JP2020148787A - 透明部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦傷性に優れた光干渉膜を備えた透明部材を提供する。【解決手段】ガラス、ガラス‐セラミックス又はサファイヤからなる透明基板と、透明基板の表面に配置された光干渉膜と、を備えた透明部材であり、光干渉膜は、波長632nmにおける屈折率が1.80以上の高屈折率材料からなる高屈折率膜、屈折率が1.55以上1.80未満の中間屈折率材料からなる中間屈折率膜及び屈折率が1.55未満の低屈折率材料からなる低屈折率膜を含み、光干渉膜のマルテンス硬度が、ビッカース圧子の押し込み深さ100nmにおいて、7.5GPa〜11GPaであり、光干渉膜の表面粗さRaが0.5nm〜2nmであり、高屈折率材料が、SimAlnOpNqである、透明部材。但し、m/(m+n)が0.05〜0.3であり、q/(p+q)が0.5〜0.9である。【選択図】図1

Description

本発明は、透明部材に関する。
近年、携帯電話やタブレット型端末といった画像表示装置の表面には、表示面を保護する透明部材が設けられている。
透明部材には、耐擦傷性、低反射性、防汚性及び表面滑り性が求められている。したがって、透明部材の表面に、耐擦傷性膜及び光干渉膜を設けることや、光干渉膜及び防汚膜を設けることが提案されている。
国際公開第2014/182639号 特開2006−124417号公報
本発明者らは、耐擦傷性に優れた光干渉膜の表面に防汚膜を設けることにより、光干渉膜の耐擦傷性が低下しやすくなること、を見出した。
本発明は、防汚膜を設けたとしても、耐擦傷性に優れる光干渉膜を備えた透明部材の提供を課題とする。
本発明者らは、光干渉膜の耐擦傷性が低下する原因が、光干渉膜の表面粗さであること、及び、光干渉膜の表面粗さを特定の範囲とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、以下の構成により、上記課題を解決できることを見出した。
ガラス、ガラス‐セラミックス又はサファイヤからなる透明基板と、前記透明基板の表面に配置された光干渉膜と、を備えた透明部材であり、
前記光干渉膜は、波長632nmにおける屈折率が1.80以上の高屈折率材料からなる高屈折率膜、前記屈折率が1.55以上1.80未満の中間屈折率材料からなる中間屈折率膜及び前記屈折率が1.55未満の低屈折率材料からなる低屈折率膜を含み、
前記光干渉膜のマルテンス硬度が、ビッカース圧子の押し込み深さ100nmにおいて、7.5GPa〜11GPaであり、
前記光干渉膜の表面粗さRaが0.5nm〜2nmであり、
前記高屈折率材料が、SiAlである、透明部材が提供される。但し、m/(m+n)が0.05〜0.3であり、q/(p+q)が0.5〜0.9である。
本発明の光干渉膜を備えた透明部材は、防汚膜の有無に関わらず、耐擦傷性に優れる。
本発明の透明部材10の一例を示す断面図である。 本発明の透明部材10の他の例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「透明」とは、光を透過できることを意味する。
光干渉膜12を構成する各膜の「膜厚」は、次のように定義する。イオンスパッタリングによるエッチングとX線光電子分光(XPS)測定とを交互に繰り返すことによって、光干渉膜12の表面から光干渉膜12と透明基板11との界面まで、厚さ方向に原子濃度の分析を行った。得られたスパッタ時間と原子濃度とのグラフにおいて、「目的の膜と直上膜との境界」から「目的の膜と直下膜との境界」までのスパッタ時間を、標準試料のスパッタレートから厚さに換算した値とした。「目的の膜と直上膜との境界」及び「目的の膜と直下膜との境界」は、それぞれ「目的の膜に含まれる原子及び直上膜に含まれる原子が検出されるスパッタ時間の中央値」及び「目的の膜に含まれる原子及び直下層に含まれる原子が検出されるスパッタ時間の中央値」とした。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
(透明部材)
図1は、本発明の透明部材10の一例を示す断面図である。透明部材10は、透明基板11と、透明基板11の一方の表面に配置された光干渉膜12と、を備える。光干渉膜12は、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23を含む。光干渉膜12の最表層は、低屈折率膜23である。
図2は、本発明の透明部材10の他の例を示す断面図である。透明部材10は、透明基板11と、透明基板11の一方の表面に配置された光干渉膜12と、を備える。光干渉膜12は、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23を含む。光干渉膜12の最表層は、低屈折率膜23である。
図1及び図2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
本発明の光干渉膜12は、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23を含むことができる複数の膜の組み合わせを含む。
光干渉膜12は、高屈折率膜21と中間屈折率膜22との繰り返し構造を有し、低屈折率膜23が該繰り返し構造の最表層に存在することが好ましい。低屈折率膜23は、該繰り返し構造の最下層にあってもよく、該繰り返し構造の途中位置にあってもよい。また、光干渉膜12は、低屈折率膜23と中間屈折率膜22との繰り返し構造を有し、高屈折率膜21が該繰り返し構造の最表層に存在することが好ましい。高屈折率膜21は、該繰り返し構造の最下層にあってもよく、該繰り返し構造の途中位置にあってもよい。同様に、光干渉膜12は、低屈折率膜23と高屈折率膜21との繰り返し構造を有し、中間屈折率膜22が該繰り返し構造の最表層に存在することが好ましい。中間屈折率膜22は、該繰り返し構造の最下層にあってもよく、該繰り返し構造の途中位置にあってもよい。さらに、光干渉膜12は、低屈折率膜23、中間屈折率膜22及び高屈折率膜21を一つの単位とする繰り返し構造を有することが好ましい。該単位は、透明基板11の側から、中間屈折率膜22、高屈折率膜21及び低屈折率膜23の順に構成されてもよく、高屈折率膜21、低屈折率膜23及び中間屈折率膜22の順に構成されていてもよい。
(光干渉膜)
光干渉膜12は、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23を含む。高屈折率膜21は、632nmにおける屈折率が1.80以上の高屈折率材料からなる。中間屈折率膜22は、632nmにおける屈折率が1.55以上1.80未満の中間屈折率材料からなる。低屈折率膜23は、632nmにおける屈折率が1.55未満の低屈折率材料からなる。
高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23は、互いに直接接触していることが好ましい。高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23が、互いに直接接触していると、各膜の界面における密着性が高まり、光干渉膜12の各種耐久性が向上する。
光干渉膜12は、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23を構成する材料と異なる材料から構成される介在層を有していてもよい。各膜の介在層としては、亀裂軽減層、低摩擦層が挙げられる。光干渉膜12に亀裂軽減層があると、光干渉膜12と透明基板11との間に亀裂が伸展することを抑制するため、光干渉膜12を備えた透明部材10の強度が高まる。亀裂軽減層は、光干渉膜12と透明基板11との間、又は光干渉膜12の途中位置、に設けられることが好ましい。また、光干渉膜12の最表面に低摩擦層があると、光干渉膜12の耐擦傷性が高まる。低摩擦層は、光干渉膜12の最表面に設けられることが好ましい。
光干渉膜12のマルテンス硬度は、ビッカース圧子の押し込み深さ100nmにおいて、7.5GPa〜11GPaである。マルテンス硬度が7.5GPa以上であると、光干渉膜12は、優れた耐擦傷性を有する。マルテンス硬度が11GPa以下であると、光干渉膜12において、割れの起点となる微細クラックが生じにくくなり、光干渉膜12を備えた透明部材10の強度が高まる。
光干渉膜12の表面粗さRaは、0.5nm〜2nmである。表面粗さRaは、JISB0601(2001)に準じて測定した。光干渉膜12の表面粗さRaが0.5nm以上であると、光干渉膜12と防汚膜との間の化学結合力が向上するため、防汚膜の密着性が向上する。防汚膜とは、指紋などの汚れを簡単に除去できる膜であり、エーテル結合を有するフルオロシランを含むことが好ましい。
光干渉膜は、あらゆる表面粗さにおいて、優れた耐擦傷性を有するものの、光干渉膜の表面に防汚膜を設けることにより、光干渉膜の耐擦傷性が低下する場合があった。本発明者らは、鋭意検討の結果、光干渉膜の表面粗さRaを2nm以下とすることで、防汚膜を設けたとしても、光干渉膜の耐擦傷性を維持できることを見出した。
詳細は明らかでないが、本発明者らは、表面粗さRaが2nm以下である光干渉膜12が、優れた耐擦傷性を有する理由について、以下の通り推測している。防汚膜の一部が剥離すると、光干渉膜の摩擦力が、剥離した場所において局所的に上昇する。摩擦力が局所的に上昇した場所において、傷の起点が発生しやすくなる。光干渉膜に傷の起点が一定数以上発生すると、傷の起点同士が、光干渉膜の内部で連結していくため、傷として認識されやすくなる。しかしながら、光干渉膜の表面粗さRaを2nm以下とすれば、防汚膜が剥離した場所における摩擦力の上昇が抑えられ、光干渉膜に生じる傷の起点の数を低減でき、傷として認識されにくくなったものと考えている。
光干渉膜12の表面粗さRaは、0.5nm以上であることが好ましく、0.8nm以上であることが特に好ましい。光干渉膜12の表面粗さRaは、1.8nm以下であることが好ましく、1.6nm以下であることが特に好ましい。
光干渉膜12の表面粗さRaは、高屈折率膜21を構成する高屈折率材料を特定の材料とすることで、2nm以下とすることができる。
高屈折率膜21を構成する高屈折率材料は、SiAlである。ここで、m/(m+n)が0.05〜0.3であり、q/(p+q)が0.5〜0.9である。
SiAlにおいて、m/(m+n)が0.05以上であると、SiAlが結晶化しにくくなり、高屈折率膜21の表面平滑化が進む。そのため、光干渉膜12の表面粗さRaを2nm以下に抑えることができる。すなわち、m/(m+n)が0.05以上であると、光干渉膜12は、優れた耐擦傷性を有する。m/(m+n)が0.3以下であると、高屈折率膜21の表面平滑性を維持でき、光干渉膜12の表面粗さRaを2nm以下に抑えることができる。すなわち、光干渉膜12は、優れた耐擦傷性を有する。さらに、m/(m+n)が0.3以下であると、光干渉膜12は、波長400nmにおける光損失が2%以下になる。
SiAlにおいて、q/(p+q)が0.5以上であると、高屈折率膜21のマルテンス硬度を高めることで、光干渉膜12のマルテンス硬度を7.5GPa以上にできる。すなわち、光干渉膜12は、優れた耐擦傷性を有する。q/(p+q)が0.9以下であると、高屈折率膜21の表面平滑化が進み、光干渉膜12の表面粗さRaを2nm以下に抑えることができる。さらに、q/(p+q)が0.9以下であると、光干渉膜12は、波長400nmにおける光損失が2%以下になる。
高屈折率膜21の膜厚は、2nm〜800nmであることが好ましい。高屈折率膜21の膜厚が、800nm以下であると、光干渉膜12の表面粗さRaを2nm以下に抑えることができる。高屈折率膜21の膜厚が、2nm以上であると、高屈折率膜21の膜厚を均一にすることができる。高屈折率膜21の膜厚は、2nm〜500nmであることがさらに好ましく、2nm〜200nmであることが特に好ましい。
高屈折率膜21の膜厚を全て合計した高屈折率膜21の総厚さが、光干渉膜12の総膜厚の90%以下であると、光干渉膜12のマルテンス硬度は、11GPa以下にできる。高屈折率膜21の総厚さは、85%以下であることが好ましく、80%以下であることが特に好ましい。
中間屈折率膜22は、マルテンス硬度が5.5GPa〜9.0GPaであり、膜の応力が−250MPa〜+200MPaであり、膜厚が1μmのときの表面粗さRaが1nm〜2nmであることが好ましい。中間屈折率膜22のマルテンス硬度が5.5GPa〜9.0GPaであると、光干渉膜12のマルテンス硬度は7.5GPa以上となりやすい。中間屈折率膜22の応力が−250MPa〜+200MPaであると、光干渉膜12の応力は−100MPa〜+100MPaとなりやすくなり、透明部材10の反りを抑制できる。中間屈折率膜22において、膜厚1μmのときの表面粗さRaが1nm〜2nmであると、光干渉膜12は、表面粗さRaを2nm以下にできる。
中間屈折率膜22を構成する中間屈折率材料は、Si又はAlを含む酸化物若しくは酸窒化物を含むことが好ましい。中間屈折率材料としては、Al、SiO、AlO、SiAlOが挙げられる。xは0.1〜1.9、yは0.1〜1.0、kは0.1〜1.4、jは0.1〜1.0、rは0.05〜3.0、sは1.2〜6.0である。中間屈折率材料は、Al又はAlOであることがさらに好ましい。中間屈折率材料がAl又はAlOであると、スパッタリング法で成膜する場合、Arガスの流量を特定の範囲とすることで、膜の応力を−50MPa〜+50MPaとすることができ、さらに、光干渉膜12の表面粗さRaを2nm以下に抑えることができる。
中間屈折率膜22の膜厚は、2nm〜800nmであることが好ましい。中間屈折率膜22の膜厚は、2nm〜500nmであることがさらに好ましく、2nm〜200nmであることが特に好ましい。
低屈折率膜23を構成する低屈折率材料は、Siを含む酸化物若しくは酸窒化物を含むことが好ましい。低屈折率材料としては、SiO、SiO、SiAl、SiAlが挙げられる。x/(x+y)は0.6〜1.0であり、v/(v+z)は0.3〜1.0である。低屈折率材料としては、SiOが特に好ましい。
低屈折率膜23の膜厚は、2nm〜800nmであることが好ましい。低屈折率膜23の膜厚は、2nm〜500nmであることがさらに好ましく、2nm〜200nmであることが特に好ましい。
光干渉膜12の総膜厚は、1000nm〜5000nmであることが好ましい。光干渉膜12の総膜厚が1000nm以上であると、光干渉膜12に生じる歪を低減できるため、光干渉膜12のマルテンス硬度を上げることができる。光干渉膜12の総膜厚が5000nm以下であると、光干渉膜12の表面粗さRaが2nm以下となりやすい。
光干渉膜12の総膜厚は、1100nm以上であることがさらに好ましく、1200nm以上であることが特に好ましい。光干渉膜12の総膜厚は、4800nm以下であることがさらに好ましく、4600nm以下であることが特に好ましい。
光干渉膜12に含まれる高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23の総数は、5〜200であることが好ましい。高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23の総数が200以下であると、光干渉膜12は、表面粗さRaを2nm以下とすることができる。また、光干渉膜12に含まれる高屈折率膜21及び中間屈折率膜22の総数は、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23の総数に対し80%〜99%を占めることが好ましい。高屈折率膜21及び中間屈折率膜22の総数が光干渉膜12に含まれる膜の総数の80%〜99%を占めることで、光干渉膜12は、マルテンス硬度を7.5GPa以上としやすくなり、表面粗さRaを2nm以下としやすくなる。
光干渉膜12に含まれる高屈折率膜21の膜の数は、2〜50であることが好ましい。光干渉膜12に含まれる中間屈折率膜22の膜の数は、2〜50であることが好ましい。光干渉膜12に含まれる低屈折率膜23の膜の数は、1〜20であることが好ましい。
光干渉膜12の波長400nmにおける光損失は、2%以下であることが好ましい。光干渉膜12の表面粗さRaが2nm以下であると、表面における光の散乱が低減され、短波長(波長400nm)の光損失を2%以下にできる。短波長(波長400nm)の光損失が2%以下であると、光干渉膜12の反射色がグレーに近くなり、透明部材10は好ましい外観となる。
(透明基板)
透明基板11は、ガラス、ガラス‐セラミックス又はサファイヤからなる。透明基板11は、強化されていてもよく、強化されていなくてもよい。透明基板11は、非晶質基板、結晶質基板又はそれらの組み合わせであってもよい。ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス及びアルミノボロシリケートガラスが挙げられる。透明基板11は、非晶質膜又は結晶質膜を含んでいてもよい。結晶質膜としては、サファイヤ層、多結晶質アルミナ層及び尖晶石層が挙げられる。
透明基板11の弾性率は、30GPa〜120GPaであることが好ましい。透明基板11の弾性率は、30GPa〜110GPa、30GPa〜100GPa、30GPa〜90GPa、30GPa〜80GPa、30GPa〜70GPa、40GPa〜120GPa、50GPa〜120GPa、60GPa〜120GPa、70GPa〜120GPaの範囲、並びにそれらの間の全範囲及び部分範囲であってもよい。
透明基板11の厚さは、0.2mm〜2.0mmであることが好ましい。透明基板11の厚さが0.2mm以上であると、透明基板11の曲げ強度を上げることができる。透明基板11の厚さが2.0mm以下であると、透明部材10を軽量化できる。透明基板11の厚さは、0.4mm以上であることがさらに好ましく、0.5mm以上であることが特に好ましい。透明基板11の厚さは、1.8mm以下であることがさらに好ましく、1.6mm以下であることが特に好ましい。
(透明部材の製造方法)
透明部材10は、透明基板11の表面に、光干渉膜12を配置したものである。光干渉膜12は、塗布、析出及び当該技術分野において既知の方法を用いて製造できる。光干渉膜12は、物理的蒸着法(真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法)、化学的蒸着法(熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法)で塗布できる。中でも、スパッタリング法が膜厚の均一性及び生産性に優れるので、好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1〜例12は実施例であり、例20〜例30は比較例である。
(例1)
100mm×100mm×0.56mmのアルミノシリケートガラス(比重2.48)を200〜400℃に予熱した後、イオン交換処理を行って、透明基板11を得た。イオン交換処理は、アルミノシリケートガラスを溶融塩に2時間浸漬し、室温付近まで冷却した後、水洗いすることで行った。
アルミノシリケートガラスの組成は、SiO64.4mol%、Al 8.0mol%、NaO 12.5mol%、KO 4.0mol%、MgO 10.5mol%、CaO 0.1mol%、SrO 0.1mol%、BaO 0.1mol%、ZrO0.5mol%であった。
透明基板11の一方の表面に、高屈折率膜21、中間屈折率膜22及び低屈折率膜23を、スパッタリング装置(RAS1100B II、シンクロン社製)にて成膜して、光干渉膜12を備えた透明部材10を得た。
光干渉膜12は、高屈折率膜21と中間屈折率膜22とを交互に積層させた後、最表層として低屈折率膜23を設けた構成とした。光干渉膜12の総膜厚は、3000nmであった。
高屈折率膜21(SiAl)の成膜には、Siターゲット及びAlターゲットを用い、成膜室の放電ガスとしてアルゴンを用い、反応室の放電ガスとして窒素及び酸素を用いた。成膜時の圧力は、0.15Paであった。高屈折率膜21の膜厚は、2nm〜150nmであった。膜の総数は、50であった。SiAlについて、m/(m+n)は0.3であり、q/(p+q)は0.9であった。膜の屈折率は、1.98であった。
中間屈折率膜22(Al)の成膜には、Alターゲットを用い、成膜室の放電ガスとしてアルゴンを用い、反応室の放電ガスとして酸素を用いた。成膜時の圧力は、0.15Paであった。中間屈折率膜22の膜厚は、10nm〜150nmであった。膜の総数は、49であった。
低屈折率膜23(SiO)の成膜には、Siターゲットを用い、成膜室の放電ガスとしてアルゴンを用い、反応室の放電ガスとして酸素を用いた。成膜時の圧力は、0.15Paであった。低屈折率膜23の膜厚は、150nmであった。膜の総数は、1であった。
(例2、例3、例6、例7、例11、例12、例20〜例29)
表1に示す構成とした以外は、例1と同様にして、光干渉膜を備えた透明部材を得た。
(例4)
中間屈折率膜22(AlO)の成膜において、反応室の放電ガスとして窒素及び酸素を用いた以外は、例1と同様にして、光干渉膜12を備えた透明部材10を得た。なお、kは、0.93であり、jは0.32であった。
(例5)
中間屈折率膜22(SiAlO)の成膜において、Siターゲット及びAlターゲットを用い、反応室の放電ガスとして酸素を用いた以外は、例1と同様にして、光干渉膜12を備えた透明部材10を得た。なお、rは2.1であり、sは5.1であった。
(例8)
低屈折率膜23(SiO)の成膜において、反応室の放電ガスとして窒素及び酸素を用いた以外は、例1と同様にして、光干渉膜12を備えた透明部材10を得た。なお、xは1.85であり、yは0.09であった。
(例9)
低屈折率膜23(SiAl)の成膜において、Siターゲット及びAlターゲットを用いた以外は、例1と同様にして、光干渉膜12を備えた透明部材10を得た。なお、vは0.72であり、zは0.28であり、xは1.8であった。
(例10)
低屈折率膜23(SiAl)の成膜において、Siターゲット及びAlターゲットを用い、反応室の放電ガスとして窒素及び酸素を用いた以外は、例1と同様にして、光干渉膜12を備えた透明部材10を得た。なお、vは0.85であり、zは1.5であり、xは1.87であり、yは0.08であった。
(例30)
高屈折率膜21(Nb)の成膜において、Nbターゲットを用い、成膜室の放電ガスとしてアルゴンを用い、反応室の放電ガスとして酸素を用いた。成膜時の圧力は0.15Paであった。高屈折率膜21の膜厚は5nm〜150nmであった。膜の総数は50であった。これら以外は、例1と同様にして、光干渉膜を備えた透明部材を得た。
Figure 2020148787
(波長400nmにおける光損失)
分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジーズ社製)及び絶対反射治具を用い、光干渉膜12について、入射角5度における透過率及び反射率を測定した。波長400nmの光において、100%から反射率及び透過率を減じた値を、光干渉膜12の波長400nmにおける光損失とした。
(マルテンス硬度)
PICODENTOR(HM500、フィッシャー・インスツルメンツ社製)を用いて、光干渉膜12の表面のマルテンス硬度を測定した。測定圧子はビッカース圧子を用い、最大荷重到達時間を10秒、クリープ時間を5秒、押し込み荷重を0.05mNから500mNの間で徐々に変更し、それぞれの条件で5回測定を実施し、その平均値を光干渉膜12のマルテンス硬度とした。
(表面粗さRa)
表面粗さ測定器(NanoNaviIIステーション、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、光干渉膜12の表面粗さを測定した。3か所の測定値の平均値を、光干渉膜12の表面粗さとした。
走査型プローブ顕微鏡ユニット:SPA400
カンチレバー:SI−DF40(背面AL有)
バネ定数 :42N/m
測定モード:DFM
走査エリア:10000nm
(耐擦傷性)
光干渉膜12を備えた透明部材10を2枚準備した。2枚のうち1枚について、光干渉膜12の表面に防汚膜を成膜した。防汚膜の成膜は、加熱式蒸着装置(RAS1100B II、シンクロン社製)を用いて行った。蒸着処理は、信越化学工業社製KY195が含浸された蒸着ペレットを用いて、チャンバー内圧力1×10−04Pa以下の真空下で、抵抗加熱により行った。防汚膜の膜厚は、2nm〜5nmとした。
3連式平面摩耗試験機(PA−300A、大栄科学精器製作所製)を用いて、防汚膜を有しない光干渉膜12及び防汚膜を有する光干渉膜12の耐擦傷性を評価した。測定条件は、荷重1kgf、ストローク幅40mm、速度80rpm、測定環境25℃50%RHとした。スチールウール(#0000)を取り付けた圧子(1cm)により、防汚膜を有しない光干渉膜12及び防汚膜を有する光干渉膜12の表面を5000回摺動させた後、表面に形成された傷の本数を目視で評価した。
○:傷の形成が確認できなかった。
△:傷が1本形成された。
×:傷が2本以上形成された。
波長400nmにおける光損失、マルテンス硬度、表面粗さRa及び耐擦傷性の結果を、表2に示す。
Figure 2020148787
表2に示す通り、例1〜例12で得られた光干渉膜12を備えた透明部材10は、防汚膜の有無に関わらず、優れた耐擦傷性を有していた。例20、例24、例28及び例30で得られた光干渉膜を備えた透明部材は、防汚膜の有無に関わらず、耐擦傷性が充分でなかった。さらに、例21〜例23、例25〜例27、例29で得られた光干渉膜を備えた透明部材は、防汚膜を有しない場合に耐擦傷性に優れていたものの、防汚膜を有する場合の耐擦傷性が充分でなかった。
本発明の透明部材は、各種機器(テレビ、コンピュータ及びスマートフォン)に備え付けられた画像表示装置(液晶ディスプレー及びOLED)の表示面において、耐擦傷性を備えた透明部材として有用である。
10:透明部材
11:透明基板
12:光干渉膜
21:高屈折率膜
22:中間屈折率膜
23:低屈折率膜

Claims (8)

  1. ガラス、ガラス‐セラミックス又はサファイヤからなる透明基板と、前記透明基板の表面に配置された光干渉膜と、を備えた透明部材であり、
    前記光干渉膜は、波長632nmにおける屈折率が1.80以上の高屈折率材料からなる高屈折率膜、前記屈折率が1.55以上1.80未満の中間屈折率材料からなる中間屈折率膜及び前記屈折率が1.55未満の低屈折率材料からなる低屈折率膜を含み、
    前記光干渉膜のマルテンス硬度が、ビッカース圧子の押し込み深さ100nmにおいて、7.5GPa〜11GPaであり、
    前記光干渉膜の表面粗さRaが0.5nm〜2nmであり、
    前記高屈折率材料が、SiAlである、透明部材。
    但し、m/(m+n)が0.05〜0.3であり、q/(p+q)が0.5〜0.9である。
  2. 前記高屈折率膜、前記中間屈折率膜及び前記低屈折率膜の膜厚が、2nm〜800nmである、請求項1に記載の透明部材。
  3. 前記光干渉膜の総膜厚が、1000nm〜5000nmである、請求項1又は2に記載の透明部材。
  4. 前記光干渉膜の波長400nmにおける光損失が、2%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明部材。
  5. 前記中間屈折率材料が、Alを含む酸化物又は酸窒化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明部材。
  6. 前記低屈折率材料が、Siを含む酸化物又は酸窒化物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明部材。
  7. 前記光干渉膜は、前記高屈折率膜と前記中間屈折率膜との繰り返し構造を有し、前記低屈折率膜が、前記繰り返し構造の最表層に存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明部材。
  8. 前記透明部材は、前記光干渉膜の上に、エーテル結合を有するフルオロシランを含む防汚膜を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明部材。
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