(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100aの構成を示すブロック図である。以下、図1の診断回路1を含む半導体装置100aについて図面を参照しながら説明する。なお、同一機能を有するものについては同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1の半導体装置100aは、診断回路1及び被診断回路10を含む。診断回路1は、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40を含む。また、半導体装置100aは、電源端子VDD、接地端子GND、通知端子T1、及び出力端子OUTを有する。電源端子VDDには電源電圧Vddが供給される。接地端子GNDは、接地電位に設定される。
被診断回路10は、スリープモード機能及びタイマ11を有する。診断回路1の電流測定回路20、及び被診断回路10は、電源端子VDDと接地端子GNDとの間に直列に接続される。電源端子VDDから電流測定回路20を介して被診断回路10に電源電圧Vddが供給される。被診断回路10は、電源電圧Vddの供給開始から一定期間、スリープモード機能によりスリープモードとなる。スリープモードとは、電源電圧Vddは供給されているが、被診断回路10が動作していない状態をいう。被診断回路10は、スリープモードになると、信号線P10を介して診断回路1の電流測定回路20にスリープ信号S10を出力する。それにより、電流測定回路20が動作する。その結果、電源端子VDDから電流測定回路20を介して被診断回路10に静止電流I20が流れる。静止電流とは、被診断回路10が動作していない状態である場合に、被診断回路10に流れる電流をいう。ここで、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在する場合には、回路素子の構造が正常である場合とは異なる大きさの静止電流I20が流れる。構造不良には、例えば、被診断回路10の内部のトランジスタが壊れてリーク電流が大きい場合、MOSトランジスタ(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)のしきい値電圧が基準値から大きく外れている場合、抵抗の抵抗値がばらつきにより基準値から大きく外れている場合、キャパシタのキャパシタンスがばらつきにより基準値から大きく外れている場合、配線が切断又はショートしている場合等である。
電流測定回路20は、電圧比較回路40に接続され、被診断回路10に流れる静止電流I20の大きさに応じた測定電圧V20を生成し、電圧比較回路40に出力する。
基準電圧生成回路30は、電圧比較回路40に接続され、基準電圧V30a及びV30bの少なくとも1つを生成し、電圧比較回路40に出力する。基準電圧V30a及びV30bは、測定電圧V20が所定の範囲内であるかどうかを判定する基準となる。電圧比較回路40がウインドコンパレータで構成される場合には、基準電圧V30a及びV30bの2つが用いられる。電圧比較回路40が1段のコンパレータで構成される場合には、基準電圧V30a及びV30bのいずれか1つが用いられれば十分である。
電圧比較回路40は、半導体装置100aの通知端子T1に接続される。例えば、電圧比較回路40が1段のコンパレータで構成される場合には、測定電圧V20と基準電圧V30a及びV30bのいずれか一方とが比較され、比較結果に応じた通知信号S40が生成され、通知端子T1に出力される。電圧比較回路40は、例えば、測定電圧V20が基準電圧V30a以上(V20≧V30a)である場合には、ハイレベルの通知信号S40が出力され、測定電圧V20が基準電圧V30よりも低い場合(V20<V30a)には、ローレベルの通知信号S40が出力される。通知信号S40が、例えば、ローレベルである場合には、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在し、通知信号S40がハイレベルである場合には、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在しないとして正常異常判定がなされる。
また、電圧比較回路40にウインドコンパレータが用いられる場合には、基準電圧V30a及びV30bの2つが用いられる。例えば、測定電圧V20が、V30b≦V20≦V30aであるときには被診断回路10は正常とし、V20<V30b、又はV20>V30aであるときには異常としてそれぞれ判定される。
なお、半導体装置100aの通知端子T1には、図示しない他のIC(Integrated Circuit)が接続される。図示しない他のICには、通知端子T1を介して通知信号S40が入力される。被診断回路10の診断結果が異常である場合には、図示しない他のICは、例えば、半導体装置100aへの電力供給を停止させる、半導体装置100aへのクロック信号の供給を停止させる、図示しない表示機器へ診断結果が異常である旨の通知を行う等の制御を行う。
被診断回路10は、半導体装置100aの出力端子OUTに接続され、出力端子OUTには、負荷90が接続される。負荷90としては、例えば、モータ、LED(発光ダイオード)等がある。被診断回路10の診断結果が正常である場合には、電源電圧Vddの供給開始から一定期間が経過すると、タイマ11により被診断回路10のスリープモードが解除される。その結果、被診断回路10は、ノーマルモードに遷移する。被診断回路10は、ノーマルモードになると、電流測定回路20にスリープ信号S10を出力しない。そのため、電流測定回路20は、動作を停止する。その結果、電源端子VDDから電流測定回路20を介して被診断回路10に電源電圧Vddが供給される。それにより、被診断回路10は、出力端子OUTに出力信号S100を出力し、負荷90を駆動する。
被診断回路10のノーマルモード時には、被診断回路10に流れる電流が大きく変動するため、被診断回路10の内部の構造不良を検出することが困難である。しかし、図1の第1の実施の形態の半導体装置100aは、被診断回路10がスリープモードになった際に、静止電流I20の大きさにより被診断回路10の内部の回路素子の構造不良を検出し、通知信号S40として通知端子T1に出力する。そのため、半導体集積回路の構造不良をより高精度で検出することが可能である。また、被診断回路10にスリープ機能が内蔵されているため、外部からスリープモードにする必要はなくなる。
なお、診断回路1は、被診断回路10と接地端子GNDとの間に接続されてもかまわない。また、診断回路1の基準電圧生成回路30は、半導体装置100aの外部に設けられてもよい。この場合、基準電圧V30a及びV30bの少なくとも1つを入力するための端子が必要となるが、基準電圧V30a及びV30bの高さをそれぞれ単独に調整することが容易になる。
図2Aは、図1の本発明の第1の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100aの詳細な構成を示す第1の回路図である。以下、図2Aの診断回路1を含む半導体装置100aaについて図面を参照しながら説明する。
図2Aの半導体装置100aaは、診断回路1及び被診断回路10を含む。診断回路1は、電流測定回路20aa、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40を含む。また、半導体装置100aaは、電源端子VDD、接地端子GND、通知端子T1、及び出力端子OUTを有する。電源端子VDDには電源電圧Vddが与えられる。接地端子GNDは、接地電位に設定される。電流測定回路20aa及び被診断回路10は直列に接続され、電流測定回路20aaは電源端子VDDに被診断回路10は接地端子GNDにそれぞれ接続される。
被診断回路10は、スリープモード機能及びタイマ11を有する。被診断回路10はスリープモードとノーマルモードの2つのモード間で互いに移行できるように制御される。診断回路1の電流測定回路20aaは、PMOSトランジスタ(Pチャネル型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)Q20aa及び抵抗R20aaを含む。被診断回路10は、電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaのドレインDと接地端子GNDとの間に接続される。被診断回路10は、信号線P10を介して電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaのゲートGに接続される。電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaのソースSは、電源端子VDDに接続される。PMOSトランジスタQ20aaの主導電路はソースSとドレインDとの間に形成される。PMOSトランジスタQ20aaの主導電路と抵抗R20aaは並列に接続される。PMOSトランジスタQ20aaは抵抗R20aaを短絡させるスイッチとして働く。スリープ信号S10によって、被診断回路10がスリープモードのときはPMOSトランジスタQ20aaがオフされ、ノーマルモードのときはPMOSトランジスタQ20aaがオンされるように、PMOSトランジスタQ20aaのゲートGが制御される。
被診断回路10がスリープモードのときは、PMOSトランジスタQ20aaがオフするように、スリープ信号S10が被診断回路10からPMOSトランジスタQ20aaのゲートGに印加される。したがって、被診断回路10がスリープモードのときは、静止電流I20が抵抗R20aaを介して被診断回路10に流れる。静止電流とは、スリープモード時に被診断回路10に流れる電流のことである。
被診断回路10がノーマルモードのときは、PMOSトランジスタQ20aaがオンするように、スリープ信号S10が被診断回路10からPMOSトランジスタQ20aaのゲートGに印加される。したがって、被診断回路10がノーマルモードのときは、その主導電路すなわちソースSとドレインDとの間に電流が流れる。PMOSトランジスタQ20aaがオンしたときのオン抵抗すなわちソースSとドレインDとの間の抵抗値は抵抗R20aaの抵抗値に比べて十分に小さいので、電源端子VDDから抵抗R20aaを介さずにPMOSトランジスタQ20aaの主導電路を介して被診断回路10に電流が供給される。
抵抗R20aaの大きさは、電源電圧Vdd、静止電流I20、及び電圧比較回路40の回路構成とダイナミックレンジ等によって決められる。抵抗R20aaの大きさは、例えば、1kΩ〜500kΩである。PMOSトランジスタQ20aaのオン抵抗は、例えば、10mΩ〜10Ωである。したがって、抵抗R20aaは、PMOSトランジスタのオン抵抗の100倍から50000000倍の範囲となる。被診断回路10のノーマルモードでの動作を考慮するとPMOSトランジスタのオン抵抗は小さいほどよい。
電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaのドレインDは、電圧比較回路40のコンパレータCMP40の非反転入力端子(+)に接続される。電流測定回路20の抵抗R20aaは、PMOSトランジスタQ20aaのソースSとドレインDとの主導電路と並列に接続される。
被診断回路10は、電源電圧Vddの供給開始から一定期間、スリープモード機能によりスリープモードとなる。被診断回路10は、スリープモードになると、信号線P10を介して診断回路1の電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaのゲートGにスリープ信号S10を出力する。それにより、電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaがオフとなる。その結果、電源端子VDDから電流測定回路20aaの抵抗R20aaを介して被診断回路10に静止電流I20が流れる。ここで、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在する場合には、回路素子の構造が正常である場合とは異なる大きさの静止電流I20が流れる。電流測定回路20aaの抵抗R20aaは、静止電流I20の大きさに応じた測定電圧V20を生成し、電圧比較回路40のコンパレータCMP40の非反転入力端子(+)に出力する。
基準電圧生成回路30は、抵抗R30及び抵抗R31を含む。抵抗R30及び抵抗R31は、電源端子VDDと接地端子GNDとの間に直列に接続される。基準電圧生成回路30の抵抗R30と抵抗R31との共通接続点は、電圧比較回路40のコンパレータCMP40の反転入力端子(−)に接続される。基準電圧生成回路30の抵抗R30と抵抗R31との共通接続点の電圧が基準電圧V30として電圧比較回路40のコンパレータCMP40の反転入力端子(−)に与えられる。基準電圧生成回路30は、後述の電圧比較回路40を動作させる基準電圧(V30)を生成する。なお、前述のように、後述の電圧比較回路40がウインドコンパレータで構成されることを考慮すれば、基準電圧V30に代えて、例えば、図示しない2つの基準電圧V30a及び基準電圧V30bが生成されるのが好ましい。
電圧比較回路40は、コンパレータCMP40を含む。コンパレータCMP40は、スリープモードで抵抗R20aaに流れる静止電流I20の大きさが所定の範囲に入っているか否かを検出するために用いられる。コンパレータCMP40の出力端子は、半導体装置100aaの通知端子T1に接続される。コンパレータCMP40は、測定電圧V20と基準電圧V30とを比較し、比較結果に応じた通知信号S40を生成し、通知端子T1に出力する。電圧比較回路40は、例えば、測定電圧V20が基準電圧V30以上である高い場合にはハイレベルの通知信号を出力し、測定電圧V20が基準電圧V30よりも低い場合には、ローレベルの通知信号を出力する。なお、図2Aに示した電圧比較回路40は、1段のコンパレータCMP40で構成されているが、図示しない2段以上のコンパレータによりウインドコンパレータが構成されてもよい。
被診断回路10は、半導体装置100aaの出力端子OUTに接続される。出力端子OUTには、負荷90が接続される。負荷90としては、例えば、モータ、LED等がある。被診断回路10の診断結果が正常である場合には、電源電圧Vddの供給開始から一定期間が経過すると、タイマ11により被診断回路10のスリープモードが解除される。その結果、被診断回路10は、ノーマルモードに遷移する。被診断回路10は、ノーマルモードになると、スリープ信号S10を出力しないため、電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaはオンとなる。その結果、電源端子VDDから電流測定回路20aaのPMOSトランジスタQ20aaを介して被診断回路10に電源電圧Vddが供給される。それにより、被診断回路10は、出力端子OUTに出力信号S100を出力し、負荷90を駆動する。なお、被診断回路10内のスリープ信号S10を生成するための図示しないスリープ信号生成回路には、電源電圧Vddが直接供給されてもよい。すなわち、スリープ信号S10は、電源電圧Vddが直接供給されることにより生成されるドライバ出力であってもよい。
被診断回路10がノーマルモードで動作している場合は、被診断回路10に流れる電流が大きく変動するため、被診断回路10の内部の構造不良を検出することが困難である。しかし、図2Aの第1の実施の形態の半導体装置100aは、被診断回路10がスリープモードになった際に、静止電流I20の大きさにより被診断回路10の内部の回路素子の構造不良を検出し、通知信号S40として通知端子T1に出力する。そのため、半導体集積回路の構造不良をより高精度に検出することが可能である。
図2Bは、図2Aとは電流測定回路20abが異なる。図2Bでは、電流測定回路20abにバイポーラ形であるPNPトランジスタQ20abが用いられている。この点で図2Aとは異なる。PNPトランジスタQ20abの主導電路と並列に抵抗R20abが接続される。抵抗R20abの抵抗値は、例えば、1kΩ〜500kΩである。PNPトランジスタQ20abの主導電路は、エミッタEとコレクタCとの間に形成される。PNPトランジスタQ20abをオン、オフさせるスリープ信号S10は、被診断回路10から信号線P10を介してPNPトランジスタQ20abのベースBに印加される。被診断回路10がノーマルモード時には、PNPトランジスタQ20abはオンであり、その主導電路を介して被診断回路10に電流が流れる。スリープモード時には、PNPトランジスタQ20abはオフであり、抵抗R20abを介して被診断回路10に静止電流I20が流れる。抵抗R20abにより静止電流I20は電圧に変換される。変換された測定電圧V20は、電圧比較回路40で基準電圧V30と比較される。図2Bでは、電流測定回路20ab以外の構成は図2Aと同じであるので説明を省略する。
図2Cは、図2A、図2Bとは電流測定回路20acが異なる。図2Cでは、電流測定回路20acにMOSトランジスタが用いられている。この点は図2Aと同じであるが、電流測定回路20acが接地電位GND側に接続される点が相違する。NMOSトランジスタQ20acの主導電路は、ドレインDとソースSとの間に形成される。図2Cも図2Aと同様に、抵抗がMOSトランジスタの主導電路と並列に接続される。抵抗R20acの抵抗値は、例えば、1kΩ〜500kΩである。NMOSトランジスタQ20acをオン、オフさせるスリープ信号S10は、被診断回路10から信号線P10を介してNMOSトランジスタQ20acのゲートGに印加される。被診断回路10がノーマルモード時には、NMOSトランジスタQ20acはオンであり、NMOSトランジスタQ20acの主導電路を介して被診断回路10に電流が流れる。スリープモード時には、NMOSトランジスタQ20acはオフであり、被診断回路10から抵抗R20acを介して接地電位GND側に静止電流I20が流れる。抵抗R20acにより静止電流I20は電圧に変換される。変換された測定電圧V20は、電圧比較回路40で基準電圧V30と比較される。図2Cでは、電流測定回路20acが接地端子側に、被診断回路10が電源端子VDD側にそれぞれ接続される以外の構成は図2Aと同じであるので説明は省略する。
図2Dは、図2A、図2B、及び図2Cとは電流測定回路20adが異なる。図2Dでは、電流測定回路20adにバイポーラ形であるNPNトランジスタQ20adが用いられている。この点で図2Bとは異なる。抵抗R20adはNPNトランジスタQ20adの主導電路と並列に接続される。抵抗R20adの抵抗値は、例えば、1kΩ〜500kΩである。NPNトランジスタQ20adの主導電路は、コレクタCとエミッタEとの間に形成される。NPNトランジスタQ20adをオン、オフさせるスリープ信号S10は、被診断回路10から信号線P10を介してNPNトランジスタQ20adのベースBに印加される。被診断回路10がノーマルモード時は、NPNトランジスタQ20adはオンであり、被診断回路10からNPNトランジスタQ20adの主導電路を介して電流が流れる。スリープモード時は、NPNトランジスタQ20adはオフであり、被診断回路10側から抵抗R20adを介して静止電流I20が流れる。抵抗R20adにより静止電流I20は電圧に変換される。変換された測定電圧V20は、電圧比較回路40で基準電圧V30と比較される。図2Dでは、電流測定回路20ad以外の構成は、図2A、図2B、及び図2Cと同じであるので説明は省略する。
なお、第1の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100bの構成を示すブロック図である。以下、図3の診断回路1を含む半導体装置100bについて図面を参照しながら説明する。
図3の半導体装置100bが図1の半導体装置100aと異なるのは以下の点である。
図3の半導体装置100bの信号線P10は、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40に接続される。すなわち、スリープ信号S10によって、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40の3つが同時に制御される。なお、図1の半導体装置100aの信号線P10は、電流測定回路20に接続される。
被診断回路10は、スリープモードになると、信号線P10を介して診断回路1の電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40にスリープ信号S10を出力する。それにより、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40が動作する。
一方、被診断回路10は、ノーマルモードになると、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40にスリープ信号S10を出力しない。そのため、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40は動作を停止する。その結果、図3の第2の実施の形態の半導体装置100bでは、図1の第1の実施の形態の半導体装置100aよりも、消費電力が低減される。
図4は、図3の本発明の第2の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100bの詳細な構成を示す回路図である。以下、図4の診断回路1を含む半導体装置100bについて図面を参照しながら説明する。
図4の半導体装置100bが図2Aの半導体装置100aaと異なるのは以下の点である。
図4の半導体装置100bでは、図2Aの半導体装置100aaの基準電圧生成回路30の抵抗R30に代えて定電流源CC30が用いられる。また、基準電圧生成回路30がスイッチSW30を含む。スイッチSW30は、定電流源CC30と抵抗R31との間に接続される。スイッチSW30と抵抗R31との共通接続点は、電圧比較回路CMP40の反転入力端子(−)に接続される。なお、スイッチSW30には、例えば、PMOSトランジスタ(Pチャネル型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)、バイポーラ形のPNPトランジスタ等が用いられてもよい。
図4の半導体装置100bでは、電圧比較回路40がスイッチSW40を含む。スイッチSW40は、電源端子VDDとコンパレータCMP40との間の電源供給経路に接続される。なお、スイッチSW40には、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ等が用いられてもよい。
図4の半導体装置100bの診断回路1の信号線P10は、電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20のゲートG、基準電圧生成回路30のスイッチSW30の制御端子、及び電圧比較回路40のスイッチSW40の制御端子に接続される。なお、図2Aの半導体装置100aaの診断回路1の信号線P10は、電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20aaのゲートGに接続される。
被診断回路10は、スリープモードになると、信号線P10を介して電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20のゲートG、基準電圧生成回路30のスイッチSW30の制御端子、及び電圧比較回路40のスイッチSW40の制御端子にスリープ信号S10を出力する。それにより、電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20がオフ状態となり、基準電圧生成回路30のスイッチSW30がオン状態となり、電圧比較回路40のスイッチSW40がオン状態となる。すなわち、被診断回路10は、スリープモードになると、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40が動作する。
一方、被診断回路10は、ノーマルモードになると、電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20のゲートG、基準電圧生成回路30のスイッチSW30の制御端子、及び電圧比較回路40のスイッチSW40の制御端子にスリープ信号S10を出力しない。それにより、電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20がオン状態となり、基準電圧生成回路30のスイッチSW30がオフ状態となり、電圧比較回路40のスイッチSW40がオフ状態となる。すなわち、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40は動作を停止する。
以上のように、被診断回路10は、ノーマルモードになると電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40の動作を停止させる。そのため、図4の第2の実施の形態の半導体装置100bでは、図2Aの第1の実施の形態の半導体装置100aaよりも、消費電力が低減される。
なお、第2の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100cの構成を示すブロック図である。以下、図5の診断回路1を含む半導体装置100cについて図面を参照しながら説明する。
図5の半導体装置100cが図3の半導体装置100bと異なるのは以下の点である。
図5の半導体装置100cには、スリープ端子T2が設けられ、半導体装置100cの外部からスリープ端子T2に外部スイッチSW1が接続される。外部スイッチSW1によりスリープモード機能のオンオフ状態を切り替えることが可能となる。なお、図3の半導体装置100bの被診断回路10は、電源電圧Vddの供給開始から一定期間、スリープモード機能によりスリープモードとなる。
図5の半導体装置100cにおいては、図示しない外部の回路が外部スイッチSW1を制御することにより任意のタイミングで被診断回路10のスリープモード機能のオンオフ状態を切り替えることができる。そのため、任意のタイミングで被診断回路10の診断を行うことができる。また、外部の回路構成によっては、被診断回路10の診断の頻度を調整することが可能になる。さらに、被診断回路10のスリープモード機能をオフにすることにより、何度も被診断回路10の診断が行われないように制御することが可能となる。
なお、スリープモード機能と診断機能とが分離され、図示しないスリープモード機能用スリープ端子及び端子スイッチと図示しない診断機能用スリープ端子及び端子スイッチとが設けられ、スリープモード用機能端子スイッチのみが有効となるスイッチ状態になったときにスリープ信号S10が電流測定回路のみに供給されるようにし、診断機能用端子スイッチ及びスリープモード用機能端子スイッチの双方が有効となるスイッチ状態になったときにのみ診断用の信号が基準電圧生成回路30及び電圧比較回路40に供給されるようにしてもよい。この場合、スリープモード時の消費電力がより低減される。
なお、第3の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100dの構成を示すブロック図である。以下、図6の診断回路1を含む半導体装置100dについて図面を参照しながら説明する。
図6の半導体装置100dが図3の半導体装置100bと異なるのは以下の点である。図6の半導体装置100dは、通信端子T3をさらに備え、被診断回路10は、通信回路12及びレジスタ13をさらに備える。
半導体装置100dの被診断回路10の通信回路12は、被診断回路10のレジスタ13に接続される。レジスタ13には、被診断回路10の通常のセッティングデータに加え、スリープ機能のオンオフ状態に関するセッティングデータが格納される。被診断回路10の通信回路12は、半導体装置100dの通信端子T3に接続される。半導体装置100dの通知端子T1及び通信端子T3は、それぞれ半導体装置100dの外部のマイコン200の各端子に接続される。半導体装置100dは、被診断回路10がスリープモードになると被診断回路10の診断を行い、その診断結果を通知信号S40としてマイコン200へ出力する。
マイコン200は、半導体装置100dの通知端子T3を介して、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、IIC(Inter Integrated Circuit)通信、SENT(Single−Edge Nibble Transmission)通信等により被診断回路10のスリープモード機能のオンオフのセッティングデータを被診断回路10の通信回路12を介して被診断回路10のレジスタ13に格納する。SPI通信とは、同期式シリアル通信の一つである。マイコン200は、レジスタ13に格納するセッティングデータにより被診断回路10のスリープモード機能のオンオフ状態を制御する。また、マイコン200は、電源IC300に接続され、電源IC300を制御する。
電源IC300は、半導体装置100dの電源端子VDDに接続され、半導体装置100dに電力を供給する。
被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在すると判定された場合には、マイコン200は、電源IC300を制御し、半導体装置100dへの電力の供給を停止させる。一方、回路素子の構造が正常であると判定された場合には、マイコン200は、半導体装置100dが正常に動作するように電源IC300を制御し、電力を供給させる。
以上のように、被診断回路10に通信回路12が存在する場合には、半導体装置100dの診断のタイミングをマイコン200により制御することが可能である。それにより、任意のタイミングで被診断回路10のスリープモード機能のオンオフ状態を切り替え、被診断回路10の診断を行うことができる。また、被診断回路10の診断の頻度を調整することが可能になる。さらに、被診断回路10のスリープモード機能をオフにすることにより、何度も被診断回路10の診断が行われないように制御することが可能となる。
なお、スリープモード機能と診断機能とが分離され、レジスタ13にスリープモード機能用ビットと診断機能用ビットとが設けられ、スリープモード機能用ビットが所定の値である場合に、スリープ信号S10が電流測定回路のみに供給されるようにし、スリープモード機能用ビット及び診断機能用ビットの双方が所定の値である場合にのみ診断用の信号が基準電圧生成回路30及び電圧比較回路40に供給されるようにしてもよい。この場合、スリープモード時の消費電力がより低減される。
なお、電圧比較回路40の通知信号S40が被診断回路10の通信回路12に入力され、通信回路12がマイコン200に被診断回路10の診断結果を通知するようにしてもよい。この場合、通知端子T1が不要となる。また、被診断回路10の診断結果がマイコン200に通知された際に、マイコン200が通信端子T3を介して被診断回路10の動作を停止させるようにしてもよい。
なお、第4の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第5の実施の形態)
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100eの構成を示すブロック図である。以下、図7の診断回路1を含む半導体装置100eについて図面を参照しながら説明する。
図7の半導体装置100eが図3の半導体装置100bと異なるのは以下の点である。
図7の半導体装置100eは、判定信号生成回路50を有する。被診断回路10は通常機能ブロック14及び安全対策機能ブロック15から構成される。診断回路1の電圧比較回路40の通知信号S40は、被診断回路10の安全対策機能ブロック15に出力される。安全対策機能ブロック15は、電圧比較回路40からの通知信号S40に応じて動作し、通常機能ブロック14を制御する。安全対策機能ブロック15は、通常機能ブロック14の制御結果を制御結果信号S11として判定信号生成回路50に出力する。判定信号生成回路50は、制御結果信号S11に応じた判定結果を判定信号S50として通知端子T1に出力する。
被診断回路10の診断結果が正常である場合には、安全対策機能ブロック15は、被診断回路10が正常である旨の制御結果信号S11を生成し、判定信号生成回路50に出力する。判定信号生成回路50は、被診断回路10が正常である旨の判定信号S50を生成し、通知端子T1に出力する。
被診断回路10の診断結果が異常である場合には、安全対策機能ブロック15は、被診断回路10の通常機能ブロック14に安全対策処理を施す。安全対策処理とは、具体的には、通常機能ブロック14の動作を停止させる、通常機能ブロック14の論理レベルを固定する、通常機能ブロック14への電力供給を停止させる等である。その後、安全対策機能ブロック15は、通常機能ブロック14から安全対策処理が完了したことを示す信号を受け取るか電圧比較回路40から被診断回路10が正常であることを示す通知信号S40を受け取ると、通常機能ブロック14に安全対策処理を施した旨の制御結果信号S11を生成し、判定信号生成回路50に出力する。判定信号生成回路50は、通常機能ブロック14に安全対策処理を施した旨の判定信号S50を生成し、通知端子T1に出力する。
被診断回路10の診断結果が異常である場合であって、安全対策機能ブロック15による被診断回路10の通常機能ブロック14の安全対策処理が不能である場合には、安全対策機能ブロック15は、通常機能ブロック14への安全対策処理が不能である旨の制御結果信号S11を生成し、判定信号生成回路50に出力する。判定信号生成回路50は、通常機能ブロック14への安全対策処理が不能である旨の判定信号S50を生成し、通知端子T1に出力する。ここで、安全対策処理が不能であるとは、例えば、安全対策処理が完了したことを示す信号が通常機能ブロック14から安全対策機能ブロック15に返ってこない場合、通常機能ブロック14の電力供給が停止されたにも関わらず被診断回路10の診断結果が異常である旨の通知信号S40が電圧比較回路40から安全対策機能ブロック15に出力されている場合等をいう。後者の場合は、安全対策機能ブロック15自体に構造不良が存在し、安全対策機能ブロック15の正常動作が担保されていないため、安全対策処理が不能であると判断されることになる。
なお、被診断回路10の診断結果が異常である場合に、安全対策機能ブロック15は、図示しないI/O回路への信号を遮断してもよい。また、安全対策機能ブロック15は、被診断回路10に接続される図示しない他の回路への信号をハイレベル又はローレベルの安全な論理レベルに固定するように制御してもよい。
以上のように、被診断回路10に構造不良が存在する場合には、安全対策機能ブロック15が周囲の回路の動作を停止させることが可能になり、半導体装置100eに接続された他の回路の異常動作を防止することができる。また、被診断回路10の動作を止めるため、被診断回路の発熱等を防止することができる。
図8は、図7の診断回路1を含む半導体装置100eの判定信号S50の一例を示すタイミングチャートである。判定信号生成回路50は、判定信号S50を三値レベルで出力されるように構成される。三値レベルの1つのレベルは低レベルLであり、例えば、0Vに設定される。三値レベルの2つのレベルは中間レベルであり、例えば、電源電圧vddの1/2の大きさに設定される。三値レベルの3つのレベルは高レベルであり、例えば、電源電圧vddと同じレベルに設定される。判定信号生成回路50から三値を出力する方法では、出力端子が1つで十分であるが中間レベルを生成する回路部が必要となる。以下、図8の診断回路1を含む半導体装置100eについて図7を参照しながら説明する。
図8のタイミングチャートにおいて、縦軸は判定信号S50の電圧Vを示し、横軸は時刻Tを示している。
時刻T0から時刻T1にかけてのローレベルLは、被診断回路10の診断結果が正常であることを示している。この場合、判定信号S50の電圧は0Vである。時刻T1から時刻T2にかけての中間レベルMは、被診断回路10の診断結果は異常であり、通常機能ブロック14への安全対策処理が施されたことを示している。安全対策処理が施された場合とは、具体的には、通常機能ブロック14の動作を停止させる、通常機能ブロック14の論理レベルを固定する、通常機能ブロック14への電力供給を停止させる等により安全対策処理が完了したことを示す信号が通常機能ブロック14から安全対策処理ブロック15に返ってくる場合、通常機能ブロック14の電力供給が停止されたことにより通知信号S40の状態が正常に変化する場合等をいう。これらの場合、判定信号S50の電圧は電源電圧vddの1/2であるVdd/2に設定される。時刻T2以降のハイレベルは、被診断回路10の診断結果は異常であるとともに、安全対策機能ブロック15が通常機能ブロック14の安全対策処理も不能であることを示している。この場合、判定信号S50の電圧は電源電圧Vddと同じレベルである。ここで、時刻T2以降は、通常機能ブロック14及び安全対策機能ブロック15の両者が異常である状態を示す。
以上のように、図8の判定信号S50の一例では、判定信号S50の3つのレベルの違いによって判定結果を区別する。このとき、図8に示す3つのレベルを生成する回路が必要となり、判定信号を受け取る側に3つのレベルを判定する回路が必要になる。
図9は、図7の診断回路1を含む半導体装置100eの判定信号S50を図8の三値レベルとは別の信号形態で出力させるタイミングチャートを示す。以下、図9の診断回路1を含む半導体装置100eについて図7を参照しながら説明する。
図9のタイミングチャートにおいて、縦軸は判定信号S50の電圧Vを示し、横軸は時刻Tを示している。
時刻T0から時刻T1にかけてのローレベルLは、被診断回路10の診断結果が正常であることを示している。この場合、判定信号S50の電圧はローレベルLである。時刻T1から時刻T2にかけてのハイレベルHとローレベルLが繰り返えされるパルス信号は、被診断回路10の診断結果が異常であり、安全対策機能ブロック15から通常機能ブロック14への安全対策処理が施されたことを示している。安全対策処理が施された場合とは、具体的には、通常機能ブロック14の動作を停止させる、通常機能ブロック14の論理レベルを固定する、通常機能ブロック14への電力供給を停止させる等により安全対策処理が完了したことを示す信号が通常機能ブロック14から安全対策処理ブロック15に返ってくる場合、通常機能ブロック14の電力供給が停止されたことにより通知信号S40の状態が正常に変化する場合等をいう。これらの場合、判定信号S50はパルス状である。時刻T2以降は、被診断回路10の診断結果は異常であり、安全対策機能ブロック15から通常機能ブロック14への安全対策処理も不能であることを示している。この場合、判定信号S50の電圧は高レベルHを保持する。ここで、時刻T2以降は、通常機能ブロック14及び安全対策機能ブロック15の両者が異常である状態を示す。
以上のように、図9の判定信号S50の一例では、一定レベルの又はパルス状の判定信号S50によって判定結果を区別する。それにより、図8に示す三値レベルを生成する回路は不要となる。しかし、パルス信号を生成する論理回路が必要となり、判定信号を受け取る側にパルス信号幅を測定する回路が必要となる。
なお、第5の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100fの構成を示すブロック図である。以下、図10の診断回路1を含む半導体装置100fについて図面を参照しながら説明する。
図10の半導体装置100fが図7の半導体装置100eと異なるのは以下の点である。
図10の半導体装置100fでは、図7の半導体装置100eの通知端子T1に代えて通知端子T1a及び通知端子T1bの2つの端子が用いられる。判定信号生成回路50は、通知端子T1aに判定信号S50aを出力し、通知端子T1bに判定信号S50bを出力する。図10の半導体装置100fでは、判定信号S50a及び判定信号S50bが図8及び図9に示した判定信号とは別の形態で出力される。すなわち、判定信号S50a及び判定信号50bはハイレベル又はローレベルのいずれかで出力される。判定信号S50a及び判定信号S50bの2つの信号を用いて被診断回路10の3つの状態を通知端子T1a及び通知端子T1bに通知する。
以上のように、図10の半導体装置100fでは、ハイレベル又はローレベルの2つの判定信号を用いて被診断回路10の3つの状態を表すため、通知端子が2つ設けられるが判定信号生成回路50の回路構成が容易になる。また、後述するように2つの判定信号をハイレベルまたはローレベルで出力するので、判定信号生成回路50の後段に接続される各種回路手段の選択が比較的容易になる。
図11は、図10の診断回路1を含む半導体装置100fの判定信号S50a,S50bの一例を示す。
被診断回路10の診断結果が正常状態である場合には、判定信号生成回路50は、ローレベルLの判定信号S50a及びローレベルLの判定信号S50bを生成し、通知端子T1a及び通知端子T1bにそれぞれ出力する。
被診断回路10の診断結果が異常である場合であって、安全対策機能ブロック15により通常機能ブロック14への安全対策処理が施された場合には、判定信号生成回路50は、ローレベルLの判定信号S50a及びハイレベルHの判定信号S50bを生成する。ローレベルLの判定信号S50aを通知端子T1aに出力し、ハイレベルHの判定信号S50bを通知端子T1bに出力する。なお、安全対策処理が施された場合とは、具体的には、通常機能ブロック14の動作を停止させる、通常機能ブロック14の論理レベルを固定する、通常機能ブロック14への電力供給を停止させる等により安全対策処理が完了したことを示す信号が通常機能ブロック14から安全対策処理ブロック15に返ってくる場合、通常機能ブロック14の電力供給が停止されたことにより通知信号S40の状態が正常に変化する場合等をいう。
被診断回路10の診断結果が異常である場合であって、安全対策機能ブロック15が通常機能ブロック14への安全対策処理が不能である場合には、判定信号生成回路50は、ハイレベルHの判定信号S50a及びローレベルLの判定信号S50bを生成する。ハイレベルHの判定信号S50aを通知端子T1aに出力し、ローレベルLの判定信号S50bを通知端子T1bに出力する。こうした状態は、通常機能ブロック14及び安全対策機能ブロック15の両者が異常であることを示す。
なお、被診断回路10の診断結果が異常である場合であって、通常機能ブロック14への安全対策処理が不能である場合には、判定信号生成回路50は、ハイレベルHの判定信号S50a及びハイレベルHの判定信号S50bを生成し、ハイレベルHの判定信号S50aを通知端子T1aに出力し、ハイレベルHの判定信号S50bを通知端子T1bに出力するようにしてもよい。
なお、第6の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第7の実施の形態)
図12は、本発明の第7の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100gの構成を示すブロック図である。診断回路として汎用性をもたせるため、被診断回路10は、半導体装置100gの内部ではなく、その外部に接続される。以下、図12の診断回路1を含む半導体装置100gについて図面を参照しながら説明する。
図12の半導体装置100gが図1の半導体装置100aと異なるのは以下の点である。
図12の半導体装置100gには、スリープ通知端子T4及び測定端子T5が外部端子として設けられる。また、被診断回路10のスリープ通知端子T4a及び測定端子T5aは、それぞれ半導体装置100gのスリープ通知端子T4及び測定端子T5に接続される。
外部の被診断回路10により、スリープ信号S10がスリープ通知端子T4aから半導体装置100gのスリープ通知端子T4に入力されると、半導体装置100gの電源端子VDDから電流測定回路20、測定端子T5、及び測定端子T5aを介して被診断回路10に静止電流I20が流れる。
静止電流I20は、半導体装置100gの電流測定回路20で測定電圧V20に変換さる。測定電圧V20は電圧比較回路40にて基準電圧生成回路30で生成される基準電圧V30と比較される。測定電圧V20と基準電圧V30との比較結果に基づき、電圧比較回路40は通知端子T1に通知信号S40を出力する。電圧比較回路40は、例えば、測定電圧V20が基準電圧V30以上(V20≧V30)である場合にはハイレベルの通知信号S40を出力し、測定電圧V20が基準電圧V30よりも低い場合(V20<V30)には、ローレベルの通知信号S40を出力する。例えば、通知信号S40がローレベルである場合には、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在し、通知信号S40がハイレベルである場合には、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在しないとして正常異常判定がなされる。
また、電圧比較回路40にウインドコンパレータが用いられる場合には、基準電圧V30aと基準電圧V30bとの2つが用いられ、例えば、測定電圧V20が、V30b≦V20≦V30aであるとき被診断回路10は正常とし、V20<V30b、又はV20>V30aであるときは異常としてそれぞれ判定される。
以上のように、図12の半導体装置100gでは、被診断回路10が外部から接続されるため、被診断回路10の交換が容易になる。また、被診断回路10を入れ替えることにより複数の被診断回路10の診断を行うことが可能となる。
なお、第7の実施の形態において、被診断回路10がスリープ信号S10を生成するためには、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路にスリープ信号S10を生成するに足りる電力を供給する必要がある。このスリープ信号S10を安定的に出力させるために、被診断回路10内の図示しないスリープ信号生成回路は直接電源端子VDD又は接地端子GNDに接続されてもよい。この構成は、本発明の趣旨を逸脱するものではない。
(第7の実施形態の具体例)
図13は、図12の本発明の第7の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100gの詳細な構成を示す回路図である。以下、図13の診断回路1を含む半導体装置100gについて図面を参照しながら説明する。
図13の半導体装置100gが図1の半導体装置100aaと異なるのは以下の点である。
図13の半導体装置100gには、スリープ通知端子T4及び測定端子T5が外部端子として設けられる。また、被診断回路10のスリープ通知端子T4a及び測定端子T5aは、それぞれ半導体装置100gのスリープ通知端子T4及び測定端子T5に接続される。
図13の半導体装置100gは、診断回路1を含む。診断回路1は、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、及び電圧比較回路40を含む。
被診断回路10は、スリープモード機能及びタイマ11を有する。被診断回路10のスリープ通知端子T4a及び測定端子T5aは、半導体装置100gのスリープ通知端子T4及び測定端子T5にそれぞれ接続される。半導体装置100gの診断回路1の電流測定回路20は、PMOSトランジスタQ20及び抵抗R20を含む。被診断回路10は、スリープ通知端子T4a及び信号線P10を介して電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20のゲートGに接続される。電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20のソースSは、電源端子VDDに接続される。電流測定回路20のPMOSトランジスタのドレインDは、電圧比較回路40のコンパレータCMP40の非反転入力端子(+)に接続される。電流測定回路20の抵抗R20は、電源端子VDDと測定端子T5との間に接続される。電源端子VDDから電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20及び測定端子T5を介して被診断回路10の電源端子である測定端子T5aに電源電圧Vddが供給される。
被診断回路10は、スリープモード機能によりスリープモードになると、スリープ端子T4a,T4及び信号線P10を介して診断回路1の電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20のゲートGにスリープ信号S10を出力する。それにより、電流測定回路20のPMOSトランジスタQ20がオフ状態となる。その結果、電源端子VDDから電流測定回路20の抵抗R20、及び測定端子T5,T5aを介して被診断回路10に静止電流I20が流れる。ここで、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在した場合には、回路素子の構造が正常である場合とは異なる大きさの静止電流I20が流れる。電流測定回路20の抵抗R20により静止電流I20の大きさに応じた測定電圧V20が生成される。測定電圧V20は、電圧比較回路40のコンパレータCMP40の非反転入力端子(+)に出力される。
基準電圧生成回路30は、抵抗R30及び抵抗R31を含む。抵抗R30及び抵抗R31は、電源端子VDDと接地端子GNDとの間に直列に接続される。基準電圧生成回路30の抵抗R30と抵抗R31との共通接続点は、電圧比較回路40のコンパレータCMP40の反転入力端子(−)に接続される。基準電圧生成回路30の抵抗R30と抵抗R31との共通接続点の電圧が基準電圧V30として電圧比較回路40のコンパレータCMP40の反転入力端子(−)に与えられる。基準電圧生成回路30は抵抗で構成されたものを示したが、バンドギャップ電圧回路や、トランジスタ、ダイオード、抵抗、及び定電流源等の組み合わせにより構成されてもよい。
電圧比較回路40は、コンパレータCMP40を含む。コンパレータCMP40は、電源端子VDDに接続される。また、コンパレータCMP40の出力端子は、半導体装置100gの通知端子T1に接続される。コンパレータCMP40は、測定電圧V20と基準電圧V30とを比較し、比較結果に応じた通知信号S40を生成し、通知端子T1に出力する。電圧比較回路40は、例えば、測定電圧V20が基準電圧V30以上である場合にはハイレベルの通知信号を出力し、測定電圧V20が基準電圧V30よりも低い場合には、ローレベルの通知信号を出力する。電圧比較回路40はコンパレータCMP40の1段で構成されているが、図示しないコンパレータを2段用いてウインドコンパレータが構成されてもよい。
以上のように、図13の第7の実施の形態の半導体装置100gの具体例では、被診断回路10がスリープモードになった際に、静止電流I20の大きさにより被診断回路10の内部の回路素子の構造不良を検出し、通知信号S40として通知端子T1に出力する。そのため、半導体集積回路に存在する比較的検出が難しい構造不良をより高精度に検出することが可能である。また、図13の半導体装置100gでは、被診断回路10が外部から接続されるため、被診断回路10の交換が容易になる。さらに、被診断回路10を入れ替えることにより複数の被診断回路10の診断を行うことが可能となる。
図13にはPMOSトランジスタQ20を用いたが、この替わりにバイポーラ形のPNPトランジスタを用いて被診断回路10に静止電流I20を供給するようにしてもよい。
また、PMOSトランジスタQ20又は図示しないPNPトランジスタを用いずにNMOSトランジスタ又はNPNトランジスタが用いられ、図2C、図2Dに示したように被診断回路10側から静止電流I20が流れるようにしてもよい。
(第8の実施の形態)
図14は、本発明の第8の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100hの構成を示すブロック図である。半導体装置100hは電源レギュレータを含む。以下、半導体装置100hについて図面を参照しながら説明する。
図14の半導体装置100hは、診断回路1、制御回路60、電源レギュレータDR、インバータINV、スイッチSW60、及びスイッチSW61を含む。したがって、半導体装置100hは診断回路1の他に各種の回路部を有していることで図1〜図14の半導体装置とは異なる。診断回路1は、電流測定回路20、基準電圧生成回路30、電圧比較回路40を含む。半導体装置100hには、電源端子VDD、接地端子GND、出力端子OUT、スリープ端子T4等の端子が設けられる。電源レギュレータDRは、被診断回路10の電源端子VCCすなわち、図13に示す測定端子T5aに相当する電源端子に電源電圧を供給するために用いられる。電源レギュレータDRは、リニアレギュレータであるシリーズレギュレータ、シャントレギュレータ等で構成される。なお、電源レギュレータの中には後述するスイッチングレギュレータも含まれる。電源レギュレータDRには電源電圧Vinが供給される。電源電圧Vinは、電流測定回路Vddに供給される電源電圧Vddとは別の電源経路を介して供給される。電源電圧Vinと電源電圧Vddとは、被診断回路10の回路機能によっては同じ大きさである場合もあり異なる場合もある。出力電圧Voutは、電源電圧電源レギュレータDRの出力から取り出される。電源レギュレータDRがリニアレギュレータで構成された場合には、出力電圧Voutは電源電圧Vinよりも小さく、Vout<Vinの関係になる。
スイッチSW61は、スイッチSW60と同様に、第1接点a及び第2接点bを有する。スイッチSW61の第1接点aは出力端子OUTに接続される。スイッチSW61の第2接点bは電源レギュレータDRの出力に接続される。被診断回路10がスリープモードであるときには、スイッチSW61の第1接点aと第2接点bとの接続は電気的に絶縁(オフ)される。それにより、被診断回路10に電源レギュレータDRの出力電圧Voutが印加されない。被診断回路10がノーマルモードであるときには、スイッチSW61の第1接点aと第2接点bとの接続は短絡(オン)される。それにより、被診断回路10に電源レギュレータDRの出力電圧Voutが印加される。
スイッチSW60は、スイッチSW61と同様に、第1接点a及び第2接点bを有する。スイッチSW60の第1接点aは出力端子OUTに接続される。スイッチSW60の第2接点bは診断回路1の電流測定回路20に接続される。被診断回路10がスリープモードであるときには、スイッチSW60の第1接点aと第2接点bとの接続は電気的に短絡(オン)される。それにより、電源電圧Vddが電流測定回路20を介して被診断回路10に印加される。被診断回路10がノーマルモードであるときには、スイッチSW60の第1接点aと第2接点bとの接続は電気的に絶縁(オフ)される。それにより、電流測定回路20と被診断回路10との回路接続は遮断(オフ)される。なお、図13に示したように、電流測定回路20の具体的な回路構成は、トランジスタSW20と抵抗20とが並列された並列接続体でもよく、また抵抗R20単独で構成されてもかまわない。
スイッチSW60は、例えば、制御信号S60がハイレベルのときにオンとなり、ローレベルのときにオフとなる。スイッチSW61は、例えば、制御信号S60がハイレベルのときにオフとなり、ローレベルのときにオンとなる。インバータINVは制御信号S60を反転する。制御信号S60がスイッチSW60に与えられ、インバータINVにより反転された信号がスイッチSW61に与えられる。それにより、スイッチSW60とスイッチSW61とが互いに相補的にオンオフする。すなわち、スイッチSW60がオンであるとき、スイッチSW61はオフになる。一方、スイッチSW61がオンであるときは、スイッチSW60はオフになる。なお、スイッチSW60とスイッチSW61の2つのスイッチの第1接点a同士は、出力端子OUTに共通に接続される。そのため、スイッチSW60及びスイッチSW61に代えて、これらの接点同士を共通接点とした1つの切替スイッチが用いられてもよい。
制御回路60は、電源レギュレータDR、スイッチSW60,SW61の制御端子、及び診断回路1の電流測定回路20に接続される。ここで、スイッチSW60の制御端子及びスイッチSW61の制御端子とは、例えば、これらのスイッチがMOSトランジスタ又はバイポーラトランジスタで構成されたときのそれぞれゲート又はベースに相当する。制御回路60は、被診断回路10からのスリープ信号S10により、被診断回路10をノーマルモードで動作させるか、又はスリープモードにして被診断回路10を診断し、その正常異常を判定するかを切り替える。
被診断回路10がノーマルモードのときには、制御信号S60により、スイッチSW60はオフされる。これにより、電流測定回路20の動作は停止される。このときに、スイッチSW61はスイッチSW60に対して相補的に動作するのでオンされる。そのため、電源レギュレータDRに供給される電源電圧Vinに基づき生成される出力電圧Voutは被診断回路10に供給される。
一方、被診断回路10がスリープモードのときには、制御信号S60により、スイッチSW60がオンにされる。これにより、被診断回路10に流れる静止電流I20は、電流測定回路20で測定電圧V20に変換される。このとき、スイッチSW61はオフされ、電源レギュレータDRに供給される電源電圧Vinに基づき生成される出力電圧Voutは、遮断され被診断回路10に供給されない。電圧比較回路40において、測定電圧V20と基準電圧生成回路30で生成される基準電圧V30とが比較され、比較結果に基づく通知信号S40が制御回路60に出力される。電圧比較回路40は、例えば、測定電圧V20が基準電圧V30以上(V20≧V30)である場合にはハイレベルの通知信号S40を出力し、測定電圧V20が基準電圧V30よりも低い場合(V20<V30)には、ローレベルの通知信号S40を出力する。通知信号S40が例えばローレベルである場合には、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在し、通知信号S40がハイレベルとなる場合には、被診断回路10の内部の回路素子に構造不良が存在しないとして正常異常判定がなされる。
半導体装置100hは、被診断回路10の診断結果が正常であり、被診断回路10のスリープモードが解除されると、被診断回路10をノーマルモードに移行又は遷移させる。一方、被診断回路10の診断結果が異常である場合には、被診断回路10への電力の供給を停止する。その結果、被診断回路10の構造不良による発熱等を防止することができる。
図14では、リニアレギュレータが用いられた電源レギュレータDRが示されている。しかし、本発明に適用される診断回路の電源レギュレータは、リニアレギュレータに限らず、例えば、スイッチングレギュレータが適用されてもよい。
図15は、図14に示す本発明の第8の実施の形態に係る診断回路1を含む半導体装置100hの1つの変形である。以下、半導体装置100hについて図面を参照しながら説明する。
図15の半導体装置100hは、診断回路1a、診断回路1b、制御回路60、スイッチングドライバDRa、スイッチングドライバDRb、スイッチSW60a、スイッチSW60bを含む。図15の半導体装置100hは、2組の診断回路1a及び1b、スイッチングドライバDRa及びDRb並びにスイッチSW60a及びスイッチSW60bを含むが、半導体装置100hが1組又は3組以上の診断回路、スイッチングドライバ及びスイッチを含んでもよい。診断回路1aは、電流測定回路20a、基準電圧生成回路30a、及び電圧比較回路40aを含む。診断回路1bは、電流測定回路20b、基準電圧生成回路30b、及び電圧比較回路40bを含む。半導体装置100hの外部にはインダクタLa、インダクタLb、キャパシタCa、キャパシタCb、被診断回路10a、及び被診断回路10bが接続される。なお、半導体装置100hには、電源端子VDD、接地端子GND、出力端子OUTa、出力端子OUTb、スリープ端子T4a、スリープ端子T4b等の端子等が設けられる。スイッチSW60a及びスイッチSW60bには、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ等が用いられる。
制御回路60は、スイッチングドライバDRa、スイッチSW20aの制御端子、及び診断回路1aの電流測定回路20aのスイッチSW20aに接続される。また、制御回路60は、スイッチングドライバDRb、スイッチSW60bの制御端子、及び診断回路1bの電流測定回路20bのスイッチSW20bに接続される。制御回路60は、被診断回路10aからのスリープ信号S10aにより、被診断回路10aをノーマル動作させるか被診断回路10aを診断するかを切り替える。また、制御回路60は、被診断回路10bからのスリープ信号S10bにより、被診断回路10bをノーマル動作させるか被診断回路10bを診断するかを切り替える。
被診断回路10aがノーマルモードである場合には、制御回路60は、制御信号S60aにより、電流測定回路20aのスイッチSW20aをオフ状態にするとともに、スイッチSW60aをオン状態にし、スイッチングドライバDRaを制御することにより、被診断回路10aをノーマル動作させる。スイッチSW20aとスイッチSW60aとは互いに相補的にオンオフする。被診断回路10aがスリープモードである場合には、制御回路60は、制御信号S60aにより、スイッチSW60aをオフ状態にし、スイッチングドライバDRaの動作を停止させるとともに、電流測定回路20aのスイッチSW20aをオフ状態にすることにより、被診断回路10aの診断を行う。
スイッチングドライバDRa及びスイッチSW60aは、制御回路60と出力端子OUTaとの間に直列に接続され、制御回路60からの信号に基づいて半導体装置100hの出力端子OUTaに接続される被診断回路10aを駆動する。なお、半導体装置100h内のスイッチングドライバDRaは、電源レギュレータの一例であるスイッチングレギュレータの一部を構成する電源電圧供給部である。
半導体装置100hの出力端子OUTaと被診断回路10aとの間には、インダクタLaが接続される。インダクタLaと接地端子GNDとの間にキャパシタCaが接続される。インダクタLa及びキャパシタCaにより平滑回路が構成される。インダクタLaとキャパシタCaとの共通接続点には直流電圧が生成される。この直流電圧は、被診断回路10aの電源端子VCC1に供給される。電源端子VCC1は、図13に示した測定端子T5aに相当する。なお、半導体装置100h内のスイッチングドライバDRaと半導体装置100hの外部に接続される平滑回路とによりスイッチングレギュレータが構成される。
被診断回路10aは、スリープモード機能を有する。被診断回路10aは、スリープモード機能によりスリープモードになると、信号線P10a、及び半導体装置100hのスリープ通知端子T4aを介してスリープ信号S10aを制御回路60に出力する。
電流測定回路20aは、抵抗R20aとスイッチSW20aとから構成される。抵抗R20a及びスイッチSW20aは、電源端子VDDと半導体装置100hの出力端子OUTaとの間に直列に接続される。電流測定回路20aは、電源端子VDDから抵抗R20a、及び半導体装置100hの出力端子OUTaを介して被診断回路10aに流れる静止電流I20aの大きさに応じた測定電圧V20aを生成し、電圧比較回路40aに出力する。スイッチSW20aは、例えば、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ等で構成される。
基準電圧生成回路30aは、基準電圧源VREFaで構成され、電圧比較回路40aと接地端子GNDとの間に接続される。基準電圧生成回路30aは、基準電圧源VREFaにより、基準電圧V30aを生成し、電圧比較回路40aに出力する。
電圧比較回路40aは、コンパレータCMP40aで構成される。コンパレータCMP40aの非反転入力端子(+)は、電流測定回路20aの抵抗R20aとスイッチSW20aとの共通接続点に接続される。コンパレータCMP40aの反転入力端子(−)は、基準電圧生成回路30aの基準電圧源VREFaに接続される。コンパレータCMP40aの出力端子は、制御回路60に接続される。電圧比較回路40aは、測定電圧V20aと基準電圧V30aとを比較し、比較結果に応じた通知信号S40aを生成し、制御回路60に出力する。電圧比較回路40aは、例えば、測定電圧V20aが基準電圧V30a以上である場合にはハイレベルの通知信号S40aを出力し、測定電圧V20aが基準電圧V30aよりも低い場合には、ローレベルの通知信号S40aを出力する。
半導体装置100hは、被診断回路10aの診断結果が正常であり、被診断回路10aのスリープモードが解除されると、被診断回路10aをノーマルモードで動作させる。一方、被診断回路10aの診断結果が異常と判定された場合には、被診断回路10aへの電力の供給を停止する。その結果、被診断回路10aの構造不良による発熱等を防止することができる。
また、制御回路60は、被診断回路10bがスリープモードでない場合には、制御信号S60bにより、電流測定回路20bのスイッチSW20bをオフ状態にするとともに、スイッチSW60bをオン状態にし、スイッチングドライバDRbを制御することにより、被診断回路10bをノーマル動作させる。スイッチSW20bとスイッチSW60bとは互いに背反の関係を有する。一方、被診断回路10bがスリープモードである場合には、制御信号S60bにより、スイッチSW60bをオフ状態にし、スイッチングドライバDRbの動作を停止させるとともに、電流測定回路20bを制御することにより、被診断回路10bの診断を行う。
スイッチングドライバDRb及びスイッチSW60bは、制御回路60と出力端子OUTbとの間に直列に接続され、制御回路60からの信号に基づいて半導体装置100hの出力端子OUTbに接続される被診断回路10bを駆動する。なお、半導体装置100h内のスイッチングドライバDRbは、電源レギュレータの一例であるスイッチングレギュレータの一部を構成する電源電圧供給部である。
半導体装置100hの出力端子OUTbと被診断回路10bとの間には、インダクタLbが接続される。インダクタLbと接地端子GNDとの間にキャパシタCbが接続される。インダクタLb及びキャパシタCbにより平滑回路が構成される。インダクタLbとキャパシタCbとの共通接続点には直流電圧が生成される。この直流電圧は、被診断回路10bの電源端子VCC2に供給される。電源端子VCC2は、図13に示した測定端子T5aに相当する。なお、半導体装置100h内のスイッチングドライバDRbと半導体装置100hの外部に接続される平滑回路とによりスイッチングレギュレータが構成される。
被診断回路10bは、スリープモード機能を有する。被診断回路10bは、スリープモード機能によりスリープモードになると、信号線P10b、及び半導体装置100hのスリープ通知端子T4bを介してスリープ信号S10bを制御回路60に出力する。
電流測定回路20bは、抵抗R20bとスイッチSW20bとから構成される。抵抗R20b及びスイッチSW20bは、電源端子VDDと半導体装置100hの出力端子OUTbとの間に直列に接続される。電流測定回路20bは、電源端子VDDから抵抗R20b、及び半導体装置100hの出力端子OUTbを介して被診断回路10bに流れる静止電流I20bの大きさに応じた測定電圧V20bを生成し、電圧比較回路40bに出力する。スイッチSW20bは、例えば、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ等が用いられてもよい。
基準電圧生成回路30bは、基準電圧源VREFbから構成され、電圧比較回路40bと接地端子GNDとの間に接続される。基準電圧生成回路30bは、基準電圧源VREFbにより、基準電圧V30bを生成し、電圧比較回路40bに出力する。
電圧比較回路40bは、コンパレータCMP40bから構成される。コンパレータCMP40bの非反転入力端子(+)は、電流測定回路20bの抵抗R20bとスイッチSW20bとの共通接続点に接続される。コンパレータCMP40bの反転入力端子(−)は、基準電圧生成回路30bの基準電圧源VREFbに接続される。コンパレータCMP40bの出力端子は、制御回路60に接続される。電圧比較回路40bは、測定電圧V20bと基準電圧V30bとを比較し、比較結果に応じた通知信号S40bを生成し、制御回路60に出力する。電圧比較回路40bは、例えば、測定電圧V20bが基準電圧V30b以上である場合にはローレベルの通知信号S40bを出力し、測定電圧V20bが基準電圧V30bよりも低い場合には、ハイレベルの通知信号S40bを出力する。
半導体装置100hは、被診断回路10bの診断結果が正常であり、被診断回路10bのスリープモードが解除されると、被診断回路10bをノーマル動作させる。一方、被診断回路10bの診断結果が異常である場合には、被診断回路10bへの電力の供給を停止する。その結果、被診断回路10aの構造不良による発熱等を防止することができる。
以上のように、半導体装置100hは、複数の被診断回路10a及び被診断回路10bの制御と診断を行うことができる。なお、複数の被診断回路10a及び被診断回路10bの診断は、同時に行われても、別々に行われてもよい。
なお、上記の第1〜第8の実施の形態については、すべての構成を同時に適用してもよいし、必要な構成だけを独立に適用してもよい。また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施の形態の他、その技術的創作の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。