JP2007170619A - 動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 リンクの枚数が異なるリンク列が組み合わされて形成されている場合の各リンクに付与される残留圧縮応力を適正化することにより、チェーン全体としての寿命を向上させた動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 動力伝達チェーン1は、全てのリンク列R1,R2,R3のリンク11の数がn枚であり所定の残留圧縮応力が各リンク11に付与されて所要のピン14およびインターピース15が組み込まれている等配チェーン部分1aと、所定の残留圧縮応力が付与されて等配チェーン部分1aの所要箇所に組み付けられた追加リンク1bとからなる。等配チェーン部分1aは、全てのリンク11に全てのピン14およびインターピース15が組み込まれた無端状態で予張力が付与されることにより形成されている。
【選択図】 図4

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図8に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開平8−312725号公報
この種の動力伝達チェーンは、チェーン幅方向に並ぶ複数のリンクをそれぞれ有する複数のリンク列を備えているが、前後に隣り合うリンク列において、その前後半部同士が重ね合わせられる都合上、全てのリンク列を同じ枚数とせずに、リンクが偶数枚のリンク列とリンクが奇数枚のリンク列とを組み合わせることが好ましいものとなっている。
一方、枚数が異なるリンク列からなるチェーンでは、耐久性向上のために、予張力を与えて各リンクに適正な残留圧縮応力を付与しようとしても、8枚のリンク列のリンクと9枚のリンク列のリンクとで残留圧縮応力の大きさが異なるものとなり、全てのリンクに適正な残留圧縮応力を付与することが難しいものとなっている。
この発明の目的は、リンクの枚数が異なるリンク列が組み合わされて形成されている場合の各リンクに付与される残留圧縮応力を適正化することにより、チェーン全体としての寿命を向上させた動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列がリンク数がn枚のものとリンク数が(n+1)枚のものとを含んでいる動力伝達チェーンにおいて、全てのリンク列のリンクの数がn枚であり所定の残留圧縮応力が各リンクに付与されて所要のピンが組み込まれている等配チェーン部分と、所定の残留圧縮応力が付与されて等配チェーン部分の所要箇所に組み付けられた追加リンクとからなることを特徴とするものである。
動力伝達チェーンは、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列が進行方向に3つ並べられたものが1つのリンクユニットとされるとともに、第1のリンク列の枚数が偶数枚、第2のリンク列の枚数がこれと同じ枚数、および第3のリンク列の枚数がこれより1枚多い枚数とされ、これらの3列のリンク列からなるリンクユニットが進行方向に複数連結して形成されていることが好ましい。
この場合に、各リンクユニットは、例えば、リンク1つ分の間隔を置いた1対のリンクがリンク3つ分の間隔を置いて複数対配置されることで形成された第1の偶数リンク列と、第1の偶数リンク列とその前後半部同士が重ね合わせられ、かつ同リンク列の両側に配置された計2つのリンクおよび同リンク列のリンク3つ分の間隔内に1対ずつリンク1つ分の間隔を置いて配置された複数対のリンクからなる第2の偶数リンク列と、第2の偶数リンク列とその前後半部同士が重ね合わせられ、かつ同リンク列の両側に配置された計2つのリンクおよび第2の偶数リンク列の各リンク間に形成されている1つのリンク分の間隔内に配置されたリンクからなる奇数リンク列とからなるものとされる。
等配チェーン部分は、リンク1枚ずつに予張力を付与してから、所要数のリンクに所要数のピンを組み立てることで形成してもよく、所要数のリンクに所要数のピンを組み立ててから、予張力を付与することで形成してもよい。後者の場合、予張は、直線状態(無端状に形成される前)の等配チェーンに施してもよく、無端状としてから施してもよい。いずれにしろ、等配チェーン部分については、これを構成する各リンクの残留圧縮応力を均等化することが容易であり、また、追加リンクの残留圧縮応力は、等配チェーン部分の各リンクの残留圧縮応力と同等とすることが容易であり、チェーンを構成する全てのリンクに付与される残留圧縮応力を均一にすることができる。
好ましくは、等配チェーン部分は、全てのリンクに全てのピンが組み込まれた無端状態で予張力が付与されることにより形成される。等配チェーン部分は、全てのリンク列のリンクの枚数が同じであるので、無端状として予張力を付与した場合、各リンク列のリンクには、残留圧縮応力が均等に付与される。
予張力は、リンクに発生する最大主応力がリンクの弾性限界応力以上とされることが好ましい。このようにすることで、予張力によって、リンクが塑性変形し、リンク内部に残留圧縮応力が付与され、疲労耐久性能が向上する。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
第1ピンおよび第2ピンは、いずれか一方がリンクの前後挿通部に圧入固定されていることがあり、両方とも固定されていない(移動可能に嵌め入れられている)ことがある。また、第1ピンおよび第2ピンは、異なる断面形状であってもよく、同一形状であってもよい。さらにまた、第1ピンおよび第2ピンは、同じ長さとされて、両方ともがシーブ面に接触させられてもよく、異なる長さとされて、長い方だけがシーブ面に接触させられるようにしてもよい。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
ピンが前後挿通部に固定される場合の前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の接触面が平坦面とされ、他方の接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記いずれかに記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、全てのリンク列のリンクの数をn枚としてこれに全てのピンを組み込んで等配チェーン部分を製作する工程と、等配チェーン部分に予張力を負荷して各リンクに所定の残留圧縮応力を付与する工程と、(n+1)枚目のリンクに予張力を負荷して所定の残留圧縮応力を付与する工程と、残留圧縮応力が付与された等配チェーン部分に残留圧縮応力が付与された(n+1)枚目のリンクを組み付ける工程とを含んでいることを特徴とするものである。
予張力が負荷される際の等配チェーンは、直線状であってもよく、無端状であってもよい。前者の場合、最後の1ピンを残して直線状態に組み立ててから、これを直線方向に引っ張ることにより、予張力を付与し、予張力付与後に、最後のピンが組み込まれる。このようにすると、予張力付与装置を簡素化することができる。後者の場合、予張力を付与するための装置は、無段変速機(実機)を模擬したものとされ、例えば、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第1のプーリと、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第2のプーリとを備えており、可動シーブを固定シーブに対して接近・離隔させることにより、チェーンをクランプするものとされる。後者の場合でも、予張力付与装置は、無段変速機(実機)を模擬したものにする必要はない。いずれにしろ、等配チェーン部分への予張力の付与は、従来の不等配チェーンに対する工程と同じ工程で行うことができる。また、追加リンクへの残留圧縮応力付与も従来と同じ工程で行うことができ、新たに必要とされる工程は、等配チェーン部分の所要箇所に追加リンクを組み付ける工程だけでよい。
この発明の動力伝達チェーンによると、等配チェーン部分については、これを構成する各リンクの残留圧縮応力を均等化することが容易であり、また、追加リンクの残留圧縮応力は、等配チェーン部分の各リンクの残留圧縮応力と同等とすることが容易であり、チェーンを構成する全てのリンクに付与される残留圧縮応力を均一にすることができるので、リンクの耐久性が向上し、チェーンの寿命が向上する。
また、この発明の動力伝達チェーンの製造方法によると、等配チェーン部分および追加リンクがともに従来と同じ工程によって製作可能であり、この製造方法で新たに必要とされる工程は、等配チェーン部分の所要箇所に追加リンクを組み付ける工程だけでよいので、従来に比べて、時間および手間の増加が抑えられて、上記の効果を有する動力伝達チェーンを得ることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図3の上下をいうものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前挿通部(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(12b)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後挿通部(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がインターピース(15)の接触面(15a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が(n+1)枚のリンク列とリンク枚数がn枚のリンク列2つと(図示した例では、8枚のリンク列、8枚のリンク列および9枚のリンク列)が1つのリンクユニットとされている。
この動力伝達チェーン(1)は、図4に示すように、全てのリンク列(R1)(R2)(R3)のリンク(11)の数がn枚でこれらのリンク(11)にピン(14)およびインターピース(15)が組み込まれている等配チェーン部分(1a)と、所定の残留圧縮応力が付与されて等配チェーン部分(1a)の所要箇所に(図示した例では、(R1)のリンク列が最終的にリンクの数が1枚多くなされるので、このリンク列(R1)に)組み付けられた追加リンク(1b)とからなるものとして製造されている。
すなわち、この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、図5に示すように、等数配列とされた所要数(各列8枚)のリンク(11)にピン(14)(およびインターピース(15))を圧入して直線状または無端状の等配チェーン部分(1a)を形成する工程(S1)と、これとは別の工程において追加リンク(1b)を各リンク(1b)毎に予張する工程(S2)と、等配チェーン部分(1a)に追加リンク(1b)を組み込む工程(S3)と、リンク(11)とピン(14)(およびインターピース(15b))がなじむ程度の引張り荷重を付与する工程(S4)とを含んでいる。
等配チェーン部分(1a)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして組み立てられた等配チェーン(1a)には、適宜な予張力付与装置によって、予張力が付与される。これらの圧入および予張工程は、リンク(11)の枚数が全て同じである点を除いて、従来のものと同じである。
リンク(11)とピン(14)(およびインターピース(15))がなじむ程度の引張り荷重を付与する工程は、例えば、予張工程と同様に行われる。ただし、予張力は既に付与されているので、なじみのためだけに引っ張ればよく、この工程を省略することもできる。
なお、等配チェーン部分(1a)の製作工程は、上記に代えて、各リンク(11)毎に予張力を付与する工程と、リンク(11)にピン(14)(およびインターピース(15))を圧入して直線状または無端状のチェーン(1a)を形成する工程とからなるものとしてもよい。この場合、等配チェーン(1a)用のリンク(11)と追加リンク(1b)とを区別する必要がなくなるので、結局、動力伝達チェーンの製造方法は、図6に示すように、全てのリンク(11)について各リンク(11)毎に予張力を付与する工程(S5)と、全てのリンク(11)にピン(14)(およびインターピース(15))を圧入して直線状または無端状のチェーン(1)を形成する工程(S6)と、リンク(11)とピン(14)(およびインターピース(15))とがなじむ程度の引張り荷重を付与する工程(S7)とを含むものとなる。
上記の動力伝達チェーンは、図8に示したCVTで使用されるが、この際、図7に示すように、インターピース(15)がピン(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による無段変速機用動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、リンクの拡大側面図である。 図4は、チェーンの製造工程途中の状態を示す平面図である。 図5は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法を示す図である。 図6は、動力伝達チェーンの製造方法の他の例を示す図である。 図7は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図8は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(1a) 等配チェーン部分
(1b) 追加リンク
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (4)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列がリンク数がn枚のものとリンク数が(n+1)枚のものとを含んでいる動力伝達チェーンにおいて、
    全てのリンク列のリンクの数がn枚であり所定の残留圧縮応力が各リンクに付与されて所要のピンが組み込まれている等配チェーン部分と、所定の残留圧縮応力が付与されて等配チェーン部分の所要箇所に組み付けられた追加リンクとからなることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 等配チェーン部分は、全てのリンクに全てのピンが組み込まれた無端状態で予張力が付与されることにより形成されている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1または2のものである動力伝達装置。
  4. 請求項1の動力伝達チェーンを製造する方法であって、
    全てのリンク列のリンクの数をn枚としてこれに全てのピンを組み込んで等配チェーン部分を製作する工程と、等配チェーン部分に予張力を負荷して各リンクに所定の残留圧縮応力を付与する工程と、(n+1)枚目のリンクに予張力を負荷して所定の残留圧縮応力を付与する工程と、残留圧縮応力が付与された等配チェーン部分に残留圧縮応力が付与された(n+1)枚目のリンクを組み付ける工程とを含んでいることを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010121732A (ja) * 2008-11-20 2010-06-03 Nissan Motor Co Ltd ベルト式無段変速機

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