JP2017188548A - 加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギ消費を抑制すると共に、紫外線を照射する領域以外へのマスキングを要しない加工装置を提供すること。【解決手段】ウエーハWを環状のフレームFに粘着テープTで保持したウエーハユニットWUに紫外線を照射する紫外線照射ユニット80を備え、紫外線照射ユニット80は、複数個の紫外線発光ダイオード87がウエーハWの直径D1より長い範囲に直線状に並んで設置される照射部82と、ウエーハユニットWUが搬出入される搬出入口84を有し、照射部82を収容するハウジング81と、複数個の紫外線発光ダイオード87を選択的に点灯させる点灯制御部83とを備え、複数個の紫外線発光ダイオード87は、ハウジング81に搬出入されるウエーハユニットWUの搬出入方向と直交する方向に並んで配列され、搬出入動作時に移動するウエーハユニットWUの紫外線を照射する領域に応じて選択的に点灯する。【選択図】図3
Description
本発明は、被加工物及び被加工物に貼着された粘着テープに紫外線を照射する紫外線照射部を備える加工装置に関する。
従来、半導体ウエーハ、パッケージ基板、セラミックスやガラス基板等の被加工物では、これら被加工物を予め定めた所定の分割ラインに沿って分割する加工が行われている。被加工物を分割する場合には、切削装置やレーザー加工装置等の加工手段を備えた加工装置が用いられている。この種の加工装置では、分割後にバラバラとならないように、被加工物は、紫外線硬化型粘着テープにより環状のフレームの開口に保持された被加工物ユニットの形態で加工される。
被加工物ユニットの粘着テープには、加工後に紫外線が照射され、個々に分割されたチップを剥がしやすくしたり、また、加工前に紫外線を照射することで、予め粘着テープの糊層を硬化させて裏面側に発生するチッピングを抑制したりしている。また、上記した加工時に発生する加工屑の付着を抑制するため、被加工物の表面に親水性を付与する目的で、被加工物の表面に紫外線が照射されることもある。このように、被加工物及び被加工物に貼着された粘着テープに紫外線を照射する紫外線照射部を備える加工装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の加工装置では、紫外線照射部は、紫外線の発光体として蛍光灯の形態をなす紫外線照射ランプが用いられている。この紫外線照射ランプは、ある程度のエネルギを放射するため、エネルギ消費が多いという問題がある。また、被加工物ユニットの全面に紫外線を照射させるため、紫外線照射ランプが所定の面積に敷設されているが、不要な領域に紫外線が照射されるのを防ぐため、紫外線を照射する領域以外にマスキングする必要があり、被加工物ユニットの大きさ等が変更されるたびにマスキングの調整が必要となり、作業が煩雑になっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エネルギ消費を抑制すると共に、紫外線を照射する領域以外へのマスキングを要しない加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、粘着テープで被加工物を環状フレームの開口に保持した被加工物ユニットを保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物ユニットの被加工物を加工する加工手段と、被加工物ユニットを複数収容したカセットを載置するカセット載置台と、該カセット載置台上に載置された該カセットと該保持手段との間で被加工物ユニットを搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される被加工物ユニットに紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、を具備する加工装置であって、該紫外線照射ユニットは、該複数個の紫外線発光ダイオードが該被加工物の直径より長い範囲に直線状に並んで設置される照射部と、該被加工物ユニットが搬出入される搬出入口を有し、該照射部を収容するハウジングと、該複数個の該紫外線発光ダイオードを選択的に点灯させる制御手段と、を備え、該複数個の該紫外線発光ダイオードは、該搬送手段によって該ハウジングに搬出入される被加工物ユニットの搬出入方向と直交する方向に並んで配列され、該搬送手段によって移動する被加工物ユニットの紫外線を照射する領域に応じて選択的に点灯することを特徴とする。
この構成によれば、被加工物ユニットを搬送手段で搬送しながら直線状に設置された紫外線発光ダイオードを選択的に点灯することにより、簡素な構成で、所望の領域に紫外線を照射することを可能とした。これにより、エネルギ消費を抑制すると共に、紫外線を照射する領域以外へのマスキングを不要とすることを実現できる。
また、この構成において、該紫外線照射ユニットは、該カセット載置台の下側に設置されてもよい。
本発明によれば、被加工物ユニットを搬送手段で搬送しながら直線状に設置された紫外線発光ダイオードを選択的に点灯することにより、簡素な構成で、所望の領域に紫外線を照射することができ、これにより、エネルギ消費を抑制すると共に、紫外線を照射する領域以外へのマスキングを不要とすることを実現できる。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
図1は、本実施形態に係る加工装置の斜視図である。加工装置1は、例えば円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハなどのウエーハW(被加工物)に対して切削加工を行う装置である。被加工物には、円板状のウエーハWだけでなく、矩形状に形成されたパッケージ基板、セラミクス基板、ガラス基板などが含まれる。加工装置1は、図1に示すように、直方体状の基台2に配置され、上記ウエーハWを有するウエーハユニット(被加工物ユニット)WUを保持するチャックテーブル(保持手段)10と、チャックテーブル10に保持されたウエーハユニットWUのウエーハWに対して切削加工をする切削ユニット(加工手段)20とを備える。
また、加工装置1は、切削加工前後のウエーハユニットWUを収容するカセット30が載置されるカセット載置機構(カセット載置台)40と、切削加工後のウエーハユニットWUを洗浄する洗浄部50とを備える。また、加工装置1は、カセット30とチャックテーブル10との間でウエーハユニットWUを搬送するカセット搬送部(搬送部;第1搬送部)60と、チャックテーブル10と洗浄部50との間でウエーハユニットWUを搬送する洗浄搬送部(搬送部;第2搬送部)70とを備える。
ウエーハユニットWUは、図1に示すように、円環状に形成されたフレームFと、このフレームFの開口Faに配置される円板形状に形成されたウエーハWと、このウエーハW及びフレームFの裏面に貼着された粘着テープTとを備える。粘着テープTは、糊層(粘着層)が所定波長の紫外線を照射することによって粘着力が低下する、紫外線硬化型粘着テープが用いられている。本実施形態では、ウエーハWは、粘着テープTによってフレームFの開口Faに保持される。ウエーハWは、その表面に格子状に形成されたストリート(分割予定ライン)によって区画された多数の領域にIC、LSI等のデバイスが形成されている。
チャックテーブル10は、上記した基台2に、X軸方向(切削送り方向)に移動可能に設けられている。チャックテーブル10は、吸着チャック11を備え、該吸着チャック11の載置面11A上に、ウエーハユニットWUを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。また、チャックテーブル10は、図示しない回転機構によって回動可能に構成されている。
また、基台2の上面には、Y軸方向(割出方向)に沿ってそれぞれ延在するとともに、チャックテーブル10を跨いで配置される門型の支持構造12,14が設けられている。一方の支持構造14には、切削ユニット20が、Y軸方向(割出方向)及びZ軸方向(鉛直方向)にそれぞれ移動可能に設けられている。切削ユニット20は、回転駆動される回転スピンドル(不図示)に装着された切削ブレード21を備え、この切削ブレード21が回転しつつ、Z軸方向に下降することにより、ウエーハWの表面に切削加工が行われる。なお、本実施形態では、加工手段として、切削ブレード21を備える切削ユニット20を例示したが、ウエーハWに対して、レーザー光線を照射することで該ウエーハWにレーザー加工を行うレーザー照射部を加工手段として備える構成としてもよい。
また、他方の支持構造12には、カセット搬送部60が設けられている。このカセット搬送部60は、ウエーハユニットWUを上記した割出方向と平行となるY軸方向(搬出入方向)に沿ってカセット30に搬送する。カセット搬送部60は、支持構造12の側面に配置され、Y軸方向に平行なガイドレール61と、このガイドレール61上をスライド移動可能な移動ユニット62とを備える。移動ユニット62は、ガイドレール61との対向面側にナット部(不図示)を備え、このナット部は、ガイドレール61に設けられるボールネジ61Aに進退自在に取り付けられている。ボールネジ61Aの一端部には、パルスモータ(不図示)が連結されており、パルスモータでボールネジ61Aを回転させると、移動ユニット62はガイドレール61に沿ってY軸方向に移動する。また、移動ユニット62は、Z軸方向(鉛直方向)下方に延びるシリンダ部63と、このシリンダ部63の下端部に連結されるアーム部64と、このアーム部64に設けられる把持部65とを備える。シリンダ部63は、Z軸方向(鉛直方向)に伸縮し、アーム部64及び把持部65のZ軸方向の高さ位置を調整する。アーム部64は十字形状に形成されており、該アーム部64の先端の下部には、それぞれバキュームパッド(不図示)が設けられている。このバキュームパッドは、ワークユニットWUのフレームFの表面を吸引することでワークユニットWUを保持する。把持部65は、カセット30と対向してY軸方向の先端部に設けられ、ウエーハユニットWUのフレームFの縁部を把持する。ウエーハユニットWUは、把持部65により把持され、ウエーハユニットWUをカセット30から後述するレール13に搬出、もしくは、レール13からカセット30に搬入する。
洗浄搬送部70は、カセット搬送部60と同様に、支持構造12に設けられ、ウエーハユニットWUを上記した割出方向と平行となるY軸方向(搬出入方向)に沿って洗浄部50に搬送する。洗浄搬送部70は、支持構造12の側面に配置され、Y軸方向に平行なガイドレール71と、このガイドレール71上をスライド移動可能な移動ユニット72とを備える。移動ユニット72は、ガイドレール71との対向面側にナット部(不図示)を備え、このナット部は、ガイドレール71に設けられるボールネジ71Aに進退自在に取り付けられている。ボールネジ71Aの一端部には、パルスモータ(不図示)が連結されており、パルスモータでボールネジ71Aを回転させると、移動ユニット72はガイドレール71に沿ってY軸方向に移動する。また、移動ユニット72は、ガイドレール71からX軸方向に延びるアーム部73と、このアーム部73の先端からZ軸方向(鉛直方向)下方に延びるシリンダ部74と、このシリンダ部74の下端に設けられる保持部75とを備える。この保持部75は、十字形状に形成され、該保持部75の先端の下部には、それぞれバキュームパッド(不図示)が設けられる。このバキュームパッドは、ワークユニットWUのフレームFの表面を吸引することでワークユニットWUを保持する。シリンダ部74は、Z軸方向(鉛直方向)に伸縮し、保持部75のZ軸方向の高さ位置を調整する。
本実施形態では、カセット30及び洗浄部50は、カセット搬送部60及び洗浄搬送部70の搬送経路上に位置しており、チャックテーブル10がX軸方向に移動可能な領域を挟んで、基台2の両側に配置されている。また、カセット30は、カセット搬送部60側に開口して形成され、洗浄部50は、上面が開口して形成されている。カセット30と洗浄部50との間には、ウエーハユニットWUが一時的に仮置きされる一対のレール13,13が設けられる。このレール13,13上には、カセット搬送部60の把持部65によりカセット30から搬出される未加工のウエーハユニットWU、または、カセット30に搬入される加工後のウエーハユニットWUが仮置きされる。レール13,13上に仮置きされた未加工のウエーハユニットWUは、カセット搬送部60のアーム部64のバキュームパッドにより吸引保持され、レール13上からチャックテーブル10に搬送される。チャックテーブル10上で切削加工がなされたウエーハユニットWUは、洗浄搬送部70の保持部75のバキュームパッドにより吸引保持され、洗浄部50に搬送される。洗浄部50で洗浄されたウエーハユニットWUは、カセット搬送部60のアーム部64のバキュームパッドにより吸引保持され、洗浄部50からレール13上に仮置きされる。また、レール13,13は、互いに近接または離間するようにX軸方向に移動可能に構成される。レール13,13は、ウエーハユニットWUを載置した状態で互いに近接することで、ウエーハユニットWUの中心位置が所定の位置に位置付けられ、チャックテーブル10への搬送時にはチャックテーブル10の中心とワークユニットWUの中心とを合わせることができる。同様に、レール13,13は、ウエーハユニットWUを載置した状態で互いに近接することで、カセット30の中心とワークユニットWUの中心とも合わせることができる。
次に、カセット30及びカセット載置機構40について説明する。図2は、加工装置が備えるカセット載置機構の部分断面図である。カセット30は、図2に示すように、ウエーハユニットWUの搬入及び搬出をするための開口31を備え、この開口31は、カセット搬送部60の把持部65側に向けられている。また、カセット30の両側壁の内面には、搬入されたウエーハユニットWUを載置するための複数段のラック棚32がZ軸方向(鉛直方向)に対向して設けられている。
カセット載置機構40は、上記したカセット30が載置される紫外線ユニット収容部41と、この紫外線ユニット収容部41をZ軸方向(鉛直方向)に上下動させるための昇降部42とを備える。紫外線ユニット収容部41は、カセット搬送部60の把持部65側に開口41Aを設けた箱状に形成されており、この内部に紫外線照射ユニット80が配置される。本実施形態では、紫外線ユニット収容部41の上にカセット30が載置されるため、紫外線ユニット収容部41の上板部41Bはカセット載置台として機能する。また、紫外線ユニット収容部41の下板部41Cは、昇降部42によって昇降可能な支持台43に固定される。
昇降部42は、基台2の側壁に沿って上下方向に配設され回転可能に支持された雄ねじロッド42Aと、この雄ねじロッド42Aを正回転および逆回転させるパルスモータ42Bと、雄ねじロッド42Aの両側に平行に配設され上下方向に延びる案内レール42Cとを備える。雄ねじロッド42Aには、支持台43の一端部に設けられた雌ねじ孔43Aが進退自在に取り付けられるとともに、被案内レール43Bが案内レール42Cと係合している。これにより、パルスモータ42Bを一方向に回転駆動すると支持台43は、雄ねじロッド42Aおよび案内レール42Cに沿って上昇し、パルスモータ42Bを他方向に回転駆動すると支持台43は、雄ねじロッド42Aおよび案内レール42Cに沿って下降する。このように支持台43が昇降することにより、支持台43に固定される紫外線ユニット収容部41は、基台2の内部に収容された位置から該基台2の上部に露出して、カセット搬送部60の把持部65と対向する位置までZ軸方向の高さ位置を調整することができる。また、紫外線ユニット収容部41が基台2の内部に収容されている場合には、紫外線ユニット収容部41上に載置されたカセット30の開口31がカセット搬送部60の把持部65と対向する。
本実施形態では、紫外線ユニット収容部41に紫外線照射ユニット80が配置され、この紫外線照射ユニット80は、カセット載置台としてのカセット載置機構40の下側に設置される。このため、紫外線照射ユニット80と、カセット載置機構40上に載置されたカセット30とは積層配置されるため、カセット載置機構40を昇降させることにより、紫外線照射ユニット80及びカセット30にウエーハユニットWUを搬出入させるカセット搬送部60を共通化することができ、装置構成の簡素化を実現できる。
次に、紫外線照射ユニット80について説明する。図3は、紫外線照射ユニットの内部構造を示す透視斜視図である。紫外線照射ユニット80は、図3に示すように、ハウジング81と、このハウジング81内に収容される照射部82と、この照射部82の点灯を制御する点灯制御部(制御手段)83とを備える。
ハウジング81は、ウエーハユニットWUを収容可能な大きさを有する矩形の箱体として形成されている。ハウジング81は、カセット搬送部60の把持部65と対向する面81Aに、ウエーハユニットWUの搬出もしくは搬入がなされる搬出入口84を備える。また、ハウジング81は、内部空間を上下に仕切る透明の仕切板85を備え、上側の空間85Aは、上記した搬出入口84と連通してウエーハユニットWUが搬入される空間となる。この上側の空間85Aには、ハウジング81の両内側面に沿って延び、搬出入口84を通じて該空間85Aに搬出入されるウエーハユニットWUを案内するガイドレール86,86が設けられている。
一方、下側の空間85Bには、搬出入口84の下方に照射部82が収容されている。この照射部82は、複数の紫外線発光ダイオード87を備え、これら紫外線発光ダイオード87は、カセット搬送部60によって、上側の空間85Aに搬出入されるウエーハユニットWUの搬出入方向(Y軸方向)と直交する方向に直線状に並んで配列される。これら紫外線発光ダイオード87は、ウエーハユニットWUにおけるウエーハWの直径D1よりも長い長さ範囲L1に配置される。また、紫外線発光ダイオード87は、下側の空間85Bから透明な仕切板85を通じて上側の空間85Aに向けて発光する。透明な仕切板85は、紫外線を透過するため、上側の空間85Aに搬出入されるウエーハユニットWU(粘着テープT)の底面に紫外線を確実に照射することができる。本実施形態では、紫外線発光ダイオード87は、例えば、波長が300〜400nmの紫外線を発光する構成とし、この波長は、粘着テープTの糊層(粘着層)を硬化させる機能を有し、切削加工によって分割された各チップを粘着テープTから剥がしやすくすることができる。また、紫外線発光ダイオード87は、従来の紫外線ランプに比べて、消費エネルギ(消費電力)を低減することができ、エネルギ消費を抑制することができる。
点灯制御部83は、照射部82における紫外線発光ダイオード87の点灯を個別に制御する。具体的には、直線状に並んだ紫外線発光ダイオード87のうち、どの紫外線発光ダイオード87を点灯し、どの紫外線発光ダイオード87を消灯するかを選択的に制御する。ウエーハユニットWUに用いられるウエーハW、粘着テープT及びフレームFの各大きさ(直径)は事前に分かっている。また、ウエーハユニットWUは、カセット搬送部60により搬送されるため、該ウエーハユニットWUの位置座標を取得できる。このため、ウエーハユニットWUに対し、紫外線を照射する所望の領域を予め定めておけば、ウエーハユニットWUがハウジング81(上側の空間85A)に搬出入される際に、点灯制御部83が紫外線発光ダイオード87の点灯を制御することにより、上記領域にのみ紫外線を照射することができる。従って、従来のように、紫外線を照射する領域以外にマスキングを施す必要がなくなるため、マスキングの調整作業を簡素化することができる。また、ウエーハユニットWUのサイズが変わった場合であっても、点灯制御部83の設定を変更するのみで、新たな部材を追加する事もないという効果を奏する。
次に、紫外線照射ユニット80の動作について説明する。図4は、カセット搬送部によって、ハウジング内に搬出入される途中状態のウエーハユニットを示す側断面図であり、図5は、ハウジング内に搬入された状態のウエーハユニットを示す側断面図である。また、図6〜図8は、点灯制御部によって、複数の紫外線発光ダイオードの点灯と消灯を制御する状態を示す図である。この図6〜図8では、ウエーハユニットWUを下方から見た状態を示しているが、説明の便宜上、紫外線発光ダイオード87を実線で描いている。
切削ユニット20において、切削加工が行われたウエーハユニットWUは、洗浄部50での洗浄終了後、カセット搬送部60で洗浄部50から搬出されてレール13,13上に仮置きされる。このレール13,13上に仮置きされたウエーハユニットWUは、フレームFの縁部をカセット搬送部60の把持部65で把持され、図4に示すように、紫外線照射ユニット80のハウジング81に形成された搬出入口84を通じて、ハウジング81(上側の空間85A)内に搬入される。点灯制御部83(図3)は、ウエーハユニットWUがハウジング81内に搬入されると、直線状に配置された複数の紫外線発光ダイオード87を点灯させる。この場合、図6及び図7に示すように、点灯制御部83は、ウエーハユニットWUの搬入動作に応じて、ウエーハWに相当する領域(紫外線を照射する所望の領域)Aに対応する紫外線発光ダイオード87を選択的に点灯する。
そして、図5及び図8に示すように、ウエーハWに相当する領域Aが照射部82(紫外線発光ダイオード87)上を通過すると、点灯制御部83は、紫外線発光ダイオード87を消灯する。また、カセット搬送部60がウエーハユニットWUの搬出動作を開始すると、点灯制御部83は、再び、該搬出動作に応じて、ウエーハWに相当する領域Aに対応する紫外線発光ダイオード87を選択的に点灯する。
これにより、ウエーハWが貼着されている粘着テープTの粘着力が低下するため、切削加工によって分割された各チップを粘着テープTから剥がしやすくすることができる。更に、点灯制御部83が紫外線発光ダイオード87の点灯を選択的に制御することにより、ウエーハWに相当する領域Aにのみ紫外線を照射することができる。従って、従来のように、紫外線を照射する領域以外にマスキングを施す必要がなくなるため、マスキングの調整作業を簡素化することができる。
本実施形態では、照射部82は、ウエーハユニットWUの搬出入方向(Y軸方向)と直交する方向に直線状に並んで配列される複数の紫外線発光ダイオード87を備えるため、ウエーハWが貼着されている粘着テープTの全面に紫外線を照射可能としつつ、紫外線発光ダイオード87の使用個数を抑制している。この場合、直線状に配置された紫外線発光ダイオードをウエーハユニットWUに対して、上記搬出入方向に移動させることで、粘着テープTの全面に紫外線を照射可能とする構成も想定される。
しかし、このような構成では、ウエーハユニットWUを搬送するカセット搬送部60に加えて、紫外線発光ダイオードを移動させる移動手段を設ける必要が生じ、装置構成が煩雑になる。これに対して、本実施形態によれば、ウエーハユニットWUの搬出入動作に応じて、点灯制御部83はウエーハWに相当する領域Aに対応する紫外線発光ダイオード87を選択的に点灯するため、余剰な移動装置が不要となり装置構成が簡素化する。また、ウエーハユニットWUの搬出入動作に連動して、紫外線発光ダイオード87の点灯を制御するため、紫外線を照射する作業時間を短縮することが可能となる。また、紫外線発光ダイオード87(照射部82)はハウジング81内で移動しないため、ウエーハユニットWUに対して、均一な紫外線の照射を可能とし、紫外線の照射むらの発生を低減できる。
本実施形態では、切削加工後のウエーハユニットWUの粘着テープTに紫外線を照射する構成を説明したが、切削加工前のウエーハユニットWUの粘着テープTに紫外線を照射してもよい。この場合には、カセット30から未加工のウエーハユニットWUを取り出し、カセット載置機構40を動作させて、紫外線照射ユニット80を基台2の上面に露出させる。その後の動作は上記したものと同様なので説明は省略する。この構成では、未加工のウエーハユニットWUの粘着テープTに対して、ウエーハWに相当する領域Aに紫外線が照射される。このため、粘着テープTの粘着力を低下させることで、切削加工時にウエーハWの裏面側に発生するチッピング(細かな欠け)を抑制することもできる。
次に、紫外線照射ユニットの別の実施形態について説明する。図9は、別の実施形態に係る紫外線照射ユニットの側断面図である。上記した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。上記した実施形態では、紫外線照射ユニット80は、ハウジング81の下側の空間85Bに、複数の紫外線発光ダイオード87を直線状に配列した照射部82を備える構成とした。これに対して、別の実施形態に係る紫外線照射ユニット80Aは、仕切板85で仕切られた上側の空間85Aに、複数の紫外線発光ダイオード88A,88Bを直線状に配列した照射部89を備えている。この紫外線発光ダイオード88A,88Bは、上記した紫外線発光ダイオード87と発光する紫外線の波長が異なっている。具体的には、紫外線発光ダイオード88Aは、184nmの波長の紫外線を発光し、紫外線発光ダイオード88Bは、254nmの波長の紫外線を発光する。これらの紫外線発光ダイオード88A,88Bは、例えば、交互に配置されている。
紫外線発光ダイオード88A,88Bは、ウエーハユニットWUのウエーハWの表面(切削面)に対向して配置されており、このウエーハWの表面の親水性を向上させる処理を行う。184nmの波長の紫外線が照射されると、空間85A内の酸素分子が分解されてオゾン(O3)が生成される。そして、更に254nmの波長の紫外線が照射されると、生成したオゾンが分解されて高エネルギの活性酸素が生成される。このようにして生成された活性酸素が、ウエーハWの表面に作用することにより、ウエーハWの表面の親水性を向上させる。これにより、例えば、切削加工によって、発生するコンタミなどがウエーハWの表面に付着しにくくなるため、加工後のチップの品質の向上を図ることができる。
この場合においても、点灯制御部83はウエーハWに相当する領域Aに対応する紫外線発光ダイオード88A,88Bを選択的に制御するため、ウエーハWに相当する領域Aにのみ紫外線を照射することができる。従って、従来のように、紫外線を照射する領域以外にマスキングを施す必要がなくなるため、マスキングの調整作業を簡素化することができる。また、ウエーハWの表面に紫外線を照射するだけでなく、ウエーハWの外周に位置する粘着テープTだけに紫外線を照射してもよい。この構成によれば、コンタミが粘着テープTに付着することを防ぎ、次工程にコンタミを搬送してしまうことを防止できる。
1 加工装置
10 チャックテーブル(保持手段)
20 切削ユニット(加工手段)
30 カセット
40 カセット載置機構(カセット載置台)
41 紫外線ユニット収容部
60 カセット搬送部(搬送部)
65 把持部
70 洗浄搬送部(搬送部)
80、80A 紫外線照射ユニット
81 ハウジング
82、89 照射部
83 点灯制御部(制御手段)
84 搬出入口
87、88A、88B 紫外線発光ダイオード
A ウエーハに相当する領域(紫外線を照射する領域)
F フレーム
Fa 開口
T 粘着テープ
W ウエーハ(被加工物)
WU ウエーハユニット(被加工物ユニット)
10 チャックテーブル(保持手段)
20 切削ユニット(加工手段)
30 カセット
40 カセット載置機構(カセット載置台)
41 紫外線ユニット収容部
60 カセット搬送部(搬送部)
65 把持部
70 洗浄搬送部(搬送部)
80、80A 紫外線照射ユニット
81 ハウジング
82、89 照射部
83 点灯制御部(制御手段)
84 搬出入口
87、88A、88B 紫外線発光ダイオード
A ウエーハに相当する領域(紫外線を照射する領域)
F フレーム
Fa 開口
T 粘着テープ
W ウエーハ(被加工物)
WU ウエーハユニット(被加工物ユニット)
Claims (2)
- 粘着テープで被加工物を環状フレームの開口に保持した被加工物ユニットを保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物ユニットの被加工物を加工する加工手段と、被加工物ユニットを複数収容したカセットを載置するカセット載置台と、該カセット載置台上に載置された該カセットと該保持手段との間で被加工物ユニットを搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される被加工物ユニットに紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、を具備する加工装置であって、
該紫外線照射ユニットは、
該複数個の紫外線発光ダイオードが該被加工物の直径より長い範囲に直線状に並んで設置される照射部と、
該被加工物ユニットが搬出入される搬出入口を有し、該照射部を収容するハウジングと、
該複数個の該紫外線発光ダイオードを選択的に点灯させる制御手段と、を備え、
該複数個の該紫外線発光ダイオードは、
該搬送手段によって該ハウジングに搬出入される被加工物ユニットの搬出入方向と直交する方向に並んで配列され、
該搬送手段によって移動する被加工物ユニットの紫外線を照射する領域に応じて選択的に点灯することを特徴とする加工装置。 - 該紫外線照射ユニットは、該カセット載置台の下側に設置されている請求項1に記載の加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016075785A JP2017188548A (ja) | 2016-04-05 | 2016-04-05 | 加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016075785A JP2017188548A (ja) | 2016-04-05 | 2016-04-05 | 加工装置 |
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---|---|
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ID=60044151
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016075785A Pending JP2017188548A (ja) | 2016-04-05 | 2016-04-05 | 加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017188548A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019065218A1 (ja) | 2017-09-28 | 2019-04-04 | 株式会社小糸製作所 | センサシステム |
JP2019102746A (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-24 | 株式会社ディスコ | 加工装置 |
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JP2021072296A (ja) * | 2019-10-29 | 2021-05-06 | 株式会社ディスコ | 加工装置 |
JP2021171680A (ja) * | 2020-04-22 | 2021-11-01 | アイグラフィックス株式会社 | 光照射装置 |
-
2016
- 2016-04-05 JP JP2016075785A patent/JP2017188548A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019065218A1 (ja) | 2017-09-28 | 2019-04-04 | 株式会社小糸製作所 | センサシステム |
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JP7358014B2 (ja) | 2019-10-29 | 2023-10-10 | 株式会社ディスコ | 加工装置 |
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