JP2017186577A - より高分子量のポリイソブチレンの製造法 - Google Patents
より高分子量のポリイソブチレンの製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017186577A JP2017186577A JP2017141991A JP2017141991A JP2017186577A JP 2017186577 A JP2017186577 A JP 2017186577A JP 2017141991 A JP2017141991 A JP 2017141991A JP 2017141991 A JP2017141991 A JP 2017141991A JP 2017186577 A JP2017186577 A JP 2017186577A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- isobutene
- temperature
- carried out
- molecular weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F10/00—Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
- C08F10/04—Monomers containing three or four carbon atoms
- C08F10/08—Butenes
- C08F10/10—Isobutene
Abstract
【課題】簡単に実施しうる、効率的で経済的な、より高分子量のポリイソブテンホモポリマーを製造するための方法の提供。【解決手段】液相のイソブテンを不活性溶剤中、ルイス酸をベースとする重合用触媒の存在下に重合させることによって、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーの製造方法であって、重合用反応器内で同時に、(a)重合を−80℃〜−190℃の温度で実施し、(b)不活性溶剤として、1つ以上のC1〜C8炭化水素等を使用し、(c)重合用触媒として、三フッ化ホウ素等をベースとするルイス酸錯体または開始剤としての有機スルホン酸と組合せたルイス酸を使用し、さらに、(d)1個以上の酸素原子を含み抽出可能なプロトンを含まない、エチレン性飽和炭化水素化合物の形の1以上の反応促進剤の存在下で、重合を実施し、および/または(e)1個以上の第三級オレフィン性炭素原子を含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で、重合を実施する。【選択図】なし
Description
本発明は、液相のイソブテンを不活性溶剤中でルイス酸をベースとする重合用触媒の存在下に反応させることによって、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーを製造するための改善された方法に関する。
より高分子量のポリイソブテンの効率的で規定に適った製造法は、たいてい、極めて低い重合温度を要求する。より高分子量のポリイソブテンを製造する常法は、いわゆる「BASFベルト法(BASF belt process)」であり、この方法の場合、液状イソブテンは、重合用触媒としての三フッ化ホウ素および大過剰の液状エテンとともに、50〜60cm幅のエンドレススチールベルト上に導かれる。前記エンドレススチールベルトは、適当なガイドによってトラフ状に形造られかつ気密な円筒状ケーシング内に存在する。常圧での前記エテンの不断の蒸発によって、−104℃の温度が生じる。それによって、重合熱は全て導出される。蒸発されたエテンは、捕集され、精製され、かつ返送される。得られたポリイソブテンから、なお付着しているエテンおよび残留モノマーが脱気によって取り除かれる。この種の重合は、実際に完全なイソブテン変換をもたらす。
BASFベルト法の場合、重合温度は、沸騰冷却に基づき、すなわち大きな蒸気通路の形成によって、簡単かつ確実に制御されうる。しかし、BASFベルト法の欠点は、ベルト上での反応物質の流動運動不足のために、反応物質の十分な混合が起こらず、ひいては生成物表面が再生されないことであり、このことは、生成物特性に不利に作用を及ぼす。この結果、例えば、沸騰冷却に使用されるエテンの不均一な分布をまねき、かつ、それと結びついて、エタンが蒸発すると直ちに、反応混合物の局部的な過熱をまねく。さらに、過熱された範囲とエテン富有の冷たい範囲とが互いに接触すると、爆発したような前記反応混合物の沸騰を生じる可能性があり、このことは、さらに、重合性反応混合物が連行されることによって、反応器壁の汚染をまねく。不均一な温度分布が前記ポリマーの分子量分布の望ましくない広がりを引き起こすことは、欠点であり、このことは、不利な生成物特性を伴なう。前記のBASFベルト法のさらなる欠点は、前記スチールベルトが摩耗を受け、それによって高い維持費をまねくことである。さらに、BASFベルト法の場合、反応器壁および生成物取入れ口が後接続された後処理部(たいてい、押出機)中で冷却されていないことは、不利である。それというのも、ポリイソブチレンは、当該ポリイソブチレンのガラス温度を上回ると、強く粘着し、その結果、反応器壁とポリマーとの明らかな付着をまねくからであり、このことで、高められた清浄化費が必要不可欠となる。さらに、BASFベルト法の場合、返送されたエーテル流中に含まれている三フッ化ホウ素がより高い温度で強く腐蝕作用を及ぼすことは、不利であり、このことは、エーテル後処理循環路の高い維持費をまねく。
より高分子量のポリイソブテンを製造するさらなる常法は、「エクソンスラリー法(”Exxon slurry process”)」であり、この方法の場合、重合は、液状エテンが装入されている冷却ジャケットを備えた攪拌容器の中で−80〜−85℃で実施される。触媒系として、塩化メチル中の無水塩化アルミニウムが使用される。極めて強力な攪拌のために、前記ポリマーは、小液滴からなる粥状物(「スラリー」)として生じ、この粥状物は、中間容器を介して脱気容器中に溢流する。ここで、この粥状物は、蒸気および熱水で処理され、その結果、揮発性成分(本質的に未反応のイソブテンおよび塩化メチレン)が除去され、かつ再び後処理に供給されうる。ポリマー粒子が残留する水性懸濁液は、触媒残分、溶剤残分およびイソブテン残分を除去することによって後処理される。
エクソン(Exxon)スラリー法の場合には、実際に強力な混合および生成物表面の再生が行なわれるが、しかし、そのためには、重合温度は、ジャケット冷却だけでは制御が困難である。反応器壁および装置壁へのポリマーの付着は、必ずしも回避され得ないので、反応器および装置は、ときどき清浄化されなければならない。
BASFベルト法およびエクソン(Exxon)スラリー法は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,第A21巻,第555〜561頁、見出し語”Polyisobutylene”に詳細に記載されている。
Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,第A21巻,第555〜561頁
本発明の課題は、調節すべき生成物パラメーター、例えば分子量、多分散指数および残留モノマー含量に関連して、重合の確実な制御を可能にし、かつ簡単に清浄化することができかつ良好に取り扱うことができる、とりわけ後処理前に付着しない生成物を供給し、より高分子量のポリイソブテンホモポリマーを製造するための、簡単に実施しうる、効率的で経済的な方法を提供することであった。前記反応物質を強力に混合するために、重合は、通常の閉鎖された反応器内で分散相において、不混和性の流体中で実施されるか、または混和性流体中、すなわち適当な溶剤または希釈剤中に均一に混合されて実施されるべきである。
本発明は、液相のイソブテンを不活性溶剤中、ルイス酸をベースとする重合用触媒の存在下に重合させることによって、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーを製造する方法であって、重合用反応器内で同時に、
(a)重合を−80℃〜−190℃の温度で実施し、
(b)不活性溶剤として、1つ以上のC1〜C8炭化水素もしくは1つ以上のハロゲン化C1〜C8炭化水素またはこれらの混合物を使用し、および
(c)重合用触媒として、三フッ化ホウ素、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物もしくはアルミニウムアルキルハロゲン化物をベースとするルイス酸錯体または開始剤としての有機スルホン酸と組合せたルイス酸を使用し、
およびその際にさらに、
(d)少なくとも1個の酸素原子を含みかつ抽出可能なプロトンを含まない、エチレン性飽和炭化水素化合物の形の少なくとも1つの反応促進剤の存在下で、重合を実施し、および/または
(e)少なくとも1個の第三級オレフィン性炭素原子を含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で、重合を実施することを特徴とする。
(a)重合を−80℃〜−190℃の温度で実施し、
(b)不活性溶剤として、1つ以上のC1〜C8炭化水素もしくは1つ以上のハロゲン化C1〜C8炭化水素またはこれらの混合物を使用し、および
(c)重合用触媒として、三フッ化ホウ素、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物もしくはアルミニウムアルキルハロゲン化物をベースとするルイス酸錯体または開始剤としての有機スルホン酸と組合せたルイス酸を使用し、
およびその際にさらに、
(d)少なくとも1個の酸素原子を含みかつ抽出可能なプロトンを含まない、エチレン性飽和炭化水素化合物の形の少なくとも1つの反応促進剤の存在下で、重合を実施し、および/または
(e)少なくとも1個の第三級オレフィン性炭素原子を含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で、重合を実施することを特徴とする。
通常の閉鎖された反応器における溶剤または希釈剤中でのより高分子量のイソブテンホモポリマーへのイソブテンの重合は、記載されたエクソンスラリー法の他に、別の文献からも公知である。すなわち、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2061289号明細書には、イソブテンを0℃〜−160℃で不活性の希釈剤中、例えばエチレン、メタン、エタンまたはプロパン中で触媒としての三フッ化ホウ素を用いて分子量調整剤としてのアルコール、例えばイソブタノール中のホルムアルデヒドの溶液の存在下に反応フラスコ中で重合させてより高分子量のポリイソブテンとするイソブテン重合法が開示されている。
専攻論文”Polymerization and Polycondensation Processes,Advances in Chemistry Series 34”において、J.P.KennedyおよびR.M.Thomasらは、彼らの論説”Cationic Polymerization at Ultralow Temperatures”中の第111〜119頁で、プロパン−イソペンタン混合物中のイソブテンを冷却された反応器内で−30℃〜−190℃で三塩化アルミニウム触媒を用いて重合させてより高分子量のポリイソブテンとすることを記載している。三塩化アルミニウムは、当該三塩化アルミニウムが非揮発性触媒としてポリイソブテンの引き続く精製を困難にするという欠点をもつ。反応促進剤または鎖長調整剤は、共用されない。
Polymer 6、第579〜587頁、1965におけるJ.P.KennedyおよびR.G.Squiresの文献の論説”Fundamental Studies on Cationic Polymerization IV − Homo−and Co−polymerizations with Various Catalysts”から、イソブテンが三フッ化ホウ素により触媒反応されてアルキルクロリド溶剤中で−30℃〜−146℃でイソプレンの存在下に重合されてより高分子量のポリイソブテンとされうることは、公知である。反応促進剤は、共用されない。
本発明にあらかじめ課された課題は、液相のイソブテンを不活性溶剤中のルイス酸をベースとする重合用触媒の存在下に重合させることによって、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーを製造する方法であって、重合用反応器内で同時に、
(a)重合を−80℃〜−190℃の温度で実施し、
(b)不活性溶剤として、1つ以上のC1〜C8炭化水素もしくは1つ以上のハロゲン化C1〜C8炭化水素またはこれらの混合物を使用し、および
(c)重合用触媒として、三フッ化ホウ素、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物もしくはアルミニウムアルキルハロゲン化物をベースとするルイス酸錯体または開始剤としての有機スルホン酸と組合せたルイス酸を使用し、
およびその際にさらに、
(d)少なくとも1個の酸素原子を含みかつ抽出可能なプロトンを含まない、エチレン性飽和炭化水素化合物の形の少なくとも1つの反応促進剤の存在下で、重合を実施し、および/または
(e)少なくとも1個の第三級オレフィン性炭素原子を含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で、重合を実施することを特徴とする方法によって解決された。
(a)重合を−80℃〜−190℃の温度で実施し、
(b)不活性溶剤として、1つ以上のC1〜C8炭化水素もしくは1つ以上のハロゲン化C1〜C8炭化水素またはこれらの混合物を使用し、および
(c)重合用触媒として、三フッ化ホウ素、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物もしくはアルミニウムアルキルハロゲン化物をベースとするルイス酸錯体または開始剤としての有機スルホン酸と組合せたルイス酸を使用し、
およびその際にさらに、
(d)少なくとも1個の酸素原子を含みかつ抽出可能なプロトンを含まない、エチレン性飽和炭化水素化合物の形の少なくとも1つの反応促進剤の存在下で、重合を実施し、および/または
(e)少なくとも1個の第三級オレフィン性炭素原子を含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で、重合を実施することを特徴とする方法によって解決された。
好ましい実施態様において、前記手段(d)と(e)とは、同時に実施される。
イソブテンホモポリマーとは、本発明の範囲内で、当該ポリマーに対して、少なくとも98モル%、特に少なくとも99モル%がイソブテンから構成されている当該ポリマーであると解釈される。
イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物を、重合させるべきモノマーとして使用するためには、イソブテン源として、殊に、たいてい残留汚染物質、例えば1−ブテン、2−ブテン、ブタン、水および/またはC1〜C4アルカノールを最大0.5容量%含有する純イソブテンが適している。しかし、原理的に、イソブテン含有工業用C4炭化水素流からその中に含まされている1,3−ブタジエンができる限り取り除かれている場合には、前記イソブテン含有工業用C4炭化水素流、例えばC4ラフィネート、イソブテン脱水素化からのC4カット、蒸気クラッカーからのC4カットおよびFCCクラッカー(流動接触分解)からのC4カットが使用されてもよい。適当な工業用C4炭化水素流は、たいてい、ブタジエンを500ppm未満、特に200ppm未満含有する。その際に、当該の工業用C4炭化水素流からのイソブテンは、言うに値する程の量の別のC4モノマーがポリマー鎖中に組み入れられることなく、できる限り選択的に重合されて望ましいイソブテンホモポリマーとする。典型的には、記載された工業用C4炭化水素流中のイソブテン濃度は、40〜60質量%の範囲内にある。しかし、本発明による方法は、原理的に、イソブテンを僅かに、例えば10〜20質量%だけ含有するイソブテン含有C4炭化水素流を用いて運転されてもよい。イソブテン含有モノマー混合物は、重大な収量損失または選択性の損失を生じることなく、微少量の汚染物質、例えば水、カルボン酸または鉱酸を含有しうる。当該有害物質が、例えば固体の吸着剤、例えば活性炭、モレキュラーシーブまたはイオン交換体での吸着によってイソブテン含有モノマー混合物から除去されることにより、前記汚染物質の富化が回避されることは、目的に適ったことである。
手段(c)により、重合用触媒として使用すべき、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物またはアルミニウムアルキルハロゲン化物をベースとするルイス酸錯体および重合用触媒として使用すべき、開始剤としての有機スルホン酸と組み合わせたルイス酸は、WO 2012/072643A2中に記載されており、ここで、当該文献の開示内容は、参照のために本明細書に援用される。記載された鉄ハロゲン化物錯体、アルミニウムトリハロゲン化物錯体およびアルミニウムアルキルハロゲン化物錯体は、ルイス酸の他に、少なくとも1個のエーテル官能基または1個のカルボン酸エステル官能基を有する有機化合物の形の二量体を含む。ルイス酸、殊に三フッ化ホウ素、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物またはアルミニウムアルキルハロゲン化物と開始剤としての有機スルホン酸との記載された組合せは、一般式Z−SO3Hの少なくとも1つの有機スルホン酸を含み、上記式中、Zは、C1〜C20アルキル基、C1〜C20ハロゲン化アルキル基、C5〜C8シクロアルキル基、C6〜C20アリール基またはC7〜C20アラルキル基を表わし、典型的なこの種の有機スルホン酸は、メタンスルホン酸である。
しかし、手段(c)により、重合用触媒として、特に三フッ化ホウ素とプロトン源とからなる錯体が使用される。触媒錯体において活性化剤または調節剤の機能を与える、この種のプロトン源として、とりわけ、エーテル、殊にC1〜C4ジアルキルエーテル、例えばジエチルエーテルおよびアルコール、殊に低級の一価脂肪族アルコールが適している。特に好ましい実施態様において、重合用触媒として、三フッ化ホウ素とC1〜C3アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールとからなる錯体が使用される。プロトン源として、記載されたエーテルおよび/またはアルコールの混合物が使用されてもよい。
トリフッ化ホウ素およびプロトン源は、予め混合されてよくかつ既に作用の準備ができた錯体として重合用反応器内に供給されてよい。しかし、それとは別に、三フッ化ホウ素[ガス状で、液状で、または不活性の溶剤中もしくは不活性の希釈剤中、例えば手段(b)により不活性の溶剤中に溶解して]およびプロトン源は、別々に前記重合媒体に供給されてもよい。
重合用触媒の使用すべき量は、本質的に、触媒の種類により、および反応条件、殊に反応温度および前記ポリマーの意図した分子量により左右される。前記の使用すべき量は、そのつどの反応系に対する僅かな無作為抽出検査につき算出されうる。一般に、前記重合用触媒は、そのつど、触媒錯体におけるルイス酸割合または三フッ化ホウ素割合に対して、および使用されるイソブテンに対して、0.0001〜1質量%、殊に0.0005〜0.5質量%、とりわけ0.001〜0.1質量%の量で使用される。
前記プロトン源は、トリフッ化ホウ素に対して、化学量論的不足量、化学量論的量または化学量論的過剰量で使用されうる。プロトン源対トリフッ化ホウ素の典型的なモル比の関係は、0.3:1〜3:1、殊に0.5:1〜2:1、とりわけ0.7:1〜1.3:1の範囲内にある(そのつど、プロトン源のプロトン1当量に対する)。手段(d)による反応促進剤の量および手段(e)による鎖長調整剤の量と同様に、手段(c)によるプロトン源の量も、イソブテンホモポリマーの達成すべき分離量の調節に影響をもちかつ当該イソブテンホモポリマーの意図される調節に利用されうる。
とりわけ、本発明による方法で製造されるイソブテンホモポリマーは、150000〜8000000、殊に250000〜6000000、特に400000〜5000000の質量平均分子量(Mw)を有する。それとは別に、このイソブテンホモポリマーは、とりわけ、25000〜2000000、特に有利に45000〜1500000、殊に55000〜1000000、特に65000〜750000の(ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定された)数平均分子量(Mn)を有する。
たいてい、本発明による方法で製造されたイソブテンホモポリマーは、2〜20、殊に3〜15、特に5〜10の多分散指数(PDI=Mw/Mn)を示す。
手段(a)によれば、本発明による重合法は、液状重合媒体中で−80℃〜−190℃の温度で実施される。好ましい実施態様において、この本発明による重合法は、蒸気温度範囲の下限に近い温度で、それも−130℃〜−190℃で、とりわけ−160℃未満〜−185℃で、殊に−165℃〜−180℃で、典型的な方法形式において−168℃〜−173℃で実施される。それとは別の好ましい実施態様において、前記方法は、−100℃〜−150℃の温度で、特に−105℃〜−147℃で、とりわけ−110℃〜−140℃で、殊に−115℃〜−135℃で、典型的な方法形式において−120℃〜−130℃で実施される。制御された低い重合温度は、有利に生成物の性質に影響を及ぼす。使用される出発物質、殊にイソブテンを予め冷却する際の温度調節は、任意に同様に、重合の経過および意図される結果に影響を及ぼす可能性があり、使用すべきイソブテンは、通常、−70℃〜−140℃の温度へ、殊に−70℃〜−100℃へ予め冷却される。
上記温度への前記反応媒体の冷却は、有利に外部冷却によって行なわれる。したがって、好ましい実施態様において、手段(a)を実施するために、前記重合媒体は、別個の冷却回路を用いて必要とされる低温へもたらされ、かつそこで重合の間保持される。構造技術的にたいてい外側の冷却ジャケットとして重合用反応器の周りに実現されている、別個の冷却回路は、たいてい、冷媒としての液体窒素または液化空気を用いて運転される。
重合は、たいてい500ミリバール〜5バールの圧力で、殊に800ミリバール〜2バールの圧力で実施される。最も好ましくは、ならびに最も経済的には、前記重合用反応器は、周囲圧力(常圧)でまたはその付近で運転される。わずかな過圧は、考えられうる不活性溶剤の幾つかの場合に利点をもたらしうる。過圧での重合の運転形式が原理的に可能であるにもかかわらず、より高い圧力、殊に5バールを上回る当該圧力は、一般にさらなる利点をもたらさない。
手段(b)によれば、一定の不活性溶剤または当該不活性溶剤の混合物は、液状重合媒体中で使用される。その際に、ここでは、不活性溶剤とは、イソブテンが液相において均一に溶解する流体であると解釈されるだけでなく、イソブテンが不混和性でありかつ分散された形で存在する流体でもあると解釈される。この種の不活性溶剤として、一方では、通常飽和であるかまたはモノエチレン性不飽和でありかつたいてい直鎖状または少し分枝鎖状の構造を有する、C1〜C8炭化水素、特にC1〜C5炭化水素、殊にC2〜C4炭化水素が適している。前記不活性溶剤がエチレン性不飽和である場合には、当該不活性溶剤は、勿論、本発明自体の反応条件下で重合するのは無理であり、当該不活性溶剤は、通常、第一級オレフィン性炭素原子および/または第二級オレフィン性炭素原子だけを有する。当該C1〜C8炭化水素の典型的な例は、メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、2−メチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチル−2−メチルペンタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、4−メチルヘプタン、2,2,3−トリメチルペンタンおよび3−メチルヘプタンである。この種の不活性溶剤として、他方では、ハロゲン化C1〜C8炭化水素、特にハロゲン化C1〜C5炭化水素、殊にフッ素化および/または塩素化されたC1〜C8炭化水素またはC1〜C5炭化水素、例えば塩化メチル、フッ化メチル、ジフルオロメタン、ジクロロメタン、フルオロエタン、1−フルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、オクタフルオロプロパンまたは1−フルオロブタンが適しており、殊に、ここでは、過フッ素化されたC1〜C8炭化水素もしくはC1〜C5炭化水素または少なくとも水素原子の半分がフッ素原子によって置換されている、当該のC1〜C8炭化水素もしくはC1〜C5炭化水素が当てはまる。C1〜C8炭化水素もしくはC1〜C5炭化水素からなる混合物、ハロゲン化されたC1〜C8炭化水素もしくはC1〜C5炭化水素からなる混合物、または1つ以上のC1〜C8炭化水素もしくはC1〜C5炭化水素と1つ以上のハロゲン化されたC1〜C8炭化水素もしくはC1〜C5炭化水素との混合物が使用されてもよい。
好ましい実施態様において、手段(b)において、不活性溶剤として、エタン、エテン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタンまたはこれらの混合物が使用される。
それとは別の好ましい実施態様において、手段(b)において、不活性溶剤として、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、オクタフルオロプロパンまたはこれらの混合物が使用される。
重合用反応器内での手段(b)によるイソブテン対不活性溶剤の質量比は、たいてい、1:0.1〜1:50、特に1:0.1〜1:40、とりわけ0.1:1〜1:20、殊に1:0.5〜1:10である。
手段(d)によれば、重合は、1つ以上の反応促進剤の存在下で実施される。当該反応促進剤は、選択された重合条件下でトリフッ化ホウ素の触媒活性に所望の方法で影響を与え、ひいてはこの触媒活性を制御する化合物である。この種の反応促進剤は、少なくとも1個の酸素原子を、特にエーテル酸素原子としてまたはカルボニル官能基の成分として含む飽和炭化水素化合物である。好ましい実施態様において、手段(d)において、重合は、ケトン、アルデヒド、エーテル、アセタールおよび半アセタールから選択された、少なくとも1つの反応促進剤の存在下で実施される。通常、当該反応促進剤は、1〜40個、殊に1〜16個、とりわけ1〜8個の炭素原子を有する低分子量化合物であり、その構造は、開鎖状であってもよいし、環状であってもよく、当該低分子量化合物は、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族の性質を有することができる。
この種の反応促進剤の典型的な例は、ケトン、例えばアセトン、ブタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノンまたはベンゾフェノン、アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒドまたはグリオキサール、ジアルキルエーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテルまたはジ−n−ブチルエーテル、環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、ならびに上記のケトンおよびアルデヒドをアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノールまたはt−ブタノールと反応させることによって得られるアセタールおよび半アセタールである。この種の反応促進剤としてのホルムアルデヒドが特に好ましい。
記載された反応促進剤は、たいてい、好ましくは、1つ以上の中位の分子量のアルコール、殊に一価の脂肪族、脂環式または芳香脂肪族のアルコール、とりわけC4〜C10アルコール、例えばn−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、2−プロピルヘプタノール、シクロヘキサノールまたはベンジルアルコールとともに使用されうる。一方で、この種の中位の分子量のアルコールは、手段(c)によるプロトン源として使用される低分子量アルコールと同様に、活性化剤または調整剤として触媒錯体において作用するが、しかし、たいてい、より弱い活性作用で作用し、他方で、当該の中位の分子量のアルコールは、反応促進剤のための溶剤として機能する。アルデヒドまたはケトンを反応促進剤として使用する場合には、上記の中位の分子量のアルコールならびに部分的に、記載された低分子量アルコールが、前記の反応促進剤とともに、アセタールもしくは半アセタールまたはケタール(ケトンアセタール)を形成することができ、これらは、まさに同様に反応促進剤として作用する。ホルムアルデヒドを反応促進剤として使用する場合には、相応するアルコール性溶液、例えばイソブタノール中のホルムアルデヒドが使用されうる。この種の中位の分子量のアルコールが共用される場合には、反応促進剤に対する当該アルコールの質量比は、たいてい0.05:1〜15:1、しかし、特に0.1:1〜5:1、殊に0.5:1〜2.5:1、とりわけ0.75:1〜1.5:1である。
前記反応促進剤自体は、通常、そのつど、使用されるイソブテンに対して、0.0001〜1質量%、特に0.0003〜0.75質量%、殊に0.0005〜0.5質量%、とりわけ0.001〜0.1質量%の量で使用される。
手段(e)によれば、重合は、通常、エチレン性不飽和系でありかつ1個以上の第三級オレフィン性炭素原子を、任意に1個以上の第一級オレフィン性炭素原子および/または第二級オレフィン性炭素原子の他に、含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で実施される。たいてい、当該鎖長調整剤は、5〜30個、殊に5〜20個、とりわけ5〜16個の炭素原子を有する、モノエチレン性またはポリエチレン性不飽和炭化水素であり、これらのエチレン性不飽和炭化水素の構造は、開鎖状であってもよいし、環状であってもよい。この種の鎖長調整剤の典型的な代表例は、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2−メチル−2−ブテン、ジイソブテン、トリイソブテン、テトライソブテンおよび1−メチルシクロヘキセンである。好ましい実施態様において、手段(e)として、重合は、鎖長調整剤としてのイソプレンおよび/またはジイソブテンの存在下で実施される。ジイソブテン(イソオクテン)とは、通常、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンと2,4,4−トリメチル−2−ペンテンとの異性体混合物であると解釈され、個別的に使用される異性体の2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび2,4,4−トリメチル−2−ペンテンも、勿論、同様に手段(e)による鎖長調整剤として作用する。本発明により使用される鎖長調整剤の量によって、簡単に、製造されたイソブテンホモポリマーの分子量は調節されうる:鎖長調整剤の量が高ければ高いほど、たいてい、分子量は、ますます低くなる。鎖長調整剤は、通常、当該鎖長調整剤がより早期に、またはより後に、ポリマー鎖中に組み入れられかつこうしてこの位置に鎖の中断箇所をもたらすことによって制御する。
前記鎖長調整剤は、通常、そのつど、使用されるイソブテンに対して、0.0001〜2質量%、殊に0.0005〜1質量%、とりわけ0.001〜0.5質量%の量で使用される。
引き続く後処理工程を含めて、イソブテンホモポリマーを製造する、本発明による方法は、非連続的または連続的に実施されうる。
本発明による方法のための重合用反応器として、原理的に、この種の液相重合に適した、非連続的または連続的に運転される全ての反応器タイプ、例えば攪拌容器、カスケード型攪拌容器、混練機、押出機、管状反応器またはループ型反応器が使用されてよい。
高い変換率で、可能なかぎり完全な変換またはほぼ完全な変換で、例えば85%〜100%、殊に90%〜100%の望ましい生成物への使用されるイソブテンの変換率で本発明による方法を実施することは、好ましい。しかし、殊に連続的な運転形式で、本発明方法を、部分的な変換で、例えば10%〜85%、殊に30%〜60%の望ましい生成物への使用されるイソブテンの変換率で実施することも可能である。好ましい実施態様において、使用されるイソブテンが重合用反応器内で少なくとも90%、殊に少なくとも95%、とりわけ少なくとも99%の変換率で、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーへ変換される程度に、本発明による方法のための重合条件が選択される。
本発明による方法のための好ましい実施態様は、別々の容器内で、原料のイソブテンまたはイソブテン含有炭化水素混合物を、プロトン源、殊にC1〜C3アルカノールとともに、および殊に、ケトン、アルデヒド、エーテル、アセタールおよび半アセタールから選択された、1つ以上の反応促進剤、および/またはイソプレンおよびジイソブテンから選択された、1つ以上の鎖長調整剤とともに予め混合し、および重合用反応器内で、トリフッ化ホウ素を含有する、重合温度に冷却された不活性溶剤に添加することにある。また、重合用反応器内への添加前に前記混合物を冷却することは、特に好ましい。このイソブテン含有混合物は、重合用反応器において、外部冷却によって望ましい重合温度が一定に保持されうる程度に添加される。前記連続相中へのイソブテンの急速かつ完全な混入は、効果的な温度制御にとって、ひいては前記方法の成果にとって重要なことである。
さらに、外部冷却からの蒸発する窒素は、閉鎖された回路内で元通りに液化しうるか、または、精製を行なう必要なしに、環境内に導かれうる。返送された窒素流を再度液化する場合、蒸発された窒素の低温は、有利に利用されることができ、かつこうして回収されうる。返送を省略した場合には、ガス状窒素の低温エネルギーは、ほかの冷却目的へ、例えば脱気された最終生成物の冷却へ利用されうる。
液体窒素または液化空気とは別に、−100℃〜−150℃の重合温度の範囲内で作業する場合には、例えばハロゲン化炭化水素をベースとする、別の外部冷媒を用いて作業されてもよい。
75000〜10000000の質量平均分子量を有する、本発明による方法において製造されるイソブテンホモポリマーは、通常、重合用反応器からの生成物の排出によって、および任意に適当な前処理後に、生成物の熱精製によって後処理される。その際に、この排出は、好ましくは、可能なかぎり低い温度で行なわれる。前記反応器からの排出は、例えば、機械的排出装置、例えば排出スクリューを用いて行なうことができる。殊に、本発明による方法の大工業的実施の際に意味がある、好ましい実施態様において、重合用反応器内で製造されるイソブテンホモポリマーは、−80℃未満の温度で重合用反応器から排出され、かつ当該イソブテンホモポリマーは、+80℃を上回る温度で熱精製法に供される。
前記重合用反応器からの前記生成物の排出後の熱精製は、有利に本発明による方法の大工業的実施の際に、1個以上の押出機を使用することによって行なわれる。この場合、このイソブテンホモポリマーは、80℃を上回る、殊に100℃を上回る温度へ加熱される。押出機軸の機械的作用および任意に押出機中の取付け物の機械的作用によって、生成物中、例えば残留モノマーおよび溶剤中の揮発性成分のより良好な脱気のための内部表面は、繰返し再生される。前記生成物の脱気および精製は、真空に印加することによって簡易化されることができ、このために、殊に700ミリバール未満、殊に200ミリバール未満、とりわけ100ミリバール未満の圧力で作業が行なわれる。
原理的に、製造されたイソブテンホモポリマーの熱精製のために、全ての通常の一軸押出機ならびに二軸押出機および多軸押出機が使用されてよい。二軸押出機および多軸押出機の場合には、複数の軸は、同方向に回転(arbeiten)してもよいし、異方向に回転してもよい。一軸押出機および多軸押出機中の軸は、通常、混練要素および/または搬送要素を備えている。前記軸の回転数は、たいてい、毎分10〜500回転、殊に15〜350回転の範囲内にある。特別な構造形式において、前記軸は、スクリュー軸として構成されていてよく、当該スクリュー軸のねじ山は、互いに係合し、および当該スクリュー軸の内部軸直径は、とりわけ全長に亘って一定である。記載された押出機に対して好ましい構造材料は、鋼または特殊鋼である。また、好ましくは、不活性ガス、例えば窒素は、脱気工程を促進させるために、押出機の1つ以上のセグメント中に導入される。
本発明による方法は、製造されたイソブテンホモポリマーが使用される溶剤(炭化水素および/またはハロゲン化炭化水素)中で僅かな可溶性を有するのみであり、但し、このことは、強化された手段で低い温度で有効であり、およびそれによって、実質的に固体として沈殿するという利点を有する。この沈殿した固体は、使用される低い温度で粘着傾向を有さず、その結果、粗製生成物は、問題なしに搬出および後加工されることができる。それというのも、後処理部において前記反応器からの生成物の取入れ口の範囲内には、前記ポリマーのガラス温度を上回る温度の箇所は、何処にも存在しないからである。
次の実施例は、本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。
実施例1〜12
機械的攪拌機、不活性化のための乾燥したガス状窒素用の導入管、温度制御のための熱電素子および冷却可能な滴下漏斗を備えた、1リットルの三口フラスコを、液体窒素を用いて不活性化した後に(フラスコの周りに位置した半シャーレ型Dewar容器中で)−100℃へ予め冷却した。引続き、窒素雰囲気下で液体プロパン300mlを前記フラスコ中に予め装入し、およびガス状三フッ化ホウ素0.1gを導入した。
機械的攪拌機、不活性化のための乾燥したガス状窒素用の導入管、温度制御のための熱電素子および冷却可能な滴下漏斗を備えた、1リットルの三口フラスコを、液体窒素を用いて不活性化した後に(フラスコの周りに位置した半シャーレ型Dewar容器中で)−100℃へ予め冷却した。引続き、窒素雰囲気下で液体プロパン300mlを前記フラスコ中に予め装入し、およびガス状三フッ化ホウ素0.1gを導入した。
前記フラスコの下方に存在するデュワー(Dewar)容器は、高さの調節が可能な実験室用ジャッキの上に立たせた。デュワー(Dewar)容器中の充填レベルを変えることによって、所望の重合温度Tに問題なしに調節することができた。
ドライアイス(約−78℃)または液体窒素(約−130℃)で冷却された滴下漏斗中に、液体イソブテン94.0g(1.68モル)を導入した。引続き、そのつど、記載された量のメタノール、イソブタノール、ホルムアルデヒド(これは、パラホルムアルデヒドから新たに製造されたものでありかつメタノール/イソブタノール混合物中に溶解して存在していた)およびジイソブテンを供給し、かつ前記滴下漏斗中でイソブテンと混合した。
所望の重合温度Tをフラスコ中で達成した後に、攪拌しながら、滴下漏斗内容物の滴加を開始した。それぞれの液滴が直ちに反応し、微粒状の固体が次第に増加して得られた。所望の反応温度Tを、全ての滴下時間にわたって、液体窒素のジャッキでの昇降(Hebebuehne)および後充填を用いて、デュワー(Dewar)容器を上げ下げすることによって一定に保持した。
全ての滴下漏斗内容物が滴加された後に、前記フラスコの内容物を融解させ、その際に溶剤のプロパン(沸点:−42℃)は、蒸発した。引続き、室温で粘着性になった粗製生成物を取出し、かつ乾燥キャビネット(温度:30ミリバールで160℃、時間:2時間)中での加熱によって、残留する溶剤を取り除いた。その後に、得られたイソブテンホモポリマーの分析データを測定することができた。
次の表は、そのつど、得られた生成物の温度、使用量および分析データを示す。
Claims (14)
- 液相のイソブテンを不活性溶剤中、ルイス酸をベースとする重合用触媒の存在下に重合させることによって、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーを製造する方法であって、重合用反応器内で同時に、
(a)重合を−80℃〜−190℃の温度で実施し、
(b)不活性溶剤として、1つ以上のC1〜C8炭化水素もしくは1つ以上のハロゲン化C1〜C8炭化水素またはこれらの混合物を使用し、および
(c)重合用触媒として、三フッ化ホウ素、鉄ハロゲン化物、アルミニウムトリハロゲン化物もしくはアルミニウムアルキルハロゲン化物をベースとするルイス酸錯体または開始剤としての有機スルホン酸と組合せたルイス酸を使用し、
およびその際にさらに、
(d)少なくとも1個の酸素原子を含みかつ抽出可能なプロトンを含まない、エチレン性飽和炭化水素化合物の形の少なくとも1つの反応促進剤の存在下で、重合を実施し、および/または
(e)少なくとも1個の第三級オレフィン性炭素原子を含む、少なくとも1つの鎖長調整剤の存在下で、重合を実施することを特徴とする、前記方法。 - 手段(d)と(e)とを同時に実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 手段(a)として、重合を−160℃未満〜−185℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 手段(a)として、重合を−110℃〜−140℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 手段(a)を実施するために、重合媒体を別個の冷却回路を用いて必要とされる低温へもたらし、かつ重合の間、この温度に保持することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 手段(b)として、エタン、エテン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタンまたはこれらの混合物を不活性溶剤として使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- 手段(b)として、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、オクタフルオロプロパンまたはこれらの混合物を不活性溶剤として使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- 手段(c)として、三フッ化ホウ素とプロトン源とからなる錯体を重合用触媒として使用することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 手段(c)として、三フッ化ホウ素とC1〜C4アルカノールとからなる錯体を重合用触媒として使用することを特徴とする、請求項8記載の方法。
- 手段(d)として、ケトン、アルデヒド、エーテル、アセタールおよび半アセタールから選択された、少なくとも1つの反応促進剤の存在下で、重合を実施することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
- 手段(e)として、鎖長調整剤としてのイソプレンおよび/またはジイソブテンの存在下で、重合を実施することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
- 使用されるイソブテンが重合用反応器内で少なくとも90%の変換率で、75000〜10000000の質量平均分子量を有するイソブテンホモポリマーへ変換される程度に重合条件を選択することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
- 重合用反応器内で製造されるイソブテンホモポリマーを、−80℃未満の温度で重合用反応器から排出し、かつ+80℃を上回る温度で熱精製法に供することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
- 熱精製法の実施のために、1つ以上の押出機を使用することを特徴とする、請求項13記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP12155872 | 2012-02-17 | ||
EP12155872.0 | 2012-02-17 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014557050A Division JP6234382B2 (ja) | 2012-02-17 | 2013-02-15 | より高分子量のポリイソブチレンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017186577A true JP2017186577A (ja) | 2017-10-12 |
Family
ID=47714125
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014557050A Active JP6234382B2 (ja) | 2012-02-17 | 2013-02-15 | より高分子量のポリイソブチレンの製造法 |
JP2017141991A Withdrawn JP2017186577A (ja) | 2012-02-17 | 2017-07-21 | より高分子量のポリイソブチレンの製造法 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014557050A Active JP6234382B2 (ja) | 2012-02-17 | 2013-02-15 | より高分子量のポリイソブチレンの製造法 |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP2814851A1 (ja) |
JP (2) | JP6234382B2 (ja) |
KR (1) | KR101974337B1 (ja) |
CN (1) | CN104136470B (ja) |
CA (1) | CA2863836C (ja) |
MY (1) | MY168940A (ja) |
SG (2) | SG10201606861XA (ja) |
WO (1) | WO2013120984A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9458262B2 (en) * | 2011-10-21 | 2016-10-04 | Basf Se | Process for preparing isobutene homopolymers or copolymers |
WO2017011224A1 (en) | 2015-07-10 | 2017-01-19 | Uop Llc | Alkylation processes using liquid lewis acid catalysts |
CN107652381B (zh) * | 2017-09-26 | 2021-07-09 | 青岛瑞林材料科技有限公司 | 一种高顺式二烯烃聚合物的制备方法 |
CN107602747B (zh) * | 2017-09-26 | 2021-01-12 | 青岛瑞林材料科技有限公司 | 一种高顺式聚二烯烃的合成方法 |
CN107522816B (zh) * | 2017-09-26 | 2021-07-09 | 青岛瑞林材料科技有限公司 | 一种合成高顺式二烯烃聚合物的方法 |
CN107522817A (zh) * | 2017-09-26 | 2017-12-29 | 青岛瑞林材料科技有限公司 | 一种高顺式聚二烯烃的制备方法 |
CN107501472A (zh) * | 2017-09-26 | 2017-12-22 | 青岛瑞林材料科技有限公司 | 一种高顺式二烯烃聚合物的合成方法 |
Family Cites Families (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB590595A (en) * | 1944-03-14 | 1947-07-23 | Standard Oil Dev Co | Improved process and apparatus for the polymerisation of iso-olefins |
US2405480A (en) * | 1944-10-05 | 1946-08-06 | Standard Oil Dev Co | Polymerization process |
US2559062A (en) * | 1945-11-27 | 1951-07-03 | Standard Oil Dev Co | Friedel-crafts metal halide-ether complexes as polymerization catalysts |
US2585867A (en) * | 1948-03-05 | 1952-02-12 | Jasco Inc | Process for polymerizing isoolefins using methyl chloride solution of bf as catalyst |
US2553426A (en) * | 1948-05-26 | 1951-05-15 | Standard Oil Dev Co | Method for terminating a low temperature polymerization process |
DE2061289B2 (de) | 1970-12-12 | 1978-06-29 | Basf Ag, 6700 Ludwigshafen | Verfahren zur Polymerisation von Isobutylen |
FR2117121A5 (ja) * | 1970-12-12 | 1972-07-21 | Basf Ag | |
SU478022A1 (ru) * | 1973-12-07 | 1975-07-25 | Предприятие П/Я А-7942 | Способ регулировани процесса низкотемпературной полимеризации изобутилена |
DE3332629A1 (de) * | 1983-09-09 | 1985-03-28 | Hermann Berstorff Maschinenbau Gmbh, 3000 Hannover | Verfahren und vorrichtung zum pulverisieren von polymeren |
DE3404764A1 (de) * | 1984-02-10 | 1985-08-14 | Basf Ag, 6700 Ludwigshafen | Verfahren zur polymerisation von isobutylen |
US4946899A (en) * | 1988-12-16 | 1990-08-07 | The University Of Akron | Thermoplastic elastomers of isobutylene and process of preparation |
US6300444B1 (en) * | 1998-08-25 | 2001-10-09 | Nippon Petrochemicals Company, Limited | Process for producing butene polymer |
CA2316741A1 (en) * | 2000-08-24 | 2002-02-24 | Bayer Inc. | Improved processability butyl rubber and process for production thereof |
WO2007042516A1 (de) * | 2005-10-11 | 2007-04-19 | Basf Se | Verfahren zur herstellung von polyisobuten |
DE102005048698A1 (de) * | 2005-10-11 | 2007-04-12 | Basf Ag | Verfahren zur Herstellung von Polyisobuten |
WO2007113196A1 (de) | 2006-04-05 | 2007-10-11 | Basf Se | Verfahren zur herstellung von höhermolekularen isobutenhomopolymeren durch polymerisation in einer apparatur mit misch- und fördereigenschaften |
CN101602823B (zh) * | 2008-06-13 | 2011-04-20 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种阳离子聚合引发体系及其应用 |
WO2012072643A2 (de) | 2010-11-30 | 2012-06-07 | Basf Se | Herstellung von isobutenhomo- oder -copolymer-derivaten |
-
2013
- 2013-02-15 KR KR1020147025472A patent/KR101974337B1/ko active IP Right Grant
- 2013-02-15 EP EP13704127.3A patent/EP2814851A1/de not_active Ceased
- 2013-02-15 MY MYPI2014002038A patent/MY168940A/en unknown
- 2013-02-15 CN CN201380009872.8A patent/CN104136470B/zh active Active
- 2013-02-15 WO PCT/EP2013/053042 patent/WO2013120984A1/de active Application Filing
- 2013-02-15 JP JP2014557050A patent/JP6234382B2/ja active Active
- 2013-02-15 SG SG10201606861XA patent/SG10201606861XA/en unknown
- 2013-02-15 SG SG11201403863YA patent/SG11201403863YA/en unknown
- 2013-02-15 CA CA2863836A patent/CA2863836C/en active Active
-
2017
- 2017-07-21 JP JP2017141991A patent/JP2017186577A/ja not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN104136470B (zh) | 2016-08-24 |
CN104136470A (zh) | 2014-11-05 |
CA2863836A1 (en) | 2013-08-22 |
JP6234382B2 (ja) | 2017-11-22 |
SG10201606861XA (en) | 2016-10-28 |
CA2863836C (en) | 2020-06-30 |
EP2814851A1 (de) | 2014-12-24 |
JP2015507069A (ja) | 2015-03-05 |
KR101974337B1 (ko) | 2019-05-02 |
SG11201403863YA (en) | 2014-10-30 |
KR20140122757A (ko) | 2014-10-20 |
WO2013120984A1 (de) | 2013-08-22 |
MY168940A (en) | 2019-01-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6234382B2 (ja) | より高分子量のポリイソブチレンの製造法 | |
US10213766B2 (en) | Methods of preparing a catalyst | |
RU2470944C2 (ru) | Способ и устройство для снижения отложения полимера | |
RU2491299C2 (ru) | Регулируемая в отношении полидисперсности полимеризация изоолефина с полиморфогенатами | |
JP4124788B2 (ja) | ポリイソブテンの製造方法 | |
US2709642A (en) | Chemical reactor | |
US2548415A (en) | Boron fluoride in ethylidene fluoride for low-temperature polymerization | |
JP6211008B2 (ja) | 三フッ化ホウ素触媒錯体および高反応性イソブテンホモポリマーの製造法 | |
KR100910004B1 (ko) | 이소부텐의 양이온 중합의 액체 반응 배출물의 처리 방법 | |
US9963521B2 (en) | Process for preparing higher molecular weight polyisobutylene | |
EP3421509B1 (en) | Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers | |
JP6955474B2 (ja) | 重合開始系および極めて反応性の高いオレフィン官能性ポリマーの製造方法 | |
US7049383B2 (en) | Polyisobutene composition | |
KR100854057B1 (ko) | 고 반응성 폴리이소부텐의 제조 방법 | |
KR20180133410A (ko) | 중합 장치 및 중합 방법 | |
KR102008548B1 (ko) | 폴리아이소부틸렌의 연속 제조 방법 | |
US7956156B2 (en) | Method for the removal of isobutene oligomers from an isobutene polymer |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170821 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170821 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20171004 |