JP5640348B2 - 動力伝達チェーンの製造方法 - Google Patents

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この発明は、動力伝達チェーンの製造方法、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの製造方法に関する。
従来、無段変速機に適した動力伝達チェーンとしては、ピンが挿通される複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンからなるものが知られており、特許文献1には、耐久性を向上させるために、その製造工程において、実際に使用される無段変速機(実機)に類似した構成の予張装置を使用し、張力をチェーンに予め付与(予張)することにより、チェーンの周長のばらつきを低減するとともに、リンクに適当な残留圧縮応力を付与して疲労寿命を向上させることが開示されている。
特開2007−167931号公報
特許文献1の動力伝達チェーンでは、予張によってチェーンの周長のばらつきを低減することができるが、チェーンの周長は、無段変速機における変速比への寄与因子であることから、より一層のばらつきの抑制が望まれている。
この発明の目的は、完成品のチェーンの周長のばらつきを低減することができる動力伝達チェーンの製造方法を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンからなる動力伝達チェーンを製造する方法であって、動力伝達チェーンを組立てる毎に該動力伝達チェーンを構成するリンクの硬度および板厚を測定する工程と、前記リンクを用いて動力伝達チェーンを無端状に組み立てる工程と、組み立てられた動力伝達チェーンで実際に使用されたリンクの硬度および板厚に応じて、チェーン毎の周長のばらつきを抑えられる予張荷重を算出する工程と、算出された予張荷重を動力伝達チェーンに負荷して予張を行う工程とを含んでおり、予張荷重は、リンクの伸び量とその応力との関係を参照して、リンク硬度およびリンク板厚が変化した場合であっても、リンクの伸びが同じになるように設定されることを特徴とするものである。
リンクは、圧延材をプレス加工することで製作され、その板厚にばらつきがある。リンクは、また、鋼製とされて、所要の熱処理を経て完成品となるが、この過程において、硬度についてもばらつきが生じる。
このような動力伝達チェーンの製造に際しては、周長のばらつきを抑えるために、これを実車に搭載する前に荷重を負荷し、塑性変形まで引張り、残留圧縮応力を付与する工程(この明細書において、「予張」と称す)が採用されている。予張工程においては、リンクの伸び量εとその応力σとの関係に基づいて所定の大きさの予張荷重を負荷することで、リンクを塑性変形させ、負荷を取り除いたとき(除荷時)の残留圧縮応力が例えば−500Mpa程度となるような荷重を負荷させる。予張荷重を一定とした場合、リンク硬度やリンク板厚が公差範囲で変化したときに、予張後の周長にばらつきが発生する。リンク硬度およびリンク板厚のばらつきについては、これらが公差範囲にあれば適正とされており、従来の予張工程においては考慮されていなかった。
これに対し、この発明による製造方法では、リンク硬度およびリンク板厚について、動力伝達チェーンの組立前に実測され、組立後のチェーンについて、このチェーンを構成するリンクの硬度および板厚が把握される。一方、予張条件については、リンク硬度およびリンク板厚に応じた適正な予張荷重が予め設定される。そして、各チェーン毎に、それを構成するリンクの硬度および板厚に応じた予張荷重が求められ、チェーンの予張時には、この予張荷重が負荷される。
この製造方法は、より詳細には、リンクの硬度および板厚が変化したときの適正予張荷重の表または式を予め作成しておく工程と、チェーン組立前にリンクの硬度を測定する工程と、リンク硬度に応じて予張のための基準荷重を選択する工程と、チェーン組立前にリンクの板厚を測定する工程と、板厚に応じて補正係数を選択する工程と、無端状の動力伝達チェーンを組み立てる工程と、組み立てられた動力伝達チェーンで実際に使用されたリンクの硬度および板厚に応じて基準荷重×補正係数によって予張荷重を算出する工程と、算出された予張荷重を動力伝達チェーンに負荷して予張を行う工程と、予張によって生じた塑性伸び量をチェックする工程とを含んでいるものとされる。
予張荷重の設定に際しては、例えば、リンク硬度の公差範囲およびリンクの板厚の公差範囲をそれぞれ複数の範囲に分けて、表の形にして、所定のリンク硬度範囲ごとに基準荷重を設定し、所定のリンク板厚範囲ごとに補正係数を乗算するものとされる。表の形ではなく、予張荷重=A×リンク硬度×リンク板厚+Bなど式の形で予張荷重を設定するようにしてもよい。いずれにしろ、このようにすることで、リンク硬度およびリンク板厚が相対的に大きい場合には、相対的に大きい予張荷重が負荷され、リンク硬度およびリンク板厚が相対的に小さい場合には、相対的に小さい予張荷重が負荷されることになり、異なる動力伝達チェーン間でのリンクの塑性伸びのばらつきが抑えられ、これにより、動力伝達チェーンの完成品における周長のばらつきが低減する。
好ましくは、リンクは、板厚に応じて複数の層別にグループ化され、1つのチェーンについては、同じ層別グループのものが使用される。そして、板厚が同じグループ内で、硬度についても層別にグループ化され、1つのチェーンについては、板厚および硬度がともに同じ層別グループのものが使用される。1つのチェーン内におけるリンクの板厚および硬度が異なる場合であっても、予張荷重の設定のための表または式を変更することにより、種々の対応が可能である。
上記の製造方法は、予張を必要とする種々の動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士のチェーン長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に圧入により固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に圧入により固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。この場合の圧入は、挿通部のチェーン長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われることが好ましい。
上記動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
この発明の動力伝達チェーンの製造方法によると、チェーン組立前にリンクの硬度および板厚を測定する工程と、動力伝達チェーンを無端状に組み立てる工程と、組み立てられた動力伝達チェーンで実際に使用されたリンクの硬度および板厚に応じて予張荷重を算出する工程と、算出された予張荷重を動力伝達チェーンに負荷して予張を行う工程とを含んでいるので、各チェーン毎に、それを構成するリンクの硬度および板厚に応じた予張荷重が計算され、チェーンの予張時には、この予張荷重が負荷されることになり、完成品のチェーンの周長のばらつきを低減することができる。この結果、無段変速機で使用された場合における変速比のばらつきを低減することができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法を示すフローチャートである。 図5は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で使用されるリンク硬度およびリンク板厚と予張荷重との関係の1例を示す表である。 図6は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で得られる動力伝達チェーンのばらつき量を示すグラフである。 図7は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で使用されるリンクの応力と伸び量との関係の1例を示すグラフである。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法を使用して製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
この発明の動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、ショートリンク(11)およびロングリンク(21)の2種類が使用されている。ショートリンク(11)とロングリンク(21)とでは、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)間の距離(図2に符号Aで示す点とBで示す点との距離)=「ピッチ長」が異なっている。
図2に示すように、ショートリンク(11)(ロングリンク(12)も同じ)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連結するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通部(12)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)(21)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
図3は、上記動力伝達チェーン(1)がV型プーリ式CVTに取り付けられた動力伝達装置を示しており、動力伝達装置では、図3に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
図3に実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)(21)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には、予張工程において、適切な張力が付与される。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
そして、CVTで使用された場合、ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
予張工程においては、図7に示すリンクの伸び量εとその応力σとの関係に基づいて所定の大きさの荷重(予張荷重)を負荷することで、リンク(11)(21)を塑性変形させ、負荷を取り除いたとき(除荷時)の残留圧縮応力が所定範囲となるような荷重が負荷される。
従来の予張工程では、リンク硬度およびリンク板厚のばらつきについては、これらが公差範囲にあれば適正とされており、予張荷重については、同じ仕様の動力伝達チェーン(1)では一定とされていた。したがって、リンク硬度やリンク板厚が公差範囲で変化することにより、完成品の動力伝達チェーン(1)間で予張後の周長のばらつきが大きいものとなっていた。
これに対し、この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、次のようなものとされることで、リンク硬度およびリンク板厚のばらつきが考慮される。
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、図4に示すように、リンクの硬度および板厚が変化したときの適正予張荷重の表(または式)を予め作成しておく工程(S1)と、チェーン組立前にリンクの硬度を測定する工程(S2)と、リンク硬度に応じて予張のための基準荷重を選択する工程(S3)と、チェーン組立前にリンクの板厚を測定する工程(S4)と、板厚に応じて補正係数を選択する工程(S5)と、無端状の動力伝達チェーンを組み立てる工程(S6)と、組み立てられた動力伝達チェーンで実際に使用されたリンクの硬度および板厚に応じて基準荷重×補正係数によって予張荷重を算出する工程(S7)と、算出された予張荷重を動力伝達チェーンに負荷して予張を行う工程(S8)と、予張によって生じた塑性伸び量をチェックする工程(S9)とを含んでいるものとされる。
予張時における適正予張荷重は、図7に示すリンクの伸び量εとその応力σとの関係を参照して、リンク硬度およびリンク板厚が変化した場合であっても、リンクの伸びが同じになるように設定される。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、リンクのHRC硬度の公差範囲の最小値と最大値との間が複数等分(例えば4等分)され、各範囲に対して、基準荷重A、B、CおよびDがそれぞれ対応させられる。予張荷重は、硬度の増加とともに増加させることが好ましいので、基準荷重は、A<B<C<D(基準荷重間の差は一定である必要はない)となる。
また、リンク板厚tについても、図5(b)に示すように、その公差範囲の最小値と最大値との間が複数等分(例えば3等分)され、各範囲に対して、補正係数E、FおよびGがそれぞれ対応させられる。予張荷重は、リンク板厚の増加とともに増加させることが好ましいので、補正係数E<F<G(補正係数間の差は一定である必要はない)となる。
リンクのHRC硬度およびリンク板厚tは、ステップ(S2)およびステップ(S4)によって、動力伝達チェーンの組立前に実測され、これにより、組立後のチェーンについて、このチェーンを構成するリンクの硬度および板厚が把握される。こうして、各チェーン毎に、それを構成するリンクの硬度および板厚に応じた予張荷重(適正予張荷重)が求められ、チェーンの予張時には、この適正予張荷重が負荷される。
上記のリンク硬度による基準荷重およびリンク板厚による補正係数は、例えば表の形で準備され、例えば、リンク硬度の値が下から2番目の範囲にあって、リンク板厚が上から1番目の範囲にある場合には、基準荷重Bと補正係数Gとが使用されて、基準荷重B×補正係数Gの張力が付与される。
このようにすると、図6に示すように、従来の予張荷重が1水準の予張では、白抜きの四角で示す塑性伸びのものが存在し、リンク1列当たりの塑性伸びのばらつきが比較的大きいのに対し、予張荷重を4水準としたこの発明の動力伝達チェーンの製造方法によると、リンク1列当たりの塑性伸びのばらつきが半分以下程度にまで減少する。予張荷重の水準が4水準に限られないことはもちろんである。
これにより、動力伝達チェーン(1)の完成品間での周長のばらつきが低減され、これを使用したCVTにおける変速のばらつきを低減することができる。
上記の製造方法は、リンク、ピンおよびインターピースの形状に限定されることはなく、予張を必要とする種々の動力伝達チェーンに適用することができる。
(1) 動力伝達チェーン
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (1)

  1. 複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンからなる動力伝達チェーンを製造する方法であって、
    動力伝達チェーンを組立てる毎に該動力伝達チェーンを構成するリンクの硬度および板厚を測定する工程と、前記リンクを用いて動力伝達チェーンを無端状に組み立てる工程と、組み立てられた動力伝達チェーンで実際に使用されたリンクの硬度および板厚に応じて、チェーン毎の周長のばらつきを抑えられる予張荷重を算出する工程と、算出された予張荷重を動力伝達チェーンに負荷して予張を行う工程とを含んでおり、予張荷重は、リンクの伸び量とその応力との関係を参照して、リンク硬度およびリンク板厚が変化した場合であっても、リンクの伸びが同じになるように設定されることを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
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