JP2017193115A - 光変色性積層体 - Google Patents

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【課題】 人体への影響が少なく、安全性の高い青色光の照射により発色し、発色した状態と消色した状態を互変的に記憶保持させる機能を有する光変色性積層体を提供する。【解決手段】 光源を備えた光照射具と、支持体上に、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色層を積層してなる光変色性積層体とからなり、前記光照射具の光源はピーク波長が400〜495nmの範囲にあり、前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は400nmから長波長側に光吸収領域を有し、400nmより長波長側で吸光度が最小になる波長(X)は700nm未満であり、波長(X)から700nmのジアリールエテン系フォトクロミック化合物が消色状態の吸光度積算値(Yd)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が下記式(1)を満たす光変色性積層体。Yc/Yd≧5 (1)【選択図】 図1

Description

本発明は光変色性積層体に関する。更に詳細には、ジアリールエテン系フォトクロミック材料を用いた光変色性積層体に関する。
従来、支持体上にジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色層を積層してなり、発色した状態と消色した状態を互変的に記憶保持させる機能を有するフォトクロミック積層体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記フォトクロミック積層体を変色させる装置としては、紫外線を照射する装置が開示されており、太陽光を照射することなくフォトクロミック化合物を変色させることができるため、天候、時間、使用場所に左右されず変色を可能とすることができる。しかしながら、前記装置は紫外線を含む光を照射する光源を用いているため、人体への影響が懸念される。
特開2008−265144号公報
本発明は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いた積層体であって、人体への影響が少なく、安全性の高い青色光の照射により発色し、光照射を止めて放置しても自然に消色することなく、発色した状態と消色した状態を互変的に記憶保持させる機能を有する光変色積層体を提供しようとするものである。
本発明は、光源を備えた光照射具と、支持体上に、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色層を積層してなる光変色性積層体とからなり、前記光照射具の光源はピーク波長が400〜495nmの範囲にあり、前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は400nmから長波長側に光吸収領域を有し、400nmより長波長側で吸光度が最小になる波長(X)は700nm未満であり、波長(X)から700nmのジアリールエテン系フォトクロミック化合物が消色状態の吸光度積算値(Yd)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が下記式(1)を満たす光変色性積層体を要件とする。
Yc/Yd≧5 (1)
更には、前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が下記一般式(4)で示される化合物であること、
Figure 2017193115
(式中、Rは下記構造式(5)乃至(8)のいずれかで示される基であり、R乃至R10は、同一或いは異なっていてもよく、水素、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至16のアルキル又は炭素数1乃至16のアルコキシ基、ハロゲン、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のフルオロ又は炭素数1乃至4のペルフルオロ基、炭素数1乃至4のカルボン酸基、炭素数1乃至16のアルキルカルボン酸基、炭素数1乃至16のモノ又はジアルキルアミノ基、ニトリル基、フェニル基、ニトロ基、ナフタレン基、複素環を示す。但し、Yが窒素原子の場合、Rは存在しない。)
Figure 2017193115
Figure 2017193115
Figure 2017193115
Figure 2017193115
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させる主発光領域が500nm以上の可視光領域にある光源を備えた消色具を有してなること等を要件とする。
本発明は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いた積層体であって、人体への影響が少なく、安全性の高い青色光の照射により発色し、発色した状態と消色した状態を互変的に記憶保持させる機能を有するため、応用展開の多様性を満たす光変色性積層体を提供できる。
フォトクロミック化合物の波長と吸光度の関係を示すグラフである。 本発明光変色性積層体の一実施例の積層体の縦断面説明図である。 本発明光変色性積層体の一実施例の説明図である。
本発明の光変色性積層体は、光源を備えた光照射具と、支持体上に、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色層を積層してなる光変色性積層体とからなる。
前記光照射具に設けられる光源はピーク発光波長が400〜495nmの範囲にあって、主に青色光を照射するものである。よって、従来のフォトクロミック化合物を良好に変色させる光源である350〜390nm付近にピーク波長を有する紫外光を照射する光照射具とは異なり、紫色乃至青色光であるため、人体への影響が少なく、安全性が高い。
前記光源としては、前記ピーク発光波長を有する光源であれば全て用いることができるが、好ましくは青色発光ダイオードが用いられる。
前記発光ダイオードとしては、日亜化学工業(株)製、青色LED、品番NSPB636CS(ピーク波長465nm)、京セミ(株)製、青色LED、品番KED471M31(ピーク波長470nm)、星和電機(株)製、青色LED、品番SEDB16001A1(ピーク波長460nm)、京セミ(株)製、紫色LED、品番KED405UH3(ピーク波長405nm)、OPTOSUPPLY製、紫色LED、品番OSSV5111A(ピーク波長430nm)、OPTOSUPPLY製、紫色LED、品番OSSV9131A(ピーク波長430nm)が挙げられる。
なお、光照射具のピーク発光波長は、分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて、未照射時の反射スペクトルを基準にして光照射時の反射スペクトルを測定し、各波長でのスペクトル差を率に換算して強度とし、最も高い値の波長をピーク発光波長とした。
前記光照射具は、光源を取り付けるための本体を有することが好ましい。
前記本体は、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、石材、木材等の材質により形成され、好ましくはプラスチックにより形成される。
前記本体は光源を取り付けるものであって、必要により光源の光を効率的に照射するリフレクターを設けたり、光源を発光させるための電源を収容したり、通電用スイッチを設けることもできる。
前記電源としては、太陽電池或いは乾電池が好適に用いられ、乾電池は一次電池或いは二次電池のいずれであってもよい。
前記電源を光照射具の本体に設けることにより、前記積層体とは別体の軽便な光照射具が得られ、前記光照射具と積層体を組み合わせることにより光変色性積層体セットが得られる。
なお、電源として太陽電池を用いる場合、太陽光により光照射が可能となり、屋外での使用が可能となる。
前記太陽電池を用いる場合、太陽電池と共に蓄電池を併用することにより、太陽光下により発電し、蓄電池に充電して光照射が可能であり、太陽光下及び屋内でも光照射が可能となる。
前記電源を積層体に設ける場合、前記積層体に設けられた電源と光照射具は電気コードにより電気的に接続されてなる。
また、電源として発電式の電源を用いることもでき、モーター型手動発電機を光照射具の本体に設けたり、積層体に設けて光照射具と電気コードにより電気的に接続することもできる。
更に、スピーカー等の音声発生部材と、音声発生部材から所望の電子音を発生させるための電子音を制御する回路基板を収容することもできる。
前記本体の形状は積層体の形態によって種々の形状が挙げられる。
前記光変色性積層体において、光源と積層体が接した際に光源が発光し、光源と積層体が離れた際に光源が消光する制御機能を設けて、安全性の向上と電力消費を抑制することができる。
前記検知体としては、リミットスイッチ、光電センサ、超音波センサ等を用いて光源を発光、消光させたり、積層体に設けた磁性体の磁力を検知して光源を発光、消光させるリードスイッチが挙げられる。
前記光源には、光源から照射される紫外線を除去する透明性を有する紫外線吸収層を設けることもできる。
前記紫外線吸収層は、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂等の透明性樹脂に紫外線吸収剤を適量添加して成形した成形体の他、バインダー樹脂中に紫外線吸収剤を添加して光源表面に塗工して設けることもできる。
前記紫外線吸収剤としては、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、
2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、
2−[2−ヒドロキシフェニル−3,5−ジ−(1,1’−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール2−[3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチル−2−ヒドロキシフェニル]−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−4−オクトオキシフェニル]−ベンゾトリアゾール、
メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300の反応生成物、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸−トリハイドレート、
2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)−メタン、
2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、
2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート、
フェニルサリシレート、
4−tert−ブチルフェニルサリシレート、
4−オクチルフェニルサリシレート、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、
エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N′−(4−イソドデシルフェニル)、
2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸−21−オン、
微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタンを例示できる。
本発明は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を汎用の樹脂、例えば、各種合成樹脂エマルジョン、水溶性乃至油溶性の合成樹脂、その他糊剤等から選ばれる固着剤を含むビヒクル中に配合して塗料や印刷インキ等の液状物を調製し、公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により、紙、合成紙、糸、布帛、植毛或いは起毛布、不織布、合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁器、木材、石材、金属等の支持体上に光変色層を形成して積層体を得る。
前記支持体は、表面に着色層を設けた支持体を用いることもできる。
更に、金属光沢性を有する支持体上に光変色層を設けることもでき、色の異なる金属光沢色を視認することもできる。
前記金属光沢性を有する支持体としては、金属蒸着シート、虹彩シート、ホログラムシート、前記シートを表面に配設した支持体、金属蒸着箔を表面に配設した支持体、金属光沢顔料を表面に塗工もしくは練り込んだ支持体、再帰反射性を有するガラスビーズを表面に均一塗工した支持体等が挙げられる。
前記虹彩シートとしては、シート表面に該シートと屈折率が0.05以上の差がある透明な金属化合物(例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化カドミウム、弗化マグネシウム、弗化セリウム等)の薄膜層を形成し、該薄膜と屈折率が0.05以上の差がある凹凸の透明樹脂層の順に積層したもの、屈折率が異なる透明なプラスチック薄膜を多層に積層したものを例示できる。
前記ホログラムシートとしては、微細な凹凸模様の少なくとも片面にAl、Cr、Ni、Sn、Fe、Co、Cu、Pb、Sb、Mg、Cd、Bi等の金属を蒸着して光反射層を設けたものを例示できる。
前記金属光沢顔料としては、アルミニウムや真鍮等の金属粉、透明性芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料、カラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料、金属蒸着膜の片面又は両面に透明又は着色透明フィルムを設けた金属光沢フィルム片を細かく裁断した光輝性微小片、金属蒸着シート、虹彩シート、ホログラムシートを細かく裁断した光輝性微小片を例示できる。
更に、金属光沢性を有する支持体として透明性基材の裏面に金属蒸着を施して鏡面加工したものを用いることもできる。
前記ビヒクルは溶剤と、樹脂と、必要により各種添加剤とから構成される。
前記溶剤としては、水、各種有機溶剤が挙げられる。
前記有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、n−オクタン、イソオクタン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
前記樹脂としては、アイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックススチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、ポリイソブチレン、ブチルゴム、環化ゴム、塩素化ゴム、ポリビニルアルキルエーテル、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、ケトン樹脂、トルエン樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、メタクリル酸エステル系共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、塩化ビニル系共重合体エマルジョン、塩化ビニリデン系共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、ロジンエステルエマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ポリウレタン系エマルジョン、合成ゴムラテックス等の合成樹脂。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリスチレン、クマロンプラスチック、ポリブテン、フェノキシプラスチック、液状ポリブタジエン、液状ゴム、石油系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等の合成中分子ポリマー。
セルロース誘導体、アルギン酸誘導体、ロジン誘導体、デンプン類、多糖類、ガム類、天然ゴム、セラック、寒天、ガゼイン、ニカワ、ゼラチン、ポリテルペン等の天然又は半合成樹脂等が挙げられる。
前記添加剤としては、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、潤滑剤、防黴剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
また、フォトクロミック化合物と共に、非変色性有色顔料の適宜量を混在させて光変色時の色変化を多彩に構成することもできる。
なお、前記光変色層は、液状組成物中の溶剤が揮発してそれ以外の化合物により形成される層である。
また、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に前記フォトクロミック化合物をブレンドした成形用樹脂組成物により成形した成形物(光変色層)、或いは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂と、フォトクロミック化合物をブレンドして成形した成形物(光変色層)を支持体上に貼着して積層体を形成してもよい。
更に、前記積層体の光変色層上には、光安定剤を含む層を積層することによって耐光性を向上させたり、或いは、トップコート層を設けて耐久性を向上させることもできる。
前記積層体の具体例としては、被服、履物、貴金属、照明器具、玩具、造花、文房具、日用品、台所用品、化粧用具、運動用具、書籍等の印刷物、乗物、機械、屋内装飾品、医療品等が挙げられる。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、光変色層全量に対し0.005〜20質量%、好ましくは、0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲の含有量が実用的であり、変色性を満たす。
0.005質量%未満では発色濃度が低く、光変色による効果を視認し難い。
一方、添加量が20質量%を越えても、含有量に相応する発色濃度効果が得られ難い。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、そのままの染料形態、フォトクロミック化合物を熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散した樹脂粒子、或いは、フォトクロミック化合物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料として実用に供することができる。
前記マイクロカプセル顔料や樹脂粒子は、平均粒子径が0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用性を満たす。前記マイクロカプセルの平均粒子径が100μmを越えると、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。一方、平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
粒子径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置〔(株)堀場製作所製;LA−300〕を用いて測定し、その数値を基に平均粒子径(メジアン径)を体積基準で算出する。
前記マイクロカプセル化は、イソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物としては、青色光を適用した際にも高い感度で変色する化合物が用いられ、400nmから長波長側に光吸収領域を有し、且つ、400nmより長波長側で吸光度が最小になる波長(X)は700nm未満であり、波長(X)から700nmのジアリールエテン系フォトクロミック化合物が消色状態の吸光度積算値(Yd)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が下記式(1)を満たす(図1参照)。
Yc/Yd≧5 (1)
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、400nmから長波長側に光吸収領域を有することにより、青色光(紫色乃至青色光)により発色する。
また、400nmより長波長側で吸光度が最小になる波長(X)は700nm未満であり、波長(X)から700nmのジアリールエテン系フォトクロミック化合物の消色状態の吸光度積算値(Yd)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が式(1)を満たすことにより、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が発色状態を保持することができる。
なお、Yc/Ydは好ましくは10以上であり、より好ましくは15以上である。
消色状態の吸光度積算値(Yd)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が式(1)を満たさない、即ち、Yc/Ydが5未満では、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が発色状態を保持することができず、発色状態と消色状態を互変的に記憶保持させる機能を示し難くなる。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が発色状態の積層体を暗所、例えば、光遮蔽性の収容体に収容することによって、発色状態を確実且つ十分に保持することができ、発色状態の記憶保持性を満足させることができる。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の波長(X)から700nmの範囲における、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を発色させて暗所で5分間放置した吸光度積算値(Z)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が下記式(2)を満たすことによりジアリールエテン系フォトクロミック化合物が暗所で十分な発色濃度を保持し続けることができ、発色状態の記憶保持性を満足させることができる。
Z/Yc≧0.9 (2)
なお、Z/Ycは好ましくは0.95以上であり、より好ましくは0.97以上である。
前記光源を備えた光照射具と、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色層を設けた積層体と、光遮蔽性の収容体とを組み合わせて光変色性積層体セットとすることもできる。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が発色状態の積層体を室内で使用する場合は、波長(X)から700nmのジアリールエテン系フォトクロミック化合物を発色させて室内で放置した吸光度積算値(Z1)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が下記式(3)を満たすことによりジアリールエテン系フォトクロミック化合物が室内で十分な発色濃度を保持し続けることができ、発色状態の記憶保持性を満足させることができる。
Z1/Yc≧0.5 (3)
なお、Z1/Ycは好ましくは0.6以上であり、より好ましくは0.65以上である。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物としては、
1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−(5−メチル−2−フェニル−4−チアゾイル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メトキシ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メトキシ−5−メチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−アミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−アミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピロリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジエチルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−アセチルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−ブチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾフラニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−モルホリノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メトキシ−2−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メチル−2−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(3−メチル−2−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(3−メチル−2−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−(3−メチル−2−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−ブチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2−メチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−[2−メチル−5−(4−メチルフェニル)−3−チエニル]−2−[2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−[2−メチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル]−2−[2,4−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−[2−メチル−5−(4−メチルフェニル)−3−チエニル]−2−[2,4−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(2−フェニルエテニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−アミノフェニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1−(2,4−ジメチル−5−フェニル−3−チエニル)−2−[2,4−ジメチル−5−(2−フェニルエテニル)−3−チエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−エチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−エチル−6−(5−メチル−2−チエニル)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−エチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−エチル−6−(1−モルホリノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、
等を例示できる。
なお、前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物として、一般式(4)で示される化合物を用いることにより、青色光の照射による発色感度に優れるため、短時間で発色させることができ、十分な視覚による変色効果を発現させることができる。
Figure 2017193115
(式中、Rは下記構造式(5)乃至(8)のいずれかで示される基であり、R乃至R10は、同一或いは異なっていてもよく、水素、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至16のアルキル又は炭素数1乃至16のアルコキシ基、ハロゲン、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のフルオロ又は炭素数1乃至4のペルフルオロ基、炭素数1乃至4のカルボン酸基、炭素数1乃至16のアルキルカルボン酸基、炭素数1乃至16のモノ又はジアルキルアミノ基、ニトリル基、フェニル基、ニトロ基、ナフタレン基、複素環を示す。但し、Yが窒素原子の場合、Rは存在しない。)
Figure 2017193115
Figure 2017193115
Figure 2017193115
Figure 2017193115
前記一般式(4)で示されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物としては、
1,2−ビス(2,5−ジフェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−フェニル−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−ブチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[3−メトキシ−2−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[3−メチル−2−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−(4−メトキシフェニル)−3−ベンゾフラニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−エチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,5−ジフェニルエチニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−フェニル−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス(2,5−ジフェニル−3−オキサゾール)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−(4−メトキシフェニル)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン、
1,2−ビス[2−エチル−6−ニトロ−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン等を例示できる。
なお、前記一般式(4)で示されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物のうち、R乃至R10にフェニル基、或いは、ニトロ基を有する化合物は、青色光の照射による発色感度に優れると共に、耐光性も優れるため、十分な視覚による変色効果と実用性を満足させることができる。
更に、前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、融点或いは軟化点が40℃以下であり、且つ、沸点が200℃以上の芳香族化合物及び/又はエステル化合物に溶解して用いることにより、発色時の色濃度が高くなり、変色感度を向上させ、耐光性を向上させることができる。
前記芳香族化合物として好ましくは重量平均分子量が200乃至6000、好ましくは200乃至4000のスチレン系オリゴマーである。
スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなる。
また、重量平均分子量が6000を越えると、軟化点が高くなり、光照射により色残りが発生し易く、且つ、色濃度が低くなり、変色感度は鈍くなる傾向にある。
前記芳香族化合物を以下に例示するが、本発明に用いられる芳香族化合物はこれらに限定されるものではない。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
芳香族化合物としては、カクタスP−180、ソルベッソ200等の芳香族有機溶剤が挙げられる。
前記化合物の融点及び沸点は、熱特性測定器(メトラー・トレド社製、FP900サーモシステム)にて測定し、軟化点は、和球自動軟化点試験器(メイテック社製、ADM−1E)にて測定する。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン系共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等が挙げられる。
スチレン−α−メチルスチレン系共重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスチックA5(重量平均分子量317)、ピコラスチックA25(重量平均分子量348)等が用いられる。
α−メチルスチレン重合体としては、理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3025等が用いられる。
前記スチレン系オリゴマーは単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いることもできる。
一方、融点又は軟化点が40℃以下であり沸点が200℃以上のエステル化合物として好ましくは脂肪族エステル化合物又は芳香族エステル化合物である。
前記エステル化合物を以下に例示するが、本発明に用いられるエステル化合物はこれらに限定されるものではない。
前記脂肪族エステルとしては、カプリル酸n−デシル、カプリン酸セチル、カプリン酸ステアリル、ラウリン酸n−オクチル、ラウリン酸ラウリル、ラウリン酸ミリスチル、ミリスチン酸n−ブチル、ミリスチン酸n−デシル、ミリスチン酸ラウリル、パルミチン酸n−ブチル、パルミチン酸n−デシル、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸n−デシル、ステアリン酸ラウリル、ステアリン酸ネオペンチル、パルミチン酸ネオペンチル、ステアリン酸2−エチルブチル、パルミチン酸シクロヘキシルメチル等が用いられる。
前記芳香族エステル化合物としては、ミリスチン酸ベンジル、安息香酸セチル、ステアリン酸4−イソプロピルベンジル等が用いられる。
前記フォトクロミック化合物と芳香族化合物及び/又はエステル化合物の質量比は、1:1〜1:10000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500である。
前記質量比を満たすことによって、耐光性向上効果に優れ、且つ、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は十分な色濃度を示すことができる。
更に、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物と、芳香族化合物及び/又はエステル化合物と共に下記一般式(A)で示されるフェノール系化合物を含有させることができ、色濃度が更に高くなり、また、耐光性が更に向上する効果を有する。
Figure 2017193115
なお、一般式(A)のR′、R″’はそれぞれ水素原子、直鎖又は分枝を有する炭素数1乃至4の炭化水素基から選ばれ、R’’’は直鎖又は分枝を有する炭化水素基である。
前記フェノール系化合物としては、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、4,4′−(2−エチルヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール、4,4′−(1−メチルエチリデン)−ビス(2−メチル−フェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2′,6,6′−テトラメチル−4,4′−メチレンジフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド〕、ジエチル〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ホスフォネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサ−tert−ブチル−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレンビス〔3−(3,5―ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート等を例示できる。
前記積層体は、ピーク波長が400〜495nmの範囲にある光源を備えた光照射具による光照射によりジアリールエテン系フォトクロミック化合物を発色させ、発色状態を維持させることができる。
前記発色状態のジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させる消色具は、主発光領域が500nm以上の可視光領域にある光源を備えた消色具の他、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を含み、紫外線を含む500nm未満の波長の光をカットして500nm以上の波長の可視光を照射することにより発色状態にあるジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させ、消色状態に変位させて維持させる消色具が挙げられ、汎用の紫外線吸収剤、光遮蔽性顔料及び/又は染料を熱可塑性プラスチックに一体的にブレンドして成形したシート状、フィラメント状、その他任意形象の成形体を例示できる。
前記消色具は、分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて、未照射時の反射スペクトルを基準にして光照射時の反射スペクトルを測定し、各波長のスペクトル差を率に換算して強度とし、500nm以下の各波長の光強度が500nm以上にあるピーク波長の光強度最大値の5%以下であることが好ましく、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させる機能に優れる。
尚、前記したシートや薄肉状の成形体にあっては、文字、図柄、模様等の像を内部に型抜きし、発色像と消色像との対比による視覚効果を高めることができる。
また、前記消色具は、透明乃至半透明性のシートや任意形象の造形体等からなる支持体に、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤をバインダー樹脂を含むビヒクルに溶解又は分散状態に固着させた印刷乃至塗布層(像を含む)を設けたもの、印像又は筆記像を設けたもの、或いは、前記印刷乃至塗布層、印像又は筆記像を成形体上に直接的に配設したものでもよい。
また、前記消色具は、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を表面に固着、或いは、ブレンドした透明性繊維から構成される織物、編物、組物、不織布等の柔軟性を備えた布帛であってもよい。
前記透明性繊維としては平糸状のものが効果的であり、縦糸と横糸の一方、或いは両方を平糸状透明性繊維として用いた織物が好適である。
更には、消色具として、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を配合したペースト状乃至ジェル等の塑性乃至流動体形態のものであってもよい。
前記熱可塑性プラスチックに紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を配合する場合、プラスチックに対して0.001質量%〜40質量%、好ましくは、0.01質量%〜30質量%配合することによって、効果的な紫外線を含む500nm未満の波長の光をカットする役目を果たす。
又、バインダー樹脂を含むビヒクル中に紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する光遮蔽性顔料及び/又は染料、必要により紫外線吸収剤を配合する場合、バインダー樹脂に対して0.05質量%〜40質量%、好ましくは、0.1質量%〜30質量%配合することによって、効果的な紫外線を含む500nm未満の波長の光をカットする役目を果たす。
前記主発光領域が500nm以上の可視光領域にある光源を備えた消色具は、光源を備えた光照射具と一体に形成してもよく、各光源の発光と消光を切り替えることにより実用に供することができる。
また、前記光照射具と積層体にステンシルを組み合わせて光変色性積層体セットとすることもできる。
前記ステンシルは、光照射具と積層体との間に介在させて光照射することにより積層体に適宜絵柄や図柄を形成することができる。
前記ステンシルは、透明性基材に部分的に光遮蔽層(光遮蔽像)や400〜495nmの範囲の光を吸収する層(像)を設けたステンシルが挙げられる。
その際、写真調の絵柄やグラデーション模様の図柄からなる光遮蔽層(光遮蔽像)や400〜495nmの範囲の光を吸収する層(像)を設けることにより、積層体に立体感や高級感のある絵柄や図柄を形成することができる。
前記ステンシルは、積層体と密接する面を有することにより、明瞭な像を形成することができる。
なお、前記積層体は、立体形状の他、シートであってもよい。
前記積層体が平面形状(シート)の場合、前記ステンシルの形状は、平面形状(シート)の他、少なくとも一面が平面形状の立体物が挙げられる。
また、前記積層体が立体形状の場合、前記ステンシルの形状は、前記積層体に密接する立体表面を少なくとも有する立体物が挙げられる。
更に、前記ステンシルが柔軟性を有する材料で形成される場合、あらゆる形状の積層体にステンシルを押し付けることにより密接させることができ、鮮明な像を所望の箇所に形成することができる。
前記ステンシルに染料又は顔料を含む400〜495nmまでの最小透過率が5%未満である光遮蔽性有色像と、400〜495nmまでの最小透過率が5%以上である光透過性有色像とを設けることにより、ステンシルに形成された像と、前記ステンシルを用いて積層体に形成される像が異なり、意外性、変化性を付加することができる。
なお、前記光遮蔽性有色像は、ステンシルの積層体と密接する面に設けることが好ましく、積層体上に光遮蔽性有色像により光が遮られた箇所がより明瞭な像を形成することができる。
なお、前記ステンシルは光源を覆う着脱自在のステンシルであってもよく、透明性基材に部分的に光遮蔽層(光遮蔽像)や400〜495nmの範囲の光を吸収する層(像)を設けて光源からの光を部分的に遮蔽して積層体に像を形成する光遮蔽性像を有するステンシルが挙げられる。
前記ステンシルは、異なる像を有する複数のステンシルを備えることが好ましい。
前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含有する光変色層中には、蓄光材料或いは蛍光材料を含有させたり、光変色層の下層に蓄光材料或いは蛍光材料を含む層を設けることができる。
蓄光材料を用いた系では光照射具からフォトクロミック化合物を含有する光変色層に光照射した際、照射箇所の蓄光材料が発光し、蛍光材料を用いた系では照射箇所の蛍光材料がリン光を発する。そのため、意外性を有すると共に、光照射時に視認される像と、光照射を止めた状態でジアリールエテン系フォトクロミック化合物により形成される像の様相が異なるため、変化性を有する光変色性積層体を得ることができる。
前記蓄光材料は、公知のCaS/Bi系、CaSrS/Bi系、ZnS/Cu系、ZnCdS/Cu系、SrAl2 4 /稀土類金属系等の材料を用いることができる。
前記蛍光材料は、蛍光染料(蛍光増白剤を含む)、蛍光染料を樹脂に固着させた蛍光顔料、CaS:Eu2+、CaSiN:Eu2+、SrSi:Eu2+、(Sr,Ca)SiO:Eu2+、CaAlSiN:Eu2+、SrCa:Eu2+、(Ba,Sr)SO:Eu2+、YAl12:Ce3+、ベータサイアロン(β−sialon:Eu2+)等の無機蛍光体等が挙げられる。
前記蓄光材料或いは蛍光材料は一種類を単独で用いる他、二種類以上を併用して用いてもよい。また、蓄光材料と蛍光材料を併用して用いることもできる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の部は、質量部を示す。
光照射具のピーク波長の測定方法
分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて、未照射時の反射スペクトルを基準にして光照射時の反射スペクトルを測定し、各波長でのスペクトル差を率に換算して強度とし、最も高い値の波長をピーク波長とした。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の吸光度測定及び吸光度積算値の測定
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物1部をエタノール8000部に混合、溶解し、溶解部をデカンテートして溶液を抽出し、セルに溶液を入れて青色系LED〔京セミ(株)製、KED405UH3(ピーク発光波長405nm)〕を1分間照射した後、日立製作所製U−3210形自記分光光度計にて吸光度を320nmから700nmの波長の範囲で測定した。測定した吸光度−波長特性グラフについて、400nmから長波長側で吸光度が最小になる波長(X)を求め、波長(X)から700nmの吸光度積算値を求めた。
以下の表に適用するジアリールエテン系フォトクロミック化合物及びスピロナフトオキサジン系フォトクロミック化合物の発色時の色、波長(X)、吸光度積算値Yd、Yc、Z、Z1、式1(Yc/Yd)の値、式2(Z/Yc)の値、式3(Z1/Yc)の値を示す。
Figure 2017193115
なお、表中の発色時の色は、青色系LED〔京セミ(株)製、KED405UH3(ピーク発光波長405nm)〕を1分間照射したときの色調を表す。
Figure 2017193115
表中のフォトクロミック化合物について説明する。
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物1は、1,2−ビス[2−メチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物2は、1,2−ビス(2−ブチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物3は、1,2−ビス(2−メチル−6−ニトロ−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物4は、1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物5は、1,2−ビス[2−エチル−6−(1−ピペリジノ)−3−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物6は、1,2−ビス(6−ジベンジルアミノ−2−エチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物7は、1,2−ビス(2−フェニル−3−ベンゾフラニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物8は、1,2−ビス(2,5−ジフェニル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物9は、1,2−ビス[2−(4−メトキシフェニル)−3−ベンゾフラニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物10は、1,2−ビス[3−メトキシ−2−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物11は、1,2−ビス[3−メチル−2−ベンゾチエニル]−3,3,4,4,5,5,−ヘキサフルオロシクロペンテン。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物12は、1,2−ビス(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン。
スピロナフトオキサジン系フォトクロミック化合物13は、1,3,3−トリメチル−6′−(1−モルホリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン。
実施例1(図2、3参照)
光照射具の作製
円筒形の本体21(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具2を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物1(10部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈して液状組成物(塗料)を得た。
前記塗料を用いて支持体31として白色の軟質塩化ビニル製シート(厚さ200μm)上にスプレーガンにて塗装し、光変色層32を設けて積層体を得た。
前記光照射具2と積層体3を組み合わせた光変色性積層体1は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から紫色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長630nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて消色具を得た。
前記紫色に変色した積層体に前記消色具を用いて光照射したところ、紫色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が紫色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例2
光照射具の作製
紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビンPS)1部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して紫外線吸収インキを得た。
前記紫外線吸収インキを用いて、LED(ピーク波長405nm)の表面に塗工して紫外線吸収層を設けた。
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源として前記LEDを取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物1(2部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料30部を、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン45.0部、消泡剤1.0部、希釈水23.0部からなるビヒクル中に均一分散し、180メッシュスクリーンでろ過してフォトクロミック液状組成物(スプレー塗料)を得た。
前記スプレー塗料をスプレーガン(口径0.6mm)に充填して白色布帛(支持体)の全面に塗装を施した後、乾燥させて光変色層を形成して積層体(フォトクロミック布帛)を得た。
前記布帛を縫製して、人形用の水着を作製した。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から紫色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が405nmであるが紫外線吸収層により紫外線が吸収された青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、塩化ビニル樹脂100部を混合して成形したシート(消色具)を得た。
前記紫色に変色した積層体に消色具を配置して白色のLEDを備えた光照射装置を用いて光照射したところ、照射箇所が紫色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が白色から紫色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例3
光照射具の作製
内部に空洞を有する円筒形の本体(直径100mm、長さ250mm)内に電源として電池を内蔵し、本体の空洞に向けて光照射できるように光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物2(0.05部)を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料15部を、50%アクリル樹脂/キシレン溶液20.0部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂10.0部、メチルイソブチルケトン30.0部、シクロヘキサノン30.0部からなるビヒクル中に攪拌混合してフォトクロミック液状組成物(スプレー塗料)を得た。
前記スプレー塗料をスプレーガン(口径0.6mm)に充填してABS樹脂を射出成形した車型の白色ミニチュアのボディー(支持体)全体に塗装を施した後、乾燥させて光変色層を形成して積層体(フォトクロミックミニチュアカー)を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から赤色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
紫外線吸収剤として(BASF社製、製品名:チヌビン328)1部、紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、塩化ビニル樹脂100部を混合して成形したシート(消色具)を得た。
前記赤色に変色した積層体に消色具を配置して白色のLEDを備えた光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が赤色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から赤色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例4
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物3(0.05部)を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料35部を、軟質エポキシ樹脂45.0部、低粘度エポキシ樹脂20.0部、ヒンダードアミン系光安定剤6.0部、揺変性付与剤2.0部、消泡剤0.3部からなるビヒクル中に均一に分散混合した後、常温硬化型の脂肪族ポリアミン40.0部を均一に攪拌混合してフォトクロミック液状組成物(軟質エポキシインキ)を得た。
前記インキを白色ミニチュアハウスの屋根(支持体)に刷毛を用いて塗装し、70℃で1時間加温硬化させて光変色層を形成し、積層体(フォトクロミックミニチュアハウス)を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に無色から橙色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
透明性繊維から構成される織布の表面に、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕をバインダー樹脂により固着させて消色具を得た。
前記橙色に変色した積層体に消色具を配置して白色のLEDを備えた光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が橙色から無色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に無色から橙色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例5
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物4(3部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料30部を、硬質液状エポキシ樹脂60.0部、ヒンダードアミン系光安定剤2.0部、揺変性付与剤2.0部、消泡剤0.5部からなるビヒクル中に均一に分散混合した後、常温硬化型の脂肪族ポリアミン35.0部を添加し、均一に分散混合してフォトクロミック液状組成物(エポキシインキ)を得た。
前記インキを白色マグカップ(支持体)の表面にスクリーン印刷にて円形状に印刷し、70℃で1時間加温硬化させて光変色層を形成し、フォトクロミック積層体(フォトクロミックマグカップ)を得た。
前記光照射具と前記積層体を組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から紫色に変色して円形が現出し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
消色具の作製
透明性繊維から構成される織布の表面に、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕をバインダー樹脂により固着させて消色具を得た。
前記紫色に変色した積層体に消色具を配置して太陽光を照射したところ、照射箇所の円形が紫色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が白色から紫色に変色して円形が現出した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例6
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)の先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設け、本体の後部から電気コードを延設して光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物5(0.05部)を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料40.0部を、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン58.0部、消泡剤3.0部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1.0部、レベリング剤3.0部、防腐剤1.0部からなるビヒクル中に均一に混合してフォトクロミック液状組成物(スクリーンインキ)を得た。
白色合成紙(支持体)上に前記スクリーンインキを用いてベタ柄の光変色層を形成して積層体(フォトクロミック印刷物)を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から青色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)の先端部に光源としてLED(ピーク波長660nm)を取り付け、表面部にスイッチを設け、本体の後部から電気コードを延設して光照射具を得た。
前記青色に変色した積層体に前記消色具を用いて光照射したところ、青色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が白色から青色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例7
光照射具の作製
U字形状のプラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、本体の凹部にリフレクターと、複数の光源としてLED(ピーク波長460nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物6(1部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)20部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料30.0部を、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン80.0部、水分散ヒンダードアミン系光安定剤1.5部からなるビヒクル中に均一に分散してフォトクロミック液状組成物(水性コーティング溶液)を得た。
前記コーティング溶液中に、70mmの長さにカットした7デニールのポリアクリロニトリル原綿100.0重量部を浸漬させた後、遠心分離により余分なコーティング溶液を除去して90℃で10分間乾燥させてフォトクロミック積層体(フォトクロミックポリアクリロニトリル原綿)を得た。
前記原綿をカードにかけてスライバーにした後、ハイパイル編み機で製編しシャーリング加工してパイル長20mmのフォトクロミックハイパイル生地を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から青色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が460nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
U字形状のプラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、本体の凹部にリフレクターと、複数の光源としてLED(ピーク波長660nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光消色具を得た。
前記青色に変色した積層体に前記消色具を用いて光照射したところ、青色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が青色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例8
光照射具の作製
紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビンPS)1部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して紫外線吸収インキを得た。
前記紫外線吸収インキを用いて、LED(ピーク波長405nm)の表面に塗工して紫外線吸収層を設けた。
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源として前記LEDを取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物6(3部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料15.0部を、アクリル樹脂(50%)を含むキシレン溶液25.0重量部、シクロヘキサノン10.0重量部、イソシアネート系硬化剤5.0重量部、消泡剤1.0重量部からなるビヒクル中に均一に混合してフォトクロミック液状組成物(タンポ印刷インキ)を得た。
黄色のキーホルダー(支持体)上に前記タンポ印刷インキを用いて「ABC」の文字を印刷して光変色層を設け、次いで、アクリル系樹脂(50%)を含むキシレン溶液25.0重量部、メチルイソブチルケトン30.0重量部、キシレン10.0重量部、イソシアネート系硬化剤5.0重量部からなる透明インキ(乾燥塗装膜での400nmの光透過率80%)をスプレー塗装し、50℃で加温、硬化を行って保護層を形成して積層体(フォトクロミックキーホルダー)を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が無色から青色に変色し、支持体の黄色と混色になった緑色の「ABC」の文字が現出し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が405nmであるが紫外線吸収層により紫外線が吸収された青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NUBIAN ORANGE PA−2200(オリヱント化学社製)〕3部、紫外線吸収剤として2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール2部、PET樹脂100部を混合して成形した中空の消色具を得た。
前記紫色の積層体に消色具を配置して白色のLEDを備えた光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所の光変色層が青色から無色に変色し、「ABC」の文字は視認されなくなった。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が無色から青色に変色して緑色の「ABC」の文字が現出した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例9
光照射具の作製
内部に空洞を有する円筒形の本体(直径100mm、長さ250mm)内に電源として電池を内蔵し、本体の空洞に向けて光照射できるように光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物7(10部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈して液状組成物(塗料)を得た。
前記塗料を用いて支持体として白色のドロップ(しずく)型の成形体上にスプレーガンにて塗装して光変色層を設けて積層体を得た。
前記積層体をつなぎ合わせてモビールを得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から橙色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
透明性繊維から構成される織布の表面に、紫外線を含む500nm未満の波長の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕をバインダー樹脂により固着させて消色具を得た。
前記橙色に変色した積層体に消色具を配置して太陽光を照射したところ、照射箇所が橙色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から橙色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例10
光照射具の作製
環状のプラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、本体の内面部にリフレクターと、光源としてLEDを取り付け、本体外面部に電源スイッチと切替スイッチを設けて光照射具を得た。
なお、前記光源はピーク波長400nmのLEDが複数取り付けられている他、ピーク波長660nmのLEDが複数の取り付けられており、切替スイッチにより各LEDの発光と消光を制御して光照射具としての機能と光消色具としての機能の双方を有する。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物8(10部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈して液状組成物(塗料)を得た。
前記塗料を用いて支持体として白色シート上にスプレーガンにて塗装し、積層体を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所の積層体が鋭敏に白色から青色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が400nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
前記青色に変色した積層体に光照射具(光消色具)を用いてピーク波長660nmのLEDから光照射したところ、青色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度ピーク波長400nmのLEDから光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から青色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例11
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物9(3部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料15部を、50%アクリル樹脂/キシレン溶液20.0部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂10.0部、メチルイソブチルケトン30.0部、シクロヘキサノン30.0部からなるビヒクル中に攪拌混合してフォトクロミック液状組成物(スプレー塗料)を得た。
前記スプレー塗料をスプレーガン(口径0.6mm)に充填して白色布帛(支持体)の全面に塗装を施した後、乾燥させて光変色層を形成して積層体(フォトクロミック布帛)を得た。
前記布帛を縫製して、人形用の水着を作製した。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から橙色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
PETフィルム上に、紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合したインキを用いて、スクリーン印刷により「S」の文字を印刷して消色具を得た。
前記橙色の積層体に消色具を配置して太陽光を照射したところ、「S」の文字を印刷した箇所以外の照射箇所が橙色から白色に変色し、「S」の文字が現出した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が白色から橙色に変色して「S」の文字は視認されなくなった。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例12
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物10(0.05部)を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料40.0部を、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン58.0部、消泡剤3.0部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1.0部、レベリング剤3.0部、防腐剤1.0部からなるビヒクル中に均一に混合してフォトクロミック液状組成物(スクリーンインキ)を得た。
支持体として合成樹脂製シートに前記スクリーンインキを用いてベタ柄の光変色層を形成して積層体(レジャー用シート)を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から黄色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
PETフィルム上に、紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、50%アクリル樹脂酢酸ブチル溶液94部、粘度調整剤1部を混合したインキを用いて、スクリーン印刷により「ハート」の模様を印刷して消色具を得た。
前記黄色の積層体に消色具を配置して太陽光を照射したところ、「ハート」の模様を印刷した箇所以外の照射箇所が黄色から白色に変色し、「ハート」の模様が現出した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が白色から黄色に変色して「ハート」の模様は視認されなくなった。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例13
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、光照射具を得た。
なお、前記光照射具には、光源を覆う着脱自在のステンシルを備えてなり、前記ステンシルは柔軟性を有する透明性基材に部分的にネコの絵柄の光遮蔽像を設けてなる。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物11(0.05部)を、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料40.0部を、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン58.0部、消泡剤3.0部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1.0部、レベリング剤3.0部、防腐剤1.0部からなるビヒクル中に均一に混合してフォトクロミック液状組成物(スクリーンインキ)を得た。
支持体として不織布に前記スクリーンインキを用いてベタ柄の光変色層を形成して積層体(壁紙)を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から黄色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
また、光照射具の光源にステンシルをセットして積層体に押し付けて光照射したところ、照射箇所が白色から黄色に変色してネコの絵柄が現出し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長630nm)を取り付け、消色具を得た。
前記黄色に変色した積層体に前記消色具を用いて光照射したところ、黄色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が黄色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例14
光照射具の作製
内部に空洞を有する円筒形の本体(直径100mm、長さ250mm)内に電源として電池を内蔵し、本体の空洞に向けて光照射できるように光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
なお、前記光照射具には、光源を覆う着脱自在のステンシルを備えてなり、前記ステンシルは柔軟性を有する透明性基材に部分的に花柄の光遮蔽像を設けなる。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物2(0.5部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液50部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて支持体として射出成形で作製した白色ABS製つけ爪にスプレーガンにて塗装し、光変色層を設けて積層体を得た。
前記光照射具と積層体を組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から赤色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
また、光照射具の光源にステンシルをセットして積層体に押し付けて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から赤色に変色して花柄が現出し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕1部、アルギン酸ナトリウム3部、水97部を混合した水溶性ジェル(消色具)を作製した。
前記橙色の積層体に水溶性ジェルを塗布して白色のLEDを備えた光照射具を用いて光照射したところ、ジェルを塗布した部分のみ赤色から白色に変色した。ジェルを筆で塗布することで繊細な柄の表現が可能となった。
次に、ジェルを除去して光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に白色から赤色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例15
光照射具の作製
紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビンPS)1部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して紫外線吸収インキを得た。
前記紫外線吸収インキを用いて、LED(ピーク波長405nm)の表面に塗工して紫外線吸収層を設けた。
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源として前記LEDを取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物3(1部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)30部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料1部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて支持体として射出成形で作製したポリエチレン製のバレッタ(髪留め)にスプレーガンにて水玉柄を塗装し、光変色層を設けて積層体を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に橙色の水玉柄に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が405nmであるが紫外線吸収層により紫外線が吸収された青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長630nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて消色具を得た。
前記紫色の水玉柄に変色した積層体に前記消色具を用いて光照射したところ、橙色から白色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に橙色に変色し水玉柄が現れた。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例16
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内に蓄電池を内蔵し、本体表面に太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下により発電し、蓄電池に充電して光照射が可能であり、太陽光下及び屋内でも光照射が可能である。
なお、前記光照射具には、光源を覆う着脱自在のステンシルを備えてなり、前記ステンシルは柔軟性を有する透明性基材に部分的に「ありがとう」の文字の光遮蔽像を設けなる。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物7(1.5部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、支持体として中空成形で作製したポリスチレン製透明性ボードの表面に刷毛にて塗装し、光変色層を設けて積層体を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に無色から橙色に変色し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
また、光照射具の光源にステンシルをセットして積層体に押し付けて光照射したところ、照射箇所が鋭敏に無色から橙色に変色して「ありがとう」の文字が現出し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
紫外線吸収剤として(BASF社製、製品名:チヌビン328)1部、紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、塩化ビニル樹脂100部を混合して成形したシート(消色具)を得た。
前記橙色の積層体に消色具を配置して白色のLEDを備えた光照射具を用いて光照射したところ、橙色から無色に変色した。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に無色から橙色に変色した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
実施例17
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)の先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設け、本体の後部から電気コードを延設して光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物8(1部)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン15部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、支持体として中空成形により作製した乳白色ポリプロピレン製の浮きにタンポ印刷により魚の絵を印刷して光変色層を設けて積層体を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が鋭敏に乳白色から青色に変色して魚の絵が現出し、この状態は室内、暗所のいずれの場所で放置しても変色することなく、その状態を維持していた。
なお、前記光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性積層体を得ることができた。
消色具の作製
紫外線吸収剤として(BASF社製、製品名:チヌビンPS)1部、紫外線を含む500nm未満の光を遮蔽する顔料〔NOVOPERM YELLOW H10G(C.I.PIGMENT YELLOW 81)〕5部、塩化ビニル樹脂100部を混合して成形したシート(消色具)を得た。
前記青色に変色した積層体に消色具を配置して太陽光を照射したところ、照射箇所が青色から乳白色に変色して魚の絵は視認されなくなった。次に光照射具を用いて再度光照射したところ、照射箇所が鋭敏に乳白色から青色に変色して魚の絵が現出した。前記変化は繰り返し行なうことができた。
比較例1
光照射具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のジアリールエテン系フォトクロミック化合物12(10部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈して液状組成物(塗料)を得た。
前記塗料を用いて支持体として白色の軟質塩化ビニル製シート(厚さ200μm)上にスプレーガンにて塗装し、積層体を得た。
前記光照射具を用いて積層体に光照射具を用いて光照射しても変色しないため、光変色性積層体としての実用性を満足させていなかった。
比較例2
光照射具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、本体表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
積層体の作製
表中のスピロナフトオキサジン系フォトクロミック化合物13(10部)を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈して液状組成物(塗料)を得た。
前記塗料を用いて支持体として白色の軟質塩化ビニル製シート(厚さ200μm)上にスプレーガンにて塗装し、積層体を得た。
前記光照射具と積層体とを組み合わせた光変色性積層体は、積層体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が無色から紫色に変色するものの、光照射を止めるとすぐに消色するため、積層体としての応用展開を満足させることはできなかった。
1 光変色性積層体
2 光照射具
21 本体
22 光源
3 積層体
31 支持体
32 光変色層

Claims (3)

  1. 光源を備えた光照射具と、支持体上に、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を含む光変色層を積層してなる光変色性積層体とからなり、前記光照射具の光源はピーク波長が400〜495nmの範囲にあり、前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物は400nmから長波長側に光吸収領域を有し、400nmより長波長側で吸光度が最小になる波長(X)は700nm未満であり、波長(X)から700nmのジアリールエテン系フォトクロミック化合物が消色状態の吸光度積算値(Yd)と、発色状態の吸光度積算値(Yc)が下記式(1)を満たすことを特徴とする光変色性積層体。
    Yc/Yd≧5 (1)
  2. 前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が下記一般式(4)で示される化合物である請求項1記載の光変色性積層体。
    Figure 2017193115
    (式中、Rは下記構造式(5)乃至(8)のいずれかで示される基であり、R乃至R10は、同一或いは異なっていてもよく、水素、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至16のアルキル又は炭素数1乃至16のアルコキシ基、ハロゲン、直鎖又は分枝状の炭素数1乃至4のフルオロ又は炭素数1乃至4のペルフルオロ基、炭素数1乃至4のカルボン酸基、炭素数1乃至16のアルキルカルボン酸基、炭素数1乃至16のモノ又はジアルキルアミノ基、ニトリル基、フェニル基、ニトロ基、ナフタレン基、複素環を示す。但し、Yが窒素原子の場合、Rは存在しない。)
    Figure 2017193115
    Figure 2017193115
    Figure 2017193115
    Figure 2017193115
  3. 前記ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を消色させる主発光領域が500nm以上の可視光領域にある光源を備えた消色具を有してなる請求項1又は2記載の光変色性積層体。
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