JP2017189810A - 無段変速機用金属エレメントの製造方法 - Google Patents

無段変速機用金属エレメントの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネック部およびイヤー部の後面に凹部を備える金属エレメントをプレスして製造する際に、金属エレメントの板厚を均一化するとともにプレス荷重を低減する。【解決手段】金属エレメント23はネック部の後面に設けられた第1凹部25aと、イヤー部の後面の一部に設けられた第2凹部26aとを備えており、第1凹部25aは金属エレメント素材23´に予め形成した素材凹部により構成され、第2凹部26aは金属エレメント素材23´を金型47,49でプレス加工して構成されるので、プレス加工時に金属エレメント素材23′から受ける反力で金型47,49が傾くのを防止して金属エレメント23の板厚を均一化することができ、しかも金属エレメント23の第1凹部25aは、プレス加工されることなく金属エレメント素材23´の素材凹部により構成されるので、必要なプレス荷重を低減して金型47,49の耐久性を高めることができる。【選択図】図7

Description

本発明は、無段変速機用金属エレメントを、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材を金型を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法に関する。
ベルト式無段変速機の金属ベルトに使用する金属エレメントの製造方法において、金属エレメントの製品の形状に近い形状に粗成形した金属エレメント素材をメインパンチおよびカウンタパンチよりなる金型でプレスして仕上げ成形することで、金型の耐久性を確保しながら、金属エレメントのロッキングエッジの近傍の形状の精度を高めるものが、下記特許文献1により公知である。
またベルト式無段変速機の金属ベルトに使用する金属エレメントのロッキングエッジの位置を、金属エレメントのボディ部の前面の径方向外端位置であるサドル面の前縁位置に一致させたものにおいて、金属エレメントのネック部およびイヤー部の後面に凹部を形成することで、前側の金属エレメントに対して後側の金属エレメントが径方向外側に位置ずれしたとき、後側の金属エレメントのボディ部の傾斜面が幅方向の全長で前側の金属エレメントのボディ部に当接させ、ネック部がボディ部に接続する部分に加わる曲げ荷重を低減してネック部の曲げを抑制するものが、下記特許文献2により公知である。
特許第4132820号公報 WO1014/196254
ところで、金属エレメント素材をメインパンチおよびカウンタパンチよりなる金型でプレスして金属エレメントを製造すると、金属エレメントの板厚が不均一になってイヤー部の板厚がボディ部の径方向外端の板厚よりも大きくなる場合があり、ドライブプーリおよびドリブンプーリに巻き掛けられた金属ベルトの弦部で多数の金属エレメントが相互に密着して駆動力を伝達するとき、上記した板厚差によって金属ベルトの弦部が径方向内側に湾曲して駆動力の伝達効率が低下する可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ネック部およびイヤー部の後面に凹部を備える金属エレメントを金型でプレスして製造する際に、金属エレメントの板厚を均一化するとともにプレス荷重を低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、一対の金属リングが嵌合する一対のリングスロットと、前記一対のリングスロット間に位置するネック部と、前記ネック部の径方向外側に連なるイヤー部と、前記ネック部の径方向内側に連なって前記金属リングの内周面を支持するサドル面が形成されたボディ部とを備え、前記ボディ部の前面に、前記サドル面の前縁に重なって左右方向に延びるロッキングエッジと、前記ロッキングエッジから径方向内側かつ後方に延びる傾斜面とが形成された金属エレメントを、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材を金型を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、前記金属エレメントは前記ネック部の後面に設けられた第1凹部と、前記イヤー部の後面の一部に設けられた第2凹部とを備えており、前記第1凹部は前記金属エレメント素材に予め形成した素材凹部により構成され、前記第2凹部は前記金属エレメント素材を前記金型でプレス加工して構成されることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法が提案される。
なお、実施の形態のカウンタパンチ47およびメインパンチ49は本発明の金型に対応する。
金属エレメントのネック部の後面に第1凹部が形成されるので、前側の金属エレメントに対して後側の金属エレメントが径方向外側に位置ずれしたとき、後側の金属エレメントのロッキングエッジが前側の金属エレメントのリングスロットおよび第1凹部内に進入し、後側の金属エレメントが前側の金属エレメントに接近するように移動することで、後側の金属エレメントのボディ部の傾斜面が幅方向の全長で前側の金属エレメントのボディ部に当接することが可能になる。その結果、ネック部がボディ部に接続する部分に加わる曲げ荷重が減少してネック部の曲げが抑制されることで、動力伝達効率の低下が最小限に抑えられる。
また金属エレメントのイヤー部の後面の一部に第2凹部が形成されるので、前後の金属エレメントが径方向に位置ずれしないときに、後側の金属エレメントの前面がロッキングエッジにおいて前側の金属エレメントの後面に当接するだけでなく、後側の金属エレメントの前面が前側の金属エレメントのイヤー部の第2凹部以外の部分にも当接するので、後側の金属エレメントのピッチングを防止して駆動力を効率的に伝達することができる。
金属エレメントの第1凹部は金属エレメント素材に予め形成した素材凹部により構成され、金属エレメントの第2凹部は金属エレメント素材を金型でプレス加工して構成されるので、金型は径方向外側に位置する金属エレメントのイヤー部の第2凹部の部分から反力を受けるが、金型は径方向内側に位置する金属エレメントのネック部の第1凹部の部分から反力を受けることがない、その結果、径方向に異なる反力の差で金型が傾いてイヤー部の板厚がボディ部の径方向外端の板厚よりも大きくなるのが防止され、金属エレメントの板厚を径方向に均一化することができる。しかも金属エレメントの第1凹部は、プレス加工されることなく金属エレメント素材の素材凹部により構成されるので、必要なプレス荷重を低減して金型の耐久性を高めることができる。
ベルト式無段変速機の全体構成を示す図。(第1の実施の形態) 金属ベルトおよび金属エレメントの斜視図。(第1の実施の形態) 金属エレメントの単品図。(第1の実施の形態) 図3(B)の拡大図。(第1の実施の形態) 金属エレメント素材の斜視図。(実施の形態) 打ち抜き加工装置および金属エレメント素材の断面図。(第1の実施の形態) 図6に対応する作用説明図。(第1の実施の形態) 図6に対応する作用説明図。(第1の実施の形態) 金属エレメントの位置ずれ時の作用説明図。(第1の実施の形態) 金属エレメントのプレス加工時の潰し量(成形体積)と板厚差との関係を示すグラフ。(第1の実施の形態) 図4に対応する図。(第2〜第4の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図10に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は自動車に搭載されたベルト式無段変速機Tの概略構造を示すもので、ベルト式無段変速機Tはエンジンに接続されるドライブシャフト11と、駆動輪に接続されるドリブンシャフト12とを備えており、ドライブシャフト11に設けたドライブプーリ13とドリブンシャフト12に設けたドリブンプーリ14とに無端状の金属ベルト15が巻き掛けられる。ドライブプーリ13は、ドライブシャフト11に固設された固定側プーリ半体16と、この固定側プーリ半体16に対して接離可能な可動側プーリ半体17とを備えており、可動側プーリ半体17は油室18に作用する油圧で固定側プーリ半体16に向けて付勢される。ドリブンプーリ14は、ドリブンシャフト12に固設された固定側プーリ半体19と、この固定側プーリ半体19に対して接離可能な可動側プーリ半体20とを備えており、可動側プーリ半体20は油室21に作用する油圧で固定側プーリ半体19に向けて付勢される。
図2〜図4に示すように、金属ベルト15は左右の一対の金属リング22に多数の金属エレメント23を支持したもので構成される。本明細書において、金属ベルト15が走行する方向を前後方向の前方と定義し、金属ベルト15がドライブプーリ13およびドリブンプーリ14に巻き付いた状態で、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14の外周側を径方向の外側と定義し、前後方向および径方向に直交する方向を左右方向と定義する。また金属エレメント23の素材となる金属エレメント素材23′(図5参照)と、金属エレメント素材23′から金属エレメント23を成形および打ち抜きする打ち抜き加工装置41(図6参照)とについても、金属エレメント23の前後方向、径方向および左右方向に対応する方向を、それらの前後方向、径方向および左右方向と定義する。
金属エレメント素材23′から製造された金属エレメント23は、左右方向に延びるボディ部24と、ボディ部24の左右方向中央から径方向外側に延びるネック部25と、ネック部25の径方向外端に接続される略三角形のイヤー部26とを備えており、ボディ部24、ネック部25およびイヤー部26間に左右方向外側に開放して金属リング22が嵌合する一対のリングスロット27が形成される。リングスロット27に臨むボディ部24の径方向外端には金属リング22の内周面が着座するサドル面28が形成され、ボディ部24の前面の径方向外端には左右方向に延びるロッキングエッジ29が形成され、ボディ部24の前面にはロッキングエッジ29から径方向内向きかつ後向きに傾斜する傾斜面30が形成される。ロッキングエッジ29はサドル面28の前縁と重なっており、従ってロッキングエッジ29はボディ部24の前面の径方向外端に位置している。
金属エレメント23のボディ部24の左右両端には、ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14のV面に当接するプーリ当接面31が形成される。また金属エレメント23のイヤー部26の前面には、イヤー部26の後面に形成した円錐台状のホール33に嵌合可能な円錐台状のノーズ32が形成される。
金属エレメント23の傾斜面30は、ロッキングエッジ29から第1傾斜角θ1で径方向内向きかつ後向きに傾斜する第1傾斜面30aと、第1傾斜面30aの径方向内端から第2傾斜角θ2で径方向内向きかつ後向きに傾斜する第2傾斜面30bとからなり、ボディ部24の前後方向板厚は傾斜面30の範囲で径方向内側に向かって次第に薄くなる。
また金属エレメント23のネック部25の後面には平坦な第1凹部25aが形成されるとともに、金属エレメント23のイヤー部26の後面における左右方向中央部には平坦な第2凹部26aが形成される。第1凹部25aおよび第2凹部26aは同じ深さを有して相互に連続する。第1凹部25aの径方向内端とリングスロット27の後縁とは径方向に整列する。
ボディ部24の前後方向板厚はロッキングエッジ29の位置において最大板厚t1となり、この最大板厚t1はイヤー部26の第2凹部26a以外の部分である平坦部26bの前後方向板厚t2と一致する。またネック部25の第1凹部25aの部分の板厚と、イヤー部26の第2凹部26aの部分板厚とは、前記最大板厚t1,t2よりも第1凹部25aおよび第2凹部26aの深さ分だけ小さいt3となる。
従って、ドライブプーリ13からドリブンプーリ14に向かって直線状に延びる金属ベルト15の弦部において、後側の金属エレメント23のイヤー部26の平坦部26bの前面が前側の金属エレメント23のイヤー部26の後面に当接し、後側の金属エレメント23のロッキングエッジ29が前側の金属エレメント23のボディ部24の上端(サドル面28の後縁)に当接する。また前側の金属エレメント23の後面に対して、後側の金属エレメント23はロッキングエッジ29を支点として揺動可能であり、これにより金属ベルト15はドライブプーリ13およびドリブンプーリ14に巻き付くことができる。
図5に示すように、金属エレメント23を製造する際の素材となる金属エレメント素材23′は、長手方向に一定断面を有するように圧延加工された帯状の金属板からなる。金属エレメント素材23′は、金属エレメント23のイヤー部26、ネック部25およびボディ部24にそれぞれ対応する、イヤー部対応部26′、ネック部対応部25′およびボディ部対応部24′を備える。金属エレメント素材23′のイヤー部対応部26′の後面には、金属エレメント素材23′の長手方向に沿って溝状に延びる素材凹部34が形成される。素材凹部34は、金属エレメント23のネック部25の第1凹部25aに対応するだけでなく、金属エレメント23のリングスロット27にも対応する。
イヤー部対応部26′はイヤー部26の平坦部26bの板厚t2と略同じ一定の板厚を有しており、ネック部対応部25′はネック部25の板厚t3と略同じ一定の板厚を有している。ボディ部対応部24′はロッキングエッジ29に対応する位置でボディ部24の最大板厚t1と略同じ板厚を有しており、そこから径方向内側に向かって板厚が減少する。すなわち、金属エレメント素材23′のボディ部対応部24′の傾斜面対応部30′は、ロッキングエッジ対応部29′から第1傾斜角θ1で径方向内向きかつ後向きに傾斜する第1傾斜面対応部30a′と、第1傾斜面対応部30a′の径方向内端から第2傾斜角θ2で径方向内向きかつ後向きに傾斜する第2傾斜面対応部30b′とからなる。
以上のように、金属エレメント素材23′の断面形状は、金属エレメント23のノーズ32およびホール33と、金属エレメント23のイヤー部26の第2凹部26aに対応する部分とを持たない点を除いて、金属エレメント23の断面形状と略一致している。
図6に示すように、金属エレメント素材23′から金属エレメント23を打ち抜き加工する打ち抜き加工装置41は、枠体42の下部に固定された下側ダイ43と、枠体42の上部に昇降自在に支持されてダイ駆動シリンダ44で昇降駆動される上側ダイ45と、下側ダイ43に形成した上面開放の凹部43aに嵌合してカウンタパンチ駆動シリンダ46で昇降駆動されるカウンタパンチ47と、上側ダイ45に形成した下面開放の凹部45aに嵌合してメインパンチ駆動シリンダ48で昇降駆動されるメインパンチ49とを備える。
カウンタパンチ47およびメインパンチ49の輪郭形状は、金属エレメント23の輪郭形状と同じであり、カウンタパンチ47には金属エレメント23のノーズ32を成形するためのノーズ成形部47aと、金属エレメント23の第1傾斜面30aを成形するための第1傾斜面成形部47bとが形成され、メインパンチ49には金属エレメント23のホール33を成形するためのホール成形部49aと、金属エレメント23のイヤー部26の第2凹部26aを成形するための凹部成形部49bとが形成される。凹部成形部49bはイヤー部26の第2凹部26aを成形するためのものであるが、ネック部25の第1凹部24aおよびイヤー部26の第2凹部26aをカバーする大きさを有している。
カウンタパンチ47の第1傾斜面成形部47bは、金属エレメント素材23′の傾斜面対応部30′の第1傾斜面対応部30a′と平行であり、第1傾斜面成形部47bおよび第1傾斜面対応部30a′は共に第1傾斜角θ1だけ傾斜している。従って、第1傾斜面成形部47bは、金属エレメント素材23′の傾斜面対応部30′の第2傾斜面対応部30b′との間に間隙αを備えている。
次に、上記構成を備えた金属エレメント23の形状による作用効果を説明する。
ドライブプーリ13およびドリブンプーリ14に巻き掛けられた金属ベルト15は、ドライブプーリ13からドリブンプーリ14に向かって直線状に延びる弦部の押し力により駆動力を伝達する。弦部では金属エレメント23が相互に平行に整列するのに対し、金属ベルト15がプーリ13,14に巻き付く巻き付き部では、金属エレメント23がプーリ13,14の軸線を中心とする放射状に姿勢を変更するため、隣接する金属エレメント23の径方向外端の間隔が広がり、径方向内端の間隔が狭まるように相対的に揺動する。その際に、前側の金属エレメント23の後面に当接する後側の金属エレメント23のロッキングエッジ29が支点となり、前後の金属エレメント23がノーズ32およびホール33間の隙間の範囲で相対的にピッチング(前後方向の揺動)することで、前記姿勢を変更が許容される。
また本実施の形態の金属エレメント23は、そのロッキングエッジ29がサドル面28の前端に形成されており、ロッキングエッジ29の径方向高さとサドル面28の径方向高さとが一致しているため、巻き付き部で金属エレメント23がピッチングしたときに、隣接する金属エレメント23のサドル面28どうしが前後方向に離間することが防止され、サドル面25と金属リング22の内周面との間に滑りが発生して動力伝達効率が低下することが回避される。仮に、ロッキングエッジ29がサドル面28よりも径方向内側に設けられていると、巻き付き部で金属エレメント23がピッチングしたときに、隣接する金属エレメント23のサドル面28どうしが前後方向に離間するため、サドル面28と金属リング22の内周面との間に滑りが発生するだけでなく、金属リング22が引き伸ばされるために動力伝達効率が低下することになる。
ところで、隣接する金属エレメント23は、後側の金属エレメント23のノーズ32が前側の金属エレメント23のホール33に嵌合し、かつサドル面28を径方向内側に押圧する金属リング22の張力で位置を規制されているが、ノーズ32およびホール33間には隙間があるため、弦部において金属エレメント23が径方向に位置ずれすることが避けられない。
図9は本実施の形態の金属エレメント23が径方向に位置ずれしたときの作用を示すものである。図9(A)、(B)は後側の金属エレメント23が前側の金属エレメント23に対して径方向内側に位置ずれした状態を示しており、この場合には第1、第2凹部25a,26aは機能しないが、後側の金属エレメント23のロッキングエッジ29の全長が前側の金属エレメント23のボディ部24の後面に当接するため、ネック部25の曲げは発生せず、駆動力の伝達効率が低下することはない。
一方、図9(C)、(D)に示すように、後側の金属エレメント23が前側の金属エレメント23に対して径方向外側に位置ずれした場合には、後側の金属エレメント23のロッキングエッジ29の幅方向中央部が前側の金属エレメント23のネック部25の後面の第1、第2凹部25a,26aに進入することで、後側の金属エレメント23のボディ部24の幅方向中央の傾斜面30が第1、第2凹部25a,26aの径方向内縁に摺接しながら、後側の金属エレメント23は径方向外側に移動しつつ、前側の金属エレメント23に接近するように前方に移動することができる。
このように、後側の金属エレメント23が径方向外側に移動しながら前側の金属エレメント23に接近するように前方に移動することで、後側の金属エレメント23の傾斜面30の幅方向両端部と、前側の金属エレメント23のサドル面28の後端との当接が維持されるため、傾斜面30の幅方向全長で駆動力を伝達することが可能になり、ネック部25がボディ部24に接続する部分に加わる曲げ荷重が減少してネック部25の曲げが抑制されることで、駆動力の伝達効率の低下が最小限に抑えられる。
また第1、第2凹部25a,26aを挟むイヤー部25の後面の幅方向両端の平坦部26bがボディ部24の後面と同じ高さに整列するため、金属エレメント23がドライブプーリ13およびドリブンプーリ14間の弦部にあるとき、前側の金属エレメント23および後側の金属エレメント23はロッキングエッジ29において当接するだけでなく、後側の金属エレメント23はイヤー部26の平坦部26bにおいても前側の金属エレメント23の後面に当接する。その結果、弦部上にあって径方向に位置ずれしていない金属エレメント23は、イヤー部26の一対の平坦部26bおよびロッキングエッジ29の3カ所で当接することで、ピッチングすることなく相互に平行に整列して安定した姿勢を維持することができる。
なお、図9(C)、(D)に示すように、後側の金属エレメント23が前側の金属エレメント23に対して径方向外側に位置ずれし、後側の金属エレメント23のロッキングエッジ29が前側の金属エレメント23のリングスロット2および第1、第2凹部25a,26a内に進入するように前方に移動したとき、後側の金属エレメント23のイヤー部26は前側の金属エレメント23のイヤー部26の平坦部26bと干渉して前方に移動できないため、後側の金属エレメント23の径方向外端が後方に倒れようとする。しかしながら、イヤー部26の平坦部26bは第2凹部26aとの接続部において前方に容易に弾性変形可能であるため、後側の金属エレメント23のロッキングエッジ29の前方への移動に追従し、前側の金属エレメント23のイヤー部26の平坦部26bが前方に弾性変形することで、隣接する前後の金属エレメント23は相互に平行な位置関係を維持することができる。
次に、金属エレメント23の製造工程における作用効果を説明する。
図6に示すように、予め製造した金属エレメント素材23′を打ち抜き加工装置41の下側ダイ43およびカウンタパンチ47の上に載置する。続いて、図7に示すように、ダイ駆動シリンダ44で上側ダイ45を下降させ、下側ダイ43および上側ダイ45間に金属エレメント素材23′を挟んで固定した後、メインパンチ駆動シリンダ48でメインパンチ49を下降させ、カウンタパンチ47およびメインパンチ49間に金属エレメント素材23′を挟んでプレス加工する。その結果、カウンタパンチ47のノーズ成形部47aおよびメインパンチ49のホール成形部49aにより金属エレメント23のノーズ32およびホール33が成形され、カウンタパンチ47の第1傾斜面成形部47bで金属エレメント23の第1傾斜面30a(すなわち金属エレメント素材23′bの第1傾斜面対応部30a′)が成形され、メインパンチ49の凹部成形部49bで金属エレメント23の第2凹部26aが成形される。このとき、メインパンチ49の凹部成形部49bは、金属エレメント素材23′の素材凹部34を空打ちする。
このようにして金属エレメント23のプレス成形が完了すると、図8に示すように、下側ダイ43および上側ダイ45に対して、カウンタパンチ47およびメインパンチ49をカウンタパンチ駆動シリンダ46およびメインパンチ駆動シリンダ48で相対的に下降させることにより、金属エレメント素材23′から金属エレメント23を打ち抜き加工する。
ところで、図7に示すように、メインパンチ駆動シリンダ48でメインパンチ49を下降させ、カウンタパンチ47およびメインパンチ49間に金属エレメント素材23′を挟んでプレス加工するとき、金属エレメント素材23′から受けるプレス反力でメインパンチ49およびカウンタパンチ47が矢印A,A方向に傾いてしまい、ボディ部24の最大板厚t1がイヤー部26の平坦部26bの板厚t2よりも大きくなってしまう場合がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、金属エレメント23のネック部25の第1凹部25aは、メインパンチ49の凹部成形部49bによりプレス加工されることなく、金属エレメント素材23′の素材凹部34により構成され、金属エレメント23のイヤー部26の第2凹部26aだけがメインパンチ49の凹部成形部49bによりプレス加工されるので、メインパンチ49およびカウンタパンチ47が金属エレメント素材23′から受けるプレス反力の中心が径方向外側(金属エレメント23のイヤー部26側)に移動し、メインパンチ49およびカウンタパンチ47が矢印B,B方向に傾こうとすることで、メインパンチ49およびカウンタパンチ47が平行状態に維持され、ボディ部24の最大板厚t1とイヤー部26の平坦部26bの板厚t2との板厚差が減少する
しかも金属エレメント23のネック部25の第1凹部25aは金属エレメント素材23′の段階で加工されていて打ち抜き加工装置41によりプレス加工する必要がないため、その分だけプレス加工時の荷重が低減して打ち抜き加工装置41の耐久性が向上する。
図10は、金属エレメント23をプレス加工するときの金属エレメント素材23′の潰し量(横軸)と、金属エレメント23のネック部25およびボディ部24(ロッキングエッジ29の部分)の板厚差(縦軸)との関係を示すものである。比較例は、金属エレメント23のネック部25の第1凹部25aをプレス加工により成形するものであり、実施の形態は、金属エレメント23のネック部25の第1凹部25aを金属エレメント素材23′の素材凹部34で構成するものである。
このグラフから、比較例および実施の形態で板厚差が同じであるとき、実施の形態は比較例に対してプレス成形の際の金属エレメント素材23′の潰し量がネック部25の第1凹部25aの分だけ小さくなり、その潰し量の減少分だけ打ち抜き加工装置41の荷重が減少することが分かる。
第2〜第4の実施の形態
次に、図11に基づいて本発明の第2〜第3の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態の金属エレメント23は、第1凹部25aがネック部25の全域に亙って形成されているが、図11(A)に示す第2の実施の形態の金属エレメント23は、第1凹部25aがネック部25の径方向内側部分だけに形成されている。第1凹部25aの深さは径方向に一定である。
また図11(B)に示す第3の実施の形態では、第1凹部25aがネック部25の全域に亙って形成されているが、その深さはネック部25の径方向内端から径方向中央部に向かって次第に増加し、ネック部25の径方向中央部から径方向外端までの領域でイヤー部26の第2凹部26aの深さと同じ一定の深さとなる。
また図11(C)に示す第4の実施の形態では、第1凹部25aがネック部25の径方向内端から径方向中央部の領域だけに形成されており、第1凹部25aおよび第2凹部26aは連続せずに分離している。
これら第2〜第4実施の形態の第1凹部25aもプレス成形されることなく金属エレメント素材23′の素材凹部34で構成されるものであり、第1の実施の形態と同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
22 金属リング
23 金属エレメント
23′ 金属エレメント素材
24 ボディ部
25 ネック部
25a 第1凹部
26 イヤー部
26a 第2凹部
27 リングスロット
28 サドル面
29 ロッキングエッジ
30 傾斜面
34 素材凹部
47 カウンタパンチ(金型)
49 メインパンチ(金型)

Claims (1)

  1. 一対の金属リング(22)が嵌合する一対のリングスロット(27)と、前記一対のリングスロット(27)間に位置するネック部(25)と、前記ネック部(25)の径方向外側に連なるイヤー部(26)と、前記ネック部(25)の径方向内側に連なって前記金属リング(22)の内周面を支持するサドル面(28)が形成されたボディ部(24)とを備え、前記ボディ部(24)の前面に、前記サドル面(28)の前縁に重なって左右方向に延びるロッキングエッジ(29)と、前記ロッキングエッジ(29)から径方向内側かつ後方に延びる傾斜面(30)とが形成された金属エレメント(23)を、一定断面を有する帯板状の金属エレメント素材(23′)を金型(47,49)を用いてプレス加工および打ち抜き加工することで製造する無段変速機用金属エレメントの製造方法であって、
    前記金属エレメント(23)は前記ネック部(25)の後面に設けられた第1凹部(25a)と、前記イヤー部(26)の後面の一部に設けられた第2凹部(26a)とを備えており、前記第1凹部(25a)は前記金属エレメント素材(23′)に予め形成した素材凹部(34)により構成され、前記第2凹部(26a)は前記金属エレメント素材(23′)を前記金型(47,49)でプレス加工して構成されることを特徴とする無段変速機用金属エレメントの製造方法。
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