JP2017182969A - 二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】入出力密度が高く大容量の二次電池の提供。【解決手段】基板13上に、第1電極11、n型半導体層14、充電層10、絶縁層15及び第2電極12がこの順で積層されており、充電層10が、絶縁体及び絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している層であり、第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有し、マトリクスが、第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有し、第2の半導体粒子が、マトリクスで生成した水素イオンを受け取って第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する、をいずれも満たす層10であり、絶縁層15が、絶縁体を含む層15であり、第2電極12が、第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる層12である、二次電池。【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池及びその製造方法に関する。
化石燃料を使用しない電気自動車や化石燃料の使用を大幅に抑えたハイブリッド車が実用化されている。電気自動車やハイブリッド車では、駆動力源となるモータの電力供給源としてバッテリやキャパシタなどの直流電力源を備えている。このような直流電力源としては、より小さい大きさで多くの電力を蓄えることができるように体積エネルギー密度が高いことが求められると共に、必要な際に迅速に電力を供給できかつ短時間で充電できるように電力の入出力密度が高いことも求められる。一般的にリチウムイオンなどの二次電池に代表される化学電池においては、体積エネルギー密度が高い一方、入出力密度が低い。また、電気二重層キャパシタなどのいわゆるエレクトロン電池においては、入出力密度が高い一方、体積エネルギー密度が低い。そのため、双方の短所を克服して理想的な直流電力源を提供することが望まれている。
前記二次電池として、例えば、国際公開第2012/046325号(特許文献1)には、基板、導電性の第1電極、n型金属酸化物半導体層、絶縁性物質で覆われたn型金属酸化物半導体を含む充電層、p型半導体層、及び導電性の第2電極を備える二次電池が記載されており、前記n型金属酸化物半導体を光励起構造変化させてバンドギャップ中にエネルギー準位を形成し、電子を捕獲することが記載されている。また、特開2015−82445号公報(特許文献2)には、酸化ニッケル等の化合物を含む正極活物質膜を備える正極、含水多孔質構造を有する固体電解質、及び酸化チタンを含む負極活物質膜を備える負極を備える二次電池が記載されている。さらに、特開2014−154505号公報(特許文献3)には、基板、第1電極、電子輸送層、充電層、電子ブロック層、第2電極を備える二次電池が記載されており、前記電子輸送層の材料としては酸化タングステンや酸化ニオブが、前記電子ブロック層の材料としては酸化ニッケルが、それぞれ記載されている。
国際公開第2012/046325号 特開2015−82445号公報 特開2014−154505号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような、基板上に、第1電極;酸化チタン、酸化タングステン、酸化ニオブ等からなるn型半導体層;充電層;酸化ニッケル等からなるp型半導体層;及び第2電極がこの順で積層された構成、すなわち、充電機能を有する充電層と電極との間に電子ブロック層としてp型半導体層が配置される構成の二次電池においては、体積エネルギー密度が低く未だ容量が十分ではないことや入出力密度が未だ十分ではないことを本発明者らは見い出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、入出力密度が高く大容量の二次電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、二次電池の構成を、基板上に、第1電極、n型半導体層、充電層、絶縁層及び第2電極がこの順で積層された構成、すなわち、充電層と第2電極との間に電子ブロック層としてp型半導体層ではなく絶縁体を含む絶縁層を配置した構成とし、前記充電層を、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している層として、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が特定の条件を満たすようにすると共に、第2電極を特定の条件を満たす導電体からなる層とすることによって、体積エネルギー密度及び入出力密度をいずれも十分に高くすることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の二次電池は、
基板上に、第1電極、n型半導体層、充電層、絶縁層及び第2電極がこの順で積層されており、
前記充電層が、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している層であり、かつ、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が、下記条件:
前記第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有する第1の半導体からなる、
前記マトリクスが、前記第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを前記第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有する、
前記第2の半導体粒子が、前記マトリクスで生成した水素イオンを受け取って前記第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する第2の半導体からなる、
をいずれも満たす層であり、
前記絶縁層が、絶縁体を含む層であり、
前記第2電極が、前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる層である、
ことを特徴とするものである。
本発明の二次電池としては、前記第1の半導体がバンドギャップ3.0eV以上の間接遷移半導体であり、前記第2の半導体がバンドギャップ3.0eV以上の直接遷移半導体であり、かつ、伝導帯の下端エネルギーが前記第1の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい半導体である、ことが好ましい。
また、本発明の二次電池においては、前記第1の半導体がTiO、BaTiO及びStTiOからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第2の半導体がSnO、WO及びMoOからなる群から選択される少なくとも1種である、ことが好ましい。
さらに、本発明の二次電池としては、前記絶縁層の厚さが50〜500nmであることが好ましく、また、前記絶縁体が水酸基を有するものであることが好ましい。
本発明の二次電池の製造方法は、
基板上に第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上にn型半導体層を形成する工程と、
前記n型半導体層上に、絶縁体からなる乾燥マトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している乾燥充電層を形成する工程と、
前記乾燥マトリクス中の絶縁体に水を含浸させて、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が分散しており、かつ、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が、下記条件:
前記第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有する第1の半導体からなる、
前記マトリクスが、前記第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを前記第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有する、
前記第2の半導体粒子が、前記マトリクスで生成した水素イオンを受け取って前記第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する第2の半導体からなる、
をいずれも満たす充電層を得る工程と、
前記乾燥充電層上に、絶縁体を含む絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層上に、前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる第2電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
本発明の二次電池の製造方法としては、前記乾燥充電層を得る工程、前記絶縁層を得る工程、及び前記第2電極を得る工程のうちの少なくとも1つの工程の後に、UV照射によって前記乾燥マトリクス中の絶縁体を親水化処理する工程をさらに含むことが好ましい。
なお、本発明の構成によって前記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の二次電池においては、充電層を、特定の条件を満たすマトリクス、第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子の組み合わせからなる構成とすることにより、図1の充電層における充放電機構概念図に示すように、電圧印加や光照射等のエネルギーによって前記第1の半導体粒子(第1の半導体粒子1)を構成する第1の半導体で電荷分離が起きる(すなわち、価電子帯にある電子(e)が伝導帯に光励起されると共に価電子帯に正孔(ホール、h)が形成される)。すると、前記マトリクス(マトリクス3)に含浸されている水が第1の半導体で形成された正孔によって酸化され、次式:2HO+4h→O+4H で表わされる反応により水が分解されて水素イオン及び酸素が生成する。同時に、第1の半導体で励起された電子は前記第2の半導体粒子(第2の半導体粒子2)に受け渡され、さらに、マトリクス3で水の分解により生成した水素イオンはマトリクス3を通じて第2の半導体粒子2に移動する。その結果、第2の半導体粒子2では、水素イオンによって、第2の半導体(例えば、金属酸化物:MO、Mは金属を示す)に、次式:MO→HMO(x、yはそれぞれ独立に正の数を示す)で表わされる反応により電子が捕捉されて蓄積される。また、第2の半導体における電子の捕捉反応は可逆反応であるため、外部からのエネルギーを受けない場合には、次式:HMO→MO で表わされる反応により電子が放電される。
このように、本発明の二次電池においては、半導体(第1の半導体及び第2の半導体)が絶縁体中に分散した構成となるため、MIS接合(Metal−Insulator−Semiconductor Junction、好ましくはMOS接合(Metal−Oxide−Semiconductor Junction))を利用したエレクトロン電池とすることができ、高い入出力密度が得られるものと本発明者らは推察する。また、このとき、半導体粒子(第1の半導体粒子1及び第2の半導体粒子2)がマトリクス3中に分散しているため、MIS接合によるコンデンサのコアシェルを多く形成することができ、大容量化が可能となったものと本発明者らは推察する。さらに、前記半導体粒子として特定の関係にある第1の半導体粒子1と第2の半導体粒子2とが混在していることによって、電荷の再結合が抑制されて十分な電子が供給されるために、さらなる大容量化が可能となったものと推察する。また、本発明の二次電池においては、上記特定の関係にある第1の半導体粒子1及び第2の半導体粒子2がマトリクス3中に分散している充電層と、第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる第2電極とを組み合わせ、これらの間に電子をブロックする機能を有する層として絶縁層を配置したことにより、p型半導体層を用いる必要がないため、薄膜化によってさらに優れた体積エネルギー密度及び入出力密度を達成できるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、入出力密度が高く大容量の二次電池及びその製造方法を提供することが可能となる。
本発明の二次電池の充電層における充放電機構概念図である。 本発明の二次電池の好適な一実施形態を示す概略縦断面図である。 実施例1で得られた二次電池の縦断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた二次電池の充放電曲線を示すグラフである。 実施例1で得られた二次電池の開回路電圧曲線を示すグラフである。 実施例2で得られた二次電池の開回路電圧曲線を示すグラフである。 比較例1で得られた二次電池の開回路電圧曲線を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。先ず、本発明の二次電池について、図面を参照しながら本発明の好ましい形態を例に挙げて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示すように、本発明の二次電池(二次電池100)は、基板(基板13)上に、第1電極(第1電極11)、n型半導体層(n型半導体層14)、充電層(充電層10)、絶縁層(絶縁層15)及び第2電極(第2電極12)がこの順で積層されたものである。
基板13は、二次電池100を支持できるものであれば特に制限されず、導電性であっても絶縁性であってもよく、例えば、ガラス基板、セラミックス基板、樹脂シート、金属箔等が挙げられる。これらの中でも、基板13としては、ガラス基板、セラミックス基板、樹脂シート等の絶縁性基板であることが好ましい。また、機器への搭載性の観点からはフレキシブル基板等であってもよい。基板13の厚みとしても特に制限されないが、例えば、1μm〜1mmの範囲が挙げられ、1〜10μmであることが好ましい。
第1電極11は、導電性の導電体からなる層である。前記導電体としては、特に制限されず、電極材料として公知の材料を適宜選択することができる。このような導電体としては、銅、金、銀、白金、窒化チタン、アルミチタン、亜鉛、クロム、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウム))、FTO(Fluorine Doped Tin Oxide:フツ素ドープ酸化スズ)及びこれらの積層体等があげられる。第1電極11としては、前記導電体からなる薄膜であることが好ましく、その厚さとしては、100〜500nmであることが好ましく、200〜400nmであることがより好ましい。
n型半導体層14は、n型半導体からなる層である。前記n型半導体としては、特に制限されず、例えば、無機酸化物半導体が挙げられる。前記無機酸化物半導体として、より具体的には、二酸化チタン(TiO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化タングステン(WO)、及びこれらの複合酸化物等が挙げられ、中でも、光励起されやすい傾向にあるという観点から、二酸化チタン、二酸化スズ、酸化亜鉛、及びこれらの複合酸化物のうちの少なくとも1種であることが好ましく、二酸化チタン又は酸化亜鉛であることがより好ましい。n型半導体層14としては、前記n型半導体からなる薄膜であることが好ましく、その厚さとしては、50〜150nmであることが好ましい。n型半導体層14の厚さが前記下限未満である場合には、内部リークが増加する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、二次電池の容量が減少する傾向にある。
充電層10は、マトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している層であり、かつ、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が、下記条件:
前記第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有する第1の半導体からなる、
前記マトリクスが、前記第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを前記第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有する、
前記第2の半導体粒子が、前記マトリクスで生成した水素イオンを受け取って前記第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する第2の半導体からなる、
をいずれも満たす層である。
前記マトリクスは、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなる層である。水が含浸されていることにより、第1の半導体の電荷分離で形成された正孔によって水素イオンが生成すると共に、生成した水素イオンはマトリクスを介して第2の半導体粒子に受け渡される。前記絶縁体は、電気絶縁性を発揮できるものである。中でも、水を保持することができ、かつ、イオン伝導度が高いものであることが好ましい。このような絶縁体としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、リンタングステン酸(PWA)、マグネシア(MgO)等の絶縁性無機酸化物;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等の絶縁性樹脂;及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、充電層10の絶縁体としては、水酸基を有しているものであることがより好ましく、具体的には、シリカ、シリコーン樹脂、及びこれらと他の絶縁体との混合物のうちのいずれかであることがさらに好ましい。また、充電層10の絶縁体としては、保水性を向上させるため、すなわち水酸基や他の親水基を導入するために、UV照射等によって親水化処理が施されたものであることが好ましい。さらに、充電層10の絶縁体としては、保水性を向上させる観点から、多孔質体であることがより好ましい。
前記第1の半導体粒子は、第1の半導体からなる粒子であり、前記第2の半導体粒子は、第2の半導体からなる粒子である。前記第1の半導体及び前記第2の半導体としては、無機酸化物半導体、中でも、二次電池100の耐圧性がより向上し、低損失化できる傾向にあるという観点から、バンドギャップ3.0eV以上のワイドバンドギャップ半導体であることがより好ましい。また、第1の半導体としては、二次電池100の寿命がより永くなる傾向にあるという観点から、間接遷移半導体であることがより好ましい。第1の半導体が間接遷移半導体である場合、前記第2の半導体としては、第1の半導体で励起された電子を速やかに補足できる観点から、直接遷移半導体であり、かつ、伝導帯の下端エネルギーが前記第1の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい半導体であることがより好ましい。
このような第1の半導体と第2の半導体との組み合わせとしては、前記第1の半導体が、TiO、BaTiO及びStTiOからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記第2の半導体が、SnO、WO及びMoOからなる群から選択される少なくとも1種である、組み合わせが挙げられる。これらの中でも、二次電池100の体積エネルギー密度及び入出力密度がいずれもより高くなる観点から、TiOとSnOとの組み合わせが特に好ましい。
充電層10において、前記第1の半導体と前記第2の半導体との含有比としては、モル比(第1の半導体のモル数:第2の半導体のモル数)で、1:1〜60:1であることが好ましく、30:1〜40:1であることがより好ましい。第1の半導体の含有量に対する第2の半導体の含有量が前記下限未満である場合又は前記上限を超える場合には、二次電池の容量が減少する傾向にある。
さらに、充電層10において、前記第1の半導体及び前記第2の半導体の合計含有量としては、前記絶縁体が絶縁性無機酸化物である場合、モル比(絶縁性無機酸化物のモル数:第1の半導体及び第2の半導体の合計モル数)で、3:7〜7:3であることが好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましい。前記合計含有量が前記下限未満である場合には、充電材料が減少するために二次電池の容量が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、半導体粒子間の絶縁が不十分となって二次電池の容量が低下する傾向にある。
前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子(以下、場合により「半導体粒子」と総称する)としては、前記マトリクス中に密に半導体微粒子を分散配置することができ、二次電池100の容量をより大きくすることができる観点から、アモルファス状であることが好ましい。なお、アモルファス状であることは電子線回折又はX線回折(XRD)によって確認することができる。
充電層10の厚さとしては、100〜3000nmであることが好ましく、200〜1000nmであることがより好ましい。充電層10の厚さが前記下限未満である場合には、充電材料が減少するために二次電池の容量が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、均一に成膜することが困難となる傾向にある。
絶縁層15は、絶縁体を含む層であり、第2電極12から充電層10への電子の流入を抑制する機能を有する層である。このような絶縁層15としては、前記絶縁体と前記絶縁体に含浸している水とからなる層であることが特に好ましい。絶縁層15の絶縁体としては、充電層10において挙げたものと同様のものが挙げられる。さらに、絶縁層15の絶縁体としては、充電層10において挙げた絶縁体に、SnO、WO等のドープ材が添加されたものも挙げられる。なお、前記ドープ材の添加量としては、絶縁性を維持する観点から、全化合物中に20モル%以下であることが好ましい。これらの中でも、絶縁層15の絶縁体としては、水酸基を有しているものであることがより好ましく、具体的には、シリカ、ドープ材添加シリカ、シリコーン樹脂、及びこれらと他の絶縁体との混合物のうちのいずれかであることがさらに好ましく、ドープ材添加シリカであることが特に好ましい。また、絶縁層15の絶縁体としても、保水性を向上させるため、すなわち水酸基及び他の水酸基を導入するために、UV照射等によって親水化処理が施されたものであることが好ましい。さらに、絶縁層15の絶縁体としても、保水性を向上させる観点から、多孔質体であることがより好ましい。
絶縁層15の厚さとしては、50〜500nmであることが好ましく、70〜200nmであることがより好ましく、100〜200nmであることがさらに好ましい。絶縁層15の厚さが前記下限未満である場合には、内部リークが増加する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、二次電池100の体積が大きくなって体積エネルギー密度及び入出力密度が低下する傾向にある。本発明の二次電池100は第2電極12から充電層10への電子の流入を抑制するためにp型半導体層ではなく絶縁層15を備えており、絶縁層15の厚さを薄くすることができるため、体積エネルギー密度及び入出力密度をいずれも十分に大きくすることができる。
第2電極12は、前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる層である。このような導電体としては、前記第2の半導体の種類に応じて、第1電極11で挙げたものと同様の、電極材料として公知の材料の中から選択することができる。例えば、前記第2の半導体がSnO、WO及びMoOからなる群から選択される少なくとも1種である場合、第2電極12の導電体としては、銅、金、窒化チタンであることが好ましい。第2電極12の厚さとしては、特に制限されないが、100〜500nmであることが好ましく、200〜400nmであることがより好ましい。
本発明において、基板13、第1電極11、n型半導体層14、充電層10、絶縁層15及び第2電極12の厚さは、いずれも走査型電子顕微鏡(SEM)による観察によって測定することができる。また、本発明において、充電層10及び絶縁層15の厚さは、断面の透過型電子顕微鏡(TEM−EDS)観察によっても求めることができ、より具体的には、TEM像及びエネルギー分散型X線(EDS)分析による構成成分比率から充電層10と絶縁層15との界面を判別して各層の厚さを求めることができる。
次いで、本発明の二次電池の製造方法について説明する。本発明の二次電池の製造方法は、
基板上に第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上にn型半導体層を形成する工程と、
前記n型半導体層上に、絶縁体からなる乾燥マトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している乾燥充電層を形成する工程と、
前記乾燥マトリクス中の絶縁体に水を含浸させて、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が分散しており、かつ、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が、下記条件:
前記第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有する第1の半導体からなる、
前記マトリクスが、前記第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを前記第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有する、
前記第2の半導体粒子が、前記マトリクスで生成した水素イオンを受け取って前記第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する第2の半導体からなる、
をいずれも満たす充電層を得る工程と、
前記乾燥充電層上に、絶縁体を含む絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層上に、前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる第2電極を形成する工程と、
を含むものであり、この製造方法によって上記本発明の二次電池を得ることができる。
前記基板、前記第1電極、前記n型半導体層、前記充電層、前記絶縁層、前記第2電極、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子、前記第2の半導体粒子、前記第1の半導体、及び前記第2の半導体は、それぞれ、本発明の二次電池(二次電池100)において述べたとおりである。
前記第1電極を形成する方法としては、前記基板上に導電体からなる薄膜を形成する方法が好ましい。前記導電体としては、本発明の二次電池100の第1電極11において述べたとおりである。前記薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法、化学蒸着法、メッキ法が挙げられる。これらの中でも、大面積でも均一な厚さの薄膜を形成できる傾向にある観点から、スパッタリング法が好ましい。
前記n型半導体層を形成する方法としては、前記第1電極上にn型半導体からなる薄膜を形成する方法が好ましい。前記n型半導体としては、本発明の二次電池100のn型半導体14において述べたとおりである。前記薄膜を形成する方法としては前記第1電極を形成する方法において挙げた方法と同様のものが挙げられ、中でも、大面積でも均一な厚さの薄膜を形成できる傾向にある観点から、スパッタリング法が好ましい。
前記乾燥充電層を形成する工程においては、絶縁体材料及び/又は絶縁性無機酸化物粒子の前駆体、前記第1の半導体粒子及び/又はその前駆体、前記第2の半導体粒子及び/又はその前駆体、及び必要に応じて溶媒を含有する充電層形成用組成物を前記n型半導体上に塗布し、乾燥することによって前記乾燥充電層を形成することが好ましい。前記溶媒としては、特に限定されないが、例えば、エタノール、ブタノール、IPA(Iso Propyl Alcohol)及びこれらの混合液が挙げられる。
前記絶縁体材料としては、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、リンタングステン酸(PWA)、マグネシア(MgO)及びこれらの複合酸化物の絶縁性無機酸化物粒子;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等の絶縁性樹脂;及びこれらの混合物が挙げられる。
前記絶縁性無機酸化物粒子の前駆体、前記第1の半導体粒子の前駆体、前記第2の半導体粒子の前駆体としては、TEOS(Tetra Ethoxy Silane:オルトケイ酸テトラエチル)、TTIP(Titanium Tetra Iso Propoxide:オルトチタン酸テトライソプロピル)、テトラブトキシスズ、タングステンアルコキシド等の無機物前駆体が挙げられる。
前記充電層形成用組成物としては、市販又は合成(例えば、ゾル−ゲル法による合成)の、絶縁体材料(絶縁性無機酸化物粒子、絶縁性樹脂)、第1の半導体粒子、第2の半導体粒子、及び必要に応じて前記溶媒を含有するものであってよいが、半導体粒子がマトリクス中により密に分散した充電層が得られる傾向にある観点から、前記絶縁性無機酸化物粒子の前駆体、前記第1の半導体粒子の前駆体及び前記第2の半導体粒子の前駆体のうちの少なくとも1種を含有していることが好ましく、前記第1の半導体粒子の前駆体及び前記第2の半導体粒子の前駆体を含有していることがより好ましい。
前記乾燥充電層を形成する工程において、前記塗布の方法としては、特に制限されず、例えば、スピンコート法、キャスティング法、スプレーコート法、ディップ法が挙げられる。これらの中でも、スピンコート法が好ましい。また、前記乾燥の条件としては、特に制限されないが、例えば、温度70〜350℃(より好ましくは100〜180℃)において、0.5〜2時間(より好ましくは1〜1.5時間)であることが好ましい。このような工程により、前記乾燥充電層を形成せしめることができる。なお、前記充電層形成用組成物として前記無機物前駆体を含有する組成物を用いた場合には、前記無機物前駆体が加熱分解されて、無機酸化物粒子(例えば、TEOSを用いた場合にはSiO(絶縁性無機酸化物粒子)、TTIPを用いた場合にはTiO(第1の半導体粒子)、テトラブトキシスズを用いた場合にはSnO(第2の半導体粒子))を含む乾燥充電層を得ることができる。
前記絶縁層を形成する工程においては、絶縁体材料及び/又は絶縁性無機酸化物粒子の前駆体と必要に応じて溶媒とを含有する絶縁層形成用組成物を前記乾燥充電層上に塗布し、乾燥することによって前記絶縁層を形成することが好ましい。前記絶縁体材料としては、前記乾燥充電層を形成する工程において挙げたものと同様の絶縁性無機酸化物粒子、絶縁性樹脂及びこれらの混合物が挙げられる。さらに、これらの絶縁体材料にSnO、WO等のドープ材が添加されたものも挙げられる。なお、前記ドープ材の添加量としては、絶縁層15において述べたとおりである。また、前記絶縁性無機酸化物粒子の前駆体及び前記溶媒としても、前記乾燥充電層を形成する工程において挙げたものと同様のものがそれぞれ挙げられる。
前記絶縁層形成用組成物としては、市販又は合成(例えば、ゾル−ゲル法による合成)の、絶縁体材料(絶縁性無機酸化物粒子、絶縁性樹脂)、及び必要に応じて前記溶媒を含有するものであってよいが、多孔性の絶縁層が得られ、保水性がより向上する傾向にある観点から、絶縁性無機酸化物粒子及び/又はその前駆体を含有していることが好ましい。
前記塗布の方法及び前記乾燥の条件としては、前記乾燥充電層を形成する工程において挙げたものと同様の方法及び条件がそれぞれ挙げられ、このような工程により、前記絶縁層を形成せしめることができる。なお、前記絶縁層形成用組成物として前記絶縁性無機酸化物粒子の前駆体(無機物前駆体)を用いた場合には、前記無機物前駆体が加熱分解されて、絶縁性無機酸化物粒子(例えば、TEOSを用いた場合にはSiO、テトラブトキシスズを用いた場合にはSnO(ドープ材))を含む絶縁層を得ることができる。
第2電極を形成する工程としては、前記絶縁層上に前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる薄膜を形成する方法が好ましい。このような導電体としては、本発明の二次電池100の第2電極12において述べたとおりである。前記薄膜を形成する方法としては前記第1電極を形成する方法において挙げた方法と同様のものが挙げられ、中でも、大面積でも均一な厚さの薄膜を形成できる傾向にある観点から、スパッタリング法が好ましい。
また、本発明の製造方法としては、UV照射によって前記乾燥マトリクス中の絶縁体を親水化処理する工程をさらに含むことが好ましい。このような親水化処理を施すことによって前記絶縁体の保水性をより向上させることができる。前記親水化処理を施す工程としては、前記乾燥充電層を形成する工程、前記絶縁層を形成する工程、及び前記第2電極を形成する工程のうちの少なくとも1つの工程の後であればよいが、絶縁層の絶縁体にも親水化処理を施すことができる観点から、前記絶縁層を形成する工程の後、或いは、前記乾燥充電層を形成する工程の後及び前記絶縁層を形成する工程の後であることが好ましい。また、前記親水化処理を前記第2電極を形成する工程の後に実施する場合には、前記第2電極が透明電極であることが好ましい。前記親水化処理としては、波長10〜400nm(より好ましくは10〜200nm)のUV(紫外線)を0.5〜10時間(より好ましくは0.5〜3.5時間)照射することが好ましい。
前記充電層を得る工程は、前記乾燥マトリクス中の絶縁体に水を含浸させて、本発明に係る充電層を得る工程である。前記含浸の方法としては、特に制限されないが、例えば、湿度30〜80%の大気中において1〜10時間、前記乾燥充電層を静置する方法が好ましい。本発明の製造方法において、前記充電層を得る工程は、前記第2電極を形成する工程の後であることが好ましい。また、本発明の製造方法としては、前記充電層を得る工程によって、前記絶縁層中の絶縁体にも水を含浸させて、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなる絶縁層を得ることがより好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、ガラス基板(厚さ:1mm)の一方の面(4cm)上に、スパッタリング装置を用いて、ターゲット:クロム(Cr)、銅(Cu)、クロム(Cr)の順、圧力:0.3Pa、温度:30℃、出力:100Wの条件で、クロム/銅/クロムの順で積層された厚さ200nmの第1電極を形成した。続いて、前記第1電極上に、前記スパッタリング装置を用いて、ターゲット:二酸化チタン(TiO)、圧力:0.3Pa、温度:30℃、出力:100Wの条件で、二酸化チタンからなる厚さ100nmのn型半導体層を形成した。
次いで、TEOS5ml、エタノール50ml、及び2M塩酸1.5mlの混合液を調製し、70℃において8時間撹拌した後室温で24時間撹拌し続け、シリカ(SiO)粒子の分散液(分散液1)を得た。次いで、得られた分散液1、TTIP及びテトラブトキシスズを、得られる乾燥充電層中にシリカ、二酸化チタン(TiO)及び二酸化スズ(SnO)のモル比(SiO:TiO:SnO)が39:58:3となるように混合し、充電層形成用組成物を得た。得られた充電層形成用組成物を、前記n型半導体層上に、3000rpmで1分間の条件でスピンコートした。その後、ホットプレートを用いて、150℃で60分間乾燥させてシリカ中に二酸化チタン粒子及び二酸化スズ粒子が分散している厚さ300nmの乾燥充電層を形成した。得られた乾燥充電層において、二酸化チタン粒子及び二酸化スズ粒子はアモルファスであった。
次いで、上記で得られた分散液1及びテトラブトキシスズを、シリカと二酸化スズとのモル比(SiO:SnO)が80:20となるように混合し、絶縁層形成用組成物を得た。得られた絶縁層形成用組成物を、前記乾燥充電層上に、3000rpmで1分間の条件でスピンコートした。その後、ホットプレートを用いて、150℃で60分間乾燥させ、シリカに二酸化スズがドープされている、厚さ100nmで多孔性の絶縁層を形成した。
次いで、前記絶縁層の表面に、高圧水銀ランプ(波長:365nm、照度:150mW/cm)を3.5時間照射し、親水化処理を行った後、前記絶縁層上に、前記スパッタリング装置を用いて、ターゲット:金(Au)、圧力:0.3Pa、温度:30℃、出力:100Wの条件で、金からなる厚さ180nmの第2電極を形成した。その後、湿度:30%、温度:25℃の条件で静置し、基板/第1電極/n型半導体層/充電層/絶縁層/第2電極の順で積層された二次電池(基板を除く体積:0.000176cm)を得た。実施例1で得られた二次電池の縦断面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。図3中、各層間の界面を破線で示す。
(実施例2)
第2電極形成時のスパッタリングターゲットを金に代えて銅(Cu)としたこと以外は実施例1と同様にして二次電池を得た。
(比較例1)
第2電極形成時のスパッタリングターゲットを金に代えてアルミ(Al)としたこと以外は実施例1と同様にして二次電池を得た。
<充放電試験>
実施例1で得られた二次電池の両極に導線を介してガルバノスタットを電気的に接続し、上限電圧2.4Vまで一定の電流値(+5mA)で充電し、0Vまで一定の電流値(−5mA)で放電させ、充放電曲線を得た。得られた充放電曲線を図4に示す。また、前記充放電曲線から、次式:1.4V×5mA/0.000176cm/1000より、得られた二次電池の入出力密度(体積出力密度)は40kW/Lであった。また、体積エネルギー密度は10Wh/Lであった。
<開回路電圧(OCV)測定>
実施例1〜2、比較例1で得られた二次電池の両極に導線を介してガルバノスタットを電気的に接続し、開回路電圧(OCV)を測定して開回路電圧曲線を得た。実施例1で得られた二次電池の開回路電圧曲線を図5に、実施例2で得られた二次電池の開回路電圧曲線を図6に、比較例1で得られた二次電池の開回路電圧曲線を図7に、それぞれ示す。
以上説明したように、本発明によれば、入出力密度が高く大容量の二次電池を提供することが可能となる。
1…第1の半導体粒子、2…第2の半導体粒子、3…マトリクス、10…充電層、11…第1電極、12…第2電極、13…基板、14…n型半導体層、15…絶縁層、100…二次電池

Claims (7)

  1. 基板上に、第1電極、n型半導体層、充電層、絶縁層及び第2電極がこの順で積層されており、
    前記充電層が、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している層であり、かつ、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が、下記条件:
    前記第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有する第1の半導体からなる、
    前記マトリクスが、前記第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを前記第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有する、
    前記第2の半導体粒子が、前記マトリクスで生成した水素イオンを受け取って前記第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する第2の半導体からなる、
    をいずれも満たす層であり、
    前記絶縁層が、絶縁体を含む層であり、
    前記第2電極が、前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる層である、
    ことを特徴とする二次電池。
  2. 前記第1の半導体がバンドギャップ3.0eV以上の間接遷移半導体であり、
    前記第2の半導体がバンドギャップ3.0eV以上の直接遷移半導体であり、かつ、伝導帯の下端エネルギーが前記第1の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい半導体である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1の半導体がTiO、BaTiO及びStTiOからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第2の半導体がSnO、WO及びMoOからなる群から選択される少なくとも1種である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 前記絶縁層の厚さが50〜500nmであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の二次電池。
  5. 前記絶縁体が水酸基を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の二次電池。
  6. 基板上に第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極上にn型半導体層を形成する工程と、
    前記n型半導体層上に、絶縁体からなる乾燥マトリクス中に第1の半導体粒子及び第2の半導体粒子が分散している乾燥充電層を形成する工程と、
    前記乾燥マトリクス中の絶縁体に水を含浸させて、絶縁体及び前記絶縁体に含浸している水からなるマトリクス中に前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が分散しており、かつ、前記マトリクス、前記第1の半導体粒子及び前記第2の半導体粒子が、下記条件:
    前記第1の半導体粒子が、電荷分離を起こす機能を有する第1の半導体からなる、
    前記マトリクスが、前記第1の半導体の電荷分離で形成された正孔により水が分解されて生成した水素イオンを前記第2の半導体粒子に移動せしめる機能を有する、
    前記第2の半導体粒子が、前記マトリクスで生成した水素イオンを受け取って前記第1の半導体の電荷分離で励起された電子を蓄積する機能を有する第2の半導体からなる、
    をいずれも満たす充電層を得る工程と、
    前記乾燥充電層上に、絶縁体を含む絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層上に、前記第2の半導体の伝導帯の下端エネルギーよりも大きい仕事関数を有する導電体からなる第2電極を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
  7. 前記乾燥充電層を形成する工程、前記絶縁層を形成する工程、及び前記第2電極を形成する工程のうちの少なくとも1つの工程の後に、UV照射によって前記乾燥マトリクス中の絶縁体を親水化処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の二次電池の製造方法。
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