JP2017190757A - エンジン作業機 - Google Patents

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健文 川口
Takefumi Kawaguchi
健文 川口
直人 一橋
Naoto Ichihashi
直人 一橋
上村 淳一
Junichi Kamimura
淳一 上村
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Abstract

【課題】セルモータとバッテリの配置を改良することにより、小型化を図り重量バランスを良くしたエンジン作業機を提供する。【解決手段】軸線が上下方向に延びるシリンダ11と、クランクケース15と、ピストン12の動きを回転力として出力するクランク軸13を有するエンジン本体10と、シリンダ11の軸線とクランク軸13の軸線を通る面(鉛直面B1)の一方側に設けられる気化器35を有するエンジン作業機1において、エンジンの始動に用いられるバッテリ70を鉛直面B1の他方側であってマフラー30の下側に配置した。また、始動用のセルモータをクランク軸の軸線方向の前方下側に配置した。バッテリ70の配置のために、燃料タンク36を鉛直面B1を跨ぎながら一方側(左側)に片寄せ配置し、マフラー30の下方にバッテリ室63を形成するバッテリケース60を設けた。【選択図】図4

Description

本発明は、バッテリを用いて始動を補助する手段を持つエンジン作業機に関する。
小型のエンジンは軽量でありながら高出力であり、燃料の供給により長時間の作業が可能であることから、刈払機、チェンソー、ブロワ、カッタ等の作業機において広く用いられている。小型の作業機には特許文献1のように動力源として小型の2サイクルエンジンが広く用いられている。図7は従来のエンジン作業機101の一例である刈払機の外観図である。図7に示すように、小型のエンジンを搭載したエンジン作業機101は、パイプ状のメインパイプ105に図示しない駆動軸を通し、この駆動軸を、メインパイプ105の一端に設けたエンジンにて回転させることで、メインパイプ105の他端に設けた回転刃106を回転させる。回転刃106の近傍には、刈り払った草の飛散防止のための飛散防御カバー107が設けられる。エンジン作業機101は図示しない肩掛け用吊りベルト等で携帯されるもので、メインパイプ105の長手中央部付近に作業者が操作するための正面視略U字状を呈するハンドル104が取り付けられる。エンジン作業機101の回転速度は、グリップ部108の近傍に取り付けられたスロットルレバー109を用いて作業者により調整される。スロットルレバー109の操作は、ワイヤー120によってエンジンの気化器に伝達される。
エンジン作業機101で用いられるエンジンは、ファンケース103とシリンダカバー102を含んで構成されるハウジングの内部に収容され、図示しないエンジン本体を作業者が直接触ることができないように構成される。図示しないエンジンのシリンダには放熱用の複数のフィンが形成され、エンジンのクランク軸に取付けられる冷却ファンによって生成された風をフィンに当てることにより運転中のエンジンを効果的に冷却するように構成される。エンジンの始動のためにチョーク機構が設けられ、リコイルスターターによる手動式のスターターが設けられる。
チョーク操作を伴う場合、環境条件等で始動が困難になる場合があり、始動できない場合には作業者はスターターハンドルを引く操作を繰り返し行なわねばならないので、始動困難時の操作が大きな負担となっていた。こうした問題を解決するために、小型のエンジン作業機においても、モータ(セルモータ)によって強制的にクランク軸を回転させるようにしたセルフスタート方式が採用されるようになってきた。
特許第3,400,191号公報
特許文献1によるセルフスタート方式のエンジン作業機では、クランク軸の下にモータを配置して、その前方側にバッテリを並べて配置している。しかし、携帯型のエンジン作業機の場合、その配置によってエンジン作業機が大形化して使い勝手が低下すると共に、重量バランスが崩れることにより振動が悪化するという問題があった。また、小型のエンジン作業機では、エンジンのクランク軸に設けられた冷却ファンによって生成される冷却風によって、シリンダ等の発熱部位を強制的に冷却させるようにしているが、クランク軸の下にバッテリを収容するバッテリケースやセルモータを収容するハウジングを配置することにより、エンジン作業機の冷却効率が低下する恐れがあるので、冷却効率を十分配慮した設計をする必要があった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、セルモータとバッテリの搭載位置を改良することにより、始動用のバッテリを有するエンジン作業機の小型化と重量バランスの改善を図ることにある。
本発明の他の目的は、セルモータを有するエンジン作業機において、遠心クラッチ機構の放熱性能を低下させないようにすることにある。
本発明のさらに他の目的は、エンジンの動作に必要な電子回路の収容室の温度上昇を抑制できるようにしたエンジン作業機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、軸線が上下方向に延びるシリンダと、シリンダを保持するクランクケースと、シリンダ内で往復動するピストンの動きを回転力として出力するクランク軸を有するエンジン本体と、シリンダの軸線とクランク軸の軸線を通る平面(鉛直面)の一方側に設けられ、エンジン本体に燃料を供給する気化器と、エンジン本体の始動に用いられるバッテリを備えたエンジン作業機において、バッテリ又はモータを前記平面の他方側に配置した。また、クランク軸に始動用トルクを与えるセルフスタート用のモータを備え、モータに電力を供給するためのバッテリを搭載した。バッテリはクランク軸の軸方向に見て、エンジン本体と重なる位置に配置するように、即ち、エンジン本体の斜め側方に配置するようにした。
本発明の他の特徴によれば、エンジン本体の下方には気化器と接続された燃料タンクが配置され、燃料タンクは前記平面より両側に跨がるように一方側に偏って配置されるようにした。バッテリは、燃料タンクに隣接して配置される。また、前記平面の他方にはシリンダの排気ポートと接続されるマフラーが配置され、バッテリはマフラーの下方に配置される。さらに、マフラーを収容するマフラー室を形成するマフラーカバーを有し、バッテリはマフラーカバーに保持される。マフラーカバーのマフラー室を形成する壁面と、バッテリの保持部の壁面とは、空間により隔てられて離間するように構成すると良い。
本発明のさらに他の特徴によれば、クランク軸の回転により生じる冷却風が、バッテリを収容する空間又はバッテリを収容する空間を形成する保持部の周囲に導入される。また、モータは、クランク軸とベルト駆動により連結され、モータはシリンダの軸線とクランク軸の軸線を通る平面上に設けられる。さらに、モータとクランク軸との聞に、クランク軸の回転により生じる冷却風が導入されるようにした。
本発明によれば、比較的重くなるバッテリを、クランク軸を通る鉛直面に対して気化器や燃料タンクの重心が位置する側よりも反対側に配置することで、左右方向においてエンジンの重心を中心に維持しやすくなり、エンジンの左右方向に振れる振動を低減できる。
また、バッテリにより動作するモータを、クランク軸を通る鉛直面に対して気化器や燃料タンクの重心が位置する側よりも反対側に配置することで、左右方向においてエンジンの重心を中心に維持しやすくなり、エンジンの左右方向に振れる振動を低減できる。
さらに、モータとバッテリの位置を交替した場合でも、 始動のためにバッテリを設けたエンジン作業機のバランスを改善することができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例におけるエンジン作業機1の正面図である。 本発明の実施例におけるエンジン作業機1の左側面図である。 図1のA−A部におけるエンジン作業機1の縦断面図である。 図2のB−B部におけるエンジン作業機1の縦断面図である。 図1のC−C部における断面図、及びC−C部から左側を見た図である。 図3の大プーリ23単体の斜視図である。 従来のエンジン作業機101の外観図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後左右、上下の方向は、図中に示す方向であるとして説明する。
図1は、本発明の実施例に係るエンジン作業機1の正面図である。エンジン作業機1は、2サイクルエンジン等の小型のエンジンを動力源とするもので、エンジンはその上部がシリンダカバー2によって覆われる。エンジンの左側には、気化器35が設けられ、気化器35の左側には吸入する空気を濾過するエアクリーナ(後述)の格納空間を構成するエアクリーナカバー4が設けられる。エンジンの右側には後述するマフラーが設けられ、マフラーの周囲にはマフラーカバー部材により作業者がマフラーに触れることができないように全体が覆われる。ここでは、マフラーカバー部材は合成樹脂によりシリンダの上部を覆うシリンダカバー2と一体に製造される。エンジンの下側には燃料タンク36が設けられる。燃料タンク36は半透明の高分子樹脂により形成される容器であり、ここでは前方側からみてファンケース3と重なる中央部分から左側にだけ突出するように配置される。燃料タンク36には、開口部に取り付けられる燃料タンクキャップ37を外すことによってガソリンと所定比率のオイルを入れることができる。燃料タンク36の下側には、燃料タンク36を保護するとともにエンジン作業機1を床面や地面等に安定して載置させるための脚部7が設けられる。
前方側からみてファンケース3の右側部分には、後述するバッテリを収容するためのバッテリケース60が設けられる。バッテリケース60の内部の点線67に示す位置にセルモータの電力を供給するためのバッテリ(後述)が設けられる。ファンケース3のメインパイプを貫通させる上側部分には冷却ファン(後述)の回転によって外気を取り込むための複数の空気取入口55a、55bが形成される。また、ファンケース3のメインパイプを貫通させる貫通孔3aの下側部分には、等間隔で設けられる3つの空気取入口56a〜56cが形成される。それらの下側の点線46にて示す位置にはセルモータが収容される。図中において点線46、67と比較によってわかるように、バッテリとセルモータはエンジン本体部の下側に配置するようにし、セルモータはシリンダの軸線とクランク軸の軸線を通る平面上に設けられる。尚、ファンケース3の前方側であってセルモータを収容する部分には、セルモータだけを覆うような形状のモータカバー6が設けられる。
図2は本発明の実施例におけるエンジン作業機1の左側面図である。シリンダカバー2の左側側方には合成樹脂製のエアクリーナカバー4が設けられる。シリンダカバー2の後方側壁面部分には、空気を通すために複数のスリット状に形成された風窓2aが形成される。本実施例のエンジン作業機1は、ボリュート形状とされたファンケース3の下側部分に後述するセルモータを収容するためのモータカバー6を取り付けたものである。モータカバー6は、ファンケース3と共にシリンダから取り外し可能とされる。モータカバー6の形状は、収容するセルモータの大きさを覆うのに十分な大きさとすれば良いが、エンジン作業機1の回転方向を水平方向になるように位置づけしたときの下方向位置6bは、脚部7の下端位置を示す仮想線71とよりも矢印72のように所定距離だけメインパイプに近づくようにすると良い。同様にして、モータカバー6の前方位置6aは、ファンケース3の前端位置を示す仮想線73よりも矢印74のように所定距離だけ後方にしてクランクケースに近づくようにすると良い。ファンケース3及びモータカバー6は合成樹脂製の一体成形により一体に又は別体で製造できるが、それらの一部を金属製としても良いし、繊維強化プラスチック製としても良い。ファンケース3の一部であってクランク軸の軸線A1よりも上側には空気取入口55bが設けられる。また、ファンケース3の一部であってクランク軸の軸線A1よりも下側、かつ、モータカバー6との接合面付近には、空気取入口56cが形成される。これらの空気取入口55b、56c等は、外部から草や土等の塵埃の進入を防ぐために、細長いスリット状の形状とされ、その開口面はファンケース3の外面に沿っている。
エンジン作業機1の軸線A1の後方側の端部にはリコイルスターター42が設けられる。リコイルスターター42の上側にはスターターハンドル44が設けられる。リコイルスターター42にはスターターハンドル44に連結される牽引ひも(図示せず)を巻回するリールをクラッチを介してエンジンのクランク軸に連結され、スターターハンドル44を引くことによってクランク軸を回転させてエンジンを始動させる。本実施例のエンジン作業機1では、セルフ式のスターターに加えて、手動式のリコイルスターター42を設けたことにより、バッテリ上がりによりモータが回転しない場合でもエンジンの始動を可能としている。
図3は、本実施例に係るエンジン作業機1の内部構造を示す縦断面図であって、図1のA−A部の断面図である。エンジン本体10は2サイクルの小型エンジンであって、クランク軸13からシリンダ11が上側に延びるように配置される直立エンジンであり、コンロッド14にて軸支されるピストン12がシリンダ11内を上下方向に往復移動する。クランク軸13の前方部分には冷却ファン16が固定され、冷却ファン16はクランク軸13と同期して回転する。クランク軸13の前側(出力側)には、大プーリ23を軸支するために、出力伝達軸を軸方向に延長するための延長シャフト21が設けられる。延長シャフト21の後方側はクランク軸13とスプライン結合され、延長シャフト21とクランク軸13は同速度で回転する。延長シャフト21の前方側には、遠心クラッチ27の構成部品である遠心クラッチ支持板26が固定される。延長シャフト21の軸部分の外周側には、ワンウェイクラッチ22を介して大プーリ23が軸支される。ワンウェイクラッチ22は、一方の回転方向には動力を伝達し、他方の回転方向には動力を伝達せずに空転するようにしたクラッチ機構である。ここでは公知のカム式のクラッチを用いることができる。クランク軸13の回転速度が大プーリ23の回転速度よりも低い場合には、大プーリ23からクランク軸13側への回転力が伝達され、逆の場合は大プーリ23からクランク軸13側への動力伝達が遮断される。
遠心クラッチ27は、クランク軸13の回転数が一定以上になると遠心力によって摩擦材(クラッチ爪)をクラッチドラム28bに押しつけることにより動力をクランク軸13からクラッチシャフト28a側に伝達するようにした公知の自動クラッチ機構である。クラッチシャフト28aにはメインパイプ105(図7参照)の内部に配置される図示しない駆動軸が連結される。駆動軸を収容する部分には、メインパイプ105(図7参照)を固定するための金属製のファンケースカンザ29が設けられる。冷却ファン16は、クランク軸13の回転変動を抑えるフライホイールとしての機能と、イグニッションコイル17と協働して点火用の高圧電流を発生させる発電手段としての機能を有する。冷却ファン16の外周側の一部には図示しないマグネットが設けられ、冷却ファン16の上部に設けられるイグニッションコイル17との電磁誘導によって、イグニッションコイル17で高圧電流が発生する。発生された高圧電流は高圧コード18と、プラグキャップ19(後述する図4参照)を介して点火プラグ20(後述する図4参照)に伝達される。クランク軸13の後端側には、エンジン本体10の始動装置としてリコイルスターター42が設けられる。リコイルスターター42は、リールに巻かれた牽引ひもをスターターハンドル44(図2参照)で速い速度で回すことによりクランク軸13を回転させるものである。リコイルスターター42は公知のものを用いれば良いので、図3ではその内部構造の図示は省略している。
冷却ファン16の後方側のクランクケース15は、ファンケース3と対向する形状とされ、冷却ファン16の対向する面に、外気を取込むための複数の孔(図示しない吸入口)が形成される。冷却ファン16は、その回転によって吸入口から外気を吸引してからフィンによって径方向外側に送出し、送出された風(冷却風)は、ファンケース3の内壁部分に沿って矢印CL1のようにシリンダ11に向かって流れる。ファンケース3の冷却ファン16の外周側の形状は、風を導く方向に向っていくにつれてフィンの位置とファンケース3の内壁との距離が徐々に広くなるボリュート形状とすることで、冷却ファン16から吐出される空気を効果的に集めて所定の方向(ここでは矢印CL1で示す方向)に吐出する。冷却風はシリンダ11の周囲(横側)を流れた後に、シリンダカバー2に形成された風窓2aから後方に向けて排出される。シリンダカバー2は、作業者が運転中の高温のシリンダ11に直接触れないように保護する機能を果すと共に、冷却ファン16によって生成された空気流を所定の方向に導いて冷却風の整流機能を果たし、運転中に高温になるシリンダ11を効果的に冷やすものである。冷却ファン16によって生成される冷却風CL1は、冷却ファン16の後方側部分からだけでなく前方側から、即ち、ファンケース3に形成された空気取入口55a、55b、56a〜56cからも吸引される。図3では前方側から吸引される空気のうち、空気取入口56bから吸引される冷却風CL2の流れだけを示している。
ファンケース3の下には、始動用トルクを与えるためのモータ45が設けられる。モータ45はモータカバー6の内側に収容され、断面形状がL字状の電子部品支持板51をネジ52で固定することによってその位置が固定される。電子部品支持板51の開口穴から後方側にモータ45の回転軸が延びて、回転軸には小プーリ25が設けられる。小プーリの外周側は、Vベルト24が走行するための溝部が形成される。ここでは、モータカバー6はファンケース3に一体に形成され、とクランクケース15に図示しないネジによって固定される。この際、小プーリ25と大プーリ23にVベルト24が張架される。このようにモータ45を、クランク軸13の軸線と一致する回転軸A1に接近して配置するようにしたので、モータ45からクランク軸13への伝達距離が短く、Vベルト24の周長も短くて済む。また、小プーリ25の径を十分小さくして、大プーリ23の径を大きくすれば、出力の小さいモータ45でのベルト駆動によりエンジンを始動できるので、エンジン作業機1の小型化、重心の集中化に寄与することができる。また、Vベルト24により動力伝達を行うようにしたことで、組み立て精度や部品の誤差による影響を低減することができ、安定した駆動を行うことができる。さらに、モータカバー6とファンケース3を一体に形成したことにより、クラッチドラム28bやモータ45を収容した一体部品を、Vベルト24と小プーリ25とを位置決めしながらクランクケース15にねじ留めするだけで組み立てを行うことができ、製造工程を簡略化することができる。
モータカバー6の内部であって、モータ45の上側部分には制御回路基板50が設けられる。制御回路基板50は、モータ45の駆動制御、バッテリ70の充放電制御等を行うための回路であって、電子部品支持板51の内壁側に接着剤で固定される。この際、制御回路基板50からモータ45への配線、制御回路基板50からバッテリ70への配線が存在するが、本明細書ではその配線の図示は省略している。モータカバー6の上側付近であって、ファンケース3との接合面の一部には3本の溝状の空気流路が形成され、そこに冷却風CL2が流れる。図3では、空気取入口56bから流れ込む冷却風CL2だけを示しているが、近接する空気取入口56a、56cからも同様に空気が吸引され、遠心クラッチ27の周囲を通ってエンジン本体10側に流れ、大プーリ23を交差するように後方に流れて、冷却ファン16に到達する。また、図3では図示していないが、遠心クラッチ27の上方側にも空気取入口55a、55b(図1参照)から大プーリ23を交差するように後方に向かって配置される空気通路が形成されるため、CL2と同様に冷却ファン16に到達する。ここで、図6を用いて冷却風CL2が大プーリ23を交差して流れる理由を説明する。
図6は図3の大プーリ23単体の斜視図である。大プーリ23は、内周側に円筒軸23aが形成され、外周側にVベルト24の走行面となる溝部23dが形成されるものであり、金属製または合成樹脂製とされる。溝部23dと円筒軸23aの間は、径方向に十字状に延びる4本の柱部23bにより保持され、柱部23bの間には略三角形の開口部23cが形成される。このように大プーリ23は、4つの開口部23cが形成されることにより、溝部23dの回転円の内周側において軸方向の一方側から他方側に対して、空気が通過することを許容する。大プーリ23は、回転軸A1方向にみて冷却ファン16と遠心クラッチ27(共に図3参照)の間に配置されるので、遠心クラッチ27のクラッチドラム28bの径方向外側の空気を、開口部23cを通過させて冷却ファン16側に吸入することが可能となる。尚、図6に示す大プーリ23では、4つの開口部23cを形成したが、開口部23cの数は任意であって、遠心クラッチ27側から冷却ファン16を収容する図示しないファン室の空気取入口(図示せず)に所望の量の空気を流すことができるならば、任意の開口形状であっても良い。大プーリ23はエンジンの始動時に回転するだけであって、それ以外のエンジン運転中においては停止したままなので、冷却風CL2等の流れを阻害しないように開口部23cの大きさ、形状、配置等を決定すれば良い。
再び図3に戻る。冷却ファン16にまで到達した冷却風CL2は、冷却ファン16の後方外周側付近から吸引された冷却風CL1と合流して、シリンダ11の冷却フィン付近に吐出されて、シリンダ12を冷却した後にシリンダカバー2の後方側の風窓2aから外部に排出される。ここで、冷却ファン16の羽根部が立設して形成される底板には、図示しない穴部が回転方向に沿って複数形成されており、冷却ファン16に到達した冷却風CL2は孔部を介して冷却ファン16を軸方向に貫通して流れるよう構成される。このように、本実施例では遠心クラッチ27を冷却するためにCL2のような空気流路を設けたので、ファンケース3の下側をモータカバー6にて覆うような形状であっても、遠心クラッチ27を効果的に冷却することができ、遠心クラッチ27の温度上昇を抑制できる。また、モータカバー6の内側部分であって、ファンケース3の下側かつモータ45の上側部分に制御回路基板50を設けて電子部品を搭載するようにしたので、制御回路基板50に外部からの衝撃が加わることを防止できるだけでなく、熱の伝達を抑制でき、さらには制御回路基板50に水やほこり等が付着することを効果的に防止できる。
図4は図3のエンジン作業機1のB−B断面図である。エンジン本体10には、シリンダ11の左側側面に吸気管34と接続される気化器35とエアクリーナ41が設けられる。また、シリンダ11の右側側面にマフラー30が配置される。シリンダカバー2がマフラー30を収容する部分を覆うマフラーカバーとしての機能も有する。マフラーカバーは、シリンダカバー2とは別体に構成されていてもよい。バッテリケース60はシリンダ11の右側側面、且つ、マフラー30よりも下側部分に配置される。燃料タンク36はエンジン本体10の下側に配置される。燃料タンク36の内部には、気化器35に接続される燃料チューブ38が延在し、その先端にはゴミ等の侵入を防ぐための燃料フィルタ39が設けられる。気化器35の下方にはプライミングポンプ40が設けられる。ここで、燃料タンク36は、左右方向に見て左側に片寄せ配置され、エンジン作業機1の中心面B1からみて、左側に占める幅WTLが右側に占める幅WTRよりも十分大きく、ここではWTLがWTRの2倍程度になるような配置とされる。燃料タンク36の高さは、左側領域にて大きく最大高さはHとなり、クランク室の底面の高さ(仮想線C1)よりも下側に位置する。マフラー30は、エンジン本体10の右側側面において、シリンダ11の排気ポートに図示しないボルトによって直接固定される。マフラー30はエンジンの消音をするための所定の容積の複数の膨張室を有し、排気ガスを浄化するための触媒31も設けられる。ここでマフラー30の高さはHであり、その占める位置はクランク室の底面の高さ(仮想線C1)よりも上側にある。
本実施例では燃料タンク36は、中央の鉛直面B1から両側に跨がるものの、一方側(左側)に偏るように片寄せ配置することにより生じた空間、即ち、燃料タンク36の左側且つマフラー30の下側の空間に、バッテリ70を配置するようにした。ここでは、バッテリ70として充電可能な円筒形の二次電池を用いている。バッテリ70は、例えば14650サイズと呼ばれる公知のリチウムイオン電池を3本用い、これらバッテリ70を収容するためにバッテリケース60を配置した。バッテリケース60は、従来のエンジン作業機でマフラー室を形成するためにマフラー室の下面を覆うマフラー下部覆い壁61の下側に配置され、マフラー下部覆い壁61と同材料、即ち合成樹脂の一体成形により製造した。3本の円筒形のバッテリ70を収容するバッテリ室63は、バッテリ70の外側輪郭に沿って断面形状が略三角形のバッテリ収容室壁62を有する。マフラー下部覆い壁61とバッテリ収容室壁62は、左右両側部分において連結壁64、65によって所定の距離を隔てるように連結される。連結壁64、65もマフラー下部覆い壁61、バッテリ収容室壁62と共に合成樹脂の一体成形により製造される。このように、マフラー下部覆い壁61とバッテリ収容室壁62を所定の距離を隔てて配置した結果、空間68が形成され、この空間68内が空気層になることによりマフラー30の熱がバッテリ収容室壁62の内部空間たるバッテリ室63まで伝導することを効果的に抑制できる。バッテリケース60は、バッテリ収容室壁62の左側端部61bでシリンダカバー2又はクランクケース15に掛止し、右側端部61aでシリンダカバー2に固定される。これらはネジ止めとしても良いし、係止爪にて固定するようにしても良い。
図4において上下方向(鉛直方向)にみると、マフラー30の占める高さHは、バッテリ収容室壁62の占める高さHとオーバーラップしないように上下方向に離れて配置される。このように、高さHと高さHの占める部分の間に所定の距離を隔てるために空間68が形成され、この空間68によってマフラー30の熱がバッテリ70に伝わることを効果的に防止できる。尚、マフラー30からの熱が大きい場合には、空間68の壁面に穴を開けるようにして外気と連通するようにしても良いし、冷却風CL1の一部を空間68内に導入するように構成しても良い。
図4において左右方向(水平方向)にみると、バッテリ収容室壁62の占める幅Wは、燃料タンク36の占める幅Wとオーバーラップしないように、左右方向に間隔を隔てて配置される。このように配置したことにより、気化器35と、電子部品(バッテリ)を有するエンジン作業機において、気化器35に対してマフラー30とバッテリ70を、クランク軸13を通る鉛直面に対して左右方向に対向するように配置した。また、燃料タンク36の大部分が気化器35と同じ左側に配置されるようにした。本実施例によればバッテリ収容室壁62を効率良く配置することができたので、セルモータ搭載に伴うエンジン作業機1の大形化を抑制することができる。
図5は図1のC−C部におけるエンジン作業機1の縦断面図である。バッテリケース60は、マフラー30の真下に配置される。バッテリ室63の前方側は前方壁66によって覆われるが、後方側は開口している。これは、バッテリ70を着脱可能としたためである。この断面ではラッチ機構等が見えないが、バッテリ70には、左右両側に爪部を備えたラッチ機構が設けられ、バッテリ室63の内壁には、爪部が係止される係止部が設けられており、これは、電動工具にて広く用いられるバッテリパックと同じ方式であることから、電動工具用として用いられる汎用のバッテリと共用することができる。この際のバッテリ70の装着方向は、後方から前方に向けてとなる。バッテリケース60の軸方向に占める長さはLであり、エンジン本体10の占める長さLと重複する。従って、燃料充填時に重量の重くなる燃料タンク36と、バッテリケース60を回転軸方向にエンジン本体10と重複する位置に配置したので、エンジン本体10の重心近くに重量物を集中することができた。また、モータ45はエンジン本体10よりも前方側に配置され、その軸方向に占める長さはLである。モータ45も重量物であるので、軸方向において長さLと長さLの一部が重複するように配置する方が重心位置的には好ましい。しかしながら、モータ45をエンジン本体10の後方側、即ちリコイルスターター42と同じ部分に配置するのではなく前方側に配置したので、エンジン作業機1の長さが大きくなることを防止でき、しかも作業時にメインパイプを前下がり状態で作業するエンジン作業機においては重量バランス的に良好であり、作業性が良いエンジン作業機1を実現できる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述のエンジン作業機のモータ45とバッテリ70の搭載位置を交替させて、マフラー30の下側にモータ45を配置し、遠心クラッチ27の下側部分にバッテリ70を搭載するようにしても良い。また、バッテリ70は着脱式に限定されるものではなく、内蔵式にしてネジを外さないと取り外しができないように構成しても良い。さらに、バッテリ70の役割としては、セルスターターとしてのモータ45を駆動させる構造に限られず、例えば、気化器からの燃料の供給量を外部から電気的に制御する手段や、気化器とは別にエンジン本体に燃料を供給する手段として、例えばソレノイドバルブ等を備えた電動式の補助燃料供給手段を設け、これをバッテリ70により動作するようにしても良い。
1 エンジン作業機 2 シリンダカバー 2a 風窓
3 ファンケース 3a (ファンケースの)貫通孔
4 エアクリーナカバー 6 モータカバー 7 脚部
10 エンジン本体 11 シリンダ 12 ピストン
13 クランク軸 14 コンロッド 15 クランクケース
16 冷却ファン 17 イグニッションコイル 18 高圧コード
19 プラグキャップ 20 点火プラグ 21 延長シャフト
22 ワンウェイクラッチ 23 大プーリ 23a 円筒軸
23b 柱部 23c 開口部 23d 溝部 24 Vベルト
25 小プーリ 26 遠心クラッチ支持板 27 遠心クラッチ
28a クラッチシャフト 28b クラッチドラム
29 ファンケースカンザ 30 マフラー 31 触媒
34 吸気管 35 気化器 36 燃料タンク
37 燃料タンクキャップ 38 燃料チューブ 39 燃料フィルタ
40 プライミングポンプ 41 エアクリーナ
42 リコイルスターター 44 スターターハンドル 45 モータ
50 制御回路基板 51 電子部品支持板 52 ネジ
55a、55b 空気取入口 56a〜56c 空気取入口
60 バッテリケース 61 マフラー下部覆い壁
62 バッテリ収容室壁 63 バッテリ室 64、65 連結壁
66 前方壁 68 空間 67 バッテリ収容位置
70 バッテリ 101 エンジン作業機 102 シリンダカバー
103 ファンケース 104 ハンドル 105 メインパイプ
106 回転刃 107 飛散防御カバー 108 グリップ部
109 スロットルレバー 120 ワイヤー
CL1、CL2 冷却風の流れ

Claims (12)

  1. 軸線が上下方向に延びるシリンダと、前記シリンダを保持するクランクケースと、前記シリンダ内で往復動するピストンの動きを回転力として出力するクランク軸を有するエンジン本体と、
    前記シリンダの軸線と前記クランク軸の軸線を通る平面の一方側に設けられ、前記エンジン本体に燃料を供給する気化器と、
    前記エンジン本体の始動に用いられるバッテリを備えたエンジン作業機であって、
    前記バッテリを、前記平面の他方側に配置したことを特徴とするエンジン作業機。
  2. 前記クランク軸に始動用トルクを与えるモータを備え、
    前記バッテリは、前記モータに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載のエンジン作業機。
  3. 前記バッテリは、前記クランク軸の軸線方向において前記エンジン本体と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載のエンジン作業機。
  4. 前記エンジン本体の下方には、前記気化器と接続された燃料タンクが配置され、
    前記燃料タンクは前記平面より両側に跨がり且つ一方側に偏って配置され、
    前記バッテリは前記燃料タンクに隣接して配置されることを特徴とする請求項3に記載のエンジン作業機。
  5. 前記平面の他方には、前記シリンダの排気ポートと接続されるマフラーが配置され、
    前記バッテリは前記マフラーの下方に配置されることを特徴とする請求項3又は4に記載のエンジン作業機。
  6. 前記マフラーを収容するマフラー室を形成するマフラーカバーを有し、
    前記バッテリは前記マフラーカバーに保持されることを特徴とする請求項5に記載のエンジン作業機。
  7. 前記マフラーカバーのマフラー室を形成する壁面と、
    前記バッテリの保持部の壁面とは、空間により隔てられて離間していることを特徴とする請求項6に記載のエンジン作業機。
  8. 前記クランク軸の回転により生じる冷却風が、前記バッテリを収容する空間又は前記バッテリを収容する空間を形成する保持部の周囲に導入されることを特徴とする請求項7に記載のエンジン作業機。
  9. 前記モータは、前記クランク軸とベルト駆動により連結されることを特徴とする請求項7に記載のエンジン作業機。
  10. 前記モータは、前記シリンダの軸線と前記クランク軸の軸線を通る平面上に設けられることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のエンジン作業機。
  11. 前記モータと前記クランク軸との聞に、前記クランク軸の回転により生じる冷却風が導入されることを特徴とする請求項10に記載のエンジン作業機。
  12. 軸線が上下方向に延びるシリンダと、前記シリンダを保持するクランクケースと、前記シリンダ内で往復動するピストンの動きを回転力として出力するクランク軸を有するエンジン本体と、
    前記シリンダの軸線と前記クランク軸の軸線を通る平面の一方側に設けられ、前記エンジン本体に燃料を供給する気化器と、前記平面の他方に設けられ、前記シリンダの排気ポートと接続されるマフラーと、前記クランク軸に始動用トルクを与えるモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、を備えたエンジン作業機であって、
    前記モータを、前記平面の他方側の前記マフラーの下方に配置したことを特徴とするエンジン作業機。

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