JP2017191302A - 指紋防止膜の製造方法およびその材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネルの表面には指紋などの付着防止のために指紋防止膜が形成されている。それらの指紋防止膜は耐久性が悪い。耐久性を向上させる手段として、下地層としてSiO2薄膜を設ける方法があるが、耐久性が十分でない。十分な指紋防止効果を有し、かつ耐久性の優れた指紋防止膜を提供する。【解決手段】指紋防止膜33の下地層にSiを主成分としてモル比でSiが1モルに対してZrが0.1〜0.02モルであるような光学薄膜32を用いる。【選択図】図3

Description

この発明は、真空中で指紋防止膜の下地層を形成するための材料およびその手法に関するもので、とくにその指紋防止膜の耐久性向上に関する。
ディスプレイ技術の進歩に従って、ディスプレイを直接指で触れることによる直感的な操作をおこなう機器、いわゆるタッチパネルを持つ機器が増加している。タッチパネルは表示内容をプログラムの変更だけで一つのパネル上でいろいろな操作を行うことができ、従来の煩雑なボタン・スイッチ操作やモニタリング表示を切り替えることが可能となったほか、コストの削減、故障の低減、機械に関する人間の抵抗感をなくす、など画期的な技術である。しかし、そのタッチパネルは人間が指で操作するという特性上、人間の指に付いた指紋が付着しやすく、時としてディスプレイのメリットである視認性を妨げる結果となることが多い。
また、タッチパネルでは視認性を向上させるために反射防止膜がつけられることがある。ガラス基板には片面に付き約4%に光の反射があり、その反射光が視認性を妨げる原因となるため反射を防ぐ薄膜を付けることによりその反射光を1%以下、さらには0.5%以下にも下げることができる。
反射防止膜は要求される特性により単層反射防止膜と多層反射防止膜に分けられる。
図1は単層反射防止膜の一例を示す概念図である。
図1の反射防止膜10はガラス基板11の片面にガラス基板より低い屈折率を持つ低屈折率層12を真空蒸着法やスパッタリング法などにより積層されている。
図1の反射防止膜は、低屈折率層12が屈折率1.52のSiO2により構成され、ガラス基板11の屈折率は1.52である。
図1の例は単層反射防止膜の一例であるが、反射防止膜の理論より反射防止膜の構成は多層膜でもよい。
図2は多層反射防止膜の一例を示す概略図である。
図2の反射防止膜20はガラス基板21の片面に高屈折材料により形成された高屈折率層22−1、22−2、22−3と低屈折率層23−1、23−2、23−3が真空蒸着法やスパッタリング法などにより交互に積層されている。
図2の反射防止膜は、高屈折率層22−1、22−2、22−3が屈折率2.35のTiO2により構成され、低屈折率層23−1,23−2,23−3が屈折率1.46のSiO2で構成され、ガラス基板21の屈折率は1.52である。
図1の例は6層構成の反射防止膜であるがこれは一例であり、層数は用途により適宜選択される。
これらの反射防止膜は反射を下げ視認性を上げる効果があるが、通常のガラス基板に比べて指紋が付きやすい欠点を持つ。
指紋が油を主成分とする複雑な組成物であることは広く知られている。従来、眼鏡などは人間が手にする機会が多いためその汚れを防ぐ手段として撥水性のある材料を眼鏡レンズの表面に形成することが広く行われてきた。また、さらにその拭取り性を向上するために油に対するはじき性、いわゆる撥油性を持つ材料を形成する技術も広く知られている。
近年、これらの技術を応用し、タッチパネルの表面にも同様の薄膜を形成し、タッチパネルの汚れ防止を行うことがおこなわれている。特にスマートフォンのタッチパネルの分野では指の触れる機会が格段に多いためその需要は急増している。
一般に指紋防止膜の材料はフッ素系のシリコーン類が用いられている。しかしフッ素系のシリコーン類の薄膜は有機化合物の一種であるために耐久性が低いことが多い。この耐久性を向上させる手段として、下地層としてSiO2薄膜を使用してその上にフッ素系シリコーン類を塗付する方法、SiO2薄膜を指紋防止膜の下地層として真空蒸着法で成膜しその上にさらに真空蒸着法にて指紋防止のフッ素系シリコーン類を蒸着する方法、SiO2とSi3N4の薄膜をプラズマ利用のスパッタリング法により成膜してその上に真空蒸着法にてフッ素系シリコーン類を蒸着することで耐久性を向上させる方法、などが提案されている。
指紋防止膜を作成するにあたり重要なことは、指紋防止膜自身の摩擦係数が小さく、よく滑ること。下地となる層との密着性が良いこと。下地となる層の機械的強度が大きいことである。
指紋防止膜自身は複雑な構造を持つフッ素含有シリコーン類であり、分子構造の片方の末端がフッ素を含む、指紋防止性能を発揮する部分と、他方の末端には下地層と反応する官能基からなる。
フッ素を含む部分は摩擦係数が1.0以下であればすべり性は十分であり、直接は耐久性に影響を与えない。
また、指紋防止膜の下地層として用いられるSiO2膜には表面に水酸基が存在し、その水酸基がフッ素シリコーン類の官能基と反応し強固な結合を形成する。指紋防止層の下地層として用いる材料は、水酸基を持つ必要があるため、表面に水酸基を持たないSiO2以外の他の酸化物材料では接着しない。
下地層と反応する官能基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、アルコキシ基、クロロ基、アミノ基、イソシアネート基などの加水分解可能な官能基からなり、それが下地層上に存在する水酸基と反応する。
これらの中で最も優れた官能基はアミノ基とされているが、その耐久性は必ずしも十分ではない。
下地層の機械的強度を比較するとSiO2膜よりも硬度が高い薄膜はいくつかみられる。たとえばHfO2やTiO2、ZrO2などがあげられる。これらの薄膜は真空蒸着法を用いて成膜した場合、SiO2に比べて2倍から2.5倍程度の機械的強度が得られることが知られている。
しかし、HfO2やTiO2、ZrO2はSiO2が屈折率1.48程度なのに比べてHfO2で2.05.TiO2は2.3、ZrO2は2,05程度である。光学薄膜の場合、それが成膜されるガラス基板に対して屈折率が低い場合、それ単独で反射率を下げる効果がある。一般に用いられる硝子は屈折率が1.52程度であるためSiO2膜は反射防止効果を持つ。
一方、HfO2やTiO2、ZrO2はガラス基板に比べて屈折率が高く、反射防止効果が得られない。したがって視認性を重視するタッチパネルなどに単独で用いることはできない。
特開昭61−130902号公報 特開2003−329802号公報 特開2004−51849号公報 特開2012−157856号公報 特開2013−227506号公報 特開2015−199915号公報 特開平6−248434号公報 特開2015−1672号公報
しかしながら下地層としてSiO2膜を単独で使用する、あるいは真空蒸着によりSiO2膜上にフッ素系シリコーン類を蒸着する方法は耐久性が十分でない。
また、プラズマを用いたスパッタリング法によりSi3N4とSiO2の多層膜を形成し反射防止膜とする方法は装置のコストが高い。
本発明の目的は、十分な指紋防止効果を有し、かつ耐久性の優れた指紋防止膜を提供することにある。
以上の課題を解決するための本発明第1の観点は下地層がSiを主成分とし、Zrを含む酸化物薄膜を用いることである。
好適には、SiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である酸化物薄膜を指紋防止膜の下地層として用いることである。
本発明の第2の観点はSiを主成分としZrを含む酸化物薄膜を形成するためにSiを主成分としZrを含む金属または酸化物材料を薄膜形成材料として用いることである。
好適には、SiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である金属または酸化物材料を薄膜形成材料として用いることである。
本発明の第3の観点はSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である光学薄膜を反射防止膜の最外層とし、その上に指紋防止膜を成膜してなる光学薄膜を用いることである。
好適にはSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である光学薄膜が反射防止膜の最外層となるような反射防止膜を作成することである。
本発明の第4の観点はSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である金属または酸化物材料を指紋防止膜の下地層として使用する薄膜の形成材料として使用する方法である。
本発明の第5の観点はSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である金属または酸化物材料を真空中で溶解してその蒸気を基板上に凝縮させることによって指紋防止膜の下地層を形成させる薄膜形成の方法である。
本発明の第6の観点はSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である金属または酸化物材料を真空中で高エネルギーの粒子によりスパッタリングし、その材料の粒子を基板上に析出させることによって指紋防止膜の下地層を形成させる薄膜形成の方法である。
本発明によって十分な機械的強度を有する指紋防止膜を提供することができる。
図1は指紋防止膜を持つ単層反射防止膜の一例を示す模式図である。 図2は指紋防止膜を持つ多層反射防止膜の一例を示す模式図である。 図3は実施例1〜3に係る発明の一実施形態を示す断面図である。 図4は実施例4に係る発明の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例に付き説明する。なお、本発明の形態は、以下のものに限定されない。
(下地層形成材料の作成)
本発明のSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である金属下地層形成材料の作成ため、Si粉末とZr粉末を混合し、実際の使用に即した形状に成形し、焼結した焼結金属体、あるいは混合して溶解し固化させたものを実際の使用に即した形状に加工した材料が用いられる。
また、本発明のSiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である酸化物材料の作成のため、SiO2粉末とZrO2粉末を混合し、実際の使用に即した形状に成形し、焼結した酸化物焼結体などが用いられる。
(反射防止膜の作成)
SiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である金属または酸化物材料を使用して薄膜を形成する方法としては下地層形成材料の作成で示した材料を真空中で溶解して蒸気を発生させその蒸気をガラス基板、あるいはすでに他の薄膜が形成されたガラス基板上に析出させてなる、いわゆる真空蒸着法を用いるか、あるいは、材料に真空中で高エネルギーの粒子をぶつけて、材料を弾き飛ばし、その弾き飛ばされた材料をガラス基板上、あるいはすでに薄膜が形成されたガラス基板上に析出させて薄膜を形成するスパッタリング法を用いることができる。
(指紋防止膜の作成)
SiとZrのモル比が1:0.1〜1:0.02である反射防止膜に指紋防止機構のある撥油性の薄膜を形成する方法としては、指紋防止効果のある薬液を真空中で蒸発させる方法や薬液を希釈して大気中でスプレーする方法などがある。
(実施例1)
市販の平均粒径5μmのSiO2粉末(龍森製 CRYSTALITE CMC‐12)と平均粒径1.9μmのZrO2粉末(第一稀元素製 EP 酸化ジルコニウム)をSiO2粉末が重量比で85%、ZrO2粉末が重量比で15%となるようにリボンミキサー(DALTON社製RM‐20型)にて3時間混合。その後バインダーとして水を10重量%添加して30分混合したものを原料紛とした。
この粉末を油圧成型機により直径20mm、厚みが15mm程度となるように加圧整形して円柱状の整形体を得た。この成形体を大気中で1400℃となる様に加熱し、SiO2とZrO2の混合焼結体を得た。
この焼結体をガラス基板(コーニング社製ゴリラガラス)がドーム上に配置された真空蒸着装置(オプトラン製 OTFC‐1300)にいれ、電子銃(日本電子製 BS‐60050EBS)にて材料に電子ビームを照射、溶解し、同時にイオン銃を使用してAr+O2ガスにてアシストを行いながら発生する蒸気をガラス基板上に堆積させた。なお同時に水晶式膜厚計にて測定した膜厚は50nmであった。
そののち、撥油性を持つ材料(ダイキン工業製オプツールDSXをスチールウールに含浸させ銅容器に詰めた撥油性薄膜形成材料を抵抗加熱法により加熱し、先のSiO2上に撥油性薄膜を形成した。
成膜終了後ガラスを取り出し1日間大気中に放置したのち、撥油性の指標として接触角を協和界面化学製接触角計DM‐501にて測定したところその接触角は116.7°であった。その後その膜を1cm角のスチールウール(ボンスター#0000)に1kgの荷重をかけ、基板上を往復させ、一定回数ごとに接触角を測定し、撥油性薄膜の耐久性を測定した(表1)。
(実施例2)
市販の平均粒径5μmのSiO2粉末と平均粒径1.9μmのZrO2粉末をSiO2粉末が重量比で80%、ZrO2粉末が重量比で20%となるようにリボンミキサーにて3時間混合した。
この粉末を真空ホットプレス装置に充填し1500℃に加熱しながら150tonの圧力をかけ、直径約15cm、厚みが4mm程度の板状の整形体を得た。
この成形体をCu製のバッキングプレートにインジウムを用いてボンディングし、スパッタリング用のターゲットとした。このターゲットをガラス基板が配置されたスパッタリング装置にいれ、Ar+O2ガスにてスパッタリングしガラス基板上に薄膜を堆積させた。なお同時に水晶式膜厚計にて測定した膜厚は55nmであった。
そののち、撥油性を持つ材料をスチールウールに含浸させ銅容器に詰めた撥油性薄膜形成材料を抵抗加熱法により加熱し、先のSiO2上に撥油性薄膜を形成した。
成膜終了後ガラスを取り出し1日間大気中に放置したのち、接触角を測定したところその接触角は116.4°であった。その後その膜を1cm角のスチールウール(ボンスター#0000)に1kgの荷重をかけ、基板上を往復させ、一定回数ごとに接触角を測定し、撥油性薄膜の耐久性を測定した(表1)。
(実施例3)
市販の平均粒径5μmのSiO2粉末と平均粒径1.9μmのZrO2粉末をSiO2粉末が重量比で95%、ZrO2粉末が重量比で25%となるようにリボンミキサーにて3時間混合した。
この粉末を真空ホットプレス装置に充填し1500℃に加熱しながら150tonの圧力をかけ、直径約15cm、厚みが4mm程度の板状の整形体を得た。
この整形体Cu製のバッキングプレートにインジウムを用いてボンディングし、スパッタリング用のターゲットとした。このターゲットをガラス基板が配置されたスパッタリング装置にいれ、Ar+O2ガスにてスパッタリングしガラス基板上に薄膜を堆積させた。なお同時に水晶式膜厚計にて測定した膜厚は55nmであった。
そののち、撥油性を持つ材料をスチールウールに含浸させ銅容器に詰めた撥油性薄膜形成材料を抵抗加熱法により加熱し、先のSiO2上に撥油性薄膜を形成した。
成膜終了後ガラスを取り出し1日間大気中に放置したのち、接触角を測定したところその接触角は115.9°であった。その後その膜を1cm角のスチールウール(ボンスター#0000)に1kgの荷重をかけ、基板上を往復させ、一定回数ごとに接触角を測定し、撥油性薄膜の耐久性を測定した(表1)。
(実施例4)
市販の平均粒径5μmのSiO2粉末と平均粒径1.9μmのZrO2粉末をSiO2粉末が重量比で95%、ZrO2粉末が重量比で5%となるようにリボンミキサーにて3時間混合。その後バインダーとして水を10重量%添加して30分混合したものを原料紛とした。
この粉末を油圧成型機により直径20mm、厚みが15mm程度となるように加圧整形して円柱状の整形体を得た。この整形体を大気中で1400℃となる様に加熱し、SiO2とZrO2の混合焼結体を得た。
この焼結体と低屈折率材料としてSiO2および高屈折材料としてTiO2を強化ガラス基板がドーム上に配置された真空蒸着装置にいれ、電子銃にてTiO2を基板側から第1層としTiO2をSiO2を交互に各2回蒸着し4層の多層膜を形成、さらにTiO2を蒸着したのち、最後にこの材料に電子ビームを照射、溶解し、同時にイオン銃を使用してAr+O2ガスにてアシストを行いながら発生する蒸気をガラス基板上に堆積させた。なお同時に水晶式膜厚計にて測定したこの膜厚は50nmであった。
そののち、撥油性を持つ材料をスチールウールに含浸させ銅容器に詰めた撥油性薄膜形成材料を抵抗加熱法により加熱し、先のSiO2上に撥油性薄膜を形成した。
成膜終了後ガラスを取り出し1日間大気中に放置したのち、接触角を測定したところその接触角は117.7°であった。その後その膜を1cm角のスチールウール(ボンスター#0000)に1kgの荷重をかけ、基板上を往復させ、一定回数ごとに接触角を測定し、撥油性薄膜の耐久性を測定した(表1)。
(比較例1)
市販の平均粒径5μmのSiO2粉末(龍森製 CRYSTALITE CMC‐12)と平均粒径1.9μmのZrO2粉末(第一稀元素製 EP 酸化ジルコニウム)をSiO2粉末が重量比で98%、ZrO2粉末が重量比で2%となるようにリボンミキサー(DALTON社製 RM‐20型)にて3時間混合。その後バインダーとして水を10重量%添加して30分混合したものを原料紛とした。
この粉末を油圧成型機により直径20mm、厚みが15mm程度となるように加圧整形して円柱状の整形体を得た。この整形体を大気中で1400℃となる様に加熱し、SiO2とZrO2の混合焼結体を得た。
この焼結体をガラス基板(コーニング社製ゴリラガラス)がドーム上に配置された真空蒸着装置(オプトラン製 OTFC‐1300)にいれ、電子銃(日本電子製 BS‐60050EBS)にて材料に電子ビームを照射、溶解し、同時にイオン銃を使用してAr+O2ガスにてアシストを行いながら発生する蒸気をガラス基板上に堆積させた。なお同時に水晶式膜厚計にて測定した膜厚は50nmであった。そののち、撥油性を持つ材料をスチールウールに含浸させ銅容器に詰めた撥油性薄膜形成材料を抵抗加熱法により加熱し、先のSiO2上に撥油性薄膜を形成した。
成膜終了後ガラスを取り出し1日間大気中に放置したのち、接触角計にて測定したところその接触角は116.7°であった。その後その膜を1cm角のスチールウール(ボンスター#0000)に1kgの荷重をかけ、基板上を往復させ、一定回数ごとに接触角を測定し、撥油性薄膜の耐久性を測定した(表1)。
(比較例2)
市販の平均粒径5μmのSiO2粉末と水をリボンミキサーにて1時間混合。この粉末を油圧成型機により直径20mm、厚みが15mm程度となるように加圧整形して円柱状の整形体を得た。この整形体を大気中で1400℃となる様に加熱し、SiO2の焼結体を得た。
この焼結体をガラス基板(コーニング社製ゴリラガラス)がドーム上に配置された真空蒸着装置(オプトラン製 OTFC‐1300)にいれ、電子銃(日本電子製 BS‐60050EBS)にて材料に電子ビームを照射、溶解し、同時にイオン銃を使用してAr+O2ガスにてアシストを行いながら発生する蒸気をガラス基板上に堆積させた。なお同時に水晶式膜厚計にて測定した膜厚は50nmであった。
そののち、撥油性を持つ材料をスチールウールに含浸させ銅容器に詰めた撥油性薄膜形成材料を抵抗加熱法により加熱し、先のSiO2上に撥油性薄膜を形成した。
成膜終了後ガラスを取り出し1日間大気中に放置したのち、撥油性の指標として接触角を協和界面化学製接触角計DM‐501にて測定したところその接触角は117.5°であった。その後その膜を1cm角のスチールウール(ボンスター#0000)に1kgの荷重をかけ、基板上を往復させ、一定回数ごとに接触角を測定し、撥油性薄膜の耐久性を測定した(表1)。
Figure 2017191302
10・・単層反射防止膜 11・・ガラス基板 12・・低屈折率膜
13・・指紋防止膜
20・・多層反射防止膜 21・・ガラス基板 22−1・・高屈折率膜1
22−2・・高屈折率膜2 22−3・・高屈折率膜3 23−1・・低屈折率膜1
23−2・・低屈折率膜2 22−3・・低屈折率膜3 24・・指紋防止膜
30・・単層反射防止膜 31・・ガラス基板
32・・Siを主成分としZrを含む光学薄膜 33・・指紋防止膜
40・・多層反射防止膜 41・・ガラス基板 42−1・・高屈折率膜1
42−2・・高屈折率膜2 42−3・・高屈折率膜3 43−1・・低屈折率膜1
43−2・・低屈折率膜2 44・・Siを主成分としZrを含む光学薄膜
45・・指紋防止膜

Claims (6)

  1. 素材がSiを主成分とし、モル比でSi 1モルに対してZrを0.1〜0.02モル含むことを特徴とする光学薄膜
  2. 素材がSiを主成分とし、モル比でSi 1モルに対してZrを0.1〜0.02モル含むことを特徴とする薄膜形成材料
  3. 請求項2による光学薄膜を反射防止膜の最外層とし、その上に指紋防止膜を成膜してなる光学薄膜
  4. 指紋防止の薄膜を製造するために請求項1の材料を指紋防止剤の下地膜として使用する方法
  5. 請求項1による材料を真空中で溶解してその蒸気を基板上に凝縮させることによって指紋防止膜の下地層を形成させる薄膜形成の方法
  6. 請求項1による材料を真空中で高エネルギーの粒子によりスパッタリングし、その材料の粒子を基板上に析出させることによって指紋防止膜の下地層を形成させる薄膜形成の方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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