間、及び回転軸221dと支持軸231dの間に差し挟む。これにより、各搬送部11d〜20dを構成する一対の搬送ローラ61d、62d及び押圧ローラ63dをそれぞれ所定量離間させることができ、付勢力部材66d、87dによる付勢力を一括で解除することができる。
一対の搬送ローラ61d、62dがシートの搬送経路5dに沿って複数設置され、前記一対の搬送ローラ61d、62dをそれぞれ付勢する複数の付勢部材66dの付勢力を一括で解除する一括解除手段690を備えたので、複数の付勢部材66dの付勢力を容易に解除することができる。また、一括解除手段690は、一対の搬送ローラ61d、62dのうちいずれか一方の搬送ローラ61d、62dを、他方の搬送ローラ62d、61dに向けて押圧する押圧ローラ63dの押圧力を解除する押圧力解除離間用部材681を備えたので、複数の押圧ローラ63dの押圧用付勢部材87dの付勢力を容易に解除することができる。
尚、上記各実施形態では、加工処理装置100,100a〜100dが押圧ローラ63、63a〜63dを備えたが、押圧ローラを備えない構成としてもよい。搬送部が押圧ローラを備えない場合、押圧ローラの押圧力を解除することはできないので、押圧力解除機構も備えないこととなる。また、加工処理装置が押圧ローラを備えているけれども押圧力解除機構を備えない構成とすることも可能である。また搬送ローラ62,62a〜62d及び押圧ローラ63,63a〜63dは、巻きバネにより構成される付勢部材66,66a〜66d、87,87a〜87dによって付勢されたが、これに替えてゴムや板バネにより付勢されてもよく、側壁への取付位置を他のローラに近接する位置とすることで、回転軸及びローラ本体の弾性力によって付勢してもよい。
また、付勢部材による付勢力を自動で解除する自動解除手段または手動により解除する手動解除手段のいずれかを備えたが、双方を同時に備え、使用者の選択によりいずれかまたは双方を用いて付勢力を解除してもよい。また、付勢力解除機構671,671a〜671dは、一対の搬送ローラ61,61a〜61d、62,62a〜62dを所定量離間させる離間用部材674、674a〜674dを備えたが、離間用部材に替えて他の構成としてもよい。例えば、一対の搬送ローラが接触しているが、互いに圧力がかからない状態としてもよい。
また、離間用部材674、674a〜674dは、一対の搬送ローラの対向する回転軸の間に差し挟まれる差挟部を備えたが、差挟部を備えないこととすることもできる。例えば、一対の搬送ローラが離間する方向へ移動させる移動手段を備えてもよく、バネなどの弾性体によって一対の搬送ローラを離間する方向へ付勢してもよい。
また、第1の実施形態で係止ねじ90は、例えば六角穴付きボルト等によって構成され、手動で回動されることで、係止穴86に対して進退したが、六角ボルト、ボタンボルト、フランジボルト等他のボルトや螺子を用いてよく、また、係止ねじを自動で回動させる自動解除手段を設けてもよい。自動解除手段は例えば係止ねじの頭部を回動させるモータ、該モータの動力を係止ねじに伝達させる伝達手段などを備えてもよい。
また、第3の実施形態では、離間用部材674bは、搬送ローラ61b、62bがシートSを搬送するときの回転方向R2とは逆方向R1に回転されたとき、一対の搬送ローラ61b、62bを所定量離間させたが、シートを挟圧する付勢位置と付勢力の解除された解除位置とを切り替える切替機構等を介在させることで、シートを搬送するときと同じ方向に搬送ローラを回転させたとき、一対の搬送ローラを所定量離間させてもよい。
また、第3の実施形態では、離間用部材674bは、搬送ローラ61b、62bの回転に伴って一対の搬送ローラ61b、62bを所定量離間した状態から元の状態へ復帰させたが、搬送ローラを回転させることなく所定量離間した状態を基の状態へ復帰させてもよい。
また、第5の実施形態では、一括解除手段690はクサビ部689を備えたが、他の構成、例えば、第3の実施形態の搬送ローラを同時に一括して所定量回転するよう制御部が制御することで、複数の付勢部材の付勢力を一括で解除することとしてもよく、第4の実施形態の揺動部材を自動で移動させる移動手段を設け、且つ、複数の揺動部材を一括して移動させることで、複数の付勢部材の付勢力を一括で解除させてもよい。
また、各種加工処理情報は、操作パネル46より使用者が手動設定するかまたは読取部26によりバーコードM2を読み取ることで自動的に入力したが、パソコンなど外部の情報処理装置と通信を行って設定してもよい。また、予め操作パネルからの手動入力によって、シートの配列パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
また、第3,4の実施形態において押圧ローラの支持軸を水平に設け、支持軸の、押圧ローラの両側近傍の部分を、別部材によって、上側搬送ローラに向けて付勢する構成としてもよい。これにより、上側搬送ローラの軸方向中央部を押圧ローラによって下方に押すことができる。
また、上記構成の搬送部4においては、下側搬送ローラ61,61a〜61dを固定し、上側搬送ローラ62、62a〜62dを上下動可能とし、上側搬送ローラ62、62a〜62dを押圧ローラ63,63a〜63dで下方に付勢するようにしているが、これらの関係を逆にする。すなわち、上側搬送ローラを固定し、下側搬送ローラを上下動可能とし、下側搬送ローラを下側から押圧ローラで上方に付勢するようにすることもできる。