JP2017182624A - パラメータ更新方法、パラメータ更新装置、及びプログラム - Google Patents

パラメータ更新方法、パラメータ更新装置、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】制御器の可変パラメータを適切に調整する。【解決手段】制御出力y及び目標値rに基づき、制御入力u=C(ρ)・(r−y)を算出する制御装置におけるパラメータρの設定値を更新する。この更新方法は、観測された制御入力u及び出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化するパラメータρの値を算出する手順(S140)と、この算出値にパラメータρの設定値を更新する手順(S150)と、を含む。評価関数は、第一及び第二の関数部分を含む。第二の関数部分は、モデル関数Tdと、制御入力uの時系列データのベクトル表現Uと、制御出力yの時系列データのベクトル表現Yと、を用いた偏差EY=Y−Td(C(ρ)-1・U+Y)がゼロより大きい成分を含む場合には当該成分がゼロ以下である場合よりも評価関数の出力値を大きくするように構成される。【選択図】図8

Description

本開示は、パラメータ更新方法及びパラメータ更新装置に関する。
従来、制御器の自動調整技術として、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)技術及びVRFT(Virtual Reference Feedback Tuning)技術が知られている(例えば特許文献1参照)。これらの技術は、目標応答に近づくように制御器のパラメータを調整する技術である。
特開2009−175917号公報
しかしながら、従来の自動調整技術によれば、目標応答に対して誤差の少ない制御出力が得られるように、制御器のパラメータを調整するだけであるので、パラメータの調整を適切に行うことができない場合があった。
例えば、制御出力が目標応答を超えるオーバーシュートの発生が好ましくないシステムがある。例えば、制御対象物の位置を目標位置まで変化させる場合に、目標位置を超えて移動した制御対象物を目標位置に後退させる制御が好ましくないシステムがある。従来技術によれば、このようなシステムに対応する制御器のパラメータ調整に関し、オーバーシュートを抑制することに重点を置きながら制御器のパラメータを調整することができなかった。
従って、本開示によれば、オーバーシュートの発生確率が上昇する方向へのパラメータ調整を抑制することで、制御器のパラメータを適切に調整可能な技術を提供できることが望ましい。
本開示の一側面に係るパラメータ更新方法は、制御装置における可変パラメータの設定値を更新する方法に関する。制御装置は、制御出力yと目標値rとの偏差に基づき、可変パラメータρを有する伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(r−y)を算出し、この制御入力uに基づき制御対象を制御するように構成される。
本開示の一側面に係るパラメータ更新方法は、制御装置による制御時に観測された制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得手順と、取得手順により取得された制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する可変パラメータρの値を算出する算出手順と、制御装置における可変パラメータρの設定値を、算出手順による算出値に更新する更新手順と、を備える。
評価関数は、第一の関数部分と、第二の関数部分とを含む。例えば、第一の関数部分は、次式に従う偏差EYのノルムが大きくなるほど、評価関数の出力値を大きくするように構成される。ノルムは、例えばp≧1のLpノルムであり得る。
dは、目標値rに対する制御出力yの規範値Td・rを規定するモデル関数Tdである。Uは、制御入力uの時系列データのベクトル表現Uであり、Yは、制御出力yの時系列データのベクトル表現Yである。
第一の関数部分は、次式に従う偏差EUのノルムが大きくなるほど、評価関数の出力値を大きくするように構成されてもよい。
第二の関数部分は、偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には、当該成分がゼロ以下である場合よりも評価関数の出力値を大きくするように構成される。偏差EYの成分がゼロより大きいことは、対応する時点において、制御出力yが、目標応答に対応する制御出力yの規範値Td・rを超えていることを意味している。
従って、上述の特徴を有する第二の関数部分によれば、オーバーシュートが発生しやすい可変パラメータρが評価関数の出力値を最小化するのを抑制することができる。結果として、本開示の一側面によれば、目標応答に対するオーバーシュートの発生確率が上昇する方向に可変パラメータρの設定値が更新されるのを抑制することができ、制御器のパラメータを適切に調整することができる。
本開示の一側面によれば、評価関数は、第一の関数部分と第二の関数部分との和に対応した構成にされ得る。この場合、第一の関数部分は、偏差EYのノルムが大きくなるほど大きな値を出力するように構成され得る。第二の関数部分は、偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には成分がゼロ以下である場合よりも大きな値を出力するように構成され得る。第一の関数部分は、偏差EUのノルムが大きくなるほど大きな値を出力するように構成されてもよい。
本開示の一側面によれば、評価関数は、次式で表される関数J1又は関数J2に従う値を出力する関数であってもよい。
上式によれば、第一の関数部分は、関数J1又は関数J2の第一項に対応し、第二の関数部分は、関数J1又は関数J2の関数G(EY)によって定義される第二項に対応する。
関数G(EY)は、偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には当該成分がゼロ以下である場合よりもノルム||G(EY)||が大きな値を示すように構成され得る。
上記関数G(EY)は、次式で表される関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)に比例する関数として構成されてもよい。比例する関数の例には、関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)に一致する関数が含まれる。
sign関数は周知の符号関数であり得る。変数xの関数sign(x)はx>0であるとき1を示し、x<0であるとき−1を示す関数であり得る。上記関数G(EY)は、関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)を要素に含む関数であってもよい。
このような関数F1(EY)又は関数F2(EY)に従う第二の関数部分によれば、オーバーシュートが発生しやすい可変パラメータρが評価関数の出力値を最小化するのを適切に抑制することができる。
特に、EY>0であるとき値EYを採る関数F1(EY)を用いることによっては、EY>0であるときに、制御出力と目標応答との差が開くにつれて適切に評価関数を大きくすることができ、可変パラメータρの設定値を一層適切に更新することができる。
上記関数G(EY)には、特定の時間帯における関数G(EY)の成分を重み付けする窓関数Wが用いられてもよい。具体的に、関数G(EY)は、主たる関数F(EY)に窓関数Wを作用させた関数F(EY)・Wであり得る。窓関数Wは、オーバーシュートの発生が特に好ましくない時間帯で偏差EYの成分がゼロより大きい値を示す場合に、評価関数の出力値がより大きくなるような関数G(EY)の構成を可能にする。従って、窓関数Wを含む関数G(EY)によっては、特定の時間帯のオーバーシュートを特に抑制可能な適切な可変パラメータρの更新が可能である。
目標値rが一定値である制御系において、窓関数Wは、制御出力yの目標値rへの到達時刻を基準とする特定の時間帯における関数F(EY)の重みを他の時間帯より大きくするように、関数F(EY)を時間軸に対して重み付けする窓関数であり得る。ここで「目標値rが一定値である」ことは、制御出力yを目標値rに制御する過程での、目標値rが時間変化せず一定値であることを意味し得る。
上述のように窓関数Wを設定すれば、制御出力yが目標値rに到達する前後でオーバーシュートが発生するのを抑制することができ、全時間帯に対して第二の関数部分により一様なオーバーシュートの抑制を行うよりも、場合によっては、適切に、可変パラメータを更新することができる。
本開示の一側面によれば、制御出力yと目標値rとの偏差に基づき、可変パラメータρを有する予め定められた伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(r−y)を算出し、制御入力uに基づき制御対象を制御する制御装置における可変パラメータρの設定値を更新するパラメータ更新装置として、上述した手順により可変パラメータρの設定値を更新するパラメータ更新装置が提供されてもよい。
パラメータ制御装置は、制御装置による制御時に観測された制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得ユニットと、取得ユニットにより取得された制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する可変パラメータρの値を算出する算出ユニットと、可変パラメータρの設定値を、算出ユニットによる算出値に更新する更新ユニットと、を備えた構成にされ得る。評価関数は、上述した第一の関数部分と第二の関数部分とを含む関数であり得る。
本発明の一側面によれば、上記パラメータ更新装置における取得ユニット、算出ユニット、及び更新ユニットとしてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータが読取可能な一時的でない記録媒体に記録することができる。
画像形成システムにおける用紙搬送機構周辺の概略断面図である。 画像形成システムの電気的構成を表すブロック図である。 位置制御器及びパラメータ更新部を表すブロック図である。 FRIT技術に関する説明図である。 オーバーシュートとゲインとの対応関係を説明するグラフである。 オーバーシュートと偏差との対応関係を説明するグラフである。 補正項の特徴を説明するグラフである。 メインユニット(パラメータ更新部)が実行するチューニング処理を表すフローチャートである。 パラメータ更新前後の制御出力を表すグラフである。 目標応答と窓関数との関係を表すグラフである。 VRFT技術に関する説明図である。 従来技術によるパラメータ更新前後の制御出力を表すグラフである。
以下に本開示の例示的実施形態を、図面と共に説明する。ここでは、本開示に係る技術を、画像形成システムに適用した例を説明する。しかしながら、本開示に係る技術は、画像形成システムへの適用に限定されない。
図1に示す画像形成システム1は、インクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、用紙Qにインク液滴を吐出して画像を形成する記録ヘッド10を備える。記録ヘッド10は、キャリッジ21に搭載される。キャリッジ21は、用紙搬送方向と直交する主走査方向(図1紙面法線方向)に往復動して、記録ヘッド10を主走査方向に搬送する。
画像形成システム1は、用紙Qを主走査方向に直交する副走査方向に所定量搬送しては停止させる用紙Qの搬送制御を繰返し実行することにより、用紙Qを記録ヘッド10の下方に所定量ずつ間欠搬送する。用紙Qの停止時には、キャリッジ21を主走査方向に搬送し、記録ヘッド10にインク液滴を吐出させる。これにより、用紙Qの間欠搬送毎に、用紙Qに主走査方向の画像を形成する。画像形成システム1は、この動作を繰返し実行することにより、用紙Qに画像を形成する。
用紙Qは、搬送ローラ31及び排紙ローラ35からの力の作用を受けて、記録ヘッド10の下方でプラテン39の上流から下流に搬送される。搬送ローラ31は、プラテン39の上流で従動ローラ32に対向配置され、排紙ローラ35は、プラテン39の下流で従動ローラ36に対向配置される。
搬送ローラ31は、直流モータで構成されるPFモータ71によって回転駆動される。搬送ローラ31は、従動ローラ32との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、用紙Qを下流に搬送する。排紙ローラ35は、接続機構38を介して搬送ローラ31と接続されており、PFモータ71からの動力を、搬送ローラ31及び接続機構38を介して受けて、搬送ローラ31と同期回転する。
排紙ローラ35は、従動ローラ36との間に用紙Qを挟持した状態で回転することにより、搬送ローラ31側からプラテン39に沿って到来する用紙Qを更に下流に搬送する。これら搬送ローラ31、従動ローラ32、排紙ローラ35、従動ローラ36、接続機構38、及び、プラテン39は、用紙Qの搬送機構30(図2参照)を構成する。
本実施形態の画像形成システム1は、図2に示すように、メインユニット40と、通信インタフェース50と、給紙部60と、用紙搬送部70と、記録部90とを備える。メインユニット40は、CPU41、ROM43、RAM45、及びNVRAM47を備え、画像形成システム1を統括制御する。CPU41は、ROM43に格納されたプログラムに従う処理を実行する。RAM45は、CPU41による処理実行時に作業用メモリとして使用される。NVRAM47は、電気的にデータ書き換え可能な不揮発性メモリであり、画像形成システム1の電源オフ後にも保持する必要のあるデータを記憶する。
メインユニット40は、通信インタフェース50を介して外部装置5から印刷対象データを受信すると、この印刷対象データに基づく画像が用紙Qに形成されるように、給紙部60、用紙搬送部70及び記録部90に指令入力する。
給紙部60は、メインユニット40からの指令に従って、図示しない給紙トレイから搬送ローラ31と従動ローラ32とによる用紙Qのニップ位置まで用紙Qを搬送する。用紙搬送部70は、メインユニット40からの指令に従って、給紙部60から供給された用紙Qを、記録ヘッド10下方の画像形成位置に間欠搬送する。
記録部90は、メインユニット40からの指令に従って、用紙搬送部70によって間欠搬送される用紙Qの停止時に、キャリッジ21を主走査方向に搬送しつつ、記録ヘッド10に印刷対象データに基づくインク液滴の吐出動作を実行させる。これにより、用紙Qに対する主走査方向の画像形成を行う。記録部90は、記録ヘッド10、及び、記録ヘッド10を搭載するキャリッジ21を主走査方向に搬送(往復動)可能なキャリッジ搬送機構20を備える。
メインユニット40は、印刷対象データを受信すると、給紙部60及び用紙搬送部70に用紙Qの先端を記録ヘッド10下方の画像形成位置まで搬送させた後、記録部90にキャリッジ21を主走査方向に搬送させて、記録ヘッド10に用紙Qに対する画像形成動作を実行させる。
その後、メインユニット40は、用紙搬送部70に用紙Qを所定量下流に搬送する動作を実行させる。具体的に、メインユニット40は、搬送ローラ31の目標停止位置rを、現在位置から所定量加算した位置に設定し、用紙搬送部70に、搬送ローラ31を目標停止位置rまで回転させる。その後、記録部90に用紙Qに対する画像形成動作を実行させる。
画像形成動作の終了後、メインユニット40は、更に所定量加算した目標停止位置rを設定し、用紙搬送部70に、搬送ローラ31の回転により用紙Qを所定量下流に搬送させる。メインユニット40は、用紙Qの搬送停止に合わせて、記録部90に、キャリッジ21を主走査方向に搬送させて、用紙Qに対する画像形成動作を再実行させる。メインユニット40は、用紙搬送部70及び記録部90に上述の処理を交互に実行させることにより、用紙Qに、印刷対象データに基づく画像を形成する。
詳述すると、用紙搬送部70は、搬送機構30と、PFモータ71と、モータ駆動回路73と、ロータリエンコーダ75と、信号処理回路77と、コントローラ80とを備える。搬送機構30は、上述したように、搬送ローラ31、従動ローラ32、排紙ローラ35、従動ローラ36、接続機構38、及び、プラテン39を含む用紙Qの搬送機構である。搬送機構30では、搬送ローラ31及び排紙ローラ35がPFモータ71からの動力を受けて回転することにより、用紙Qの搬送動作が実現される。
PFモータ71は、モータ駆動回路73により駆動されて、搬送ローラ31を回転駆動する。モータ駆動回路73は、コントローラ80から入力される操作量uに応じた駆動電流(又は駆動電圧)をPFモータ71に印加することによって、PFモータ71を駆動する。
ロータリエンコーダ75は、周知のロータリエンコーダと同様に、搬送ローラ31の回転に応じたA相及びB相パルス信号をエンコーダ信号として出力する。ロータリエンコーダ75は、例えば、PFモータ71と搬送ローラ31との間の動力伝達経路に設けられる。信号処理回路77は、ロータリエンコーダ75から入力されるエンコーダ信号に基づき、搬送ローラ31の回転位置y及び回転速度vを計測し、計測された搬送ローラ31の回転位置y及び回転速度vをコントローラ80に入力するように構成される。
コントローラ80は、目標指令部81と、位置制御器83と、観測部85とを備える。目標指令部81は、メインユニット40から指定された目標停止位置rを、目標値rとして位置制御器83に入力するように構成される。
位置制御器83は、図2及び図3に示すように、搬送ローラ31の目標停止位置rに対応する一定の目標値rと信号処理回路77から得られる制御出力としての搬送ローラ31の回転位置yとの偏差(r−y)に応じた操作量uを、モータ駆動回路73に入力するように構成される。
図3に示されるPは、制御対象の伝達関数Pを表し、関係式y=P・uを満足する。位置制御器83は、予め設定された伝達関数C(ρ)に従って、偏差(r−y)を操作量uに変換する(u=C(ρ)・(r−y))。
操作量uの算出に用いられる位置制御器83の伝達関数C(ρ)は、メインユニット40により設定される可変パラメータρを有し、可変パラメータρは、メインユニット40により調整される。メインユニット40は、プログラムの実行により、観測部85から得られた観測データに基づき、可変パラメータρの設定値を更新するパラメータ更新部49として機能する(詳細後述)。
観測部85は、位置制御器83がPFモータ71を制御したときに観測された制御入力としての操作量u、及び、信号処理回路77により計測された制御出力としての回転位置yのペアを、メインユニット40からの指令入力に基づき、一定時間収集して、操作量u及び回転位置yの時系列データを、観測データとしてメインユニット40に提供するように構成される。
メインユニット40は、この観測データに基づき、可変パラメータρの設定値を更新する。メインユニット40は、画像形成システム1の電源投入時など、特定条件が満足されたときに、パラメータ更新部49として機能し、可変パラメータρの設定値を更新することができる。また、更新後の設定値を、NVRAM47に記憶することができる。
本実施形態のパラメータ更新部49は、次の評価関数J1が最小となる可変パラメータρの値を算出することにより、位置制御器83に対して適切な可変パラメータρの値を算出し、この算出値を位置制御器83に設定する。
評価関数J1に含まれるYは、次式に示すように、観測データが示す制御出力の観測値(回転位置y)のベクトル表現であり、Uは、観測データが示す制御入力の観測値(操作量u)のベクトル表現である。以下、観測された回転位置yのことを制御出力の観測値yとも表現し、観測された操作量uのことを制御入力の観測値uとも表現する。
Y,Uの各要素y[k](1≦k≦M)及びu[k](1≦k≦M)は、各時刻において観測された制御出力及び制御入力に対応し、y[k]及びu[k]は、対応するベクトルY,U内で時刻順に配列される。
評価関数J1に含まれるTdは、目標値rに対する制御出力の規範値ydを定義するモデル関数である。モデル関数Tdは、規範値ydを、関係式yd=Td・rで表す伝達関数である。評価関数J1の第一項は、観測値yのベクトル表現Yと、この規範値ydのベクトル表現Y*との差のノルムに対応する。ここではノルムとして、L2ノルムを採用することができる。
評価関数J1の第一項は、FRIT技術に従う評価関数である。可変パラメータρを調整すると、それによって観測値yが変化することになるが、規範値ydのベクトル表現Y*と観測値yのベクトル表現Yとの差のノルムが最小になる可変パラメータρを探索するために、可変パラメータρの値毎の観測値yを用意するのは面倒である。
FRIT技術によれば、制御出力の規範値yd=Td・rを、可変パラメータρに応じた制御出力の規範値Td・r*(ρ)に変換することにより、可変パラメータρに依らない観測値yを用いて、規範値ydのベクトル表現Y*と観測値yのベクトル表現Yとの差のノルムが最小になる可変パラメータρを探索することができるようにしている。r*(ρ)は、関係式r*(ρ)=C-1(ρ)・u+yを満足する目標値rに対応する擬似的な目標値である。
この擬似的な目標値r*(ρ)を位置制御器83に入力すると、図4から理解できるように、制御出力として観測データが表す観測値yを得ることができる。可変パラメータρに応じた制御出力の規範値Td・r*(ρ)は、この擬似的な目標値r*(ρ)を、モデル関数Tdに入力して得られる。
評価関数J1の第一項は、詳細には、観測値yのベクトル表現Yと、この可変パラメータρに応じた制御出力の規範値Td・r*(ρ)のベクトル表現Y*との差のノルムに対応する。換言すれば、評価関数J1の第一項は、各時刻における制御出力の観測値yと、可変パラメータρの値に対応する制御出力の規範値Td・(C-1(ρ)・u+y)との差のノルムに対応する。評価関数J1の第一項を最小化する可変パラメータρの値は、制御出力の観測値yと規範値Td・(C-1(ρ)・u+y)との差を最小化する可変パラメータρの値に対応する。
評価関数J1の第二項は、制御出力が目標応答に対応する規範値yd=Td・rを超えるオーバーシュートのし易い可変パラメータρの値では、評価関数J1の出力値を大きくするための補正項である。
上述した用紙Qの間欠搬送では、用紙Qを所定量ずつ正確に搬送できることが望ましい。しかしながら、搬送ローラ31の回転制御により、用紙Qを所定量搬送する制御では、用紙Qが所定量搬送される目標停止位置rを通り越した搬送ローラ31を逆回転させて、搬送ローラ31を目標停止位置rに調整しても、当該逆回転に合わせて用紙Qが後退せずに、用紙Qを正確に所定量搬送することが難しい。逆回転前には、搬送ローラ31が一旦停止することによって静止摩擦力が発生し、この静止摩擦力に打ち勝てずに逆回転が成功しない場合もあり得る。更には、逆回転が高頻度に発生する制御では、印刷に係るスループットが低下する。
即ち、用紙搬送のためは、制御出力に対応する搬送ローラ31の回転位置yが目標停止位置rを超えないように、搬送ローラ31の回転を制御できることが好ましい。評価関数J1の第二項は、このような好ましい搬送ローラ31の回転制御を実現するための補正項である。
上述のオーバーシュートは、図5に示すように、目標値rと制御出力yとの間の伝達関数T(ρ)が周波数対ゲインのグラフにおいてdB(デシベル)単位で正値である領域を含むときに発生する。図3に示すように、制御出力yは、伝達関数T(ρ)を用いて式y=T(ρ)・rにより表される。ゲインが正値であるときにオーバーシュートが発生することは、目標停止位置rに対するオーバーシュートが発生するときには(y/r)>1であることから、理解できる。
これに対し、モデル関数Tdは、制御出力の規範値y*を定義する伝達関数であることから、当然のことながらオーバーシュートが発生しないように、ゲインが0dB以下となる関数に定められる。従って、次式に従う制御出力の観測値yと規範値y*との偏差eを定義すると、偏差eの正負でオーバーシュートの発生有無を評価することができる。
上式によれば、図6に示すように、|Td|<|T(ρ)|であるとき、e>0であり、|Td|>|T(ρ)|であるとき、e<0である。Tdのゲインは0dB以下であることから、偏差eが正値、即ちe>0であるとき、T(ρ)のゲインが正値をとることになり、オーバーシュートが発生することになる。対して、偏差が負値、即ちe<0であるとき、T(ρ)のゲインが負値をとることになり、オーバーシュートが発生しないことになる。
このような理由から、本実施形態における評価関数J1の第二項は、偏差eがゼロより大きい場合には偏差eがゼロ以下である場合よりも評価関数J1の出力値を大きくするように定められる。具体的に、評価関数J1の第二項、及び、これを構成する関数G(EY)は、符号関数signを含む次の関数F1(EY)を用いて定義される。
上述したEYは、偏差eのベクトル表現に対応する。
sign(EY)は、偏差EYの各成分e[k]を、符号関数signに代入した値である。
符号関数sign(x)は、x>0であるとき値1を出力し、x<0であるとき値−1を出力し、x=0であるとき、値0を出力する関数である。符号関数sign(x)は、x=0であるとき、値−1を出力するように構成されてもよい。本実施形態においては、x=0であるときの符号関数sign(x)がどんな値であっても、その値は、評価関数J1の第二項の出力に影響を与えない。
このように評価関数J1の第二項は、偏差EYがゼロより大きい成分e[k]を含む場合には成分e[k]がゼロ以下である場合よりも大きな値を出力するように構成される。
例えば、図7において破線で示される偏差eは、関数{(sign(e)+1)/2}・eによって、実線で示すように変換される。図7において破線が示されていないように見える時間領域では、破線が実線と重なっている。図7から理解できるように、偏差eは、関数{(sign(e)+1)/2}・eによって、e<0であるときには、ゼロに変換され、e>0であるときには、実質的に変換されない。
従って、G(EY)=F1(EY)を用いて定義される評価関数J1の第二項は、各成分の偏差eが正値で大きくなるほど大きな値を示す。この特徴は、オーバーシュートが発生し易い可変パラメータρの値で、評価関数J1が最小化するのを抑制する。
従って、本実施形態によれば、目標応答に対するオーバーシュートの発生確率が上昇する方向に可変パラメータρの設定値が更新されるのを抑制することができ、パラメータ更新部49によって、位置制御器83の伝達関数C(ρ)を定義する可変パラメータρの値を、適切に調整することができる。
メインユニット40をパラメータ更新部49として機能させるためのプログラムは、メインユニット40に図8に示すチューニング処理を実行させるためのプログラムとして設計することができる。例えば、メインユニット40は、図8に示すチューニング処理を、画像形成システム1の電源投入毎又は定期的に実行することができる。定期的に実行することは、例えば、印刷枚数が所定量を超える度に実行すること、及び、一定時間が経過する度に実行することを含む。
別例によれば、メインユニット40は、図8に示すチューニング処理を、ユーザから実行指示が入力される毎に実行することができる。実行指示は、画像形成システム1に設けられたユーザインタフェース(図示せず)を通じて、又は、外部装置5を通じて、ユーザから入力され得る。
メインユニット40は、チューニング処理を開始すると、用紙搬送部70に対する指令入力により、用紙搬送部70に用紙Qのテスト搬送を実行させる(S110)。メインユニット40は、コントローラ80に目標停止位置rを指定することによって、搬送ローラ31を目標停止位置rまで回転させるような、伝達関数C(ρ)に基づくPFモータ71の制御を位置制御器83に実行させることができる。
メインユニット40は、NVRAM47に可変パラメータρの設定値を記憶し、この設定値を位置制御器83に設定することができる。テスト搬送に先駆けて、メインユニット40は、給紙部60に対する指令入力により、給紙部60に用紙Qを搬送機構30に供給させることができる。
観測部85は、メインユニット40からの指令入力に従い、上記テスト搬送に際して位置制御器83がPFモータ71を制御したときに観測された操作量u、及び、信号処理回路77により計測された回転位置yのペアを収集する。そして、操作量u及び回転位置yのペアの時系列データを、観測データとしてメインユニット40に提供する。
メインユニット40は、この観測部85から提供される観測データを取得する(S120)。その後、メインユニット40は、当該取得した観測データに基づき、評価関数J1を最小化する可変パラメータρの値を算出する(S140)。
S140において、メインユニット40は、上記評価関数J1に、S120で取得した観測データが示す制御入力の観測値u及び制御出力の観測値yを代入して、代入後の評価関数J1を最小化する可変パラメータρの値を算出することができる。具体的には、最小二乗法に基づいて評価関数J1を最小化する可変パラメータρの値を算出することができる。
その後、メインユニット40は、算出された可変パラメータρの値を、位置制御器83に設定し(S150)、これにより位置制御器83における可変パラメータρの設定値を更新する。更には、算出された可変パラメータρの値を、可変パラメータρの設定値としてNVRAM47に保存し、当該チューニング処理を終了する。
ここで、図9及び図12を用いて本実施形態によるパラメータ更新結果を、従来技術によるパラメータ更新結果と比較しながら説明する。
図9は、本実施形態によるパラメータ更新後の伝達関数C(ρ)を用いたときの制御出力である搬送ローラ31の回転位置yの軌跡を、縦軸が位置yに設定され、横軸が時間に設定されたグラフ内において、実線で示す。グラフ内の一点鎖線は、パラメータ更新前の制御出力を示す。グラフ内の破線は、目標応答y=Td・rを表す。
図12は、従来技術によるパラメータ更新後の伝達関数C(ρ)を用いたときの制御出力を、図9と同じ縦軸及び横軸を有するグラフ内において、実線で示す。図12のグラフ内で示される一点鎖線及び破線は、図9と同様である。図12に示されるパラメータ更新後の制御出力は、本実施形態の評価関数J1の第一項のみから構成される従来の評価関数を用いて伝達関数C(ρ)を更新した後の制御結果を示す。
図12によれば、従来技術によるパラメータ更新後の制御出力の軌跡は、パラメータ更新前と比較して目標応答に近づいているものの、回転位置yが目標停止位置rに到達する直前の時点t0で、目標停止位置rを超えている。即ち、従来技術による更新後の可変パラメータρを用いた搬送ローラ31の位置制御では、搬送ローラ31が目標停止位置rを超えるオーバーシュートが発生している。
オーバーシュートにより目標停止位置rを超えた搬送ローラ31の位置yは、搬送ローラ31の逆回転により最終的に目標停止位置rに調整されているが、上述したように、搬送ローラ31の行き過ぎによって生じる用紙Qの搬送誤差は、搬送ローラ31の逆回転によって完全に解消するものではない。また、搬送ローラ31の逆回転は、印刷に係るスループットを低下させる。このように、オーバーシュートの発生は、少なくとも本実施形態の画像形成システム1における用紙搬送に好ましいものではない。
このようにオーバーシュートが発生する従来技術に対し、本実施形態によるパラメータ更新後の制御出力の軌跡では、図9に示すように、オーバーシュートが発生していない。そうでありながら、この制御出力の軌跡は、パラメータ更新前と比較して適切に目標応答に近づいている。
従って、本実施形態の画像形成システム1によれば、制御対象の伝達関数Pが経時変化しても、可変パラメータρの更新により、適切に位置制御器83の伝達関数C(ρ)を更新して、高精度且つ効率的に用紙Qを間欠搬送することができる。高精度な用紙搬送は、シリアルプリンタにおいて、用紙Qに印刷される画像の品質向上に貢献する。従って、本実施形態によれば、高性能な画像形成システム1を構成することができる。
付言すると、評価関数J1の第二項を構成する関数G(EY)は、e>0であるときにe≦0であるときよりも評価関数J1を大きくするものであれば、任意の構成を採り得る。例えば、評価関数J1の第二項は、上記関数F1(EY)とは異なる次の関数F2(EY)を用いて定義されてもよい。
別例として、関数G(EY)は、関数F1(EY)又は関数F2(EY)に比例した関数A・F1(EY)又はA・F2(EY)に定義されてもよい。評価関数J1の第二項は、関数F1(EY)に窓関数Wを作用させた関数を用いて定義されてもよい。
窓関数Wは、例えば、次のように定義することができる。
値k1,k2は、オーバーシュートを抑制すべき制御出力の時間帯に合わせて、設計者が予め定めることができる。
本実施形態によれば、搬送ローラ31の回転位置yが目標停止位置rまで変化する過程において、制御出力である回転位置yが目標応答y=Td・rを超えないのが好ましいが、特には、搬送ローラ31の逆回転を抑えるために、回転位置yが目標停止位置rを超えないのが好ましい。従って、回転位置yが目標応答y=Td・rに正確に従うときに目標停止位置rに到達する時刻t2を基準に、その前後の偏差eに対して窓を設定するように、値k1,k2は定められ得る。
図10に示す例によれば、回転位置yが目標停止位置rの80%に到達する時刻t1から、目標停止位置rに到達して所定時間Δtが経過する時刻t3=t2+Δtまでの時間帯に観測される偏差eがw=1で重み付けされ、それ以外の時間帯に観測される偏差eがw=0で重み付けされる窓関数Wが、図10下段のグラフ上に太実線で示されている。この場合、k1は、時刻t1に対応する値に設定され、k2は、時刻t3=t2+Δtに対応する値に設定される。Δtはゼロ以上の時間であればよい。時刻t1は、回転位置yが目標停止位置rの50%〜80%に到達する時刻であってもよい。
抑制すべきオーバーシュートの発生位置がおよそ定まっているケースにおいて、このように窓関数Wを用いて特定の時間帯の偏差eに対応する関数F1(EY)の成分を重み付けすることは、より適切な可変パラメータρの更新に有益である。関数F1(EY)に代えて、関数F2(EY)が用いられてもよい。
付言すると、窓関数Wは、評価関数J1の第二項の重み付けを、オーバーシュートを抑制すべき時間帯で他の時間帯よりも大きくすることができる関数であればよく、図10に示すような矩形状ではなく、時間軸に対して滑らかに値wが変化する凸状の二次関数や三角関数によって定義されてもよい。
この他、パラメータ更新部49には、VRFT技術が適用されてもよい。この場合、パラメータ更新部49は、次の評価関数J2が最小となる可変パラメータρの値を算出することにより、位置制御器83に適切な可変パラメータρの値を算出し、この算出値を位置制御器83に設定するように構成され得る。
評価関数J2の第二項は、評価関数J1の第二項と同一構成を採ることができる。
評価関数J2の第一項は、VRFT技術に従う評価関数である。VRFT技術によれば、図11に示すように、観測値yをモデル関数Tdの逆モデルTd -1に入力して得られる値Td -1・yを、擬似的な目標値r*として用いる。この目標値r*を、制御器(位置制御器83)に入力して得られる操作量u*=C(ρ)・(Td -1・y−y)を、制御入力の規範値として用いて、制御入力の観測値uとの差を低減するように、可変パラメータρを更新する。
評価関数J2の第一項は、制御入力の観測値uのベクトル表現Uと、可変パラメータρに応じた制御入力の規範値u*=C(ρ)・(Td -1・y−y)のベクトル表現U*との差のノルムに対応する。換言すれば、評価関数J2の第一項は、各時刻における制御入力の観測値uと、可変パラメータρの値に対応する制御入力の規範値u*=C(ρ)・(Td -1・y−y)との差のノルムに対応する。
このように、評価関数J2は、VRFT技術に従う評価関数に、FRIT技術を用いた上記実施形態と同様の第二項||G(EY)||2を加算して定義される。図8に示すチューニング処理のS140では、この評価関数J2を最小化する可変パラメータρの値を算出することができる。
評価関数J2を用いる実施形態においても、先に説明した評価関数J1を用いる実施形態と同様、オーバーシュートの発生を抑えて、位置制御器83の伝達関数C(ρ)を適切に更新することができ、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、変形例を含む本実施形態の画像形成システム1及びパラメータ更新部49の構成について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、本実施形態のパラメータ更新部49は、用紙Qを間欠搬送する制御系への適用に限定されない。評価関数J1,J2に基づく可変パラメータρの更新技術は、画像形成システム1における給紙部60及び記録部90の搬送制御系に適用されてもよい。例えば、キャリッジ21のオーバーランは、キャリッジ21が搬送経路端部の壁に衝突する可能性を生じさせるため好ましくない。従って、キャリッジ21の搬送制御系に本開示の技術を提供することは非常に有意義である。
この他、画像形成システム1以外の制御系にも、評価関数J1,J2に基づく可変パラメータρの更新技術は適用され得る。オーバーシュートの発生は、それによる制御誤差を解消するための処理に起因する追加のエネルギー消費を生じさせる。従って、消費エネルギー抑制のために、本開示の技術は、様々な装置に適用することができる。
上述のパラメータ更新部49の機能は、メインユニット40がプログラムを実行することにより実現された。しかしながら、パラメータ更新部49の機能は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。パラメータ更新部49の機能は、制御系とは独立した情報処理装置に搭載されてもよい。
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…画像形成システム、30…搬送機構、31…搬送ローラ、32…従動ローラ、35…排紙ローラ、36…従動ローラ、40…メインユニット、41…CPU、43…ROM、45…RAM、47…NVRAM、49…パラメータ更新部、60…給紙部、70…用紙搬送部、71…PFモータ、73…モータ駆動回路、75…ロータリエンコーダ、77…信号処理回路、80…コントローラ、81…目標指令部、83…位置制御器、85…観測部、90…記録部、Q…用紙。

Claims (11)

  1. 制御出力yと目標値rとの偏差に基づき、可変パラメータρを有する伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(r−y)を算出し、前記制御入力uに基づき制御対象を制御する制御装置における前記可変パラメータρの設定値を更新する方法であって、
    前記制御装置による制御時に観測された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得手順と、
    前記取得手順により取得された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する前記可変パラメータρの値を算出する算出手順と、
    前記可変パラメータρの設定値を、前記算出手順による算出値に更新する更新手順と、
    を備え、
    前記評価関数は、第一の関数部分と第二の関数部分とを含み、
    前記第一の関数部分は、
    前記目標値rに対する前記制御出力yの規範値Td・rを規定するモデル関数Tdと、前記制御入力uの時系列データのベクトル表現Uと、前記制御出力yの時系列データのベクトル表現Yと、を用いて表される関係式
    に従う偏差EYのノルムが大きくなるほど、前記評価関数の出力値を大きくするように、又は、関係式
    に従う偏差EUのノルムが大きくなるほど、前記評価関数の出力値を大きくするように構成され、
    前記第二の関数部分は、前記偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には前記成分がゼロ以下である場合よりも前記評価関数の出力値を大きくするように構成されるパラメータ更新方法。
  2. 前記評価関数は、前記第一の関数部分と前記第二の関数部分との和に対応し、
    前記第一の関数部分は、前記偏差EYのノルムが大きくなるほど大きな値を出力するように、又は、前記偏差EUのノルムが大きくなるほど大きな値を出力するように構成され、
    前記第二の関数部分は、前記偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には前記成分がゼロ以下である場合よりも大きな値を出力するように構成される請求項1記載のパラメータ更新方法。
  3. 前記評価関数は、関係式
    で表される関数J1又は関数J2に従う値を出力する関数であり、前記第一の関数部分は、前記関数J1又は関数J2の第一項に対応し、前記第二の関数部分は、前記関数J1又は関数J2の関数G(EY)によって定義される第二項に対応し、前記関数G(EY)は、前記関数G(EY)のノルムが、前記偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には前記成分がゼロ以下である場合よりも大きな値を示すように構成される請求項2記載のパラメータ更新方法。
  4. 前記関数G(EY)は、関係式
    で表される関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)に比例する、又は、前記関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)を要素に含む請求項3記載のパラメータ更新方法。
  5. 前記関数G(EY)は、主たる関数F(EY)に窓関数Wを作用させた関数F(EY)・Wであり、
    前記目標値rは、一定値であり、
    前記窓関数Wは、前記制御出力yの前記目標値rへの到達時刻を基準とする特定の時間帯における前記関数F(EY)の重みを他の時間帯より大きくするように、前記関数F(EY)を時間軸に対して重み付けする窓関数である請求項3記載のパラメータ更新方法。
  6. 制御出力yと目標値rとの偏差に基づき、可変パラメータρを有する伝達関数C(ρ)に従う制御入力u=C(ρ)・(r−y)を算出し、前記制御入力uに基づき制御対象を制御する制御装置における前記可変パラメータρの設定値を更新するパラメータ更新装置であって、
    前記制御装置による制御時に観測された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データを取得する取得ユニットと、
    前記取得ユニットにより取得された前記制御入力u及び制御出力yの時系列データに基づき、評価関数の出力値を最小化する前記可変パラメータρの値を算出する算出ユニットと、
    前記可変パラメータρの設定値を、前記算出ユニットによる算出値に更新する更新ユニットと、
    を備え、
    前記評価関数は、第一の関数部分と第二の関数部分とを含み、
    前記第一の関数部分は、
    前記目標値rに対する前記制御出力yの規範値Td・rを規定するモデル関数Tdと、前記制御入力uの時系列データのベクトル表現Uと、前記制御出力yの時系列データのベクトル表現Yと、を用いて表される関係式
    に従う偏差EYのノルムが大きくなるほど、前記評価関数の出力値を大きくするように、又は、関係式
    に従う偏差EUのノルムが大きくなるほど、前記評価関数の出力値を大きくするように構成され、
    前記第二の関数部分は、前記偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には前記成分がゼロ以下である場合よりも前記評価関数の出力値を大きくするように構成されるパラメータ更新装置。
  7. 前記評価関数は、前記第一の関数部分と前記第二の関数部分との和に対応し、
    前記第一の関数部分は、前記偏差EYのノルムが大きくなるほど大きな値を出力するように、又は、前記偏差EUのノルムが大きくなるほど大きな値を出力するように構成され、
    前記第二の関数部分は、前記偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には前記成分がゼロ以下である場合よりも大きな値を出力するように構成される請求項6記載のパラメータ更新装置。
  8. 前記評価関数は、関係式
    で表される関数J1又は関数J2に従う値を出力する関数であり、前記第一の関数部分は、前記関数J1又は関数J2の第一項に対応し、前記第二の関数部分は、前記関数J1又は関数J2の関数G(EY)によって定義される第二項に対応し、前記関数G(EY)は、前記関数G(EY)のノルムが、前記偏差EYがゼロより大きい成分を含む場合には前記成分がゼロ以下である場合よりも大きな値を示すように構成される請求項7記載のパラメータ更新装置。
  9. 前記関数G(EY)は、関係式
    で表される関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)に比例する、又は、前記関数F1(EY)若しくは関数F2(EY)を要素に含む請求項8記載のパラメータ更新装置。
  10. 前記関数G(EY)は、主たる関数F(EY)に窓関数Wを作用させた関数F(EY)・Wであり、
    前記目標値rは、一定値であり、
    前記窓関数Wは、前記制御出力yの前記目標値rへの到達時刻を基準とする特定の時間帯における前記関数F(EY)の重みを他の時間帯より大きくするように、前記関数F(EY)を時間軸に対して重み付けする窓関数である請求項8記載のパラメータ更新装置。
  11. 請求項6〜請求項10のいずれか一項記載のパラメータ更新装置における前記取得ユニット、前記算出ユニット、及び前記更新ユニットとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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