JP2017179249A - ブロー成形用熱可塑性組成物およびブロー成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドローダウン性、表面外観、二次加工性、耐熱性、耐衝撃性に優れるブロー用熱可塑性樹脂組成物およびそのブロー成形品を提供する。【解決手段】 グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量%中のゴム状重合体含有量が10〜25重量部で、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量部に対して、ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)を0.1〜7重量部配合することを特徴とするブロー成形用熱可塑性樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、ドローダウン性、表面外観、二次加工性、耐熱性、耐衝撃性に優れたブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるブロー成形品に関するものである。
ブロー成形法は、中空成形品を成形する技術として、特にポリオレフィン系樹脂を中心として利用されてきたが、近年、ブロー成形技術の発達により、多種多様な樹脂にも応用展開されてきている。中でも機械的特性、二次加工性に優れるゴム強化スチレン系樹脂(例えば、ABS樹脂、AES樹脂等)は車両用分野、家電分野、事務機器分野など広い分野においてブロー成形の適用が検討されてきた。
しかしながら、ゴム強化スチレン系樹脂は溶融状態での強度が弱く、ブロー成形の特徴であるパリソンのドローダウン性に劣る問題があった。その改良として、例えば、特許文献1では粘度を規定し、良好なドローダウン性を得る方法が開示されている。しかしながら、塗装を必要とする成形品においては、平滑な塗装面が求められ、塗装前にサンディングと呼ばれる表面平滑化処理が行われる。しかしながら、この表面平滑化処理の作業性については未だ満足できるものでなかった。
特開2002−356594号公報
本発明の目的は、ドローダウン性、表面外観、二次加工性、耐熱性、耐衝撃性に優れるブロー用熱可塑性樹脂組成物及びそれらからなるブロー成形品を提供することにある。
すなわち、ゴム状重合体と、芳香族ビニル系単量体及び芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体とがグラフト重合したグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体を重合した共重合体(B)を含有し、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量%中のゴム状重合体含有量が10〜25重量%で、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量部に対して、ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)を0.1〜7重量部配合することを特徴とするブロー成形用熱可塑性樹脂組成物を提供する。
また、上記共重合体(B)が、ガラス転移温度110℃以上130℃未満である共重合体(B−1)とガラス転移温度130℃以上150℃未満である共重合体(B−2)を含有し、かつ、共重合体(B)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)が0.6〜0.9dl/gであることが好ましく、共重合体(B−1)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)は、0.75〜1.0dl/gであることがより好ましい。
さらに、本発明は、上記ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物をブロー成形してなるブロー成形品を提供する。
本発明によれば、ブロー成形品の耐衝撃性、耐熱性、表面外観、ブロー成形時のドローダウン性および二次加工性のバランスに優れたブロー成形用熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるブロー成形品を提供することができる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
なお、本発明の二次加工性とは、ブロー成形品表面を平滑にするための作業性を示すサンディング性やペーパー目詰まり性のことである。
本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)を含有し、特定量のゴム状重合体と、特定量のポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)を配合してなる。
グラフト共重合体(A)は、ゴム状重合体と、芳香族ビニル系単量体及び芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体とがグラフト重合して得られる。
グラフト共重合体(A)を構成するゴム状重合体(a)としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の共役ジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系ゴム等のエチレン−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレート等のアクリル酸エステル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム等、さらにはこれらの二種以上のゴムからなる複合ゴムを挙げることが出来る。これらのうち、特に共役ジエン系ゴムが好ましい。
ゴム状重合体の重合方法については特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができるが、乳化重合法が好ましい。
ゴム状重合体を乳化重合法により得る際に用いる乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩が特に好ましい。
ゴム状重合体を乳化重合法により得る際に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。これら開始剤と還元剤の組み合わせからなるレドックス系開始剤も用いることができ、還元剤としては、硫酸第一鉄7 水塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩、また、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類、更にはラクトース、デキストロース、サッカロースなどの還元糖類、更にはジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。また、レドックス系開始剤にはキレート剤として、ピロリン酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等が用いられる。
ゴム状重合体を乳化重合法により得る際の粒子の調整方法には特に制限はないが、バッチ重合、セミバッチ重合、シード重合などを用いることが出来る。また、各種成分の添加方法についても特に制限されるものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード法などを用いることができる。
ゴム状重合体を乳化重合法により得る際の重合温度は特に制限はないが、40〜80℃であることが好ましい。
ゴム状重合体の重量平均粒子径に特に制限はないが、耐衝撃性などの物性バランスから、0.01〜2.0μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましい。また、重量平均粒子径が0.05〜0.3μmのゴム状重合体を凝集肥大化させることで調整することもできる。
グラフト共重合体(A)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
グラフト共重合体(A)を構成する芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体として、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体、不飽和カルボン酸単量体、多官能性単量体等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が例示でき、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸(ジ)ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸クロルフェニル等が例示でき、マレイミド系単量体としてはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が例示でき、アミド系単量体としてはアクリルアミド、メタクリルアミド等が例示でき、不飽和カルボン酸単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が例示できる。多官能性単量体としては、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物などが例示できる。
ゴム状重合体にグラフト重合される、上述の単量体の組成比率に特に制限はないが、芳香族ビニル系単量体60〜90重量%、シアン化ビニル系単量体10〜40重量%及びその他の単量体0〜30重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体30〜80重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体20〜70重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%、シアン化ビニル系単量体10〜60重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%の組成比率であることが好ましい(ゴム状重合体にグラフト重合される単量体合計量を100重量%とする)。
グラフト共重合体(A)を構成するゴム状重合体の含有量は、耐衝撃性、流動性及び発色性などの物性バランスから、20〜85重量%であることが好ましく、40〜70重量%であることがより好ましい(グラフト共重合体の構成成分の合計を100重量%とする)。ゴム状重合体の含有量が20重量%より少ないとグラフト共重合体(A)のグラフト率が高くなり耐衝撃性に劣る傾向にあり、85重量%を超えるとグラフト共重合体(A)のグラフト率が低くなり発色性に劣る傾向にある。
グラフト共重合体(A)の重合方法については特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができるが、乳化重合法が好ましい。
グラフト共重合体(A)を乳化重合法により得る際に用いる乳化剤、開始剤は、上述したゴム状重合体を乳化重合法により得る際と同様のものを用いることができ、重合温度も同様の範囲で実施することができる。
グラフト共重合体(A)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度は、下記のように求めることができ、耐衝撃性などの物性バランスの観点から、グラフト率は10〜150%であることが好ましく、アセトン可溶部の還元粘度は0.2〜2.0dl/gであることが好ましい。
<グラフト率>
約2g秤量した該当グラフト共重合体(A)パウダーをアセトン60mLに24時間浸漬後、ガラスフィルターでアセトン不溶部とアセトン可溶部に分離する。分離したアセトン不溶部を24時間真空乾燥後、その重量を測定した。
グラフト率(%)=(X―Y)/Y×100
X:真空乾燥後のアセトン不溶部量(g)
Y:グラフト共重合体中のゴム状重合体量(g)
<アセトン可溶分の還元粘度>
約1g秤量したグラフト共重合体(A)パウダーを試薬特級のアセトンに24時間以上浸漬する。その後、遠心分離機で可溶部と不溶部に分離する。遠心分離機で分離されたアセトン可溶部を試薬特級メタノールに沈殿させポリマーを得る。アセトン可溶分を乾燥後、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100mlの濃度の溶液とした後、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃で測定した流下時間より還元粘度を求めた。
共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体としては、前述したグラフト共重合体(A)で例示したものと同様の単量体が挙げられる。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンが好ましいが、共重合体(B)のガラス転移温度を高く設計する点で、α−メチルスチレンがさらに好ましい。
共重合体(B)を構成する単量体の組成比率に特に制限はないが、好ましい組成比率として、芳香族ビニル系単量体60〜90重量%、シアン化ビニル系単量体10〜40重量%及びその他の単量体0〜30重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体30〜80重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体20〜70重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%、シアン化ビニル系単量体10〜60重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%の組成比率であることが好ましい。
共重合体(B)の重合方法については特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができ、乳化重合法が好ましい。
共重合体(B)を乳化重合法により得る際に用いる乳化剤、開始剤は、上述したゴム状重合体を乳化重合法により得る際と同様のものを用いることができ、重合温度も同様の範囲で実施することができる。
また、共重合体(B)は、ガラス転移温度110℃以上130℃未満である共重合体(B−1)とガラス転移温度130℃以上150℃未満である共重合体(B−2)を含有し、かつ、共重合体(B)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)は、0.6〜0.9dl/gであることが好ましい。
上記のように設計することで、パリソンのドローダウン性と耐熱性のバランスを向上させることができる。
共重合体(B)のガラス転移温度の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用いる。アルミニウム製の試験用パンに試料をセットし、測定温度を30℃〜220℃まで速度10℃/分で昇温して、ベースラインと変曲点での接線の交点をガラス転移温度とする。
共重合体(B)の還元粘度は下記のように求めることができる。
<共重合体(B)の還元粘度(dl/g)>
共重合体(B)パウダーを、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100mlの濃度の溶液とした後、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃で測定した流下時間より還元粘度を求めた。
さらに、上記共重合体(B−1)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)が0.75〜1.0dl/gであることがより好ましい。共重合体(B−1)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)を0.75〜1.0dl/gにすることで、パリソンのドローダウン性と耐熱性のバランスを向上させることができるとともに、共重合体(B)のガラス転移温度と還元粘度を高く設計することが容易になる。
グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量%中にゴム状重合体含有量が10〜25重量%であることが必要であり、10重量%未満だと耐衝撃性が低下し、25重量%を超えると耐熱性、二次加工性が低下する。
乳化重合法により得られたグラフト共重合体(A)及び/又は共重合体(B)は、凝固、洗浄、脱水、乾燥する工程を経ることでパウダーを得ることができる。凝固工程で使用される凝固剤としては、硫酸、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムなどを水に溶解し、1種又は2種以上用いることができる。また、凝固剤を用いず、スプレードライヤーなどによる回収、乾燥方法も用いることができる。
本発明で用いるポリオルガノシロキサン(C)は、シロキサン結合に有機基を持つポリマーであれば周知のものを用いることができ、未変性ポリオルガノシロキサン、変性ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。未変性ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン等が挙げられる。変性ポリオルガノシロキサンとしては、ポリオルガノシロキサン構造中の側鎖が一部変性されたもの、ポリオルガノシロキサン構造中の片末端が変性されたもの、ポリオルガノシロキサン構造中の両末端が変性されたもの、ポリオルガノシロキサン構造中の側鎖の一部及び両末端が変性されたもの等が挙げられる。変性ポリオルガノシロキサンの導入有機基としては、アミン基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基、ハイドロジェン基、アミノ・ポリエーテル基、エポキシ・ポリエーテル基、エポキシ・アラルキル基、ポリエーテル基、アラルキル基、フロロアルキル基、長鎖アルキル基、高級脂肪酸エステル基、高級脂肪酸アミド基、ポリエーテル・長鎖アルキル・アラルキル基、長鎖アルキル・アラルキル基、フェニル基、アクリル基、メタクリル基、フェノール基、シラノール基、カルボン酸無水物基、ジオール基、メトキシ基等が挙げられる。
本発明で用いるポリオルガノシロキサン(C)の性状は、サンディング性の観点から、常温でシリコーンオイルのような流動性を有していない半固体状(ガム状)であることが好ましい。
本発明で用いるポリオルガノシロキサン(C)を配合する際は、直接配合させてもよいが、予めポリオルガノシロキサン(C)とスチレン系樹脂を溶融混錬させたマスターバッチペレットを製造し配合させることもできる。中でも、マスターバッチペレットとしてポリオルガノシロキサン(C)を配合する方が、熱可塑性樹脂組成物中においてポリオルガノシロキサンが分散しやすい点で好ましい。
オレフィン系グラフト重合体(D)は、オレフィン系重合体と芳香族ビニル系単量体を含む単量体とがグラフト重合したものである。
オレフィン系グラフト重合体(D)を構成するオレフィン系重合体としては、例えば、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体、これらの変性物、けん化物、水添物等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等、エチレンに基づく単量体単位が主単位(通常、重合体を構成する全単量体単位を100モル%として、エチレンに基づく単量体単位の含有量が50モル%以上)の重合体を挙げることができる。
エチレン単独重合体としてはポリエチレンが挙げられる。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等、炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられ、1種または2種以上使用することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−環状オレフィン共重合体など、プロピレンに基づく単量体単位が主単位(通常、重合体を構成する全単量体単位を100モル%として、プロピレンに基づく単量体単位の含有量が50モル%以上)の重合体をあげることができる。
プロピレン単独重合体としては、ポリプロピレンが挙げられる。また、プロピレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、1種または2種以上使用することができる。
オレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましく、エチレン−α−オレフィン共重合体であることがより好ましい。
オレフィン系グラフト重合体(D)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、1種または2種以上使用することができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
さらに、オレフィン系グラフト重合体(D)には、芳香族ビニル系単量体と共重合可能なその他の単量体が含まれていてもよく、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アミド系単量体、不飽和カルボン酸系単量体等が挙げられ、1種 または2種以上使用することができる。シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が例示でき、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸(ジ)ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸クロルフェニル等が例示でき、アミド系単量体としてはアクリルアミド、メタクリルアミド等が例示でき、不飽和カルボン酸系単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が例示できる。
オレフィン系グラフト重合体(D)を構成する、オレフィン系重合体と芳香族ビニル系単量体を含む単量体の比率に特に制限はないが、オレフィン系重合体30〜80重量%、芳香族ビニル系単量体を含む単量体20〜70重量%(オレフィン系重合体と芳香族ビニル系単量体を含む単量体の合計を100重量%とする)であることが好ましい。
オレフィン系グラフト重合体(D)の製造方法に特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合又はこれらの組み合わせの方法により得ることができるが、懸濁重合法を用いることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)の配合量は、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量部に対して、0.1〜7重量部であり、0.3〜6重量部であることが好ましく、0.7〜5重量部であることがより好ましい。ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)が、0.1重量部未満ではサンディング等の二次加工性に劣り、7重量部を超えると最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の物性バランス、特に耐熱性と耐衝撃性が劣る結果となる。
本発明のブロー用熱可塑性樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲内において、他の熱可塑性樹脂と混合して使用することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂等を使用することができる。
本発明のブロー用熱可塑性樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲内において、ヒンダードアミン系の光安定剤、ヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系等の酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系等の熱安定剤、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系の紫外線吸収剤、有機ニッケル系、高級脂肪酸アミド類等の滑剤、リン酸エステル類等の可塑剤、ポリブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール− A 、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化等の含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃助剤、臭気マスキング剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料、及び染料等を添加することもできる。更に、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維等の補強剤や充填剤を添加することもできる。 また、タルクを配合する場合、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましい。タルクを上記範囲で配合することでブロー成形性をより向上させることができる。
本発明のブロー用熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。
このようにして得られた本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物をブロー成形する方法としては、通常のブロー成形の他、シートパリソン法、コールドパリソン法、ボトルパック法、インジェクションブロー成形法、延伸ブロー成形法など各種の方法があるが、いずれの方法も採用できる。このブロー成形工程では、ブローアップ性、表面性等の点から、得られた樹脂組成物を200℃以上のパリソンまたはシートでブロー成形することが好ましい。更に、より良い効果を得るためには、パリソンおよびシートを膨らませる際に、空気に代えて、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどのガスを用いてもよい。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」及び「% 」は重量に基づくものである。
ゴム状重合体ラテックスの製造
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン95重量部、スチレン5重量部、n−ドデシルメルカプタン0.5重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.8重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部、脱イオン水145重量部を仕込み、攪拌しつつ70℃で8時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を70℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去し、スチレン−ブタジエンゴムラテックスを得た。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスを、四酸化オスミウム(OsO4)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影した。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製IP−1000PC)を用いて1000個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、重量平均粒子径を算出した結果、120nmであった。
凝集肥大化ゴム状重合体ラテックスの製造
10リットルの耐圧容器に、上記で得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス270重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部を添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液20重量部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化カリウム水溶液10重量部を添加し、凝集肥大化したスチレン−ブタジエンゴムラテックスを得た。上述の方法で、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は250nmであった。
グラフト共重合体(A)の製造
10Lのガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス50重量部(固形分)を仕込み、撹拌を開始し、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した。70℃に到達後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1. 0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A)のパウダーを得た。
得られたグラフト共重合体(A)パウダーを、上述した方法でグラフト率およびアセトン可溶部の還元粘度を測定したところ、グラフト率は37.0%、アセトン可溶部の還元粘度は0.4dl/gであった。
共重合体(B−1)の製造
10Lのガラスリアクターに脱イオン水150重量部とロジン酸ナトリウム3.0重量部を仕込み、撹拌を開始し、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、脱イオン水8重量部に過硫酸カリウム0.3重量部を溶解した水溶液を添加した。その後、槽内温度が70℃に到達した時点でα−メチルスチレン68重量部、アクリロニトリル32重量部及びターシャリードデシルメルカプタン0.05部からなる混合物を70℃で5時間かけて添加した。その後、70℃に維持しながら4時間攪拌を継続して反応を終了した。得られたラテックスを塩析、脱水、乾燥後することで共重合体(B−1)のパウダーを得た。
得られた共重合体(B−1)パウダーを、上述した方法で還元粘度を測定した結果、還元粘度は0.80dl/gであった。また、ガラス転移温度は、上述した方法で測定した結果、125℃であった。
共重合体(B−2)の製造
α−メチルスチレン78重量部、アクリロニトリル22重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.2部に変更した以外は、共重合体(B−1)の製造と同様にして共重合体(B−2)のパウダーを得た。
得られた共重合体(B−2)パウダーを、上記共重合体(B−1)と同様に測定したところ、還元粘度は0.45dl/gであった。また、ガラス転移温度は、上述した方法で測定した結果、140℃であった。
ポリオルガノシロキサン(C)
常温で半固体状のポリジメチルシロキサンとABS樹脂を溶融混練することによって得られたマスターバッチペレット(常温で半固体状のポリジメチルシロキサン含有量50%):東レ・ダウコーニング(株)製 BY27−007
オレフィン系グラフト重合体(D)
100Lの耐圧容器に脱イオン水500部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール((株)ADEKA)、商品名プルロニックF−68)0.2部、硫酸マグネシウム1.0部、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合(住友化学(株)製、商品名「スミカセンEP GT140」)60部仕込み、攪拌しつつ槽内の窒素置換を行った。その後、スチレン24部、アクリロニトリル16部、tert−ブチルパーオキシピバレート1.8部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.15部、1,4−ベンゾキノン0.08部から構成される混合モノマーと脱イオン水50部を仕込み槽内の窒素置換を行った。槽内温度を85℃まで昇温後、85℃になってから1時間反応を継続させた。反応終了後、槽内温度を40℃まで冷却し、回収・洗浄・乾燥を行うことでオレフィン系グラフト重合体(D)を得た。
無機充填材(E)
タルク:松村産業(株)製 クラウンタルクPP
酸化防止剤(F)
フェノール系酸化防止剤:(株)ADEKA製 AO−60
滑剤(G)
エチレン・ビスステアリン酸アマイド:花王(株)製 カオーワックス EB−FF
〔実施例1〜9および比較例1〜4〕
グラフト共重合体(A)、共重合体(B−1)〜(B−2)、ポリオルガノシロキサン(C)、オレフィン系グラフト重合体(D)、無機充填材(E)、酸化防止剤(F)、滑剤(G)を表1記載の配合割合で混合した後、40mm二軸押出機を用いて240℃にて溶融混練してペレット化し、ブロー成形用熱可塑性樹脂組成物を得た。
また、共重合体(B)の還元粘度は、表1記載の共重合体(B−1)及び/又は共重合体(B−2)の混合比率で別途混合した後、上述した方法で測定を行った。結果を表1に示す。
評価方法
得られたブロー用熱可塑性樹脂組成物につき下記の評価を行った。評価結果は、表1に示す。
ドローダウン性
ブロー成形機を評価に用い、パリソン温度250℃でパリソン重量約450gを射出放置し、パリソンが地面に到着するまでの時間を測定し、以下の基準でドローダウン性を評価した。
○:パリソン射出放置後、パリソンが地面に到着するまでの時間が20秒を超える
△:パリソン射出放置後、パリソンが地面に到着するまでの時間が10〜20秒である。
×:パリソン射出放置後、パリソンが地面に到着するまでの時間が10秒未満である。
表面外観
直径50mm、長さ500mm、肉厚3mmの円筒状のブロー成形体を、ブロー成形機でブロー成形し、成形品末端部分のシワの発生状態にて判定。
○:シワが発生しない。
△:シワは発生するが、軽微である。
×:シワが発生し、尚且つシワの溝が深い。
サンディング性
上記表面外観評価用に成形したブロー成形体にサンドペーパー(#320)を用いてサンディング加工を行い、ダイライン、表面凹凸を除去し、表面を平滑にするための所要時間にて判定。
○:表面を平滑にするのに要する時間が30秒〜60秒未満。
△:表面を平滑にするのに要する時間が60〜90秒。
×:表面を平滑にするのに要する時間が90秒を超える。
ペーパー目詰まり性
上記サンディング性評価した際のペーパーの目詰まりを目視にて判定。
○:目詰まりが少なく、付着している紛体は容易に取れる
△:目詰まりは少ないが、付着した紛体は取れ難い。
×:目詰まりが多く、付着した紛体は取れ難い。
耐熱性
ISO294に準拠して試験片を成形し、耐熱性の測定をした。
耐熱性はISO75に準拠し、荷重1.8MPaの荷重たわみ温度を測定した。
単位:℃
耐衝撃性
ISO294に準拠して試験片を成形し、耐衝撃性を測定した。
耐衝撃性はISO179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m2
表1から明らかなように、本発明のブロー用熱可塑性樹脂組成物を使用した実施例1〜9はいずれも、ドローダウン性、表面外観、サンディング性、ペーパー目詰まり性、耐熱性、耐衝撃性に優れるものが得られた。
ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)を配合していない比較例1は、サンディング性、ペーパー目詰まり性に劣るものであった。
ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)の配合量が本願規定の上限を超える比較例2は、サンディング性、耐熱性に劣るものであった。
ブロー用熱可塑性樹脂組成物のゴム状重合体含有量が本願規定の下限未満である比較例3は、耐衝撃性に劣るものであった。
ブロー用熱可塑性樹脂組成物のゴム状重合体含有量が本願規定の上限を超える比較例4は、サンディング性、耐熱性に劣るものであった。
本発明のブロー成形用熱可塑性樹脂組成物は、ドローダウン性、表面外観、二次加工性、耐熱性、耐衝撃性のバランスに優れるものであり、例えば車両用スポイラーのような大型のブロー成形品であり、尚且つ塗装下地として平滑な表面外観を要求されるブロー成形品を得るためのブロー成形用熱可塑性樹脂組成物及びそれを成形してなるブロー成形品として有用である

Claims (4)

  1. ゴム状重合体と、芳香族ビニル系単量体及び芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体とがグラフト重合したグラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体を重合した共重合体(B)を含有し、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量%中のゴム状重合体含有量が10〜25重量%で、グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計100重量部に対して、ポリオルガノシロキサン(C)及び/又はオレフィン系グラフト重合体(D)を0.1〜7重量部配合することを特徴とするブロー成形用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 共重合体(B)が、ガラス転移温度110℃以上130℃未満である共重合体(B−1)とガラス転移温度130℃以上150℃未満である共重合体(B−2)を含有し、かつ、共重合体(B)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)が0.6〜0.9dl/gであることを特徴とする請求項1に記載のブロー成形用熱可塑性組成物。
  3. 共重合体(B−1)の還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.4%溶液、30℃)が0.75〜1.0dl/gであることを特徴とする請求項2に記載のブロー成形用熱可塑性組成物。
  4. 請求項1〜3に記載のブロー成形用熱可塑性組成物をブロー成形されたブロー成形品。

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