JP2007255545A - 動力伝達チェーン用リンク、動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リンク厚みの変更に際して、生産性の低下やコスト増を抑えることができる動力伝達チェーン用リンク、動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 動力伝達チェーン1は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部を有する複数のリンク11A,11B,11Cと、チェーン幅方向に並ぶリンク11A,11B,11C同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン14およびインターピース15とを備えている。リンク11A,11B,11Cは、リンク11A,11B,11Cの前後挿通部と同一形状の貫通孔が形成された複数枚の薄厚部材11aが互いに重ね合わせられることによって形成されている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両用無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーン用リンク、動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開2004−301257号公報
上記の動力伝達チェーンでは、要求されるトルクの容量が変化すると、それに応じてリンクの寸法が変更されるが、リンクの厚みの変更の必要が生じることもあるので、リンクの素材の板厚を何種類か準備する必要がある。また、リンクをプレス成型するに際しては、抜けだれなどのせん断面出来上がり状態をリンク厚みに応じて調整する必要がある。そのため、生産性の低下およびコスト増につながるという問題があった
この発明の目的は、リンク厚みの変更に際して、生産性の低下やコスト増を抑えることができる動力伝達チェーン用リンク、動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーン用リンクは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンで使用されるリンクであって、リンクの前後挿通部と同一形状の貫通孔が形成された複数枚の薄厚部材が互いに重ね合わせられることによって形成されていることを特徴とするものである。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、各リンクは、リンクの前後挿通部と同一形状の貫通孔が形成された複数枚の薄厚部材が互いに重ね合わせられることによって形成されていることを特徴とするものである。
このようなリンクは、例えば、積層プレス装置で成型された積層プレス品として得ることができる。この場合、リンクは、素材として厚みの薄い板材を使用し、これを所定挿通部形状を有する所定輪郭形状に打ち抜いて薄厚部材を形成し、薄厚部材を所要枚数積層することで得られる。薄厚部材には、打ち抜き前に、積層時のずれをなくすために互いに嵌め合わされる凹凸が形成され、これにより、積層プレス品のリンクは、1枚の板材を使用して打ち抜いたリンクと同じ形状となる。ただし、このようなリンクを得る手段は、積層プレスに限られるものではない。
薄厚部材は、厚さが等しい等厚部材であることが好ましい。このようにすると、リンクの厚みが変化する場合、薄厚部材(等厚部材)を重ね合わせる枚数だけを変更して、薄厚部材の厚みは変更する必要がないので、薄厚部材打ち抜きのためのプレス条件は、常に一定でよい。
薄厚部材の厚みは、例えば、全サイズのチェーンを得るための枚数が、3〜10枚程度となるように、例えば、0.1〜0.3mmの範囲から適宜選択される。薄厚部材の厚みが例えば0.2mmとされた場合、これを4枚重ね合わせて得られたリンクを厚みが0.8mmのリンクを使用している従来の動力伝達チェーンのリンクに置き換えることができる。そして、このチェーンの容量を上げる必要が生じたときには、積層枚数を5枚(リンク厚みを1mm)に変更することにより容易に対応することができる。また、薄厚部材の厚みを0.2mmと0.15mmの2種類用意しておくことにより、0.2mmのものを4枚重ね合わせて厚みが0.8mmとなっているリンクを使用している動力伝達チェーンに対し、サイズダウンまたは軽量化の必要が生じたときには、薄厚部材の枚数を4枚のままとして、厚みが0.75mm,0.70mm,0.65mmまたは0.60mmのリンクに変更したり、このチェーンの容量を上げる必要が生じたときには、積層枚数を1枚増加することにより、厚みが0.95mmのリンクまたは厚みが1.0mmのリンクに容易に変更することができる。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクしたがって薄厚部材は、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。薄厚部材の材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の接触面が平坦面とされ、他方の接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。
チェーンは、例えば、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成される。
リンクを構成する薄厚部材の枚数は、1つのチェーンにおいて、リンク位置によらず同じとされてももちろんよいが、薄厚部材を重ね合わせて形成しているという特徴を生かして、薄厚部材の枚数がチェーン幅方向のリンク位置によって変更されているようにすることもできる。
この種の動力伝達チェーンでは、通常、1のチェーンを構成する複数のリンクの各リンクが受ける力はその配置位置によって異なっており、例えば、幅方向最外側のリンクは、ピンが摩擦力によりチェーンの進行方向に引っ張られるため、曲げモーメントが発生し、ピンがその軸方向に対して変形することによって、大きな力を受けやすく、耐久性の点で不利になっている。そのため、幅方向に並ぶリンクについては、傾向的に、外側のリンクの伸び量が相対的に大きいもの(疲労寿命に不利)となる。一方、幅方向に並ぶリンクの枚数は、全て同じにするのではなく、各リンク列のリンク枚数について多い少ないを作り、例えば、リンク枚数が8枚のリンク列2つとリンク枚数が9枚のリンク列1つとを1単位(リンクユニット)として、このリンクユニットを複数単位配置することでチェーンを構成することが好ましい。この場合、8枚のリンク列の各リンクは、9枚のリンク列の各リンクに比べて、伸び量が相対的に大きいもの(疲労寿命に不利)となる。そこで、疲労寿命に不利なリンクについて、その薄厚部材の枚数を増加するとともに、疲労寿命に有利なリンクについて、その薄厚部材の枚数を減少することにより、全体としての薄厚部材枚数を増加させることなく、チェーンの耐久性を向上させることができる。
リンクを構成する薄厚部材の枚数がチェーン幅方向のリンク位置によって変更される場合、例えば、チェーン幅方向に並ぶリンクのうち外側から2つ目までのものの薄厚部材の枚数が多くされる。1例として、動力伝達チェーンは、チェーン幅方向に並ぶ複数のリンクをそれぞれ有する第1、第2および第3のリンク列を備えており、第1、第2および第3のリンク列のうちの少なくとも1つのリンク列のリンク枚数が他のいずれかのリンク列よりも少なくなされるとともに、リンクの数が相対的に少ないリンク列のチェーン幅方向に並ぶリンクのうち外側から2つ目までのものの薄厚部材(この場合、薄厚部材は、等厚部材であることが好ましい。)の枚数が多くされる。こうして、チェーン幅方向に並ぶリンクのうち所定のもの(傾向的に先に疲労が進行するリンク)の薄厚部材(等厚部材)枚数を増加することにより、相対的に疲労が進行しやすいリンクの耐久性が向上し、これにより、チェーンの寿命が向上する。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記いずれかに記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両用無段変速機(CVT)としての使用に好適なものとなる。
この発明のリンクによると、薄厚部材の重ね合わせ枚数を変更することで、リンク厚みの変更に対応でき、これにより、少ない種類の素材で任意板厚の複数種類のリンクを容易に提供でき、多種類のリンクを得るための生産性が向上する。また、薄厚部材を全て厚さが等しい等厚部材とすることにより、素材が1種類となって在庫管理が容易となり、また、前後挿通部を形成するプレス成型に際し、板厚が変化した場合に必要となるプレス条件の設定操作が不要となるので、より一層生産性が向上し、板厚が変化することによる品質のバラツキが抑えられるので、品質も向上する。
この発明の動力伝達チェーンによると、薄厚部材の重ね合わせ枚数を変更することで、リンク厚みの変更に対応でき、これにより、少ない種類の素材で任意板厚の複数種類のリンクを容易に提供でき、多種類のチェーンを得るための生産性が向上する。また、薄厚部材を全て厚さが等しい等厚部材とすることにより、素材が1種類となって在庫管理が容易となり、また、前後挿通部を形成するプレス成型に際し、板厚が変化した場合に必要となるプレス条件の設定操作が不要となるので、より一層生産性が向上し、板厚が変化することによる品質のバラツキが抑えられるので、品質も向上する。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図3の上下をいうものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前挿通部(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(12b)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後挿通部(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がインターピース(15)の接触面(15a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
上記リンク(11)は、積層プレス装置で成型された積層プレス品とされている。すなわち、リンク(11)は、図4に示すように、厚みが0.2mmの薄厚部材(11a)が互いに重ね合わせられることによって、1mmの厚みを有するものとされている。薄厚部材(11a)は、5枚とも同じ厚みの等厚部材とされている。薄厚部材(11a)には、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)と同一形状の貫通孔が形成されている。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
また、上記のチェーン式動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
図1に示した実施形態においては、各リンク(11)の厚みが等しい(薄厚部材(11a)の枚数が同じ)ものとされているが、リンクを構成する薄厚部材の枚数の増減により、各リンクの厚みを容易に変更することができることを利用して図5に示すような動力伝達チェーンを得ることができる。
図5において、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11A)(11B)(11C)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11A)(11B)(11C)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
複数のリンク(11A)(11B)(11C)は、厚みが大きいもの(例えば、同じ厚みの薄厚部材(11a)を6枚積層したもの)(11A)、厚みが中間のもの(例えば、同じ厚みの薄厚部材(11a)を5枚積層したもの)(11B)および厚みが小さいもの(例えば、同じ厚みの薄厚部材(11a)を4枚積層したもの)(11A)(11B)(11C)からなり、厚みが大きいもの(11A)が幅方向外側に、厚みが小さいもの(11C)が幅方向中央部に、厚みが中間のもの(11B)が両者の中間部分に配置されている。
ここで、厚みが大きいもの(11A)を幅方向外側に配置しているのは、幅方向に並ぶリンクについては、傾向的に、外側のリンク(11A)の伸び量が相対的に大きいもの(疲労寿命に不利)となっているという知見に基づくものである。そして、厚みが小さいもの(11C)を幅方向中央部に配置することにより、全体としての薄厚部材(11a)枚数は、厚みが中間のもの(11B)だけで全体を構成した場合と略同じとされている。
なお、図5に示したものはほんの1例であり、リンクは必ずしも3種類とする必要はなく、2種類でもよいし、4種類以上でもよい。また、各リンクの配置位置についても、厚みが大きいもの(11A)を幅方向最外側だけあるいは最外側のものとこれより1つ内側のものだけとしたり、実際に耐久試験を行って、その結果に基づいて、配置を決定するなど、種々の変更が可能である。このような変更を行うに際して、薄厚部材(11a)の厚みは常に一定とされ、これにより、在庫管理が容易、板厚が変化した場合に必要となるプレス条件の設定操作が不要、板厚が変化することによる品質のバラツキが抑えられるなどの利点を維持したままで、耐久性を向上させることができる。
また、上記において、薄厚部材(11a)については、厚みが0.2mm(1種類)の等厚部材としたが、その厚みを複数種類とし、厚みが相異なる薄厚部材を重ね合わせることにより、リンク(11A)(11B)(11C)を構成するようにしてもよい。この場合でも、薄厚部材の重ね合わせ枚数を変更するだけで、リンク厚みの変更に対応でき、これにより、少ない種類の素材で任意板厚の複数種類のリンクを容易に提供でき、生産性を向上させることができる。
上記の動力伝達チェーン(1)は、図7に示したCVTで使用されるが、この際、図6に示すように、インターピース(15)がピン(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの第1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、リンクの拡大側面図である。 図4は、複数枚の板厚部材からなるリンクを示す模式図である。 図5は、この発明による動力伝達チェーンの第2実施形態の一部を示す平面図である。 図6は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(11a) 薄厚部材
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (5)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンで使用されるリンクであって、
    リンクの前後挿通部と同一形状の貫通孔が形成された複数枚の薄厚部材が互いに重ね合わせられることによって形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン用リンク。
  2. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    各リンクは、リンクの前後挿通部と同一形状の貫通孔が形成された複数枚の薄厚部材が互いに重ね合わせられることによって形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  3. 薄厚部材は、全てが等しい厚みとされている請求項2の動力伝達チェーン。
  4. リンクを構成する薄厚部材の枚数がチェーン幅方向のリンク位置によって変更されている請求項2または3の動力伝達チェーン。
  5. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項2、3または4の動力伝達装置。
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