JP2017192202A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタによるサンプリングにおいて1次電流を高精度に検出する交流電動機の制御装置を提供する。【解決手段】インバータ制御部のスペクトル演算部401は、MG80に流れる相電流のスペクトルを検出する。「フィルタ」としての1次電流演算部51は、電気1周期を「分割数N(Nは2以上の整数)」で分割したサンプリング間隔で相電流Iv、Iwをサンプリングし、サンプリングした相電流値に基づいて、相電流の1次成分を抽出する。分割数選択部53は、「相電流の1次成分に重畳した特定次数の高次成分を分割数Nでサンプリングした値」が「相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値」に一致することを避けるように、スペクトル演算部401が検出した相電流のスペクトルに基づいて、分割数Nを設定する。これにより、特定次数の高次成分が誤って1次成分として認識されることを防止し、1次電流の検出精度を向上させることができる。【選択図】図9

Description

本発明は、交流電動機の通電を制御する交流電動機の制御装置に関する。
従来、電流センサが検出した相電流検出値に基づいてフィードバック制御を行う交流電動機の制御装置において、相電流の1次成分に重畳する高次成分の影響を低減する技術が知られている。
例えば特許文献1に開示された交流電動機の制御装置は、相電流検出値をフーリエ級数展開して1次成分を抽出し、抽出した1次電流に基づいてフィードバック制御を行う。このとき、例えば電気1周期を分割数Nで分割したサンプリング間隔でサンプリングされた値に基づく算出値を積算することにより、フーリエ係数を演算する。
特許第5741966号公報
特許文献1には、1次電流の検出精度を確保するため、交流電動機の回転数又は電気周波数によって、分割数Nを変更してもよいと記載されている。この従来技術の知見によると、回転数に応じて処理可能な範囲で分割数Nを最大に設定することにより、より多くのサンプリング値を用いてフーリエ係数を演算し、1次電流の検出精度を向上させることができるように思われる。
しかし、高次成分の次数と分割数Nとの関係によっては、相電流の特定次数の高次成分を分割数Nでサンプリングした値が、相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値に一致する場合がある。例えば、相電流の11次成分又は13次成分を分割数12でサンプリングした値は、相電流の1次成分を分割数12でサンプリングした値に一致する。
すると、本来、フィルタで除去されるはずの高次成分が誤って1次成分として認識されることになる。その結果、フーリエ級数展開で演算される1次電流の検出値が真の値よりも大きくなる。したがって、従来技術のように回転数のみに基づいて分割数Nを決定すると、1次電流の振幅に誤差が生じ、検出精度が低下するおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、フィルタによるサンプリングにおいて1次電流を高精度に検出する交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明の交流電動機の制御装置は、複数のスイッチング素子(21−26)の動作により直流電力を交流電力に変換し、交流電動機(80)に供給するインバータ(20)と、フィードバックされた相電流に基づいてインバータを操作し、交流電動機の通電を制御するインバータ制御部(30)とを備える。
本明細書で「交流電動機」は、交流駆動のモータ、発電機、及びモータジェネレータを含むものであり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機として用いられ駆動輪を駆動するためのトルクを発生するモータジェネレータが該当する。また、例えば、モータジェネレータの通電を制御する制御装置が「交流電動機の制御装置」に該当する。
インバータ制御部は、フィルタ(51)と、スペクトル演算部(401、403、404)と、分割数設定部(53、54)とを有する。
スペクトル演算部は、交流電動機に流れる相電流のスペクトルを検出又は推定する。
フィルタは、電気1周期を「分割数N(Nは2以上の整数)」で分割したサンプリング間隔で相電流をサンプリングし、サンプリングした相電流値に基づいて、相電流の1次成分を抽出する。
分割数選択部は、「相電流の1次成分に重畳した特定次数の高次成分を分割数Nでサンプリングした値」が「相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値」に一致することを避けるように、スペクトル演算部が検出又は推定した相電流のスペクトルに基づいて、分割数Nを設定する。
好ましくは、本発明のフィルタは、相電流検出値を電気角の関数としてフーリエ級数展開した1次成分を抽出し、当該相の1次電流を算出する1次電流演算部(51)である。
この1次電流演算部は、サンプリング間隔でサンプリングされた相電流検出値に基づく算出値を電気1周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算し、当該フーリエ係数を基に1次電流を算出する。
このように本発明では、フィルタによるサンプリングにおいて、分割数Nは、相電流のスペクトルに基づいて設定される。このとき、分割数Nは、「相電流の1次成分に重畳した特定次数の高次成分を分割数Nでサンプリングした値」が「相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値」に一致することを避けるように設定される。これにより、特定次数の高次成分が誤って1次成分として認識されることを防止し、1次電流の検出精度を向上させることができる。
各実施形態の交流電動機の制御装置が適用されるMG駆動システムの概略構成図。 第1、第2実施形態によるインバータ制御部の制御ブロック図。 第1、第2実施形態による変調器の制御ブロック図。 フーリエ係数演算処理における分割数を説明する図。 相電流の(a)11次成分、(b)13次成分を分割数12(サンプリング間隔30deg)でサンプリングしたときの検出値を示す図。 分割数12のフィルタ特性と相電流スペクトルとの関係を示す図。 相電流の(a)11次成分、(b)13次成分を分割数24(サンプリング間隔15deg)でサンプリングしたときの検出値を示す図。 分割数24のフィルタ特性と相電流スペクトルとの関係を示す図。 第1実施形態による電流処理部の制御ブロック図。 第1実施形態による分割数設定例を説明する図。 第1実施形態による分割数設定処理のフローチャート。 第2実施形態による電流処理部の制御ブロック図。 第2実施形態による分割数設定例を説明する図。 第2実施形態による分割数設定処理のフローチャート。 第3実施形態によるインバータ制御部の制御ブロック図。 第3実施形態による変調器の制御ブロック図。 第3実施形態による電流処理部の制御ブロック図。 パルスパターン記憶部が記憶する分割数マップの例を示す図。 第4実施形態によるインバータ制御部の制御ブロック図。 第4実施形態による変調器の制御ブロック図。 第5実施形態によるインバータ制御部の制御ブロック図。
以下、交流電動機の制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の第1〜第5実施形態を包括して「本実施形態」という。
本実施形態の交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源であるモータジェネレータ(以下「MG」)を駆動するシステムにおいて、三相交流モータであるMGの通電を制御する装置である。各実施形態の「MG」及び「MG制御装置」は、特許請求の範囲に記載の「交流電動機」及び「交流電動機の制御装置」に相当する。
[システム構成]
まず、各実施形態のMG制御装置が適用されるMG駆動システムの全体構成について図1を参照して説明する。図1には、一つのMGを備えるシステムを例示する。
MG駆動システム90は、充放電可能な二次電池である「電源」としてのバッテリ11の直流電力をインバータ20で三相交流電力に変換してMG80に供給するシステムである。MG駆動システム90においてMG制御装置10は、主にインバータ20及びインバータ制御部30を含む。なお、MG制御装置10は、二つ以上のMGを備えたMG駆動システムにも同様に適用可能である。
なお、MG制御装置10は、バッテリ11の電圧を昇圧してインバータ20に出力するコンバータを備えたMG駆動システムに適用されてもよい。また、MG制御装置10は、二つ以上のMGを備えたMG駆動システムにも同様に適用可能である。
MG80は、例えば永久磁石式同期型の三相交流モータである。本実施形態では、MG80は、ハイブリッド自動車の駆動輪を駆動するトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジンや駆動輪から伝達されるトルクを発電によってエネルギー回収する発電機としての機能を兼ね備える。
MG80の三相巻線81、82、83のうち二相の巻線に接続される電流経路には、相電流を検出する電流センサが設けられる。図1の例では、V相巻線82及びW相巻線83に接続される電流経路に、それぞれ相電流Iv、Iwを検出する電流センサ87、88が設けられており、残るU相の電流Iuをキルヒホッフの法則に基づいて推定している。他の実施形態では、どの二相の電流を検出してもよく、三相の電流を検出してもよい。或いは、一相の電流検出値に基づいて他の二相の電流を推定する技術を採用してもよい。
MG80の電気角θeは、例えばレゾルバ等の回転角センサ85により検出される。
インバータ20は、上下アームの6つのスイッチング素子21−26がブリッジ接続されている。詳しくは、スイッチング素子21、22、23は、それぞれU相、V相、W相の上アームのスイッチング素子であり、スイッチング素子24、25、26は、それぞれU相、V相、W相の下アームのスイッチング素子である。スイッチング素子21−26は、例えばIGBTで構成され、低電位側から高電位側へ向かう電流を許容する還流ダイオードが並列に接続されている。
インバータ20は、インバータ制御部30からのゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに従ってスイッチング素子21−26が動作することで直流電力を三相交流電力に変換する。そして、インバータ制御部30が演算した電圧指令に応じた相電圧Vu、Vv、VwをMG80の各相巻線81、82、83に印加する。平滑コンデンサ15は、インバータ20に入力されるシステム電圧Vsysを平滑化する。システム電圧Vsysは、特許請求の範囲に記載の「インバータ電圧」に相当する。
電圧センサ27はシステム電圧Vsysを検出する。
インバータ制御部30は、マイコン等により構成され、図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を内部に備えている。マイコンは、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。
インバータ制御部30は、各センサが検出したシステム電圧Vsys、二相の相電流Iv、Iw、電気角θeを取得する。また、インバータ制御部30は、微分器86により電気角θeが時間微分された電気角速度ω[deg/s]を取得する。なお、インバータ制御部30の内部に微分器86を有してもよい。
電気角速度ωは、比例定数を乗じることにより、回転数Nr[rpm]に換算される。本明細書では「電気角速度ωを換算した回転数」を省略して、適宜「回転数ω」といい、「回転数ω」と「回転数Nr」とを併用する。特に「回転数Nr」は、後述の電流処理部にて分割数上限値Nlimを算出する場面で用いる。それ以外のモータ制御の説明では、主に「回転数ω」を用いる。
さらにインバータ制御部30は、上位制御回路からトルク指令Trq*が入力される。
インバータ制御部30は、これらの情報に基づいて、インバータ20を操作するゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを演算する。インバータ20は、ゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに従ってスイッチング素子21−26が動作することにより、バッテリ11から入力される直流電力を交流電力に変換しMG80に供給する。
[インバータ制御部の構成]
以下、インバータ制御部30の構成について実施形態毎に説明する。各実施形態のインバータ制御部の符号として、「30」に続く3桁目に実施形態の番号を付して区別する。また、各実施形態のインバータ制御部に含まれる変調器、スペクトル演算部、電流処理部の符号として、それぞれ「60」、「40」、「50」に続く3桁目に実施形態の番号を付して区別する。ただし、それらの構成が前出の実施形態の構成と実質的に同一である場合、前出の構成の符号を援用する。
(第1実施形態)
第1、第2実施形態に共通のインバータ制御部及び変調器の構成について、図2、図3を参照して説明する。
図2に示すように、インバータ制御部301は、一般的なフィードバック制御(図中、「FB制御」)の構成として、dq変換部31、トルク推定部32、トルクフィードバック制御部340、電流指令演算部35、電流フィードバック制御部380、変調器601及びゲート信号生成部79を含む。また、インバータ制御部301は、特徴構成として、スペクトル演算部401、及び、第1実施形態の電流処理部501若しくは第2実施形態の電流処理部502を含む。以下、第1、第2実施形態の電流処理部501、502に共通の事項については、「電流処理部501」として記載する。
まず、一般的なフィードバック制御の構成について説明する。本実施形態は、MG80の三相巻線81、82、83に流れる電流のうち少なくとも一相の電流がフィードバックされる構成において成立する。したがって、インバータ制御部301は、電流フィードバック制御部380のみを備え、トルクフィードバック制御部340を備えなくてもよい。或いは、図2に示すように、フィードバック電流に基づいてトルク推定値Trq_estを算出する構成のトルクフィードバック制御部340のみを備えてもよい。
ただし、ハイブリッド自動車のMG駆動システム90に現実に適用される構成として、トルクフィードバック制御部340と電流フィードバック制御部380との両方を備える構成が一般的であるため、ここでは、その構成を代表的な実施形態として説明する。
この構成では、演算した電圧ベクトルの振幅Vrとシステム電圧Vsysとから算出される変調率に応じて、電圧ベクトルを演算するフィードバック方式が切り替えられる。すなわち、トルクフィードバック制御部340と電流フィードバック制御部380とが協働して電圧ベクトルを演算する場合と、電流フィードバック制御部380が単独で電圧ベクトルを演算する場合とがある。
トルクフィードバック制御部340は、トルク減算器33及び制御器34を有する。
電流フィードバック制御部380は、電流減算器36、制御器37、制御器38、電圧振幅/位相演算部39を有する。このうち、制御器37と、制御器38及び電圧振幅/位相演算部39とは、上述の二つのフィードバック方式に応じて選択的に設けられる。
最初に、両方のフィードバック方式に共通の構成を説明する。
dq変換部31は、電気角θeに基づき、電流処理部501が出力した1次電流Iv1s、Iw1sをdq軸電流Id、Iqに変換し、電流減算器36にフィードバックする。
電流指令演算部35は、トルク指令Trq*に基づき、例えば電流当たり最大トルクが得られるように、マップや数式を用いてdq軸電流指令Id*、Iq*を演算する。
電流フィードバック制御部380の電流減算器36は、dq軸電流指令Id*、Iq*と、dq変換部31からフィードバックされるdq軸電流Id、Iqとの電流偏差ΔId、ΔIqを算出する。
続いて、トルクフィードバック制御部340と電流フィードバック制御部380とが協働して電圧ベクトルを演算する場合の構成を説明する。
トルク推定部32は、dq軸電流Id、Iq、及び、MG80のモータ定数に基づき、式(1)を用いてトルク推定値Trq_estを算出する。
Trq_est=p×{Iq×ψ+(Ld−Lq)×Id×Iq} ・・・(1)
ただし、
p :MGの極対数
ψ :逆起電圧定数
Ld、Lq:d軸インダクタンス、q軸インダクタンス
トルクフィードバック制御部340のトルク減算器33は、トルク指令Trq*とトルク推定値Trq_estとのトルク偏差ΔTrqを算出する。制御器34は、トルク偏差ΔTrqを0に収束させるように、PI演算により電圧位相φを演算し、変調器601に出力する。
また、電流フィードバック制御部380の制御器37は、電流偏差ΔId、ΔIqを0に収束させるように、PI演算により電圧振幅Vrを演算し、変調器601に出力する。
次に、電流フィードバック制御部380が単独で電圧ベクトルを演算する場合の構成を説明する。
電流フィードバック制御部380の制御器38は、電流偏差ΔId、ΔIqを0に収束させるように、PI演算によりdq軸電圧指令Vd*、Vq*を演算する。電圧振幅/位相演算部39は、dq軸電圧指令Vd*、Vq*を電圧振幅Vr及び電圧位相φに変換し、変調器601に出力する。なお、図2には、電圧位相φをd軸基準で定義する例を参考に示しているが、q軸基準で電圧位相を定義してもよい。
こうして変調器601は、いずれかのフィードバック方式で演算された電圧振幅Vr及び電圧位相φが入力される。また、変調器60は、システム電圧Vsys、電気角θe、回転数Nr等の情報が入力される。
変調器601は、これらの情報に基づき、インバータ20を操作するパルス電圧の出力波形として、パルスパターン又はPWM信号をゲート信号生成部79に出力する。
ゲート信号生成部79は、変調器601が出力したパルスパターン又はPWM信号に基づいて、ゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを生成し、インバータ20のスイッチング素子21−26に出力する。
図3に示すように、変調器601は、変調率算出部61、方式切替部62、同期数設定部63、パルスパターン選択部64、パルスパターン記憶部65、PWM信号生成部66及び搬送波周波数設定部67を有する。
このうち、同期数設定部63、パルスパターン選択部64及びパルスパターン記憶部65は、パルスパターンを生成するブロックであり、PWM信号生成部66及び搬送波周波数設定部67は、PWM信号を生成するブロックである。第1実施形態では、変調器601は、少なくともいずれか一方のブロックを含めばよい。本明細書では、パルスパターンに、電気1周期に1パルスの矩形波を出力するパターンを含むものとする。
変調率算出部61は、電流フィードバック制御部380が出力した電圧振幅Vrとシステム電圧Vsysとの比から、式(2)により変調率mを算出する。
m=2√(2/3)×(Vr/Vsys) ・・・(2)
方式切替部62は、変調率m等に基づいて、電圧波形の特定方式を切り替える。
同期数設定部63、パルスパターン選択部64及びパルスパターン記憶部65については、後述の第3実施形態で説明する。
PWM信号生成部66は、インバータ20が出力する電圧波形を特定する方式として、電流フィードバック制御部380の出力に基づいて算出される相電圧と搬送波とを比較しPWM信号を生成する。インバータ20が出力する電圧波形を特定する。
詳しくは、PWM信号は、相電圧が換算されたdutyと、三角波等の搬送波とが比較されることにより生成される。
搬送波周波数設定部67は、PWM信号生成部66が用いる搬送波の周波数(以下「搬送波周波数」)Fcを設定する。
図2に戻り、次に、本実施形態の特徴構成であるスペクトル演算部401及び電流処理部501について説明する。
各実施形態のスペクトル演算部は、MG80に流れる一相以上の相電流のスペクトルを検出又は推定する。特に第1実施形態のスペクトル演算部401は、電流センサ87、88が検出した相電流検出値Iv、Iwを取得し、当該相電流のスペクトルを検出する。
電流処理部501には、電流センサ87、88が検出した相電流検出値Iv、Iwに加え、電気角θe及び回転数Nrが入力される。
ところで、従来技術である特許文献1(特許第5741966号公報)に記載されている通り、MG制御装置では、フィードバックされる相電流に高次成分が重畳したり、相電流がオフセットしたりする場合がある。そこで、相電流検出値をフーリエ級数展開して抽出した1次電流演算値を用いてフィードバック制御することで、高次成分による騒音を低減し、相電流のオフセットによるトルク変動やパワー変動を抑制可能となる。
本実施形態の電流処理部501は、従来技術の「1次電流演算部」の基本構成を基に、さらに他の機能部が付加されたものである。電流処理部501は、従来技術が備えない特徴として、特に、スペクトル演算部401が検出した相電流スペクトルの情報を取得し、それに基づいて、フーリエ級数展開における「分割数N(Nは2以上の整数)」を設定する。そして、電流処理部501は、取得した情報に基づいて演算した1次電流Iv1s、Iw1sをdq変換部31に出力する。
電流処理部501の全体的な構成は、図9を参照して後述する。その前に、電流処理部501の「1次電流演算部51」について、ここで説明する。
1次電流演算部51は、従来技術と同様に、相電流検出値を電気角の関数としてフーリエ級数展開した1次成分を抽出し、当該相の1次電流を算出するものであり、特許請求の範囲に記載の「フィルタ」として機能する。1次電流演算部51は、電気1周期を分割数Nで分割したサンプリング間隔でサンプリングされた相電流検出値に基づく算出値を電気1周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算し、当該フーリエ係数を基に1次電流を算出する。
なお、特許文献1では、「電気1周期を分割数Nで分割したサンプリング間隔」を「積算角の間隔」と表している。積算角の考え方やフーリエ係数の演算式、及び、フーリエ係数を用いた1次電流の演算式等については特許文献1の開示内容に準ずるものとし、本明細書では詳細な説明を省略する。また、特許文献1に記載された「電気角k周期」について、本明細書では、「k=1」として考える。
従来技術の第2実施形態では、積算角の間隔は、電気1周期を分割数Nで等分割した一定間隔に設定される。例えば図4に示すように、分割数Nが12のとき、積算角の間隔は30degとなる。この場合、電気1周期につき12個の電気角θe及びV相電流Ivのデータに基づいて、フーリエ係数が演算される。
また、特許文献1の段落[0084]には、次のように記載されている。
「分割数Nを固定した場合、回転数Nrに応じて積算タイミングの周期が変動する。そこで、積算の精度を適正に確保できるよう、交流電動機の回転数Nr、又は電気周波数によって、分割数Nを変更してもよい。具体的には、回転数Nr又は電気周波数が高くなるほど分割数Nを少なくし、回転数Nr又は電気周波数が低くなるほど分割数Nを多くするとよい。」
この従来技術の知見によると、回転数に応じて処理可能な範囲で分割数Nを最大に設定することにより、より多くのサンプリング値を用いてフーリエ係数を演算し、1次電流の検出精度を向上させることができるように思われる。
しかし、高次成分の次数と分割数Nとの関係によっては、「相電流の特定次数の高次成分を分割数Nでサンプリングした値」が「相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値」に一致し、1次電流を正しく演算することができない場合がある。これについて、図5〜図8を参照して説明する。
図5(a)、(b)には、相電流の11次成分及び13次成分を分割数12(すなわちサンプリング間隔30deg)でサンプリングしたときの検出値を示す。サンプリングされた12個の点の軌跡は、1次のsin波を描く。すなわち、相電流の11次成分及び13次成分を分割数12でサンプリングした値は、相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値に一致する。そのため、電気1周期に12個のサンプリング値からでは、1次成分と11次、13次成分とを区別することができない。
図6は、この現象を相電流スペクトルとフィルタ特性との関係で表した図である。
フィルタ特性は、分割数12の場合における、各次数成分の「フィルタ処理前の振幅に対するフィルタ処理後の振幅の減衰率」を示す。例えば、減衰率が−20[dB]とは、フィルタ前の振幅がフィルタ後に10分の1に減衰することを意味する。また、減衰率が0[dB]とは、フィルタ前の振幅がフィルタ後に全く減衰されないことを意味する。
図6には、0次から30次まで、0.25次毎に算出した減衰率の点をつないだ特性線を示す。1次を除くと、11次、13次、23次、25次で減衰率が0[dB]となる。一方、1次と11次との間、13次と23次との間、25次から30次までの区間では、減衰率の絶対値が大きくなっている。
また、相電流スペクトルは、説明のために示した仮想のスペクトルであり、実際には、高速フーリエ変換(FFT)等の手段によって検出される周波数スペクトルに相当する。
図6では、相電流検出値に含まれる11次成分及び13次成分のスペクトル振幅が比較的大きい状態を仮に想定する。なお、1次、11次、13次以外の比較的振幅の小さい次数成分は、単に「その他の次数成分」が存在していることを示しているに過ぎず、次数の値自体に意味は無い。
このように、スペクトル振幅が比較的大きい11次成分及び13次成分について、フィルタ特性の減衰率が0[dB]であると、11次成分及び13次成分は、誤って1次成分として認識される。その結果、誤って認識された高次成分の振幅が1次電流の振幅に加算される。したがって、フィルタが検出した1次電流の振幅Asnsは、真の振幅Arealに対しプラス側に誤差が生じるため、1次電流の検出精度が低下する。
次に、図7(a)、(b)には、それぞれ11次成分、13次成分を分割数24(すなわちサンプリング間隔15deg)でサンプリングしたときの電流値を示す。この場合、サンプリングされた24個の点の軌跡は、フィルタ前の電流波形にある程度追従しており、1次成分の電流波形と区別可能である。
図8に示すように、分割数24の場合のフィルタ特性によると、11次、13次成分の減衰率は−30[dB]より負側にあり、絶対値が30を超えている。このことは、相電流検出値を分割数24でサンプリングしたとき、11次成分、13次成分が適切に除去されることを意味している。その結果、フィルタが検出した1次電流の振幅Asnsは、真の振幅Arealに精度良く一致する。
要するに、フーリエ級数展開の分割数Nの設定にあたっては、従来技術のように回転数Nrのみによって判断すればよいわけでなく、相電流スペクトルの振幅と、注目する次数成分の減衰率との関係を考慮することが重要である。
そこで本実施形態は、1次電流演算部51がフーリエ級数展開に用いる分割数Nを適切に設定するための電流処理部の構成及び作用に特徴を有する。
第1実施形態の電流処理部501の構成、及び、電流処理部501による分割数設定例について、図9、図10、図11を参照して説明する。
図10に示す設定例では、1回目に設定した分割数「N=24」が不適当であるため、2回目に分割数「N=18」に変更する。このように、第1実施形態では、「設定し、不適当ならば変更する」というトライアンドエラーの思想に基づき分割数Nを設定する。
図11のフローチャートには、第1実施形態による分割数設定処理のルーチンを示す。以下のフローチャートの説明で、記号「S」はステップを意味する。
図10中の「S2−1」、「S7−2」等は、図11における同番号のステップに対応する。例えば「S2−1」は、1回目のループの「S2」を意味し、「S7−2」は、2回目のループの「S7」を意味する。
図9に示すように、電流処理部501は、1次電流演算部51、スペクトル比較部52、分割数設定部53、減衰率取得部55、非減衰成分特定部56及び分割数制限部57を有する。
1次電流演算部51の一般的な説明は上述の通りである。図9に示すように、1次電流演算部51は、例えばV相、W相電流の検出値Iv、Iw、及び電気角θeの情報が入力され、これらの情報に基づいてフーリエ級数展開した1次成分を抽出する。そして、この例では、V相、W相の1次電流Iv1s、Iw1sを算出し、フィードバック電流としてdq変換部31に出力する。
スペクトル比較部52は、スペクトル演算部401が検出した相電流スペクトルの振幅と判定閾値Athとを比較する。第1実施形態では、非減衰成分特定部56が特定した非減衰成分についてのスペクトル振幅を判定閾値Athと比較する。
分割数設定部53は、まず、ある分割数Nを設定する。この分割数Nは、例えば、従来技術のように回転数Nrのみから算出してもよいし、或いは、以前の制御で使用した値を流用してもよい。検出精度を向上させる観点から、分割数Nは、原則として、回転数Nrに応じて処理可能な範囲で可及的に大きく設定することが好ましい。
その後、分割数設定部53は、スペクトル比較部52によるスペクトル振幅の比較結果に基づき、設定した分割数Nが不適当であると判断された場合、分割数Nを変更する。
分割数制限部57は、電流処理部501の処理時間Tc及びMG80の回転数Nrに基づいて分割数の上限値Nlimを算出し、分割数設定部53が設定可能な分割数Nを上限値Nlim以下に制限する。ここで、以下のように記号を定義する。
Tc:処理時間[s]
T :電気1周期の時間[s]
p :MGの極対数[−]
Nr:回転数[rpm]
θs:サンプリング間隔[deg](=360/N)
θslim:サンプリング間隔の下限値[deg]
MG80の回転数Nrに応じて、電気1周期の時間Tは、式(3)で算出される。
T=60/(p×Nr) ・・・(3)
分割数Nは、電気1周期の時間T内に処理時間Tcの処理を繰り返し可能な回数以下とする必要があるから、式(4)が得られる。
N≦T/Tc=60/(p×Nr×Tc)=Nlim ・・・(4)
なお、式(4)は、サンプリング間隔の下限値θslimの式(5)に書き換えることができる。
θs≧(360/60)×p×Nr×Tc=6(p×Nr×Tc)=θslim
・・・(5)
減衰率取得部55は、分割数設定部53が設定した分割数Nでサンプリングされる一つ以上の次数の高次成分について、フィルタ処理前の振幅に対するフィルタ処理後の振幅の減衰率を取得する。
図5〜図8に例示した通り、高次成分の次数と分割数Nとの関係によって、各次数成分の減衰率は理論的に求められる。そのため、減衰率取得部55は、例えば高次成分の次数毎に分割数Nと減衰率との関係を規定したマップ等を記憶してもよい。
非減衰成分特定部56は、減衰率取得部が取得した減衰率の絶対値が閾値Rth未満である次数の高次成分を「非減衰成分」として特定する。以下、閾値Rthとの大小比較については、減衰率の絶対値により表現するものとし、「絶対値」の記載を適宜省略する。したがって、「減衰率が閾値Rth未満」であるとは、負の値である閾値Rthよりも減衰率が0に近いこと、すなわち、ほとんど減衰しないことを意味する。
次に、図9〜図11を合わせて参照しつつ、図11のフローチャートに沿って、分割数Nの設定手順を説明する。
まず、ルーチン全体の流れを一通り説明してから、図10に示す具体例を対照する。
S1で、分割数制限部57は、処理時間Tc及び回転数Nrを取得し、それらの情報に基づいて分割数上限値Nlimを算出する。なお、1回のルーチン中に処理時間Tc及び回転数Nrは変化しないことを前提とする。
S2で、分割数設定部53は分割数Nを設定する。なお、破線枠内の注記については後述する。
S3では、設定された分割数Nが上限値Nlim以下であるか判定される。S3でNOの場合、S2に戻り、分割数設定部53は分割数Nを再設定する。S3でYESの場合、S4に移行する。
S4、S5で、スペクトル演算部401は、一相以上の電流を取得し、スペクトルを検出する。
S6で、減衰率取得部55及び非減衰成分特定部56は、分割数Nに応じた減衰率を取得し、減衰率が閾値Rth未満である「非減衰成分」を特定する。
S7で、スペクトル比較部52は、非減衰成分のスペクトル振幅が判定閾値Ath未満であるか判定する。S7でNOの場合、S2に戻り、分割数設定部53は分割数Nを再設定する。S7でYESの場合、S10に移行する。
S10では、1次電流演算部51は、決定された分割数Nを用いてフーリエ係数を演算し、フーリエ級数展開により1次電流を演算する。
続いて図10を参照し、具体例を説明する。この例のS3では、1回目、2回目ともYESと判定される。S7では、1回目のS7−1でNOと判定された後、2回目のS7−2でYESと判定される。
1回目のS2−1で、分割数設定部53は、分割数Nを24(すなわち、サンプリング間隔15deg)に設定する。S6−1では、「N=24」のフィルタ特性により、23次成分及び25次成分が非減衰成分として特定される。
S7−1で、スペクトル比較部52は、23次成分及び25次成分について、スペクトル振幅を判定閾値Athと比較する。すると、23次成分及び25次成分のスペクトル振幅が判定閾値Ath以上であるため、S7−1で「NO」と判定される。よって、分割数24の不採用が決定される。
次に2回目のS2−2で、分割数設定部53は、分割数Nを24から18(すなわち、サンプリング間隔20deg)に変更し再設定する。S6−2では、「N=18」のフィルタ特性により、17次成分及び19次成分が非減衰成分として特定される。
S7−2で、スペクトル比較部52は、17次成分及び19次成分について、スペクトル振幅を判定閾値Athと比較する。すると、17次成分及び19次成分のスペクトル振幅が判定閾値Ath未満であるため、S7−2で「YES」と判定される。こうして、分割数18が採用される。
この例が示すように、分割数Nは大きいほど良いとは限らない。例えば分割数Nを24から18に減らした方が、検出精度が向上する場合がある。
再び図11を参照し、S2の破線枠内に記載した注記について説明する。この注記は、S7でNOと判定されS2に戻ったとき、分割数Nの再設定条件を既定するものである。
分割数設定部53は、分割数Nを相対的に大きい値から小さい値に変更するとき、変更後の分割数N(x)を変更前の分割数N(x−1)の「約数以外の値」に設定する。
例えば図10の例の通り、1回目のループで分割数Nを24に設定したとき、非減衰成分である23次成分及び25次成分のスペクトル振幅が判定閾値Ath以上であるため、S7−1でNOと判定された場合を想定する。
この場合、図6に示すように、24の約数である分割数12のフィルタ特性では、23次成分及び25次成分は、やはり非減衰成分となり除去されない。したがって、2回目のループで分割数Nを12に設定してもS7の肯定条件に適合しない。これは、他の24の約数である8、6、4、3、2に変更した場合も同様である。
そこで、変更後の分割数N(x)を設定するとき、変更前の分割数N(x−1)の約数を予め除外することで、変更後の分割数N(x)を効率的に再設定することができる。
(効果)
第1実施形態の効果について説明する。
(1)第1実施形態以下の各実施形態では、1次電流演算部51による相電流サンプリングにおいて、分割数Nは、相電流のスペクトルに基づいて設定される。このとき、分割数Nは、「相電流の1次成分に重畳した特定次数の高次成分を分割数Nでサンプリングした値」が「相電流の1次成分を分割数Nでサンプリングした値」に一致することを避けるように設定される。これにより、特定次数の高次成分が誤って1次成分として認識されることを防止し、1次電流の検出精度を向上させることができる。
(2)非減衰成分特定部56は、減衰率取得部55が取得した減衰率の絶対値が閾値Rth未満である次数の高次成分を「非減衰成分」として特定する。
また、第1実施形態の分割数設定部53は、設定した分割数Nに応じて特定された非減衰成分について、相電流のスペクトル振幅が判定閾値Ath以上となる場合、分割数Nを変更し再設定する。
このように、全周波数域のスペクトル振幅を漫然と評価するのでなく、フィルタ特性として影響の大きい非減衰成分について集中的に振幅を評価することにより、適切に分割数Nを設定し、1次電流の検出精度を向上させることができる。
(3)分割数設定部53は、分割数Nを相対的に大きい値から小さい値に変更するとき、変更後の分割数N(x)を変更前の分割数N(x−1)の約数以外の値に設定する。これにより、変更後の分割数N(x)を効率的に再設定することができる。
(4)分割数制限部57は、電流処理部501の処理時間Tc及びMG80の回転数Nrに基づいて分割数の上限値Nlimを算出し、分割数設定部53が設定可能な分割数Nを上限値Nlim以下に制限する。これにより、制御の破綻を防止することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図12〜図14を参照して説明する。
第2実施形態は、インバータ制御部301及び変調器601の構成について、図2、図3に示す第1実施形態の構成と共通である。また、第2実施形態の図12、図13、図14は、それぞれ、第1実施形態の図9、図10、図11に対応する。
図13に示す相電流スペクトル及びフィルタ特性は、図10に示すものと同一である。図14では、図11と実質的に同一のステップに同一のステップ番号を付し、説明の一部を省略する。図13中の「S8」、「S9」は、図14における同番号のステップに対応する。
第2実施形態では、分割数設定部54は、予め記憶している複数の分割数Nの候補の中から、相電流のスペクトル振幅が判定閾値以上となる高次成分の次数に応じて分割数Nを「選択」する。
図12に示すように、第2実施形態の電流処理部502は、第1実施形態の電流処理部501に対し非減衰成分特定部56を有していない。また、減衰率取得部55は、取得した減衰率を分割数設定部54に通知する。
以下、図12〜図14を合わせて参照する。
図14のS1で、分割数制限部57は、分割数上限値Nlimを算出する。S4、S5で、スペクトル演算部401は、一相以上の電流を取得し、スペクトルを検出する。
S8で、スペクトル比較部52は、全周波数域にわたって各次数成分のスペクトル振幅を判定閾値Athと比較し、スペクトル振幅が判定閾値Ath以上となる「高振幅成分」を特定する。図13に示す例では、23次成分及び25次成分が高振幅成分として特定される。スペクトル比較部52は、この特定結果を分割数設定部54に通知する。
分割数設定部54は、複数の分割数Nの候補を予め記憶している。そのうち、上限値Nlim以下である分割数Nのフィルタ特性に関し、高振幅成分の減衰率を減衰率取得部55から読み出す。図13の例では、23次成分及び25次成分の減衰率が評価される。
すると、分割数Nが24のとき、23次成分、25次成分の減衰率は閾値Rth未満であり、フィルタで除去されない。一方、分割数Nが18のとき、23次成分、25次成分の減衰率は閾値Rth以上であり、フィルタで除去される。その他の分割数Nのフィルタ特性についても、23次成分及び25次成分の減衰率が同様に評価される。
その結果、S9で、分割数設定部54は、「上限値Nlim以下、且つ、高振幅成分の減衰率が閾値Rth以上」となる分割数Nとして「N=18」を選択する。
1次電流演算部51は、選択された分割数18を用いて、相電流Iv、Iwをフーリエ級数展開し、1次電流を抽出する。
第2実施形態は、第1実施形態の効果(1)、(4)を共通に奏する。また、第2実施形態では、複数回の処理ループを繰り返すことなく、一回のシーケンスで分割数Nを選択するため、処理時間のばらつきを低減することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図15〜図18を参照して説明する。
図15に示すように、第3実施形態のインバータ制御部303では、スペクトル演算部403は、変調器603から取得したパルスパターンの電圧波形に基づいて、相電流スペクトルを推定する。つまり、第3実施形態は、スペクトル演算部403によるスペクトルの演算構成が第1実施形態と異なる。なお、第3実施形態の電流処理部の構成は、第1又は第2実施形態の電流処理部501、502と共通である。
第3実施形態の変調器603は、パルスパターンを生成するブロックの作用が特徴であるため、図15において「パルスパターン」の文字を丸で囲む。また、図16において、PWM信号を生成するブロックを二点鎖線で記す。図16に示すように、変調器603のパルスパターン選択部64が選択した電圧波形がスペクトル演算部403に出力される。
ここで、第1実施形態の説明で省略した同期数設定部63、パルスパターン選択部64及びパルスパターン記憶部65について説明する。
同期数設定部63は、回転数ωに基づいて、同期数s、すなわち電気1周期の最大パルス数を設定する。
パルスパターン選択部64は、変調率算出部61が算出した変調率m、及び、同期数設定部63が設定した同期数sに基づいて、パルスパターン記憶部65に記憶された複数のパルスパターンからいずれかのパルスパターンを選択する。
パルスパターン記憶部65は、インバータ20が出力可能な電圧波形として複数のパルスパターンを予め記憶している。なお、パルスパターン記憶部65は、PWM制御で搬送波比較により生成される電圧波形をパルスパターンとして記憶してもよい。
図16では、パルスパターン選択部64とパルスパターン記憶部65との間の入出力の関係を双方向の矢印で表す。
各パルスパターンは、電気1周期の同期数、各パルスの位置及び幅が規定されており、これらの値に応じて、相電流に含まれる各次数の高次成分の振幅が決まる。したがって、スペクトル演算部403は、パルスパターン選択部64が選択したパルスパターンの電圧波形に基づいて、相電流のスペクトルを推定することができる。
図17に示すように、スペクトル演算部403が推定した相電流スペクトルに基づいて、第1実施形態と同様の電流処理部501の分割数設定部53が分割数Nを変更しつつ設定してもよい。或いは、これに代えて、第2実施形態と同様の電流処理部502の分割数設定部54が分割数Nを選択してもよい。
さらに、第3実施形態の変形例について説明する。
この変形例では、パルスパターン記憶部65は、パルスパターン毎に、1次電流演算部51が相電流のサンプリングに用いる分割数Nを記憶している。
例えば図18に示すように、パルスパターン記憶部65は、同期数s及び変調率mと、パルスパターンの電圧波形及び分割数Nとを関連付けたマップを記憶している。図18中の分割数「N_*#」は、変調率mが第*行の値であり、同期数sが第#列の値であるときに選択されるパルスパターンに対応する分割数Nを意味する。
このマップは、パルスパターンと分割数Nとの関係が製造時にデフォルトとして記憶されてもよい。また、実際に使用されたパルスパターンと、そのとき設定された分割数Nとを関連付けて都度学習するようにしてもよい。
また、同期数s及び変調率mと分割数Nとの対応関係は、一対一に限らない。例えば、ある範囲の変調率mに対して第1の分割数N1を対応させ、それ以外の範囲の変調率mに対して第2の分割数N2を対応させてもよい。
さらに、図15、図16、図17に破線で示すように、この変形例では、パルスパターン選択部64がパルスパターンを選択したとき、パルスパターン記憶部65が記憶している分割数Nが電流処理部501の分割数設定部53に通知される。そのため、スペクトル演算部403により、常に相電流スペクトルを推定する必要はないように考えられる。
ただし、少なくともパルスパターンと分割数Nとの関係を記憶する段階では、「非減衰成分の相電流スペクトルの振幅を判定閾値未満にする」という技術的思想に基づいて分割数Nが設定される。したがって、この変形例の構成も、特許請求の範囲に記載された「スペクトル演算部を備える構成」に該当するものである。
(第4実施形態)
第4実施形態について、図19、図20を参照して説明する。
図19に示すように、第4実施形態のインバータ制御部304では、スペクトル演算部404は、変調器604から取得した搬送波周波数Fc及び変調率mに基づいて、相電流スペクトルを推定する。つまり、第4実施形態は、スペクトル演算部404によるスペクトルの演算構成が第1、第3実施形態と異なる。なお、第4実施形態の電流処理部の構成は、第1又は第2実施形態の電流処理部501、502と共通である。
第4実施形態の変調器604は、PWM信号を生成するブロックの作用が特徴であるため、図19において「PWM信号」の文字を丸で囲む。また、図20において、パルスパターンを生成するブロックを二点鎖線で記す。図20に示すように、変調器604の搬送波周波数設定部67が設定した搬送波周波数Fc、及び、変調率算出部61が算出した変調率mがスペクトル演算部404に出力される。
PWM制御では、搬送波周波数Fc及び変調率mに応じて、電圧波形の同期数、各パルスの位置及び幅が規定されるため、相電流に含まれる各次数の高次成分の振幅が決まる。したがって、スペクトル演算部404は、搬送波周波数Fc及び変調率mに基づいて、相電流のスペクトルを推定することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について、図21を参照して説明する。第5実施形態のインバータ制御部305は、図2に示す第1実施形態のインバータ制御部301に対し、電流処理部501及びdq変換部31を統合した電流処理部59を備えている。電流処理部59は、相電流検出値Iv、Iwから1次成分を抽出し、dq変換するまでの演算を一連の処理として実行する。その他、第5実施形態の作用効果は、第1実施形態と同様である。
また、他の実施形態についても同様に、電流処理部及びdq変換部を統合してもよい。
(その他の実施形態)
(a)上記実施形態では、特許請求の範囲に記載の「フィルタ」として、フーリエ級数展開により1次成分を抽出する「1次電流演算部」を用いている。これに限らず、本発明は、フーリエ級数展開以外のフィルタに適用されてもよい。
(b)スペクトル演算部によるスペクトルの演算方法は、上記実施形態で説明した方法に限らず、どのような方法で相電流スペクトルを検出又は推定してもよい。
(c)上記実施形態では、スペクトル演算部401等はインバータ制御部30等に含まれる。しかし、それは機能上の関連性があることを意味しているに過ぎず、例えば物理的に同一基板上に設けられる形態に限定されない。
(d)本発明が適用されるシステムにおいて駆動される交流電動機の相の数は、三相に限らず何相でもよい。また、交流電動機は、永久磁石式同期型モータに限らず、誘導電動機やその他の同期モータであってもよい。
(e)本発明による交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車のMG駆動システムに限らず、一般機械用等、どのような用途の交流電動機の駆動システムに適用されてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10・・・MG制御装置(交流電動機の制御装置)、
20・・・インバータ、 21−26・・・スイッチング素子、
301、303、304、305・・・インバータ制御部、
401、403、404・・・スペクトル演算部、
51・・・1次電流演算部(フィルタ)、
53、54・・・分割数設定部、
70・・・スペクトル演算部、
80・・・MG(交流電動機)。

Claims (12)

  1. 複数のスイッチング素子(21−26)の動作により直流電力を交流電力に変換し、交流電動機(80)に供給するインバータ(20)と、
    フィードバックされた相電流に基づいて前記インバータを操作し、前記交流電動機の通電を制御するインバータ制御部(30)と、
    を備え、
    前記インバータ制御部は、
    前記交流電動機に流れる相電流のスペクトルを検出又は推定するスペクトル演算部(401、403、404)と、
    電気1周期を分割数N(Nは2以上の整数)で分割したサンプリング間隔で相電流をサンプリングし、サンプリングした相電流値に基づいて、相電流の1次成分を抽出するフィルタ(51)と、
    相電流の1次成分に重畳した特定次数の高次成分を前記分割数でサンプリングした値が相電流の1次成分を前記分割数でサンプリングした値に一致することを避けるように、前記スペクトル演算部が検出又は推定した相電流のスペクトルに基づいて、前記分割数を設定する分割数選択部(53、54)と、
    を有する交流電動機の制御装置。
  2. 前記フィルタは、相電流検出値を電気角の関数としてフーリエ級数展開した1次成分を抽出し、当該相の1次電流を算出する1次電流演算部(51)であり、
    前記1次電流演算部は、
    前記サンプリング間隔でサンプリングされた相電流検出値に基づく算出値を電気1周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算し、当該フーリエ係数を基に1次電流を算出する請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記インバータ制御部は、
    前記分割数設定部が設定した前記分割数でサンプリングされる一つ以上の次数の高次成分について、フィルタ処理前の振幅に対するフィルタ処理後の振幅の減衰率を取得する減衰率取得部(55)をさらに有する請求項1または2に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記インバータ制御部は、
    前記減衰率取得部が取得した減衰率の絶対値が閾値(Rth)未満である次数の高次成分を非減衰成分として特定する非減衰成分特定部(56)をさらに有し、
    前記分割数設定部(53)は、
    設定した前記分割数に応じて特定された前記非減衰成分について、相電流のスペクトル振幅が判定閾値(Ath)以上となる場合、前記分割数を変更し再設定する請求項3に記載の交流電動機の制御装置。
  5. 前記分割数設定部は、前記分割数を相対的に大きい値から小さい値に変更するとき、
    変更後の分割数(N(x))を変更前の分割数(N(x−1))の約数以外の値に設定する請求項4に記載の交流電動機の制御装置。
  6. 前記分割数設定部(54)は、
    予め記憶している複数の前記分割数の候補の中から、相電流のスペクトル振幅が判定閾値(Ath)以上となる高次成分である高振幅成分の次数に応じて、前記分割数を選択する請求項1〜3のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  7. 前記インバータ制御部は、
    前記インバータが出力可能な電圧波形として複数のパルスパターンを予め記憶したパルスパターン記憶部(65)と、
    前記交流電動機の回転数、及び、前記相電圧とインバータ電圧との比から算出される変調率に基づいて、前記パルスパターン記憶部に記憶された複数のパルスパターンからいずれかのパルスパターンを選択するパルスパターン選択部(64)と、
    をさらに有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  8. 前記パルスパターン記憶部は、
    前記パルスパターン毎に、前記フィルタが相電流のサンプリングに用いる前記分割数を記憶している請求項7に記載の交流電動機の制御装置。
  9. 前記スペクトル演算部(401)は、
    一つ以上の電流センサ(87、88)が検出した一相以上の相電流検出値を取得し、当該相電流のスペクトルを検出する請求項1〜8のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  10. 前記スペクトル演算部(403)は、
    前記パルスパターン選択部が選択したパルスパターンの電圧波形に基づいて、相電流のスペクトルを推定する請求項7または8に記載の交流電動機の制御装置。
  11. 前記インバータ制御部は、
    電流フィードバック制御により演算された相電圧と搬送波とを比較してPWM信号を生成し、前記インバータが出力する電圧波形を特定するPWM信号生成部(66)をさらに有し、
    前記スペクトル演算部(404)は、
    前記PWM信号の生成に用いられる搬送波周波数、及び、前記相電圧とインバータ電圧との比から算出される変調率に基づいて、相電流のスペクトルを推定する請求項1〜6のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  12. 前記インバータ制御部は、
    当該制御装置の処理時間(Tc)及び前記交流電動機の回転数(Nr)に基づいて前記分割数の上限値(Nlim)を算出し、前記分割数設定部が設定可能な前記分割数を前記上限値以下に制限する分割数制限部(57)をさらに有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
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