JP2009074672A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 リンク形状を変更せずにピッチ長を変更可能とし、これにより、リンクが1種類でも、騒音の低減が大きい動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 リンク11およびピン14は、1種類とされ、インターピース15,25は、基準寸法のもの15とこれより薄肉のもの25が使用されている。この結果、ピッチ長として、基準ピッチ長Pのもの、ピッチ長大P+αのものおよびピッチ長小のものP−αが存在し、これらがランダムに配列される。
【選択図】 図4

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているとともに、複数のリンクとして、ピッチ長が異なるリンクを使用することが提案されている。
特開2006−97844号公報
上記特許文献1に示されている動力伝達チェーンでは、ピッチ長が異なる複数のリンクを組み合わせることによって騒音を低減することができるが、リンクの種類の増加は、加工や組立ての手間の増加につながるので、リンクを1種類として、騒音を低減することが望まれている。
この発明の目的は、リンク形状を変更せずにピッチ長を変更可能とし、これにより、リンクが1種類でも、騒音の低減効果が大きい動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方について、チェーン進行方向寸法が基準寸法のものとこれより小さいものとが製作されることで、同じ形状の挿通部に挿通されている第1ピンと第2ピンとの接触位置が2水準以上形成されていることを特徴とするものである。
第1ピンを基準寸法のままにして、第2ピンを基準寸法および小寸法(薄肉)のものとしてもよく(接触位置が2水準)、第1ピンを基準寸法および小寸法(薄肉)のものとして、第2ピンを基準寸法のままにしてもよく(接触位置が2水準)、両ピンともを基準寸法および小寸法のものとしてもよい(接触位置が4水準)。また、各ピンについて、小寸法のものを2種類以上(接触位置が3水準以上)となるようにしてもよい。
基準寸法の第1ピンと第2ピンとは、挿通部内において、転がり接触面同士を接触させた状態で対向するのに対し、基準寸法の第1ピンと小寸法の第2ピンとは、挿通部内において、転がり接触面同士の間に遊びがある状態で対向する。小寸法の第1ピンと基準寸法の第2ピンとが対向した場合(小寸法の第1ピンと小寸法の第2ピンとが対向した場合も)も同様となる。基準寸法のピンの転がり接触面と小寸法のピンの転がり接触面とは、チェーンに進行方向の張力が作用することで、互いに接触させられる。この結果、基準寸法のピンの転がり接触面と小寸法のピンの転がり接触面との接触位置は、遊び分αだけ、チェーン進行方向前方に移動し、これにより、基準寸法のピン同士のピッチ長(接触位置間距離)Pのほかに、小寸法のピンによる遊び分αだけ変化したピッチ長P+αおよびP−αが得られる。
リンクのピッチ長(前後挿通部同士の間隔)については、2種類以上とすることも可能であるが、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方について小寸法のものを作成することで、リンクのピッチ長を変更するのと同じ効果を得ることができるので、リンク形状は、1種類とすることが好ましい。リンク形状以外の構成、例えば、第1ピンおよび第2ピンの転がり接触面形状については、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされかつそのインボリュートの基礎円半径が2水準としてもよく、これに加えて、プーリに接触するピンの端面形状を2種類とし、プーリに接触する位置が2水準となるようにしてもよい。また、ピンの長さ違いをランダム配列するものと組み合わせてもよい。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
そして、通常、第1ピンだけがプーリに接触するようにされるところ、各挿通部に挿通されている第1ピンおよび第2ピンについて、いずれか一方または両方がランダムにプーリに接触するようにされることで、接触位置間隔のランダム配列を多種類でかつ変動範囲が大きいものとすることができ、騒音低減効果を向上させることができる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。第2ピンは、第1ピンよりも幅が狭い形状とされることが好ましく、この場合、第2ピンの上下縁部に突出縁部が設けられることがある。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達装置によると、リンクの形状(前後挿通部同士の間隔)を1種類としても、ピッチ長(ピンの接触位置間の距離)を2水準以上とすることができるので、騒音低減と組立効率の向上との両立が可能となる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)(25)とを備えている。インターピース(15)(25)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)(25)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
この発明の動力伝達チェーンでは、図2に示したリンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)の組合せに加えて、図3に示したリンク(11)、ピン(14)およびインターピース(25)の組合せが使用されている。
図2および図3に示すように、ピン(14)は、インターピース(15)(25)に比べて前後方向の幅が広くなされている。インターピース(15)(25)の上下縁部には、ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)(25a)(25b)が設けられている。リンク(11)は、前挿通部(12)の前面形状を形成するための前側柱部(20)と、後挿通部(13)の後面形状を形成するための後側柱部(22)と、前挿通部(12)と後挿通部(13)との間の中間柱部(21)とを有している。リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)(25)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)(25)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)(25)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)(25)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)(25)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)(25)の転がり接触面(15c)(25c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)(25)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)(25c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)(25)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)(25c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。なお、図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。また、図3において、符号AおよびB’で示す箇所は、チェーン(1)に張力が作用しているときにその直線部分においてピン(14)とインターピース(25)とが接触している線(断面では点)であり、AB’間の距離がピッチである。
図3において、リンク(11)およびピン(14)としては、図2と同じものが使用され、インターピース(25)が、図2に示した基準寸法のインターピース(15)のものより薄肉(チェーン進行方向寸法が小)とされている。この薄肉のインターピース(25)は、基準寸法のインターピース(15)のピンに対向する平坦面(15c)が凹まされた形状となっており、この結果、インターピース(25)の前面は、基準寸法のインターピース(15)と同様に、前挿通部(12)のインターピース固定部(17)前面に接触し、インターピース(25)の後面(転がり接触面)(25c)は、ピン(14)との間に所定間隙αを有するように、ピン(14)の転がり接触面(14a)に対向している。
図2に示したリンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)の組合せと図3に示したリンク(11)、ピン(14)およびインターピース(25)の組合せとはランダムに配列されるが、この場合、リンク(11)およびピン(14)は同じ形状なので、インターピース(15)(25)だけがランダム配列となる。これを図4に示す。
図4において、図3において存在していたインターピース(25)の転がり接触面(25c)とピン(14)の転がり接触面(14a)との間の間隙αは、各リンク(11)が進行方向に引っ張られることでなくなっており、この結果、ピッチ長に関し、図2に示したAとBとの距離に等しいピッチ長Pのものと、図3に示したAとB’との距離に等しいピッチ長P+αおよびB’とBとの距離に等しいピッチ長P−αとのランダム配列が得られている。
この動力伝達チェーン(1)は、図7に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図6に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)(25)の端面が接触しない状態で、ドライブピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)(25)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)(25)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
圧入に際し、幅方向に並ぶリンク(11)は、例えば25列あるので、リンク側でピッチ長を変更した場合には、リンク(11)を区別しながら圧入していくのには非常に手間がかかることになる。これに対して、ピン(14)およびインターピース(25)は、その数が相対的に少なく、これらを区別しての組立ては相対的に容易であり、ピン(14)およびインターピース(25)を誤りなく配置することで、リンク(11)の圧入時には、リンク(11)の識別をせずに圧入作業を行うことができる。こうして、ピッチ長をリンク側でなくインターピース側で変更することにより、チェーン(1)の製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
上記図2および図3の組合せを使用して、さらに、騒音を低減する方策を図5に示す。図5において、従来、ピン(14)だけをプーリ(2)(3)に接触させて、その接触位置をランダムにしていたのに対し、ピン(14)およびインターピース(15)(25)の少なくとも一方をプーリ(2)(3)に接触させ、ピン(14)および基準形状インターピース(15)だけを配列する場合でも、接触位置間隔として、ピン(14)からピン(14)まで(ピッチ長がP1)、ピン(14)から基準形状インターピース(15)まで(ピッチ長がP2)、基準形状インターピース(15)から基準形状インターピース(15)まで(ピッチ長がP3)および基準形状インターピース(15)からピン(14)まで(ピッチ長がP4)の4種類を得るものとされている。これに、さらに、薄肉のインターピース(25)をランダムに配列することで、ピン(14)から薄肉インターピース(25)まで(ピッチ長がP5)、薄肉インターピース(25)から薄肉インターピース(25)まで(ピッチ長がP6)および薄肉インターピース(25)から基準形状インターピース(15)まで(ピッチ長がP7)などの追加が可能となり、多種類でしかも変動範囲が大きいランダム配列を得ることができる。
なお、図5では、1つの挿通部(12)(13)内にあるピン(14)およびインターピース(15)(25)のいずれか一方だけがプーリ(2)(3)に接触しているようにしているが、1つの挿通部(12)(13)内にあるピン(14)およびインターピース(15)(25)の両方を接触させることもでき、このような両方接触を適当な間隔をおいて片方接触の中にランダムに配列することにより、より一層の騒音低減(ピークレベルの低下)が図られる。
図5に示した接触位置ランダムは、ピッチ長ランダムと組み合わせることもでき、また、基準形状インターピース(15)だけを使用ししかもリンク(11)形状を1種類としたものに対しても適用することができる。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)(25)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)(25)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。そして、リンク(11)の形状を1種類とすることで、組立効率が向上させられているとともに、インターピース(15)(25)を基準寸法のものと薄肉のものとの2種類とし、これがランダムに配列されていることで、騒音低減効果が向上させられており、騒音低減と組立効率の向上との両立が図られたものとなっている。
そして、CVTで使用された場合、ピン(14)とインターピース(15)(25)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンク、ピンおよび基準形状のインターピースの拡大側面図である。 図3は、リンク、ピンおよび薄肉のインターピースの拡大側面図である。 図4は、基準形状のインターピースおよび薄肉のインターピースの両方を使用した場合に得られるピッチ長を示す図である。 図5は、ピンおよびインターピースの両方を接触させて得られる接触位置ランダムの配列の一例を示す図である。 図6は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15)(25) インターピース(第2ピン)

Claims (4)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方について、チェーン進行方向寸法が基準寸法のものとこれより小さいものとが製作されることで、同じ形状の挿通部に挿通されている第1ピンと第2ピンとの接触位置が2水準以上形成されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 複数のリンクは、1種類だけとされていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 各挿通部に挿通されている第1ピンおよび第2ピンについて、いずれか一方または両方がランダムにプーリに接触するようになされていることを特徴とする請求項2の動力伝達チェーン。
  4. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1から3までのいずれかに記載の動力伝達装置。
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