JP2017186781A - 柱と梁の接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場溶接であっても工場溶接であっても、曲げに対する梁フランジの破断を確実に防止することのできる柱と梁の接合構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る柱と梁の接合構造1は、上下一対のダイアフラム7、13が設置された鉄骨柱に、上ダイアフラム7にH形梁又はI形梁の上フランジ9の端部が接合される上フランジ端接合部11と、下ダイアフラム13に前記H形梁又はI形梁の下フランジ15の端部が接合される下フランジ端接合部17と、鉄骨柱5のスキンプレート19に前記H形梁又はI形梁のウェブ端部が接合されるウェブ端接合部23を備えた柱と梁の接合構造1であって、下フランジ端接合部17は、前記H形梁又はI形梁の下フランジ幅よりも幅広の下ダイアフラム13の上面側に前記H形梁又はI形梁の下フランジ15の端部が重ねられた状態で下ダイアフラム13と下フランジ15の端部がすみ肉溶接27で固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイアフラムを有する角形鋼管柱や溶接ボックス柱などの鉄骨柱とH形梁又はI形梁とを接合する柱と梁の接合構造に関する。
鉄骨柱には、例えば角形鋼管からなる中空の閉鎖断面のものに限られず、例えばH形鋼柱などの開放断面柱を含む。
また、H形梁又はI形梁には、形鋼からなる梁の他、梁ウェブとなる鋼板の両端に梁フランジとなる鋼板を溶接してH形又はI形にした梁を含む。
なお、後述するように、H形又はI形の鋼材からなる梁ブラケットを予め工場溶接して、現場において梁ブラケットと鉄骨梁を接合することもあることから、本願の接合構造においてH形梁又はI形梁には鉄骨梁のみならず前記梁ブラケットも含む。
以下の説明は、H形梁を例に挙げて説明するが、I形梁についても適用できる。
鋼管柱や溶接ボックス柱などのダイアフラムを有する鉄骨柱にH形鋼からなる鉄骨梁を接合する場合、図10、図11に示す溶接のみで接合するブラケット形式の接合と、例えば特許文献1に記載のある溶接とボルト接合を混用する梁端混用接合(ノンブラケット形式)(図12、図13参照)に大別される。
ブラケット形式接合構造41は、図10、図11に示すように、鉄骨柱43にH形梁(図示なし)と同形式の梁ブラケット45を工場で溶接して、梁ブラケット45とH形梁を建設現場で接合する。
鉄骨柱43と梁ブラケット45の接合部において、梁ブラケット45における梁フランジ45aの位置に通しダイアフラム47による補強がされている。梁ブラケット45の端部を通しダイアフラム47に接合するに際し、上下の梁フランジ45aの接合端部に開先を設けると共に、梁ウェブ45bの接合端部における上下にスカラップ49を設け、開先の底を形成する裏当て金51をすみ肉溶接で梁フランジ45aに仮付け溶接しておき、このような梁ブラケット45を通しダイアフラム47に突合せた後、開先に溶接肉盛りを施すことにより鉄骨柱43の通しダイアフラム47に梁フランジ45aを突合せ溶接53で接合している。
なお、裏当て金51の梁幅方向の両端部にはエンドタブ55を設け(図11参照)、このエンドタブ55まで溶接を行うことにより、梁幅端部における溶接欠陥を防止している。
図12、図13に示す梁端混用接合構造57は、突合せ溶接53を現場で行う現場溶接の場合であり、予め鉄骨柱43にガセットプレート59を溶接で取付けておき、また鉄骨梁60には裏当て金51を取付けておき、2本の鉄骨柱43の間に鉄骨梁60を吊り込み、ガセットプレート59に梁ウェブ60bをボルト63で仮止めした後、突合せ溶接53を行い、溶接終了後、ボルト63を本締めして鉄骨柱43と鉄骨梁60を接合している。
特開平9−195384号公報
1995年兵庫県南部地震において、従来の柱と梁の溶接接合部において、曲げに対して、多くの損傷が発生した。その損傷は、梁端溶接部、スカラップ近傍、エンドタブ近傍など多様な部位におけるき裂・破断からなるものであった。
主な原因は、材料の靭性低下によるもの以外に、溶接部の欠陥、スカラップ形状、エンドタブによる形状不連続などの溶接構造自体に起因する。特に柱が角形鋼管などの中空断面の場合は、梁ウェブが応力伝達に有効に働かないことが多く、梁フランジに力が集中することにより、スカラップ底やエンドタブから発生したき裂が進展し、梁フランジが破断した例が多数見られた。
工場溶接を行うブラケット形式接合構造41の場合には、溶接作業時に溶接対象の向きを自由に変えることができるため、図10に示すように、梁ブラケット45の梁フランジ45aに溶接施工状態で下側となる開先を設けて、溶接作業時には当該部位を上に向けて溶接することができるので、上下の梁フランジ45aは両方共に溶接作業を行うことができる。
ところが、鉄骨梁60の梁フランジ60aと通しダイアフラム47の溶接を現場で行う梁端混用接合構造57の場合には、図12に示すように、下の梁フランジ60aの開先は上面側に設けざるを得ず、当該部位の溶接作業時には、梁ウェブ60bが邪魔をして溶接作業がやり難いという問題があり、このような問題が溶接欠陥の原因とも考えられる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、梁フランジ端部の接合部を簡単な構成とすることで、特に下側フランジの接合部において、現場溶接であっても工場溶接であっても、曲げに対する梁フランジの破断を確実に防止することのできる柱と梁の接合構造を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る柱と梁の接合構造は、上下に所定の間隔を離して上下一対のダイアフラムが設置された鉄骨柱に、前記上ダイアフラムにH形梁又はI形梁の上フランジ端部が接合される上フランジ端接合部と、前記下ダイアフラムに前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が接合される下フランジ端接合部と、前記鉄骨柱のスキンプレートに前記H形梁又はI形梁のウェブ端部が接合されるウェブ端接合部を備えた柱と梁の接合構造であって、前記下フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の下フランジ幅よりも幅広の下ダイアフラムの上面側に前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が重ねられた状態で前記下ダイアフラムと前記下フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とするものである。
(2)本発明に係る柱と梁の接合構造は、上下に所定の間隔を離して上下一対のダイアフラムが設置された柱に、前記上ダイアフラムにH形梁又はI形梁の上フランジ端部が接合される上フランジ端接合部と、前記下ダイアフラムにH形梁又はI形梁の下フランジ端部が接合される下フランジ端接合部と、前記鉄骨柱のスキンプレートに前記H形梁又はI形梁のウェブ端部が接合されるウェブ端接合部を備えた柱と梁の接合構造であって、前記下フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の下フランジ幅よりも幅広で前記柱の軸線に直交する方向に延びるスリット部が設けられた下ダイアフラムの前記スリット部に、前記H形梁又はI形梁のウェブ部が差し込まれて前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が前記下ダイアフラムの下面側に重ねられた状態で、前記下ダイアフラムと前記下フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記上フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の上フランジ幅よりも幅広の上ダイアフラムの下面側に前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が重ねられた状態で前記上ダイアフラムと前記上フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記上フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の上フランジ幅よりも幅広で前記柱の軸線に直交する方向に延びるスリット部が設けられた上ダイアフラムの前記スリット部に、前記H形梁又はI形梁のウェブ部が差し込まれて前記H形梁又はI形梁の上フランジ端部が前記上ダイアフラムの上面側に重ねられた状態で、前記上ダイアフラムと前記上フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記ダイアフラムの板厚がH形梁又はI形梁のフランジ板厚以上に設定されていることを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記ダイアフラムの引張り強度がH形梁又はI形梁のフランジの強度およびウェブの強度以上に設定されていることを特徴とするものである。
本発明においては、下フランジ端接合部が、前記H形梁又はI形梁の下フランジ幅よりも幅広の下ダイアフラムの上面側に前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が重ねられた状態で前記下ダイアフラムと前記下フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることにより、梁フランジ端部の接合部が簡単な構成となり、工場での溶接を行う場合はもちろんのこと現場溶接を行う場合であっても材料の靭性低下や溶接部の欠陥などによる曲げに対する梁フランジの破断を確実に防止することができ、溶接施工性にも優れている。
実施の形態1に係る鉄骨柱とH形梁の接合構造の説明図である。 図1の矢視A−A断面図である。 図1の矢視B−B断面図である。 実施の形態2に係る鉄骨柱とH形梁の接合構造の説明図である。 図4の矢視C−C断面図である。 図4の矢視D−D断面図である。 実施例に係る鉄骨柱とH形梁の接合構造の説明図である。 図7の矢視E−E断面図である。 図7の矢視F−F断面図である。 従来例のブラケット形式による鉄骨柱とH形梁の接合構造の説明図である。 図10の矢視G−G断面図である。 従来例の梁端混用接合による鉄骨柱とH形梁の接合構造の説明図である。 図12の矢視H−H断面図である。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る柱と梁の接合構造は、鉄骨柱とH形梁の接合構造1(以下、単に「接合構造1」という場合あり)に関し、特にH形の梁ブラケット3を鉄骨柱5のダイアフラム7、13に予め工場で溶接するブラケット形式接合構造に関するものであり、図1〜図3に示すように、上下に所定の間隔を離して上下一対のダイアフラム7、13が設置された鉄骨柱5に、上ダイアフラム7に梁ブラケット3の上フランジ9の端部が接合される上フランジ端接合部11と、下ダイアフラム13に梁ブラケット3の下フランジ15の端部が接合される下フランジ端接合部17と、鉄骨柱5のスキンプレート19に梁ブラケット3のウェブ部21が接合されるウェブ端接合部23を備えている。
以下、詳細に説明する。
<鉄骨柱>
本実施の形態の鉄骨柱5は、角形鋼管柱からなり、通しダイアフラムである上ダイアフラム7と下ダイアフラム13が設けられている。
もっとも、本発明の鉄骨柱5は鋼管柱のような閉鎖断面のものに限られず、例えばH形鋼柱などの開放断面柱であってもよい。
上ダイアフラム7及び下ダイアフラム13における少なくとも梁ブラケット3が取り付く辺の幅は、図2に示すように、梁ブラケット3の幅よりも大きく設定されている。
また、上ダイアフラム7及び下ダイアフラム13における梁ブラケット3が取り付く部位は、他の部位よりも外方(梁ブラケット3側)に大きく張り出している。
さらに、上ダイアフラム7及び下ダイアフラム13における梁ブラケット3が取り付く部位の中央には、鉄骨柱5の軸線に直交する方向に延びるスリット部25、29が設けられている。
スリット部25、29のスリット幅は、梁ウェブの厚さと梁ブラケット3が圧延H形鋼であれば、フィレットサイズの2倍を加えた寸法とし、梁ブラケット3が溶接組立H形鋼であれば、すみ肉溶接サイズの2倍を加えた寸法以上とすればよい。
上下ダイアフラム7、13の外法間隔は、梁ブラケット3の梁せいから梁ブラケット3のフランジ板厚2枚分狭く設置されている。このため、図1に示すように、梁ブラケット3の上下フランジ9、15をそれぞれ上下ダイアフラム7、13の上下面に重ねて配置することができる。
上下ダイアフラム7、13の引張り強度が梁ブラケット3又はI形梁のフランジの強度およびウェブの引張り強度よりも大きく設定されている。上下ダイアフラム7、13には、梁ブラケット3又はI形梁のフランジの軸方向応力と梁ウェブの曲げモーメントに対応した軸方向応力の一部が伝達されることから、上下ダイアフラム7、13の引張り強度は梁フランジのそれ以上に設定する必要がある。なお、同強度で板厚を大きくしてもよい。
<梁ブラケット>
梁ブラケット3は、圧延H形鋼のもの、あるいは溶接組立H形鋼のものを含むが、いずれもブラケット型のものである。
梁ブラケット3の端部は、図1に示すように、上下フランジ9、15の端部よりもウェブ部21の端部が外方(鉄骨柱5の方向)に突出している。
<上フランジ端接合部>
上フランジ端接合部11は、上ダイアフラム7のスリット部25に、梁ブラケット3のウェブ部21を差し込んで梁ブラケット3の上フランジ9の端部を上ダイアフラム7の上面側に重ねた状態で、上ダイアフラム7と上フランジ9の端部が3方向にすみ肉溶接27で固定されている。
上フランジ9と上ダイアフラム7が重ねられる梁材軸方向長さは、梁ブラケット3の梁せいやフランジ厚などから適宜決定すればよい。これに合わせて、上ダイアフラム7の張出し量を設定すればよい。
また、上フランジ9と上ダイアフラム7の重ねられた部分のすみ肉溶接27の脚長(のど厚)は、フランジ厚やダイアフラム厚から適宜設定すればよい。
<下フランジ端接合部>
下フランジ端接合部17は、下ダイアフラム13のスリット部29に、梁ブラケット3のウェブ部21を差し込んで梁ブラケット3の下フランジ15の端部を下ダイアフラム13の下面側に重ねた状態で、下ダイアフラム13と下フランジ15の端部がすみ肉溶接27で固定されている。
下フランジ15の端部と下ダイアフラム13との溶接に関し、上向き溶接は好ましくないので、溶接作業時には上下を逆にして溶接するのが好ましい。本実施の形態は工場で予め溶接するブラケット形式接合構造に関するものであり、溶接時において溶接対象物の向きや姿勢を自由に変えることができる。
スリット幅や、下フランジ15と下ダイアフラム13との重なりや、すみ肉溶接27の脚長に関しては上記の上フランジ端接合部11と同様である。
<ウェブ端接合部>
ウェブ端接合部23は、梁ブラケット3のウェブ部21の先端部が鉄骨柱5のスキンプレート19にすみ肉溶接27で固定されている。
上記のように構成された本実施の形態の接合構造1においては、曲げは上下のフランジ9、15を介して鉄骨柱5に伝達され、せん断力はウェブ部21を介して鉄骨柱5に伝達される。
以上のような本実施の形態の接合構造1における施工方法を概説すると以下の通りである。
上下ダイアフラム7、13のスリット部25、29に梁ブラケット3のウェブ部21を挿入すると共に上ダイアフラム7の上面側に上フランジ9を、下ダイアフラム13の下面側に下フランジ15をそれぞれ重ね、重なり部をすみ肉溶接27で固定する。
工場溶接の場合は、下向き溶接、横向き溶接など最適な溶接姿勢で溶接を行うことができるため、上下ダイアフラム7、13と上下フランジ9、15とを上記のように配置できる。このような配置にすることで、上下対称の構造にすることができる。
上下ダイアフラム7、13と上下フランジ9、15の接合の後、ウェブ部21を鉄骨柱5のスキンプレート19にすみ肉溶接27で固定する。
本実施の形態によれば、梁フランジ端部の接合部を簡単な構造にすることができ、ダイアフラムに鉄骨梁(H形鋼やI形鋼の平行フランジを有する梁)のフランジ端部を裏当て金を用いた突合せ溶接で接続する必要がなくなり、材料の靭性低下や溶接部の欠陥などによる曲げに対する梁フランジの破断を確実に防止することができ、また溶接施工性にも優れている。
なお、上記の説明では、下フランジ端接合部17に関し、下ダイアフラム13の下面側に下フランジ15を配置する例を示したが、下ダイアフラム13の上面側に下フランジ15を重ねるように配置するようにしてもよい。この場合には、下ダイアフラム13にスリット部29を設ける必要がない。
また、上記の説明では、上フランジ端接合部11に関し、上ダイアフラム7の上面側に上フランジ9を重ねるように配置する例を示したが、上ダイアフラム7の下面側に上フランジ9を重ねるようにしてもよい。この場合には、上ダイアフラム7にスリット部25を設ける必要がない。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2を図4〜図6に基づいて以下説明する。なお、図4〜図6において、図1〜図3に示した部位と同一部分及び対応する部分には説明上不都合がない限り同一の符号を付してある。
実施の形態2に係る鉄骨柱とH形梁の接合構造31は(以下、単に「接合構造31」という場合あり)、突合せ溶接を現場溶接する梁端混用接合構造に関するものであり、図4〜図6に示すように、上下に所定の間隔を離して上下一対のダイアフラム7、13が設置された鉄骨柱5に、上ダイアフラム7に鉄骨梁4の上フランジ10の端部が接合される上フランジ端接合部33と、下ダイアフラム13に鉄骨梁4の下フランジ16の端部が接合される下フランジ端接合部35と、鉄骨柱5のスキンプレート19に鉄骨梁4のウェブ部22が接合されるウェブ端接合部37を備えている。
以下、詳細に説明する。
鉄骨柱5の基本構造は実施の形態1と同様であるが、本実施の形態の場合にはスキンプレート19に矩形状でボルト孔が形成されたガセットプレート39が溶接されている。ガセットプレート39は現場溶接してもよいし、工場溶接してもよい。
本実施の形態の鉄骨柱5の下ダイアフラム13にはスリット部29が設けられていない。
また、上下のダイアフラム7、13の上面間の間隔は、鉄骨梁4の梁せいから鉄骨梁4のフランジ板厚1枚分狭くなるように設定されている。これによって、図4に示すように、上フランジ10を上ダイアフラム7の上面側に、下フランジ16を下ダイアフラム13の上面側にそれぞれ重ねるように配置することができる。
<鉄骨梁>
本実施の形態は現場溶接を前提としているので、鉄骨梁4はブラケットではない、通常の梁材である。鉄骨梁4の端部には、ガセットプレート39をボルト接合するためのボルト孔が設けられている。
<上フランジ端接合部>
上フランジ端接合部33については実施の形態1と基本的には同様の構造である。
<下フランジ端接合部>
下フランジ端接合部35は、鉄骨梁4の下フランジ16の幅よりも幅広の下ダイアフラム13の上面側に鉄骨梁4の梁フランジの端部を重ねた状態で、下ダイアフラム13と下フランジ16の端部がすみ肉溶接27で固定されている。
現場溶接では、上向きの溶接は好ましくないので、下ダイアフラム13の上面側に下フランジ16を重ねる態様とした。
<ウェブ端接合部>
ウェブ端接合部37は、鉄骨柱5に固定されたガセットプレート39とウェブ部22をボルト50によって接合されている。
以上のように構成された本実施の形態の接合構造31における施工方法は、現場で溶接を行う場合であり、その概要は以下の通りである。
予め鉄骨柱5にガセットプレート39を溶接で取付けておく。そして、2本の鉄骨柱5の間に鉄骨梁4を吊り込み、ガセットプレート39にウェブ部22をボルト50で仮止めした後、フランジ10、16とダイアフラム7、13の重なり部をすみ肉溶接27する。その後、ボルト50を本締めして鉄骨柱5と鉄骨梁4を接合する。
現場溶接の場合には上向き溶接が好ましくないことから、本実施の形態では、下フランジ16は下ダイアフラム13の上面側に配置することで、下向きのすみ肉溶接27の施工を可能にしている。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、梁フランジ端部の接合部を簡単な構造にすることができ、溶接欠陥が生じにくく、溶接施工性にも優れている。
なお、上記の説明では、上フランジ端接合部33に関し、上ダイアフラム7の上面側に上フランジ10を重ねるように配置する例を示したが、上ダイアフラム7の下面側に上フランジ10を重ねるようにしてもよい。この場合には、上ダイアフラム7にスリット部25を設ける必要がない。
上記の実施の形態1,2においては、鉄骨柱5に鉄骨梁4が片側から取付く場合を示しているが、外柱、中柱、内柱に応じて複数のH梁が取付くような場合を含むことはいうまでもない。
図7〜図9に実施の形態2で示した接合構造31の具体的な設計例を示す。図7〜図9において図4〜図6と同一部分には同一の符号が付してある。
梁断面にH-800×300×14×28を、柱断面に□-600×25を、ダイアフラム厚は32mmをそれぞれ用いた。鉄骨梁4のフランジとダイアフラムの重なり部を360mmの長さとし、重なり部の3面をすみ肉溶接27(脚長28mm)した。十分な曲げ耐力を有するかをチェックしたところ、問題無い結果となっている。
1 鉄骨柱とH形梁の接合構造(実施の形態1)
3 梁ブラケット
4 鉄骨梁
5 鉄骨柱
7 上ダイアフラム
9 上フランジ(梁ブラケット)
10 上フランジ(鉄骨梁)
11 上フランジ端接合部
13 下ダイアフラム
15 下フランジ(梁ブラケット)
16 下フランジ(鉄骨梁)
17 下フランジ端接合部
19 スキンプレート
21 ウェブ部(梁ブラケット)
22 ウェブ部(鉄骨梁)
23 ウェブ端接合部
25 スリット部(上ダイアフラム)
27 すみ肉溶接
29 スリット部(下ダイアフラム)
31 鉄骨柱とH形梁の接合構造(実施の形態2)
33 上フランジ端接合部
35 下フランジ端接合部
37 ウェブ端接合部
39 ガセットプレート
41 ブラケット形式接合構造
43 鉄骨柱
45 梁ブラケット
45a 梁フランジ
45b 梁ウェブ
47 通しダイアフラム
49 スカラップ
50 ボルト
51 裏当て金
53 突合せ溶接
55 エンドタブ
57 梁端混用接合構造
59 ガセットプレート
60 鉄骨梁
60a 梁フランジ
60b 梁ウェブ
63 ボルト

Claims (6)

  1. 上下に所定の間隔を離して上下一対のダイアフラムが設置された鉄骨柱に、前記上ダイアフラムにH形梁又はI形梁の上フランジ端部が接合される上フランジ端接合部と、前記下ダイアフラムに前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が接合される下フランジ端接合部と、前記鉄骨柱のスキンプレートに前記H形梁又はI形梁のウェブ端部が接合されるウェブ端接合部を備えた柱と梁の接合構造であって、
    前記下フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の下フランジ幅よりも幅広の下ダイアフラムの上面側に前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が重ねられた状態で前記下ダイアフラムと前記下フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とする柱と梁の接合構造。
  2. 上下に所定の間隔を離して上下一対のダイアフラムが設置された柱に、前記上ダイアフラムにH形梁又はI形梁の上フランジ端部が接合される上フランジ端接合部と、前記下ダイアフラムにH形梁又はI形梁の下フランジ端部が接合される下フランジ端接合部と、前記鉄骨柱のスキンプレートに前記H形梁又はI形梁のウェブ端部が接合されるウェブ端接合部を備えた柱と梁の接合構造であって、
    前記下フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の下フランジ幅よりも幅広で前記柱の軸線に直交する方向に延びるスリット部が設けられた下ダイアフラムの前記スリット部に、前記H形梁又はI形梁のウェブ部が差し込まれて前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が前記下ダイアフラムの下面側に重ねられた状態で、前記下ダイアフラムと前記下フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とする柱と梁の接合構造。
  3. 前記上フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の上フランジ幅よりも幅広の上ダイアフラムの下面側に前記H形梁又はI形梁の下フランジ端部が重ねられた状態で前記上ダイアフラムと前記上フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱と梁の接合構造。
  4. 前記上フランジ端接合部は、前記H形梁又はI形梁の上フランジ幅よりも幅広で前記柱の軸線に直交する方向に延びるスリット部が設けられた上ダイアフラムの前記スリット部に、前記H形梁又はI形梁のウェブ部が差し込まれて前記H形梁又はI形梁の上フランジ端部が前記上ダイアフラムの上面側に重ねられた状態で、前記上ダイアフラムと前記上フランジ端部がすみ肉溶接で固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱と梁の接合構造。
  5. 前記ダイアフラムの板厚がH形梁又はI形梁のフランジ板厚以上に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の柱と梁の接合構造。
  6. 前記ダイアフラムの引張り強度がH形梁又はI形梁のフランジの強度およびウェブの強度以上に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の柱と梁の接合構造。
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