JP2017184791A - チューブ融着方法、チューブ融着装置 - Google Patents

チューブ融着方法、チューブ融着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】肉厚、肉薄チューブのような熱の伝わり方が異なる材料を用いた場合でも同じ融着状態が得られるチューブ融着方法を提供する。【解決手段】第1のチューブ12と第2のチューブ11とを融着する方法であり、第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された第2のチューブ内に芯金51を位置した状態で、第1のチューブと第2のチューブとの接合部13を加熱しながら、第2のチューブに対して芯金を軸周りに回転させる融解工程を有し、融解工程中において、芯金の軸回転トルクの変化に基づいて、接合部の加熱制御をおこなう。【選択図】図4

Description

本発明は、チューブ融着方法に関し、特に、カテーテルなど樹脂製のチューブを融着する際に用いて好適な技術に関する。
特許文献1には、同軸上に重ね合わせた異径のチューブどうしを融着する方法が記載されている。
特許文献1の技術では、チューブ内に別のチューブの端部を挿入して両方のチューブをその端部位置で融着する場合、外部から金型でチューブ接合部を加熱して、当該接合部分を溶融させることが行われる。
このときに外側チューブの接合位置に、さらに熱収縮チューブを被せ、加熱による熱収縮チューブの縮径により外側チューブに縮径方向の圧力をかけて、外側チューブと内側チューブとの融着をより確実にすることがある。
従来の融着作業においては、加熱時間をタイマーで制御して、溶融の程度を調整していた。理想的な融着状態(加工終了点)は、大径チューブと小径チューブの境界のみ溶融している状態である。
特開平11−076410号公報
しかし、例えばチューブが肉厚の場合、熱の伝わり方が遅くなり、チューブが溶融するまでの時間も長くなる。この場合、時間制御では溶融不足による融着不良が発生してしまう。
このように、溶融時間が短すぎると融着が不充分となり、接合が完全におこなわれずにチューブどうしが取れてしまう場合があった。
反対にチューブが肉薄の場合は熱の伝わりが速く、チューブが溶融するまでの時間は短くなるため、時間制御ではチューブと芯棒の境界まで溶融してしまう。
さらに、溶融時間がより長すぎると内側のチューブに貫通させた芯金にチューブが張り付いて取れなくなる場合があった。
芯金にチューブが張り付くと、チューブから抜くことが困難になり、無理やり抜こうとするとチューブを破損させてしまうなどの問題が発生する。
このように、最適な加熱時間はチューブの肉厚や材質によって変わってくるので、溶融させるチューブのサイズや種類が変わるたびに条件出しが必要であった。
本案は上記問題に鑑み、肉厚、肉薄チューブのような熱の伝わり方が異なる材料を用いた場合でも同じ融着状態が得られるチューブ融着方法を提供することを目的とする。
本発明のチューブ融着方法は、第1のチューブと第2のチューブとを融着する方法であり、
前記第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された前記第2のチューブ内に芯金を位置した状態で、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの接合部を加熱しながら、前記第2のチューブに対して前記芯金を軸周りに回転させる融解工程を有し、
前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクの変化に基づいて、前記接合部の加熱制御をおこなうことにより上記課題を解決した。
本発明の前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクが所定の値を上回ったら、前記接合部の加熱を停止するように制御することができる。
本発明の前記融解工程中において、前記接合部の前記第2のチューブ外側周囲に熱収縮チューブが被せられていることができる。
本発明の前記融解工程中において、前記接合部では、前記第2のチューブを前記第1のチューブと同時に軟化させるか、前記第1のチューブを前記第2のチューブより先に軟化させることができる。
本発明の前記融解工程前において、前記接合部では、前記第2のチューブの内径が前記芯金の外径よりも大きく設定されることができる。
本発明のチューブ融着装置は、第1のチューブと該第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された第2のチューブとを融着するチューブ融着装置であり、
互いに融着される接合部となる位置で前記第2のチューブ内に挿入可能な芯金と、
前記第2のチューブ内に前記芯金を挿入した状態で該第2のチューブを保持するホルダと、
前記第1のチューブ内に少なくとも前記第2のチューブの一部が挿入された前記接合部となる位置を加熱する加熱手段と、
挿入された前記第2のチューブに対して前記芯金を軸周りに回転させる回転手段と、
前記回転手段の軸回転トルクを検出するトルク検出手段と、
前記トルク検出手段の出力に応じて、前記加熱手段を制御する制御部と、
を有することにより上記課題を解決した。
本発明の前記制御部が、前記トルク検出手段の出力が所定の値を上回ったら、前記加熱手段を停止するように制御することができる。
本発明の前記芯金の外径が、前記第2のチューブの内径よりも小さく設定されることができる。
本発明のチューブ融着方法は、第1のチューブと第2のチューブとを融着する方法であり、
前記第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された前記第2のチューブ内に芯金を位置した状態で、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの接合部を加熱しながら、前記第2のチューブに対して前記芯金を軸周りに回転させる融解工程を有し、
前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクの変化に基づいて、前記接合部の加熱制御をおこなうことにより、芯金に面している第2のチューブが加熱により軟化すると、第2のチューブ内側が回転している芯金に接触する。これにより、芯金の回転に負荷がかかって芯金の軸回転トルクが増加する。この軸回転トルクの増加を検出して、その増加程度に応じて第2のチューブの軟化度、あるいは、第2のチューブの融解度(溶融度)と見なす。そして、芯金の軸回転トルクの増加量に応じて、接合部の加熱を制御することで、接合部の融着状態(融解度)を制御することが可能となる。これにより、接合部における第1および第2のチューブにおける軟化融解状態が所定の状態となるように制御して、融解しすぎること、あるいは、融着が不足することを防止することが可能となる。
ここで、前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクをモニターすることで、このモニター結果を用いて前記接合部の加熱を制御することができる。
また、接合部の内側となる第2のチューブを外側の第1のチューブに対して挿入することと、第2のチューブへの芯金の挿通は、どちらを先におこなってもよい。
また、芯金の回転と接合部の加熱とは、これらの開始をどちらが先になってもかまわない。チューブを融着する際に最も重要なのは、加熱を終了するタイミングであり、さらに、加熱中に過融解とならないように、加熱状態を制御することが重要である。
このように、外チューブ内に内チューブの端部を挿入し、外部から接合部を加熱してチューブどうしを融着させる場合、あらかじめ内チューブに挿通しておいた芯金を回転させる。加熱中に当該芯金の回転に必要なトルクの変化を検出し、その検出結果を用いて加熱を制御する。これは、溶融の進行度合いに応じて、芯金の回転トルクが変化することを利用するものである。
上記のように、第2のチューブの内側の軟化融解と芯金の軸回転との関係のみで、接合部の加熱状態を制御することが可能なため、第2のチューブの内径が同じであれば、異なる規格を有するチューブ、例えば、外径寸法の異なる第2のチューブ、内径寸法の異なる第1のチューブ、外径寸法の異なる第1のチューブ、肉厚の異なる第1および第2のチューブ、材質の異なる第1および第2のチューブ等に対応して融着状態を好ましい範囲に維持することができる。したがって、チューブのサイズや種類を違えた場合でも、融着品質を安定して保証することが可能となる。
本発明の前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクが所定の値を上回ったら、前記接合部の加熱を停止するように制御することにより、軸回転トルクの値に対応して、あらかじめ設定した状態まで第2のチューブが軟化・融解した時点で、接合部の加熱を終了することが可能となる。これにより、充分な融解状態で加熱を終了することができ、融着が不足することを防止することができる。また、融解状態が過剰にとなる前に加熱を終了することができ、接合部が不必要に変形してしまう等の不具合を防止することが可能となる。
なお、加熱を終了する芯金の軸回転トルクの設定値は、あらかじめ、対象となる第1および第2のチューブに対応する径寸法、肉厚、材質等の条件を設定して、実際に融着試験をおこない、所定の融着状態となる加熱状態を保証するために、加熱を終了する最適な回転トルクの値を決定しておくことが好ましい。また、異なる条件で融着をおこなう場合にも、それぞれの条件に対応して、それぞれで加熱終了とする軸回転トルクの閾値を設定しておく。
上記のように、あらかじめ条件に合わせて、芯金の軸回転トルクの閾値のみで、接合部の加熱終了を決定することで、第2のチューブの内側の軟化融解を好適に制御することが可能となる。
本発明の前記融解工程中において、前記接合部の前記第2のチューブ外側周囲に熱収縮チューブが被せられていることにより、加熱により軟化した第1および第2のチューブを自身も加熱された熱収縮チューブが縮径することで、軟化した第2のチューブ内側が芯金に接触して、芯金の回転トルクを確実に変化させることができ、加熱終了時点を確実に制御して融着品質を所定の状態に維持することができる。
本発明の前記融解工程中において、前記接合部では、前記第2のチューブを前記第1のチューブと同時に軟化させるか、前記第2のチューブを前記第1のチューブより先に軟化させることにより、内側の第2のチューブが軟化して芯金に接触し回転トルクが変化したときには、外側の第1のチューブも確実に融解・軟化しているため、第1のチューブが軟化せずに融着が不足することを防止することができる。
なお、本発明においては、第1のチューブおよび第2のチューブが同一材料からなるか、または、互いに融着可能であれば、第1のチューブおよび第2のチューブにおける融点、または、ガラス転位温度が極めて近いものを対象とすることができる。ここで、融点、または、ガラス転位温度が極めて近いとは、これらの差異が、加熱に対する挙措が同程度とみなせる範囲であることを意味する。
本発明の前記融解工程前において、前記接合部では、前記第2のチューブの内径が前記芯金の外径よりも大きく設定されることにより、軟化することで始めて第2のチューブが縮径し、芯金への回転トルク増加作用を呈することになるため、加熱終了時を精度よく確定することが可能となる。
本発明のチューブ融着装置は、第1のチューブと該第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された第2のチューブとを融着するチューブ融着装置であり、
互いに融着される接合部となる位置で前記第2のチューブ内に挿入可能な芯金と、
前記第2のチューブ内に前記芯金を挿入した状態で該第2のチューブを保持するホルダと、
前記第1のチューブ内に少なくとも前記第2のチューブの一部が挿入された前記接合部となる位置を加熱する加熱手段と、
挿入された前記第2のチューブに対して前記芯金を軸周りに回転させる回転手段と、
前記回転手段の軸回転トルクを検出するトルク検出手段と、
前記トルク検出手段の出力に応じて、前記加熱手段を制御する制御部と、
を有することにより、ホルダに保持された第2のチューブと芯金とを相対的に回転させた状態で接合部を加熱することで、軟化した第2のチューブが芯金に接触し、芯金の回転トルクが増大する。この回転トルクの増大量を、トルク検出手段で検出し、この検出結果に基づいて制御部によって加熱手段における加熱状態を制御することで、チューブの融着品質を、所望の状態に維持することが可能となる。
なお、トルク検出手段と制御部とは同一の構成とすること、あるいは、トルク検出手段が制御部に含まれることも可能である。これは、例えば、回転手段がモータとされて、トルク検出手段がモータの回転トルクを検出するセンサとして、モータの消費電力から回転トルクを検出するような場合が提示でき、この場合は、センサの出力となるモータ供給電力の値に応じて加熱手段を制御部によって制御することで、これらを同一の制御部としても、構成が分かれて設けられたセンサと制御部とが独立した別々の構成と同様の効果を奏することが可能となる上、低コストに製造装置を提供することができる。
さらに、第2のチューブと第1のチューブとは接合部で一体となる(互いに相対位置が変化しない)ように保持されるとともに、第2のチューブと芯金とは、互いに相対回転可能であれば、第2のチューブが回転される構成とすることもできる。ただ、簡便には、内チューブを固定して、芯金を回転駆動する構成が好ましい。
本発明の前記制御部が、前記トルク検出手段の出力が所定の値を上回ったら、前記加熱手段を停止するように制御することにより、トルク検出手段の出力値があらかじめ設定した値となった場合に加熱手段を停止させるため、所望の状態まで第2のチューブが軟化・融解した時点で接合部の加熱を終了することが可能となる。これにより、充分な融解状態で加熱を終了することができ、融着が不足を防止することができる。また、融解状態が過剰にとなる前に加熱を終了することができ、接合部が不必要に変形してしまう等の不具合を防止することが可能となる。
なお、加熱を終了する閾値となるトルク検出手段の出力値は、あらかじめ、対象となる第1および第2のチューブに対応する径寸法、肉厚、材質等の条件を設定して、実際に融着試験をおこない、所定の融着状態となる加熱状態を保証するために、加熱を終了する最適なトルク検出手段の閾値を決定しておくことが好ましい。また、管径、肉厚等が異なる条件で融着をおこなう場合にも、それぞれの条件に対応して、それぞれで加熱終了とするトルク検出手段における出力の閾値を設定しておく。
上記のように、あらかじめ条件に合わせて、トルク検出手段の出力における閾値のみで、加熱手段の停止を決定することで、適切な状態で接合部の加熱を終了し、熱の伝わり方の異なるチューブの軟化融解を好適に制御することが可能となる。
本発明の前記芯金の外径が、前記第2のチューブの内径よりも小さく設定されることにより、加熱前には芯金表面から離間状態となっていた第2のチューブが、加熱手段の加熱により軟化することで、縮径した第2のチューブが芯金表面に接触状態となり、これにより、樹脂粘性等の影響で回転手段における回転トルクが増加する。この回転トルクの増加が、検出手段によって検出可能になるため、加熱終了時を精度よく確定することが可能となる。
本発明のチューブ融着装置によれば、トルク検出手段の出力変化のみにより加熱手段を制御するため、第2のチューブの内径が同じであれば、装置構成を変更することなく、異なる規格(径寸法、肉厚、材質)のチューブに対応して、同等の融着状態とすることができるため、融着品質を保証することが可能となる。
本発明によれば、チューブのサイズや種類を違えた場合でも、融着品質の安定が可能となるという効果を奏することができる。
本発明に係るチューブ融着方法の第1実施形態における工程を示す断面図である。 本発明に係るチューブ融着方法の第1実施形態における工程を示す断面図である。 本発明に係るチューブ融着方法の第1実施形態における工程を示す断面図である。 本発明に係るチューブ融着装置の第1実施形態を示す模式図である。 本発明に係るチューブ融着方法の第1実施形態におけるトルクと溶融度との関係を示すグラフである。 本発明に係るチューブ融着方法の第1実施形態における工程を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るチューブ融着方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のチューブ融着方法における前工程を示す断面図であり、図2は、本実施形態のチューブ融着方法における融着前工程を示す断面図であり、図3は、本実施形態のチューブ融着方法における融着後を示す断面図であり、図において、符号10はチューブである。
本実施形態におけるチューブ10は、図3に示すように、いずれも長尺状とされ、外径の大きな外チューブ(第1のチューブ)12と、外径の小さな内チューブ(第2のチューブ)11とを、接合部13において加熱により融着したものとされる。
外チューブ12の内径は、図1〜図3に示すように、内チューブ11の外径よりも大きく設定され、外チューブ12内に、その端部開口から内チューブ11の端部を同軸状に挿入可能とされている。外チューブ12および内チューブ11の外径は、それぞれの軸方向に均一な径寸法となるようにされている。
これら外チューブ12および内チューブ11は、樹脂製とされ、内チューブ11および外チューブ12が同一材料からなるか、または、互いに融着可能であれば、内チューブ11および外チューブ12における融点、または、ガラス転位温度が極めて近いものを対象とすることができる。
内チューブ11および外チューブ12としては、熱可塑性樹脂からなり、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、各種エラストマーなど、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、各種ジエン系樹脂、フッ素系樹脂(例えばパーフルオロアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマーなど)等を採用することができる。
ポリアミド系樹脂としては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、あるいはポリアミド系樹脂の共重合体であるポリエーテルポリアミドなどが挙げられる。また、複数のポリアミド系樹脂の混合樹脂を使用してもよい。
さらに、上記樹脂を一成分とする各種のアロイ系樹脂からも選定することができる。上記樹脂の軟質化・柔軟化を図るために、可塑剤等を配合してもよい。
本実施形態におけるチューブ融着方法においては、外チューブ12と内チューブ11とを融着する際に、図1に矢印で示すように、外チューブ12内に内チューブ11を挿入し、図2に示すように、外チューブ12の内側と内チューブ11の外側が接している接合部13を軟化融解させて、図3に示すように、融着するものとされる。このとき、図2に矢印で示すように、接合部13の外側から径方向中心向きに縮径する力を作用させることで、外チューブ12の端部12aと、内チューブ11の端部11aとは、いずれも、なだらかに縮径するよう傾斜している。
また、接合部13における内チューブ11の内径は、それ以外の加熱されていない部分より多少小さくなっている。
図4は、本実施形態のチューブ融着装置を示す模式断面図であり、図5は、本実施形態のチューブ融着方法におけるトルクと溶融度との管径を示す図であり、図6は、本実施形態のチューブ融着方法を示すフローチャートである。
本実施形態におけるチューブ融着方法においては、図4に示すように、融着装置50を用いて融着をおこなう。
本実施形態のチューブ融着装置50は、図4に示すように、外チューブ12と内チューブ11とを融着するものであり、芯金51と、ホルダ52と、ヒータ(加熱手段)53と、モータ(回転手段)54と、制御部55と、を有する。
芯金51は、図4に示すように、内チューブ11の内径よりも小さい外径を有するものとされ、かつ、内チューブ11の全長と同程度かそれより長い軸方向寸法を有するものとされる。芯金51の軸方向長さは、チューブ11,12が互いに融着される接合部13となる位置で内チューブ11内に挿入可能な長さで、かつ、接合部13近傍において、ヒータ53によって加熱される範囲に延在するように設けられている。
芯金51の外径は、融着された接合部13において、必要な径寸法となるように設定されている。つまり、接合されたチューブ10における最小径は、この芯金51の外径寸法により設定されることになる。
なお、芯金51は、接合部13付近の加熱範囲が、内チューブ11の内径よりやや小さめの外径寸法とされていればよく、加熱範囲以外は接合部13付近よりも小径の構造とすることもできる。
ホルダ52は、図4に示すように、チューブ内11内に芯金51を挿入した状態で、回転駆動される芯金51に対して、そのすぐ外側に位置する内チューブ11が回動しないように保持するものとされる。具体的には、芯金51を回転するモータ54付近において、芯金51の回動を阻害しないように内チューブ11を保持するものとされている。またホルダ52は、同時に、回動する芯金51に対して内チューブ11が軸方向に移動しないように位置規制する手段ともされている。
このような作用を呈することが可能であれば、ホルダ52の具体的な構造は限定されるものではない。例えば、内チューブ11の所定位置を外側から挟持するクリップタイプなどが提示できる。
ヒータ(加熱手段)53は、図4に示すように、外チューブ12内に少なくとも内チューブ11の一部が挿入された接合部13となる位置を加熱するものとされ、接合部13の外側から、その全周を覆うように近接位置が設定可能な円筒状の金型ブロックとされて周方向に複数部分に分割されていることができる。
この場合、ヒータ53は、ヒータ駆動手段53Aによって、径方向に移動可能とされている。ヒータ駆動手段53Aは、加熱状態においてはヒータ53を外チューブ12側に向かって近接させるとともに、後述するように、内チューブ11,外チューブ12,熱収縮チューブ14を芯金51にセットする場合には、ヒータ53を外チューブ12側から離間させる。
なお、ヒータ53としては、接合部13をその全周で均一に加熱できるものであればその構成に限定はなく、例えば、周方向に部分的に存在するヒータ53が接合部13回りを回動しながら加熱するものや、さらに、外チューブ12,熱収縮チューブ14に接触せずに、これらの全周に熱風を吹き付ける、あるいは、放射加熱によって加熱可能なものとされることができる。
ヒータ53の軸方向長さは、少なくとも接合部13を含むように設定することができるが、内チューブ11の先端11aよりも先端側から、外チューブ12の先端12a側よりもモータ54側とすることができる。なお、ヒータ53は、後述する熱収縮チューブ14を軸方向にすべて含む状態として配置することが好ましい。
モータ(回転手段)54は、図4に示すように、挿入された内チューブ11に対して芯金51を軸周りに回転させるものとされ、制御部55に接続されて駆動電力を供給される構成とされている。モータ(回転手段)54は、制御部55によって回転駆動状態を制御可能とされている。
制御部55は、図4に示すように、ヒータ53およびヒータ駆動手段53Aを制御して、接合部13への加熱状態を設定可能とされている。同時に、モータ54に供給する電力をモニターすることで、モータ54への供給電力または消費電力からその回転トルクを検出するように、モータ54の軸回転トルクを検出するセンサ(トルク検出手段)として動作するように構成されている。つまり、トルク検出手段と制御部とが同一の構成とされている。
本実施形態におけるチューブ融着装置50は、トルク検出手段としての制御部55が、モータ54への供給電力に応じて、これを回転トルクの検出値とみなして検出し、このトルク値によって加熱手段53の加熱状態を制御する。これにより、ホルダ52に保持された内チューブ11と芯金51とを相対的に回転させた状態で接合部13を加熱することで、軟化した内チューブ11が芯金51に接触し、芯金51の回転トルクが増大する。この回転トルクの増大量を、トルク検出手段としての制御部55で検出し、この検出結果に基づいてヒータ53の加熱状態を制御することで、チューブ10の融着品質を、所望の状態に維持することが可能となる。
内チューブ11と外チューブ12とは互いに相対位置が変化しないように保持されるが、内チューブ11と芯金51とが、互いに相対回転可能であれば、ホルダ52が外チューブ12を保持する必要はない。
あるいは、ホルダ52は、外チューブ12も保持する構成とすることもできる。
本実施形態における制御部55は、トルク検出手段としての出力が所定の値を上回ったら、ヒータ53を停止するように制御することで、トルク検出手段としての出力値があらかじめ設定した値となった場合に、ヒータ53を停止することができる。これにより、制御部55によって所望の状態まで内チューブ11が軟化・融解した時点で接合部13の加熱を終了することが可能となる。これにより、充分な融解状態で加熱を終了することができ、融着が不足することを防止できる。また、融解状態が過剰となる前に加熱を終了することができ、接合部13が不必要に変形してしまう等の不具合を防止することが可能となる。
なお、加熱を終了するトルク閾値となるトルク検出手段としての制御部55におけるトルクの検出値は、あらかじめ、対象となる外チューブ12および内チューブ11に対応する径寸法、肉厚、材質等の条件を設定して、実際に融着試験をおこない、所定の融着状態となる加熱状態を保証するために、ヒータ53の加熱を終了する最適なトルク検出手段としてのトルク閾値を決定しておくことができる。また、外チューブ12および内チューブ11の管径、肉厚等が異なる条件で融着をおこなう場合にも、それぞれの条件に対応して、それぞれでヒータ53の加熱を終了するトルク検出手段としての制御部55における検出値の閾値を設定しておく。
このように、あらかじめ条件に合わせて、回転トルクにおける閾値のみで、ヒータ53段の停止を決定することで、適切な状態で接合部の加熱を終了し、内チューブ11の内側の軟化融解を好適に制御することが可能となる。
本実施形態における芯金51の外径が、前チューブ11の内径よりも小さく設定されることにより、加熱前には芯金51表面から離間状態となっていた内チューブ11が、ヒータ53の加熱により軟化することで、縮径した内チューブ11が芯金51表面に接触状態となる。これにより、軟化樹脂の粘性等の影響でモータ54における回転トルクが増加することになる。この回転トルクの増加が、トルク検出手段としての制御部55によって検出可能になるため、加熱終了時を精度よく確定することが可能となる。
本実施形態のチューブ融着装置50によれば、回転トルクの変化のみにより制御部55でヒータを制御するため、内チューブ11の内径が同じであれば、装置構成を変更することなく、異なる規格(径寸法、肉厚、材質)の内チューブ11および外チューブ12に対応して、同等の融着状態とすることができるため、チューブ10における融着品質を保証することが可能となる。
なお、芯金51は、外チューブ12の基端側から接合部13位置に挿入することも可能である。この場合、外チューブ12もホルダ52によって保持することが必要である。
以下、本実施形態のチューブ融着方法について説明する。
本実施形態のチューブ融着方法は、外チューブ12と内チューブ11とを融着する方法であり、図6に示すように、トルク閾値設定工程S00と、内チューブ挿入工程S01と、芯金挿入工程S02と、熱収縮チューブ被覆工程S03と、芯金回転開始工程S04と、ヒータ接近工程S05と、ヒータ加熱開始工程S06と、外チューブ軟化開始工程S07と、内チューブ軟化開始工程S08と、トルク上昇工程(融解工程)S09と、トルク閾値越え判断工程(融解工程)S10と、ヒータ加熱停止工程S11と、ヒータ離間工程S12と、芯金除去工程S13と、接合部冷却工程S14と、熱収縮チューブ除去工程S15と、を有する。
本実施形態において、チューブ10を融着して製造するためには、まず、図1に示すように、融着する外チューブ12と内チューブ11とを用意する。
外チューブ12の内径は、好ましくは1.5〜3.0mmであり、外チューブ12の肉厚は、好ましくは0.2〜0.6mmである。外チューブ12の長さは、好ましくは150〜2000mm程度である。内チューブ11の内径は、たとえば0.7〜3.0mm、好ましくは1.0〜2.5mmである。この内チューブ11の肉厚は、0.2〜0.5mmが好ましい。内チューブ11の全長は、好ましくは150〜2000mm程度である。
次いで、図6に示すトルク閾値設定工程S00として、あらかじめ、対象となる外チューブ12および内チューブ11に対応する径寸法、肉厚、材質等の条件に対応して実際に融着試験をおこない、接合部13における所定の融着状態となる加熱状態を保証するために、加熱を終了する最適な回転トルクのトルク閾値を決定しておく。たとえば、図5に示すように、加熱を終了するトルク閾値をT3とすることができる。
上記のように、あらかじめ条件に合わせて、芯金の軸回転トルクの閾値のみで、接合部の加熱終了を決定することで、内チューブ11の内側の軟化融解を好適に制御することが可能となる。
次いで、図6に示す内チューブ挿入工程S01として、図2に示すように、外径の小さな内チューブ11を、接合部13となる長さまで重なるように外チューブ12内部に挿入する。このとき、内チューブ11と外チューブ12との間は離間していても密着していても構わない。
例えば接合部13の長さは、2〜25mmとすることができる。
次いで、図6に示す芯金挿入工程S02として、図4に示すように、内チューブ11内に芯金51を挿入し、ホルダ52によって内チューブ11を固定状態となるように保持する。ホルダ52は、内チューブ11の軸方向(長さ方向)および周方に移動しないように、内チューブ11を固定保持する。ホルダ52によって、芯金51が回転可能な状態で、かつ、長さ方向に移動しないように、芯金51と内チューブ11とが、位置設定される。
このとき、芯金51の先端51aは、内チューブ11の先端11aから外チューブ12内に突出した状態とされることが好ましい。芯金51の先端51aは、接合部13に対応する領域に挿入されていればよいが、好ましくは、後述する熱収縮チューブ14の先端14a位置よりも先端側まで挿入されていることが好ましい。
次いで、図6に示す熱収縮チューブ被覆工程S03として、軸方向に接合部13となる領域を含むように、熱収縮チューブ14を外チューブ12の外側位置としてセットする。熱収縮チューブ14は、加熱により径方向に収縮するとともに、内チューブ11および外チューブ12から容易に剥がれることができるものであればその材質は、特に限定されないが、シリコーン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(ETFE)等のフッ素樹脂、好ましくはシリコーンが用いられる。
なお、熱収縮チューブ14の融点は、融着すべき内チューブ11および外チューブ12の融点よりも高いことが好ましく、熱収縮チューブ14の熱収縮温度は、融着すべき内チューブ11および外チューブ12の融点よりも低いことが好ましい。
熱収縮チューブ14の内径は、加熱前の状態で、外チューブ12の外径よりも0.1〜0.5mm程度大きく、その装着が容易である。熱収縮チューブ14の厚みは、特に限定されないが、0.2〜0.5mm程度が好ましい。
熱収縮チューブ14の先端14aは、図4に示すように、少なくとも内チューブ11の先端11aよりも芯金51の突出する先端51a側に位置し、さらに好ましくは、熱収縮チューブ14の先端14aが、芯金51の先端51aよりも突出する側に位置することが好ましい。
熱収縮チューブ14の基端14bは、図4に示すように、少なくとも接合部13となる外チューブ12の先端(端部)12aよりも芯金51のモータ54に接続される基端側に位置し、さらに好ましくは、熱収縮チューブ14の基端14bが、チューブ10における接合部13の斜面となる端部12aよりも、さらに芯金51のモータ54に接続される基端側に位置する内チューブ11の外周面に所定軸方向長さ接触して覆うように長さが設定されることが好ましい。
熱収縮チューブ14の長さは、15〜30mmとされることができる。
次いで、図6に示す芯金回転開始工程S04として、制御部55から駆動電力を供給することにより、モータ54を駆動して、芯金51を回転駆動する。これにより、ホルダ52によって保持された内チューブ11と、この内チューブ11の外側の外チューブ12に対して、芯金51が回転することになる。
この芯金回転開始工程S04から、トルク検出手段としての制御部55において、モータ54への供給電力を検出して、これをトルク検出信号とみなすモニターを開始する。なお、ヒータ53の加熱を開始するヒータ加熱開始工程S06からトルク検出信号の検出を開始することもできる。
この状態では、内チューブ11と芯金51との間には隙間が存在し、内チューブ11が芯金51にはほとんど接触しておらず、軸回転トルクの増加要因は存在しない。このため、図5に示すトルクは、加熱前または加熱初期の溶融度M0に対応する初期トルク値T0となっている。
次いで、図6に示すヒータ接近工程S05として、金型ブロックとされているヒータ53を、ヒータ駆動手段53Aによって、芯金51に接近するように移動させる。
この工程までは、図4に破線で示すように、ヒータ53は、芯金51から径方向に遠ざかった位置になるように、ヒータ駆動手段53Aによる位置設定がされていたが、本工程において、図4に実線で示すように、芯金51に対して接近する位置になるように、ヒータ53がヒータ駆動手段53Aによって径方向中心向きに移動される。
このとき、ヒータ駆動手段53Aは、ヒータ53が熱収縮チューブ14から径方向に多少離間した位置となるように移動させるが、熱収縮チューブ14にヒータ53内周面が接触させることもできる。
次いで、図6に示すヒータ加熱開始工程S06として、制御部55によって、ヒータ53に電力を供給し、加熱を開始する。すると、まず、ヒータ53に対して最外位置で最近接している熱収縮チューブ14が加温されて径方向に収縮し、図2に矢印で示すように、接合部13に対して、中心に向けて全周から圧縮するように作用力が発生する。これにより、熱収縮チューブ14が縮径して、接合部13となる外チューブ12表面およびその周辺の内チューブ11表面に内面全体が当接して加圧する状態になる。
次いで、図6に示す外チューブ軟化開始工程S07として、ヒータ53の温度上昇にともない、まず、外チューブ12が軟化する。このとき、熱収縮チューブ14が縮径するように外チューブ12を軸中心に向けて押圧しているので、内チューブ11に向けて、縮径するように圧力が作用することになる。この状態では、内チューブ11は軟化しておらず、内チューブ11と芯金51との間には隙間が存在し、内チューブ11が芯金51にはほとんど接触しておらず、軸回転トルクの増加要因は存在しない。このため、図5に示すトルクは、溶融度M1に対応するトルク値T0で初期値からほぼ変化していない。
次いで、図6に示す内チューブ軟化開始工程S08として、ヒータ53の温度上昇にともない、内チューブ11が軟化し始める。このとき、熱収縮チューブ14は縮径するように外チューブ12および内チューブ11を軸中心に向けて押圧しているので、内チューブ11に向けて、縮径するように圧力が作用することになる。軟化した内チューブ11は、熱収縮チューブ14の縮径力によって、芯金51に接触するように変形してゆき、軸回転トルクが次第に増加してゆく。このため、図5に示すように、溶融度に応じてトルクの値が右向きに上昇し、溶融度M2に対応するトルク値T2となる。
次いで、図6に示すトルク上昇工程(融解工程)S09として、ヒータ53による加熱を持続し、温度を上昇させる。この間も、熱収縮チューブ14の縮径力が外チューブ12および内チューブ11に作用している。これにより、図3に示すように、軟化(融解)した外チューブ12の先端12aは、熱収縮チューブ14の縮径力によって傾斜してくるとともに、軟化(融解)した内チューブ11の先端11aも熱収縮チューブ14の縮径力によって傾斜するようになる。同時に、軟化した内チューブ11が、熱収縮チューブ14の縮径力によって縮径し、内面が芯金51に接触するように縮径してゆき、芯金51の回転トルクが上昇することになる。
次いで、図6に示すトルク閾値越え判断工程(融解工程)S10として、検出されるトルク値が、トルク閾値設定工程S00で設定されたトルク閾値T3に達したかどうかを判断し、検出されたトルク値がトルク閾値T3を越えていない場合には、トルク上昇工程S09にもどって、ヒータ53による加熱を継続する。検出されたトルク値がトルク閾値T3を越えた場合には、ヒータ加熱停止工程S11に進み、ヒータ53による加熱を停止するよう制御部55によりヒータ53動作の制御をおこなう。これにより、接合部13における外チューブ12および内チューブ11における軟化融解状態が所定の状態となった状態で加熱を終了し、この軟化融解状態をトルク閾値越え判断工程S10で設定した状態となるように制御する。
次いで、図6に示すヒータ加熱停止工程S11として、ヒータ53による加熱を停止するよう制御部55によりヒータ53動作の制御をおこなう。この状態では、図3に示すように外チューブ12の先端12aは傾斜しているとともに、内チューブ11の先端11aも傾斜した状態となっている。この状態では、モータ54の駆動は停止しない。
次いで、図6に示すヒータ離間工程S12として、図4に実線で示すように、芯金51から径方向に近づいた位置にあったヒータ53を、ヒータ駆動手段53Aによって、図4に破線で示すように、芯金51に対して離間した位置になるように、ヒータ53がヒータ駆動手段53Aによって径方向外側向きに移動させる。これにより、金型ブロックとされているヒータ53は、ブロックに分割した状態となる。
次いで、図6に示す芯金除去工程S13として、少なくとも接合部13から芯金51を除去し、接合部13を冷却する。
次いで、図6に示す接合部冷却工程S14として、接合部13を完全に冷却し、外チューブ12と内チューブ11とを融着する。
次いで、図6に示す熱収縮チューブ除去工程S15として、縮径して外チューブ12および内チューブ11の外周面に密着するように縮径した熱収縮チューブ14を断裂して剥ぎ取ることでこれを除去し、融着したチューブ10を完成する。
本実施形態におけるチューブ融着方法によれば、加熱により軟化(融解)した外チューブ12および内チューブ11を、熱収縮チューブ14の縮径力により融着するとともに、この軟化(融解)状態を、芯金51の回転トルクでモニターしながら加熱をおこなうことで、融着状態を所定の状態に制御して、融解しすぎること、あるいは、融着が不足することを防止することが可能となる。
また、接合部13の内側となる内チューブ11を外側の外チューブ12に対して挿入する内チューブ挿入工程S01と、内チューブ11への芯金51を挿通する芯金挿入工程S02とは、どちらを先におこなってもよい。
また、芯金51の回転を開始する芯金回転開始工程S04と、接合部13の加熱を開始するヒータ接近工程S05およびヒータ加熱開始工程S06とは、これらの開始がどちらを先にしてもかまわない。
なお、内チューブ11に挿通した芯金51を回転トルクは、図5に示すように、初期値T0から加熱時間に対応した溶融度によって上昇し、内チューブ11の軟化(融解)が所定の状態となる終状態で一定となる。このような溶融度に対するトルクの進行度合いに応じて、芯金51の回転トルクが変化することを利用するものである。
上記のように、内チューブ11の内側の軟化融解と芯金51の軸回転との関係のみで、接合部13の加熱状態を制御することが可能なため、内チューブ11の内径が同じであれば、異なる規格を有するチューブ、例えば、外径寸法の異なる内チューブ11、内径寸法の異なる外チューブ12、外径寸法の異なる外チューブ12、肉厚の異なる外チューブ12および内チューブ11、材質の異なる外チューブ12および内チューブ11、に対応して融着状態を好ましい範囲に維持することができる。したがって、チューブのサイズや種類を違えて熱の伝わり方が異なる場合でも、融着品質を安定して保証することが可能となる。
なお、異なる条件で融着をおこなう場合には、それぞれの条件に対応して、トルク閾値設定工程S00において、それぞれで加熱終了とする軸回転トルクのトルク閾値T3を設定しておく。
本実施形態のヒータ接近工程S05およびヒータ加熱開始工程S06中において、芯金51の軸回転トルクTが所定のトルク閾値T3を上回ったら、接合部13の加熱を停止するように制御部55がヒータ53を制御することにより、軸回転トルクTの値に対応して、あらかじめ設定した状態まで内チューブ11が軟化・融解した時点で、接合部13付近の加熱を終了することが可能となる。これにより、充分な融解状態で加熱を終了することができ、融着が不足することを防止することができる。また、融解状態が過剰にとなる前に加熱を終了することができ、接合部13が不必要に変形してしまう等の不具合を防止することが可能となる。
このように、トルク閾値設定工程S00において、あらかじめ条件に合わせて、トルク閾値T3の制御のみで、接合部13の加熱終了を決定することで、内チューブ11の内側の軟化融解を好適に制御することが可能となる。
本実施形態のヒータ接近工程S05およびヒータ加熱開始工程S06中において、接合部13を含むその軸方向両側領域には、外チューブ12外側周囲に熱収縮チューブ14が被せられていることにより、加熱により軟化した外チューブ12および内チューブ11を自身も加熱された熱収縮チューブ14が縮径する方向に押圧することで、軟化した内チューブ11内側が芯金51に接触して、芯金51の回転トルクTを確実に変化させることができ、加熱終了時点を確実に制御して融着品質を所定の状態に維持することができる。
本実施形態のヒータ接近工程S05およびヒータ加熱開始工程S06中において、接合部13では、内チューブ11軟化した時点では、外チューブ12は内チューブ11と同時か既に軟化していることにより、内側の内チューブ11が軟化して芯金51に接触し回転トルクTが変化したときには、外側の外チューブ12も確実に融解・軟化しているため、外チューブ12が軟化せずに融着が不足することを防止することができる。
本実施形態において、接合部13では、内チューブ11の内径が芯金51の外径よりも大きく設定されてこれらの間に隙間が存在することにより、軟化することで始めて内チューブ11が縮径して芯金51に接触し、芯金51への回転トルク増加作用を呈することになるため、加熱終了時を精度よく確定することが可能となる。
本実施形態において、トルク検出手段として、制御部55と同一の構成としたが、これを別のセンサとすることができる。例えば、モータ54の回転軸の回転数を検出するエンコーダ等とすることができる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
ここでは、チューブ10として融着する外チューブ12と内チューブ11における諸元を示す。
外チューブ12;PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)
外径寸法;2.95mm
内径寸法;2.25mm
内チューブ11;PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)
外径寸法;1.75mm
内径寸法;1.10mm
接合部13長さ寸法;18mm
熱収縮チューブ;VMQ(シリコーンゴム)
長さ寸法;30mm
このようなチューブ10として、融着をおこない、融着状態確認試験をおこなった。
融着されたチューブ10引っ張り、破断力18N以上を確認した。
上記の結果から、このようなチューブ10において、好適な融着性を呈することが確認できた。
本発明の活用例として、医療用カテーテルチューブを挙げることができる。
10…チューブ
11…内チューブ(第2のチューブ)
11a…先端
12…外チューブ(第1のチューブ)
12a…先端
13…接合部
14…熱収縮チューブ
50…製造装置
51…芯金
52…ホルダ
53…ヒータ(加熱手段)
54…モータ(回転手段)
55…制御部(トルク検出手段、制御部)

Claims (8)

  1. 第1のチューブと第2のチューブとを融着する方法であり、
    前記第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された前記第2のチューブ内に芯金を位置した状態で、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの接合部を加熱しながら、前記第2のチューブに対して前記芯金を軸周りに回転させる融解工程を有し、
    前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクの変化に基づいて、前記接合部の加熱制御をおこなうことを特徴とするチューブ融着方法。
  2. 前記融解工程中において、前記芯金の軸回転トルクが所定の値を上回ったら、前記接合部の加熱を停止するように制御することを特徴とする請求項1記載のチューブ融着方法。
  3. 前記融解工程中において、前記接合部の前記第2のチューブ外側周囲に熱収縮チューブが被せられていることを特徴とする請求項1または2記載のチューブ融着方法。
  4. 前記融解工程中において、前記接合部では、前記第2のチューブを前記第1のチューブと同時に軟化させるか、前記第1のチューブを前記第2のチューブより先に軟化させることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のチューブ融着方法。
  5. 前記融解工程前において、前記接合部では、前記第2のチューブの内径が前記芯金の外径よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のチューブ融着方法。
  6. 第1のチューブと該第1のチューブ内に少なくとも一部が挿入された第2のチューブとを融着するチューブ融着装置であり、
    互いに融着される接合部となる位置で前記第2のチューブ内に挿入可能な芯金と、
    前記第2のチューブ内に前記芯金を挿入した状態で該第2のチューブを保持するホルダと、
    前記第1のチューブ内に少なくとも前記第2のチューブの一部が挿入された前記接合部となる位置を加熱する加熱手段と、
    挿入された前記第2のチューブに対して前記芯金を軸周りに回転させる回転手段と、
    前記回転手段の軸回転トルクを検出するトルク検出手段と、
    前記トルク検出手段の出力に応じて、前記加熱手段を制御する制御部と、
    を有することを特徴とするチューブ融着装置。
  7. 前記制御部が、前記トルク検出手段の出力が所定の値を上回ったら、前記加熱手段を停止するように制御することを特徴とする請求項6記載のチューブ融着装置。
  8. 前記芯金の外径が、前記第2のチューブの内径よりも小さく設定されることを特徴とする請求項6または7記載のチューブ融着装置。
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