JP2007255678A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 形状の変更を伴わずに、リンクの耐久性を向上させることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 各リンクは、弾性限界応力が1000MPa以上になる様に熱処理が施された材料によって形成されている。リンクおよびピンを組立て後に弾性限界応力に対応する荷重よりも大きい荷重がリンクに付与されるように予張が施されており、予張時に付与される荷重は、弾性限界応力が予張前に比べて5%(図に破線で示している値)以上でかつリンクの破断強度の95%(図に実線で示している値)以下となるように設定されている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開2006−002787号公報
この種の動力伝達チェーンは、リンクの耐久性が重要であり、より耐久性に優れたものが求められている。リンクの耐久性については、厚みを増したり前後挿通部の形状を変更するなどして向上させることは可能であるが、チェーンの重量や大きさについての制約がある。リンクの形状を変更して耐久性を向上させるため、解析や試験を行い、最適なデザイン形状を求めることは可能であるが、その形状で可能な耐久性以上の性能が求められる場合、大きさを増す以外に対応することができなくなる。
この発明の目的は、形状の変更を伴わずに、リンクの耐久性を向上させることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、各リンクは、弾性限界応力が1000MPa以上になる様に熱処理が施された材料によって形成されており、リンクおよびピンを組立て後に弾性限界応力に対応する荷重よりも大きい荷重がリンクに付与されるように予張が施されていることを特徴とするものである。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。ただし、ピンおよびリンクの構成は、これに限られるものではない。
上記構成の場合、ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
熱処理後に1000MPa以上の弾性限界応力が得られる材料は、例えば、ばね鋼、炭素工具鋼製、軸受鋼などの鉄鋼材料について、標準試験片を用いた引張り試験を行ってその弾性限界応力を求めることにより、適正なものを選択することができる。使用される材料については、熱処理後の弾性限界応力が1000MPa以上であれば特に限定されるものではなく、弾性限界応力の上限は、実用性の点から、例えば1500MPa以下とされる。
予張は、リンクとピンとを組み立てて、チェーン状にした後で、予張装置によりチェーン全体を引っ張ることで行われる。予張力は、例えば、耐久性に対して重要な圧入部が弾性限界応力以上でかつ破断強度以下の最大主応力となる大きさとされる。この予張力の大きさは、実際の使用条件に比べて非常に大きく、従来の決め方で得られる予張力(例えば、実使用条件の10%増し)に比べて大きいものとなる。
予張に際しては、予張時に付与される荷重(予張力の大きさ)と最大主応力との関係を予め確認しておき、弾性限界応力が予張前に比べて5%以上大きくなるように予張力の大きさが決定される。チェーンの実使用条件は、弾性限界応力未満であり、予張力の大きさ>弾性限界応力に対応する荷重をリンクに付与することで、耐久性を向上させることができるが、弾性限界応力の増加分が予張前に比べて5%未満であると、得られる耐久性向上効果が小さくなることから、5%以上とすることが好ましい。予張力の上限は、例えば、弾性限界応力×1.15に対応する荷重以下とすればよい。ただし、予張力の上限については、リンクの破断強度を使用して、リンクの破断強度の95%以下の大きさとされていることが好ましい。
すなわち、弾性限界応力×1.05に対応する荷重≦予張力の大きさ≦リンクの破断強度×0.95に対応する荷重とすることが好ましい。
より好ましくは、リンクの材料は、0.8%以上の炭素を含む鋼であり、熱処理は、予張前におけるロックウェル硬度がHRC40〜50となるように、その条件が設定される。
リンクの材料を0.8%以上の炭素を含む鋼とすることで、通常的に行われる熱処理(油焼入れ、オーステンパ)で容易に前記の硬度を得ることができる。硬度に関しては、一般的に、硬度を上げれば疲労強度(静的な疲労強度)も上がるが、脆さに関しては悪化するため、ある程度以下に抑える必要がある。0.8%以上の炭素を含む鋼とHRC40〜50との組合せにより、疲労強度と脆さとを高いレベルで両立させることができる。
また、リンクの熱処理は、オーステンパであることが好ましい。オーステンパは、鋼をオーステナイト組織に加熱した後、フェライトとパーライト変態を阻止するため約350〜400℃の塩浴中に急冷して、過冷オーステナイトから下部ベイナイト組織への変態を完了させて、室温に冷却する操作であり、他の熱処理に比べて、靭性を上げることができ、かつ熱処理時のリンクの変形量を小さくできる点で優れている。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の接触面が平坦面とされ、他方の接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンによると、各リンクは、弾性限界応力が1000MPa以上になる様に熱処理が施された材料によって形成されており、リンクおよびピンを組立て後に弾性限界応力に対応する荷重よりも大きい荷重がリンクに付与されるように予張が施されているので、形状の変更を伴わずに、リンクの弾性限界応力が向上し、これにより、リンクの耐久性を向上させることができる。また、経年変化によるチェーンの変形(伸び)を抑制することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図3の上下をいうものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前挿通部(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(12b)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後挿通部(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がインターピース(15)の接触面(15a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.05mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
リンク(11)の耐久性を向上させるためには、この予張力付与工程における予張力付与により、リンク(11)のピン固定部(12a)およびインターピース固定部(13b)に適正な残留圧縮応力が付与されることが重要である。この適正な残留応力達成のために以下のステップが実施される。
まず、材料選択ステップにおいて、引張り試験を行って、リンク(11)の材料は、その弾性限界応力が1000MPa以上とされている。標準試験片(試料の幅×厚さ=15mm×0.8mm)を用いた引張り試験によると、図4に示すように、弾性限界応力および破断強度を求めることができる。この試験は、熱処理ステップにおいて、オーステンパが施されたもので実施されている。弾性限界応力および破断強度は、引張り試験で得られた弾性限界時の荷重(歪みと荷重とが比例関係にある最大荷重)および破断時の荷重(破断時に得られる最大荷重)を試験片の断面積(試料の幅×厚さ)で割ることにより求められる。図示したものでは、鉄鋼材料のSK5を使用し、その硬度がHRC45であるものを用いた結果、弾性限界荷重が1500kgf(弾性限界応力=1500×9.8÷12=1225MPa)、破断荷重が1770kgf(破断強度=1770×9.8÷12=1445.5MPa)となっている。
そして、FEM解析ステップにおいて、予張の前に、リンク(11)に発生する応力の検討が実施されている。図5は、FEM解析で得られたリンク(11)の圧入部の応力をグラフにしたものである。同図には、弾性限界応力×1.05に対応する値(1225×1.05=1286MPa、これに対応する荷重が2.5kN)が破線で示され、破断強度×0.95に対応する値(1445.5×0.95=1372MPa、これに対応する荷重が4.0kN)が実線で示されている。
予張ステップにおいては、リンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)を組立て後に弾性限界応力に対応する荷重よりも大きい荷重がリンク(11)に付与されるように予張が施されている。具体的には、図5を参照して、予張時に付与される荷重は、弾性限界応力が予張前に比べて5%以上大きくなるように(縦方向の破線よりも右側に)設定されている。さらに、予張時に付与される荷重は、リンクの破断強度の95%以下の大きさとなるように(縦方向の実線よりも左側に)設定されている。
表2に、上記条件で作成したリンク(11)の耐久性を表1に示した試験条件で評価した結果を示す。試験方法は、油圧サーボ型の疲労試験機を使用し、リンク(11)1枚に繰り返し荷重を付与する疲労試験とした。表2において、A)予張力なしおよびB)2.25kNが比較例に、C)2.5kN〜F)4.0kNまでが本発明の実施例となっている。
Figure 2007255678
Figure 2007255678
この試験結果から、弾性限界応力を5%以上向上させる大きさの予張力(今回の試験では2.5kN以上)を付与することで、疲労寿命が大幅に向上していることが分かる。また、予張力の大きさについては、2.25kNでは、他と比べて向上効果が小さく、2.5kN以上4.0kN以下までは、ほぼ同等の効果(より好ましくは3.5kN以上4.0kN以下)が得られていることが分かる。
なお、図4には、SK5の試験結果を例示したが、リンク(11)の材料として使用できる候補となる材料は、0.8%以上の炭素を含む鋼であり、熱処理は、オーステンパで、予張前におけるロックウェル硬度がHRC40〜50となるように、その条件が設定されているものを選択することにより、容易に好適なものを得ることができる。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形運動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
上記の動力伝達チェーンは、図7に示したCVTで使用されるが、この際、図6に示すように、インターピース(15)がピン(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、リンクの拡大側面図である。 図4は、リンクの引張り試験結果を示すグラフである。 図5は、リンクの応力解析結果を示すグラフである。 図6は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (6)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    各リンクは、弾性限界応力が1000MPa以上になる様に熱処理が施された材料によって形成されており、リンクおよびピンを組立て後に弾性限界応力に対応する荷重よりも大きい荷重がリンクに付与されるように予張が施されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 予張時に付与される荷重は、弾性限界応力が予張前に比べて5%以上大きくなるように設定されている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 予張時に付与される荷重は、リンクの破断強度の95%以下の大きさとされている請求項2の動力伝達チェーン。
  4. リンクの材料は、0.8%以上の炭素を含む鋼であり、熱処理は、予張前におけるロックウェル硬度がHRC40〜50となるように、その条件が設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の動力伝達チェーン。
  5. リンクの熱処理は、オーステンパである請求項1〜4のいずれかに記載の動力伝達チェーン。
  6. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1〜5のいずれかに記載の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009226411A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの予張方法
JP2011067851A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Jtekt Corp 動力伝達チェーンの製造方法

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