JP2017191908A - 有機エレクトロニクス材料及び有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロニクス材料及び有機エレクトロルミネセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式プロセスに適し、かつ有機エレクトロルミネセンス素子の発光寿命の特性向上に有益な有機エレクトロニクス材料を提供すること。【解決手段】ベンジルアミン構造を有する電荷輸送性ポリマーを含有する有機エレクトロニクス材料を構成する。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、有機エレクトロニクス材料に関する。本発明の他の実施形態は、上記材料を用いた有機薄膜、該有機薄膜を含む有機エレクトロニクス素子、有機エレクトロルミネセンス素子(「有機EL素子」ともいう。)に関する。本発明のさらに他の実施形態は、上記有機EL素子を備えた表示素子、照明装置、及び表示装置に関する。
有機EL素子は、例えば、白熱ランプ又はガス充填ランプの代替えとなる大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野では、液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
有機EL素子は、使用される有機材料から、低分子型有機EL素子及び高分子型有機EL素子の2つに大別される。高分子型有機EL素子では、有機材料として高分子化合物が用いられ、低分子型有機EL素子では、低分子化合物が用いられる。一方、有機EL素子の製造方法は、主に真空系で成膜が行われる乾式プロセスと、凸版印刷、凹版印刷等の有版印刷、インクジェット等の無版印刷などにより成膜が行われる湿式プロセスの2つに大別される。簡易成膜が可能であるため、湿式プロセスは、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な方法として期待されている。
このため、湿式プロセスに適した材料の開発が進められており、例えば、重合性基を有する化合物を利用して多層構造を形成する検討が行われている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。
特開2006−279007号公報
廣瀬健吾、熊木大介、小池信明、栗山晃、池畑誠一郎、時任静士、第53回応用物理学関係連合講演会、26p−ZK−4(2006)
湿式プロセスを用いて作製した有機EL素子は、低コスト化及び大面積化が容易であるという特長を有している。しかし、有機EL素子の特性に関しては、発光寿命などの点で更なる改善が望まれている。
本発明の実施形態は、上記に鑑み、湿式プロセスに適し、かつ有機EL素子の発光寿命の向上に有効な有機エレクトロニクス材料を提供することを目的とする。また、本発明の他の実施形態は、有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機薄膜、該有機薄膜を含む有機エレクトロニクス素子、有機EL素子を提供することを目的とする。さらに、本発明の他の実施形態は、上記有機EL素子を用いて、優れた発光寿命を有する表示素子、照明装置、及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ベンジルアミン構造を有する構造単位を含む電荷輸送性ポリマーが有益であり、かかる電荷輸送性ポリマーを含む有機エレクトニクス材料を使用することによって、有機EL素子の寿命特性を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の実施形態は、ベンジルアミン構造を含む電荷輸送性ポリマーを含有する有機エレクトロニクス材料に関する。本実施形態において、上記有機エレクトロニクス材料は、更にドーパントを含有することが好ましい。上記電荷輸送性ポリマーは、更に重合性官能基を有することが好ましい。上記ドーパントは、オニウム塩を含むことが好ましい。
本発明の他の実施形態は、上記有機エレクトロニクス材料を用いて形成された、有機薄膜に関する。
本発明の他の実施形態は、上記有機薄膜を含む、有機エレクトロニクス素子に関する。
本発明の他の実施形態は、上記有機薄膜を含む、有機エレクトロルミネセンス素子に関する。本実施形態において、上記有機薄膜は、正孔注入層であることが好ましい。上記有機薄膜は、正孔輸送層であることが好ましい。上記有機エレクトロルミネセンス素子は、有機フレキシブル基板を更に有することが好ましい。上記有機エレクトロルミネセンス素子は、樹脂フィルム基板を更に有することが好ましい。
本発明の他の実施形態は、上記有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、表示素子に関する。
本発明の他の実施形態は、上記有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、照明装置に関する。
本発明の他の実施形態は、上記照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えた、表示装置に関する。
本発明の実施形態によれば、湿式プロセスに適し、かつ有機EL素子における発光寿命の特性向上に有益な有機エレクトロニクス材料を提供できる。また、本発明の他の実施形態によれば、上記有機エレクトロニクス材料を使用し、湿式プロセスに従って有機薄膜を形成することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、上記有機薄膜を使用して、寿命特性に優れる有機エレクトロニクス素子、及び有機EL素子を提供できる。さらに、本発明の別の実施形態によれば、上記機EL素子を用いて、優れた発光寿命を有する表示素子、照明装置、及び表示装置を提供できる。
図1は、本発明の実施形態である有機EL素子の一例を示す断面模式図である。 図2は、本発明の実施形態である有機EL素子の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<有機エレクトロニクス材料>
本発明の実施形態において、有機エレクトロニクス材料は電荷輸送性ポリマーを含み、上記電荷輸送性ポリマーは、その分子内にベンジルアミン構造を有することを特徴とする。有機エレクトロニクス材料は、上記電荷輸送性ポリマーを1種、または2種以上含有してもよい。
[電荷輸送性ポリマー]
電荷輸送性ポリマーは電荷を輸送する能力を有する。電荷輸送性ポリマーは、直鎖状であっても、又は、分岐構造を有していてもよい。電荷輸送性ポリマーは、好ましくは、電荷輸送性を有する2価の構造単位Lと、末端部を構成する1価の構造単位Tとを少なくとも含む。電荷輸送性ポリマーは、分岐部を構成する3価以上の構造単位Bを更に含んでもよい。電荷輸送性ポリマーは、各構造単位を、それぞれ1種のみ含んでいても、又は、それぞれ複数種含んでいてもよい。電荷輸送性ポリマーにおいて、各構造単位は、「1価」〜「3価以上」の結合部位において互いに結合している。
一実施形態において、上記構造単位L、T、及びBの少なくとも1つは、ベンジルアミン構造を有する構造単位を含むことを特徴とする。別の実施形態において、上記構造単位L、T、及びBの少なくとも1つは、ベンジルアミン構造以外の構造を基本骨格とする構造単位において、置換基としてベンジルアミン構造を含んでもよい。すなわち、本発明の実施形態において、電荷輸送性ポリマーは、ベンジルアミン構造を有する1価以上の構造単位を少なくとも1つ有する。好ましくは、ポリマー分子内にベンジルアミン構造を複数有することが好ましい。
(ベンジルアミン構造)
「ベンジルアミン構造」とは、アミンを基本骨格とする構造中に、アミンの窒素原子と芳香環とが、メチレン基(―CH−)を介して連結した部分を少なくとも1つ有することを意味する。上記アミンの級数は、第1級、第2級、第3級のいずれでもよいが、第4級アミン(アンモニウム)は含まない。すなわち、「ベンジルアミン構造」とは、より具体的には、アミン構造(NR)において、少なくともRがベンジル基であり、R及びRがそれぞれ独立して、水素原子、又は置換基である構造を意図する。
上記ベンジルアミン構造において、ベンジル基における芳香環は、非置換であるか、又は置換基Rを有してもよい。置換基Rは、炭素数1〜22個の、直鎖、環状又は分岐の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアルコキシ基、並びに炭素数2〜30個の、アリール基及びヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1種である。上記アリール基及びヘテロアリール基はさらに置換基を有していてもよく、この更なる置換基は、炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基であることが好ましい。上記置換基Rは、好ましくは炭素数6〜30の、置換又は非置換のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜20の置換又は非置換のアリール基である。一実施形態において、上記置換基Rは、置換又は非置換のフェニル基又はナフチル基であり、より好ましくは置換又は非置換のフェニル基である。
及びRが置換基である場合、一実施形態において、R及びRは、それぞれ独立して、ベンジル基の上記置換基Rと同様であってよい。別の実施形態において、R及びRは、それぞれ独立して、ベンジル基であってもよい。したがって、本発明の実施形態において「ベンジルアミン構造」は、モノベンジルアミン構造、ジベンジルアミン構造、及びトリベンジルアミン構造のいずれであってもよく、それぞれベンジル基の芳香環は非置換であるか、又は上記置換基Rを有してもよい。
(ベンジルアミン構造を有する1価以上の構造単位)
「ベンジルアミン構造を有する1価以上の構造単位」とは、先に説明したベンジルアミン構造から1以上の水素原子を除いた原子団を意味する。電荷輸送性ポリマーにおいて、ベンジルアミン構造を有する1価以上の構造単位(以下、「構造単位BA」と記載する)は、1価以上の結合部位において他の構造単位と結合している。
一実施形態において、構造単位BAは、それ自体が上記構造単位L、T、及びBの少なくとも1つとして、電荷輸送性ポリマー中に含まれてよい。別の実施形態において、構造単位BAは、電荷輸送性ポリマーを構成する各構造単位における置換基として、電荷輸送ポリマー中に含まれてもよい。電荷輸送性ポリマーが構造単位BAを含むことによって、有機EL素子の発光寿命を向上させることが容易となる。構造単位BAは、有機EL素子の耐久性の観点から、6価以下であることが好ましく、4価以下であることがより好ましい。
以下、構造単位BAについてより具体的に説明する。
(1価の構造単位BA)
1価の構造単位BAの具体例として、以下が挙げられる。一実施形態において、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位T1として、以下の構造単位を含むことが好ましい。
Figure 2017191908
上記構造単位BA−1aにおいて、lは、0〜4の整数であり、Rの数を示す。上記構造単位BA−1bにおいて、mは、0〜5の整数であり、Rの数を示す。Rは、それぞれ、先に説明したベンジル基における置換基Rと同様である。一実施形態において、Rは、置換又は非置換のフェニル基であることが好ましい。一実施形態において、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、Rの少なくとも1つが、重合性官能基を含む基であってもよい。
上記構造単位BA−1bにおいて、Xは、それぞれ独立して、Ar、又はベンジル基における芳香環から水素原子を1つ除去した原子団である。Arは、炭素数6〜30の、置換又は非置換のアリーレン基であり、好ましくは炭素数6〜20の置換又は非置換のアリーレン基である。このアリーレン基に置換可能な好ましい置換基としては、ベンジル基の置換基Rとして先に説明した、アリール基及びヘテロアリール基の更なる置換基と同様のものであってよい。上記アリーレン基は、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。フェニレン基は、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基のいずれであってもよいが、1,4−フェニレン基が好ましい。
1価の構造単位BAの好ましい具体例として、以下が挙げられる。但し、1価の構造単位BAは以下に限定されるものではない。
Figure 2017191908
(2価の構造単位BA)
2価の構造単位BAの具体例として、以下が挙げられる。一実施形態において、電荷輸送性を有する2価の構造単位L1として、以下の構造単位を含むことが好ましい。
Figure 2017191908
上記構造単位において、nは0〜3の整数であり、lは0〜4の整数であり、mは0〜5の整数であり、それぞれRの数を示す。R及びXは、1価の構造単位BAにおけるRとして説明したものと同様である。R及びRは、ベンジルアミン構造におけるR2及びR3として説明したものと同様である。Yは、置換又は非置換のアレーントリイル基である。アレーントリイル基は、芳香族炭化水素から水素原子3個を除いた原子団である。このアレーントリイル基に置換可能な好ましい置換基としては、上記アリール基及びヘテロアリール基のさらなる置換基と同様のものが挙げられる。
2価の構造単位BAの好ましい具体例として、以下が挙げられる。但し、2価の構造単位BAは以下に限定されるものではない。
Figure 2017191908
別の実施形態において、2価の構造単位BAは、後述するL2として例示した構造単位における置換基Rとして、1価の構造単位BAを有するものであってよい。
(3価以上の構造単位BA)
3価以上の構造単位BAは、6価以下であることが好ましく、3価又は4価であることが好ましい。3価又は4価の構造単位BAの具体例として、以下が挙げられる。一実施形態において、電荷輸送性ポリマーの分岐部を構成する3価以上の構造単位B1として、以下の構造単位を含むことが好ましい。
Figure 2017191908
上記構造単位において、nは0〜3の整数であり、lは0〜4の整数であり、mは0〜5の整数であり、それぞれRの数を示す。R、X、及びYは、1価の構造単位BA及び2価の構造単位において説明したR、X、及びYと同様である。
3価又は4価の構造単位BAの好ましい具体例として、以下が挙げられる。但し、3価又は4価の構造単位BAは以下に限定されるものではない。
Figure 2017191908
別の実施形態において、3価以上の構造単位BAは、後述するB2として例示した構造単位における置換基として、1価の構造単位BAを有するものであってよい。
本発明の実施形態である電荷輸送性ポリマーは、先に例示した1価以上の構造単位BA(以下、構造単位L1、構造単位T1、及び構造単位B1とも称す)の少なくとも1つに加えて、これらの構造単位BAとは異なる1価以上の構造単位をさらに含んでもよい。この任意に含まれる構造単位は、好ましくは6価以下、より好ましくは4価以下の構造単位である。
一実施形態において、電荷輸送性ポリマーは、それぞれ以下に例示する、2価の構造単位L2、1価の構造単位T2、及び3価以上の構造単位M2の少なくとも1つをさらに含むことができる。
(構造単位L2)
構造単位L2は、電荷輸送性を有する2価の構造単位である。構造単位L2は、電荷を輸送する能力を有する原子団を含んでいればよく、特に限定されない。例えば、構造単位Lは、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ターフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、テトラセン構造、フェナントレン構造、ジヒドロフェナントレン構造、ピリジン構造、ピラジン構造、キノリン構造、イソキノリン構造、キノキサリン構造、アクリジン構造、ジアザフェナントレン構造、フラン構造、ピロール構造、オキサゾール構造、オキサジアゾール構造、チアゾール構造、チアジアゾール構造、トリアゾール構造、ベンゾチオフェン構造、ベンゾオキサゾール構造、ベンゾオキサジアゾール構造、ベンゾチアゾール構造、ベンゾチアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。芳香族アミン構造は、好ましくはトリアリールアミン構造であり、より好ましくはトリフェニルアミン構造である。
一実施形態において、構造単位L2は、優れた正孔輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、チオフェン構造、フルオレン構造、ベンゼン構造、ピロール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましく、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることがより好ましい。他の実施形態において、構造単位L2は、優れた電子輸送性を得る観点から、置換又は非置換の、フルオレン構造、ベンゼン構造、フェナントレン構造、ピリジン構造、キノリン構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択されることが好ましい。
構造単位L2の具体例として、以下が挙げられる。構造単位L2は、以下に限定されない。
Figure 2017191908
Figure 2017191908
Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す(但し、ベンジルアミン構造を有する基は除く)。好ましくは、Rは、それぞれ独立に、−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、ハロゲン原子、及び、後述する重合性官能基を含む基からなる群から選択される。R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基;又は、炭素数2〜30個のアリール基又はヘテロアリール基を表す。アリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団である。ヘテロアリール基は、芳香族複素環から水素原子1個を除いた原子団である。アルキル基は、更に、炭素数2〜20個のアリール基又はヘテロアリール基により置換されていてもよく、アリール基又はヘテロアリール基は、更に、炭素数1〜22個の直鎖、環状又は分岐アルキル基により置換されていてもよい。Rは、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基である。Arは、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。アリーレン基は、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団である。ヘテロアリーレン基は、芳香族複素環から水素原子2個を除いた原子団である。Arは、好ましくはアリーレン基であり、より好ましくはフェニレン基である。
芳香族炭化水素としては、単環、縮合環、又は、単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。芳香族複素環としては、単環、縮合環、又は、単環及び縮合環から選択される2個以上が単結合を介して結合した多環が挙げられる。
(構造単位T2)
構造単位T2は、電荷輸送性ポリマーの末端部を構成する1価の構造単位である。構造単位T2は、特に限定されず、例えば、置換又は非置換の、芳香族炭化水素構造、芳香族複素環構造、及び、これらの1種又は2種以上を含む構造から選択される。構造単位T2が構造単位L2と同じ構造を有していてもよい。一実施形態において、構造単位T2は、電荷の輸送性を低下させずに耐久性を付与するという観点から、置換又は非置換の芳香族炭化水素構造であることが好ましく、置換又は非置換のベンゼン構造であることがより好ましい。また、他の実施形態において、後述するように、電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、構造単位T2は重合可能な構造(例えば、ピロール−イル基等の重合性官能基)であってもよい。
構造単位T2の具体例として、以下が挙げられる。構造単位T2は、以下に限定されない。
Figure 2017191908
Rは、構造単位L2におけるRと同様である(但し、ベンジルアミン構造を有する基は除く)。電荷輸送性ポリマーが末端部に重合性官能基を有する場合、好ましくは、Rのいずれか少なくとも1つが、重合性官能基を含む基である。
(構造単位B2)
構造単位B2は、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合に、分岐部を構成する3価以上の構造単位である。構造単位B2は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、好ましくは6価以下であり、より好ましくは3価又は4価である。構造単位B2は、電荷輸送性を有する単位であることが好ましい。例えば、構造単位B2は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、置換又は非置換の、芳香族アミン構造、カルバゾール構造、縮合多環式芳香族炭化水素構造、及び、これらの1種又は2種以上を含有する構造から選択される。
構造単位B2の具体例として、以下が挙げられる。構造単位B2は、以下に限定されない。
Figure 2017191908
Wは、3価の連結基を表し、例えば、炭素数2〜30個のアレーントリイル基又はヘテロアレーントリイル基を表す。アレーントリイル基は、芳香族炭化水素から水素原子3個を除いた原子団である(但し、ベンジルアミン構造を有する基は除く)。ヘテロアレーントリイル基は、芳香族複素環から水素原子3個を除いた原子団である。Arは、それぞれ独立に2価の連結基を表し、例えば、それぞれ独立に、炭素数2〜30個のアリーレン基又はヘテロアリーレン基を表す。Arは、好ましくはアリーレン基、より好ましくはフェニレン基である。Yは、2価の連結基を表し、例えば、構造単位L2におけるR(ただし、重合性官能基を含む基を除く。)のうち水素原子を1個以上有する基から、更に1個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。Zは、炭素原子、ケイ素原子、又はリン原子のいずれかを表す。構造単位中、ベンゼン環及びArは、置換基を有していてもよく、置換基の例として、構造単位L2におけるRが挙げられる。
(重合性官能基)
一実施形態において、重合反応により硬化させ、溶剤への溶解度を変化させる観点から、電荷輸送性ポリマーは、重合性官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。「重合性官能基」とは、熱及び/又は光を加えることにより、互いに結合を形成し得る官能基をいう。
重合性官能基としては、炭素−炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、エチニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルアミノ基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基等)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基等の環状アルキル基;エポキシ基(オキシラニル基)、オキセタン基(オキセタニル基)等の環状エーテル基;ジケテン基;エピスルフィド基;ラクトン基;ラクタム基等)、複素環基(例えば、フラン−イル基、ピロール−イル基、チオフェン−イル基、シロール−イル基)などが挙げられる。重合性官能基としては、特に、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、及びオキセタン基が好ましく、反応性及び有機エレクトロニクス素子の特性の観点から、ビニル基、オキセタン基、又はエポキシ基がより好ましい。
重合性官能基の自由度を上げ、重合反応を生じさせやすくする観点からは、電荷輸送性ポリマーの主骨格と重合性官能基とが、アルキレン鎖で連結されていることが好ましい。また、例えば、電極上に有機層を形成する場合、ITO等の親水性電極との親和性を向上させる観点からは、エチレングリコール鎖、ジエチレングリコール鎖等の親水性の鎖で連結されていることが好ましい。さらに、重合性官能基を導入するために用いられるモノマーの調製が容易になる観点からは、電荷輸送性ポリマーは、アルキレン鎖及び/又は親水性の鎖の末端部、すなわち、これらの鎖と重合性官能基との連結部、及び/又は、これらの鎖と電荷輸送性ポリマーの骨格との連結部に、エーテル結合又はエステル結合を有していてもよい。前述の「重合性官能基を含む基」とは、重合性官能基それ自体、又は、重合性官能基とアルキレン鎖等とを合わせた基を意味する。重合性官能基を含む基として、例えば、国際公開第WO2010/140553号に例示された基を好適に用いることができる。
重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの末端部(すなわち、構造単位T)に導入されていても、末端部以外の部分(すなわち、構造単位L又はB)に導入されていても、末端部と末端以外の部分の両方に導入されていてもよい。硬化性の観点からは、少なくとも末端部に導入されていることが好ましく、硬化性及び電荷輸送性の両立を図る観点からは、末端部のみに導入されていることが好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが分岐構造を有する場合、重合性官能基は、電荷輸送性ポリマーの主鎖に導入されていても、側鎖に導入されていてもよく、主鎖と側鎖の両方に導入されていてもよい。
重合性官能基は、溶解度の変化に寄与する観点からは、電荷輸送性ポリマー中に多く含まれる方が好ましい。一方、電荷輸送性を妨げない観点からは、電荷輸送性ポリマー中に含まれる量が少ない方が好ましい。重合性官能基の含有量は、これらを考慮し、適宜設定できる。
例えば、電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、十分な溶解度の変化を得る観点から、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましい。また、重合性官能基数は、電荷輸送性を保つ観点から、1,000個以下が好ましく、500個以下がより好ましい。
電荷輸送性ポリマー1分子あたりの重合性官能基数は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、重合性官能基の仕込み量(例えば、重合性官能基を有するモノマーの仕込み量)、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を用い、平均値として求めることができる。また、重合性官能基の数は、電荷輸送性ポリマーのH NMR(核磁気共鳴)スペクトルにおける重合性官能基に由来するシグナルの積分値と全スペクトルの積分値との比、電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量等を利用し、平均値として算出できる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(電荷輸送性ポリマーの部分構造)
電荷輸送性ポリマーに含まれる部分構造の例として、以下が挙げられる。但し、電荷輸送性ポリマーは、以下の部分構造を有するポリマーに限定されない。部分構造中、「L」は電荷輸送性を有する2価の構造単位、「T」は末端基を構成する1価の構造単位、「B」は分岐構造を構成する3価又は4価の構造単位を表す。「*」は、他の構造単位との結合部位を表す。以下の部分構造中、複数のLは、互いに同一の構造単位であっても、互いに異なる構造単位であってもよい。T及びBについても、同様である。
直鎖状の電荷輸送性ポリマー
Figure 2017191908
分岐構造を有する電荷輸送性ポリマー
Figure 2017191908
上記部分構造において、構造単位LはL1及び/又はL2であり、TはT1及び/又はT2であり、BはB1及び/又はB2である。本発明の実施形態である電荷輸送性ポリマーは、構造単位BAとして構造単位L1、T1、及びB1の少なくとも1つを含み、さらに構造単位L2、T2、及びB2の任意の組合せを含んでよい。
(構造単位BAの割合)
本発明の実施形態によれば、ベンジルアミン構造を有する1価以上の構造単位BAを含む電荷輸送性ポリマーを構成することによって、有機EL素子の発光寿命の向上を実現することが容易となる。このような効果を効果的に得る観点から、電荷輸送性ポリマーにおける構造単位BAの割合は、ポリマーの全構成単位を基準として、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上がさらに好ましい。ここで、構造単位BAの割合は、L1、T1、及びB1の合計を意味する。
一実施形態において、電荷輸送性ポリマーは、L1、T1、及びB1のみから構成されてもよい。この場合、電荷輸送性ポリマーにおける構造単位BAの割合は100モル%となる。別の実施形態において、電荷輸送性ポリマーは、L1、T1、及びB1の少なくとも1つと、構造単位L2、T2、及びB2の少なくとも1つとから構成されてもよい。特に限定するものではないが、発光寿命の観点から、電荷輸送性ポリマーは、少なくとも2価の構造単位L1及び/又は3価の構造単位B1を含むことが好ましく、少なくとも2価の構造単位L1を含むことがより好ましい。一実施形態において、構造単位L2及び/又はB2は、トリアリールアミン構造を有する構造単位であることが好ましい。このような実施形態において、電荷輸送性ポリマーにおける構造単位BAの割合は、70モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましい。
(構造単位L、T,及びBの割合)
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Lの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、全構造単位を基準として、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Lの割合は、構造単位T及び必要に応じて導入される構造単位Bを考慮すると、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーに含まれる構造単位Tの割合は、有機エレクトロニクス素子の特性向上の観点、又は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点から、全構造単位を基準として、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Tの割合は、十分な電荷輸送性を得る観点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、構造単位Bの割合は、有機エレクトロニクス素子の耐久性向上の観点から、全構造単位を基準として、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位Bの割合は、粘度の上昇を抑え、電荷輸送性ポリマーの合成を良好に行う観点、又は、十分な電荷輸送性を得る観点から、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、重合性官能基の割合は、電荷輸送性ポリマーを効率よく硬化させるという観点から、全構造単位を基準として、0.1モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、3モル%以上が更に好ましい。また、重合性官能基の割合は、良好な電荷輸送性を得るという観点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。なお、ここでの「重合性官能基の割合」とは、重合性官能基を有する構造単位の割合をいう。
電荷輸送性、耐久性、生産性等のバランスを考慮すると、構造単位L及び構造単位Tの割合(モル比)は、L:T=100:1〜70が好ましく、100:3〜50がより好ましく、100:5〜30が更に好ましい。また、電荷輸送性ポリマーが構造単位Bを含む場合、構造単位L、構造単位T、及び構造単位Bの割合(モル比)は、L:T:B=100:10〜200:10〜100が好ましく、100:20〜180:20〜90がより好ましく、100:40〜160:30〜80が更に好ましい。
構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーを合成するために使用した、各構造単位に対応するモノマーの仕込み量を用いて求めることができる。また、構造単位の割合は、電荷輸送性ポリマーのH NMRスペクトルにおける各構造単位に由来するスペクトルの積分値を利用し、平均値として算出することができる。簡便であることから、仕込み量が明らかである場合は、好ましくは、仕込み量を用いて求めた値を採用する。
(数平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの数平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。数平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、数平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、50,000以下が更に好ましい。
(重量平均分子量)
電荷輸送性ポリマーの重量平均分子量は、溶剤への溶解性、成膜性等を考慮して適宜、調整できる。重量平均分子量は、電荷輸送性に優れるという観点から、1,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上が更に好ましい。また、重量平均分子量は、溶媒への良好な溶解性を保ち、インク組成物の調製を容易にするという観点から、1,000,000以下が好ましく、700,000以下がより好ましく、400,000以下が更に好ましい。
数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
(製造方法)
電荷輸送性ポリマーは、種々の合成方法により製造でき、特に限定されない。例えば、鈴木カップリング、根岸カップリング、園頭カップリング、スティルカップリング、ブッフバルト・ハートウィッグカップリング等の公知のカップリング反応を用いることができる。鈴木カップリングは、芳香族ボロン酸誘導体と芳香族ハロゲン化物の間で、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を起こさせるものである。鈴木カップリングによれば、所望とする芳香環同士を結合させることにより、電荷輸送性ポリマーを簡便に製造できる。
カップリング反応では、触媒として、例えば、Pd(0)化合物、Pd(II)化合物、Ni化合物等が用いられる。また、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等を前駆体とし、ホスフィン配位子と混合することにより発生させた触媒種を用いることもできる。電荷輸送性ポリマーの合成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
[ドーパント]
有機エレクトロニクス材料は、ドーパントを更に含有してもよい。ドーパントは、有機エレクトロニクス材料に添加することでドーピング効果を発現させ、電荷の輸送性を向上させ得る化合物であればよく、特に制限はない。ドーピングには、p型ドーピングとn型ドーピングがあり、p型ドーピングではドーパントとして電子受容体として働く物質が用いられ、n型ドーピングではドーパントとして電子供与体として働く物質が用いられる。正孔輸送性の向上にはp型ドーピング、電子輸送性の向上にはn型ドーピングを行うことが好ましい。有機エレクトロニクス材料に用いられるドーパントは、p型ドーピング又はn型ドーピングのいずれの効果を発現させるドーパントであってもよい。また、1種のドーパントを単独で添加しても、複数種のドーパントを混合して添加してもよい。
p型ドーピングに用いられるドーパントは、電子受容性の化合物であり、例えば、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、イオン化合物、ハロゲン化合物、π共役系化合物等が挙げられる。具体的には、ルイス酸としては、FeCl、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr等;プロトン酸としては、HF、HCl、HBr、HNO、HSO、HClO等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、1−ブタンスルホン酸、ビニルフェニルスルホン酸、カンファスルホン酸等の有機酸;遷移金属化合物としては、FeOCl、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、AlCl、NbCl、TaCl、MoF;イオン化合物としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、AsF (ヘキサフルオロ砒酸イオン)、BF (テトラフルオロホウ酸イオン)、PF (ヘキサフルオロリン酸イオン)等のパーフルオロアニオンを有する塩、アニオンとして上記プロトン酸の共役塩基を有する塩など;ハロゲン化合物としては、Cl、Br、I、ICl、ICl、IBr、IF等;π共役系化合物としては、TCNE(テトラシアノエチレン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)等が挙げられる。また、特開2000−36390号公報、特開2005−75948号公報、特開2003−213002号公報等に記載の電子受容性化合物を用いることも可能である。好ましくは、ルイス酸、イオン化合物、π共役系化合物等である。
n型ドーピングに用いられるドーパントは、電子供与性の化合物であり、例えば、Li、Cs等のアルカリ金属;Mg、Ca等のアルカリ土類金属;LiF、CsCO等のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩;金属錯体;電子供与性有機化合物などが挙げられる。
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合は、有機層の溶解度の変化を容易にするために、ドーパントとして、重合性官能基に対する重合開始剤として作用し得る化合物を用いることが好ましい。
[他の任意成分]
有機エレクトロニクス材料は、電荷輸送性低分子化合物、他のポリマー等を更に含有してもよい。
[含有量]
電荷輸送性ポリマーの含有量は、良好な電荷輸送性を得る観点から、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。100質量%とすることも可能である。
ドーパントを含有する場合、その含有量は、有機エレクトロニクス材料の電荷輸送性を向上させる観点から、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、成膜性を良好に保つ観点から、有機エレクトロニクス材料の全質量に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
<インク組成物>
本発明の実施形態であるインク組成物は、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料と該材料を溶解又は分散し得る溶媒とを含有する。インク組成物を用いることによって、塗布法といった簡便な方法によって有機層を容易に形成できる。
[溶媒]
溶媒としては、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等のアルカン;シクロヘキサン等の環状アルカン;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは、芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等である。
[重合開始剤]
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、インク組成物は、好ましくは、重合開始剤を含有する。重合開始剤として、公知のラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤等を使用できる。インク組成物を簡便に調製できる観点から、ドーパントとしての機能と重合開始剤としての機能とを兼ねる物質を用いることが好ましい。そのような物質として、例えば、上記イオン化合物が挙げられる。
[添加剤]
インク組成物は、更に、任意成分として添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、安定剤、増粘剤、ゲル化剤、難燃剤、酸化防止剤、還元防止剤、酸化剤、還元剤、表面改質剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
[含有量]
インク組成物における溶媒の含有量は、種々の塗布方法へ適用することを考慮して定めることができる。例えば、溶媒の含有量は、溶媒に対し電荷輸送性ポリマーの割合が、0.1質量%以上となる量が好ましく、0.2質量%以上となる量がより好ましく、0.5質量%以上となる量が更に好ましい。また、溶媒の含有量は、溶媒に対し電荷輸送性ポリマーの割合が、20質量%以下となる量が好ましく、15質量%以下となる量がより好ましく、10質量%以下となる量が更に好ましい。
<有機層>
本発明の実施形態である有機層は、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料又はインク組成物を用いて形成された層である。インク組成物を用いることによって、塗布法により有機層を良好に形成できる。塗布方法としては、例えば、スピンコーティング法;キャスト法;浸漬法;凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の有版印刷法;インクジェット法等の無版印刷法などの公知の方法が挙げられる。塗布法によって有機層を形成する場合、塗布後に得られた有機層(塗布層)を、ホットプレート又はオーブンを用いて乾燥させ、溶媒を除去してもよい。
電荷輸送性ポリマーが重合性官能基を有する場合、光照射、加熱処理等により電荷輸送性ポリマーの重合反応を進行させ、有機層の溶解度を変化させることができる。溶解度を変化させた有機層を積層することで、有機エレクトロニクス素子の多層化を容易に図ることが可能となる。有機層の形成方法については、例えば、国際公開第WO2010/140553号の記載を参照できる。
乾燥後又は硬化後の有機層の厚さは、電荷輸送の効率を向上させる観点から、好ましくは0.1nm以上であり、より好ましくは1nm以上であり、更に好ましくは3nm以上である。また、有機層の厚さは、電気抵抗を小さくする観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。
<有機エレクトロニクス素子>
本発明の実施形態である有機エレクトロニクス素子は、少なくとも上記実施形態の有機層を有する。有機エレクトロニクス素子として、例えば、有機EL素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ等が挙げられる。有機エレクトロニクス素子は、好ましくは、少なくとも一対の電極の間に有機層が配置された構造を有する。
[有機EL素子]
本発明の実施形態である有機EL素子は、少なくとも上記実施形態の有機層を有する。有機EL素子は、通常、発光層、陽極、陰極、及び基板を備えており、必要に応じて、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等の他の機能層を備えている。各層は、蒸着法により形成してもよく、塗布法により形成してもよい。有機EL素子は、好ましくは、有機層を発光層又は他の機能層として有し、より好ましくは機能層として有し、更に好ましくは正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方として有する。一実施形態において、有機層の形成は、先に説明したインク組成物を使用し、塗布法に従って良好に実施することができる。
図1及び図2は、それぞれ有機EL素子の一実施形態を示す断面模式図である。図1に示す有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板6の上に、陽極1、正孔注入層2、発光層3、電子注入層4、及び陰極5をこの順に有している。一実施形態において、正孔注入層2は、本発明の一実施形態である有機層から構成される。
図2に示す有機EL素子は、多層構造の素子であり、基板6の上に、陽極1、正孔注入層2、正孔輸送層7、発光層3、電子輸送層8、電子注入層4、及び陰極5をこの順に有している。一実施形態において、正孔注入層2及び正孔輸送層7の少なくとも一方は、本発明の一実施形態である有機層から構成される。
以下、有機EL素子を構成する各層についてより具体的に説明する。
[発光層]
発光層に用いる材料として、低分子化合物、ポリマー、デンドリマー等の発光材料を使用できる。ポリマーは、溶媒への溶解性が高く、塗布法に適しているため好ましい。発光材料としては、蛍光材料、燐光材料、熱活性化遅延蛍光材料(TADF)等が挙げられる。
蛍光材料として、ペリレン、クマリン、ルブレン、キナクドリン、スチルベン、色素レーザー用色素、アルミニウム錯体、これらの誘導体等の低分子化合物;ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、フルオレンーベンゾチアジアゾール共重合体、フルオレン−トリフェニルアミン共重合体、これらの誘導体等のポリマー;これらの混合物等が挙げられる。
燐光材料として、Ir、Pt等の金属を含む金属錯体などを使用できる。Ir錯体としては、例えば、青色発光を行うFIr(pic)(イリジウム(III)ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジネート−N,C]ピコリネート)、緑色発光を行うIr(ppy)(ファク トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)、赤色発光を行う(btp)Ir(acac)(ビス〔2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナート−N,C〕イリジウム(アセチル−アセトネート))、Ir(piq)(トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム)等が挙げられる。Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行うPtOEP(2、3、7、8、12、13、17、18−オクタエチル−21H、23H−フォルフィンプラチナ)等が挙げられる。
発光層が燐光材料を含む場合、燐光材料の他に、更にホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、低分子化合物、ポリマー、又はデンドリマーを使用できる。低分子化合物としては、例えば、CBP(4,4’−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、mCP(1,3−ビス(9−カルバゾリル)ベンゼン)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、これらの誘導体等が、ポリマーとしては、上記実施形態の有機エレクトロニクス材料、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフルオレン、これらの誘導体等が挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料としては、例えば、Adv. Mater., 21, 4802-4906 (2009);Appl. Phys. Lett., 98, 083302 (2011);Chem. Comm., 48, 9580 (2012);Appl. Phys. Lett., 101, 093306 (2012);J. Am. Chem. Soc., 134, 14706 (2012);Chem. Comm., 48, 11392 (2012);Nature, 492, 234 (2012);Adv. Mater., 25, 3319 (2013);J. Phys. Chem. A, 117, 5607 (2013);Phys. Chem. Chem. Phys., 15, 15850 (2013);Chem. Comm., 49, 10385 (2013);Chem. Lett., 43, 319 (2014)等に記載の化合物が挙げられる。
[正孔輸送層、正孔注入層]
正孔輸送層及び正孔注入層の少なくとも一方を構成する材料として、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料が挙げられる。一実施形態において、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも一方は、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料から構成されることが好ましく、少なくとも正孔注入層が本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料から構成されることがより好ましい。例えば、有機EL素子が、上記有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を正孔注入層として有し、さらに正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層には公知の材料を使用できる。また、例えば、有機EL素子が、上記有機エレクトロニクス材料を用いて形成された有機層を正孔輸送層として有し、さらに正孔注入層を有する場合、正孔注入層には公知の材料を使用できる。
正孔注入層及び正孔輸送層に用いることができる公知の材料として、例えば、(芳香族アミン系化合物(例えば、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(α-NPD)などの芳香族ジアミン)、フタロシアニン系化合物、チオフェン系化合物(例えば、チオフェン系導電性ポリマー(たとえば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4−スチレンスルホン酸塩)(PEDOT:PSS)等)等が挙げられる。)
[電子輸送層、電子注入層]
電子輸送層及び電子注入層に用いる材料としては、例えば、フェナントロリン誘導体、ビピリジン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの縮合環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、アルミニウム錯体等が挙げられる。また、本発明の実施形態である有機エレクトロニクス材料を使用することもできる。
[陰極]
陰極材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金が用いられる。
[陽極]
陽極材料としては、例えば、金属(例えば、Au)又は導電性を有する他の材料が用いられる。他の材料として、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)、導電性高分子(例えば、ポリチオフェン−ポリスチレンスルホン酸混合物(PEDOT:PSS))が挙げられる。
[基板]
基板として、ガラス、プラスチック等を使用できる。基板は、透明であることが好ましく、また、フレキシブル性を有することが好ましい。石英ガラス、光透過性樹脂フィルム等が好ましく用いられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等からなるフィルムが挙げられる。
樹脂フィルムを用いる場合、水蒸気、酸素等の透過を抑制するために、樹脂フィルムへ酸化珪素、窒化珪素等の無機物をコーティングして用いてもよい。
[発光色]
有機EL素子の発光色は特に限定されない。白色の有機EL素子は、家庭用照明、車内照明、時計又は液晶のバックライト等の各種照明器具に用いることができるため好ましい。
白色の有機EL素子を形成する方法としては、複数の発光材料を用いて複数の発光色を同時に発光させて混色させる方法を用いることができる。複数の発光色の組み合わせとしては、特に限定されないが、青色、緑色及び赤色の3つの発光極大波長を含有する組み合わせ、青色と黄色、黄緑色と橙色等の2つの発光極大波長を含有する組み合わせが挙げられる。発光色の制御は、発光材料の種類と量の調整により行うことができる。
<表示素子、照明装置、表示装置>
本発明の実施形態である表示素子は、上記実施形態の有機EL素子を備えている。例えば、赤、緑及び青(RGB)の各画素に対応する素子として、有機EL素子を用いることで、カラーの表示素子が得られる。画像の形成方法には、マトリックス状に配置した電極でパネルに配列された個々の有機EL素子を直接駆動する単純マトリックス型と、各素子に薄膜トランジスタを配置して駆動するアクティブマトリックス型とがある。
また、本発明の実施形態である照明装置は、本発明の実施形態の有機EL素子を備えている。さらに、本発明の実施形態である表示装置は、照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えている。例えば、表示装置は、バックライトとして本発明の実施形態である照明装置を用い、表示手段として公知の液晶素子を用いた表示装置、すなわち液晶表示装置とできる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の特徴となるベンジルアミン構造を有する電荷輸送性ポリマーを調製するために使用可能なモノマーは、ベンジルアミン構造を有する構造単位における結合部位にハロゲン原子、ボロン酸等の反応性置換基を有するものであればよい。特に限定するものではないが、そのようなモノマーの合成例を以下に示す。
<ベンジルアミン構造を有するモノマー(BA1)の合成>
N,N−ジベンジルアニリン(51.00g,186.6mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mLをナスフラスコに投入し、溶解した。この溶液の攪拌下で、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(33.21g,186.6mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液をゆっくりと滴下し、全量を投入後にさらに2時間攪拌した。析出物をろ過し、水で洗浄し、乾燥して白色の結晶を得た。真空中でさらに乾燥し、白色の結晶としてBA1を64.38g(182.8mmol)得た。収率は97.9%であった。
Figure 2017191908
<ベンジルアミン構造を有するモノマー(BA2)の合成>
N,N−ビス(4−ブロモベンジル)アミン(4.44g,12.5mmol)、p−ブロモベンジルブロミド(3.28g,13.1mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.175g,0.54mmol)、ヘキサン(25mL)、水酸化カリウム(KOH)(12.5g,125mmol)、水(12.5mL)をナスフラスコに投入し、オイルバス中110℃で7時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、ヘキサン(50mL)を加えた後に、有機層を純水で3回洗浄した。有機層を三角フラスコに回収し、硫酸マグネシウム(無水)を加えてしばらく静置した。水酸化マグネシウムをろ別した後で、溶媒をロータリーエバポレーターで留去、さらに減圧下で乾燥して白色粉末を得た。ヘキサンから再結晶し、白色粉末としてBA2を1.90g(3.63mmol)得た。収率は29.0%であった。
Figure 2017191908
<ベンジルアミン構造を有するモノマー(BA3)の合成>
BA2の合成で使用したN,N−ビス(4−ブロモベンジル)アミンをジベンジルアミン、p−ブロモベンジルブロミドを3,5−ジブロモベンジルブロミドにそれぞれ変えた以外は、BA2の合成と同様の処理を行い、白色粉末としてBA3を0.957g(2.15mmol)得た。収率は17.2%であった。
Figure 2017191908
<ベンジルアミン構造を有するモノマー(BA4)の合成>
BA2の合成で使用したN,N−ビス(4−ブロモベンジル)アミンをジフェニルアミン、p−ブロモベンジルブロミドを3,5−ジブロモベンジルブロミドにそれぞれ変えた以外は、BA2の合成と同様の処理を行い、白色粉末としてBA4を0.725g(1.74mmol)得た。収率は13.9%であった。
Figure 2017191908
<ベンジルアミン構造を有するモノマー(BA5)の合成>
BA2の合成で使用したN,N−ビス(4−ブロモベンジル)アミンをジシクロヘキシルアミンに変えた以外は、BA2の合成と同様の処理を行い、白色粉末としてBA5を1.41g(4.03mmol)得た。収率は32.3%であった。
Figure 2017191908
<ベンジルアミン構造を有するモノマー(BA6)の合成>
BA2の合成で使用したp−ブロモベンジルブロミドを3,5−ジブロモベンジルブロミドに変えた以外は、BA2の合成と同様の処理を行い、白色粉末としてBA6を1.34g(2.23mmol)得た。収率は17.8%であった。
Figure 2017191908

<ベンジルアミン部位を有するモノマー(BA7)の合成>
丸底フラスコに、BA3(4mmol)、ビスピナコラトジボロン(9.2mmol)、ジメトキシエタン(DME)(120mL)、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)(0.12mmol)、酢酸カリウム(CHCOOK)(17.6mmol)を加え、窒素下、90℃で7時間加熱攪拌した。室温(25℃)まで冷却後、水200mLを加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製し、白色結晶としてBA7を1.13g(2.09mmol)得た。収率は52.3%であった。
Figure 2017191908
<Pd触媒の調製>
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤取り、アニソール(15mL)を加え、30分間攪拌した。同様に、サンプル管にトリス(t−ブチル)ホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤取り、アニソール(5mL)を加え、5分間攪拌した。これらの溶液を混合し室温で30分間攪拌し触媒とした。すべての溶媒は30分以上、窒素バブルにより脱気した後、使用した。
<電荷輸送性ポリマー1の合成>
三口丸底フラスコに、下記モノマーA(5.0mmol)、下記モノマーB1(2.0mmol)、下記モノマーC2(4.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。30分攪拌した後、10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(20mL)を加えた。すべての溶液は30分以上、窒素バブルにより脱気した後、使用した。この混合物を2時間、加熱還流した。ここまでの操作は窒素気流下で行った。
Figure 2017191908
反応終了後、有機層を水洗し、有機層をメタノール−水(9:1)に注いだ。生じた沈殿を吸引ろ過後により回収し、メタノール−水(9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールから再沈殿した。得られた沈殿を吸引ろ過により回収し、トルエンに溶解し、金属吸着剤(Strem Chemicals社製「Triphenylphosphine,polymer−bound on styrene−divinylbenzene copolymer」、沈殿物100mgに対して200mg)を加えて、一晩攪拌した。攪拌終了後、金属吸着剤と不溶物をろ過して取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮液をトルエンに溶解した後、メタノール−アセトン(8:3)から再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過により回収し、メタノール−アセトン(8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、電荷輸送性ポリマー1を得た。分子量は、溶離液にTHFを用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。得られた電荷輸送性ポリマー1の数平均分子量は、13,600、重量平均分子量は72,800であった。
数平均分子量及び重量平均分子量は、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定した。測定条件は以下のとおりである。
送液ポンプ :L−6050 (株)日立ハイテクノロジーズ
UV−Vis検出器:L−3000 (株)日立ハイテクノロジーズ
カラム :Gelpack(登録商標) GL−A160S/GL−A150S 日立化成(株)
溶離液 :THF(HPLC用、安定剤を含まない) 和光純薬工業(株)
流速 :1mL/min
カラム温度 :室温
分子量標準物質 :標準ポリスチレン
<電荷輸送性ポリマー2の合成>
三口丸底フラスコに、上記モノマーA(5.0mmol)、上記モノマーB1(2.0mmol)、上記モノマーC2(2.0mmol)、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA1(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー2の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー2の数平均分子量は、18,600、重量平均分子量は57,100であった。
<電荷輸送性ポリマー3の合成>
三口丸底フラスコに、上記モノマーA(5.0mmol)、上記モノマーB1(2.0mmol)、上記モノマーC2(2.0mmol)、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA5(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー3の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー2の数平均分子量は、20,600、重量平均分子量は68,000であった。
<電荷輸送性ポリマー4の合成>
三口丸底フラスコに、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA7(5.0mmol)、上記モノマーB1(2.0mmol)、上記モノマーC2(4.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー4の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー4の数平均分子量は、11,600、重量平均分子量は25,600であった。
<電荷輸送性ポリマー5の合成>
三口丸底フラスコに、上記モノマーA(5.0mmol)、上記モノマーB1(1.0mmol)、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA2(1.0mmol)、上記モノマーC2(4.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー5の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー5の数平均分子量は、10,300、重量平均分子量は23,000であった。
<電荷輸送性ポリマー6の合成>
三口丸底フラスコに、上記モノマーA(5.0mmol)、下記モノマーB3(2.0mmol)、上記モノマーC2(4.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー6の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー6の数平均分子量は、21,700、重量平均分子量は61,200であった。
Figure 2017191908
<電荷輸送性ポリマー7の合成>
三口丸底フラスコに、上記モノマーA(5.0mmol)、上記モノマーB3(2.0mmol)、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA5(2.0mmol)、上記モノマーC2(2.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー7の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー7の数平均分子量は、17,200、重量平均分子量は45,900であった。
<電荷輸送性ポリマー8の合成>
三口丸底フラスコに、上記モノマーA(5.0mmol)、上記モノマーB3(1.0mmol)、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA2(1.0mmol)、上記モノマーC2(4.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー8の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー5の数平均分子量は、13,700、重量平均分子量は57,200であった。
<電荷輸送性ポリマー9の合成>
三口丸底フラスコに、上記ベンジルアミン部位を有するモノマーBA7(5.0mmol)、上記モノマーB3(2.0mmol)、上記モノマーC2(4.0mmol)、及びアニソール(20mL)を加え、更に調製したPd触媒溶液(7.5mL)を加えた。以降、電荷輸送性ポリマー1の合成と同様にして、電荷輸送性ポリマー9の合成を行った。得られた電荷輸送性ポリマー9の数平均分子量は、17,200、重量平均分子量は60,100であった。
電荷輸送性ポリマー1〜9を合成するために使用したモノマーを表1にまとめて示す。
Figure 2017191908
<有機EL素子の作製及び評価>
<電荷輸送性ポリマーを正孔注入層に含む有機EL素子>
(実施例1)
窒素雰囲気下で、電荷輸送性ポリマー2(10.0mg)、下記ドーパント1(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)を混合し、インク組成物を調製した。ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
Figure 2017191908
上記のようにして得た正孔注入層を有するガラス基板を、真空蒸着機中に移し、正孔注入層上にα−NPD(40nm)、CBP:Ir(ppy)(94:6、30nm)、BAlq(10nm)、TPBi(30nm)、LiF(0.8nm)、及びAl(100nm)をこの順に蒸着法で成膜した。その後、封止処理を行って有機EL素子を作製した。
(実施例2)
実施例1に記載の有機EL素子において、正孔注入層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー2を、電荷輸送性ポリマー3に変えた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
(実施例3)
実施例1に記載の有機EL素子において、正孔注入層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー2を、電荷輸送性ポリマー4に変えた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
(実施例4)
実施例1に記載の有機EL素子において、正孔注入層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー2を、電荷輸送性ポリマー5に変えた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
(比較例1)
実施例1に記載の有機EL素子において、正孔注入層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー2を、ベンジルアミン構造を含まない電荷輸送性ポリマー1に変えた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
実施例1〜4、及び比較例1で作製した有機EL素子において、正孔注入層を形成するために用いた材料を表2にまとめて示す。
Figure 2017191908
実施例1〜4、及び比較例1で得た各有機EL素子に電圧を印加したところ、緑色発光が確認された。それぞれの素子について、発光輝度5,000cd/mでの発光効率、及び初期輝度5,000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。測定結果を表3に示す。輝度の測定には、トプコンテクノハウス社製「SR−3AR」を用いた。
Figure 2017191908
表3に示すとおり、実施例1〜4では、比較例1よりも、発光効率が高く、かつ駆動安定性に優れた長寿命の有機EL素子が得られた。これらの結果から、ベンジルアミン構造を有する電荷輸送性ポリマーを使用することによって、有機EL素子における発光効率及び発光寿命の向上効果が得られることがわかる。
<電荷輸送性ポリマーを正孔輸送層に含む有機EL素子>
(実施例5)
窒素雰囲気下で、電荷輸送性ポリマー2(10.0mg)、上記ドーパント1(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)を混合し、インク組成物を調製した。ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
次に、電荷輸送性ポリマー7(20.0mg)、下記ドーパント2(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)を混合し、インク組成物を調製した。次いで、先に形成した正孔注入層の上に、上記インク組成物を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で200℃、10分間加熱して硬化させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
Figure 2017191908
上記のようにして得た、正孔注入層及び正孔輸送層を順に有するガラス基板を、真空蒸着機中に移し、正孔輸送層上にCBP:Ir(ppy)(94:6、30nm)、BAlq(10nm)、TPBi(30nm)、LiF(0.8nm)、及びAl(100nm)をこの順に蒸着法で成膜した。その後、封止処理を行って有機EL素子を作製した。
(実施例6)
実施例5の有機EL素子において、正孔輸送層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー7を、電荷輸送性ポリマー8に変えた以外は、実施例5と同様にして、有機EL素子を作製した。
(実施例7)
実施例5の有機EL素子において、正孔輸送層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー7を、電荷輸送性ポリマー9に変えた以外は、実施例5と同様にして、有機EL素子を作製した。
(比較例2)
実施例5の有機EL素子において、正孔輸送層の形成工程で使用した電荷輸送性ポリマー7を、ベンジルアミン構造を含まない電荷輸送性ポリマー6に変えた以外は、実施例5と同様にして、有機EL素子を作製した。
実施例5〜7、及び比較例2で作製した有機EL素子において、正孔輸送層を形成するために用いた材料を表4にまとめて示す。
Figure 2017191908
実施例5〜7、及び比較例2で得た各有機EL素子に電圧を印加したところ、緑色発光が確認された。それぞれの素子について、発光輝度5,000cd/mでの発光効率及び初期輝度5,000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。測定結果を表5に示す。輝度の測定には、トプコンテクノハウス社製「SR−3AR」を用いた。
Figure 2017191908
表5に示すとおり、実施例5〜7では、比較例2よりも発光効率が高く、かつ駆動安定性に優れた長寿命の有機EL素子が得られた。これらの結果から、ベンジルアミン構造を有する電荷輸送性ポリマーを使用することによって、有機EL素子における発光効率及び発光寿命の向上効果が得られることがわかる。
<白色有機EL素子(照明装置)の作製及び評価>
(実施例8)
窒素雰囲気下で、電荷輸送性ポリマー2(10.0mg)、上記ドーパント1(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)を混合し、インク組成物を調製した。ITOを1.6mm幅にパターニングしたガラス基板上に、インク組成物を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で220℃、10分間加熱して硬化させ、正孔注入層(30nm)を形成した。
次に、電荷輸送性ポリマー7(20.0mg)、下記ドーパント2(0.5mg)、及びトルエン(2.3mL)を混合し、インク組成物を調製した。先に形成した正孔注入層の上に、上記インク組成物を回転数3,000min−1でスピンコートした後、ホットプレート上で200℃、10分間加熱して硬化させ、正孔輸送層(40nm)を形成した。正孔注入層を溶解させることなく、正孔輸送層を形成することができた。
次に、窒素雰囲気下で、CDBP(15mg)、FIr(pic)(0.9mg)、Ir(ppy)(0.9mg)、btpIr(acac)(1.2mg)、及びジクロロベンゼン(0.5mL)を混合し、インク組成物を調製した。インク組成物を、先に形成した正孔輸送層の上に回転数3,000min−1にてスピンコートし、80℃5分間加熱して乾燥させ、発光層(40nm)を形成した。正孔輸送層を溶解させることなく、発光層を形成することができた。
上記のようにして得た正孔注入層/正孔輸送層/発光層を順次有するガラス基板を、真空蒸着機中に移し、発光層上にBAlq(10nm)、TPBi(30nm)、LiF(0.5nm)、及びAl(100nm)をこの順に蒸着法で成膜した。その後、封止処理を行って白色有機EL素子を作製した。白色有機EL素子は、照明装置として使用することができた。
(比較例3)
実施例8の白色有機EL素子における正孔注入層の形成工程において、電荷輸送性ポリマー2を電荷輸送性ポリマー1に変えたこと、及び正孔輸送層の形成工程において、電荷輸送性ポリマー7を電荷輸送性ポリマー6に変えたこと以外は、実施例8と同様にして白色有機EL素子を作製した。
実施例8および比較例3で得た白色有機EL素子に電圧を印加して、輝度1,000cd/mでの電圧及び初期輝度1,000cd/mにおける発光寿命(輝度半減時間)を測定した。実施例8の電圧を1.0とすると、比較例3の電圧は、1.09であった。また、実施例8の発光寿命を1.0とすると、比較例3の発光寿命は0.47であった。実施例8の白色有機EL素子は、優れた駆動電圧及び発光寿命を示した。
以上、本発明における効果を実施例に沿って示した。本発明によれば、有機層を湿式プロセスによって容易に形成することができ、また、発光寿命の特性に優れた有機EL素子を得ることができる、電荷輸送性ポリマーを含む有機エレクトロニクス材料を実現できる。実施例で示した電荷輸送性ポリマーにおける構成単位の組合せは単なる例示に過ぎない。例示した構成単位の組合せを有する電荷輸送性ポリマー以外にも、ベンジルアミン構造を有する構造単位BAを少なくとも含む他の電荷輸送性ポリマーを使用することで同様の効果を得ることが可能である。
1 陽極
2 正孔注入層
3 発光層
4 電子注入層
5 陰極
6 基板
7 正孔輸送層
8 電子輸送層

Claims (14)

  1. ベンジルアミン構造を有する電荷輸送性ポリマーを含有する、有機エレクトロニクス材料。
  2. 更にドーパントを含有する、請求項1に記載の有機エレクトロニクス材料。
  3. 前記電荷輸送性ポリマーが、更に重合性官能基を有する、請求項1又は2に記載の有機エレクトロニクス材料。
  4. 前記ドーパントがオニウム塩を含む、請求項2又は3に記載の有機エレクトロニクス材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロニクス材料を用いて形成された、有機薄膜。
  6. 請求項5に記載の有機薄膜を含む、有機エレクトロニクス素子。
  7. 請求項5に記載の有機薄膜を含む、有機エレクトロルミネセンス素子。
  8. 前記有機薄膜が正孔注入層である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  9. 前記有機薄膜が正孔輸送層である、請求項7に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  10. フレキシブル基板を更に有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  11. 樹脂フィルム基板を更に有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、表示素子。
  13. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子を備えた、照明装置。
  14. 請求項13に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子とを備えた、表示装置。
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