JP2008275006A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】騒音低減効果を従来のものと同等以上とししかもピンの種類を少なくすることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達チェーン1は、前後挿通部12,13を有する複数のリンク11と、複数のピン14および複数のインターピース15とを備えている。転がり接触面14aがインボリュート曲線とされたピン14は、その横断面が、ピン14を前後に分ける上下方向軸線16,23とピン14を上下に分ける前後方向軸線17,24とにより4つの部分に区分されて、少なくとも2つの部分の輪郭形状が、相互に基礎円半径の異なるインボリュート曲線とされているとともに、一のインボリュート曲線が転がり接触面14aとなる配置で使用されるものと、これとは基礎円半径が異なるインボリュート曲線が転がり接触面14aとなる配置で使用されるものとに使い分けられている。
【選択図】図3

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無断変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ (3b) および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプして接触させ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーン(1)としては、図8に示すように、ピン(34A)(34B)(35A)(35B)が挿通される前後挿通部(31)(32)を有する複数のリンク(30)と、一のリンク(30)の前挿通部(31)と他のリンク(30)の後挿通部(32)とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク(30)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピン(34A)(34B)および複数の第2ピン(35A)(35B)とを備え、一のリンクの前挿通部(31)に固定されかつ他のリンク(30)の後挿通部(32)に移動可能に嵌め入れられた第1ピン(34A)(34B)と一のリンク(30)の前挿通部(31)に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンク(30)の後挿通部(32)に固定された第2ピン(35A)(35B)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(30)同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが知られている(特許文献1)。
特許文献1には、転がり接触面形状が異なる2種類のピン(34A)(34B)(35A)(35B)の組合せを使用することが提案されており、図8において、第2ピン(35A)(35B)は、転がり接触面がいずれも平坦面とされた同じ形状とされており、これに対し、一方の第1ピン(34A)の転がり接触面を基礎円半径がRb1のインボリュート曲線とするとともに、他方の第1ピン(34B)の転がり接触面を基礎円半径がRb2のインボリュート曲線とし、2種類の第1ピン(34A) (34B)をランダムに配置することにより、騒音の低減が図られている。
特開2006−002783号公報
上記特許文献1の動力伝達チェーンでは、騒音低減効果が得られるものの、インボリュート曲線が形成されたピンとして2種類のピンが必要となり、部品数が多くなっている。
この発明の目的は、騒音低減効果を従来のものと同等以上とししかもピンの種類を少なくすることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのいずれか一方の転がり接触面がインボリュート曲線、同他方の転がり接触面が平坦面とされるとともに、転がり接触面がインボリュート曲線とされたピンについて、インボリュート曲線の基礎円半径が相互に異なる少なくとも2種類がランダムに配置されている動力伝達チェーンにおいて、転がり接触面がインボリュート曲線とされたピンは、その横断面が、ピンを前後に分ける上下方向軸線とピンを上下に分ける前後方向軸線とにより4つの部分に区分されて、少なくとも2つの部分の輪郭形状が、相互に基礎円半径の異なるインボリュート曲線とされているとともに、一のインボリュート曲線が転がり接触面となる配置で使用されるものと、これとは基礎円半径が異なるインボリュート曲線が転がり接触面となる配置で使用されるものとに使い分けられていることを特徴とするものである。
ピンは、横断面が略小判形状とされて、その軸方向がチェーンの進行方向に対し、ほぼ直交するように配置される。この明細書においては、ピンの横断面形状の長手方向を上下方向といい、これに直交する方向を前後方向というものとする。
転がり接触面がインボリュート曲線とされたピンの輪郭は、他方のピンに接触する側の面を正面、この反対側の面を背面として、上下方向に延びる上下方向軸線と前後方向に延びる前後方向軸線とにより、正面上部、正面下部、背面上部および背面下部の4つの部分に区分される。そして、従来は、正面下部にのみインボリュート曲線が設けられていたのに対し、正面下部および正面下部以外の部分に相互に異なる基礎円半径のインボリュート曲線が設けられる。インボリュート曲線は、4つの部分すべてに設けられてもよく、例えば、正面上部および正面下部の2つの部分(線対称位置)に設けられてもよく、背面上部および正面下部の2つの部分(点対称位置)に設けられてもよく、3つの部分に設けられてもよい。インボリュート曲線が3つ以上の部分に設けられる場合、すべてのインボリュート曲線の基礎円半径が異なっていてもよく、同じ基礎円半径のものが含まれていてもよい。
基礎円半径がRb1およびRb2の2種類のピンを使用して、Rb1のピンとRb2のピンとがランダムに配置されている従来のものと同じものを得るには、例えば、正面上部にRb1、正面下部にRb2のインボリュート曲線を有するピンを製作して、これをRb2のピンの位置に配置し、同じピンを上下逆にすることで、正面上部にRb2、正面下部にRb1のインボリュート曲線を有するピンを得、これをRb1のピンの位置に配置すればよい。インボリュート曲線を4つの部分すべてに設けておくことにより、従来はピンの種類が増加するため実用的でなかった4種類のインボリュート曲線を使用したランダム配置も1種類のピンで可能となる。こうして、同じ横断面形状のピンが、一のインボリュート曲線が転がり接触面である配置と、これとは基礎円半径が異なるインボリュート曲線が転がり接触面である配置とに使い分けられることにより、複数種類のインボリュート曲線のランダム配置が1種類のピンによって実現される。
ピンの横断面形状は、引き抜き加工などで得ることができ、横断面形状が1種類となっていることで、この引き抜き加工に要する手間および加工費が大幅に削減される。ピンには、引き抜き加工後に、その配置位置に応じた端面形状が切削等により形成される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無断変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。この場合、通常、プーリに接触する第1ピンは、第2ピンより前後方向の幅が大きくされ、その転がり接触面がインボリュート曲面とされ、第2ピンの転がり接触面が平坦面とされる。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定される。ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされ、この嵌合固定は、ピンの上下縁部とこれに対応するリンクの前後挿通部の上下縁部とで行われる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りのリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無断変速機のシーブ面間距離にしたがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車などの車両の無段変速機(CVT)としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、転がり接触面がインボリュート曲線とされたピンは、その横断面が、ピンを前後に分ける上下方向軸線とピンを上下に分ける前後方向軸線とにより4つの部分に区分されて、少なくとも2つの部分の輪郭形状が、相互に基礎円半径の異なるインボリュート曲線とされているとともに、一のインボリュート曲線が転がり接触面となる配置で使用されるものと、これとは基礎円半径が異なるインボリュート曲線が転がり接触面となる配置で使用されるものとに使い分けられているので、複数種類のインボリュート曲線のランダム配置が1種類の横断面形状を有しているピンによって実現でき、騒音低減効果を従来のものと同等以上とししかもピンの種類を少なくすることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいい、前後については、同図の右を前、左を後というものとする。
図1は、この発明の動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、ピン(14)(15)が挿通される前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピン(ピン)(14)および複数の第2ピン(インターピース)(15)とを備え、第1ピン(14)と第2ピン(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向の屈曲が可能とされている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者(14)(15)は、ピン(14)が後側に、インターピース(15)が前側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンク(11)で構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとしてされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(二点鎖線で示す)(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(12a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(12b)からなり、後挿通部(13)は、ピン(実線で示す)(14)が固定されるピン固定部(13a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(13b)からなる。
チェーン(1)幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わされかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。ピン(14) の転がり接触面(14a)は、曲面(断面形状がインボリュート曲線)に、インターピース(15)の転がり接触面(15a)は、平坦面(断面形状が直線)とされている。
各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(12a)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(13b)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15a)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。なお、図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
従来、ピン(14) の転がり接触面(14a)に形成されるインボリュート曲線は、インターピース(15)の転がり接触面(15a)に対向する面の下の部分に形成されており、同じ面の上の部分の形状および反対側の面の形状は、インボリュート曲線でない曲線または直線とされていた。これに対し、この発明の動力伝達チェーン(1)では、図3に示すように、ピン(14)の横断面は、インターピース(15)に接触する側の面(図の右面)を正面、この反対側の面(図の左面)を背面として、上下方向に延びる上下方向軸線(16)と前後方向に延びる前後方向軸線(17)とにより、正面上部(18)、正面下部(19)、背面上部(20)および背面下部(21)の4つの部分に区分され、これら4つの部分(18)(19)(20)(21)すべてに、それぞれ基礎円半径がRb1,Rb2,Rb3およびRb4であるインボリュート曲線が形成されている。正面下部(19)に形成されているインボリュート曲線Rb2は、従来のものと同様に形成されて、インターピース(15)の転がり接触面(15a)と転がり接触可能とされており、他の部分(18)(20)(21)に形成されているインボリュート曲線Rb1,Rb3およびRb4は、これらのインボリュート曲線Rb1,Rb3およびRb4のいずれかが正面下部(19)に位置するようにピン(14)の上下および/または前後が逆にされた場合に、インボリュート曲線Rb2と同様に、インターピース(15)の転がり接触面(15a)と転がり接触可能とされている。
図3に示したピン(14)は、次のようにして使用される。
例えば、基礎円半径がRb1およびRb2の2種類のピン(34A)(34B)を使用して、Rb1のピン(34A)とRb2のピン(34B)とがランダムに配置されている図8に示した従来チェーンと同じものを得るとすると、図4に示すように、図3の上下および前後を保ったままのピン(14)をRb2のピン(34B)の位置に配置し、同じピン(14)を上下逆にしてRb1のインボリュート曲線を正面下部に位置させたピン(14)をRb1のピン(34A)の位置に配置すればよい。こうして、1種類のピン(14)を使用して、従来2種類のピン(34A)(34B)を使用して得られていた騒音レベルと同等のものを得ることができる。図3に示したピン(14)は、4種類のインボリュート曲線Rb1,Rb2,Rb3およびRb4を有していることから、Rb3およびRb4のインボリュート曲線を正面下部に位置させたピン(14)をさらに使用することにより、従来2種類のピン(34A)(34B)を使用して得られていた騒音レベルよりも優れた騒音レベルのチェーン(1)を1種類のピン(14)を使用して得ることができる。
なお、4種類のインボリュート曲線Rb1,Rb2,Rb3およびRb4は、すべて異なる値とされていてももちろんよいが、Rb1=Rb2≠Rb3=Rb4またはRb1=Rb3≠Rb2=Rb4(いずれも線対称)やRb1=Rb4≠Rb2=Rb3(点対称)というように、4つのうちの2つを同じ値としてもよい。このようにすることにより、対称性を利用して、ピン(14)の組立て性や端面形状の研磨加工性を向上させることができる。
インボリュート曲線の種類は、2種類だけであっても騒音低減効果は得られるので、例えば、図5に示すように、上下方向に延びる上下方向軸線(23)と前後方向に延びる前後方向軸線(24)とにより区分された4つの部分(25)(26)(27)(28)のうち正面上部(25)に基礎円半径がRb1のインボリュート曲線、正面下部(26)に基礎円半径がRb2のインボリュート曲線が形成されているようにし、背面上部(27)および背面下部(28)は、従来と同様に直線状としてもよい。このようにすると、リンク(11)の形状を従来のものと共通にすることができる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。このように、ピン(14)およびインターピース(15)の固定は、例えば、機械的圧入により嵌合固定されるが、これに変えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンク(11)のインターピース固定部(12b)およびピン固定部(13a)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピン(14)の上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピン(14)およびインターピース(15)の接触面(14a)(15a)がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
そして、インボリュート曲線が異なるピン(14)がランダムに配置されていることにより、打音発生の周期がずれて、音のエネルギーが異なる周波数帯に分散され、音圧レベルのピークが低減され、騒音および振動がより一層低減されている。しかも、インボリュート曲線が異なるピン(14)のランダム配置は、1種類のピン(14)によって実現されており、コスト低減も合わせて図られている。なお、リンク(11)のピッチ長については、これを2種類としてランダムに配置し、より一層の騒音および振動の低減を図るようにすることが好ましい。
上記の動力伝達チェーン(1)は、図7に示したCVTで使用されるが、この際、図6に示すように、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(12a)(13b)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、チェーンの直線部分にあるリンクの拡大側面図である。 図3は、この発明であるピンの第1実施形態の特徴部分を説明するための拡大模式図である。 図4は、ピンがランダムに配置された一例を示す図である。 図5は、この発明であるピンの第2実施形態の特徴部分を説明するための拡大模式図である。 図6は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。 図8は、従来の動力伝達チェーンにおいてピンがランダムに配置された一例を示す図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(14a) 転がり接触面
(15) インターピース(第2ピン)
(15a) 転がり接触面
(16)(23) 上下方向軸線
(17)(24) 前後方向軸線
(18)(25) 正面上部
(19)(26) 正面下部
(20)(27) 背面上部
(21)(28) 背面下部

Claims (2)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのいずれか一方の転がり接触面がインボリュート曲線、同他方の転がり接触面が平坦面とされるとともに、転がり接触面がインボリュート曲線とされたピンについて、インボリュート曲線の基礎円半径が相互に異なる少なくとも2種類がランダムに配置されている動力伝達チェーンにおいて、
    転がり接触面がインボリュート曲線とされたピンは、その横断面が、ピンを前後に分ける上下方向軸線とピンを上下に分ける前後方向軸線とにより4つの部分に区分されて、少なくとも2つの部分の輪郭形状が、相互に基礎円半径の異なるインボリュート曲線とされているとともに、一のインボリュート曲線が転がり接触面となる配置で使用されるものと、これとは基礎円半径が異なるインボリュート曲線が転がり接触面となる配置で使用されるものとに使い分けられていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102619928A (zh) * 2012-04-14 2012-08-01 吉林大学 一种新型变节距齿形链

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