JP5910261B2 - 動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置 - Google Patents

動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置 Download PDF

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この発明は、動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)に好適な動力伝達チェーンで使用されるリンクの製造方法および製造装置に関する。
自動車用無段変速機に適した動力伝達チェーンとして、ピンが挿通される1対の貫通孔を有する複数のリンクと、複数のリンクを屈曲可能に連結する複数のピンとを備えているものが知られている。このような動力伝達チェーンで使用されるリンクは、プレス加工によって外形および貫通孔を打ち抜くことで製造されている(特許文献1)。
特許文献1の動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置では、リンクの所要箇所に薄肉部を形成することで、リンクの反りを小さくすることが図られている。
特開2009−103188号公報
上記特許文献1のものでは、リンクの反りを小さくするために、プレス加工によって外形および貫通孔を打ち抜く通常の製造方法および製造装置に比べて、薄肉部を形成する工程および薄肉部を形成するためのパンチを追加する必要がある。このため、上記特許文献1のものでは、リンクの反りを小さくすることのデメリットとして、追加の工程を設けない通常の製造方法および製造装置に比べて製造コストが高く付くという問題があった。
この発明の目的は、追加の装置を使用することなく、また、追加の工程を実施することなく、リンクの反りを小さくすることにある。
この発明による動力伝達チェーン用リンクの製造方法は、ピンが挿通される貫通孔を有し動力伝達チェーンに用いられるリンクをプレス打ち抜きにより製造する方法であって、フープ材から前記リンクの外形を有するワークを打ち抜いて、打ち抜かれた前記ワークを前記フープ材の打ち抜き孔に戻す第1工程と、前記ワークから前記貫通孔を打ち抜く第2工程とを備えており、前記第1工程において、前記貫通孔を打ち抜いた後に前記ワークに生じる反りと逆向きの反りを前記ワークに付与することを特徴とするものである。
この発明による動力伝達チェーン用リンクの製造装置は、ピンが挿通される貫通孔を有し動力伝達チェーンに用いられるリンクの製造装置であって、フープ材の搬送装置と、前記フープ材から前記リンクの外形を有するワークを打ち抜いて、打ち抜かれた前記ワークを前記フープ材の打ち抜き孔に戻す第1プレス装置と、前記第1プレス装置の搬送方向後流側に設けられて前記ワークから前記貫通孔を打ち抜く第2プレス装置とを備えており、前記第1プレス装置は、前記リンクの外形を打ちくためのパンチと、前記ワークを前記フープ材の前記打ち抜き孔に戻すためのノックアウトとを備えており、前記パンチにおけるワークに当接する面および前記ノックアウトにおけるワークに当接する面の少なくとも一方に、前記貫通孔を打ち抜くことで前記ワークに生じる反りと逆向きの反りを付与するための曲面が形成されていることを特徴とするものである。
この発明の動力伝達チェーン用リンクの製造方法によると、追加の工程を実施することなく、リンクの反りを小さくすることができる。
この発明の動力伝達チェーン用リンクの製造装置によると、追加の装置を使用することなく、リンクの反りを小さくすることができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置を使用して製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクおよびピンの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、動力伝達チェーン用リンクの製造方法の工程を説明する図である。 図5は、動力伝達チェーン用リンクの製造装置の要部である第1プレス装置を説明する垂直断面図である。 図6は、第1プレス装置のノックアウトのワークに当接する面の形状を誇張して示す図である。 図7は、動力伝達チェーン用リンクの製造方法によって得られる効果を模式的に説明する図である。 図8は、図7に対応する図で、従来の製造方法により得られるリンクの問題点を説明する図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明による動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置によって製造されるリンクが好適に使用される動力伝達チェーンの一部を示している。
動力伝達チェーン(1)は、複数のリンク(11)と、複数のリンク(11)同士を屈曲可能に連結する複数の第1ピン(14)および複数の第2ピン(15)とを備えている。
図2に示すように、リンク(11)は、チェーン進行方向前側に位置する前貫通孔(12)と、チェーン進行方向後側に位置する後貫通孔(13)とを有している。
前貫通孔(12)は、後側の第1ピン挿通部(16)および前側の第2ピン挿通部(17)からなる。第1ピン挿通部(16)に、第1ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられている。第2ピン挿通部(17)に第2ピン(15)が固定されている。
後貫通孔(13)は、後側の第1ピン挿通部(18)および前側の第2ピン挿通部(19)からなる。第1ピン挿通部(18)に、第1ピン(14)が固定されている。第2ピン挿通部(19)に、第2ピン(15)が移動可能に嵌め合わせられている。
進行方向後側のリンク(11)の前貫通孔(12)と進行方向前側のリンク(11)の後貫通孔(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられている。各第1ピン(14)および各第2ピン(15)は、チェーン幅方向に重なり合う複数の前貫通孔(12)および後貫通孔(13)に嵌め合わされている。
第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の屈曲が可能とされている。第1ピン(14)を基準とした第1ピン(14)と第2ピン(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされている。この実施形態では、第1ピン(14)の転がり接触面(14a)が、インボリュート曲線とされ、第2ピン(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分において第1ピン(14)と第2ピン(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
この動力伝達チェーン(1)は、動力伝達装置としての無段変速機(10)で使用される。無段変速機(10)は、図3に示すように、1対のプーリ(図示は一方のプーリだけ)(2)と、両プーリ(2)に巻き掛けられた動力伝達チェーン(1)とを備えている。
プーリ(2)は、プーリ軸(2e)に固定された固定シーブ(2a)と、プーリ軸(2e)上に軸方向移動可能に支持された可動シーブ(2b)とを備えている。固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)は、それぞれ相対向する円錐面状のシーブ面(2c)(2d)を有している。
第1ピン(14)の両端面は、プーリ(2)の相対向する1対のシーブ面(2c)(2d)間に挟持され、第1ピン(14)の両端面と各シーブ面(2c)(2d)との間の摩擦力により、動力伝達チェーン(1)とプーリ(2)との間で動力が伝達される。可動シーブ(2b)は、油圧アクチュエータ(図示略)によって、固定シーブ(2a)側に押圧されており、これにより、動力伝達チェーン(1)をクランプするためのクランプ力がプーリ(2)に与えられる。
図3において、実線で示した位置にあるプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近または離隔させると、プーリ(2)における動力伝達チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。
1対のプーリ(2)のうち図示省略した他方のプーリでは、その固定シーブが図示した固定シーブ(2a)とは、動力伝達チェーン(1)を間にして、軸方向反対側に配置されている。そして、その可動シーブが図示したプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動する。これにより、無段変速機(10)の変速比が無段階に変化する。
上記の動力伝達チェーン(1)で使用されるリンク(11)は、順送金型を使用したプレス加工(プレス打ち抜き)により製造される。図4は、動力伝達チェーン用リンクの製造方法における主要工程を示している。以下の説明において、図4の左を前流側、図4の右を後流側、図4の上を左、図4の下を前、図4の紙面表側を上、図4の紙面裏側を下というものとする。
同図において、フープ材(20)は、図の左側すなわち前流側から図の右側すなわち後流側に搬送される。動力伝達チェーン用リンクの製造に際しては、まず、第1工程(A)において、フープ材(20)からリンク(11)の外形を打ち抜いて、ワーク(W1)が打ち抜かれた後にフープ材(20)に残る打ち抜き孔(20a)にワーク(W1)を戻す抜き戻し加工を行う。ワーク(W1)は、打ち抜き孔(20a)に嵌まった状態で後流側に送られる。次いで、第2工程(B)において、ワーク(W1)から貫通孔(12)(13)を打ち抜く打ち抜き加工を行う。第2工程後のワーク(W2)は、さらに、後流側に搬送されて排出される。
動力伝達チェーン用リンクの製造に際し、外形を打ち抜く前に貫通孔(12)(13)を打ち抜くと、外形打ち抜き時に、貫通孔が変形するという問題が生じる。そこで、第1工程(A)において、一旦打ち抜いたワーク(W1)をフープ材(20)の打ち抜き孔(20a)に戻すようにしている。そして、第2工程(B)において、打ち抜き孔(20a)に戻されたワーク(W1)から貫通孔(12)(13)を打ち抜くようにしている。これにより、貫通孔(12)(13)の変形が防止されるという利点が得られる。一方、第2工程(B)では、既に外形の打ち抜きが完了しているので、ワーク(W1)に対する貫通孔(12)(13)の体積割合がフープ材(20)に対するワーク(W1)の体積割合に比べて大きくなっている。そのため、動力伝達チェーン用リンク(11)として使用される第2工程後のワーク(W2)に反りが生じやすいという問題がある。
従来のプレス装置を使用して、上記図4に示す工程を実施した場合、ワーク(W1)は、第1工程(A)の後では、図8(a)に示すように、左右方向から見た形状(W1a)および前後方向から見た形状(W1b)がいずれも平坦な形状を維持している。しかしながら、第2工程後のワーク(W2)には、図8(b)に示すように、中央部が下向きに凸(ダイの移動する向きに凸)の反りが生じ、左右方向から見た形状(W2a)および前後方向から見た形状(W2b)がいずれも反りが大きいものとなる。なお、この「反り」は、実際の反り量が40μm程度であり、平坦に近いものであるが、図8および図7では、分かりやすくするために誇張して描いている。
そこで、この実施形態では、第1工程(A)において、貫通孔(12)(13)を打ち抜くことで第2工程後のワーク(W2)に生じる反りと逆向きの反りを付与することとしている。すなわち、この製造方法によると、第1工程(A)が実施されることで、ワーク(W1)には、図7(a)に示すように、図8(b)に示す反り(中央部が下向きに凸の反り)と逆向きの反り(中央部が上向きに凸の反り)が形成される。したがって、ワーク(W1)を左右方向から見た形状(W1a)および前後方向から見た形状(W1b)がいずれも上向きに凸の形状とされる。第2工程(B)の後では、図7(b)に示すように、ワーク(W1)を左右方向から見た形状(W2a)および前後方向から見た形状(W2b)のいずれについても、その上向きに凸の形状が矯正される。こうして、第2工程後のワーク(W2)に生じる反りが非常に小さくなる。
上記の動力伝達チェーン用リンクの製造方法を実施する装置は、フープ材(20)の搬送装置(図示略)と、第1プレス装置(21)と、第1プレス装置(21)の後流側に設けられた第2プレス装置(図示略)とを備えている。
第1プレス装置(21)は、フープ材(20)からリンク(11)の外形を打ち抜いて、このワーク(W!)をフープ材(20)に形成された打ち抜き孔(20a)に戻す工程を行う。この工程は、上記第1工程(A)に相当する。第2プレス装置は、ワーク(W1)から貫通孔(12)(13)を打ち抜く工程を行う。この工程は、上記第2工程(B)に相当する。
第1プレス装置(21)は、上記の反りを与えることが可能な構成とされていて、この実施形態の製造装置の主要部である。これを図5に示している。
同図に示すように、第1プレス装置(21)は、フープ材(20)を介して上下に対向する外形打ち抜き用のパンチ(22)およびダイ(23)と、ダイ(23)との間でフープ材(20)を保持するストリッパー(24)と、ワーク(W1)をフープ材(20)に戻すノックアウト(25)とを備えている。
パンチ(22)には、外形を打ち抜くためのワーク加工面(ワークに当接する面)(22a)が下端に設けられている。ダイ(23)には、パンチ(22)に対向する加工孔が設けられている。
ノックアウト(25)は、上下移動自在にダイ(23)の加工孔に挿入されている。ノックアウト(25)の上端部には、ワーク(W1)に当接するワーク当接面(25a)が設けられている。ノックアウト(25)は、支持台(26)に取り付けられており、スプリング(付勢手段)(27)によって支持台(26)を介して上方に付勢されている。
ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)は、パンチ(22)が上方にある際には、ダイ(23)の上面と同じ位置にある。ノックアウト(25)は、パンチ(22)が下降してワーク(W1)を打ち抜く際には、パンチ(22)に押し下げられて図に示す位置に下降する。この後、パンチ(22)が上昇すると、ノックアウト(25)は、ワーク(W1)を保持した状態で、スプリング(27)の弾性力によって押し上げられる。
ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)の形状は、図5においては、実質的に平坦な面として示されているが、完全な平坦面ではない。図6に誇張して示すように、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)は、凸の略球面状であり、具体的には、図5の正面(左右方向に相当)から見ても、図5の側面(前後方向に相当)から見ても凸の円弧状となる曲面とされている。すなわち、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)は、平面から見た形状がワーク(W1)(リンク(11)の外形)と同じとされ、その中央部が最も高くなっていて、外形輪郭線から中央部に近づくに連れて徐々に高くなる等高線形状の凸の曲面とされている。
パンチ(22)のワーク加工面(22a)は、ノックアウト(25)の曲面に対応する曲面ではなく、平坦面とされている。
第1プレス装置(21)を使用した抜き戻し加工は、次のようにして行われる。
まず、上型が下降することで、フープ材(20)がストリッパー(24)とダイ(23)とによって支持される。この後、さらに、パンチ(22)が下降して、そのワーク加工面(22a)がダイ(23)の加工孔内に挿入されることで、ワーク(W1)が打ち抜かれる。ワーク(W1)の打ち抜きは、ノックアウト(25)を上向きに付勢するスプリング(27)に抗して行われる。この後、パンチ(22)が上昇すると、ノックアウト(25)は、スプリング(27)の弾性力によって上方に移動して初期位置に復帰する。これにより、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)に支持されたワーク(W1)は、フープ材(20)に形成されている打ち抜き孔(20a)内に戻される。
ここで、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)の形状が凸の曲面とされていることにより、ノックアウト(25)とパンチ(22)との間に挟まれたワーク(W1)には、ノックアウト(25)の凸の方向に沿う上向きに凸の反りが付与される。この反りは、貫通孔(12)(13)を打ち抜くことで第2工程後のワーク(W2)に生じる反り(下向きに凸の反り)と逆向きの反りとなっている。逆向きの反りが予めワーク(W1)に付与されていることで、貫通孔(12)(13)を打ち抜いた後では、反りが小さい(下向きまたは上向きに凸で、その反り量の絶対値が小さいものとなる。これにより、製品としてのリンク(11)の反り量を25μm以下とすることができる。
ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)の凸の大きさXは、図8(a)において観測される反り量よりも大きくされ、その最適値は、実験的に求められる。凸の大きさXは、例えば、ノックアウト(25)を平坦とした場合に生じる反り量の3倍程度(2〜6倍程度)とすればよい。また、凸の大きさXは、リンク(11)の寸法によって適宜変更され、例えば、60〜480μm程度とされる。
具体的な一例を挙げれば、図8(b)に示す従来の製造方法で得られる第2工程後のワーク(W2)の反り量が40μm程度であり、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)の凸の大きさXが120μmとされる。この場合、図7(b)に示す第2工程後のワーク(W2)の反り量は、15μm程度となる。
上記特許文献1に示されている製造方法では、図4に示す第1工程(A)と第2工程(B)との間に、前貫通孔(12)と後貫通孔(13)との間にある部分を薄肉にする工程を追加することで、反りを小さくすることが図られている。この場合、薄肉にする工程が必要であり、また、薄肉にするための装置(パンチ)も必要となる。このため、第1工程(A)と第2工程(B)との間に追加の工程を設けない通常の製造方法および製造装置に比べて、コストが高く付く。上記実施形態の製造方法および製造装置では、通常の製造方法および製造装置に比べて、貫通孔(12)(13)を打ち抜いた後にワーク(W1)に生じる反りと逆向きの反りをワーク(W1)に付与する工程が追加されている。しかしながら、この逆向きの反りを付与する工程は、第1工程(A)において、ワーク(W1)をフープ材(20)に戻す際に行われるので、第1工程(A)とは別の工程を追加する必要はない。また、上記製造方法および製造装置では、従来から使用されているノックアウト(25)を使用して、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)を凸の略球面状とすることで、逆向きの反りを与えるようにしているので、追加の装置も必要ない。したがって、上記製造方法および製造装置は、特許文献1のものに比べてコストを低減できるという利点を有している。
パンチ(22)のワーク加工面(22a)は、平坦面ではなく、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)に対応させて、その中央部が最も低くなっていて、外形輪郭線から中央部に近づくに連れて徐々に低くなる等高線形状の凹の曲面であってもよい。パンチ(22)のワーク加工面(22a)が平坦面であっても、ワーク(W1)に適切な反りを付与することができる。パンチ(22)は、使用とともに切れが悪くなるので、研磨することで再生する必要があり、ワーク加工面(22a)が平坦面とされている場合には、この再生作業が容易となる。ノックアウト(25)は、打ち抜きに使用されるものではないので、研磨して再生することは不要であり、ノックアウト(25)の方だけを曲面形状とすることで、第1プレス装置(21)をメンテナンス性に優れたものとすることができる。
図1から図3までに示した動力伝達チェーン(1)は、必要な数の第1ピン(14)および第2ピン(15)ピンを垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この際、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)の隣り合うもの同士の間に隙間があると、動力伝達チェーン(1)の弦振動が発生した場合の抑止力となる摩擦力が無くなるので、振動および騒音が大きくなるという問題が生じやすい。逆に、隙間を0とすると、各リンク(11)に反りがあることにより、リンク間の接触が大きくなって、回転トルクが増加するという問題が生じる。自動組立てが容易であるという点からすると、リンク間に所定量の隙間を設けるという条件でリンク(11)の組立てを行うことが好ましい。リンク(11)の反りが小さくできれば、リンク間に所定量の隙間を設けるという条件として、リンク間の接触を適正な大きさとすることができる。
上記実施形態の動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置によると、ノックアウト(25)のワーク当接面(25a)を変更するだけで、追加の工程を実施することなく、また、追加の装置を使用することなく、リンク(11)の反りを小さくすることができる。したがって、こうして得られたリンク(11)を使用した動力伝達チェーン(1)においては、リンク間の接触を適正な大きさとすることができ、相反する性能である振動および騒音の低減と回転トルクの低減とを高いレベルで両立させることができる。
なお、第2工程(B)で使用される第2プレス装置としては、従来と同様のものが使用される。第2プレス装置は、具体的には、例えば、フープ材(20)を介して上下に対向する貫通孔打ち抜き用のパンチおよびダイ(図5に示した外形打ち抜き用のパンチ(22)およびダイ(23)の形状を貫通孔打ち抜きに適するように変更したもの)と、ダイとの間でフープ材(20)を保持するストリッパー(図5に示したものと同様のもの)とを備えているものとされる。
リンク(11)は、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンク(11)の材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼、合金工具鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後貫通孔がそれぞれ独立の貫通孔とされていてもよく、前後貫通孔が1つの貫通孔とされていてもよい。
上記の動力伝達チェーン用リンクの製造方法および製造装置は、ピン(14)(15)が挿通される貫通孔(12)(13)を有している種々の動力伝達チェーン用リンクに適用することができる。
(1):動力伝達チェーン、(11):リンク、(12)(13):貫通孔、(14):第1ピン、(15):第2ピン、(20):フープ材、(21):第1プレス装置、(22):外形打ち抜き用パンチ、(22a):ワーク加工面、(25):ノックアウト、(25a):ワーク当接面、(A):第1工程、(B):第2工程、(W1):ワーク、(W2):第2工程後のワーク

Claims (4)

  1. ピンが挿通される貫通孔を有し動力伝達チェーンに用いられるリンクをプレス打抜きにより製造する方法であって、
    フープ材から前記リンクの外形を有するワークを打ち抜いて、打ち抜かれた前記ワークを前記フープ材の打ち抜き孔に戻す第1工程と、
    前記ワークから前記貫通孔を打ち抜く第2工程とを備えており、
    前記第1工程において、前記貫通孔を打ち抜いた後に前記ワークに生じる反りと逆向きの反りを前記ワークに付与することを特徴とする動力伝達チェーン用リンクの製造方法。
  2. 前記第1工程において、前記ワークを打ち抜くためのパンチおよび前記ワークを前記フープ材の前記打ち抜き孔に戻すためのノックアウトを使用し、前記ノックアウトの前記ワークに当接する面を凸の曲面とし、前記ノックアウトと前記パンチとの間に前記ワークを挟むことで反りを付与することを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン用リンクの製造方法。
  3. ピンが挿通される貫通孔を有し動力伝達チェーンに用いられるリンクの製造装置であって、
    フープ材の搬送装置と、前記フープ材から前記リンクの外形を有するワークを打ち抜いて、打ち抜かれた前記ワークを前記フープ材の打ち抜き孔に戻す第1プレス装置と、前記第1プレス装置の搬送方向後流側に設けられて前記ワークから前記貫通孔を打ち抜く第2プレス装置とを備えており、前記第1プレス装置は、前記リンクの外形を打ちくためのパンチと、前記ワークを前記フープ材の前記打ち抜き孔に戻すためのノックアウトとを備えており、前記パンチにおけるワークに当接する面および前記ノックアウトにおけるワークに当接する面の少なくとも一方に、前記貫通孔を打ち抜くことで前記ワークに生じる反りと逆向きの反りを付与するための曲面が形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン用リンクの製造装置。
  4. 前記パンチの前記ワークに当接する面が平坦面とされて、前記ノックアウトの前記ワークに当接する面が凸の曲面とされていることを特徴とする請求項3の動力伝達チェーン用リンクの製造装置。
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